(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-175078(P2021-175078A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】ケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法
(51)【国際特許分類】
H04B 3/48 20150101AFI20211004BHJP
G01R 27/28 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
H04B3/48
G01R27/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-77330(P2020-77330)
(22)【出願日】2020年4月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 祥浩
(72)【発明者】
【氏名】河村 尚志
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028BF05
2G028CG11
2G028CG15
2G028DH04
2G028DH14
2G028LR09
(57)【要約】
【課題】高周波同軸ケーブルの曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できるケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法を提供する。
【解決手段】定在波発生器20は、信号分析装置10の出力ポート14から第2入出力端子32に入力されてRFケーブル100を伝搬する試験信号と、RFケーブル100の他端100bで反射されてRFケーブル100を逆向きに伝搬する試験信号の反射信号とによる定在波を発生させた状態で、第1入出力端子31から出力される被測定信号を信号分析装置10の入力ポート13に入力させ、信号分析装置10は、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げる前の被測定信号の振幅特性と、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げ戻した後の被測定信号の振幅特性との差分を算出するとともに、算出した差分を表示装置51に表示させるケーブル評価部16を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ポート(13)及び出力ポート(14)を有する信号分析装置(10)と、
第1入出力端子(31)、第2入出力端子(32)、及び第3入出力端子(33)を有する分配器(30)を含み、前記信号分析装置の前記入力ポート及び前記出力ポートと前記第1入出力端子及び前記第2入出力端子とがそれぞれ接続されるとともに、被試験対象の高周波同軸ケーブル(100)の一端(100a)と前記第3入出力端子が接続される定在波発生器(20)と、を備えるケーブル評価システム(1)であって、
前記定在波発生器は、前記出力ポートから前記第2入出力端子に入力されて前記高周波同軸ケーブルを伝搬する試験信号と、前記高周波同軸ケーブルの他端(100b)で反射されて前記高周波同軸ケーブルを逆向きに伝搬する前記試験信号の反射信号とによる定在波を発生させた状態で、前記第1入出力端子から出力される信号を被測定信号として前記入力ポートに入力させ、
前記信号分析装置は、前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を曲げる前の前記被測定信号の振幅特性と、前記高周波同軸ケーブルの前記所定長さ部分を曲げ戻した後の前記被測定信号の振幅特性との差分を算出するとともに、算出した差分を表示装置(51)に表示させるケーブル評価部(16)を含むことを特徴とするケーブル評価システム。
【請求項2】
前記高周波同軸ケーブルの前記他端が開放されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル評価システム。
【請求項3】
前記高周波同軸ケーブルの前記他端が短絡されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル評価システム。
【請求項4】
前記高周波同軸ケーブルの前記他端に所望の反射係数を有する反射器が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル評価システム。
【請求項5】
真っ直ぐに伸びた形状の前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を所定の曲率で曲げた後に、前記高周波同軸ケーブルを元の真っ直ぐに伸びた形状に戻すための曲げ伸ばし治具(40)を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のケーブル評価システム。
【請求項6】
前記定在波発生器は、前記第3入出力端子と前記高周波同軸ケーブルの一端との間に挿入されるアッテネータ(34)を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のケーブル評価システム。
【請求項7】
第1入出力端子(31)、第2入出力端子(32)、及び第3入出力端子(33)を有する分配器(30)と、
前記第3入出力端子に接続されるアッテネータ(34)と、を含み、
高周波同軸ケーブル(100)の一端(100a)と前記第3入出力端子が前記アッテネータを介して接続されることを特徴とする定在波発生器。
【請求項8】
入力ポート(13)及び出力ポート(14)を有する信号分析装置(10)と、
第1入出力端子(31)、第2入出力端子(32)、及び第3入出力端子(33)を有する分配器(30)を含む定在波発生器(20)と、を用いるケーブル評価方法であって、
前記信号分析装置の前記入力ポート及び前記出力ポートと前記第1入出力端子及び前記第2入出力端子とをそれぞれ接続するとともに、被試験対象の高周波同軸ケーブル(100)の一端(100a)と前記第3入出力端子とを接続する接続ステップ(S2)と、
前記出力ポートから前記第2入出力端子に入力されて前記高周波同軸ケーブルを伝搬する試験信号と、前記高周波同軸ケーブルの他端(100b)で反射されて前記高周波同軸ケーブルを逆向きに伝搬する前記試験信号の反射信号とによる定在波を発生させた状態で、前記第1入出力端子から出力される信号を被測定信号として前記入力ポートに入力させる定在波発生ステップ(S3)と、
前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を曲げる前の前記被測定信号の振幅特性を測定する第1測定ステップ(S4)と、
前記高周波同軸ケーブルの前記所定長さ部分を曲げ戻した後の前記被測定信号の振幅特性を測定する第2測定ステップ(S6)と、
前記第1測定ステップにより測定された振幅特性と、前記第2測定ステップにより測定された振幅特性との差分を算出するとともに、算出した差分を表示装置(51)に表示させるケーブル評価ステップ(S7)と、を含むことを特徴とするケーブル評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法に関し、特に、ミリ波帯用の高周波同軸ケーブルの性能を評価するケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各国でミリ波帯の周波数を運用する5Gのサービスが開始され、5Gスマートフォンやローカル5G装置などの5G用無線装置の生産が本格化している。5G用無線装置の設計開発会社又はその製造工場においては、5G用無線装置が備えている無線通信アンテナに対して、送信電波の出力レベルや受信感度を測定し、所定の基準を満たすか否かを判定する性能試験が行われる。例えば、被試験対象の5G用無線装置を試験用アンテナとともに周囲の電波環境に影響されない電波暗箱の中に収容し、試験用アンテナから5G用無線装置に対する試験信号の送信と、試験信号を受信した5G用無線装置からの被測定信号の試験用アンテナでの受信とを無線通信により行う、いわゆるOTA試験が行われるようになっている。
【0003】
図6に示すように、5G用無線装置110に対するOTA試験を行うための測定システム200は、5Gテスタ210と、アップコンバータ及びダウンコンバータを有する周波数変換器220と、OTAチャンバ230と、を備えている。OTAチャンバ230は、その内部空間に、5G用無線装置110と、5G用無線装置110の無線通信アンテナに対向する試験用アンテナ240を、外部からの電波の侵入及び外部への電波の放射を防ぐような状態で収容する。試験用アンテナ240としては、例えばホーンアンテナなどの指向性を持ったミリ波用のアンテナを用いることができる。試験用アンテナ240は、5G用無線装置110の送信特性又は受信特性の測定を行うための試験信号を5G用無線装置110の無線通信アンテナとの間で送信又は受信するようになっている。
【0004】
周波数変換器220と試験用アンテナ240とは、ミリ波帯に対応した2.92mmコネクタ(Kコネクタ)、2.4mmコネクタ、又は1.85mmコネクタ付きの高周波同軸ケーブル(以下、単に「RFケーブル」とも称する)100で電気的に接続されている。
【0005】
5Gテスタ210は、周波数変換器220のアップコンバータとRFケーブル100とを介して、試験信号を試験用アンテナ240に送信するようになっている。また、5Gテスタ210は、RFケーブル100と周波数変換器220のダウンコンバータとを介して、5G用無線装置110からの被測定信号を試験用アンテナ240から受信するようになっている。
【0006】
上記のようなミリ波帯の測定システム200において用いられる周波数変換器220や試験用アンテナ240は、電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)が2.5以上であるものが多い。このようにVSWRが2.5以上であるような周波数変換器220や試験用アンテナ240に接続されているRFケーブル100内では、RFケーブル100の両端におけるインピーダンス不整合に起因した反射波により、例えば3dB以上の振幅の定在波が生じる可能性がある。
【0007】
図7は、RFケーブル100で接続された試験用アンテナ240と周波数変換器220との間で生じる定在波に起因する信号レベルのリップルを説明するための図である。ここで、RFケーブル100の挿入損失をL(<1)、試験用アンテナ240の反射係数をγ
1、周波数変換器220の反射係数をγ
2とする。
【0008】
まず、試験用アンテナ240によりレベルa
0の被測定信号が受信される。被測定信号は、RFケーブル100を伝搬することにより、レベルa
1=a
0Lの信号になる。周波数変換器220に到達したレベルa
1の信号は、a
1t=a
1(1−γ
2)が周波数変換器220に受信され、a
1r=a
1γ
2が反射される。周波数変換器220で反射されたレベルa
1rの信号は、RFケーブル100を伝搬することにより、レベルa
2=a
1rL=a
1γ
2Lの信号になる。
【0009】
さらに、レベルa
2の信号は、試験用アンテナ240で反射されて、レベルa
2r=a
2γ
1=a
1γ
1γ
2Lの信号になる。レベルa
2rの信号は、RFケーブル100を伝搬することにより、レベルa
3=a
2rL=a
1γ
1γ
2L
2の信号になる。周波数変換器220に到達したレベルa
3の信号は、a
3t=a
3(1−γ
2)=a
1tγ
1γ
2L
2が周波数変換器220に受信され、a
3r=a
3γ
2=a
1γ
1γ
22L
2が反射される。以後、このような反射が試験用アンテナ240と周波数変換器220との間で繰り返されて、周波数変換器220はレベルa
1t,a
3t,a
5t,a
7t,・・・の信号を受信することになる。
【0010】
レベルa
5t以降はほぼ無視してよいレベルまで減衰していると仮定すると、周波数変換器220に受信される信号が取り得る最大レベルは、a
1t+a
3t=a
1t(1+γ
1γ
2L
2)となる。したがって、周波数変換器220に受信される信号のリップルは、試験用アンテナ240から周波数変換器220に反射せずに到達した信号のレベルa
1tを基準レベルとすれば、最大で下記の式(1)のようになる。
【0011】
リップルの大きさ=±20×log
10(1+γ
1γ
2L
2) ・・・(1)
例えば、L=0.944、γ
1=2.5、γ
2=2.9の場合には、リップルの大きさは、式(1)より、±1.5dBとなる。
【0012】
一般に、RFケーブルは、曲げられることでその内部を伝搬する信号の位相が変化する(例えば、特許文献1,2参照)。なお、曲げによる位相変化の再現性はRFケーブルの性能によって大きく異なっており、性能の低いRFケーブルでは曲げ戻しても位相が元に戻らなくなる。このため、上記のような定在波によるリップルが発生しているRFケーブル100を僅かに曲げ戻しただけでも、位相変化に応じてRFケーブル100内を伝搬する信号の振幅特性が大きく変化する場合がある。RFケーブル100の曲げ戻しは、例えば、試験用アンテナ240にRFケーブル100を取り付けた後に、それらをOTAチャンバ230内に設置する際などに起こる。
【0013】
従来、RFケーブルの性能は、
図8に示すように、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)250の入力ポート250a及び出力ポート250bにRFケーブル100の両端100a,100bをそれぞれ接続し、位相、挿入損失(インサーションロス)、反射損失(リターンロス)などの測定を行うことで評価されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2019−146113号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】河野宣之・久慈清助・佐藤克久・原忠徳・林理三雄、「VLBIにおける同軸ケーブルの捻回による遅延の変化」、測地学会誌第40巻,第2号 (1994),137-143頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、理想的な50Ω特性のVNAを用いた
図8のような測定系で、曲げる前と曲げ戻された後のRFケーブル100の周波数特性を測定しても、RFケーブル100内にはノイズレベル以上の定在波が発生しない。このため、従来は、位相変化が生じていても実運用で想定されるような振幅特性の変化を観測できないという問題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、高周波同軸ケーブルの曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できるケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明に係るケーブル評価システムは、入力ポート及び出力ポートを有する信号分析装置と、第1入出力端子、第2入出力端子、及び第3入出力端子を有する分配器を含み、前記信号分析装置の前記入力ポート及び前記出力ポートと前記第1入出力端子及び前記第2入出力端子とがそれぞれ接続されるとともに、被試験対象の高周波同軸ケーブルの一端と前記第3入出力端子が接続される定在波発生器と、を備えるケーブル評価システムであって、前記定在波発生器は、前記出力ポートから前記第2入出力端子に入力されて前記高周波同軸ケーブルを伝搬する試験信号と、前記高周波同軸ケーブルの他端で反射されて前記高周波同軸ケーブルを逆向きに伝搬する前記試験信号の反射信号とによる定在波を発生させた状態で、前記第1入出力端子から出力される信号を被測定信号として前記入力ポートに入力させ、前記信号分析装置は、前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を曲げる前の前記被測定信号の振幅特性と、前記高周波同軸ケーブルの前記所定長さ部分を曲げ戻した後の前記被測定信号の振幅特性との差分を算出するとともに、算出した差分を表示装置に表示させるケーブル評価部を含む構成である。
【0019】
この構成により、本発明に係るケーブル評価システムは、3抵抗型の分配器の第3入出力端子に被試験対象のRFケーブルの一端を接続して、分配器及びRFケーブル内に試験信号と反射信号とによる定在波を発生させる。これにより、本発明に係るケーブル評価システムは、従来のVNAのみを用いた測定では得られなかった、RFケーブルの曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できる。この振幅特性の変化は、性能の高いRFケーブルほど小さく、性能の悪いRFケーブルほど大きくなる。本発明に係るケーブル評価システムは、得られた振幅特性の変化を表示装置に表示するため、被試験対象のRFケーブルの性能を可視化することができる。
【0020】
また、本発明に係るケーブル評価システムにおいては、前記高周波同軸ケーブルの前記他端が開放されていてもよく、短絡されていてもよい。あるいは、本発明に係るケーブル評価システムにおいては、前記高周波同軸ケーブルの前記他端に所望の反射係数を有する反射器が接続されていてもよい。
【0021】
この構成により、本発明に係るケーブル評価システムは、OTA試験を行うための測定システムなど、実際にRFケーブルが使用される環境に応じた振幅特性の変化を測定することができる。
【0022】
また、本発明に係るケーブル評価システムは、真っ直ぐに伸びた形状の前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を所定の曲率で曲げた後に、前記高周波同軸ケーブルを元の真っ直ぐに伸びた形状に戻すための曲げ伸ばし治具を更に備える構成であってもよい。
【0023】
この構成により、本発明に係るケーブル評価システムは、例えば、被試験対象となる各種のRFケーブルの長さをあらかじめ統一しておくことにより、これらのケーブルに対して曲げ伸ばし治具により同様の曲げ戻しを行うことができる。また、これにより、本発明に係るケーブル評価システムは、各種のRFケーブルに対して等しい条件で振幅特性の変化を測定することができる。
【0024】
また、本発明に係るケーブル評価システムにおいては、前記定在波発生器は、前記第3入出力端子と前記高周波同軸ケーブルの一端との間に挿入されるアッテネータを更に含む構成であってもよい。
【0025】
この構成により、本発明に係るケーブル評価システムは、分配器及びRFケーブル内に発生する定在波の振幅が比較的大きい場合であっても、被測定信号を信号分析装置の入力ポート及び出力ポートに適した振幅に減衰させることができる。
【0026】
また、本発明に係る定在波発生器は、第1入出力端子、第2入出力端子、及び第3入出力端子を有する分配器と、前記第3入出力端子に接続されるアッテネータと、を含み、高周波同軸ケーブルの一端と前記第3入出力端子が前記アッテネータを介して接続される構成である。
【0027】
また、本発明に係るケーブル評価方法は、入力ポート及び出力ポートを有する信号分析装置と、第1入出力端子、第2入出力端子、及び第3入出力端子を有する分配器を含む定在波発生器と、を用いるケーブル評価方法であって、前記信号分析装置の前記入力ポート及び前記出力ポートと前記第1入出力端子及び前記第2入出力端子とをそれぞれ接続するとともに、被試験対象の高周波同軸ケーブルの一端と前記第3入出力端子とを接続する接続ステップと、前記出力ポートから前記第2入出力端子に入力されて前記高周波同軸ケーブルを伝搬する試験信号と、前記高周波同軸ケーブルの他端で反射されて前記高周波同軸ケーブルを逆向きに伝搬する前記試験信号の反射信号とによる定在波を発生させた状態で、前記第1入出力端子から出力される信号を被測定信号として前記入力ポートに入力させる定在波発生ステップと、前記高周波同軸ケーブルの所定長さ部分を曲げる前の前記被測定信号の振幅特性を測定する第1測定ステップと、前記高周波同軸ケーブルの前記所定長さ部分を曲げ戻した後の前記被測定信号の振幅特性を測定する第2測定ステップと、前記第1測定ステップにより測定された振幅特性と、前記第2測定ステップにより測定された振幅特性との差分を算出するとともに、算出した差分を表示装置に表示させるケーブル評価ステップと、を含む。
【0028】
この構成により、本発明に係るケーブル評価方法は、3抵抗型の分配器の第3入出力端子に被試験対象のRFケーブルの一端を接続して、分配器及びRFケーブル内に試験信号と反射信号とによる定在波を発生させる。これにより、本発明に係るケーブル評価方法は、従来のVNAのみを用いた測定では得られなかった、RFケーブルの曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できる。この振幅特性の変化は、性能の高いRFケーブルほど小さく、性能の悪いRFケーブルほど大きくなる。本発明に係るケーブル評価方法は、得られた振幅特性の変化を表示装置に表示するため、被試験対象のRFケーブルの性能を可視化することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、高周波同軸ケーブルの曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できるケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係るケーブル評価システムの構成を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るケーブル評価システムが備える曲げ伸ばし治具の構成を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るケーブル評価システムが備える曲げ伸ばし治具によるRFケーブルの曲げ伸ばしの手順を示す平面図であって、(a)はRFケーブルが真っ直ぐに伸ばされた状態を示しており、(b)はRFケーブルが曲げられた状態を示しており、(c)はRFケーブルが再び真っ直ぐに伸ばされた状態を示している。
【
図4】本発明の実施形態に係るケーブル評価システムが備える信号分析装置の測定結果を模式的に示すグラフであって、(a)は超高性能で高価なRFケーブルの測定結果を示しており、(b)は高性能で比較的安価なRFケーブルの測定結果を示しており、(c)は性能が比較的低く非常に安価なRFケーブルの測定結果を示している。
【
図5】本発明の実施形態に係るケーブル評価システムを用いるケーブル評価方法の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】5G用無線装置に対するOTA試験を行うための従来の測定システムの構成を示す構成図である。
【
図7】
図6の測定システムにおいて、RFケーブルで接続された試験用アンテナと周波数変換器との間で生じる定在波に起因する信号レベルのリップルを説明するための図である。
【
図8】VNAを用いてRFケーブルの周波数特性の測定を行うための従来の測定システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るケーブル評価システム、定在波発生器、及びケーブル評価方法の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図面上の各構成要素の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
【0032】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るケーブル評価システム1は、被試験対象のRFケーブル100の性能を評価するものであり、信号分析装置10と、定在波発生器20と、曲げ伸ばし治具40と、表示装置51と、操作装置52と、制御装置53と、を備える。
【0033】
被試験対象のRFケーブル100は、例えば、ミリ波帯に対応した3.5mmコネクタ、2.92mmコネクタ(Kコネクタ)、2.4mmコネクタ、1.85mm、1.35mm、1.0mm、又は0.8mmコネクタ付きの高周波同軸ケーブルである。
【0034】
信号分析装置10は、例えば、信号発生部11と、入出力部12と、入力ポート13及び出力ポート14と、振幅特性測定部15と、ケーブル評価部16と、を含む2ポートのVNAである。被試験対象のRFケーブル100の一端100aは、定在波発生器20を介して入力ポート13及び出力ポート14間に接続されるようになっている。
【0035】
信号発生部11は、例えば数MHzから数十GHzまでの任意の周波数、任意の信号レベル、任意の変調方式の試験信号を発生させるようになっている。
【0036】
入出力部12は、信号発生部11から出力される試験信号を出力ポート14に出力するようになっている。また、入出力部12は、入力ポート13から入力される被測定信号を振幅特性測定部15に出力するようになっている。
【0037】
振幅特性測定部15は、入出力部12から入力される被測定信号の振幅特性(挿入損失S
21)を測定するようになっている。
【0038】
定在波発生器20は、16+2/3Ωの3つの抵抗と、それぞれの抵抗の端部に接続された第1入出力端子31、第2入出力端子32、及び第3入出力端子33を有する3抵抗型の分配器30を含む。第1入出力端子31及び第2入出力端子32は、信号分析装置10の入力ポート13及び出力ポート14にそれぞれ接続される。
【0039】
また、第3入出力端子33には被試験対象のRFケーブル100の一端100aが接続される。なお、定在波発生器20は、特性インピーダンスが50Ωのアッテネータ34を更に含んでいてもよい。アッテネータ34は、信号分析装置10に入出力される信号を適切な振幅に減衰させるために、分配器30の第3入出力端子33とRFケーブル100の一端100aとの間に挿入される。この場合、RFケーブル100の一端100aは、アッテネータ34を介して第3入出力端子33に接続される。
【0040】
定在波発生器20は、信号分析装置10の出力ポート14から第2入出力端子32に入力されてRFケーブル100を伝搬する試験信号と、RFケーブル100の他端100bで反射されてRFケーブル100を逆向きに伝搬する試験信号の反射信号とによる定在波を発生させる。これにより、信号分析装置10の入力ポート13には、第2入出力端子32に入力された試験信号に反射信号が加算されてなる被測定信号が第1入出力端子31から入力される。
【0041】
分配器30は、例えば使用周波数帯域がDC〜100GHz程度であり、第1入出力端子31、第2入出力端子32、及び第3入出力端子33の全ての端子が50Ωで終端されているときに、端子間の振幅バランスが均等になるように設計されている。一方、第1入出力端子31、第2入出力端子32、及び第3入出力端子33のうち、どれか1つでも50Ωで終端されていない端子がある場合には、端子間の振幅バランスが崩れてしまう。本発明では、端子間の振幅バランスをあえて崩した状態で分配器30を使用することで、分配器30及びRFケーブル100内に定在波を発生させる。具体的には、RFケーブル100の他端100bを開放することで、発生する定在波の振幅が最も大きくなる状況を作り出すことができる。あるいは、RFケーブル100の他端100bを短絡してもよい。あるいは、RFケーブル100の実際の使用環境に応じた所望の反射係数を有する反射器などの全反射を起こさない回路をRFケーブル100の他端100bに接続してもよい。
【0042】
図2に示すように、曲げ伸ばし治具40は、紙面に垂直な方向に所定の厚みを有する板状の部材であって、真っ直ぐに伸びた形状のRFケーブル100の所定長さ部分を所定の曲率(1/R)で曲げるための溝状の曲げ部41と、RFケーブル100を真っ直ぐに伸びた形状にするための溝状の伸ばし部42と、が形成されている。例えば、曲げ部41と伸ばし部42の幅は20mmである。また、曲げ部41は、長さ50mmの2つの直線部分と、内径の曲率半径Rが120mmであって2つの直線部分を繋ぐ曲線部分と、からなる。この場合、曲げ部41により曲げられるRFケーブル100の所定長さは約380mmとなる。また、伸ばし部42は、長さ500mmの直線部分からなり、曲げ部41の2つの直線部分の一方を含んでいる。曲げ部41と伸ばし部42には、
図2の紙面に垂直で表側から裏側に向かう方向からRFケーブル100を配置できるようになっている。
【0043】
図3は、曲げ伸ばし治具40によるRFケーブル100の曲げ伸ばしの手順を示す図である。まず、
図3(a)に示すように、RFケーブル100を伸ばし部42に配置して、RFケーブル100を真っ直ぐに伸びた形状に整える。このとき、信号分析装置10の振幅特性測定部15により基準となる挿入損失S
21(以下、「基準振幅特性」とも称する)を測定する。
【0044】
次に、
図3(b)に示すように、RFケーブル100の一端100a側の一部を曲げ伸ばし治具40の伸ばし部42と曲げ部41とで共通の直線部分に配置したままの状態で、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げ伸ばし治具40の曲げ部41に配置することにより、真っ直ぐに伸びた形状のRFケーブル100の所定長さ部分を所定の曲率で曲げる。次に、
図3(c)に示すように、RFケーブル100の一端100a側の一部を曲げ伸ばし治具40の伸ばし部42と曲げ部41とで共通の直線部分に配置したままの状態で、RFケーブル100を再び伸ばし部42に配置して、RFケーブル100を元の真っ直ぐに伸びた形状に戻す。このとき、信号分析装置10の振幅特性測定部15により再び挿入損失S
21(以下、「曲げ戻し後振幅特性」とも称する)を測定する。
【0045】
すなわち、信号分析装置10の振幅特性測定部15は、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げる前の被測定信号の基準振幅特性と、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げ戻した後の被測定信号の曲げ戻し後振幅特性と、を測定する。
【0046】
信号分析装置10のケーブル評価部16は、振幅特性測定部15により測定された基準振幅特性と曲げ戻し後振幅特性との差分、すなわち、RFケーブル100の曲げ戻しによる振幅特性の変化を算出する。さらに、ケーブル評価部16は、算出した振幅特性の変化を表示装置51に表示させる。この振幅特性の変化は、言わばRFケーブル100の位相変化を振幅の変化に変換したものとなっている。仮に、RFケーブル100の他端100bを50Ωで終端すれば、他端100bでの反射が抑制されるため、RFケーブル100を曲げる前と曲げ戻した後で、ほぼ同様の振幅特性が得られることになり、振幅特性の変化は観測不可能となる。
【0047】
図4のグラフは、互いに性能が異なる3種類のRFケーブルについて、それらの基準振幅特性と曲げ戻し後振幅特性との差分の周波数特性を模式的に示すものである。
図4(a)は超高性能で高価なRFケーブル(製品A)、
図4(b)は高性能で比較的安価なRFケーブル(製品B)、
図4(c)は性能が比較的低く非常に安価なRFケーブル(製品C)の結果を示している。超高性能のRFケーブル(製品A)は、曲げに対する位相変化を抑えるような設計が成されているため、振幅特性の変化が非常に小さくなっている。逆に、性能の低いRFケーブルほど、振幅特性の変化が大きくなることが分かった。
【0048】
表示装置51は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、制御装置53から出力される制御信号に応じて、信号分析装置10により測定された基準振幅特性、曲げ戻し後振幅特性、基準振幅特性と曲げ戻し後振幅特性との差分などの各種表示内容を表示するようになっている。さらに、表示装置51は、制御装置53から出力される制御信号に応じて、測定条件などを設定するためのボタン、ソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象の表示を行うようになっている。
【0049】
操作装置52は、ユーザによる操作入力を受け付けるためのものであり、例えば表示装置51の表示画面の表面に設けられたタッチパネルで構成される。あるいは、操作装置52は、キーボード又はマウスのような入力デバイスを含んで構成されてもよい。操作装置52への操作入力は、制御装置53により検知されるようになっている。例えば、操作装置52により、振幅特性測定部15の測定開始のタイミングをユーザが任意に指定することなどが可能である。
【0050】
制御装置53は、例えばCPU、ROM、RAM、HDDなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、ケーブル評価システム1を構成する上記各部の動作を制御する。また、制御装置53は、ROM等に記憶された所定のプログラムをRAMに移して実行することにより、振幅特性測定部15やケーブル評価部16の少なくとも一部をソフトウェア的に構成することも可能である。なお、振幅特性測定部15やケーブル評価部16の少なくとも一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのディジタル回路で構成することも可能である。あるいは、振幅特性測定部15やケーブル評価部16の少なくとも一部は、ディジタル回路によるハードウェア処理と所定のプログラムによるソフトウェア処理とを適宜組み合わせて構成することも可能である。
【0051】
なお、上記の表示装置51、操作装置52、及び制御装置53は、信号分析装置10内に構成されてもよい。
【0052】
以下、本実施形態のケーブル評価システム1を用いるケーブル評価方法について、
図5のフローチャートを参照しながらその処理の一例を説明する。
【0053】
まず、
図3(a)に示すように、ユーザにより、RFケーブル100を曲げ伸ばし治具40の伸ばし部42に配置して、RFケーブル100を真っ直ぐに伸びた形状に整える作業が行われる(ステップS1)。
【0054】
次に、ユーザにより、信号分析装置10の入力ポート13及び出力ポート14と、定在波発生器20の第1入出力端子31及び第2入出力端子32とをそれぞれ接続する作業が行われる。さらに、ユーザにより、被試験対象のRFケーブル100の一端100aと定在波発生器20の第3入出力端子33とをアッテネータ34を介して接続する作業が行われる(接続ステップS2)。
【0055】
次に、信号分析装置10の信号発生部11は、入出力部12を介して出力ポート14から第2入出力端子32に試験信号を出力する。これにより、RFケーブル100を伝搬する試験信号と、RFケーブル100の他端100bで反射されてRFケーブル100を逆向きに伝搬する試験信号の反射信号とによる定在波が発生する。この状態で、第2入出力端子32に入力された試験信号に反射信号が加算されてなる被測定信号が第1入出力端子31から入力ポート13に入力される(定在波発生ステップS3)。
【0056】
次に、信号分析装置10の振幅特性測定部15は、ユーザの操作入力による操作装置52からの測定開始指示に応じて、入力ポート13から入出力部12を介して入力された、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げる前の被測定信号の基準振幅特性を測定する。また、表示装置51は、振幅特性測定部15により測定された基準振幅特性を表示する(第1測定ステップS4)。
【0057】
次に、
図3(b)に示すように、ユーザにより、RFケーブル100の一端100a側の一部を曲げ伸ばし治具40の伸ばし部42と曲げ部41とで共通の直線部分に配置したままの状態で、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げ伸ばし治具40の曲げ部41に配置することにより、真っ直ぐに伸びた形状のRFケーブル100の所定長さ部分を所定の曲率で曲げる作業が行われる。さらに、
図3(c)に示すように、ユーザにより、RFケーブル100の一端100a側の一部を曲げ伸ばし治具40の伸ばし部42と曲げ部41とで共通の直線部分に配置したままの状態で、RFケーブル100を再び伸ばし部42に配置して、RFケーブル100を元の真っ直ぐに伸びた形状に戻す作業が行われる(ステップS5)。
【0058】
次に、信号分析装置10の振幅特性測定部15は、ユーザの操作入力による操作装置52からの測定開始指示に応じて、入力ポート13から入出力部12を介して入力された、RFケーブル100の所定長さ部分を曲げ戻した後の被測定信号の曲げ戻し後振幅特性を測定する。また、表示装置51は、振幅特性測定部15により測定された曲げ戻し後振幅特性を表示する(第2測定ステップS6)。
【0059】
次に、信号分析装置10のケーブル評価部16は、第1測定ステップS4により測定された基準振幅特性と、第2測定ステップS6により測定された曲げ戻し後振幅との差分、すなわち、RFケーブル100の曲げ戻しによる振幅特性の変化を算出する。また、表示装置51は、ケーブル評価部16により算出された振幅特性の変化を表示する(ケーブル評価ステップS7)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、3抵抗型の分配器30の第3入出力端子33に被試験対象のRFケーブル100の一端100aを接続して、分配器30及びRFケーブル100内に試験信号と反射信号とによる定在波を発生させる。これにより、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、従来のVNAのみを用いた測定では得られなかった、RFケーブル100の曲げに起因する位相変化を反映した振幅特性の変化を観測できる。この振幅特性の変化は、性能の高いRFケーブルほど小さく、性能の悪いRFケーブルほど大きくなる。本実施形態に係るケーブル評価システム1は、得られた振幅特性の変化を表示装置51に表示するため、被試験対象のRFケーブル100の性能を可視化することができる。
【0061】
また、本実施形態に係るケーブル評価システム1においては、被試験対象のRFケーブル100の他端100bが開放されていてもよく、短絡されていてもよい。あるいは、被試験対象のRFケーブル100の他端100bに所望の反射係数を有する反射器が接続されていてもよい。これにより、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、OTA試験を行うための測定システムなど、実際にRFケーブル100が使用される環境に応じた振幅特性の変化を測定することができる。
【0062】
また、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、RFケーブル100の所定長さ部分を所定の曲率で曲げ戻すための曲げ伸ばし治具40を備えている。例えば、被試験対象となる各種のRFケーブルの長さをあらかじめ統一しておけば、これらのケーブルに対して曲げ伸ばし治具40により同様の曲げ戻しを行うことができる。また、これにより、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、各種のRFケーブルに対して等しい条件で振幅特性の変化を測定することができる。
【0063】
また、本実施形態に係るケーブル評価システム1においては、分配器30の第3入出力端子33とRFケーブル100の一端100aとの間にアッテネータ34が挿入されている。これにより、本実施形態に係るケーブル評価システム1は、分配器30及びRFケーブル100内に発生する定在波の振幅が比較的大きい場合であっても、被測定信号を信号分析装置10の入力ポート13及び出力ポート14に適した振幅に減衰させることができる。
【0064】
また、以上説明した実施形態では、信号分析装置10は、出力ポート14から試験信号を出力し、入力ポート13から入力される信号の振幅特性を振幅特性測定部15にて測定する2ポート測定を行うものであるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、信号分析装置10は、出力ポート14から試験信号を出力し、再び出力ポート14から入力される反射波の信号の振幅特性(反射係数S
11)を振幅特性測定部15にて測定する1ポート測定を行うものであってもよい。このとき、分配器30の使用されない第1入出力端子31は、50Ωで終端されている必要がある。あるいは、信号分析装置10は、入力ポート13から試験信号を出力し、再び入力ポート13から入力される反射波の信号の振幅特性(反射係数S
11)を振幅特性測定部15にて測定する1ポート測定を行うものであってもよい。このとき、分配器30の使用されない第2入出力端子32は、50Ωで終端されている必要がある。
【符号の説明】
【0065】
1 ケーブル評価システム
10 信号分析装置
11 信号発生部
12 入出力部
13 入力ポート
14 出力ポート
15 振幅特性測定部
16 ケーブル評価部
20 定在波発生器
30 分配器
31 第1入出力端子
32 第2入出力端子
33 第3入出力端子
34 アッテネータ
40 曲げ伸ばし治具
41 曲げ部
42 伸ばし部
51 表示装置
52 操作装置
53 制御装置
100 RFケーブル
100a 一端
100b 他端