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特開2021-175097移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-175097(P2021-175097A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/02 20090101AFI20211004BHJP
   H04B 17/15 20150101ALI20211004BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20211004BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20211004BHJP
【FI】
   H04W88/02 150
   H04B17/15
   H04B17/29
   H04W72/04 111
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-78035(P2020-78035)
(22)【出願日】2020年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】狩野 大樹
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 勇希
(72)【発明者】
【氏名】峰田 敬一
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF23
5K067KK03
5K067LL08
(57)【要約】
【課題】複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】CAにおける複数のCCに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて複数のCCを複数の信号処理部に対応付けて、複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末の試験を行う移動端末試験装置であって、複数のCCを表す情報が表示される第1の領域31と、複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域32と、複数のCCと複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域33と、を有する経路画像を表示部に表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)であって、
前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、
表示部(15)と、を備え、
前記試験制御部は、
前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、
前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、
前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記表示部に表示させる移動端末試験装置。
【請求項2】
前記試験制御部は、
前記第1の領域には、前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報として、前記キャリアアグリゲーションの規格に応じたコンポーネントキャリアの数に前記コンポーネントキャリア毎のアンテナの数を乗じた個数の第1種別の図形を表示させ、
前記第2の領域には、前記複数の信号処理部を表す情報として、前記複数の信号処理部にそれぞれ対応する第2種別の図形を表示させ、
前記第3の領域には、前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報として、前記第1種別の図形と前記第2種別の図形とを結ぶ線分を表示させることを特徴とする請求項1に記載の移動端末試験装置。
【請求項3】
前記複数の信号処理部は、複数のポート(20a〜20c)をそれぞれ有し、
前記試験制御部は、
前記複数のポートのなかで使用されるポートを他のポートと識別可能に前記経路画像を表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動端末試験装置。
【請求項4】
キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)と、
前記移動端末試験装置を制御する試験制御装置(4)と、
を備え、
前記移動端末試験装置は、
前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)を有し、
前記試験制御装置は、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、
表示部(15)と、を有し、
前記試験制御部は、
前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、
前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、
前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記表示部に表示させる移動端末試験システム。
【請求項5】
移動端末(2)の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、
表示部(15)と、を備え、
キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)の制御方法であって、
前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、
前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、
前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記試験制御部が前記表示部に表示させる移動端末試験装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動端末試験装置として、例えば、特許文献1には、キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアを多重化方式に応じて複数のコールプロセッシング部に割り当てて移動端末との間で通信を行うことによって、移動端末を試験するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6080924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の移動端末試験装置は、複数のコンポーネントキャリアと複数のコールプロセッシング部(以下、「信号処理部」という)との対応関係を可視化することができないといった課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移動端末試験装置は、キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)であって、前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、表示部(15)と、を備え、前記試験制御部は、前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記表示部に表示させる構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明の移動端末試験装置は、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる。
【0008】
なお、本発明の移動端末試験装置において、前記試験制御部は、前記第1の領域には、前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報として、前記キャリアアグリゲーションの規格に応じたコンポーネントキャリアの数に前記コンポーネントキャリア毎のアンテナの数を乗じた個数の第1種別の図形を表示させ、前記第2の領域には、前記複数の信号処理部を表す情報として、前記複数の信号処理部にそれぞれ対応する第2種別の図形を表示させ、前記第3の領域には、前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報として、前記第1種別の図形と前記第2種別の図形とを結ぶ線分を表示させるように構成してもよい。
【0009】
この構成により、本発明の移動端末試験装置は、コンポーネントキャリア毎のアンテナと複数の信号処理部との対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、コンポーネントキャリア毎のアンテナと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる。
【0010】
また、本発明の移動端末試験装置において、前記複数の信号処理部は、複数のポート(20a〜20c)をそれぞれ有し、前記試験制御部は、前記複数のポートのなかで使用されるポートを他のポートと識別可能に前記経路画像を表示させるように構成してもよい。
【0011】
この構成により、本発明の移動端末試験装置は、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部のポートとの対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部のポートとの対応関係を可視化することができる。
【0012】
本発明の移動端末試験システムは、キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)と、前記移動端末試験装置を制御する試験制御装置(4)と、を備え、前記移動端末試験装置は、前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)を有し、前記試験制御装置は、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、表示部(15)と、を有し、前記試験制御部は、前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記表示部に表示させる構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の移動端末試験システムは、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる。
【0014】
本発明の移動端末試験装置の制御方法は、移動端末(2)の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(14)と、表示部(15)と、を備え、キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリアに対してそれぞれ設定されたパラメータに基づいて前記複数のコンポーネントキャリアを複数の信号処理部(12a〜12d)に対応付けて、前記複数の信号処理部から入出力される信号によって移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置(1)の制御方法であって、前記複数のコンポーネントキャリアを表す情報が表示される第1の領域(31)と、前記複数の信号処理部を表す情報が表示される第2の領域(32)と、前記複数のコンポーネントキャリアと前記複数の信号処理部との対応関係を表す情報が表示される第3の領域(33)と、を有する経路画像を前記試験制御部が前記表示部に表示させる。
【0015】
このように、本発明の移動端末試験装置の制御方法は、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、複数のコンポーネントキャリアと複数の信号処理部との対応関係を可視化することができる移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置のブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する信号処理部のポートの第1の例を示す概要図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する表示部に表示される経路画像の第1の例を説明するための図であり、(a)は、コンポーネントキャリアの周波数を示す概念図であり、(b)は、経路画像の例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する表示部に表示される経路画像の第2の例を説明するための図であり、(a)は、コンポーネントキャリアの周波数を示す概念図であり、(b)は、経路画像の例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する表示部に表示される経路画像の第3の例を説明するための図であり、(a)は、コンポーネントキャリアの周波数を示す概念図であり、(b)は、経路画像の例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する信号処理部のポートの第2の例を示す概要図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する表示部に表示される経路画像の第4の例を説明するための図であり、(a)は、コンポーネントキャリアの周波数を示す概念図であり、(b)は、経路画像の例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る移動端末試験装置を構成する表示部に表示される経路画像の第5の例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態の変形例に係る移動端末試験システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る移動端末試験システムについて詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態においては、5G(5th Generation)無線方式である5G NR(New Radio)の標準仕様に準拠した移動端末の試験を行う移動端末試験装置に本発明に係る移動端末試験装置を適用した例について説明する。
【0019】
5G NRの標準仕様では、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)技術が導入されている。このキャリアアグリゲーションは、複数のキャリアを同時に用いて通信を行なうことで、伝送速度の向上を図る技術である。
【0020】
キャリアアグリゲーションにおいては、コンポーネントキャリア(以下、「CC」ともいう)と呼ばれるキャリアを複数用いて通信を行なう。キャリアアグリゲーションでは、移動体通信端末が基地局との接続を維持するために必要なCCである1つのプライマリコンポーネントキャリア(以下、「PCC」ともいう)と、移動体通信端末と基地局との伝送速度を向上させるために使用されるCCである1つ以上のセカンダリコンポーネントキャリア(以下、「SCC」ともいう)とにより通信が行なわれる。
【0021】
また、本発明の実施形態における移動端末試験装置は、送信側と受信側との双方で複数のアンテナを使用した通信を行うMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)に対応している。すなわち、本発明の実施形態における移動端末試験装置は、各CCを複数のアンテナから送信する状態を再現することができる。
【0022】
図1において、移動端末試験装置1は、同軸ケーブル等を介して有線で移動端末2と信号を送受信する。また、後述するように、移動端末試験装置1は、外部のアンテナ装置を介して無線で移動端末2と信号を送受信することもできる。
【0023】
移動端末試験装置1は、移動端末の基地局として機能する擬似基地局部10と、擬似基地局部10を制御するためのパラメータを含む試験情報が記憶された試験情報記憶部11と、移動端末2と通信を行うための信号を処理する信号処理部12a〜12dと、移動端末2の試験を実行するためのシナリオを含む情報が記憶されたシナリオ記憶部13と、シナリオ記憶部13に記憶された情報に基づいて、擬似基地局部10を制御する試験制御部14と、表示部15と、操作部16と、を含んで構成される。
【0024】
なお、図1は、4つの信号処理部12a〜12d(以下、総称して「信号処理部12」ともいう)が移動端末試験装置1に設けられている例を示しているが、移動端末試験装置1に設けられる信号処理部12の数を限定するものではない。信号処理部12は、移動端末試験装置1に対して着脱可能に設けられている。このため、移動端末試験装置1に設けられる信号処理部12の数は、変更可能である。
【0025】
移動端末試験装置1は、コンピュータ装置によって構成される。このコンピュータ装置は、それぞれ図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、ハードディスク装置と、通信モジュールと、を有する。
【0026】
このコンピュータ装置のROM及びハードディスク装置には、コンピュータ装置を移動端末試験装置1として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータ装置は、移動端末試験装置1として機能する。
【0027】
擬似基地局部10及び試験制御部14は、CPUによって構成される。試験情報記憶部11及びシナリオ記憶部13は、RAM又はハードディスク装置によって構成される。信号処理部12は、通信モジュールによって構成される。
【0028】
表示部15は、液晶ディスプレイ等の画像表示機器によって構成され、情報を入力させるための画像や試験中の状態を示す画像などを表示する。操作部16は、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力機器によって構成される。例えば、表示部15及び操作部16は、タッチパネルによって構成される。
【0029】
本実施の形態において、各信号処理部12a〜12dは、図2に示すように、3つのポート20a〜20cを有する。各信号処理部12a〜12dが使用するポートは、ポート20a〜20cのなかから選択される。
【0030】
なお、図2は、各信号処理部12a〜12dが3つのポート20a〜20cを有する例を示しているが、各信号処理部12a〜12dが有するポートの数を限定するものではない。
【0031】
本実施の形態において、ポート20aは、6GHz又は12GHz以下の周波数帯に対応する入出力ポートを構成する。ポート20aに入力された信号と、ポート20aから出力される信号とは、各信号処理部12a〜12d内で結合器により結合される。
【0032】
ポート20bは、6GHz又は12GHz以下の周波数帯に対応する出力ポートを構成する。ポート20bから出力される信号は、ポート20aから出力される信号のように結合器を経由しないため、ポート20bの出力レベルの最大値は、ポート20aの出力レベルの最大値よりも高い。
【0033】
ポート20cは、RFコンバータを経由させることで20GHz以上の高周波数帯に対応する。例えば、無線で移動端末2と信号を送受信する場合には、チャンバに内蔵した外部のアンテナ装置がRFコンバータを経由してポート20cに接続される。
【0034】
複数のCCと、複数の信号処理部12と、各信号処理部12の複数のポートとの対応関係は、試験情報記憶部11に記憶されている。試験情報記憶部11に記憶された対応関係は、シナリオ記憶部13に記憶された情報に基づいて試験制御部14によって設定される。また、試験情報記憶部11に記憶された対応関係は、操作部16によって設定することもできる。
【0035】
図3ないし図5及び図7に例示するように、試験制御部14は、操作部16を介した操作に応じて、試験情報記憶部11に記憶された対応関係を表す経路画像を表示部15に表示させる。なお、図3ないし図5及び図7において、(a)は、各CCの周波数を示し、(b)は、経路画像の例を示している。
【0036】
図3ないし図5及び図7において、経路画像は、複数のCCを表す情報が表示される第1の領域31と、複数の信号処理部12を表す情報が表示される第2の領域32と、複数のCCと複数の信号処理部12との対応関係を表す情報が表示される第3の領域33と、各信号処理部12の複数のポートのなかで使用されるポートを他のポートと識別させるための第4の領域34と、を含む。
【0037】
第1の領域31には、複数のCCを表す情報として、CCの数にCC毎のアンテナの数を乗じた個数の第1種別の図形が表示される。第2の領域32には、複数の信号処理部12を表す情報として、複数の信号処理部12にそれぞれ対応する第2種別の図形が表示される。
【0038】
第3の領域33には、複数のCCと複数の信号処理部12との対応関係を表す情報として、第1種別の図形と第2種別の図形とを結ぶ線分が表示される。なお、試験制御部14は、第1種別の図形と第2種別の図形とを結ぶ線分の視認性を向上させるために、CC毎に互いに異なる表示態様(色、線種、太さ、又は、これらの組合せ)で線分を表示させるようにしてもよい。第4の領域34には、図2に示したポート20a〜20cを模した第3種別の図形が表示され、第2種別の図形と第3種別の図形とが矢印で対応付けられる。
【0039】
図3は、周波数帯が連続したPCC及びSCC1と、SCC1と離隔した周波数帯で連続したSCC2、SCC3及びSCC4とを送信側の2本のアンテナ(図中、「Ant1」、「Ant2」)から受信側の2本のアンテナに送信するように設定されているときの経路画像の例を示している。
【0040】
信号処理部12a(図中、「Slot#1」)には、PCC及びSCC1のAnt1が対応付けられ、信号処理部12b(図中、「Slot#2」)には、PCC及びSCC1のAnt2が対応付けられている。
【0041】
また、各信号処理部12に内蔵されたシグナルジェネレータの周波数帯域幅に制限があるため、周波数帯が連続したCCを同じ信号処理部12で処理させ、周波数帯が離隔したCCを同じ信号処理部12で処理させることが好ましい。
【0042】
このため、信号処理部12c(図中、「Slot#3」)には、SCC2、SCC3及びSCC4のAnt1が対応付けられ、信号処理部12d(図中、「Slot#4」)には、SCC2、SCC3及びSCC4のAnt2が対応付けられている。
【0043】
このように、図3に示した例において、PCC及びSCC1のAnt1の信号は、信号処理部12aによって結合されて信号処理部12aのポート20bから出力される。PCC及びSCC1のAnt2の信号は、信号処理部12bによって結合されて信号処理部12bのポート20aから出力される。
【0044】
また、SCC2、SCC3及びSCC4のAnt1の信号は、信号処理部12cによって結合されて信号処理部12cのポート20cから出力される。SCC2、SCC3及びSCC4のAnt2の信号は、信号処理部12dによって結合されて信号処理部12dのポート20cから出力される。
【0045】
図4は、周波数帯が連続したPCC、SCC1及びSCC2と、SCC1と離隔した周波数帯で連続したSCC3及びSCC4とを送信側の2本のアンテナ(図中、「Ant1」、「Ant2」)から受信側の2本のアンテナに送信するように設定されているときの経路画像の例を示している。
【0046】
信号処理部12a(図中、「Slot#1」)には、PCC、SCC1及びSCC2のAnt1が対応付けられ、信号処理部12b(図中、「Slot#2」)には、PCC、SCC1及びSCC2のAnt2が対応付けられる。
【0047】
また、信号処理部12c(図中、「Slot#3」)には、SCC3及びSCC4のAnt1が対応付けられ、信号処理部12d(図中、「Slot#4」)には、SCC3及びSCC4のAnt2が対応付けられる。
【0048】
このように、図4に示した例において、PCC、SCC1及びSCC2のAnt1の信号は、信号処理部12aによって結合されて信号処理部12aのポート20cから出力される。PCC、SCC1及びSCC2のAnt2の信号は、信号処理部12bによって結合されて信号処理部12bのポート20cから出力される。
【0049】
また、SCC3及びSCC4のAnt1の信号は、信号処理部12cによって結合されて信号処理部12cのポート20aから出力される。SCC3及びSCC4のAnt2の信号は、信号処理部12dによって結合されて信号処理部12dのポート20aから出力される。
【0050】
図5は、周波数帯が連続したPCC、SCC1及びSCC2を送信側の4本のアンテナ(図中、「Ant1」、「Ant2」、「Ant3」、「Ant4」)から受信側の4本のアンテナに送信するように設定されているときの経路画像の例を示している。
【0051】
信号処理部12a(図中、「Slot#1」)には、PCC、SCC1及びSCC2のAnt1が対応付けられ、信号処理部12b(図中、「Slot#2」)には、PCC、SCC1及びSCC2のAnt2が対応付けられる。
【0052】
また、信号処理部12c(図中、「Slot#3」)には、PCC及びSCC2のAnt3が対応付けられ、信号処理部12d(図中、「Slot#4」)には、PCC及びSCC2のAnt4が対応付けられる。
【0053】
このように、図5に示した例において、PCC、SCC1及びSCC2のAnt1の信号は、信号処理部12aによって結合されて信号処理部12aのポート20cから出力される。PCC、SCC1及びSCC2のAnt2の信号は、信号処理部12bによって結合されて信号処理部12bのポート20cから出力される。
【0054】
また、PCC及びSCC2のAnt3の信号は、信号処理部12cによって結合されて信号処理部12cのポート20aから出力される。PCC及びSCC2のAnt4の信号は、信号処理部12dによって結合されて信号処理部12dのポート20aから出力される。
【0055】
図6は、移動端末試験装置1に8つの信号処理部12a〜12hが設けられた例を示している。図7は、信号処理部12a〜12hが移動端末試験装置1に設けられている場合において、周波数帯が連続したPCC及びSCC1と、SCC1と離隔した周波数帯で連続したSCC2及びSCC3とを送信側の4本のアンテナ(図中、「Ant1」、「Ant2」、「Ant3」、「Ant4」)から受信側の4本のアンテナに送信するように設定されているときの経路画像の例を示している。図7に示す経路画像は、2系統のMIMOの組み合わせが設定されていることを表している。
【0056】
信号処理部12a(図中、「Slot#1」)には、PCC及びSCC1のAnt1が対応付けられ、信号処理部12b(図中、「Slot#2」)には、PCC及びSCC1のAnt2が対応付けられている。
【0057】
また、信号処理部12c(図中、「Slot#3」)には、PCCのAnt3が対応付けられ、信号処理部12d(図中、「Slot#4」)には、PCCのAnt4が対応付けられている。
【0058】
また、信号処理部12e(図中、「Slot#5」)には、SCC2及びSCC3のAnt1が対応付けられ、信号処理部12f(図中、「Slot#6」)には、SCC2及びSCC3のAnt2が対応付けられている。
【0059】
また、信号処理部12g(図中、「Slot#7」)には、SCC2及びSCC3のAnt3が対応付けられ、信号処理部12h(図中、「Slot#8」)には、SCC2及びSCC3のAnt4が対応付けられている。
【0060】
このように、図7に示した例において、PCC及びSCC1のAnt1の信号は、信号処理部12aによって結合されて信号処理部12aのポート20bから出力される。PCC及びSCC1のAnt2の信号は、信号処理部12bによって結合されて信号処理部12bのポート20bから出力される。PCCのAnt3の信号は、信号処理部12cのポート20bから出力される。PCCのAnt4の信号は、信号処理部12dのポート20cから出力される。
【0061】
また、SCC2及びSCC3のAnt1の信号は、信号処理部12eによって結合されて信号処理部12eのポート20bから出力される。SCC2及びSCC3のAnt2の信号は、信号処理部12fによって結合されて信号処理部12fのポート20bから出力される。
【0062】
また、SCC2及びSCC3のAnt3の信号は、信号処理部12gによって結合されて信号処理部12gのポート20bから出力される。SCC2及びSCC3のAnt4の信号は、信号処理部12hによって結合されて信号処理部12hのポート20bから出力される。
【0063】
以上に説明したように、本実施の形態は、複数のCCと複数の信号処理部12との対応関係を表す情報を表示部15に表示させるため、複数のCCと複数の信号処理部12との対応関係を可視化することができる。
【0064】
また、本実施の形態は、CC毎のアンテナと複数の信号処理部12との対応関係を表す情報を表示部15に表示させるため、CC毎のアンテナと複数の信号処理部12との対応関係を可視化することができる。
【0065】
また、本実施の形態は、複数のCCと複数の信号処理部12のポート20a〜20cとの対応関係を表す情報を表示部に表示させるため、複数のCCと複数の信号処理部12のポート20a〜20cとの対応関係を可視化することができる。
【0066】
なお、図3ないし図5及び図7に示した経路画像の第3の領域33において、各信号処理部12の複数のポートのなかで使用されるポートを他のポートと識別させることができるのであれば、例えば、図8に示すように、第4の領域34を経路画像に含めなくてもよい。
【0067】
また、試験制御部14は、複数のCCと、複数の信号処理部12と、各信号処理部12の複数のポートとの対応関係を確認させるために表示部15に図3等に示した経路画像を表示させるが、第1種別の図形と第2種別の図形とを結ぶ線分、及び、第2種別の図形と第3種別の図形とを対応付ける矢印を操作部16を介して描画又は消去させることによって、試験情報記憶部11に記憶された対応関係を更新するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態における移動端末試験装置1は、CPUと、RAMと、ROMと、フラッシュメモリと、ハードディスク装置と、通信モジュールとを備えた汎用のコンピュータ装置を接続できるように構成してもよい。
【0069】
この場合、図9に示すように、シナリオ記憶部13と、試験制御部14と、表示部15と、操作部16と、含む試験制御装置4を汎用のコンピュータ装置によって構成し、シナリオ記憶部13と、試験制御部14と、表示部15と、操作部16と、を除いた移動端末試験装置1と試験制御装置4とによって移動端末試験システムを構成してもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について開示したが、本発明の範囲を逸脱することなく本実施形態に変更を加えられ得ることは容易である。本発明の実施形態は、このような変更が加えられた等価物が特許請求の範囲に記載された発明に含まれることを前提として開示されている。
【符号の説明】
【0071】
1 移動端末試験装置
2 移動端末
4 試験制御装置
10 擬似基地局部
12、12a〜12h 信号処理部
14 試験制御部
15 表示部
20a〜20c ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9