【解決手段】トランス100において、複数の磁気コア11a〜11cを組合せて対向平行辺を備える矩形状閉磁路を構成する磁性コア部11と、磁性コア部の対向平行辺の各々に配置され、1次コイル巻線12aを巻回された1次コイル巻回部12A、12Bと、2次コイル巻線13aを巻回した2次コイル巻回部13A、13Bと、磁性コア部の対向する辺の各々において、1次コイル巻回部12A、12B同士および2次コイル巻回部13A、13B同士が、互いに隙間部Gを介して配されるように構成され、対向する辺の一方に形成された隙間部Gから、他方に形成された隙間部Gに亘って差し込まれる板状の磁性コアからなる補助コア部材14を備える。
前記補助コア部材にはこの補助コア部材の差込み操作を容易とし得る操作部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の共振コイル内蔵型LLCトランス。
前記2次コイル巻回部には、前記1次コイル巻線の一部が、前記2次コイル巻線に重ね巻きされていることを特徴とする請求項請求項1〜3のいずれか1項に記載の共振コイル内蔵型LLCトランス。
前記磁性コア部、および前記1次コイル巻回部と前記2次コイル巻回部の間には絶縁性の巻線ボビンが配されており、この巻線ボビンに、前記補助コア部材が差し込まれるスロット部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の共振コイル内蔵型LLCトランス。
請求項1〜5のいずれかに記載の共振コイル内蔵型LLCトランスにおいて、結合係数が0.990〜0.997の範囲の所望の値に調整可能な構成とされていることを特徴とする共振コイル内蔵型LLCトランス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2に記載のものでは、LLC共振回路において、トランスの漏れインダクタンスを共振インダクタとして利用している。しかしながら、漏れインダクタンスを利用するこのような手法においては、電圧ゲインがスイッチング周波数により変化するため、トランスの設計が他の制御方式と比較して難しい。すなわち、インダクタンスの管理や大きな共振インダクタンスを確保することが技術的に難しい面がある。
さらに、車載向け(急速充電機)に用いられる大電力(例えば50kW)用のLLCトランス等について、通常のUUコアをトランスコアとした場合、コイルの巻回位置や巻き方によって漏れインダクタンスが変化してしまう。特に大電流を扱うコイルは大径となり、整列して巻回することが難しく、巻線の巻き数や巻き方のみによっては、漏れインダクタンスを均一に調整することが困難であり、製造工程において製品毎に漏れインダクタンスを調整したいという要望も多い。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、より大きな共振インダクタンスを容易に確保することができるとともに、製造時に漏れインダクタンスを調整し得る構造とされた共振コイル内蔵型LLCトランスを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の共振コイル内蔵型LLCトランスは、
複数の磁気コアを組合せて対向平行辺を備える矩形状閉磁路を構成する磁性コア部と、
前記磁性コア部の対向平行辺の各々に配置され、少なくとも1次コイル巻線を巻回した1次コイル巻回部と、少なくとも2次コイル巻線を巻回した2次コイル巻回部と、
前記磁性コア部の対向平行辺の、前記1次コイル巻回部同士と、前記2次コイル巻回部同士が、各々対向する位置に配されるとともに、前記磁性コア部の対向する辺の各々において、前記1次コイル巻回部と前記2次コイル巻回部が、互いに隙間部を介して配されるように、構成されてなり、
前記対向する辺の一方に形成された前記隙間部から、他方に形成された前記隙間部に亘って差し込まれる板状の磁性コアからなる補助コア部材を備えたことを特徴とするものである。
ここで、上記「一方に形成された前記隙間部から、他方に形成された前記隙間部に亘って」とは、必ずしも、板状の磁性コアからなる補助コア部材の一部がこれらの隙間部に挿入されていることを意味するものではなく、少なくとも、これら両隙間部の間の位置に配されていることを意味するものである。
また、上記「1次コイル巻回部」には1次コイル巻線とともに、2次コイル巻線を重ね巻きしてもよく、また、「2次コイル巻回部」には2次コイル巻線とともに、1次コイル巻線を重ね巻きしてもよい。
また、前記板状の磁性コアからなる補助コア部材が挿脱自在に差し込まれるように構成されていることが好ましい。
【0007】
また、前記補助コア部材にはこの補助コア部材を差込み操作を容易とし得る操作部が設けられていることが好ましい。
【0008】
また、前記2次コイル巻回部には、前記1次コイル巻線の一部が、前記2次コイル巻線に重ね巻きされていることが好ましい。
【0009】
また、前記磁性コア部、および前記1次コイル巻回部と前記2次コイル巻回部の間には絶縁性の巻線ボビンが配されており、この巻線ボビンに、前記補助コア部材が差し込まれるスロット部が設けられていることが好ましい。
さらに、上記いずれかの共振コイル内蔵型LLCトランスにおいて、結合係数が0.990〜0.997の範囲の所望の値に調整可能な構成とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る、共振コイル内蔵型LLCトランスは、矩形状閉磁路を構成する磁性コア部の対向平行辺の各々に、1次コイル巻線を巻回した1次コイル巻回部と、2次コイル巻線を巻回した2次コイル巻回部を配置し、一方の、両コイル巻回部間の隙間部から、他方の、両コイル巻回部間の隙間部に亘って、板状の磁性コアからなる補助コア部材を差し込むことで、上記矩形状閉磁路の対向する磁路間を漏れ磁束が通過するようなバイパス磁路が形成される。
【0011】
この補助コア部材は、上述したように、一方の隙間部から他方の隙間部に差し込むことで漏れ磁束を発生することができるので、共振コイル内蔵型LLCトランスにおける結合係数を簡易な操作で製造工程において調節することが可能となる。
【0012】
特に、大電力用のLLCトランス等については、コイルが大径となり、整列して巻回することが難しく、漏れインダクタンスを一定とすることが困難であるが、本発明の共振コイル内蔵型LLCトランスによれば、補助コア部材を差し込むだけで、微妙な漏れインダクタンスの調整を簡単に、しかも、トランス製造工程の最終調整段階で行うことができるので、漏れインダクタンスの均一化を図りやすく、均一な性能を有するLLCトランスを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る共振コイル内蔵型LLCトランスの構成について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る共振コイル内蔵型LLCトランス100の配線等を除去して示す要部外観斜視図である。
【0015】
この実施形態の共振コイル内蔵型LLCトランス100は、磁性コア部11と、1次コイル巻回部12A,12Bと、2次コイル巻回部13A,13Bと、補助コア部材14とを要部構成として備えてなる。
【0016】
前記磁性コア部11は、3組の磁気コア11a、11b、11cが積み重ねて構成されている。各磁気コア11a,11b,11cは、2つのU字コアが対向して組み合わされて、脚部先端同士が当接されて対向平行辺を備える矩形状閉磁路(W1;
図5b参照)を構成する矩形状にそれぞれ設けられている。
なお、磁性コア部11としては、フェライト(Mn-Zn、Ni-Zn等)やアモルファス状の磁性材料の他、ケイ素鋼板、圧粉磁心(純鉄、Fe-Si-AL系合金、Ni-Fe-Mo系合金、Ni-Fe系合金)等の鉄系材料等を用いて形成することができる。
【0017】
前記磁性コア部11の対向平行辺の外側には、1次コイル巻線12a,12aが矩形状に巻回された1次コイル巻回部12A,12Bと、2次コイル巻線13a,13aが矩形状に巻回された2次コイル巻回部13A,13Bとが、それぞれ上下に配設されている。
【0018】
なお、上記実施形態では、前記2次コイル巻回部13A,13Bの2次コイル巻線13a,13aの外側には、追加の1次コイル巻線12bが重ね巻きされている。
【0019】
そして、対向する前記1次コイル巻回部12A,12B同士と、前記2次コイル巻回部13A,13B同士が、各々対向する位置(つまり、上下方向の同じ位置)に配されるとともに、前記磁性コア部11の対向平行辺の各々において、前記1次コイル巻回部12A,12Bと前記2次コイル巻回部13A,13Bが、互いに所定の隙間部Gを介して配されてなる。
【0020】
上記のようなコアおよびコイル構成において、前記対向する平行辺の一方に形成された前記隙間部Gから、他方に形成された前記隙間部Gに亘って挿脱自在に差し込まれる板状の磁性コア14aからなる補助コア部材14を備える。
【0021】
上記補助コア部材14は、
図2a、
図2bに示すように、板状磁性コア14aと、該磁性コア14aに装着された、操作部14bとで構成される。この操作部14bは、磁性コア14aの一端が挿入嵌合される凹部を内側に有する基部14cを有し、該基部14cは横方向に長く、中央には上下に突起状に立ち上がるリブ部14d,14eを備える。このリブ部14d,14eは、先端が基部14cに装着された板状磁性コア14aの上下面に沿って伸び、この上下のリブ部14d,14eの間のスリットに前記磁性コア14aが挿入されてなる。上記操作部14bは、挿脱操作をする際にその操作が容易となるように掴んで使用する。
【0022】
なお、板状磁性コア14aは、磁性コア部11と同一の材料により構成することが好ましいが、磁性コア部11と異なる材料により構成してもよい。例えば、前記隙間部Gの間隔が狭く形成されているような場合には、板状磁性コア14aの厚みを薄くする必要があるが、この場合に所望の漏れインダクタンスを得るために、磁性コア部11を形成している磁性材料よりも透磁率の高い磁性材料により、板状磁性コア14aを形成する。
【0023】
また、前記1次コイル巻回部12A,12Bおよび前記2次コイル巻回部13A,13Bは、右左の巻線ボビン17A,17Bにより、前記磁性コア部11に組付けられている。具体的には、
図3a、
図3bに示すように、磁性コア部11の右左の平行辺に右巻線ボビン17Aおよび左巻線ボビン17Bがそれぞれ設置される。なお、
図3bにおいては2次コイル巻回部13A,13Bを除去して示している。
【0024】
両巻線ボビン17A,17Bは、中央に前記磁性コア部11の対向する平行辺が貫通する中央筒部17a,17aを備える。この中央筒部17a,17aの上端に上鍔部材17b,17bを、中間部に中鍔部材17c,17cを、下端に下鍔部材17d,17dをそれぞれ備える。そして、上鍔部材17b,17bと中鍔部材17c,17cとの間の上部空間に前記2次コイル巻回部13A,13Bを収納し、中鍔部材17c,17cと下鍔部材17d,17dとの間の下部空間に前記1次コイル巻回部12A,12Bを収納するものである。
【0025】
なお、両巻線ボビン17A,17Bは、樹脂成型体材料から構成されている。樹脂成型体材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PF(フェノール樹脂)不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等、あるいは上記樹脂成型体材料にガラス及び熱伝導性フィラーを添加したもの等を用いることができる。
【0026】
前記中鍔部材17c,17cは前記隙間部Gの内部に配置されるものであり、前記中央筒部17a,17aの対向する中間部位における右左の中鍔部材17c,17cには、前記補助コア部材14が挿脱自在に差し込まれるスロット部18が形成されている。このスロット部18は、前記中鍔部材17c,17cの上板と下板の間の扁平空間が、補助コア部材14の板状の磁性コア14aを収容するように構成され、両側の中鍔部材17c,17cの上板同士と下板同士の間の細長隙間に、補助コア部材14の上下のリブ部14d,14eが挿通するように構成されている。また、前記スロット部18において、両側の中鍔部材17c,17cの扁平空間の奥部には、レール状のガイド突起18a(
図3a参照)が形成されており、補助コア部材14の板状磁性コア14aがこのスロット部18の中央部に位置するように、板状磁性コア14aの側縁がこのガイド突起18aにガイドされる。
【0027】
図3aにおいて、磁性コア部11を構成する各磁気コア11a,11b,11cは、前記巻線ボビン17A,17Bと組付けられた後、上下のUコアが外周に取り付けられた各結束バンド15a,15b,15cにより固縛され、上部のボルト16により締結接合される。
【0028】
図4の全体外観図において、前記磁性コア部11と前記1次コイル巻回部12A,12B、前記2次コイル巻回部13A,13Bおよび右左の巻線ボビン17A,17Bの組立体は、下方の台座本体20に設置されている。また、上記組立体の上部には、1次側および2次側の配線(外表面が絶縁材により被覆されている)が接続されて全体が構成されている。
【0029】
また、
図4には、電源回路(制御回路)300(
図5aを参照)から、1次コイル巻回部12A,12Bの1次コイル巻線12a,12aに電流を送出するために用いられる、電源端子21A,21Bおよびコイル接続線121,221が示されており、また、1次コイル巻回部12A,12Bの1次コイル巻線12a,12aから上記電源回路300に電流を送出するために用いられる、コイル接続線122,222および電源端子22A,22Bが示されている。
【0030】
また、
図4には、外部から2次コイル巻回部13A,13Bの2次コイル巻線13a,13aに電流を引き込むために用いられる、電源端子41A〜41Dおよびコイル接続線132,232が示されており、また、2次コイル巻回部13A,13Bの2次コイル巻線13a,13aから外部に電流を送出するために用いられる、コイル接続線131,231および電源端子31A〜31Dが示されている。
【0031】
図5aは、本実施形態の配線系統を示す概略図である。
すなわち、共振コンデンサおよび共振コイル(補助コア部材14の板状磁性コア14a等による漏れインダクタと合わせて共振インダクタが構成される)有する共振回路部310を備えた制御回路(電源回路)300から出力された所定の電流は、接続線(本実施形態においては2本とされている:電源端子は省略する)121、221を介して1次コイル巻回部12A,12Bの1次コイル巻線12a,12aに入力される。この電流は、巻回された1次コイル巻線12a,12a内を流れ、接続線121aを介して、2次コイル巻回部13A,13Bの2次コイル巻線13a,13a上に重ね巻きされた、1次コイル巻線12b,12b内を流れ、この後、接続線121b、1次コイル巻回部12A,12B、および接続線122、222を経由して、制御回路300に戻る。
【0032】
一方、外部電源(図示せず)から出力された所定の電流は、接続線(本実施形態においては4本とされている:電源端子は省略する)131、231を介して2次コイル巻回部13A,13Bの2次コイル巻線13a,13aに入力される。この電流は、巻回された2次コイル巻線13a,13a内を流れ、この後、接続線132、232を介して、外部電源に戻る。
【0033】
前述したように、1次コイル巻回部12A,12Bと2次コイル巻回部13A,13Bの間には、隙間部Gが設けられており、この隙間部Gに、補助コア部材14の磁性コア14aが挿脱自在に差し込まれるように構成されている。
この位置に、磁性コア14aを配設したことで、より大きな共振インダクタンスを容易に確保することができるとともに、製造工程において漏れインダクタンスを調整することが可能となる。
【0034】
すなわち、
図5bに示すように、2つのU字コアが対向して組み合わされてなる磁性コア部11(磁気コア11a,11b,11c)、および1次コイル巻線12a,12a,12b,12bにより、この磁気コア11内を周回する閉磁路W1が形成される。これにより、1次コイル巻線12a,12a,12b,12bと2次コイル巻線13a,13aのコイル巻回数の比に応じた起電力が2次コイル巻線13a,13aに発生する。
【0035】
しかしながら、UUコアをトランスコアとした場合、コイルを巻回する位置や巻回手法によって漏れインダクタンスが異なる。そのため、この漏れインダクタンスをLLC回路用の共振インダクタの少なくとも一部として用いるようにした場合、漏れインダクタンスの調整を行うことができれば便利である。特に、製造工程において、コイルを巻回した状態で漏れインダクタンスを調整可能とすることができれば極めて便利である。
【0036】
本実施形態においては、隙間部Gに、補助コア部材14の磁性コア14aが挿脱自在に差し込まれるように構成されており、これによって漏れインダクタンスの調整を可能としている。
【0037】
図5bに示すように、隙間部Gに、補助コア部材14の磁性コア14aを挿入可能に設けたことにより、磁気コア11内を周回する閉磁路W1の対向辺間を横断するような補助磁路W2(破線で表される)が形成される。この補助磁路W2は閉磁路W1に比して小さい磁束が通過する磁路であるが、この磁路が形成されることにより、補助コア部材14を挿入したときと、抜いたときとでは漏れインダクタンスを変更することができるので、微小な漏れインダクタンスの調整が可能となる。
【0038】
しかも、製造工程において、漏れインダクタンスが設計値とずれていたとしても、この段階において、補助コア部材14を挿脱することで、漏れインダクタンスを所望の値に、容易に調整することが可能である。
また、補助コア部材14の差し入れる程度(全体の長さのうち1/2の長さを差し入れたり、2/3の長さを差し入れるたりする)を変更することにより微小な漏れインダクタンスを調整することができる。
また、補助コア部材14の磁性コア14aの材料や厚みを変更することによっても、漏れインダクタンスを調整することができる。
【0039】
なお、実際の需要においては、結合係数を1からやや低下させ、この低下した結合係数分、すなわち、漏れインダクタンスによって共振インダクタを調整することが求められる。
例えば、結合係数が1に近い0.990〜0.997の範囲において、所望の値に調整することが、要求された共振インダクタを得る上で求められるが、本実施形態においては、巻線の状態に応じて変化したインダクタンスを、製造工程の段階において、高精度で上記範囲の所望の値に調整することが可能である。
【0040】
本発明の共振コイル内蔵型LLCトランスとしては上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態の共振コイル内蔵型LLCトランスにおいては、1対のU型コアの先端同士を突き合わせて、略矩形状のコア部を構成しているが、1つのU型コアと1つのI型コアを組み合わせたり、4つのI型コアを組み合わせたりして略矩形状のコア部を構成してもよい。
【0041】
また、上述した実施形態の共振コイル内蔵型LLCトランスにおいては、1つの補助コア部材14を設けているが、複数の補助コア部材を設けてもよく、例えば、2次コイル巻回部13A,13Bを分割し、その各分割部分の間に他の補助コア部材を挿入するようにしてもよい。
【0042】
また、補助コア部材は、2つの1次コイル巻回部12A,12Bの間、および/または2つの2次コイル巻回部13A,13Bの間、に位置する隙間部分に挿入するようにしてもよい。
また、上述した実施形態の共振コイル内蔵型LLCトランスにおいては、補助コア部材14は磁性コア14aが露出するように構成されているが、その外表面を樹脂などで完全にモールドするようにしてもよい。
【0043】
さらに、補助コア部材14の操作部の形状としても、上記実施形態のものに限られず種々の形状のものとすることができる。
【0044】
また、
図5bに示すように、漏れインダクタンス用の補助磁路W2は各U字コアの脚部同士の突合せ位置(中央部)から、図面下方に偏った位置に形成されているが、補助磁路W2がこの中央部付近、あるいは他の位置を通過するように形成してもよい。これにより漏れインダクタンスを変更することができる。
【0045】
また、上述した実施形態の共振コイル内蔵型LLCトランスにおいては、2次コイル巻回部13A,13Bを、2次コイル巻線13a上に1次コイル巻線12bを重ね巻きするようにしているが、2次コイル巻回部は、2次コイル巻線のみを巻回するようにしてもよいし、1次コイル巻線上に2次コイル巻線を重ね巻きするようにしてもよい。
【0046】
なお、上記実施形態においては、1次コイル巻線12a,12aの入出力用に、コイル接続線121,122,221,222を各々2本ずつ設けており、また、2次コイル巻線13a,13aの入出力用に、コイル接続線131,132,231,232を各々4本ずつ設けているが、これらのコイル接続線の本数は、実施形態のものに限られるものではなく、電流量等に応じた任意の本数とすることが可能である。