特開2021-175330(P2021-175330A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-175330(P2021-175330A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】電動機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20211004BHJP
【FI】
   H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-79663(P2020-79663)
(22)【出願日】2020年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100144211
【弁理士】
【氏名又は名称】日比野 幸信
(72)【発明者】
【氏名】田邉 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 智則
(72)【発明者】
【氏名】松井 庸佑
(72)【発明者】
【氏名】小俣 黎
(72)【発明者】
【氏名】小島 広雄
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB14
5H605CC06
5H605EC05
5H605EC20
(57)【要約】
【課題】リード線を通すブッシングを不要にして組立性を向上させることのできる電動機を提供する。
【解決手段】本発明の電動機の一態様は、一端側に開口部を有する有底円筒状の本体部と、上記開口部を覆うブラケットと、上記本体部と上記ブラケットとで囲まれた内部空間に配置された回路基板と、上記回路基板に接続されたリード線と、を備える。上記本体部と上記ブラケットのそれぞれには、上記リード線が上記内部空間から外部へと引き出される口出部が形成されている。上記リード線は、上記本体部と上記ブラケットのそれぞれの口出部に形成された挟持部に挟持されている。上記挟持部は、少なくとも上記本体部および上記ブラケットの一方から他方に向かって突出する規制部を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に開口部を有する有底円筒状の本体部と、前記開口部を覆うブラケットと、前記本体部と前記ブラケットとで囲まれた内部空間に配置された回路基板と、前記回路基板に接続されたリード線と、を備える電動機であって、
前記本体部と前記ブラケットのそれぞれには、前記リード線が前記内部空間から外部へと引き出される口出部が形成され、
前記リード線は、前記本体部と前記ブラケットのそれぞれの口出部に形成された挟持部に挟持され、
前記挟持部は、少なくとも前記本体部および前記ブラケットの一方から他方に向かって突出する規制部を備える
電動機。
【請求項2】
請求項1に記載の電動機であって、
前記規制部は、同規制部の内径側の縁に形成された突出部を更に備え、
前記突出部により前記リード線が前記軸方向に屈曲される
電動機。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか1項に記載の電動機であって、
前記挟持部は、第1の挟持部と、前記第1の挟持部よりも前記本体部の内径側に配置される第2の挟持部と、で形成され、
前記規制部は、前記第2の挟持部に設けられる
電動機。
【請求項4】
請求項3に記載の電動機であって、
前記第1の挟持部は、前記本体部および前記ブラケットが相互に当接し合う複数の当接部と、前記本体部および前記ブラケットの少なくとも一方における前記複数の当接部の間に形成されて前記リード線が挿通される溝部と、を備える
電動機。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電動機であって、
前記本体部と前記ブラケットとには、軸方向に向かって突出する円環形状の嵌合部がそれぞれ形成され、
前記第1の挟持部は、前記本体部と前記ブラケットのそれぞれに設けられた前記嵌合部の一部である
電動機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動機であって、
前記本体部および前記ブラケットは、いずれも樹脂で成形されている
電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動機には、回転磁界を発生させる固定子の内側に、永久磁石を有する回転子を回転可能に配置したインナーロータ型の電動機が知られている。この電動機は、例えば、空気調和機に搭載する送風ファンの回転駆動に用いられる。
このような電動機として、電動機の外郭で囲まれた内部空間に回路基板が配置され、その回路基板にリード線が接続されたものがある。
【0003】
従来、電動機の内部空間に配置された回路基板に接続されるリード線は、樹脂製のブッシングに形成された貫通穴を介して、電動機の内部空間から外部へ引き出されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−138551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電動機の組立時に、リード線をブッシングに通す工程と、そのブッシングを電動機の本体部に対して取り付ける工程とが必要であり、組立時の工数が増える手間があった。
【0006】
そこで本発明は、ブッシングを不要にして組立性を向上させる電動機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電動機の一態様は、一端側に開口部を有する有底円筒状の本体部と、上記開口部を覆うブラケットと、上記本体部と上記ブラケットとで囲まれた内部空間に配置された回路基板と、上記回路基板に接続されたリード線と、を備える。上記本体部と上記ブラケットのそれぞれには、上記リード線が上記内部空間から外部へと引き出される口出部が形成される。上記リード線は、上記本体部と上記ブラケットのそれぞれの上記口出部に形成された挟持部に挟持されている。上記挟持部は、少なくとも上記本体部および上記ブラケットの一方から他方に向かって突出する規制部を備える。
【0008】
本発明によれば、リード線を通すブッシングを不要にして組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る電動機の全体斜視図である。
図2】本発明に係る電動機を示す横断面図である。
図3】本発明に係る電動機のブラケットの斜視図である。
図4図3のブラケットを取り外した状態の、本発明に係る電動機の全体斜視図である。
図5図2の片側の部分拡大図である。
図6図2の右下部の部分拡大図である。
図7】本発明に係る電動機の全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なり得ることに留意すべきである。したがって、具体的な構成部品については以下の説明を参酌して判断すべきものである。
【0011】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る電動機について説明する。
【0013】
<電動機の全体構成>
図1乃至図5は、本実施形態における電動機1の構成を説明する図である。これらの図に示すように、この電動機1は、例えば、ブラシレスDCモータである。この電動機1は、図示しないが、例えば空気調和機の室外機に搭載される送風ファンを回転駆動するために用いられる。
【0014】
本実施形態における電動機1は、図1、2に示すように、固定子(ステータ)2と、回転子(ロータ)3と、モータ外郭(筐体、本体部)10と、ブラケット41と、モータ外郭10とブラケット41とで囲まれた内部空間に配置された回路基板81と、回路基板81に電気的に接続されたリード線82と、を備えている。
モータ外郭(本体部)10とブラケット41のそれぞれには、リード線82が電動機1の内部空間から外部へと引き出される口出部7が形成されている。
【0015】
後に詳述するが、リード線82は、モータ外郭10とブラケット41のそれぞれの口出部7に形成された挟持部が協働することによって、電動機1の回転軸の軸方向から挟持されている。モータ外郭10およびブラケット41の挟持部は、リード線が傷つくのを防止するために、いずれも樹脂で成形されるのが望ましい。また、本実施例では、口出部7には、第1の挟持部71および第2の挟持部75が形成されている(図2参照)。
以下では、回転磁界を発生する固定子2の内部に、永久磁石部31を有する回転子3を回転可能に配置したインナーロータ型の永久磁石電動機1を例に説明する。
【0016】
<固定子と回転子とモータ外郭>
回転子3は、図2に示すように、環状の永久磁石部31と、永久磁石部31よりも内径側に配置されて同永久磁石部31とシャフト32とを連結する連結部35と、を備える。シャフト32は円柱状の回転子3の中心軸に沿って配置されるとともに、回転子3に固定されている。本実施例では、回転子3の永久磁石部31と連結部35とは、フェライト磁性体を混合した樹脂材の一体成形によって形成されており、成形後に永久磁石部31のみを着磁することで永久磁石部31をフェライトボンド磁石として機能させている。また、永久磁石部31は、その周方向にS極とN極が交互に現れる極異方性磁石となるよう着磁されている。これにより、永久磁石部31の磁束の流れを集中させるためのヨークの一部分が不要となり、漏れ磁束を抑制することができる。
なお、永久磁石部31と連結部35とは別体に形成されていてもよい。例えば、回転子3は、粉末状のフェライト磁性体を金型内で焼き固めた複数のフェライト焼結磁石(永久磁石部31に相当)を、ロータコア(連結部35に相当)の外周面に環状に貼り付けた、いわゆる表面磁石(SPM)型の回転子であってもよい。
【0017】
固定子2は、図示しない円筒形状のヨーク部と同ヨーク部から内径側に延びる複数の図示しないティース部を有した固定子鉄心(ステータコア)21と、インシュレータを介してティース部に巻回された図示しない巻線とを備えている。この固定子2は、樹脂一体成形によって、固定子鉄心21の内周面を除いて、樹脂で形成されたモータ外郭10(本体部)で覆われている(図2図4参照)。すなわち、モータ外郭10は、固定子鉄心21と巻線とを備えた固定子2を覆っている。固定子2は、回転子3の外周側(永久磁石電動機1の径方向における外側)に配置される。また、固定子2の固定子鉄心21は、同固定子鉄心21の有するティース部が回転子3の永久磁石部31と径方向で対向するように配置されている。換言すれば、固定子2は、回転子3の備える環状の永久磁石部31が固定子2の固定子鉄心21に径方向で対向するように配置されている。
【0018】
本体部としてのモータ外郭10は、例えば図4に示すように、電動機1の中心軸、つまり回転子3の回転軸(以下、回転軸C)の軸線方向の一端側(実施例ではシャフト32の反出力側)に開口部Oを有する有底円筒状に形成される。本実施例では、モータ外郭10は、環状部12と、開口部Oと、開口部Oとは反対側(シャフト32の出力側)の端部に形成された端面部(底面)13とを備える。モータ外郭10とブラケット41とで囲まれた内部空間には、回転子3と、基板81とが収容されている(図2、4参照)。なお、モータ外郭10は、その一部が金属から成形されてもよい。
【0019】
回転子3は、固定子2の固定子鉄心21の内周側に、固定子鉄心21と所定の空隙(ギャップ)を持って回転自在に配置されている。図2、4、5に示すように、環状に配置された永久磁石部31は、固定子鉄心21に対向するように、回転子3における径方向の外側(外周側)に配置されている。
【0020】
回転子3は、シャフト32の周りに固定されている。シャフト32は、同シャフト32の外周面に固定された第1軸受33および第2軸受34(ベアリング、軸受)によって回転自在に支持(保持)されている。また、第1軸受33が後述する第1軸受収容部42に収容(保持)され、第2軸受34が後述する第2軸受収容部43に収容(保持)されることで、回転子3が回転自在に支持されている。第1軸受収容部42および第2軸受収容部43は、例えばクロムニッケル系ステンレス鋼の磁性体で形成されている。
【0021】
<軸受とブラケットとベアリングハウス部>
図2、3、5に示すように、第1軸受33は、同第1軸受33の内輪側がシャフト32の一端側(反出力側)に固定されている。第2軸受34は、同第2軸受34の内輪側がシャフト32の他端側(出力側)に固定されている。第1軸受33と第2軸受34(一対のベアリング)は協働して、シャフト32およびシャフト32に連結される回転子3を回転自在に支持している。第1軸受33および第2軸受34は、例えば、ボールベアリングが用いられる。
【0022】
ブラケット41は、磁性体で形成されて第1軸受33を収容する第1軸受収容部42と、非磁性体(例えば樹脂)で形成された非磁性部44(端面部)とを備える。ブラケット41は、永久磁石電動機1のモータ外郭10(本体部)において、回転軸Cの方向の一端、すなわちシャフト32の反出力側に配置される。ブラケット41の非磁性部(端面部)44は、第1軸受収容部42に接続される接続部45を有する(図2、3、5参照)。ブラケット41の非磁性部(端面部)44は、インサート成形によって、磁性部である第1軸受収容部42と一体に成形される。非磁性部(端面部)44は、接続部45において第1軸受収容部42に接続される。
【0023】
このブラケット41は、モータ外郭10(本体部)の開口部Oを覆う蓋として、モータ外郭10(本体部)の反出力側の端部にねじ留めされて取り付けられる。なお、モータ外郭10(本体部)の開口部Oは、出力側に向けて開口するようにしてもよい。この場合、ブラケット41は、シャフト32の反出力側でなく、シャフト32の出力側に配置される。
【0024】
ブラケット41の非磁性部44(端面部)は、径方向の外形がモータ外郭10の外周面まで径方向に広がる、概ね円板形状に形成されている。また、ブラケット41の非磁性部44(端面部)は、モータ外郭10とともに、永久磁石電動機1の樹脂外郭を形成している。そして、非磁性部44は、回転軸C方向から見て、モータ外郭10の外周面よりも径方向の外側に突出した突出部410を備える。突出部410は、モータ外郭10の後述する脚部107の基端部に当接する。ブラケット41の突出部410は、脚部107と回転軸C方向に重なるように配置されている。
【0025】
ブラケット41の突出部410は、モータ外郭10に設けられた脚部107と同数形成され(3箇所)、例えば回転軸C方向から見て台形状に形成されており、突出部410の各々の中央部には回転軸C方向に貫通するねじ通し穴部413を有する。
【0026】
なお、ブラケット41には、組立後の永久磁石電動機1において外部に露出する外表面側に、後述する電食対策用の導通部材5を配置するための切り込み溝部416が形成されている(図1および3参照)。
この切り込み溝部416は、ブラケット41の中央部(後述の非磁性部44の筒状の接続部45)から径方向の外側に向かってブラケット41の外周面まで延び、さらにそこからモータ外郭10と当接する位置まで軸方向に延びている。
【0027】
ブラケット41は、モータ外郭10(本体部)に嵌合された後に、ねじ通し穴部413を介してモータ外郭10の脚部107の脚部側締結部(ねじ穴部)103(後述)にねじ留めされる(図1参照)。
また、円板状のブラケット41の中央部には、永久磁石電動機1の内部側(出力側)に第1軸受33を収容するための第1軸受収容部(ベアリングハウス部)42が配置されている。第1軸受収容部42は、例えばプレス加工によって概ね有底円筒状に形成されている。また、ブラケット41の非磁性部44の内径側には、第1軸受収容部42に接続される筒状の接続部45を有する(図2、5参照)。
【0028】
モータ外郭10の出力側端部の中央部には、電動機1の内部側(反出力側)に第2軸受34を収容するための第2軸受収容部(ベアリングハウス部)43が配置されている(図2、5、6参照)。この第2軸受収容部43は、第1軸受収容部42と同様に、概ね有底円筒状に形成されている。第2軸受収容部43は、回転子3の径方向において、環状の永久磁石部31よりも内側(内径側)に配置されている。モータ外郭10の端面部13は、第2軸受収容部43のフランジ部432(後述)に接続される接続部14を有する。
【0029】
図2および図5に示すように、第1軸受収容部42は、第1軸受33の外輪側を径方向から保持する筒状部421と、筒状部421の回転軸C方向の一端部から回転子3における径方向の外側(外周側)に延びる円環状のフランジ部422と、筒状部421の回転軸C方向の他端部から径方向の内側(内周側)へと延びる冠部423と、を有する。冠部423は、第1軸受33の回転軸C方向の他端側を覆う。円環状のフランジ部422の外周縁は、永久磁石部31よりも回転子3の径方向における内側(内周側)に位置している。換言すると、第1軸受収容部42は、回転子3の回転軸C方向から見て、永久磁石部31と重ならないように形成されている。
【0030】
すなわち、第1軸受収容部42(ブラケット41が備えるベアリングハウス部は、回転軸C方向から見て、永久磁石部31よりも回転子3における径方向の内側(内径側)に配置されている。また、第1軸受収容部42(ベアリングハウス部)のフランジ部422の外周縁部(外径側の縁部)は、非磁性体である樹脂によって覆われている。すなわち、ブラケット41において、第1軸受収容部42のフランジ部422の外周縁部は、樹脂製の非磁性部44によって覆われている。
【0031】
上述したように、ブラケット41は、一対の軸受収容部(ベアリングハウス部)の一方である第1軸受収容部(磁性部)42と、非磁性部44(端面部)とで形成される。第1軸受収容部(磁性部)42は、回転子3の径方向で永久磁石部31よりも内径側に配置されているので、磁性部としての第1軸受収容部42が備えるフランジ部422が、永久磁石部31と回転軸C方向で面対向するのを防止できる。これにより、永久磁石部31から第1軸受収容部(磁性部)42へと流れる漏れ磁束を抑制することができる。さらに、第1軸受収容部(磁性部)42は、回転子3の永久磁石部31と近接するフランジ部422の外周縁部が、非磁性部44で覆われる。これにより、永久磁石部31から磁性体で形成された第1軸受収容部(ベアリングハウス部)42へと流れる漏れ磁束の経路を非磁性体で形成された非磁性部44によって遮断することができるので、永久磁石部31から第1軸受収容部42へと流れる漏れ磁束を更に抑制することができる。
【0032】
なお、この漏れ磁束を抑制するための構造は、第1軸受収容部42側だけでなく、第2軸受収容部43側にも適用されることができる。このとき、第2軸受収容部43は、第1軸受収容部42と同様の形状に形成され、第2軸受34の外輪側を径方向から保持する筒状部431と、筒状部431の回転軸C方向の一端部から回転子3における径方向の外側に延びる円環状のフランジ部432と、筒状部431の回転軸C方向の他端部から径方向の内側へと延びる冠部433と、を有する。そして、第2軸受収容部43は、回転子3の径方向で永久磁石部31よりも内径側に配置されている。また、第2軸受収容部43が備えるフランジ部422の外周縁部が、非磁性体である樹脂製のモータ外郭10の端面部13(接続部14)によって覆われている。これにより、永久磁石31から第2軸受収容部43へと流れる漏れ磁束を抑制することができる。
【0033】
ブラケット41の非磁性部(端面部)44は、第1軸受収容部(ベアリングハウス部)42に接続される接続部45を有している。接続部45は、概ね筒状に形成されており、第1軸受収容部(ベアリングハウス部)42のフランジ部422は、筒状の接続部45の内径側の側面に差し込まれて固定されている。ここで、第1軸受収容部42の筒状部421は、ブラケット41の非磁性部44と接触しておらず(非磁性部44によって覆われておらず)、フランジ部422の外周縁部のみが、非磁性部44の接続部45に覆われるようにして接合(接続)されている。また、第1軸受収容部42の筒状部421と非磁性部44の筒状の接続部45との間には空隙部(エアギャップ)AG1が形成されている。これにより、熱や衝撃などによるモータ外郭10の変形が、第1軸受33に対して影響しにくくなる。さらに、ブラケット41の接続部45と、第1軸受収容部42のフランジ部422との接触面積を小さくすることができ、固定子鉄心(ステータコア)21に巻回された巻線での発熱がブラケット41を介して第1軸受33に伝達するのを抑制することができる。これにより、第1軸受33の温度上昇を抑え、第1軸受33の劣化を防止することができる。
【0034】
本実施例では、一対の軸受収容部(ベアリングハウス部)の他方である第2軸受収容部43側についても、第1軸受収容部42側と同様の構造とされている。すなわち、モータ外郭10が有底円筒状に形成されており、固定子(ステータ)2と一体のモータ外郭10の筒状部12と、筒状部12の端部に接続されて径方向の内側(内周側)に広がるモータ外郭10の端面部13とを備えている。そして、モータ外郭10の端面部13は、第2軸受収容部43に接続される円筒状の接続部14を有している。また、第1軸受収容部42と同様に、一対の軸受収容部の他方である第2軸受収容部43は、筒状部431と、筒状部431から径方向の外側に延びるフランジ部432とを有し、フランジ部432の外周縁部のみが、樹脂外郭(モータ外郭10)の接続部14の内径側の側面に差し込まれて固定されている。また、第2軸受収容部43の筒状部431と、樹脂外郭(モータ外郭10)の接続部14との間に、空隙部(エアギャップ)AG2が形成されている。
【0035】
これにより、熱や衝撃などによるモータ外郭10の変形が、第2軸受34に対して影響しにくくなる。さらに、モータ外郭10の接続部14と、第2軸受収容部43のフランジ部432との接触面積を小さくすることができ、固定子鉄心(ステータコア)21に巻回された巻線での発熱が樹脂外郭10を介して第2軸受34に伝達するのを抑制することができる。これにより、第1軸受33の温度上昇を抑え、第1軸受33の劣化を防止することができる。
【0036】
また、回転子3は、上述のように、シャフト32が固定され、永久磁石部31とシャフト32とを連結する連結部35を備える。永久磁石部31は、円筒状の固定子鉄心(ステータコア)21に径方向で対向するように配置されている。連結部35は、環状に配置された永久磁石部31の内径側に配置される。連結部35は、図2図4に示すように、回転軸Cの軸線方向(回転軸C方向)に窪んだ凹部36を有する。凹部36は、同凹部36が形成された位置での連結部35の回転軸C方向における厚みが、永久磁石部31の回転軸C方向における厚みよりも小さくなるよう、形成されている。そして、第1軸受収容部42のフランジ部422は、この凹部36と回転軸C方向に重なるように配置されている。
【0037】
これにより、回転子3には、回転軸C方向に向かって窪んだ環状の凹部36が形成され、第1軸受収容部42のフランジ部422がこの凹部36内に配置されることができる。
このように、回転軸Cの軸線方向に窪んだ環状の凹部36に第1軸受収容部42の一部(フランジ部422)が入り込むことができ、永久磁石電動機1の回転軸C方向の厚みが抑制され、永久磁石電動機1が回転軸C方向に小型化される。
【0038】
モータ外郭10(本体部)は、回転軸C方向の一端側(開口Oが設けられた側、実施例では反出力側の端部)において、径方向の外側(外径側)に突出するように延びた複数の脚部107を備える(図1、2、4〜7参照)。この脚部107は、例えば、永久磁石電動機1の周方向に等間隔に並ぶよう3つ設けられる。
複数の脚部107は、固定子2(永久磁石電動機1)の外径方向に台形状に突出しており、回転軸C方向に所定の厚みを有する。なお、脚部107は、2個、6個など任意の個数でよく、複数の脚部107の並びは等間隔でなくともよい。
【0039】
脚部107は、図1、4、7に示すように、永久磁石電動機1の径方向の外側(外径側)に向かうにつれて、脚部107の周方向の長さが短くなるように形成されている。これにより、脚部107の強度を確保するとともに、脚部107に形成される後述のデッドスペースを有効活用することができる。
【0040】
各脚部107には、防振部材6が配置される防振部材配置部104が形成されている。本実施例においては、防振部材配置部104は、永久磁石電動機1の径方向の外側(外周側)から内径方向に防振部材6を嵌合させるための切欠き部として形成されている。脚部107の各々に形成された防振部材配置部(切欠き部)104は、脚部107の各々の永久磁石電動機1の周方向における中央に形成されている。この防振部材配置部(切欠き部)104は、各脚部107に形成された回転軸C方向に貫通する穴と各脚部107の外周縁とをつなぐように、脚部107の外径側が切り欠かれて形成されている。
なお、防振部材配置部104は、脚部107の外周縁とつながっている切欠き部でなくともよく、回転軸C方向に貫通した単なる貫通孔でもよい。この場合、防振部材6は、貫通孔として形成された防振部材配置部104に回転軸C方向から挿入される。
また、脚部107に設けられ防振部材配置部104は、後述の防振部材6の形状に合わせ、脚部107の回転軸C方向の一方側(シャフト32の出力側)が窪んだ窪み部106が形成されている。
【0041】
防振部材6は、例えば中空のボビン状、または円筒型に成形された、防振ゴム、ブッシュなどが例示される。実施例の防振部材6は、ボビン状に形成されており、中芯部61と、中芯部61における回転軸C方向の両端に形成されたフランジ部62と、締結部材が挿通される挿通孔63とを有する(図5、7参照)。なお、ボビン状の防振部材6は、回転軸C方向から見た形状(上面視の形状)が六角形状や四角形状であってもよい。防振部材6の挿通孔63には、永久磁石電動機1が固定される対象物(例えば空気調和機の筐体)への取り付け用の締結部材(例えば、ねじ)が回転軸C方向に挿通される。防振部材6は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)などの弾性材料で成形される。
【0042】
脚部側締結部103は、例えば、ねじ穴部、埋込ナットなどであり、図示しない締結部材(ねじ等)が締結される。脚部107に形成された脚部側締結部103と、ブラケット41に形成されたねじ通し穴部413とが、締結部材を介して締結されることで、脚部側締結部103は、防振部材6と重ならないように配置される。これにより、各脚部107における防振部材6が配置されない領域(デッドスペース)を有効活用することができるため、各脚部107が大型化するのを抑制することができる。
【0043】
ここで、電動機1は、高周波スイッチングを行うPWM方式のインバータで駆動される場合に、巻線の中性点電位が零にならず、コモンモード電圧と呼ばれる電圧が発生する。このコモンモード電圧に起因して、電動機1の内部の浮遊容量によって、第1軸受33および第2軸受34の各々の内輪と外輪との間に電位差(軸電圧)を生じる。この軸電圧が軸受内部の油膜の絶縁破壊電圧に達すると、軸受内部に電流が流れて軸受に電食を発生させる。本実施例の電動機1は、この軸受での電食の発生を防止するために、2つの軸受のそれぞれが収容される第1軸受収容部42と第2軸受収容部43とを導通させる導通部材5を備えている。
【0044】
導通部材5は、第1軸受収容部42と第2軸受収容部43とを導通させる帯状の部材である。導通部材5は、例えば、帯状に打ち抜いた厚さ0.3mm程度の鋼板を、モータ外郭10及びブラケット41の外面に沿うようにコの字(Uの字)状に折り曲げて形成される(図5参照)。導通部材5により、第1軸受33と第2軸受34の各々の外輪側の電位を同電位とすることができ、各軸受の内外輪間の電位差を小さくすることで電食の発生を抑制できる。
【0045】
図4、6、7に示すように、3つの脚部107のうちのいずれか1つには、切欠き部104において、固定子2(永久磁石電動機1)の径方向での最も内径側となる位置に、その位置から回転軸Cに向かって、導通部材5を回転軸C方向に沿って配置するための、切り込み溝部105が形成されている(図4参照)。図示しないが、モータ外郭10の側面および端面部13(出力側の面)にも、導通部材5用の切り込み溝部が、回転軸Cの軸方向および径方向に形成されている。
【0046】
ここで、モータ外郭10にブラケット41を嵌合することで、ブラケット41の切り込み溝部416とモータ外郭10の外面に形成された切込み溝部とが連続するようになっており、各切り込み溝部が帯状の導通部材5を埋め込むガイドとなる。これにより、帯状の導通部材5が永久磁石電動機1の樹脂外郭の表面に突出せず、導通部材5が脱落するのを防止できる。導通部材5は、図5に示すように、第1軸受収容部42のフランジ部422の位置から、ブラケット41の切り込み溝部416、脚部107の切り込み溝部105、およびモータ外郭10の切り込み溝部を経て、第2軸受収容部43のフランジ部432の位置まで延びて配置される。また、防振部材6を脚部107に嵌め込む前に、この切り込み溝部105に導通部材5を予め通して配置することにより、防振部材6が導通部材5を外側から押さえることができ、導通部材5の脱落を防止することができる。
【0047】
この導通部材5の両端部は、ベアリングハウス部42、43の筒状部421、431の外側の空隙部AG1、AG2に配置される(図2および5参照)。これにより、空隙部AG1、AG2を利用して、電食防止の導通部材5をベアリングハウス部42、43の外周面に容易に固定することができる。
【0048】
<発明の特徴部>
ブラケット41は、モータ外郭10(本体部)の開口部Oを覆うカバー本体414と、カバー本体414と一体的に形成されたブラケット側嵌合部415とを備えている(図3参照)。これらのカバー本体414およびブラケット側嵌合部415は、上記の非磁性部44(端面部)に相当する。
カバー本体414は、全体が概ね円板形状に形成されている。ブラケット側嵌合部415は、図3に示すように、カバー本体414の外周縁部に配置されて回転軸C方向に向かって突出する円環形状の突起として形成されている。
【0049】
図4、5に示すように、モータ外郭10(本体部)の反出力側の端部(図4では上端部)には、ブラケット41に形成されたブラケット側嵌合部415に嵌合される、本体部側嵌合部11が形成されている。本体部側嵌合部11は、モータ外郭10(本体部)の環状部12から回転軸C方向に向かって突出する円環形状の突起として形成されている。
【0050】
図3に示されるブラケット41のブラケット側嵌合部415は、図4に示されるモータ外郭10の反出力側の端部に形成された本体部側嵌合部11に、回転軸C方向から嵌合される。これにより、図2、5に示すように、円環形状のブラケット側嵌合部415の内周側の側面と、円環形状の本体部側嵌合部11の外周側の側面とが向かい合い、モータ外郭10(本体部)とブラケット41とが軸合わせされるとともに、第1軸受33がブラケット41に設けられた第1軸受収容部42に収容される。
【0051】
また、モータ外郭10の環状部12における反出力側の端部(図4では上端部)には、固定子2に巻回された図示しない巻線に電気的に接続される端子ピン26と、回路基板81を取り付ける際の案内役としてのボス27とが設けられている。
ブラケット41は、端子ピン26や回路基板81が永久磁石電動機1の外部に露出するのを防止する絶縁カバーとして機能する。
本実施形態において、端子ピン26は3カ所設けられており、これらの端子ピン26に接続された回路基板81を覆い隠すように、ブラケット41はモータ外郭10に取り付けられる。
【0052】
ここで、モータ外郭10(本体部)とブラケット41とが互いに嵌合し合うと、有底円筒状のモータ外郭10と円板状のブラケット41とで囲まれた内部空間からリード線82を引き出すための、口出部7が形成されるようになっている。口出部7にはリード線82を回転軸Cの軸方向から挟持する挟持部が形成されている。この挟持部はモータ外郭10(本体部)に形成された本体側挟持部とブラケット41に形成されたブラケット側挟持部によって形成されている。また、口出部7には、挟持部として第1の挟持部71と、第1の挟持部71よりも電動機1における内径側に配置された第2の挟持部75とが形成されている。
【0053】
詳しくは後述するが、図4に示すように、モータ外郭10におけるブラケット41と対向する側の端部には、第1の挟持部71の一方である本体部側第1挟持部71aと、第2の挟持部75の一方である本体部側第2挟持部75aとが形成されている。また、図3に示すように、ブラケット41におけるモータ外郭10(本体部)と対向する側の端部には、第1の挟持部71の他方であるブラケット側第1挟持部71bと、第2の挟持部75の他方であるブラケット側第2挟持部75bとが形成されている。
【0054】
リード線82は、モータ外郭10およびブラケット41に形成された第1の挟持部71(本体部側第1挟持部71a、ブラケット側第1挟持部71b)によって、回転軸C方向の両側から挟持されている。
また、リード線82は、モータ外郭10およびブラケット41に形成された第2の挟持部75(本体部側第2挟持部75a、ブラケット側第2挟持部75b)によって、回転軸C方向の両側から挟持されている。
【0055】
口出部7の第1の挟持部71は、電動機1の外郭(モータ外郭10、ブラケット41)に囲まれた内部空間から外部へとリード線82を引き出すための穴(後述の挿通穴72)として機能しつつ、外部から電動機1の内部空間へと塵埃や水が浸入するのを防止している。また、口出部7の第2の挟持部75は、電動機1の外郭(モータ外郭10、ブラケット41)で囲まれた内部空間におけるリード線82の移動を規制している。
【0056】
まず、第1の挟持部71について詳細に説明する。図4に示すように、本体部側第1挟持部71aは、モータ外郭10の本体部側嵌合部11に形成されている。本体部側第1挟持部71aは、ブラケット41に対して当接する複数(少なくとも2つ)の当接部73aと、この複数の当接部73a同士の間に形成されてリード線82が挿通される溝部74aとを備えている。本実施形態では、三相交流の各相に対応する3本のリード線を個別に通せるように、本体部側嵌合部11に溝部74aが3つ設けられる。3つの溝部74aのそれぞれは、本体部側嵌合部11における回転軸C方向の一端側(シャフト32の反出力側)から概ね半円形状に窪む溝であり、本体部側嵌合部11の径方向長さ(電動機1の径方向における本体部側嵌合部11の幅)に亘って設けられている。
【0057】
図3に示すように、ブラケット側第1挟持部71bは、ブラケット41のブラケット側嵌合部415に形成されている。ブラケット側第1挟持部71bは、本体部側第1挟持部71aの当接部73aに対して当接する複数(少なくとも2つ)の当接部73bと、この複数の当接部73b同士の間に形成されてリード線82が挿通される溝部74bとを備えている。3つの溝部74bのそれぞれは、ブラケット側嵌合部415における回転軸C方向の一端側(シャフト32の出力側)から概ね半円形状に窪む溝であり、ブラケット側嵌合部415の径方向長さ(電動機1の径方向におけるブラケット側嵌合部415の幅)に亘って設けられている。
このように、第1の挟持部71は、モータ外郭10(本体部)とブラケット41のそれぞれに設けられた嵌合部(11、415)の一部であり、電動機1の組立時のブラケット41とモータ外郭10との嵌合により、3つの溝部74aが、3つの溝部74bと対向する位置に容易に位置決めされる。
【0058】
本実施例では、本体部10側の複数の当接部73aとブラケット41側の複数の当接部73b同士が当接することにより、概ね半円形状の溝部74aと溝部74bが回転軸C方向に向かい合い、リード線82が挿通される円形状の挿通穴72が形成される(図7参照)。つまり、これら3対の溝部74a、74bが、3本のリード線をそれぞれ通す3つの挿通穴72を形成する。このとき、リード線82は、本体部側第1挟持部71aの備える溝部74aの内面と、ブラケット側第1挟持部71bの備える溝部74bの内面とに挟持される。これにより、リード線82を電動機1の内部空間から外部へ引き出すためのブッシングが不要になる(部品点数の削減)。また、リード線をブッシングに通す工程と、そのブッシングを電動機の本体部に対して取り付ける工程が不要になり製造工程が簡素化される。そして、各々の挿通穴72に通される各リード線82は、回路基板81を介し、電動機1内の3つの端子ピン26の各々と電気的に接続される(図5、7参照)。
【0059】
なお、第1の挟持部71が備える、本体部10側の溝部74aやブラケット41側の溝部74bの個数は、3つに限定されるものではなく、例えば1つや4つ以上であってもよい。また、溝部74a、74bの形状(電動機1の径方向から見た、溝部74a、74bの内面の輪郭)は、半円状に限定されるものではなく、例えば矩形状であってもよい。なお、リード線を通す挿通穴72を形成する溝部は、モータ外郭10とブラケット41の一方のみに形成されてもよく(図示せず)、モータ外郭10とブラケット41の合わせ面にリード線82が通る大きさの挿通穴72が形成されればよい。
【0060】
モータ外郭10の溝部74aとブラケット41の溝部74bとは、リード線82を確実に挟持する(保持する)ブッシングの代わりとして機能するように、それぞれの溝の深さが調整されている。つまり、これらの溝部74a、74bは、電動機1の内部空間へ塵埃や水が浸入するのを防止する(電動機1の密閉性を高める)ために、リード線82を通せる一方、できる限り小さく形成されるのが望ましい。本実施例では、一対の溝部74a、74bによって形成される挿通穴72の大きさ(直径)は、弾性のあるリード線82の太さ(直径)と同じかわずかに小さくなるように形成されている。これにより、挿通穴72とリード線82との間の隙間から電動機1の内部空間に水や塵埃が侵入することを防止できる。
【0061】
次に、第2の挟持部75について詳細に説明する。モータ外郭10(本体部)側に設けられた第2の挟持部75である、本体部側第2挟持部75aは、図4に示すように、本体部側第1挟持部71aよりも電動機1における内径側に、本体部側第1挟持部71aに隣接して配置されている。本体部側第2挟持部75aは、後述のブラケット側第2挟持部75bと協働して、リード線82を中心軸Cに沿う方向(以下、軸方向という)から挟持する。本体部側第2挟持部75aは、環状部12の端面121からブラケット41側に向かってわずかに突出する段部として形成されている。本体部側第2挟持部(段部)75aの形状は、ブラケット41の後述するブラケット側第2挟持部75bの形状に対応し、第1の挟持部71から電動機1の内径方向に向かって本体部側第2挟持部(段部)75aの周方向の中央が突出する(膨らむ)半円状(アーチ状や扇状を含む)に形成されている。これにより、リード線82が電動機1の内部空間においていずれの方向(図4における右側や左側)に引き回される場合でも、電動機1の内部空間に位置する第2の挟持部75(75a)でリード線82を挟持することができる。そして、リード線82が電動機1の外周方向に引っ張られた場合でも、リード線82は第2の挟持部75の位置で保持されているので、リード線82と回路基板81との接続部が外れる方向に加わる力を緩和することができる。そのため、リード線82と回路基板81間での断線を防ぐことできる。
【0062】
ここで、モータ外郭10の本体部側嵌合部11には、後述するブラケット側第2挟持部75bを嵌合する際のガイドとなるガイド部112が形成されている(図4参照)。このガイド部112は、図3に示されるブラケット41のブラケット側第2挟持部75b(および突起76)の形状に対応する壁となっている。
本実施例での本体部側第2挟持部75aは、本体部側嵌合部11において口出部7の両側に形成された璧(ガイド部)112、112の間に形成されている。後述のブラケット側第2挟持部(段部)75bおよび突起76は、この璧(ガイド部)112、112の間に位置決めされる。
【0063】
ブラケット41側に設けられた第2の挟持部75である、ブラケット側第2挟持部75bは、図3に示すように、ブラケット側第1挟持部71bよりも電動機1における内径側に、ブラケット側第1挟持部71bに隣接して配置されている。ブラケット側第2挟持部75bは、先述の本体部側第2挟持部75aと協働して、リード線82を軸方向から挟持する。ブラケット側第2挟持部75bは、ブラケット41のカバー本体414の端面4141から、嵌合部415の突出方向と同じ方向に向かって(すなわち、モータ外郭10(本体部)側に向かって)わずかに突出する段部として形成されている。ブラケット側第2挟持部(段部)75bの形状は、本体部側第2挟持部(段部)75aの形状に対応し、第1の挟持部71から電動機1の内径方向に向かってブラケット側第2挟持部(段部)75bの周方向の中央が突出する(膨らむ)半円状(アーチ状や扇状を含む)に形成されている。これにより、リード線82が電動機1の内部空間においていずれの方向(図4における右側や左側)に引き回される場合でも、第2の挟持部75(75b)がリード線82を挟持することができる。そして、上述のように、リード線82が電動機1の外周方向に引っ張られた場合でも、リード線82は第2の挟持部75の位置で保持されているので、リード線82と回路基板81との接続部が外れる方向に加わる力を緩和することができる。そのため、リード線82と回路基板81間での断線を防ぐことできる。
【0064】
ここで、図6に示すように、本体部側第2挟持部75aが環状部12の端面121から軸方向へ突出する高さは、本体部側嵌合部11が環状部12の端面121から軸方向へ突出する高さよりも、低くなっている。また、ブラケット側第2挟持部75bがカバー本体414の端面4141から軸方向へ突出する高さは、ブラケット側嵌合部415がカバー本体414の端面4141から軸方向へ突出する高さよりも、低くなっている。そして、モータ外郭10(本体部)にブラケット41を嵌合した際に形成される電動機1の内部空間は、口出部7の第2の挟持部75における空間の高さが、リード線82の直径よりも小さく、電動機1の内部空間でのリード線82の径方向への移動が第2の挟持部75に保持されることによって規制されるようになっている。
【0065】
なお、実施例では、ブラケット側第2挟持部(段部)75bは、本体部側第2挟持部(段部)75aの電動機1における内径側の縁に沿って形成された突起部76を更に備えている。突起部76は、図6に示すように、本体部側第2挟持部(段部)75aよりも内径側に配置されている。そして、ブラケット側第2挟持部75bに形成された突起部76と、本体部側第2挟持部(段部)75aとの間に、クランク状の隙間が形成され、リード線82が突起部76に押さえつけられるようにして軸方向に対してS字状に屈曲する。そのため、電動機1の内部空間においてリード線82がいずれの方向(図4における右側や左側)に引き回される場合でも、リード線82を第2の挟持部75で確実に挟持することが可能になる。
【0066】
また、本実施例では、図2、6に示すように、第1の挟持部71と第2の挟持部75との間に空間が形成されている。これにより、仮に挿通穴72とリード線82との間のわずかな隙間から塵埃や水といった異物が電動機1の内部空間に浸入しても、この異物を第1の挟持部71と第2の挟持部75との間の空間に留めておくことができ、異物が基板81などに到達するのを防ぐことができる。
【0067】
以上のように、第2の挟持部75は、ブラケット41とモータ外郭10(本体部)の一方から他方に向かって突出する段差部(規制部)を備える。本実施例では、ブラケット41に形成されてブラケット41からモータ外郭10(本体部)に向かって突出する段差部75aと、モータ外郭10(本体部)に形成されてモータ外郭10からブラケット41に向かって突出する段差部75bとを備えている。リード線82は、段差部(規制部)75a、75bに挟持されることにより、モータ外郭10(本体部)とブラケット41とで囲まれた内部空間での移動が規制されている。
なお、段差部(規制部)75は、本体部(モータ外郭10)側とブラケット41側のいずれか一方のみに設けられるようにしてもよい。
【0068】
換言すれば、第1の挟持部71は、電動機1の外郭(モータ外郭10、ブラケット41)で囲まれた内部空間と外部とを隔てつつ、リード線82をその内部空間から外部へ引き出す機能を持つ。一方、第2の挟持部75は、電動機1の外郭で囲まれた内部空間において、リード線82が径方向に移動してしまうのを規制し、基板81とリード線82との接続部にかかる負荷を緩和する機能をもつ。
【0069】
上述したように、本実施形態では、電動機1の内部空間に配置された回路基板81に接続されたリード線82が、モータ外郭10(本体部)とブラケット41のそれぞれに形成された挟持部(第1の挟持部71および第2の挟持部75)によって軸方向から挟持されている。挟持部は、少なくともモータ外郭10(本体部)およびブラケット41の一方から他方に向かって突出する規制部(75a、75b)を備える。そして、リード線は、第1の挟持部71に形成された挿通穴72を介して電動機1の内部空間から外部へと引き出される。
これにより、リード線82を通すブッシングを不要にして部品点数を減らし、電動機1の組立性を向上させることができる。
【0070】
なお、本実施例では、電動機1の外郭(モータ外郭10およびブラケット41)は、リード線82が傷つくのを防止するために、その全体が樹脂で形成されている場合を例示したが、外郭は金属で形成して挟持部(第1の挟持部71、第2の挟持部75)のみを樹脂で形成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…電動機
2…固定子
3…回転子
10…モータ外郭(本体部)
32…シャフト
41…ブラケット
7…口出部
71…第1の挟持部
72…挿通穴
73…当接部
74…溝部
75…第2の挟持部
76…突起部
81…基板
82…リード線
O…開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7