【実施例】
【0016】
図1は、実施例に係るヘッドカバーの展開図である。
実施例に係るヘッドカバーは、それぞれが厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙製の板状体からなり、
図1に示すように、以下の要素によって構成されている。
(1)平行な第1長さの左辺及び右辺、曲率半径が約200mmの円弧状に凹んでいる上辺並びにサインカーブ状に膨らんでいる下辺を有するとともに、中央近傍に下辺が凹んでいる長円形状の孔と、その孔を覆う透明シートからなる視野確保用の透明部1が設けられている前面部2。
(2)前面部2の右辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、平行な第1長さの左辺及び右辺、その左辺及び右辺に直交し第2長さで直線状の上辺並びにサインカーブ状に凹んでいる下辺を有する長方形に近い形状の第一側面部3。
(3)前面部2の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、第一側面部3と同じ形状の第二側面部4。
(4)前面部2の上辺に折り曲げ可能に接続され、曲率半径が約200mmの円弧状に膨らんでいる下辺及び上辺並びに第2長さの平行な左辺及び右辺を有する第一上面部5。
(5)第二側面部4の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続され、前面部2と同じ形状の背面部6。
(6)背面部6の左辺に折り曲げ可能に接続され、第1長さの右辺と右辺に平行な左辺を有する等脚台形状の糊しろ部7。
(7)第一側面部3の上辺に折り曲げ可能に接続され、第2長さで直線状の下辺及び上辺並びに第2長さより短い直線状の左辺及び右辺を有する長方形状の第一上面補助部8。
(8)第二側面部4の上辺に折り曲げ可能に接続され、第一上面補助部8と同じ形状の第二上面補助部9。
(9)背面部6の上辺に折り曲げ可能に接続され、第一上面部5と同じ形状の第二上面部10。
なお、各要素のサイズは
図1に記載したとおりであるが(単位は全てmm)、用途や利用者の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
【0017】
実施例に係るヘッドカバーを製造するに際しては、厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙を、
図1の実線部分に示す形状に打ち抜き、
図1に点線で示す部分は内側に折り曲げられるように折り目をつける。
次に、前面部2の中央近傍にある孔の裏側の周囲に接着剤を塗布し、孔全体が覆われるように透明シートを貼り付けて、視野確保用の透明部1とする。
そして、糊しろ部7の右辺を内側に180度折り曲げて表面に接着剤を塗布した後、前面部2の左辺を内側に180度折り曲げて、糊しろ部7の表面を第一側面部3の裏側に接触させ、右辺に沿って貼り付ければ実施例に係るヘッドカバーが完成する。
そのため、完成したヘッドカバーの背面部6は、第二側面部4の左辺に上端を合わせて折り曲げ可能に接続されているだけでなく、第一側面部3の右辺にも上端を合わせて折り曲げ可能に接続されているものとなる。
【0018】
図2は、実施例に係るヘッドカバーを折り畳んだ状態の平面図である。
図2は、面一にした前面部2、第一側面部3、第一上面部5及び第一上面補助部8と、面一にした第二側面部4、背面部6、第二上面補助部9及び第二上面部10とを密着させた状態を示しているが、面一にした前面部2、第二側面部4、第一上面部5及び第二上面補助部9と、面一にした第一側面部3、背面部6、第一上面補助部8及び第二上面部10とを密着させた状態とすることもできる。
実施例に係るヘッドカバーを利用するに際しては、
図2に示す状態から、第一側面部3と第二側面部4を起こして、それぞれの面を前面部2及び背面部6の面に対して、ほぼ直角となるようにして全体を筒状体とした後、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を内側に折り曲げ、第二上面部10及び第一上面部5を内側に折り曲げ、さらに、透明部1の下側にある折り目に沿って前面部2の下部を少々山折りすると、
図3に示す斜視図のような状態になる。
図3に示すように、実施例に係るヘッドカバーの上部は、第一上面補助部8、第二上面補助部9、第二上面部10及び第一上面部5で覆われるため、特に接着剤等で固定しなくても利用することができるが、適宜の箇所を接着剤や粘着テープ等で固定すれば、さらに密閉性を高めることができる。
【0019】
実施例に係るヘッドカバーの変形例を説明する。
(1)実施例においては、厚さ約0.4mmの両面が白いボール紙を打ち抜き、折り目をつけ、視野確保用の透明部1を設け、糊しろ部7の表面を第一側面部3の裏側に貼り付けて製造したが、ボール紙の厚さや色は適宜選択でき、材質も各種の紙、薄手のプラスチック板等、適度の厚さ、強度及び柔軟性を有する板状体であれば、どのようなものを用いても良い。
また、少なくとも前面部2を構成する板状体を透明シート製とすれば、視野確保用の透明部1を設ける必要がなくなるので、生産性を上げることができる。
さらに、各要素の板状体を別々に作成し、それぞれを
図1のように配置して、隣り合う辺を折り曲げ可能に接続して製造しても良い。
なお、前面部2、第一上面部5、背面部6及び第二上面部10を構成する板状体は、柔軟性を有している必要があるが、他の板状体は、柔軟性を有していなくても良い。
(2)実施例に係るヘッドカバーは、前面部2、第一側面部3、第二側面部4、第一上面部5、背面部6、糊しろ部7、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10の各要素を有していたが、糊しろ部7、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10を有していなくても、頭部の周囲及び頭部の上方を覆うヘッドカバーを組み立てることができる。
例えば、糊しろ部7を設けない場合、粘着テープ等を用いて第一側面部3の右辺と背面部6の左辺を折り曲げ可能に接続すれば良く、第一上面補助部8、第二上面補助部9及び第二上面部10を設けない場合、第一上面部5を粘着テープ等によって、第一側面部3、第二側面部4及び背面部6の少なくとも1つに固定することで、第一上面部5が跳ね上がらないようにすることができる。
さらに、第二上面部10のみを設けないものとしたり、第二上面部10を設け第一上面補助部8及び第二上面補助部9を設けないものとしたりすることもできる。
【0020】
(3)実施例では、前面部2、第一側面部3、第二側面部4及び背面部6の左辺及び右辺は、全て同じ長さ(第1長さ)であったが、前面部2の左辺及び右辺の長さは、利用者がヘッドカバーを被ったときに、利用者の顔及び首を覆うことができる長さとする必要があるものの、前面部2の左辺と右辺の長さは異なっていても良く、第一側面部3、第二側面部4並びに背面部6の左辺及び右辺は、少なくとも上端から所定の範囲で利用者の側頭部及び後頭部を覆うことができる長さであれば良い。
(4)実施例では、前面部2の上辺及び背面部6の上辺は、曲率半径が約200mmの円弧状に凹んでおり、第一上面部5の下辺及び上辺並びに第二上面部10の下辺及び上辺は、曲率半径が約200mmの円弧状に膨らんでいたが、曲率半径は適宜選択でき、円弧状に限らず楕円弧状としても良い。
また、前面部2の上辺の凹み形状と、第一上面部5の下辺の膨らみ形状は一致している必要があり、背面部6の上辺の凹み形状と、第二上面部10の下辺の膨らみ形状は一致している必要があるが、前面部2の上辺の凹み形状と背面部6の上辺の凹み形状、前面部2の上辺の凹み形状と第二上面部10の上辺の膨らみ形状及び背面部6の上辺の凹み形状と第一上面部5の上辺の膨らみ形状は、いずれも一致している必要はない。
さらに、前面部2の上辺は円弧状又は楕円弧状に凹んでいる必要があるが、第一上面部5の上辺、背面部6の上辺及び第二上面部10の上辺は、任意の形状で良い。
【0021】
(5)実施例では、前面部2の下辺及び背面部6の下辺は、サインカーブ状に膨らんでおり、第一側面部3及び第二側面部4の下辺は、サインカーブ状に凹んでいたが、いずれも任意の形状で良い。
そのため、特許請求の範囲では、第一側面部及び第二側面部について、「長方形を含む形状の板状体」という表現を用いている。
(6)実施例では、第一側面部3及び第二側面部4の上辺の長さは、同じ長さ(第2長さ)であったが、異なっていても良い。
両者の長さが異なる場合や、前面部2の両辺間の距離と背面部6の両辺の距離が異なる場合、第一側面部3及び第二側面部4のいずれか又は両方に折り畳み用の折り目を設ける方が良い場合がある(隣接する2つの要素の左右辺間の距離と他の2つの要素の左右辺間の距離が同じ場合は不要)。
(7)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の下辺の長さは、第一側面部3及び第二側面部4の上辺の長さと同じであったが、第一上面補助部8については、第一側面部3の上辺に左端を合わせて折り曲げ可能に接続されていれば、同上辺の長さより短くても良く、第二上面補助部9については、第二側面部4の上辺に右端を合わせて折り曲げ可能に接続されていれば、同上辺の長さより短くても良い。
【0022】
(8)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9は、いずれも長方形状であったが、高さが前面部2の左辺と右辺の距離より小さい四角形状又は三角形状で、内側に折り曲げた時に第一上面部5の上面に重なるものであれば良い。
また、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の一方の先端部に凸状の係止部、他方の先端部に凹状の係合部を設け、両者を内側に折り曲げた時に、係止部を係合部に係合させて固定できるようにすれば、接着剤や粘着テープ等の固定手段を用いずに、上面部5が跳ね上がらないようにすることができる。
(9)実施例では、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を折り曲げた後に、第二上面部10及び第一上面部5を折り曲げ、さらに、透明部1の下側にある折り目に沿って前面部2の下部を少々山折りしてヘッドカバーを組み立てたが、第一上面補助部8と第二上面補助部9を折り曲げる順序が隣り合っていれば、どのような順序で折り曲げても良い。
ただし、変形例(8)のように、第一上面補助部8及び第二上面補助部9の先端部に係止部と係合部を設けた場合は、第二上面部10及び第一上面部5を折り曲げた後に、第一上面補助部8及び第二上面補助部9を折り曲げることとなる。
なお、透明部1の下側の折り目は、前面部2に柔軟性があるので設けなくても良い。