特開2021-172946(P2021-172946A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-172946(P2021-172946A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】ヘッドカバー
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20211004BHJP
【FI】
   A41D13/11 L
   A41D13/11 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-80711(P2020-80711)
(22)【出願日】2020年4月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年4月24日医療用防護マスク寄贈式
(71)【出願人】
【識別番号】592181842
【氏名又は名称】株式会社サガシキ
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】持永 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】高畑 幸典
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小さく折り畳めるヘッドカバーであるにもかかわらず、利用者の顔面にフィットし易く、作業性の良いヘッドカバーを提供すること、粉塵、細菌又はウイルス等が顔や頭に付着することを確実に防止すること及びヘッドカバーを大量かつ安価に提供すること。
【解決手段】透明部1が設けられている前面部2、前面部2の上辺に接続されている第一上面部5、前面部2の右辺に接続されている第一側面部3、第一側面部3の上辺に接続されている第一上面補助部8、前面部2の左辺に上端を合わせて接続されている第二側面部、第二側面部の上辺に接続されている第二上面補助部、第一側面部3の右辺及び第二側面部の左辺に接続されている背面部6及び背面部6の上辺に接続されている第二上面部10からなるヘッドカバー。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な左辺及び右辺、円弧状又は楕円弧状に凹んでいる上辺並びに下辺を有する柔軟性のある板状体からなる前面部と、
前記前面部の右辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺、該左辺及び右辺に直交する直線状の上辺並びに下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第一側面部と、
前記前面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺、該左辺及び右辺に直交する直線状の上辺並びに下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第二側面部と、
前記前面部の上辺に折り曲げ可能に接続され、前記円弧状又は前記楕円弧状に膨らんでいる下辺、互いに平行な前記第一側面部の上辺と同じ長さの右辺及び前記第二側面部の上辺と同じ長さの左辺並びに上辺を有する柔軟性のある板状体からなる上面部と、
前記第一側面部の右辺及び前記第二側面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺並びに上辺及び下辺を有する柔軟性のある板状体からなる背面部と、を備え、
少なくとも前記前面部の中央近傍は、視野確保用の透明部となっている
ことを特徴とするヘッドカバー。
【請求項2】
前記柔軟性のある板状体及び前記長方形を含む形状の板状体は紙製であり、
前記透明部は、前記前面部の中央近傍に設けられた孔と該孔を覆う透明シートからなる
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドカバー。
【請求項3】
前記前面部を構成する板状体は透明シート製である
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドカバー。
【請求項4】
前記第一側面部の上辺に左端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前記第一側面部の上辺の長さ以下の下辺を有し、高さが前記前面部の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状の板状体からなる第一上面補助部と、
前記第二側面部の上辺に右端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前記第二側面部の上辺の長さ以下の下辺を有し、高さが前記前面部の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状の板状体からなる第二上面補助部と、を備えている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘッドカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉塵、細菌又はウイルス等が顔や頭に付着すること及び飛沫感染することを防止するためのヘッドカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
使用者が、皮膚または頭皮を通じて危険物質を吸収することを防止するためのヘッドカバーとしては、特許文献1(特表2005−512641号公報)に記載されているように、織物等の材料から作製されるフード付のカバーであり、透明保護視野窓を備えるもの等が知られている(特に、段落0015〜0016及び図1図2を参照)。
また、粉塵、細菌又はウイルスの付着を防止するものではないが、防煙を目的としたヘッドカバーであって、小さく折り畳んで持ち運べる布、紙又は透明シート製のものが、特許文献2(実開昭64−17259号公報、特に、明細書第4頁第14行〜第6頁末行及び第1〜3図を参照)や特許文献3(実開昭51−118320号公報、特に、明細書第2頁第1行〜第3頁第3行及び第1〜3図を参照)に記載されている。
【0003】
ところが、特許文献1記載のヘッドカバーは、図1、2の記載から分かるように、使用者の頭部にぴったりと装着されるため、漏れに対して最大の保護を提供できるが(段落0016の第13〜15行参照)、装着に時間を要し、繊維材料等で作製されているため、コストが高く、折り畳めてもかさばるという問題があった。
また、特許文献2及び3記載の防煙用ヘッドカバーは、小さく折り畳むことはできるものの、利用時の形状が円筒状又は直方体状で頭にフィットしにくいため、短時間使用する場合は良いが、長時間使用する場合には装着感が悪く作業性が良くないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−512641号公報
【特許文献2】実願昭62−110149号(実開昭64-17259)のマイクロフィルム
【特許文献3】実願昭50−35555号(実開昭51-118320)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決し、薄い紙製又は透明シート製で小さく折り畳めるヘッドカバーであるにもかかわらず、利用者の顔面にフィットし易く、作業性の良いヘッドカバーを提供することを第1の課題としている。
また、筒状体の上部の前側や左右側に隙間ができないようにして、粉塵、細菌又はウイルス等が顔や頭に付着することを確実に防止することを第2の課題としている。
さらに、安価な材料で製造できるようにして、ヘッドカバーを大量かつ安価に提供することを第3の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明のヘッドカバーは、
平行な左辺及び右辺、円弧状又は楕円弧状に凹んでいる上辺並びに下辺を有する柔軟性のある板状体からなる前面部と、
前記前面部の右辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺、該左辺及び右辺に直交する直線状の上辺並びに下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第一側面部と、
前記前面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺、該左辺及び右辺に直交する直線状の上辺並びに下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第二側面部と、
前記前面部の上辺に折り曲げ可能に接続され、前記円弧状又は前記楕円弧状に膨らんでいる下辺、互いに平行な前記第一側面部の上辺と同じ長さの右辺及び前記第二側面部の上辺と同じ長さの左辺並びに上辺を有する柔軟性のある板状体からなる上面部と、
前記第一側面部の右辺及び前記第二側面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な左辺及び右辺並びに上辺及び下辺を有する柔軟性のある板状体からなる背面部と、を備え、
少なくとも前記前面部の中央近傍は、視野確保用の透明部となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヘッドカバーにおいて、
前記柔軟性のある板状体及び前記長方形を含む形状の板状体は紙製であり、
前記透明部は、前記前面部の中央近傍に設けられた孔と該孔を覆う透明シートからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のヘッドカバーにおいて、
前記前面部を構成する板状体は透明シート製であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のヘッドカバーにおいて、
前記第一側面部の上辺に左端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前記第一側面部の上辺の長さ以下の下辺を有し、高さが前記前面部の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状の板状体からなる第一上面補助部と、
前記第二側面部の上辺に右端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前記第二側面部の上辺の長さ以下の下辺を有し、高さが前記前面部の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状の板状体からなる第二上面補助部と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明のヘッドカバーは、それぞれが上記のとおりに特定されている形状の板状体からなる、前面部と、前面部の右辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続されている第一側面部と、前面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続されている第二側面部と、前面部の上辺に折り曲げ可能に接続されている上面部と、第一側面部の右辺及び第二側面部の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続されている背面部と、を備えるとともに、少なくとも前記前面部の中央近傍は、視野確保用の透明部となっている。
そのような構造であるため、面一にした前面部、上面部及び第一側面部と、面一にした背面部及び第二側面部とを密着させたり、面一にした前面部、上面部及び第二側面部と、面一にした背面部及び第一側面部とを密着させたりして折り畳むことができ、運搬や保管が容易である。
また、折り畳んだ状態から第一側面部と第二側面部を起こして全体を筒状体とした後、上面部で上部を塞ぎ適宜の手段で固定すれば、その筒状体を頭部に被ることができ、前面部の中央近傍は視野確保用の透明部となっているため、利用者は筒状体を被った状態で、各種の作業を行うことができる。
そして、円弧状又は楕円弧状に凹んでいる前面部の上辺と、円弧状又は楕円弧状に膨らんでいる上面部の下辺が折り曲げ可能に接続されていることによって、筒状体の前面部が前方に円弧状又は楕円弧状に膨らむので、利用者の顔面にフィットし易く、作業性の良いヘッドカバーを提供することができる。
加えて、筒状体の上部の前側に隙間ができないため、粉塵、細菌又はウイルス等が顔や頭に付着することを防止することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、前面部、第一側面部、第二側面部、上面部及び背面部を構成する各板状体が紙製であるため、ヘッドカバーを大量かつ安価に提供することができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、前面部を構成する板状体が透明シート製であるため、広い視野が得られる。また、視野確保用の透明部を作成する手間が省けるので、ヘッドカバーを容易かつ安価に提供することができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、請求項1〜3のいずれかに係る発明による効果に加えて、第一側面部の上辺に左端を合わせて折り曲げ可能に接続される第一上面補助部と、第二側面部の上辺に右端を合わせて折り曲げ可能に接続される第二上面補助部と、を備えているので、筒状体の上部の前側だけでなく、左右側にも隙間ができず、粉塵、細菌又はウイルス等が顔や頭に付着することをより確実に防止することができる。
また、上面部で上部を塞いだ後に、第一上面補助部と第二上面補助部を適宜の手段で固定すれば、上面部を直接固定することなく、ヘッドカバーを頭部に被ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例に係るヘッドカバーの展開図。
図2】実施例に係るヘッドカバーを折り畳んだ状態の平面図。
図3】実施例に係るヘッドカバーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、実施例に係るヘッドカバーの展開図である。
実施例に係るヘッドカバーは、それぞれが厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙製の板状体からなり、図1に示すように、以下の要素によって構成されている。
(1)平行な第1長さの左辺及び右辺、曲率半径が約200mmの円弧状に凹んでいる上辺並びにサインカーブ状に膨らんでいる下辺を有するとともに、中央近傍に下辺が凹んでいる長円形状の孔と、その孔を覆う透明シートからなる視野確保用の透明部1が設けられている前面部2。
(2)前面部2の右辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な第1長さの左辺及び右辺、その左辺及び右辺に直交し第2長さで直線状の上辺並びにサインカーブ状に凹んでいる下辺を有する長方形に近い形状の第一側面部3。
(3)前面部2の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、第一側面部3と同じ形状の第二側面部4。
(4)前面部2の上辺に折り曲げ可能に接続され、曲率半径が約200mmの円弧状に膨らんでいる下辺及び上辺並びに第2長さの平行な左辺及び右辺を有する第一上面部5。
(5)第二側面部4の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前面部2と同じ形状の背面部6。
(6)背面部6の左辺に折り曲げ可能に接続され、第1長さの右辺と右辺に平行な左辺を有する等脚台形状の糊しろ部7。
(7)第一側面部3の上辺に折り曲げ可能に接続され、第2長さで直線状の下辺及び上辺並びに第2長さより短い直線状の左辺及び右辺を有する長方形状の第一上面補助部8。
(8)第二側面部4の上辺に折り曲げ可能に接続され、第一上面補助部8と同じ形状の第二上面補助部9。
(9)背面部6の上辺に折り曲げ可能に接続され、第一上面部5と同じ形状の第二上面部10。
なお、各要素のサイズは図1に記載したとおりであるが(単位は全てmm)、用途や利用者の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
【0017】
実施例に係るヘッドカバーを製造するに際しては、厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙を、図1の実線部分に示す形状に打ち抜き、図1に点線で示す部分は内側に折り曲げられるように折り目をつける。
次に、前面部2の中央近傍にある孔の裏側の周囲に接着剤を塗布し、孔全体が覆われるように透明シートを貼り付けて、視野確保用の透明部1とする。
そして、糊しろ部7の右辺を内側に180度折り曲げて表面に接着剤を塗布した後、前面部2の左辺を内側に180度折り曲げて、糊しろ部7の表面を第一側面部3の裏側に接触させ、右辺に沿って貼り付ければ実施例に係るヘッドカバーが完成する。
そのため、完成したヘッドカバーの背面部6は、第二側面部4の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続されているだけでなく、第一側面部3の右辺にも上端を合わせて折り曲げ可能に接続されているものとなる。
【0018】
図2は、実施例に係るヘッドカバーを折り畳んだ状態の平面図である。
図2は、面一にした前面部2、第一側面部3、第一上面部5及び第一上面補助部8と、面一にした第二側面部4、背面部6、第二上面補助部9及び第二上面部10とを密着させた状態を示しているが、面一にした前面部2、第二側面部4、第一上面部5及び第二上面補助部9と、面一にした第一側面部3、背面部6、第一上面補助部8及び第二上面部10とを密着させた状態とすることもできる。
実施例に係るヘッドカバーを利用するに際しては、図2に示す状態から、第一側面部3と第二側面部4を起こして、それぞれの面を前面部2及び背面部6の面に対して、ほぼ直角となるようにして全体を筒状体とした後、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を内側に折り曲げ、第二上面部10及び第一上面部5を内側に折り曲げ、さらに、透明部1の下側にある折り目に沿って前面部2の下部を少々山折りすると、図3に示す斜視図のような状態になる。
図3に示すように、実施例に係るヘッドカバーの上部は、第一上面補助部8、第二上面補助部9、第二上面部10及び第一上面部5で覆われるため、特に接着剤等で固定しなくても利用することができるが、適宜の箇所を接着剤や粘着テープ等で固定すれば、さらに密閉性を高めることができる。
【0019】
実施例に係るヘッドカバーの変形例を説明する。
(1)実施例においては、厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙を打ち抜き、折り目をつけ、視野確保用の透明部1を設け、糊しろ部7の表面を第一側面部3の裏側に貼り付けて製造したが、ボール紙の厚さや色は適宜選択でき、材質も各種の紙、薄手のプラスチック板等、適度の厚さ、強度及び柔軟性を有する板状体であれば、どのようなものを用いても良い。
また、少なくとも前面部2を構成する板状体を透明シート製とすれば、視野確保用の透明部1を設ける必要がなくなるので、生産性を上げることができる。
さらに、各要素の板状体を別々に作成し、それぞれを図1のように配置して、隣り合う辺を折り曲げ可能に接続して製造しても良い。
なお、前面部2、第一上面部5、背面部6及び第二上面部10を構成する板状体は、柔軟性を有している必要があるが、他の板状体は、柔軟性を有していなくても良い。
(2)実施例に係るヘッドカバーは、前面部2、第一側面部3、第二側面部4、第一上面部5、背面部6、糊しろ部7、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10の各要素を有していたが、糊しろ部7、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10を有していなくても、頭部の周囲及び頭部の上方を覆うヘッドカバーを組み立てることができる。
例えば、糊しろ部7を設けない場合、粘着テープ等を用いて第一側面部3の右辺と背面部6の左辺を折り曲げ可能に接続すれば良く、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10を設けない場合、第一上面部5を粘着テープ等によって、第一側面部3、第二側面部4及び背面部6の少なくとも1つに固定することで、第一上面部5が跳ね上がらないようにすることができる。
さらに、第二上面部10のみを設けないものとしたり、第二上面部10を設け第一上面補助部8及び第二上面補助部9を設けないものとしたりすることもできる。
【0020】
(3)実施例では、前面部2、第一側面部3、第二側面部4及び背面部6の左辺及び右辺は、全て同じ長さ(第1長さ)であったが、前面部2の左辺及び右辺の長さは、利用者がヘッドカバーを被ったときに、利用者の顔及び首を覆うことができる長さとする必要があるものの、前面部2の左辺と右辺の長さは異なっていても良く、第一側面部3、第二側面部4並びに背面部6の左辺及び右辺は、少なくとも上端から所定の範囲で利用者の側頭部及び後頭部を覆うことができる長さであれば良い。
(4)実施例では、前面部2の上辺及び背面部6の上辺は、曲率半径が約200mmの円弧状に凹んでおり、第一上面部5の下辺及び上辺並びに第二上面部10の下辺及び上辺は、曲率半径が約200mmの円弧状に膨らんでいたが、曲率半径は適宜選択でき、円弧状に限らず楕円弧状としても良い。
また、前面部2の上辺の凹み形状と、第一上面部5の下辺の膨らみ形状は一致している必要があり、背面部6の上辺の凹み形状と、第二上面部10の下辺の膨らみ形状は一致している必要があるが、前面部2の上辺の凹み形状と背面部6の上辺の凹み形状、前面部2の上辺の凹み形状と第二上面部10の上辺の膨らみ形状及び背面部6の上辺の凹み形状と第一上面部5の上辺の膨らみ形状は、いずれも一致している必要はない。
さらに、前面部2の上辺は円弧状又は楕円弧状に凹んでいる必要があるが、第一上面部5の上辺、背面部6の上辺及び第二上面部10の上辺は、任意の形状で良い。
【0021】
(5)実施例では、前面部2の下辺及び背面部6の下辺は、サインカーブ状に膨らんでおり、第一側面部3及び第二側面部4の下辺は、サインカーブ状に凹んでいたが、いずれも任意の形状で良い。
そのため、特許請求の範囲では、第一側面部及び第二側面部について、「長方形を含む形状の板状体」という表現を用いている。
(6)実施例では、第一側面部3及び第二側面部4の上辺の長さは、同じ長さ(第2長さ)であったが、異なっていても良い。
両者の長さが異なる場合や、前面部2の両辺間の距離と背面部6の両辺の距離が異なる場合、第一側面部3及び第二側面部4のいずれか又は両方に折り畳み用の折り目を設ける方が良い場合がある(隣接する2つの要素の左右辺間の距離と他の2つの要素の左右辺間の距離が同じ場合は不要)。
(7)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の下辺の長さは、第一側面部3及び第二側面部4の上辺の長さと同じであったが、第一上面補助部8については、第一側面部3の上辺に左端を合わせて折り曲げ可能に接続されていれば、同上辺の長さより短くても良く、第二上面補助部9については、第二側面部4の上辺に右端を合わせて折り曲げ可能に接続されていれば、同上辺の長さより短くても良い。
【0022】
(8)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9は、いずれも長方形状であったが、高さが前面部2の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状で、内側に折り曲げた時に第一上面部5の上面に重なるものであれば良い。
また、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の一方の先端部に凸状の係止部、他方の先端部に凹状の係合部を設け、両者を内側に折り曲げた時に、係止部を係合部に係合させて固定できるようにすれば、接着剤や粘着テープ等の固定手段を用いずに、上面部5が跳ね上がらないようにすることができる。
(9)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を折り曲げた後に、第二上面部10及び第一上面部5を折り曲げ、さらに、透明部1の下側にある折り目に沿って前面部2の下部を少々山折りしてヘッドカバーを組み立てたが、第一上面補助部8と第二上面補助部9を折り曲げる順序が隣り合っていれば、どのような順序で折り曲げても良い。
ただし、変形例(8)のように、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の先端部に係止部と係合部を設けた場合は、第二上面部10及び第一上面部5を折り曲げた後に、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を折り曲げることとなる。
なお、透明部1の下側の折り目は、前面部2に柔軟性があるので設けなくても良い。
【符号の説明】
【0023】
1 透明部 2 前面部 3 第一側面部 4 第二側面部
5 第一上面部 6 背面部 7 糊しろ部
8 第一上面補助部 9 第二上面補助部 10 第二上面部
図1
図2
図3