【実施例】
【0015】
実施例に係る電磁弁につき、
図1から
図7を参照して説明する。
【0016】
図1に示されるように、電磁弁1は、油や水などの流体の流量や圧力を制御するものであり、本実施例では、整水器に組み込まれ、ノズルから吐出される水の通水・止水を適宜変更する電磁弁1について説明する。
【0017】
図1及び
図2に示されるように、電磁弁1は、水の流入路21及び流出路22を備えたケース2と、円筒状のソレノイド30と該ソレノイド30の内方側に配設される固定鉄心31及び可動鉄心32(
図2参照)とから主に構成されケース2上方に取り付けられるソレノイド部3と、該ソレノイド部3を外方側から囲うヨーク4とを有している。
【0018】
ケース2は、流入路21と、流出路22と、軸方向の上方側に開口する主弁室2A(
図2参照)が形成された有底の筒状部23と、筒状部23から外径方向に向けて延び上面視略台形状の一対の張出部24(
図1参照)とを有している。さらに、筒状部23と張出部24との間には上方に開放する上面視矩形状の凹部25(
図2参照)が形成され、ケース2は軽量化されている。
【0019】
流入路21は筒状部23に軸方向に直交して貫通するように形成されている。また、主弁室2Aの底部2Bには、上方に延在する突出部6が形成されており、突出部6には軸方向に貫通し、流出路22に連通する貫通孔60が形成されている。突出部6は軸方向視円環形状を成しており、上端部には主弁座61が形成されている。
【0020】
また、
図2に示されるように、筒状部23には、主弁室2Aの上方側において、軸方向下方側に凹み、環状の底面を有する開口凹部2Cが形成されており、開口凹部2Cは、底部2B及び組み立て前の状態においてケース2の外側と連通している。開口凹部2Cには、主弁体としての主弁部50がアダプタ70と共に収容されている。張出部24には、ヨーク4が載置・固定されている。本実施例の電磁弁1は、主弁部50に作用するパイロット圧を利用して閉弁可能なパイロット式の電磁弁である。
【0021】
主弁部50は、基体51と、ダイアフラム55とから構成されている。基体51には、有底の凹部52と、凹部52の径方向中央部から上下方向にそれぞれ延在する延在部53と、凹部52の外径端部と延在部53との中央部から下方に延在する突出部54(
図2(b)参照)が形成されている。延在部53には、軸方向に貫通し、開口凹部2C側及び底部2Bの流出路22側に連通する大連通路53aが形成され、突出部54には、軸方向に貫通し、底部2Bの流入路21側及び開口凹部2C側に連通する小連通路54aが形成されている(
図2(b)参照)。また、延在部53は、軸方向視円環形状を成しており、上端部には延在部53の上端部は、後述するパイロット弁体32bが当接するパイロット弁座53bとなっている。なお、
図2(b)は、突出部54および小連通路54aを説明するために、
図2(a)に示される断面図とは周方向に位相した位置が図示されている。
【0022】
ダイアフラム55には、延在部53、突出部54に位置合わせされた貫通孔が形成されてされおり、各貫通孔には、基体51の延在部53、突出部54が挿通固定されている。また、延在部53、突出部54共に、下端部に外径側に突出する鍔部が形成されているため、各貫通孔に延在部53、突出部54が挿通された状態では各鍔部によって抜け止めがなされている。
【0023】
アダプタ70は、外径側において軸方向上方側に凹み、環状の底面を有する下方側凹部71と、下方側凹部71よりも内径側において軸方向下方側に凹み、環状の底面を有する上方側凹部72を具備し、径方向中央部には、軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0024】
次いでソレノイド部3について説明する。ボビン8は、主に樹脂により成形されており、軸方向に貫通する貫通孔80と、外周面に側方側へ開口する環状の開口部81と、が形成されている。固定鉄心31及び可動鉄心32はボビン8の貫通孔80の内方側に配設され、ソレノイド30は、開口部81に銅線が巻回されて配設されている。さらにボビン8下方側の外周面には、外径側に向けて延在する上環状鍔83aと外径側に向けて延在する下環状鍔83bによって外径側に開放された凹部83が形成されており、該凹部83には後述するヨーク4の下面板4Aの外嵌部40が外嵌されるようになっている。
【0025】
ボビン8の貫通孔80内には内方側に向けて一部突出する段部82が形成されており、該段部82に固定鉄心31の外周面に形成された環状凸部31aが当接することで固定鉄心31は鉛直方向下方への移動が規制されている。可動鉄心32は圧縮されたスプリング32aを介して固定鉄心31の下方側に配置されている。また、可動鉄心32の下端には、パイロット弁体32bが一体的に配設されており、前述したスプリング32aの付勢力を受けて可動鉄心32が下方へ付勢されることでパイロット弁体32bが主弁部50のパイロット弁座53bに当接するようになっている。
【0026】
ソレノイド30およびボビン8の外周には、モールド9が被覆されている。モールド9は、主に樹脂により成形されており、上方側には外径方向に向けて延出する端子91(
図1参照)が形成されている。端子91は、ソレノイド30と電気的に接続されており、端子91に電力が供給されることでソレノイド30の周辺に磁束を発生させるようになっている。
【0027】
可動鉄心32は、ソレノイド30の通電時に発生した磁束により、上方側に配設されている固定鉄心31に磁気的に吸引され、可動鉄心32下方に配設されているパイロット弁体32bは可動鉄心と一体的に上方側へ移動する。
【0028】
図2を参照して、端子91への電力が供給されると、パイロット弁体32bは主弁部50のパイロット弁座53bから離れるとともに、主弁部50のダイアフラム55は主弁座61から離間した状態となる。これにより、流入路21から貫通孔60を通過した水が流出路22へ流れる通水状態となる。
【0029】
一方、端子91への電力が供給を停止すると、可動鉄心32がスプリング32aによって常時下方に向けて付勢され、パイロット弁体32bは主弁部50のパイロット弁座53bに当接した状態となる。これにより、ダイアフラム55が底部2B側へと弾性変形し当該ダイアフラム55が主弁座61に当接した閉弁状態となって、電磁弁1は止水状態となる(
図7参照)。
【0030】
次にヨーク4について説明する。モールド9の外方側には、ヨーク4が配設されている。ヨーク4は、磁性材から成形されており、ヨーク4でモールド9を囲うことで、ソレノイド30の通電時に発生された磁束を集める磁路を構成させるようになっている。後述するが、ヨーク4は、ソレノイド部3の筐体としても機能するようになっている。
【0031】
図5に示されるように、ヨーク4は前面が開放された略立方体形状を成している。ヨーク4は、ケース2の筒状部23の上端面23aおよびアダプタ70の上端面70a(
図7参照)に載置される下面板4Aと、下面板4Aに対向する上面板4Bと、下面板4Aと上面板4Bを接続する接続板4Cと、上面板4Bから一体的に延出する延出片4D,4Eと、から構成されている。
【0032】
下面板4Aは、前端部から中央部かけて略U字状に切欠かれた形状の外嵌部40を具備している。外嵌部40は、ボビン8の凹部83に外嵌できるように、ボビン8の上環状鍔83aと下環状鍔83bとの間に形成されている周面83cと略同寸の円弧状の輪郭を成している(
図2参照)。
【0033】
また、延出片4D,4Eは、端部がそれぞれ内方側、すなわち下面板4A側へ略直角に曲折されて曲折部としての曲折板42がそれぞれ形成されている。すなわち、延出片4D,4Eは、上面板4Bから垂下する垂下板41と、垂下板41から内方側に向かって該垂下板41に交差するように延びる曲折板42とから形成されている。
【0034】
図6を参照して、延出片4D,4Eそれぞれの曲折板42は、垂下板41の前方側及び後方側にそれぞれ突出する取付部42a,42bを有し、取付部42a,42bには、上下方向に貫通する貫通孔43a,43bが形成されている。貫通孔43a,43bには、有頭ネジ7を用いて後述するケース2の張出部24の穴部2a,2bとそれぞれ螺合可能となっており、貫通孔43a,43bは、平面視正方形の各頂点部分に配設されている。
【0035】
次にヨーク4の製造について説明する。
図3には、プレス加工により一枚板から成形された上面視略T字状のT字板4’が示されている。まずT字板4’の中央片の2箇所を略90度折り曲げることで、接続板4Cは下面板4Aに対して略垂直に立ち上げられ、下面板4Aに対して上面板4Bが平行になり、
図4に示される形状となる。
【0036】
次に、
図4に示される状態から、延出片4D,4Eの端部をそれぞれ下面板4Aに対して略垂直に曲折することで、曲折板42が形成され、T字板4’の一対の側片を、それぞれ略90度折り曲げることで、上面板4Bから延出片4D,4Eがそれぞれ下方に向けて延在し、垂下板41が形成され、ヨーク4の製造が完了し、
図5に示される形状となる。このとき、下面板4Aの下面4aは、それぞれの曲折板42の下面42dより僅かに下方側へ位置している。また、垂下板41と曲折板42とが隣り合う箇所には、内方側へ凹むスリットSがそれぞれ形成されていることから、曲折板42を内方へ向けて曲折しやすいようになっている。
【0037】
次に電磁弁1の組み立てについて、
図2,
図7を参照して説明する。まず、ボビン8にソレノイド30を配設し、その後モールド9を被覆させる。次に、ボビン8の貫通孔80に、上方側からOリング11を装着させた固定鉄心31を挿入し、ボビン8の内方に固定するとともに、下方側からスプリング32aとパイロット弁体32bとが組み付けられた可動鉄心32を挿入し、ソレノイド部3がユニット化される。
【0038】
次いで、ヨーク4の外嵌部40をボビン8の凹部83に外嵌させることで、ヨーク4をユニット化されたソレノイド部3に取り付ける。このとき、ボビン8は軸方向の位置がヨーク4の下面板4Aによって決められているとともに、固定鉄心31は上端がヨーク4の上面板4Bの下面に当接して軸方向の位置が決められている。
【0039】
一方、ケース2においては、基体51にダイアフラム55を取り付け主弁部50を形成した後、ダイアフラム55の外周部を開口凹部2Cの底面に載置し、ダイアフラム55の外周部にアダプタ70の下方側凹部71の外周壁を載置する。
【0040】
その後、ボビン8の下環状鍔83bの下方側にOリング10を取付け、アダプタ70の上方側凹部72内に挿入・配置する。このときヨーク4の下面板4Aは、アダプタ70の上端面70aに当接して支持される。
【0041】
最後に、
図6を参照して、ケース2の張出部24の雌ネジが螺設された穴部2a,2bに曲折板42の取付部42a,42bの貫通孔43a,43bをそれぞれ位置合わせし、有頭ネジ7を穴部2a,2bに上方からそれぞれ螺合させる。これにより、下方側凹部71の周壁と開口凹部2Cの底面によりダイアフラム55の外周側端部が挟持された状態となり、主弁部50が開口凹部2Cに固定される。このようにして電磁弁1の組み立てが完了する。
【0042】
このとき、
図2を参照して、ヨーク4は下面板4Aの下面4aが、曲折板42の下面42dより僅かに下方側へ位置するように形成されているので、有頭ネジ7によるヨーク4のケース2への固定時に、下面板4Aは僅かに上方に向けて撓み変形するので、下面板4Aがケース2から浮くことが無く、電磁弁1の組み立て精度が高くなっている。
【0043】
加えて、下面板4Aが僅かに上方に向けて撓み変形することに伴って発生する反力によって、アダプタ70がダイアフラム55を主弁部50側に押圧する力が増すことから、ダイアフラム55の抜け出しを抑制することができる。なお、下面板4Aの下面4aと曲折板42の下面42dとを略同一の高さとしてもよい。
【0044】
また、ヨーク4がケース2に固定された状態では、曲折板42の内方側の端面42cと、当該端面42cに対向する下面板4Aの端面4bとが、略同一の高さ位置に配置された状態となる。
【0045】
ここで、ヨーク4は、一枚板から成形されたT字板4’を折り曲げることで形成されていることから、曲折板42の端面42cと下面板4Aの端面4bとが上下方向に亘って、わずかな隙間を挟んで近接配置された状態となる。
【0046】
これにより、曲折板42の端面42cと下面板4Aの端面4bとが、近い距離で対向する面積が広くこれらの間に磁路が形成されやすい。
【0047】
なお、ここでいう近接とは、接触するものも含まれ、曲折板42の端面42cと下面板4Aの端面4bとの間の寸法が0mm以上曲折板42及び下面板4Aの板厚以下であることが好ましい。
【0048】
ここで、曲折板が外側に折り曲げられている構成では、折り曲げに伴ってラウンドしたラウンド面が下面板の端面と対向配置されるため、ラウンド面の一部は下面板の端面と近接配置されるものの、下方側に向かうほどに下面板の端面から離間することとなる。これにより、ラウンド面と下面板の端面とを上下方向に亘って磁路が形成され難い。
【0049】
また、曲折板が外側に折り曲げられている構成であれば、垂下板の板厚の寸法に、垂下板の外側に形成された取付部の寸法が加わることとなるが、本実施例のように曲折板42が内側に折り曲げられているような構成であれば、曲折板が外側に折り曲げられている構成よりも、コンパクトにヨーク4を形成することができる。
【0050】
ヨーク4は、
図1、
図2、
図7に示されているように、ソレノイド部3の上面、両側面、背面、底面を覆うように配置されるので、ソレノイド部3の筐体として外力から保護するとともに、ソレノイド30に電力が供給されることで発生する磁束を、磁性材からなるヨーク4内で磁路を形成させることから、少ない電力で可動鉄心32を固定鉄心31に吸着させることができるようになっている。
【0051】
以上説明したように、ヨーク4は、ケース2に載置される下面板4Aと、上面板4Bと、接続板4Cと、延出片4D,4Eと、を有しており、延出片4D,4Eは、上面板4Bから垂下する垂下部としての垂下板41と、該垂下板41から下面板4A側に延設されており、ケース2に取り付けられる取付部42a,42bが形成されている曲折部としての曲折板42を有していることから、ヨーク4の上面板4Bから延出された延出片4D,4Eが接続板4Cに加えてケース2に支持されるため、上面板4Bを変形し難くできる。加えて、延出片4D,4Eが接続板4Cと協働して磁路を構成することとなり磁気効率が向上する。
【0052】
このように、ヨーク4の剛性が高いので、電磁弁1の外部からヨーク4に力が加わっても上面板4Bは変形し難い。また、止水時のケース2内の流体圧力が高く、流体圧力による力が固定鉄心31をヨーク4に上向きの力が作用しても、上面板4Bは変形し難い。さらにまた、電磁弁1の開閉動作に伴って固定鉄心31と可動鉄心32とが吸着されることで生じる振動に対しても、上面板4Bが変形し難いようになっている。
【0053】
また、延出片4D,4Eは、接続板4Cに対して対向しない位置に配置されていることから、上面板4Bが複数方向からの外力に対して変形し難くなる。
【0054】
また、延出片4D,4Eは、少なくとも一対設けられており、該一対の延出片は互いにヨーク4の上面板4Bから対向するように延出されていることから、延出片4D,4Eをそれぞれケース2に固定できるので、上面板4Bを外力に対して変形し難くできる。
【0055】
また、下面板4Aの下端は、延出片4D,4Eの上端から下端までの間に配置されていることから、下面板4Aと延出片4D,4Eが近接しているので、上面板4Bと延出片4D,4Eと下面板4Aによって磁気回路が形成され、磁気効率が向上する。
【0056】
また、曲折板42の端面42cが下面板4Aの端面4bに対して対向配置されており、曲折板42の端面42cと下面板4Aの端面4bとが上下方向に亘って近接配置されているため、磁気効率が向上する。
【0057】
また、延出片4Dは、曲折板42の板厚が下面板4Aの板厚と略同一であり、ヨーク4を一枚板から製造可能であるため、ヨーク4を構成する部品点数が少なくなる。
【0058】
また、延出片4Dは、曲折板42の取付部42a,42bが垂下板41に対して前後方向に離れた位置に配置されているため、ヨーク4をケース2に対して上方側から固定することが可能となり、ケース2へのヨーク4の取り付けが容易となる。
【0059】
また、曲折板42の取付部42a,42bは、垂下板41の前方向に離れた位置および後方向に離れた位置にそれぞれ配置されているため、ケース2に対するヨーク4の取付強度を高めることができる。さらに、各取付部42a,42bの貫通孔43a,43bは、平面視正方形の各頂点部分に配置されている、すなわち周方向に略等配かつ対角線上に配置されていることから、ヨーク4に作用する外力を各有頭ネジ7に略均等に分散しやすくなっているため、取付強度がより高められている。
【0060】
また、曲折板42の取付部42a,42bは、垂下板41の前方向に離れた位置および後方向に離れた位置にそれぞれ配置されており、すなわち下面板4A、曲折板42、垂下板41、上面板4Bによって形成される磁路から離れた位置に配置されていることから、取付部42a,42b及び有頭ネジ7によって磁路の形成が阻害されることが防止されている。
【0061】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0062】
例えば、電磁弁1は、パイロット弁体32bと主弁部50を有するパイロット式である形態を例示したが、これに限らず、例えば前記実施例のパイロット弁体32bと同様に、端子91に電力を供給するまたは供給を停止することで軸方向に進退可能な弁体を備え、当該弁体が弁座に着座することで閉弁する電磁弁であってもよく、すなわちパイロット式に限定されるものではない。
【0063】
また、前記実施例では、電力が供給されることで開弁状態となり、電力が供給されることで閉弁状態となるON−OFF式かつノーマルクローズ式の電磁弁を例示したが、これに限らず、電力が供給されることで開弁状態となり、電力が供給されることで閉弁状態となるON−OFF式かつノーマルオープン式の電磁弁であってもよく、電力の供給量に応じて弁体と弁座との離間距離を調節可能とすることで開弁度を調節可能な電磁弁であってもよい。すなわち、前記実施例のヨーク4が適用される電磁弁の形態は限定されるものではない。
【0064】
また、前記実施例では、ヨーク4の製造手順については、下面板4Aから接続板4Cを立ち上げ、下面板4Aに対して上面板4Bが平行になるように曲折させると説明したが、これに限られず、延出片4D,4Eを先に立ち上げてもよい。
【0065】
また、前記実施例では、プレス加工により成形された上面視略T字状のT字板4’を加工する形態を例示したが、これに限られず、ヨーク4を鋳物から成形したり、射出成型することとしてもよく、一枚板からプレス加工で成形した各板を溶接等で連結することで形成してもよく、本実施例のヨーク4に別体のパーツを追加してもよい。特に、曲折部の端面と下面板の端面とを上下方向に亘って近接配置可能であれば、いずれの製造方法を適用してもよい。
【0066】
また、前記実施例では、ヨーク4をケース2に対して有頭ネジ7を用いて螺合させ固定させる形態を例示したが、これに限られず、ヨーク4をケース2に対して溶接による固定、または凹凸嵌合による固定としてもよい。
【0067】
また、実施例ではヨーク4の下面板4Aは、曲折板42や延出片4D,4Eの下端と略同じ高さ位置に配置される形態を例示したが、これに限られず、下面板よりも曲折部や延出片の下端が下方に配置されるものであってもよい。
【0068】
また、前記実施例では、上面板4Bから延出片が2片延出される形態を例示したが、これに限られず、1片または3片以上としてもよい。
【0069】
また、前記実施例では、延出片4Dを曲折し曲折板42が形成され、貫通孔43a,43bに上方側から有頭ネジ7を挿通し、ケース2に固定する形態を例示したが、これに限られず、上面板から下方に向けて鉛直に延びる延出片の側方向に延びる貫通孔に、側方側から有頭ネジを挿通し、ケースの穴部に螺合させて固定することとしてもよく、ケースに形成された上下方向に貫通する貫通孔の軸方向下方側から有頭ネジを挿通し、取付片に形成された雌ねじ部や取付片とは別体のナットに螺合させてケースに固定することとしてもよい。さらに、一方の取付部をケースのスリットに挿嵌し、曲折部の他方の取付部に形成された貫通孔に有頭ネジを挿通し、ケースの穴部に螺合させて固定することとしてもよく、ケースへの取付部の取付態様は適宜変更してもよい。
【0070】
また、前記実施例では、各取付部42a,42bは、平面視正方形の各頂点部分に位置している形態を例示したが、これに限らず、曲折板42に少なくとも一つの取付部が形成されていればよい。
【0071】
また、前記実施例では、ヨーク4が前面が開放された略立方体形状を成している形態を例示したが、これに限られず、上面板を略円形状とし、円弧状に湾曲された延出片及び接続板を備えるヨークとしてもよい(
図8参照)。