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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-173304(P2021-173304A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】ディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/097 20060101AFI20211004BHJP
【FI】
   F16D65/097 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-76052(P2020-76052)
(22)【出願日】2020年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 学聖
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA63
3J058AA69
3J058AA77
3J058AA87
3J058BA16
3J058CA65
3J058FA06
(57)【要約】
【課題】摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが可能となるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】摩擦パッド25のディスクに対する当接面とは反対側の面262に固定される固定部271と、固定部271からディスクの周方向外方へ延びる第1延出部272と、を有する戻しバネ251と、ディスクの周方向外方へ延出し、第1延出部272の先端部286が当接する第2延出部201と、第2延出部201の先端で折り曲げられた第1折曲部211と、第1折曲部211の先端で折り曲げられた第2折曲部212と、を有し、第2折曲部212の先端が取付部材21に当接する折曲形状部205と、を有するパッドスプリング26と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられる取付部材と、
前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
前記摩擦パッドと前記取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、
前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、
前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、
を有する戻しバネと、
前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、
前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、
前記第2延出部の先端で折り曲げられた第1折曲部と、前記第1折曲部の先端で折り曲げられた第2折曲部と、を有し、前記第2折曲部の先端が前記取付部材に当接する折曲形状部と、
を有するパッドスプリングと、
を備えるディスクブレーキ。
【請求項2】
請求項1に記載のディスクブレーキであって、
前記折曲形状部は、前記第1折曲部と前記第2折曲部とから構成されたS字形状である、
ディスクブレーキ。
【請求項3】
請求項1に記載のディスクブレーキであって、
前記第1延出部の先端部は、前記第1延出部(の基端側)から前記ディスクの周方向内方へ折り曲げられている、
ディスクブレーキ。
【請求項4】
請求項1に記載のディスクブレーキであって、
前記第2延出部のうち前記第1延出部の先端部が当接する部位の幅は、前記第1延出部の先端部の幅より大きい、
ディスクブレーキ。
【請求項5】
車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられる取付部材と、
前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、
前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
前記摩擦パッドと前記取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、
前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、
前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、
を有する戻しバネと、
前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、
前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、
前記第2延出部の先端で折り曲げられ、前記取付部材に当接する折曲形状部と、
を有するパッドスプリングと、
を備えるディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキにおいて、摩擦パッドに取り付けられた戻しバネをパッドスプリングに当接させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−196829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスクブレーキにおいては、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが可能となるディスクブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、摩擦パッドと取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドをディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、を有する戻しバネと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、前記第2延出部の先端で折り曲げられた第1折曲部と、前記第1折曲部の先端で折り曲げられた第2折曲部と、を有し、前記第2折曲部の先端が前記取付部材に当接する折曲形状部と、を有するパッドスプリングと、を備える、構成とした。
【0007】
本発明に係る第2の態様は、摩擦パッドと取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドをディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、を有する戻しバネと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、前記第2延出部の先端で折り曲げられ、前記取付部材に当接する折曲形状部と、を有するパッドスプリングと、を備える、構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態のディスクブレーキをディスク径方向外側から見た図。
図2】実施形態のディスクブレーキをアウタ側から見た図。
図3】実施形態のディスクブレーキをインナ側から見た図。
図4】実施形態のディスクブレーキをディスク径方向内側から見た図。
図5】実施形態のディスクブレーキをディスク周方向一側から見た図。
図6】実施形態のディスクブレーキをディスク周方向他側から見た図。
図7】実施形態のディスクブレーキをアウタ側から見た部分拡大図。
図8】実施形態のディスクブレーキの自然状態のパッドスプリングを示す正面図。
図9】実施形態のディスクブレーキの自然状態のパッドスプリングを示す側面図。
図10】実施形態のディスクブレーキの自然状態のパッドスプリングを示す部分平面図。
図11】実施形態のディスクブレーキをディスク径方向外側から見た部分拡大図。
図12】実施形態のディスクブレーキをディスク径方向内側から見た部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態を図面を参照して以下に説明する。図1図6に示す実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものであり、具体的には四輪自動車の制動用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク11の回転を止めることで車両を制動する。
【0011】
図1に示すように、ディスクブレーキ10は、取付部材21と、キャリパ22と、一対のピンブーツ23と、を備えている。また、ディスクブレーキ10は、図4に示すように、一対の摩擦パッド25と、一対のパッドスプリング26と、を備えている。
【0012】
以下、ディスク11の中心軸線をディスク軸線、ディスク軸線の延びる方向をディスク軸方向と称す。また、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の径方向をディスク径方向、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の周方向つまり回転方向をディスク周方向と称す。ディスク径方向におけるディスク11の中心側をディスク径方向内側、ディスク径方向におけるディスク11の中心とは反対側をディスク径方向外側と称す。また、ディスク周方向における中央側をディスク周方向内側、ディスク周方向における中央とは反対側をディスク周方向外側と称す。また、ディスク軸線と、ディスクブレーキ10のディスク周方向の中央とを通ってディスク径方向に沿う線を径方向基準線と称す。この径方向基準線はディスク軸線に直交する。また、車両の車幅方向における外側をアウタ側と称し、内側をインナ側と称す。
【0013】
取付部材21は、図3に示すように、インナビーム部31および一対のインナ側トルク受部32を有しており、図1に示すように一対のピン挿嵌部33を有している。また、取付部材21は、図2に示すように、一対のアウタ側トルク受部36およびアウタビーム部37を有している。取付部材21は、車両の非回転部に固定され、図1図5図6に示すようにディスク11の外周側を跨いで設けられる。取付部材21は、ディスク周方向の中央を基準面とする鏡面対称の形状となっている。径方向基準線は、取付部材21のディスク周方向の中央位置を通り、この基準面内に配置される。
【0014】
図4図6に示すように、インナビーム部31は、ディスク11に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。ここで、取付部材21が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスク11に対しインナ側に配置されており、この非回転部分に取り付けられるインナビーム部31も、ディスク11に対しインナ側に配置される。図3に示すように、インナビーム部31は、ディスク周方向に延びるように配置されており、ディスク周方向両端側に、それぞれディスク軸方向に沿う取付穴41が形成されている。取付部材21は、インナビーム部31が、一対の取付穴41に螺合されるボルトによって車両の非回転部分に取り付けられる。
【0015】
一対のインナ側トルク受部32は、一方のインナ側トルク受部32が、インナビーム部31のディスク周方向一側の端部からディスク径方向外側に延出している。また、一対のインナ側トルク受部32は、他方のインナ側トルク受部32が、インナビーム部31のディスク周方向他側の端部からディスク径方向外側に延出している。図4図6に示すように、一対のインナ側トルク受部32は、インナビーム部31と同様、ディスク11に対しインナ側に配置されている。
【0016】
一対のピン挿嵌部33は、図5に示すように、一方のピン挿嵌部33が、ディスク周方向一側のインナ側トルク受部32のディスク径方向外側の端部から、ディスク軸方向にディスク11の外周側を跨いで、アウタ側に向け延出している。また、一対のピン挿嵌部33は、図6に示すように、他方のピン挿嵌部33が、ディスク周方向他側のインナ側トルク受部32のディスク径方向外側の端部から、ディスク軸方向にディスク11の外周側を跨いで、アウタ側に向け延出している。
【0017】
一方のインナ側トルク受部32およびこれに繋がる一方のピン挿嵌部33と、他方のインナ側トルク受部32およびこれに繋がる他方のピン挿嵌部33とには、それぞれ、ディスク軸方向に沿って延びる図示略のピン挿入穴が形成されている。これら一対のピン挿入穴は、それぞれ、インナ側トルク受部32のインナ側の端面から、ピン挿嵌部33内の途中位置まで形成されている。
【0018】
取付部材21には、一対のピン挿入穴に、図1に示すキャリパ22のディスク周方向両側の一対のスライドピン45が摺動可能に嵌合する。これにより、取付部材21は、その一対のピン挿嵌部33において、キャリパ22をディスク軸方向に摺動可能に支持する。言い換えれば、キャリパ22は、ディスク周方向両側に設けられた一対のスライドピン45が、それぞれ、取付部材21の対応する図示略のピン挿入穴に摺動可能に嵌合されることになる。これにより、キャリパ22は、取付部材21に、ディスク軸方向に移動可能に設けられている。
【0019】
一対のアウタ側トルク受部36は、一方のアウタ側トルク受部36が、ディスク周方向一側のピン挿嵌部33のインナ側トルク受部32とは反対側すなわちアウタ側の端部から、図2に示すようにディスク径方向内側に延出している。一対のアウタ側トルク受部36は、他方のアウタ側トルク受部36が、ディスク周方向他側のピン挿嵌部33のアウタ側の端部からディスク径方向内側に延出している。図5図6に示すように、一対のアウタ側トルク受部36は、ディスク11に対しアウタ側に配置されている。
【0020】
図2に示すように、アウタビーム部37は、ディスク周方向に延びて一対のアウタ側トルク受部36のディスク径方向内側の端部同士を連結している。アウタビーム部37は、一対のアウタ側トルク受部36と同様、ディスク11に対しアウタ側に配置されている。
【0021】
以上により、取付部材21は、ディスク11の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。インナビーム部31および一対のインナ側トルク受部32は、取付部材21において、車両の非回転部分への取り付け側となるインナ側に配置されており、一対のアウタ側トルク受部36およびアウタビーム部37は、取付部材21において、インナ側とは反対となるアウタ側に配置されている。
【0022】
取付部材21は、図2に示す一対のアウタ側トルク受部36および図3に示す一対のインナ側トルク受部32に、同様の凹形状の凹部48がそれぞれ形成されている。
【0023】
すなわち、図2に示すように、一方のアウタ側トルク受部36には、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されており、他方のアウタ側トルク受部36にも、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されている。よって、一対のアウタ側トルク受部36には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の凹部48が形成されている。凹部48は、その形成先のアウタ側トルク受部36をディスク軸方向に貫通している。
【0024】
一対のアウタ側トルク受部36に設けられた一対の凹部48に、一対の摩擦パッド25のうちの一方の摩擦パッド25が支持される。一対のアウタ側トルク受部36において、内面46および内面47は、いずれもディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。
【0025】
また、図3に示すように、一方のインナ側トルク受部32には、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されており、他方のインナ側トルク受部32にも、そのディスク周方向内側に向くディスク径方向外側の内面46およびディスク径方向内側の内面47からディスク周方向外方に向かって凹む形状の凹部48が形成されている。よって、一対のインナ側トルク受部32には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の凹部48が形成されている。凹部48は、その形成先のインナ側トルク受部32をディスク軸方向に貫通している。
【0026】
一対のインナ側トルク受部32に設けられた一対の凹部48に、一対の摩擦パッド25のうちの他方の摩擦パッド25が支持される。一対のインナ側トルク受部32においても、内面46および内面47は、いずれもディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。
【0027】
よって、取付部材21は、ディスク周方向外方に凹む形状の凹部48を四箇所有しており、これらは同様の形状をなしている。四箇所の凹部48のうちの一箇所の凹部48を例にとり図7を参照してさらに説明する。図7は、具体的にはディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36の凹部48の周辺を示している。
【0028】
凹部48は、その凹み方向奥側にあってディスク周方向内側に向く底面51と、ディスク径方向外側にあってディスク径方向内側に向く壁面52と、ディスク径方向内側にあってディスク径方向外側に向く壁面53と、を有している。底面51、壁面52および壁面53は、いずれも平面状である。壁面52は、底面51のディスク径方向外側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。壁面53は、底面51のディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。
【0029】
底面51は、ディスク軸線および径方向基準線に平行に広がっている。壁面52および壁面53は、いずれも径方向基準線に垂直に広がっている。よって、壁面52および壁面53は、平行に広がっており、これらに対し底面51は垂直に広がっている。底面51、壁面52および壁面53は、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。
【0030】
図1に示すように、取付部材21には、ディスク周方向の位置が合う一側のインナ側トルク受部32および一側のアウタ側トルク受部36に、これらに対して一つのパッドスプリング26が取り付けられている。また、取付部材21には、ディスク周方向の位置が合う他側のインナ側トルク受部32および他側のアウタ側トルク受部36に、これらに対して一つのパッドスプリング26が取り付けられている。つまり、一つの取付部材21に、二つのパッドスプリング26が取り付けられている。これらのパッドスプリング26は、同形状の共通部品となっている。これら一対のパッドスプリング26は、取付部材21に設けられて一対の摩擦パッド25を弾性的に支持するものである。
【0031】
パッドスプリング26は、図8に示すように、鏡面対称の形状をなしている。パッドスプリング26は、一定厚さの一枚の金属製板材からプレス成形により形成されている。パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61と、一対のパッド支持部61を接続する接続部62と、を有している。パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61がディスク11に対しディスク軸方向の両側に配置され、接続部62がディスク11に対しディスク径方向の外側に配置される。言い換えれば、パッドスプリング26は、一対のパッド支持部61の間にディスク11が配置される。
【0032】
一つのパッドスプリング26において、一対のパッド支持部61は、鏡面対称の形状をなしているため、一方のパッド支持部61について説明する。
【0033】
図9に示すように、パッド支持部61は、接続部62側の外端板部71と、外端板部71の接続部62とは反対側の端縁部から外端板部71に垂直に延出する外側支持板部72と、外側支持板部72の外端板部71とは反対側の端縁部から外側支持板部72に垂直をなして外端板部71とは反対側に延出する基板部73と、基板部73の外側支持板部72とは反対側の端縁部から基板部73に対して鋭角をなして外側支持板部72と同側に延出する延出板部74と、を有している。
【0034】
外端板部71、外側支持板部72、基板部73および延出板部74は、いずれも平板状である。外端板部71に対する外側支持板部72の折り曲げ線と、外側支持板部72に対する基板部73の折り曲げ線と、基板部73に対する延出板部74の折り曲げ線とは平行である。
【0035】
外端板部71と基板部73とは、互いに平行をなすようにそれぞれ広がっており、延出板部74は基板部73から離れるほど外側支持板部72に近づくように傾斜して広がっている。言い換えれば、外側支持板部72および延出板部74は、基板部73から離れるほど間隔が狭くなっている。
【0036】
連続する外側支持板部72と基板部73と延出板部74とが、全体として凹状に連結されてガイド板部75を構成している。ガイド板部75は、基板部73から延出板部74よりも外側支持板部72とは反対側に突出する係合爪78を有している。係合爪78は、基板部73に対し鈍角をなして、延出板部74と同側に突出している。
【0037】
図8に示すように、一方のパッド支持部61は、延出板部74の他方のパッド支持部61とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部61とは反対側に延出した後、外側支持板部72側に折り返されて他方のパッド支持部61側に延出するバネ板部80を有している。バネ板部80は、その基端側の延出板部74に対して外側支持板部72側に位置する。
【0038】
一方のパッド支持部61は、そのバネ板部80が、延出板部74の他方のパッド支持部61とは反対側の端縁部から外側支持板部72から離れ且つ他方のパッド支持部61から離れる方向に延出した後、外側支持板部72に近づき且つ他方のパッド支持部61から離れる方向に延出するように円弧状に湾曲するカール板部82と、このカール板部82の延出板部74とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部61の方向に、他方のパッド支持部61側ほど、延出板部74の板厚方向において延出板部74から離れるように直線状に延出する内側支持板部83と、を有している。
【0039】
カール板部82は、平面状に広がる延出板部74に平行な線であって延出板部74と基板部73との間の折り曲げ線に垂直な平面内に配置される線を中心とする円筒の半分よりも大きい一部の形状をなしている。このカール板部82の中心軸線は、平面視で基板部73と垂直をなす。
【0040】
図9に示すように、内側支持板部83は、平板状の主板部91と、主板部91よりも外側支持板部72側に膨出する膨出板部92と、を有している。主板部91は、カール板部82の中心軸線と平行に広がっている。バネ板部80は、主にカール板部82において弾性変形することになるが、カール板部82の形状によって、主板部91は、基本的には、カール板部82の中心軸線に平行に広がる状態を維持したまま、延出板部74に近づいたり、延出板部74から離れたりする。よって、バネ板部80が弾性変形すると、主板部91は、延出板部74の広がる方向と平行に広がる状態を生じる。
【0041】
膨出板部92は、内側支持板部83のカール板部82からの延出方向において、内側支持板部83のカール板部82側の中間所定位置からカール板部82とは反対側の端部まで形成されている。また、膨出板部92は、主板部91の広がる方向であって内側支持板部83の延出方向に直交する方向において、内側支持板部83の基板部73側の中間所定位置と基板部73とは反対側の中間所定位置との間の所定範囲に形成されている。この方向において、膨出板部92は、主板部91内に基板部73側に寄って配置されている。
【0042】
ここで、内側支持板部83はカール板部82からの延出方向に長いため、内側支持板部83の延出方向は、内側支持板部83の延在方向となる。また、内側支持板部83の延在方向において、内側支持板部83はカール板部82よりも長いため、内側支持板部83の延在方向は、内側支持板部83およびカール板部82からなるバネ板部80の延在方向となる。膨出板部92は、断面が円弧状となる円筒の一部の形状をなしている。言い換えれば、膨出板部92は、湾曲する形状で主板部91から膨出している。
【0043】
パッド支持部61は、バネ板部80のうち基板部73側の外縁から延出板部74の側に折り曲げられた突片部101を有している。突片部101は、主板部91の基板部73側の外縁から、延出板部74の側に突出している。突片部101は、バネ板部80の主板部91に対して略垂直に折り曲げられている。図8に示すように、突片部101は、バネ板部80の延在方向において、内側支持板部83の中間所定範囲に形成されている。
【0044】
延出板部74には、バネ板部80の延在方向における中間所定範囲に、厚さ方向に貫通する中間開口110が形成されている。バネ板部80が内側支持板部83を延出板部74に近づける方向に弾性変形すると、突片部101は、この中間開口110内に入り込んで延出板部74を厚さ方向に通過する。
【0045】
図8に示すように、一方のパッド支持部61は、その基板部73の他方のパッド支持部61とは反対側の端縁部から、図9に示すように外側支持板部72および延出板部74とは反対側に延出する支持延出部201(第2延出部)を有している。支持延出部201は、基板部73から外側支持板部72および延出板部74とは反対側に延出する主板部202と、主板部202の延出方向の中間位置から外側支持板部72とは反対側に突出する突出板部203と、主板部202の基板部73とは反対側の端部に設けられた折曲形状部205と、を有している。主板部202および突出板部203は、いずれも平板状であり、同一平面内で広がっている。この平面は、基板部73および外側支持板部72に対し垂直に広がっている。
【0046】
図10に示すように、折曲形状部205は、支持延出部201の先端で折り曲げられて形成されている。一方のパッド支持部61の折曲形状部205は、このパッド支持部61の主板部202の基板部73とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部61の方向に折り曲げられて他方のパッド支持部61の方向かつ基板部73の方向に延出する第1折曲部211と、第1折曲部211の主板部202とは反対側の端縁部から基板部73とは反対側に折り曲げられて基板部73に対し垂直に延出する第2折曲部212と、を有している。第1折曲部211はV字状であり、第2折曲部212もV字状である。第1折曲部211と第2折曲部212とからなる折曲形状部205は、S字状をなしている。
【0047】
言い換えれば、一方のパッド支持部61は、支持延出部201の先端で折り曲げられた第1折曲部211と、この第1折曲部211の先端で折り曲げられた第2折曲部212と、を有する折曲形状部205を有している。折曲形状部205は、第1折曲部211と第2折曲部212とから構成されたS字形状である。
【0048】
図8に示すように、一方のパッド支持部61と、これと鏡面対称状をなす他方のパッド支持部61とを繋ぐ接続部62は、これら一対のパッド支持部61の外端板部71の外側支持板部72とは反対側同士を接続する接続板部131と、接続板部131における一対の外側支持板部72側に設けられた位置決め部132と、を有している。
【0049】
図1に示すように、一方のパッドスプリング26は、取付部材21のいずれもディスク周方向の同じ一側にあるインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に取り付けられる。その際に、一方のパッドスプリング26は、図2に示すように、接続部62をパッド支持部61よりもディスク径方向外側に配置した状態で、一方のパッド支持部61の凹状のガイド板部75を、アウタ側トルク受部36の凹部48に嵌合させると共に、図3に示すように他方のパッド支持部61の凹状のガイド板部75を、インナ側トルク受部32の凹部48に嵌合させる。また、その際に、一方のパッドスプリング26は、図4に示すように、位置決め部132をインナ側トルク受部32とアウタ側トルク受部36との間に嵌合させる。
【0050】
これにより、この一方のパッドスプリング26は、一対のパッド支持部61がディスク11のディスク軸方向の両面側に配置される状態となる。また、この状態で、この一方のパッドスプリング26は、図2に示す一方のパッド支持部61のガイド板部75およびバネ板部80が取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に配置され、図3に示す他方のパッド支持部61のガイド板部75およびバネ板部80が取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の凹部48内に配置される状態となる。
【0051】
この一方のパッドスプリング26は、図4に示すように位置決め部132をインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36の間に嵌合させると、取付部材21にディスク軸方向の移動が規制されて設けられる。その結果、この一方のパッドスプリング26は、ディスク11に対してもディスク軸方向の移動が規制される。
【0052】
このようにディスク周方向一側に設けられたパッドスプリング26は、図3図2に示すようにインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に取り付けられた状態で、一対の凹部48に嵌合する一対のガイド板部75がディスク周方向外方に向けて凹む形状となる。
【0053】
この一方のパッドスプリング26は、取付部材21に取り付けられた状態で、図7に示すように、ガイド板部75の基板部73が、このガイド板部75におけるディスク周方向の外側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の凹み方向奥側の底面51に対向し、この底面51に面当たりすることになる。このとき、基板部73は、底面51と同様、ディスク軸線および径方向基準線に平行に広がる。
【0054】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、ガイド板部75の外側支持板部72が、このガイド板部75におけるディスク径方向外側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面52に対向し、この壁面52に面当たりすることになる。このとき、外側支持板部72は、壁面52と同様、径方向基準線に垂直に広がる。
【0055】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、凹部48に嵌合するガイド板部75の係合爪78が、このガイド板部75におけるディスク径方向内側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面53に対向し、この壁面53に当接することになる。
【0056】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、ガイド板部75の延出板部74が、このガイド板部75におけるディスク径方向内側に配置されて、このガイド板部75の嵌合先の凹部48の壁面53に対向することになる。このとき、延出板部74は、壁面53と同様、ディスク軸方向に平行に広がるものの、壁面53とは異なり、ディスク周方向における基板部73側が、ディスク径方向において壁面53に最も近づき、ディスク周方向における基板部73とは反対側ほど、ディスク径方向において壁面53から離間するように径方向基準線に対し傾斜して広がる。
【0057】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、図11に示すように、一方のパッド支持部61の支持延出部201が、取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36のインナ側トルク受部32とは反対側において、基板部73からディスク周方向外方に延出することになり、折曲形状部205が主板部202からディスク軸方向におけるアウタ側トルク受部36側に延出する。
【0058】
言い換えれば、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、一方のパッド支持部61の支持延出部201が取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36のインナ側トルク受部32とは反対側に向く規制面221にディスク軸方向において対向することになる。このとき、一方のパッド支持部61の支持延出部201は、折曲形状部205の先端部すなわち第2折曲部212の先端部が、この規制面221との間にディスク軸方向の隙間をあける。また、このとき、この支持延出部201は、主板部202がディスク軸線に直交して広がる。この状態から、このパッド支持部61の支持延出部201が、これに対向する規制面221の方向に弾性変形すると、この支持延出部201は第2折曲部212の先端部においてこの規制面221に当接する。これにより、この支持延出部201は、それ以上の弾性変形が抑制される。
【0059】
図12に示すように、取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32のアウタ側トルク受部36とは反対側にも、同様の規制面221が設けられている。よって、この一方のパッドスプリング26は、取付部材21に取り付けられた状態で、他方のパッド支持部61の支持延出部201が取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32のアウタ側トルク受部36とは反対側に向く規制面221にディスク軸方向において対向することになる。このとき、この他方のパッド支持部61の支持延出部201は、折曲形状部205の先端部すなわち第2折曲部212の先端部が、この規制面221との間にディスク軸方向の隙間をあけている。また、このとき、この支持延出部201は、主板部202および突出板部203がディスク軸線に直交して広がる。この状態から、このパッド支持部61の支持延出部201が、これに対向する規制面221の方向に弾性変形すると、この支持延出部201は第2折曲部212の先端部においてこの規制面221に当接する。これにより、この支持延出部201は、それ以上の弾性変形が抑制される。
【0060】
この一方のパッドスプリング26は、取付部材21に取り付けられた状態で、図7に示すように、凹状のガイド板部75が、外側支持板部72、基板部73および係合爪78において凹状の凹部48に対向して凹部48に当接し、嵌合する。
【0061】
この一方のパッドスプリング26は、この状態で、外側支持板部72が基板部73のディスク径方向外側の端縁部から、延出板部74が基板部73のディスク径方向内側の端縁部から、それぞれ、ディスク周方向内方に向かって広がる。外側支持板部72、基板部73および延出板部74は、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。
【0062】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、バネ板部80のカール板部82が、ディスク軸方向において、延出板部74のディスク11とは反対側に設けられてディスク11に対して反対側に延出した後、ディスク径方向外側に折り返されることになり、バネ板部80の内側支持板部83が、カール板部82の先端からディスク軸方向へディスク11に近づくように延出する。言い換えれば、バネ板部80は、延出板部74からディスク軸方向においてディスク11に対して反対側に延出した後、ディスク軸方向においてディスク11の側に折り返されて延出している。
【0063】
また、この一方のパッドスプリング26は、この状態で、図8図9に示す突片部101が、バネ板部80の内側支持板部83のうちディスク周方向外方の外縁から、ディスク径方向内側、すなわち延出板部74の側に、折り曲げられて形成されている。
【0064】
他方のパッドスプリング26も、取付部材21のいずれもディスク周方向他側にあるインナ側トルク受部32およびアウタ側トルク受部36に、一方のパッドスプリング26と同様にして取り付けられる。このようにして、一対のパッドスプリング26がディスク周方向に離間した状態で互いに対向して取付部材21に取り付けられる。
【0065】
図2に示すように、上記のようにして取付部材21に取り付けられた一対のパッドスプリング26の互いに反対向きに凹んでディスク周方向両側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に配置された、それぞれのガイド板部75およびバネ板部80に、アウタ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。また、図3に示すように、上記のようにして取付部材21に取り付けられた一対のパッドスプリング26の互いに反対向きに凹んでディスク周方向両側のインナ側トルク受部32の凹部48内に配置された、それぞれのガイド板部75およびバネ板部80に、インナ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。
【0066】
図2に示すアウタ側の摩擦パッド25と図3に示すインナ側の摩擦パッド25とは、略共通する形状の部品である。摩擦パッド25は、鏡面対象の形状をなす裏板151と、裏板151の板厚方向の一面側に貼着された図4図6に示すライニング152と、を有している。これらの摩擦パッド25には、図2および図3に示すように、裏板151に一対の戻しバネ251がそれぞれ取り付けられている。
【0067】
ここで、裏板151は、アウタ側の摩擦パッド25とインナ側の摩擦パッド25とで共通部品となっている。裏板151は、図2および図3に示すように、主体部155と、主体部155の幅方向の両端部からこの幅方向に沿って互いに反対向きに突出する一対の突出部156と、を有している。裏板151は、一方の突出部156、主体部155および他方の突出部156を結ぶ方向に長く延びている。裏板151には、主体部155にライニング152が貼着されている。
【0068】
図7に示すように、突出部156は、平坦な内側面部161と、内側面部161とは反対に向く平坦な外側面部162と、主体部155とは反対側の先端面部163と、を有している。内側面部161、外側面部162および先端面部163は、いずれも裏板151の板厚方向に沿って広がっている。内側面部161と外側面部162とは平行に広がっており、先端面部163は、内側面部161および外側面部162に対し垂直に広がっている。
【0069】
そして、図2に示すアウタ側の摩擦パッド25は、一方の突出部156が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26に対して、そのアウタ側のバネ板部80の図8に示す内側支持板部83をアウタ側の延出板部74に近づけるように弾性変形させて、アウタ側のガイド板部75内に挿入される。これにより、この突出部156が、図2に示すように、取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に挿入される。このとき、図7に示すように、内側支持板部83は膨出板部92において突出部156のディスク径方向内側の内側面部161に当接する。また、外側支持板部72が突出部156のディスク径方向外側の外側面部162に当接する。また、基板部73が突出部156のディスク周方向外端の先端面部163と対向する。
【0070】
また、図2に示すアウタ側の摩擦パッド25は、他方の突出部156が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26に対して、そのアウタ側のバネ板部80の内側支持板部83をアウタ側の延出板部74に近づけるように弾性変形させて、アウタ側のガイド板部75内に挿入される。これにより、この突出部156が、取付部材21のディスク周方向他側のアウタ側トルク受部36の凹部48内に挿入される。
【0071】
アウタ側の摩擦パッド25は、ディスク周方向一側の突出部156が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75に挿入されて、このガイド板部75から延出するバネ板部80の付勢力でディスク径方向外方に押圧されることになり、ディスク周方向他側の突出部156が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75に挿入されて、このガイド板部75から延出するバネ板部80の付勢力でディスク径方向外方に押圧されることになる。言い換えれば、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側のバネ板部80が、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向一側の突出部156をディスク径方向外方に向かって付勢し、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側のバネ板部80が、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向他側の突出部156をディスク径方向外方に向かって付勢する。このとき、両側のバネ板部80は、図7に示すように膨出板部92において突出部156の内側面部161に当接する。
【0072】
上記のようにディスク径方向外方に向かって付勢されたアウタ側の摩擦パッド25は、ディスク11からの入力がない状態では、ディスク周方向一側の突出部156が、外側面部162において、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75の外側支持板部72に押し付けられて面当たりし、ディスク周方向他側の突出部156が、外側面部162において、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75の外側支持板部72に押し付けられて面当たりする。
【0073】
摩擦パッド25は、ライニング152の裏板151とは反対側の図4図6に示す当接面261においてディスク11に接触することになる。摩擦パッド25には、当接面261とは反対側となる図2図3に示す裏板151の面262に戻しバネ251が取り付けられている。戻しバネ251は、裏板151において突出部156に固定されている。
【0074】
アウタ側の摩擦パッド25が、上記のようにして一対のパッドスプリング26を介して取付部材21の一対のアウタ側トルク受部36に支持されると、アウタ側の摩擦パッド25に取り付けられたディスク周方向一側の戻しバネ251およびディスク周方向他側の戻しバネ251は、いずれも裏板151のディスク11とは反対側に配置される。
【0075】
戻しバネ251は、摩擦パッド25の突出部156に固定される固定部271と、固定部271から主体部155とは反対方向に延出する当接延出部272(第1延出部)と、を有している。
【0076】
固定部271は、面262に面接触で当接する平板状である。当接延出部272は、固定部271の主体部155とは反対側の端縁部から、図11に示すように、裏板151の板厚方向に沿って裏板151から離れる方向に延出する基端延出板部281と、基端延出板部281の固定部271とは反対側の端縁部から裏板151の延びる方向において主体部155とは反対側に延出する基端側中間板部282と、基端側中間板部282の基端延出板部281とは反対側の端縁部から裏板151の板厚方向において裏板151に近づく方向に延出する先端側中間板部283と、先端側中間板部283の基端側中間板部282とは反対側の端縁部から裏板151の延びる方向において主体部155側に延出する当接板部284と、当接板部284の先端側中間板部283とは反対側の端縁部から裏板151の板厚方向において裏板151から離れる方向に延出する先端板部285とを有している。
【0077】
基端側中間板部282は、先端側中間板部283に近づくほど裏板151の板厚方向において裏板151から離れる。先端側中間板部283は、当接板部284に近づくほど裏板151の延びる方向において主体部155から離れる。先端板部285は、当接板部284から離れるほど裏板151の延びる方向において主体部155に近づく。
【0078】
基端延出板部281は、その幅が固定部271と同等になっている。図7に示すように、基端側中間板部282は、基端延出板部281側の端部の幅が、基端延出板部281と同等であり、先端側中間板部283側の端部の幅が、基端延出板部281側の端部よりも狭くなっている。図11に示す先端側中間板部283、当接板部284および先端板部285は、幅が、基端側中間板部282の先端側中間板部283側の端部と同等である。よって、先端側中間板部283、当接板部284および先端板部285は、基端側中間板部282の基端延出板部281側の端部、基端延出板部281および固定部271よりも幅が狭い。当接板部284と先端板部285とが、当接延出部272における延出方向先端の先端部286となっている。
【0079】
アウタ側の摩擦パッド25が、上記のようにして一対のパッドスプリング26を介して取付部材21の一対のアウタ側トルク受部36に支持されると、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向一側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201のディスク11とは反対側の位置において、固定部271からディスク周方向外側に延びることになる。また、この状態で、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向他側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201のディスク11とは反対側の位置において、固定部271からディスク周方向外側に延びることになる。
【0080】
また、この状態で、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向両側に設けられた戻しバネ251は、それぞれ、基端延出板部281が固定部271からディスク軸方向においてディスク11とは反対方向に延出し、基端側中間板部282が、基端延出板部281の固定部271とは反対側の端縁部からディスク周方向の外方に延出し、先端側中間板部283が、基端側中間板部282の基端延出板部281とは反対側の端縁部からディスク軸方向においてディスク11に近づく方向に延出し、当接板部284が、先端側中間板部283の基端側中間板部282とは反対側の端縁部からディスク周方向の内方に延出し、先端板部285が、当接板部284の先端側中間板部283とは反対側の端縁部からディスク軸方向においてディスク11から離れる方向に延出する。なお、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向両側に設けられた戻しバネ251は、それぞれ、基端側中間板部282が、先端側中間板部283に近づくほどディスク軸方向においてディスク11から離れ、それぞれ、先端側中間板部283が、当接板部284に近づくほどディスク周方向外方に位置する。
【0081】
また、この状態で、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向一側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272の先端部286の当接板部284が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201の主板部202および突出板部203のディスク11とは反対側に面接触で当接する。言い換えれば、ディスク周方向一側のパッドスプリング26およびディスク周方向一側の戻しバネ251において、支持延出部201と当接延出部272の先端部286とが当接する。ディスク周方向一側の戻しバネ251の当接延出部272においては、その先端部286が、これよりも基端側の先端側中間板部283からディスク11の周方向内方へ折り曲げられている。
【0082】
また、この状態で、アウタ側の摩擦パッド25のディスク周方向他側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272の先端部286の当接板部284が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201の主板部202および突出板部203のディスク11とは反対側に面接触で当接する。言い換えれば、ディスク周方向他側のパッドスプリング26およびディスク周方向他側の戻しバネ251において、支持延出部201と当接延出部272の先端部286とが当接する。ディスク周方向他側の戻しバネ251の当接延出部272においては、その先端部286が、これよりも基端側の先端側中間板部283からディスク11の周方向内方へ折り曲げられている。
【0083】
ここで、ディスク周方向一側および他側のいずれにおいても、図7に示すように、パッドスプリング26の支持延出部201のうち、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286が当接する部位である主板部202のディスク径方向の幅W1は、当接延出部272の先端部286のディスク径方向の幅W2よりも大きい。よって、パッドスプリング26の支持延出部201のうち、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286が当接する部位である主板部202の剛性は、当接延出部272の剛性よりも高い。
【0084】
アウタ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向においてディスク11側に移動すると、ディスク周方向一側の戻しバネ251は、固定部271が、この摩擦パッド25とともにディスク11側に移動する。これに対して、この戻しバネ251は、当接板部284が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201に当接して移動が規制されるため、基端延出板部281、基端側中間板部282および先端側中間板部283が主に弾性変形する。これにより、戻しバネ251は、アウタ側の摩擦パッド25をディスク11とは反対方向に戻そうとする付勢力を発生させる。このとき、主板部202の剛性が当接延出部272の剛性よりも高いため、当接延出部272は、パッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201をほぼ弾性変形させることなく弾性変形する。アウタ側の摩擦パッド25がディスク11側にさらに移動すると、ディスク周方向一側の戻しバネ251の弾性変形が大きくなり付勢力が大きくなるため、その反力により、これに当接するディスク周方向一側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201を、取付部材21のディスク周方向一側のアウタ側トルク受部36の規制面221に近づけるように弾性変形させることになる。なお、このように弾性変形しても、支持延出部201は、この規制面221に当接すると第2折曲部212の規制面221への当接位置のそれ以上のディスク11側への変位が規制される。
【0085】
よって、このディスク周方向一側の戻しバネ251は、アウタ側の摩擦パッド25と取付部材21との間に設けられ、アウタ側の摩擦パッド25をディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
【0086】
また、アウタ側の摩擦パッド25が、上記のようにディスク11側に移動すると、ディスク周方向他側の戻しバネ251も、同様にして、弾性変形し、アウタ側の摩擦パッド25のディスク11側への移動量がさらに大きくなると、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201を弾性変形させることになる。この支持延出部201も、取付部材21のディスク周方向他側のアウタ側トルク受部36の規制面221に当接することで、第2折曲部212の規制面221への当接位置のそれ以上のディスク11側への変位が規制される。
【0087】
アウタ側の摩擦パッド25は、一対のパッドスプリング26を介して取付部材21に取り付けられた状態で、一対の突出部156がディスク周方向の両外側に突出する状態となり、言い換えれば、ディスク周方向両側に突設される突出部156を有する。アウタ側の摩擦パッド25のこれら突出部156と、取付部材21のアウタ側の一対の凹部48とが、それぞれの間にパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75およびバネ板部80を介在させて嵌合する。
【0088】
取付部材21は、ディスク周方向に凹んでアウタ側の摩擦パッド25の突出部156が挿入される一対の凹部48をアウタ側に有し、これら凹部48には、それぞれ、ディスク周方向における突出部156の外側に底面51が設けられている。パッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75の基板部73は、嵌合先の凹部48の底面51に面当たりするように配置され、挿入される突出部156のディスク周方向外側の先端面部163に対向する。
【0089】
インナ側の摩擦パッド25も、アウタ側と同様の形状の両側の突出部156が、アウタ側と同様の形状の両側のパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75およびバネ板部80を介して、両側のインナ側トルク受部32のアウタ側と同様の形状の凹部48に支持される。
【0090】
その際に、インナ側の摩擦パッド25のディスク周方向一側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201のディスク11とは反対側の位置において、固定部271からディスク周方向外側に延びることになる。この当接延出部272は、先端部286の当接板部284が、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201の主板部202および突出板部203のディスク11とは反対側に面接触で当接する。
【0091】
また、この状態で、インナ側の摩擦パッド25のディスク周方向他側に取り付けられた戻しバネ251は、当接延出部272が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201のディスク11とは反対側の位置において、固定部271からディスク周方向外側に延びることになる。この当接延出部272は、先端部286の当接板部284が、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201の主板部202および突出板部203のディスク11とは反対側に面接触で当接する。
【0092】
よって、インナ側の摩擦パッド25が、ディスク軸方向においてディスク11側に移動すると、アウタ側と同様、インナ側の摩擦パッド25に取り付けられたディスク周方向一側の戻しバネ251が、弾性変形し、インナ側の摩擦パッド25のディスク11側への移動量がさらに大きくなると、ディスク周方向一側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201を弾性変形させることになる。この支持延出部201も、取付部材21のディスク周方向一側のインナ側トルク受部32の規制面221に当接することで、第2折曲部212の規制面221への当接位置のそれ以上のディスク11側への変位が規制される。
【0093】
また、インナ側の摩擦パッド25が、上記のようにディスク11側に移動すると、ディスク周方向他側の戻しバネ251も、同様にして、弾性変形し、インナ側の摩擦パッド25のディスク11側への移動量がさらに大きくなると、ディスク周方向他側のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201を弾性変形させることになる。この支持延出部201も、取付部材21のディスク周方向他側のインナ側トルク受部32の規制面221に当接することで、第2折曲部212の規制面221への当接位置のそれ以上のディスク11側への変位が規制される。
【0094】
以上により、一方のパッドスプリング26が、アウタ側およびインナ側の一対の摩擦パッド25のそれぞれのディスク周方向一側の突出部156を、バネ板部80でディスク径方向に弾性的に支持することになり、他方のパッドスプリング26が、アウタ側およびインナ側の一対の摩擦パッド25のそれぞれのディスク周方向他側の突出部156を、バネ板部80でディスク径方向に弾性的に支持することになる。
【0095】
図1図4に示すように、キャリパ22は、ほぼ鏡面対称の形状となっており、径方向基準線は、キャリパ22のディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ22は、キャリパボディ171と、図2に示すピストン172と、を備えている。
【0096】
キャリパボディ171は、鋳造により一体成形されており、図1に示すように、ディスク11に対しディスク軸方向のインナ側に配置されるシリンダ部181と、図5図6に示すようにシリンダ部181のディスク径方向外側の部分からディスク11の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出するブリッジ部182と、ブリッジ部182のシリンダ部181とは反対側の部分からディスク径方向内側に延出してディスク11のディスク軸方向のアウタ側に配置される押圧爪183と、を有している。また、キャリパボディ171は、図1図3図4に示すように、シリンダ部181からディスク周方向の両側に延出する一対のピン取付部184を有している。
【0097】
キャリパボディ171は、ディスク周方向一側のピン取付部184にスライドピン45がボルト185で取り付けられており、ディスク周方向他側のピン取付部184にもスライドピン45がボルト185で取り付けられている。取付部材21の図示略の一対のピン挿入穴に、キャリパ22のディスク周方向両側の一対のスライドピン45が摺動可能に嵌合する。これにより、キャリパボディ171を含むキャリパ22が取付部材21にディスク軸方向に移動可能に設けられることになる。一対のピンブーツ23は、それぞれ、対応するスライドピン45の取付部材21から突出する部分を被覆する。シリンダ部181に、図2に示すピストン172がディスク軸方向に移動可能となるように収容されている。
【0098】
ディスクブレーキ10には、図示略のブレーキ配管を介して、キャリパ22のシリンダ部181内にブレーキ液が導入される。すると、シリンダ部181においてピストン172にブレーキ液圧が作用する。その結果、ピストン172が、ディスク11側に前進し、ピストン172とディスク11との間に配置されたインナ側の摩擦パッド25をディスク11に向かって押圧する。すると、インナ側の摩擦パッド25は、一対の突出部156が、一対のパッドスプリング26のインナ側のパッド支持部61を介して一対のインナ側の凹部48で案内されてディスク軸方向に移動し、ライニング152においてディスク11に接触する。その際に、インナ側の摩擦パッド25は、基本的には、一対の突出部156が、それぞれ、対応するパッドスプリング26のインナ側のガイド板部75の外側支持板部72とバネ板部80の内側支持板部83の膨出板部92とに挟持されて移動する。
【0099】
このとき、インナ側の摩擦パッド25に取り付けられた一対の戻しバネ251が弾性変形して、インナ側の摩擦パッド25をディスク11とは反対方向に戻そうとする付勢力を発生させる。ライニング152の摩耗量が大きい場合、一対の戻しバネ251は、弾性変形が大きくなり付勢力が大きくなるため、これらに当接する一対のパッドスプリング26のインナ側の支持延出部201を弾性変形させることになる。ライニング152の摩耗量がさらに大きい場合、これら一対の戻しバネ251および一対の支持延出部201の弾性変形がさらに大きくなるものの、一対の支持延出部201は、折曲形状部205が取付部材21の一対のインナ側トルク受部32の規制面221に当接することで、それ以上のディスク11側への変位が規制される。よって、ライニング152の摩耗量がさらに大きい場合、戻しバネ251は、さらに大きく弾性変形することになって戻し方向の付勢力が増大する。
【0100】
また、上記したピストン172による押圧の反力で、キャリパボディ171が取付部材21に対しスライドピン45をスライドさせてディスク軸方向に移動し、押圧爪183が、押圧爪183とディスク11との間に配置されたアウタ側の摩擦パッド25をディスク11に向かって押圧する。すると、アウタ側の摩擦パッド25は、一対の突出部156が、一対のパッドスプリング26のアウタ側のパッド支持部61を介して一対のアウタ側の凹部48で案内されてディスク軸方向に移動し、ライニング152においてディスク11に接触する。その際に、アウタ側の摩擦パッド25は、基本的には、一対の突出部156が、それぞれ、対応するパッドスプリング26のアウタ側のガイド板部75の外側支持板部72とバネ板部80の内側支持板部83の膨出板部92とに挟持されて移動する。
【0101】
このとき、アウタ側の摩擦パッド25に取り付けられた一対の戻しバネ251が弾性変形して、アウタ側の摩擦パッド25をディスク11とは反対方向に戻そうとする付勢力を発生させる。ライニング152の摩耗量が大きい場合、一対の戻しバネ251は、弾性変形が大きくなり付勢力が大きくなるため、これらに当接する一対のパッドスプリング26のアウタ側の支持延出部201を弾性変形させることになる。ライニング152の摩耗量がさらに大きい場合、これら一対の戻しバネ251および一対の支持延出部201の弾性変形がさらに大きくなるものの、一対の支持延出部201は、折曲形状部205が取付部材21の一対のアウタ側トルク受部36の規制面221に当接することで、それ以上のディスク11側への変位が規制される。よって、ライニング152の摩耗量がさらに大きい場合、戻しバネ251は、さらに大きく弾性変形することになって戻し方向の付勢力が増大する。
【0102】
取付部材21に摺動可能に支持されたキャリパ22は、このようにして、ピストン172の作動により、このピストン172と押圧爪183とで一対の摩擦パッド25をディスク軸方向の両側から挟持してこれら摩擦パッド25をディスク11の両面に押圧する。その結果、キャリパ22は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。言い換えれば、取付部材21に移動可能に設けられた一対の摩擦パッド25は、キャリパ22によりディスク11の両面に押圧される。キャリパ22は、いわゆるフィスト型(スライド型)のキャリパである。
【0103】
なお、ブレーキ液圧が解除されると、アウタ側の摩擦パッド25は、一対の戻しバネ251およびこれらに当接する一対の支持延出部201の付勢力によって押圧爪183とともにディスク11から離れ、インナ側の摩擦パッド25は、一対の戻しバネ251およびこれらに当接する一対の支持延出部201の付勢力によってピストン172とともにディスク11から離れる。
【0104】
上記した特許文献1には、摩擦パッドに取り付けられた戻しバネを、パッドスプリングに当接させるディスクブレーキが記載されている。ディスクブレーキにおいては、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが望まれている。
【0105】
実施形態は、摩擦パッド25と取付部材21との間に設けられ、摩擦パッド25をディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しバネ251と、取付部材21に設けられ、摩擦パッド25を弾性的に支持するパッドスプリング26とを有している。そして、戻しバネ251は、摩擦パッド25のディスク11に対する当接面261とは反対側の面262に固定される固定部271と、固定部271からディスク11の周方向外方へ延びる当接延出部272と、を有している。パッドスプリング26は、ディスク11の周方向外方へ延出し、当接延出部272の先端部286が当接する支持延出部201と、支持延出部201の先端で折り曲げられ、取付部材21に当接する折曲形状部205とを有する。
【0106】
このように、パッドスプリング26は、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286が当接する支持延出部201を有するため、取付部材21に戻しバネ251の当接延出部272の先端部286を当接させる場合と比べて、取付部材21の体積を減らすことができる。よって、取付部材21のコストを低減することができ、取付部材21の軽量化を図ることができる。また、取付部材21の体積を増やすと、その固有振動数が変化してしまうことになるが、戻しバネのないタイプのディスクブレーキの取付部材21をそのまま流用することが可能となり、取付部材21の固有振動数の変化に起因するブレーキ鳴き性能の低下を抑制することができる。
【0107】
また、パッドスプリング26は、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286が当接する支持延出部201に加えて、支持延出部201の先端に取付部材21に当接する折曲形状部205を有するため、摩擦パッド25の摩耗時でも安定的な戻しバネ反力を発生させることができる。よって、摩擦パッド25の引き摺りを安定的に抑制することが可能となる。
【0108】
また、折曲形状部205は、支持延出部201の先端で折り曲げられた第1折曲部211と、第1折曲部211の先端で折り曲げられた第2折曲部212と、を有するため、折曲形状部205が取付部材21に当接する際の衝撃を緩和することができる。
【0109】
また、折曲形状部205は、第1折曲部211と第2折曲部212とから構成されたS字形状であるため、折曲形状部205が取付部材21に当接する際の衝撃を円滑に緩和することができる。
【0110】
また、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286は、当接延出部272からディスク11の周方向内方へ折り曲げられているため、当接延出部272の弾性変形時のディスク周方向外方への変位を抑制することができる。
【0111】
また、パッドスプリング26の支持延出部201のうち、戻しバネ251の当接延出部272の先端部286が当接する部位の幅W1は、当接延出部272の先端部286の幅W2よりも大きいため、支持延出部201の支持剛性を高めることができる。
【0112】
以上に述べた実施形態の第1の態様は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられる取付部材と、前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記摩擦パッドと前記取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、を有する戻しバネと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、前記第2延出部の先端で折り曲げられた第1折曲部と、前記第1折曲部の先端で折り曲げられた第2折曲部と、を有し、前記第2折曲部の先端が前記取付部材に当接する折曲形状部と、を有するパッドスプリングと、を備える。これにより、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが可能となる。
【0113】
第2の態様は、第1の態様において、前記折曲形状部は、前記第1折曲部と前記第2折曲部とから構成されたS字形状である。
【0114】
第3の態様は、第1の態様において、前記第1延出部の先端部は、前記第1延出部から前記ディスクの周方向内方へ折り曲げられている。
【0115】
第4の態様は、第1の態様において、前記第2延出部のうち前記第1延出部の先端部が当接する部位の幅は、前記第1延出部の先端部の幅より大きい。
【0116】
第5の態様は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられる取付部材と、前記取付部材に前記ディスクの軸方向へ移動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材に移動可能に設けられ、前記キャリパにより前記ディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記摩擦パッドと前記取付部材との間に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しバネであって、前記摩擦パッドの前記ディスクに対する当接面とは反対側の面に固定される固定部と、前記固定部から前記ディスクの周方向外方へ延びる第1延出部と、を有する戻しバネと、前記取付部材に設けられ、前記摩擦パッドを弾性的に支持するパッドスプリングであって、前記ディスクの周方向外方へ延出し、前記第1延出部の先端部が当接する第2延出部と、前記第2延出部の先端で折り曲げられ、前記取付部材に当接する折曲形状部と、を有するパッドスプリングと、を備える。これにより、摩擦パッドの引き摺りを安定的に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0117】
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
21 取付部材
22 キャリパ
25 摩擦パッド
26 パッドスプリング
201 支持延出部(第2延出部)
205 折曲形状部
211 第1折曲部
212 第2折曲部
251 戻しバネ
261 当接面
262 面
271 固定部
272 当接延出部(第1延出部)
286 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12