(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-17358(P2021-17358A)
(43)【公開日】2021年2月15日
(54)【発明の名称】結束装置における結束テープ途切れ防止装置
(51)【国際特許分類】
B65H 21/00 20060101AFI20210118BHJP
B65B 13/04 20060101ALI20210118BHJP
【FI】
B65H21/00
B65B13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-135191(P2019-135191)
(22)【出願日】2019年7月23日
(71)【出願人】
【識別番号】592071934
【氏名又は名称】株式会社カワカミ
(74)【代理人】
【識別番号】100088993
【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男
(72)【発明者】
【氏名】川上 善大
【テーマコード(参考)】
3E052
3F064
【Fターム(参考)】
3E052AA44
3E052AA45
3E052BA03
3E052BA10
3E052BA11
3E052HA08
3E052LA20
3F064AA01
3F064AA03
3F064BA01
3F064BB03
3F064BB22
3F064BB29
3F064BB31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】棒状物を集積させた被結束物を結束するリールに巻かれた結束テープが引き出す途中で尽きて途切れてしまうのを防止する。
【解決手段】熱溶着性の結束テープ5をリールに巻いたテープリール4を装架しておき、被結束物の両端をチャックで掴んで回転させ、その間にリールから結束テープ5を引き出して被結束物の外周に巻き付けて結束する結束装置において、テープリール4を搬送方向前後に二基設け、各テープリール4から結束テープ5を引き出してその途中に結束テープ5の有無を検知するテープセンサー12を設けるとともに、テープセンサー12の下流で結束テープ5を合流させて二枚重ねにしてヒーター付き接着器14を通過させ、どちらのテープセンサー12も作動しないときには一枚のみの結束テープ5を通過させ、どちらかのテープセンサー12が結束テープ5の無を検知するとヒーター付き接着器14を作動させて二つの結束テープ5を接着する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の被結束物を搬送バケットで間欠搬送するとともに、搬送バケットの上方に熱溶着性の結束テープをリールに巻いたテープリールを装架しておき、搬送バケットの特定の停止位置で被結束物の両端をチャックで掴んで回転させ、その間にリールから結束テープを引き出して被結束物の外周に巻き付けて結束する結束装置において、テープリールを搬送方向前後に二基設け、各テープリールから結束テープを引き出してその途中に結束テープの有無を検知するテープセンサーを設けるとともに、テープセンサーの下流で結束テープを合流させて二枚重ねにしてヒーター付き接着器を通過させ、どちらのテープセンサーも作動しないときには一枚のみの結束テープを通過させ、どちらかのテープセンサーが結束テープの無を検知するとヒーター付き接着器を作動させて二枚の結束テープを接着することを特徴とする結束装置における結束テープ途切れ防止装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾麺、線香、針金といった各種の棒状物を集積させた被結束物を搬送バケットで搬送している間、結束テープで結束する結束装置における結束テープ途切れ防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、この種の結束装置を特願2015-99565号(特開2016-216053号)として提案している。これは、被結束物を搬送バケットに載せて間欠的に搬送し、特定の停止位置(これを結束位置とする)まで来たとき、被結束物の両端をチャックで掴んで回転させ。その間に結束位置の上方に装架したリール状の結束テープを引き出して被結束物の外周に巻き付けて結束するものである。そして、結束後はテープを切断して再度搬送バケットで搬送していた。つまり、被結束物を搬送しながら結束していたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合のリールとは、断面H型をした円環状のケースであり、これに結束テープを巻くことをいうのであるが、予め結束テープが巻かれたリールを装着する場合も含み、ここではテープリールと称する。従来は、テープリールの装着は一つであったから、結束テープが引き出されてしまうと結束テープは途切れてしまい、新しいテープリールに交換しなければならなかった。したがって、この間、監視が必要であるし、交換の手間もかかる。何よりも搬送バケットを止めなければならず、タイムロスが生じていた。
【0004】
そこで、本発明は、リールを二基設け、それぞれのリールから引き出した結束テープを合流させて二枚重ねの状態にした接着部を設けておき、通常時は一枚のみ通過させ、一方の結束テープがなくなるときに他方の結束テープと接着し、結束テープを連続して引き出せるようにして途切れをなくしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、所定量の被結束物を搬送バケットで間欠搬送するとともに、搬送バケットの上方に熱溶着性の結束テープをリールに巻いたテープリールを装架しておき、搬送バケットの特定の停止位置で被結束物の両端をチャックで掴んで回転させ、その間にリールから結束テープを引き出して被結束物の外周に巻き付けて結束する結束装置において、テープリールを搬送方向前後に二基設け、各テープリールから結束テープを引き出してその途中に結束テープの有無を検知するテープセンサーを設けるとともに、テープセンサーの下流で結束テープを合流させて二枚重ねにしてヒーター付き接着器を通過させ、どちらのテープセンサーも作動しないときには一枚のみの結束テープを通過させ、どちらかのテープセンサーが結束テープの無を検知するとヒーター付き接着器を作動させて二枚の結束テープを接着することを特徴とする結束装置における結束テープ途切れ防止装置を提供したものである。
【発明の効果】
【0006】
以上の手段をとることにより、一方の結束テープの引き出しが終了するときには、既に他の結束テープと接着されているのであるから、結束テープは継ぎ目では二重になってはいるものの、連続して引き出され、結束テープの補充の手間は省ける。したがって、監視も特に必要ないし、タイムロスも生じない。この間、空になった一方のリールには新たなテープリールを補充しておけばよい。なお、結束テープが二重になった結束物を良品にするか不良品にするかは任意の選択である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】結束装置のテープ接着部の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は結束装置を搬送方向直角方向から見た正面図であり、
図2は平面図であるが、搬送方向上手側から下手側に移動する被結束物を載せるアタッチメントを取り付けた二列の搬送バケット1からなる搬送装置2を有している。搬送装置2の途中の結束位置には結束部3が設けられており、この位置で搬送バケット1は定期的に停止する(したがって、この位置を結束位置ともする)。結束は、結束位置の上方に設けられるスタンドに収納されるリール4に巻かれた結束テープ(以下、テープ)5をテープ引き出し装置6のテープホルダー7で引き出してチャック8で両端を掴まれた被結束物9に巻き付けて行われる。
【0009】
本発明は、テープ5を引き出すときにテープ5が尽きて途切れるのを防止するもので、引き出しや結束の仕方についてではないので、これらについては簡単に記しておく。結束や搬送は、要は、結束部3の位置で、被結束物9をチャック8で掴んで回転させ、その間にホイル4からテープ5を引き出して被結束物9の外周に巻き付けるのである。この場合、搬送装置2は間欠移動するので、テープ5の引き出しも間欠的になる。なお、結束時には、被結束物9を搬送バケット1の上に載せたままでは回転させ難いので、リフト10で持ち上げて行っている(被結束物9を回転させるときにはリフト10は降ろしておく)。
【0010】
本発明は、テープ5を引き出しているときに使い切って途切れるのを防止するのである。
図3はそのための装置の要部の正面図であるが、リール4を搬送方向前後に二基設けるのである。つまり、リール4を取り付けるためのフレーム11を搬送方向前後に延びる横フレーム11a とこれと交差する縦フレーム11bとからなるT字形フレームとし、これに凹形フレーム11cを組み合わせたものにするのである。具体的には、各ホイル4を横フレーム11aの両端に取り付け、これにテープ5を巻くか、予め巻いたものを装着している。そして、各リール4の下方の凹形フレーム12の部分に移動するテープ5の有無を検知するテープセンサー12を取り付けておく。
【0011】
テープセンサー12を通過したテープ5はフレーム11に設けられたアイドルローラ13で適宜向きを変えられ、凹形フレーム11cの下で縦フレーム11bに設けられたヒーター付き接着器13の中を通され、ここで、テープ5は合流させられて二枚重ねとなる。ヒーター付き接着器14を通過したテープ5は、テープ引き出し装置6のテープホルダー7へと引き継がれる。ただ、テープホルダー7に引き継がれるのは、一方のテープ5のみで、他方のテープ5はヒーター付き接着器14を出た個所で止まっている。
【0012】
動いているテープ5のテープセンサー12がテープ5を無と判断すると、ヒーター付き接着器14は作動し、二枚合わさっているテープ5を接着する。すると、テープ5は二枚重ねとなってテープ引き出し装置6の方に移動する。そして、元のテープ5がなくなると、新しい方のテープ5に切り替わり、以後はこのテープ5で結束する。この新しいテープ5が尽きるまでにはある程度の時間があるから、その間にテープ5を元のリール4に補充しておけばよい。一般に、テープ5は片面にポリエチレン樹脂等をラミネートした紙テープとポリエチレンとポリプロピレンを複合させたポリテープとがあるが、本発明ではいずれを使用してもよい。テープ5の先端をテープホルダー7で被結束物9へ止め付け、被結束物9を回転させると、テープ5を巻き取って結束する。したがって、リール4を前後に二基取り付けると、糊面と非糊面が重なるが、接着時は加熱するので、接着は容易に行われる
【0013】
図4はテープセンサー11の正面図であるが、凹形フレーム11cに固定され。テープ5を案内するガイド15とガイド15を通るテープ5を検出するスイッチ(センサー)16とからなる。テープ5が存在して流動(移動)しておれば、スィツチ16は作動(又は不作動)せず、したがって、ヒーター付き接着器14も作動せず、一枚のテープ5のみが流動する状態が続く。この場合のスイッチ16は光学的な近接スイッチのようなものが適する。テープ5に接触しないから、その移動に抵抗とならないからである。
【0014】
図5はヒーター付き接着器14の正面図であり、(a)はヒーター付き接着器14が作動していないとき、(b)は作動しているときであるが、縦フレーム11bに設けられる開閉可能な二枚の感知片16a、16bを有しており、テープ5はこの間を通っている。この間をテープ5が流動している限りは感知片16a、16bは開いたままであり、ヒーター付き接着器14は作動せず、テープ5は接着されない。しかし、テープ5が途切れる前(又は途切れるとすぐ)になると、テープセンサー12はそれをキャッチして信号を発する。すると、感知片16a、16bは閉じ、二枚のテープ5を圧着する。
【0015】
感知片16a、16bの傍にはヒーター17が設けられてテープ5は加熱されているから、
感知片16a、16bが閉じてテープ5が圧着されると、テープ5は接着される。なお、ヒーター17はテープセンサー11が信号を発してから加熱させてもよいが、常時、加熱させておく方が迅速で強力な接着ができる。二枚のテープ5が接着されると、二枚ともテープ繰り出し装置6に送られ、この間、被結束物9は二枚のテープで結束されるが、そのうち、先のテープ5が尽きて次のテープ5に切り替る。
【符号の説明】
【0016】
1 搬送バケット
⒉ 搬送装置
3 結束部
4 テープリール
5 結束テープ
6 テープ引き出し装置
7 テープホルダー
8 チャック
9 被結束物
10 リフト
11a 横フレーム
11b 縦フレーム
11c 凹形フレーム
12 テープセンサー
13 アィドルローラ
14 ヒーター付き接着器
15 ガイド
16 スイッチ
16a 感知片
16b 感知片
17 ヒーター