【実施例】
【0012】
本発明のパッキン10は、ケース20に設けた穴部23(
図4参照)に挿入して、穴部23を介して水分やほこり等がケース20の内部に侵入することを防止するものである。
また、ケース20の美観を損なわないように穴部23を塞ぐホールプラグの役目も果たしている。
例えば、ケース20を構成する上ケース21と下ケース22を結合するためのネジ止め用として穴部23が設けられている場合、穴部23は円筒状であり、パッキン10は
図1に示す様な円筒状の形状である。
穴部23がその他の形状の場合などは、パッキン10の外形は穴部23の形状に合わせて適宜応用される。
なお、パッキン10は一般的なパッキンと同じように弾性を有するゴム又は樹脂で成形されている。
【0013】
パッキン10の内部は
図2に示す通り、大径空洞部11と小径空洞部12が設けられている。
大径空洞部11は、円筒状の空洞であり、ケース20に設けた穴部23に対してパッキン10を取付挿入する方向(取付挿入方向)の先端側に位置している。
また、小径空洞部12は大径空洞部11より小径の円筒状の空洞であり、挿入方向の後端側に位置している。
大径空洞部11と小径空洞部12は接合しており、その接合部13には、それぞれの径の差によって段差14が生じている。
この段差14は後述するパッキン取り外し治具30の段部34と係合する寸法に設定される。
【0014】
図3は電子機器のケース20の外観である。
このケース20は箱状であり、樹脂製の上ケース21と下ケース22が結合されたものである。
この電子機器はIoT(Internet of Things)に使用される通信モジュールであり、内部に電子部品が内蔵されているため、防水機能が必要である。
また、内蔵している電池には寿命があるため、電池交換が必要とされる。
そのために、上ケース21と下ケース22は、接着や溶着ではなく、ネジ40を使用してケース20の四隅を結合している。
【0015】
図4はケース20の部分断面図である。
上ケース21には、穴部23と、ネジ穴24が形成されている。
なお、穴部23は、円筒状であり、ネジの頭部が収まる寸法に設定されている。
下ケース22には、ネジ穴25が形成されている。
上ケース21と下ケース22は、
図8(a)のようにネジ止めされ、その後、パッキン10が挿入される。
【0016】
図5はパッキン取り外し治具30の先端部の図面である。
図5に示したパッキン取り外し治具30は、金属又は樹脂で成形されたものであり、パッキン10専用の取り外し治具である。
パッキン取り外し治具30は、棒状であり、その先端はパッキン10の大径空洞部11に適合する円筒状の大径胴体部31が形成され、パッキン10の小径空洞部12に挿入しやすいように先端に向かって傾斜面が設けられている。
次に、小径空洞部12に適合する円筒状の小径胴体部32が大径胴体部31に接合されている。
なお、小径胴体部32は大径胴体部31より小径であるため、その接合部33には、それぞれの径の差によって段部34が形成される。
この段部34が、パッキン10の段差14に係合することで、パッキン10や穴部23を破損することなく、パッキン10を取り外すことができる。
【0017】
図6は、ネジの図面であるが、本発明においては、パッキン取り外し治具30として使用することが可能である。
つまり、ネジの頭部は大径胴体部31であり、 ネジの胴部は小径胴体部32であり、ネジの座面部が段部34として利用できる。
ネジをパッキン取り外し治具30として使用する場合、ネジの頭部の形状がパッキン10の小径空洞部12に挿入しやすいように、なべ小ネジ、トラス小ネジ、バインド小ネジが適当である。
また、ネジの胴部に施されたネジ山は、指でつまんだ際の滑り止めの役割を果たすことができる。
このように、ネジをパッキン取り外し治具30として使用できるので、専用のパッキン取り外し治具を用意する必要がないというメリットがある。
【0018】
図7は、ケース20に対するパッキン取り外し治具30のイメージ図である。
図8は、パッキン取り外し工程図である。
図8(a)は、ケース20に挿入されたパッキン10をパッキン取り外し治具30で取り外す直前の状態である。
図8(b)は、パッキン10にパッキン取り外し治具30を挿入した状態である。
図8(c)は、ケース20からパッキン10をパッキン取り外し治具30で取り外した状態である。
【0019】
図9は、ネジをパッキン取り外し治具30として使用し、パッキン10にパッキン取り外し治具30(ネジ)を挿入した状態である。
【0020】