特開2021-174903(P2021-174903A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-174903(P2021-174903A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20211004BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20211004BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20211004BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
   H05K5/02 L
   H04M1/02 C
   G06F1/16 312G
   G06F1/16 312L
   G09F9/00 366A
   G09F9/00 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-78505(P2020-78505)
(22)【出願日】2020年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佛坂 知紘
【テーマコード(参考)】
4E360
5G435
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB12
4E360AB33
4E360AB42
4E360BD03
4E360CA02
4E360EA13
4E360EA24
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED03
4E360ED23
4E360GA12
4E360GA14
4E360GA29
4E360GB26
4E360GB46
4E360GC08
5G435AA13
5G435BB12
5G435EE02
5G435HH18
5G435LL07
5G435LL08
5K023AA07
5K023BB25
5K023BB27
5K023DD06
5K023GG03
5K023HH05
5K023LL06
5K023RR08
(57)【要約】
【課題】携帯端末における耐衝撃性と防水性を向上可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明は、タッチパネルと、タッチパネルが配置可能な孔を有し、タッチパネルを含む部品を収容する筐体と、筐体に外部から衝撃力が加わった場合に、外部から部品へ加わる衝撃力を緩衝可能に設けられる緩衝部と、を備え、緩衝部は、孔を形成する内壁とタッチパネルとの間の隙間に配置される第1弾性部材を有する、携帯端末である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルが配置可能な孔を有し、前記タッチパネルを含む部品を収容する筐体と、
前記筐体に外部から衝撃力が加わった場合に、外部から前記部品へ加わる前記衝撃力を緩衝可能に設けられる緩衝部と、を備え、
前記緩衝部は、前記孔を形成する内壁と前記タッチパネルとの間の隙間に配置される第1弾性部材を有する、
携帯端末。
【請求項2】
前記第1弾性部材は、前記緩衝部の内面の少なくとも一部を覆い、
前記筐体の内面の少なくとも一部を覆う第2弾性部材を更に備え、
前記第1弾性部材又は前記第2弾性部材は、自身が覆う前記緩衝部の内面又は前記筐体の内面から前記筐体内部に配置される前記部品の方向へ向けて突出する突起部を更に有する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記緩衝部と前記筐体との間には隙間が設けられ、
前記第1弾性部材又は前記第2弾性部材は、該隙間に配置される防水部を有する、
請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1弾性部材は、前記孔の縁の内周を覆うように設けられ、前記孔に配置された前記タッチパネルを前記孔の中心方向に押圧可能な押圧部を有する、
請求項1から3のうち何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記タッチパネルを前記筐体に対して固定する固定部材を更に備え、
前記固定部材は、前記押圧部が配置される場所から前記部品が配置される場所へ通じる空間の途中に設けられる、
請求項4に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
耐衝撃性および防水性が考慮された電子機器の構造に関する技術が開示されている(例えば特許文献1−2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−79582号公報
【特許文献2】特開2001−337743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末のタッチパネル付近に外部から衝撃力が加わった場合、タッチパネルや筐体が破損する可能性がある。そこで、筐体のタッチパネル付近に加わる衝撃力を緩衝する緩衝部をタッチパネル周辺に設けることが考えられる。このような緩衝部があれば、筐体やタッチパネルに加わる衝撃力が緩衝され、その結果として筐体の破損が抑制される。しかしながら、防水機能が要求される携帯端末でこのような緩衝部を設けると、筐体とタッチパネルとの間から筐体内部へ水が浸入する可能性が高くなる。
【0005】
そこで、本願は、携帯端末における耐衝撃性と防水性を向上可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、タッチパネルと、前記タッチパネルが配置可能な孔を有し、前記タッチパネルを含む部品を収容する筐体と、前記筐体に外部から衝撃力が加わった場合に、外部から前記部品へ加わる前記衝撃力を緩衝可能に設けられる緩衝部と、を備え、前記緩衝部は、前記孔を形成する内壁と前記タッチパネルとの間の隙間に配置される第1弾性部材を有する、携帯端末である。
【発明の効果】
【0007】
上記の携帯端末は、耐衝撃性と防水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る携帯端末の概要を示している。
図2図2は、実施形態に係る携帯端末の断面図の一例を示している。
図3図3は、比較例に係る携帯端末の構造の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0010】
図1は本実施形態に係る携帯端末1の概要を示している。なお、携帯端末1の例としては、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートパソコン、スマートウォッチ、あるいは携帯用モニタ等が挙げられる。
【0011】
図1に示されるように携帯端末1は、フロントケース2(本発明の「筐体」の一例)とリアケース3(本発明の「筐体」の一例)とを備える。フロントケース2およびリアケース3は、例えば樹脂成型品である。また、フロントケース2とリアケース3とは分割されている。
【0012】
また、携帯端末1はその筐体内部に液晶モジュール4(後述の図2に示される)と、液晶モジュール4を操作可能なタッチパネル5とを備える。液晶モジュール4の表示方向と重なるフロントケース2の部分は当該表示方向に向けて開口している。そして、タッチパネル5は開口部分に配置される。また、携帯端末1はフロントゴム6を備える。タッチパネル5と開口を形成する壁との間は、フロントゴム6(本発明の「第1弾性部材」の一例)によって塞がれる。
【0013】
図2は、図1における断面図の一例を示している。なお、以降の説明において、液晶モジュール4の表示方向を上方向とする。そして表示方向に対して側方向を左右方向とする。
【0014】
図2に示されるように携帯端末1においては、比較例に係る携帯端末51(後述する)と比較してフロントケース2およびリアケース3は肉厚が薄く成型されている。そして、フロントケース2の内壁はフロントゴム6によって覆われる。また、携帯端末1はリアゴム9(本発明の「第2弾性部材」の一例)を備える。そして、フロントケース2と同様にリアケース3の内壁はリアゴム9により覆われる。ここで、フロントケース2およびフロントゴム6は、本発明の「緩衝部」の一例である。なお、フロントケース2およびフロントゴム6は、一体成型品であってもよいし別々の成型品であってもよい。同様にしてリアケース3およびリアゴム9は、一体成型品であってもよいし別々の成型品であってもよい。また、フロントゴム6およびリアゴム9の材料はゴムに限定されずフロントケース2およびリアケース3よりも弾性力を有する材料により形成されてもよい。
【0015】
フロントケース2には液晶モジュール4(本発明の「部品」の一例)が収容される。また、携帯端末1は基板8(本発明の「部品」の一例)を備える。基板8はリアケース3に収容される。
【0016】
ここで、図2に示されるように液晶モジュール4はフロントゴム6と左右方向に所定の間隔を空けて設けられている。また、フロントゴム6にはフロントケース2の側方の内壁から液晶モジュール4の側面へ向けて突出する衝撃吸収用突起61(本発明の「突起部」の一例)が設けられている。なお、図2に示されるように衝撃吸収用突起61の断面形状は、例えば半円状である。
【0017】
また、フロントゴム6にはタッチパネル5が配置可能な孔62(本発明の「押圧部」の一例)を備える。孔62の内壁はタッチパネル5の外枠と同様の形状であるが、孔62の内径はタッチパネル5の外径よりもやや小さめに設計される。すなわち、タッチパネル5が孔62に配置される時、孔62はやや外側に押し広げられる。よって、タッチパネル5と孔62との間に隙間が生じることは抑制される。また、図1の説明で上述したようにタッチパネル5とフロントケース2の開口の内壁23との間の隙間はフロントゴム6により塞がれる。
【0018】
また、携帯端末1は、タッチパネル5をフロントケース2に対して固定する両面テープ7(本発明の「固定部材」の一例)を備える。孔62に配置されたタッチパネル5が下方向に押圧されることで、タッチパネル5は両面テープ7を介してフロントケース2に固定される。
【0019】
また、携帯端末1においては、フロントケース2とリアケース3とが組み立てられると、フロントケース2とリアケース3との間には隙間22が形成される。そして、フロントゴム6には、隙間22を塞ぐように止水用突起63(本発明の「防水部」の一例)が設けられている。止水用突起63は、図2に示されるようにフロントケース2側からリアケース3側に突出している。また、携帯端末1が組み立てられた場合に止水用突起63がフロントケース2とリアケース3との隙間を確実に塞ぐように、上下方向に潰れた状態で止水用突起63はリアケース3と当接させられる。このような構造により、フロントケース2とリアケース3との間に存在する隙間22から携帯端末1の内部へ水が浸入することは防止される。
【0020】
図3は比較例に係る携帯端末51の構造の一例を示している。比較例に係る携帯端末51は、本実施形態に係る携帯端末1と同様の構成である。しかしながら、携帯端末51は、フロントケース52及びリアケース53の内壁を覆うゴムは設けられていない。また、携帯端末51では、携帯端末1と比較してフロントケース52及びリアケース53の肉厚は厚く形成されている。また、携帯端末51では、フロントケース52にリアケース53側へ突出する突出部55が設けられる。そして、携帯端末51では、リアケース53に突出部55が嵌合可能な溝を有するリアゴム56が設けられる。
【0021】
比較例に係る携帯端末51では、フロントケース52とリアケース53との間の隙間54を介して携帯端末51の外部から水が流入する。しかし、突出部55とリアゴム56との嵌合部分により携帯端末51の内部へ水が侵入することは抑制される。
【0022】
しかしながら、例えば携帯端末51が落下した場合などのようにフロントケース52またはリアケース53に外部から強い衝撃力が加わった場合、フロントケース52またはリアケース53に亀裂57が生じることが考えられる。このような場合、亀裂57を介して携帯端末51の外部から内部へ水が浸入することが考えられる。
【0023】
また、比較例に係る携帯端末51では、タッチパネル5の側面と、タッチパネル5が嵌るフロントケース52の開口を形成する壁との間に隙間が生じている。よって、フロントケース52に外部から強い衝撃力が加わった場合、タッチパネル5の側面が開口を形成する内壁58に勢いよく衝突することが考えられる。よって、タッチパネル5が破損することが考えられる。また、携帯端末51では、液晶モジュール4の側面とフロントケース52の内壁59との間には隙間が空いている。よって、フロントケース52に外部から強い衝撃力が加わった場合、液晶モジュール4の側面がフロントケース52の内壁59に勢いよく衝突することが考えられる。よって、液晶モジュール4が破損することが考えられる。
【0024】
[作用・効果]
上記のような携帯端末1によれば、フロントケース2とフロントゴム6とが一体となるような構造である。同様に、リアケース3とリアゴム9とが一体となるような構造である。よって、例えば携帯端末1が落下した場合などのようにフロントケース2またはリアケース3に外部から強い衝撃力が加わった場合であっても、フロントゴム6およびリアゴム9により衝撃力は緩衝される。よって、フロントケース2およびリアケース3に衝撃による亀裂24(図2参照)が生じることは抑制される。よって、耐衝撃性は向上する。
【0025】
また、たとえ亀裂24が生じた場合であっても、フロントゴム6およびリアゴム9の存在により亀裂24から水がケースの内部に流入することは抑制される。よって、防水性は向上する。
【0026】
ところで、耐衝撃性および防水性を向上させるために、携帯端末1とは異なりフロント
ケースおよびリアケースの外壁をゴムによって覆うことが考えられる。このような場合、図2に示されるようにケースに亀裂が入ることは抑制される。また、亀裂から水がケース内部に侵入することも抑制される。しかしながら、ケースをゴムによって覆う携帯端末の場合、ゴムに塗装することになる。しかしながら、ゴムに塗装するとゴムの伸縮などによって塗装が剥離することが考えられる。よって、ゴムに塗装を行う場合はデザイン性が制限されることが考えられる。
【0027】
一方で、上記のような携帯端末1によれば、フロントケース2およびリアケース3の外壁は樹脂により形成されており、ゴムによって覆われていない。よって、フロントケース2およびリアケース3が塗装された場合であっても、塗装が剥離することは抑制される。このような携帯端末1は加飾性が高いといえる。
【0028】
また、上記のような携帯端末1によれば、タッチパネル5と、タッチパネル5が配置されるフロントケース2の開口を形成する内壁23との間はフロントゴム6により塞がれる。よって、タッチパネル5の側面がフロントケース2の開口の内壁23に勢いよく衝突することは抑制される。よって、タッチパネル5が破損することは抑制される。また、タッチパネル5と開口を形成する内壁23との間の隙間から水がフロントケース2の内部に流入することは抑制される。
【0029】
さらに、上記のような携帯端末1によれば、タッチパネル5を覆うフロントゴム6の孔62から液晶モジュール4が配置されている場所へ通じる空間の途中に両面テープ7が設けられている。よって、たとえタッチパネル5と開口を形成する内壁23との間の隙間から水がフロントケース2の内部に流入した場合であっても、両面テープ7によりフロントケース2の内部に水が侵入することは防止される。このような携帯端末1の防水性は高いといえる。
【0030】
また、上記のような携帯端末1によれば、フロントケース2またはリアケース3に外部から強い衝撃力が加わった場合、液晶モジュール4の側面は衝撃吸収用突起61に衝突する。よって、フロントケース2の内壁から受ける液晶モジュール4の衝撃は緩衝される。よって、液晶モジュール4が破損することは抑制される。
【0031】
また、上記のような携帯端末1によれば、フロントケース2とリアケース3との隙間22を介してケースの外部から水が流入した場合であっても、隙間22の内部は止水用突起63により塞がれている。よって、フロントケース2およびリアケース3の内部への水の侵入は防止される。また、フロントケース2またはリアケース3に外部から強い衝撃力が加わった場合であっても、フロントケース2とリアケース3との間で伝達される衝撃力は止水用突起63により緩和される。
【0032】
また、上記のような携帯端末1によれば、孔62にタッチパネル5が配置される時にフロントゴム6の孔62はやや外側に押し広げられる。よって、孔62の中心へ向かうフロントゴム6の復元力によりタッチパネル5は孔62の中心付近へ近づけられることになる。そして、孔62に配置されたタッチパネル5を下方向に押圧することで、両面テープ7を介してタッチパネル5はフロントケース2に固定されている。よって、比較例に係る携帯端末51のタッチパネル5をフロントケース52に固定する場合と比較して、タッチパネル5がフロントケース2の開口(内壁23により形成される)の中央から外れて固定されることは抑制される。
【0033】
<変形例>
上記の携帯端末1において、フロントゴム6およびリアゴム9は夫々フロントケース2及びリアケース3の内壁の全部を覆わなくともよい。また、衝撃吸収用突起61または止
水用突起63は設けられていなくともよい。また、上記の携帯端末1では、フロントケース2とリアケース3とが分割されていたが、フロントケース2とリアケース3は分割されていなくともよく、体裁部分が分割され内部が一体となっているケースでもよい。また、フロントゴム6の孔62の内径はタッチパネル5の外径と同等もしくは大きくてもよい。また、両面テープ7の貼り付け位置は図2に示される場所に限定されない。また、両面テープ7はタッチパネル5をフロントケース2に対して固定できる物で代替されてもよい。
【0034】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【符号の説明】
【0035】
1 :携帯端末
2 :フロントケース
3 :リアケース
4 :液晶モジュール
5 :タッチパネル
6 :フロントゴム
7 :両面テープ
8 :基板
9 :リアゴム
22 :隙間
23 :開口の内壁
24 :亀裂
51 :携帯端末
52 :フロントケース
53 :リアケース
54 :隙間
55 :突出部
56 :リアゴム
57 :亀裂
58 :開口の内壁
59 :フロントケースの内壁
61 :衝撃吸収用突起
62 :孔
63 :止水用突起
図1
図2
図3