【解決手段】低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金とSCR触媒とのブレンドを有する触媒。本触媒はまた、1つ又は2つの追加のSCR触媒も含有することができる。本触媒は、ブレンド、積層など、様々な構成のうちの1つで存在することができる。さらに、本触媒、基材、入口、出口を備えた触媒物品も提供できる。
前記組合せが、第1のSCR触媒を含む上部層及び低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む下部層を有する二層であり、下部層が、基材上、又は下部層と基材との間に位置している第3のSCR触媒上に配置されている、請求項1に記載の触媒。
第1のSCR触媒の量と低アンモニア貯蔵性を有する前記担体上の白金の量との比が、これらの構成成分の重量に基づいて、0:1から300:1の範囲、好ましくは3:1から300:1(両端を含む)の範囲にある、請求項2に記載の触媒。
低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドが、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項2に記載の触媒。
低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む下部層が、金(Au)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)又は銀(Ag)のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項3に記載の触媒。
前記モレキュラーシーブが、アルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩(AlPO)、シリコ−アルミノリン酸塩(SAPO)又はそれらの混合物である、請求項10に記載の触媒。
前記モレキュラーシーブが、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、BEA、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、FER、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MFI、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、請求項10に記載の触媒。
前記モレキュラーシーブが、AEI、AFX、BEA、CHA、DDR、ERI、FER、ITE、KFI、LEV、MFI及びSFW、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、請求項10に記載の触媒。
白金が、ブレンド中の白金の担体の重量+白金の重量+第1のSCR触媒の重量に対して、(a)0.01−0.3重量%、(b)0.03−0.2重量%、(c)0.05−0.17重量%、及び(d)0.07−0.15重量%(両端を含む)の少なくとも1つで存在する、請求項2に記載の触媒。
白金が、層の重量に対して、0.1重量%から2重量%(両端を含む)、好ましくは0.1から1重量%(両端を含む)、より好ましくは0.1重量%から0.5重量%(両端を含む)で存在する、請求項3に記載の触媒。
低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置しており、かつ低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている、第2のSCR触媒をさらに含む、請求項2に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、卑金属、卑金属の酸化物、貴金属、モレキュラーシーブ、金属交換されているモレキュラーシーブ、混合酸化物又はそれらの混合物を含む、請求項16に記載の触媒。
卑金属が、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、金属置換アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、アルミノリン酸塩(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換アルミノリン酸塩(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ−アルミノリン酸塩(SAPO)モレキュラーシーブ及び金属置換シリコ−アルミノリン酸塩(MeAPSO)モレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項17に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項18に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、CHA、LEV、AEI、AFX、ERI、SFW、KFI、DDR及びITEからなるフレームワークタイプの群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項18に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、中細孔モレキュラーシーブを含む、請求項18に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、大細孔モレキュラーシーブを含む、請求項18に記載の触媒。
前記第2のSCR触媒が、銅及びモレキュラーシーブを含むCu−SCR触媒、鉄及びモレキュラーシーブを含むFe−SCR触媒、バナジウムをベースとする触媒、プロモートされているCe−Zr又はプロモートされているMnO2である、請求項16に記載の触媒。
第3のSCR触媒をさらに含み、第3のSCR触媒は低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置しており、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドが、第3のSCR触媒と少なくとも一部が重なり合っている、請求項16に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、卑金属、卑金属の酸化物、貴金属、モレキュラーシーブ、金属交換されているモレキュラーシーブ又はそれらの混合物である、請求項29に記載の触媒。
前記卑金属が、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、金属置換アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、アルミノリン酸塩(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換アルミノリン酸塩(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ−アルミノリン酸塩(SAPO)モレキュラーシーブ及び金属置換シリコ−アルミノリン酸塩(MeAPSO)モレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、CHA、LEV、AEI、AFX、ERI、SFW、KFI、DDR及びITEからなるフレームワークタイプの群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含む、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、中細孔モレキュラーシーブを含む、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、大細孔モレキュラーシーブを含む、請求項30に記載の触媒。
前記第3のSCR触媒が、銅及びモレキュラーシーブを含むCu−SCR触媒、鉄及びモレキュラーシーブを含むFe−SCR触媒、バナジウムをベースとする触媒、プロモートされているCe−Zr又はプロモートされているMnO2である、請求項30に記載の触媒。
前記基材が、コーディエライト、高多孔度コーディエライト、金属基材、押出成形されたSCR、ウォールフローフィルター、フィルター又はSCRFである、請求項47に記載の物品。
前記基材が、コーディエライト、高多孔度コーディエライト、金属基材、押出成形されたSCR、ウォールフローフィルター、フィルター又はSCRFである、請求項49に記載の物品。
請求項29に記載の触媒、基材、入口及び出口を備えた、物品であって、第3のSCR触媒が、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の入口側に位置している、物品。
前記基材が、コーディエライト、高多孔度コーディエライト、金属基材、押出成形されたSCR、ウォールフローフィルター、フィルター又はSCRFである、請求項51に記載の物品。
前記基材が、コーディエライト、高多孔度コーディエライト、金属基材、押出成形されたSCR、ウォールフローフィルター、フィルター又はSCRFである、請求項52に記載の物品。
収率における改善が、比較配合物を含む触媒と比べて、約5%から約10%であり、第1のSCR触媒が第1の層として存在しており、アンモニアを貯蔵する担体上の白金が第2の層中に存在し、NH3を含むガスが第2の層を通過する前に第1の層を通過する、請求項60に記載の方法。
収率における改善が、比較配合物を含む触媒と比べて、約10%から約20%であり、第1のSCR触媒が第1の層として存在しており、アンモニアを貯蔵する担体上の白金が第2の層中に存在し、NH3を含むガスが第2の層を通過する前に第1の層を通過する、請求項62に記載の方法。
収率における改善が、比較配合物を含む触媒と比べて、約10%から約20%であり、第1のSCR触媒が第1の層として存在しており、アンモニアを貯蔵する担体上の白金が第2の層中に存在し、NH3を含むガスが第2の層を通過する前に第1の層を通過する、請求項64に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば、「触媒」に対する参照には、2種以上の触媒の混合物などが含まれる。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「アンモニアスリップ」は、SCR触媒を通過する未反応アンモニアの量を意味する。
【0015】
用語「担体」は、触媒が固定される材料を意味する。
【0016】
用語「低アンモニア貯蔵性を有する担体」は、担体1m
3あたり0.001mmol未満のNH
3を貯蔵する担体を意味する。低アンモニア貯蔵性を有する担体は、好ましくは、AEI、ANA、ATS、BEA、CDO、CFI、CHA、CON、DDR、ERI、FAU、FER、GON、IFR、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRY、ISV、ITE、ITG、ITN、ITR、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JOZ、LTA、LTF、MEL、MEP、MFI、MRE、MSE、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWW、NON、NSI、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFS、SFV、SGT、SOD、SSF、SSO、SSY、STF、STO、STT、SVR、SVV、TON、TUN、UOS、UOV、UTL、UWY、VET、VNIからなる群から選択されるフレームワークタイプを有するモレキュラーシーブ又はゼオライトである。より好ましくは、低アンモニア貯蔵性を有する担体は、BEA、CDO、CON、FAU、MEL、MFI及びMWWからなる群から選択されるフレームワークタイプを有するモレキュラーシーブ又はゼオライトであり、さらにより好ましくは、フレームワークタイプは、BEA及びMFIからなる群から選択される。
【0017】
用語「焼成する」又は「焼成」は、空気又は酸素中で材料を加熱することを意味する。この定義は、焼成のIUPACの定義と一致する(IUPAC. Compendium of Chemical Terminology、第2版(「Gold Book」)。A.D.McNaught及びA.Wilkinsonにより編集、Blackwell Scientific Publications、Oxford(1997年)。XMLオンライン修正版http://goldbook.iupac.org(2006年−)、M.Nic,J.Jirat、B.Kosataにより作製;A.Jenkinsにより編集されて更新、ISBN0−9678550−9−8. doi:10.1351/goldbook)。焼成は、金属塩を分解して、触媒内での金属イオンの交換を促進するために、やはりまた触媒を基材に付着させるために実施される。焼成に使用される温度は、焼成される材料中の構成成分に依存し、一般的に、約1から8時間、約400℃から約900℃の間である。一部の場合、焼成は、最高約1200℃の温度で実施され得る。本明細書に記載されている方法を含む用途では、焼成は、一般的に、約1から8時間、約400℃から約700℃の温度において、好ましくは、約1から4時間、約400℃から約650℃の温度において、実施される。
【0018】
用語「約(about)」は、およそ(approximately)を意味し、この用語が関連する値の、任意選択的に±25%、好ましくは±10%、より好ましくは±5%、又は最も好ましくは±1%となる範囲を指す。
【0019】
様々な数の要素に関する範囲(一又は複数)が提示される場合、別段の指定がない限り、その範囲(一又は複数)はその値を含むことができる。
【0020】
用語「N
2選択性」は、アンモニアの窒素への変換率を意味する。
【0021】
本発明の第1の態様では、触媒は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒との組合せを含む。低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒との組合せは、(a)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンド、又は(b)第1のSCR触媒を含む上部層及び低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む下部層を有する二層のどちらか一方であり、下部層は、基材上に配置され得る。低アンモニア貯蔵性を有する担体は、シリカ質担体とすることができる。シリカ質担体は、シリカ、又は≧100、好ましくは≧200、より好ましくは≧250、さらにより好ましくは≧300、とりわけ≧400、さらにとりわけ≧500、さらにとりわけ≧750、及び最も好ましくは≧1000となるシリカ対アルミナ比を有するゼオライトを含むことができる。本発明の各態様では、第1のSCR触媒は、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、より好ましくは(more)Cu−SCR触媒である。
【0022】
ブレンド中の第1のSCR触媒の量と低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金の量との比は、これらの構成成分の重量に基づいて、0.1から300:1(両端を含む)、好ましくは3:1から300:1(両端を含む)、より好ましくは7:1から100:1(両端を含む)の範囲、さらにより好ましくは10:1から50:1(両端を含む)の範囲にあることができる。
【0023】
用語「活性な構成成分の担持量」とは、ブレンド中の白金の担体の重量+白金の重量+第1のSCR触媒の重量を指す。白金は、約0.01から約0.3重量%(両端を含む)、好ましくは約0.03から0.2重量%(両端を含む)、より好ましくは約0.05から0.17重量%(両端を含む)、最も好ましくは約0.07から0.15重量%(両端を含む)の活性な構成成分の担持量で、触媒中に存在することができる。
【0024】
白金が、二層の下部層中に存在している場合、白金は、この層の重量に対して、約0.1重量%から2重量%(両端を含む)、好ましくは0.1から1重量%(両端を含む)、より好ましくは0.1重量%から0.5重量%(両端を含む)で存在することができる。パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)などのさらなる触媒が、Ptと一緒に、好ましくはPtを含むブレンド中に存在することができる。
【0025】
SCR触媒
様々な実施態様では、本組成物は1種、2種又は3種のSCR触媒を含むことができる。本組成物中に常に存在している、第1のSCR触媒は、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体に担持されているPtを含むブレンド中、又は(2)触媒が二層中に存在しており、かつPtが下部層中に存在している場合、上部層中のどちらか一方に存在することができる。第1のSCR触媒は、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、より好ましくはCu−SCR触媒である。Cu−SCR触媒は、銅及びモレキュラーシーブを含む。Fe−SCR触媒は、鉄及びモレキュラーシーブを含む。モレキュラーシーブは、以下にさらに記載されている。モレキュラーシーブは、アルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩(AlPO)、シリコ−アルミノリン酸塩(SAPO)又はそれらの混合物とすることができる。銅又は鉄は、モレキュラーシーブのフレームワーク内部、及び/又はモレキュラーシーブ内のフレームワーク外の(交換可能な)部位中に位置することができる。
【0026】
第2及び第3のSCR触媒は、同一又は異なることができる。第2及び第3のSCR触媒は、卑金属、卑金属の酸化物、貴金属、モレキュラーシーブ、金属交換されているモレキュラーシーブ又はそれらの混合物とすることができる。卑金属は、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、酸化セリウム及びそれらの組合せなどの耐火性金属酸化物上に担持されているバナジウムからなるSCR組成物が周知であり、モバイル用途において商業的に広く使用されている。典型的な組成物は、米国特許第4010238号及び同第4085193号に記載され、それらの全内容が出典明示により本明細書に援用されている。とりわけ、モバイル用途において、商業的に使用されている組成物は、TiO
2であって、その上にWO
3及びV
2O
5がそれぞれ、5から20重量%及び0.5から6重量%の範囲の濃度で分散されているTiO
2を含む。貴金属は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)銀(Ag)、ルテニウム(Ru)若しくはロジウム(Rh)、又はそれらの混合物とすることができる。第2のSCR触媒は、プロモートされているCe−Zr又はMnO
2を含むことができる。これらの触媒は、結合剤及びプロモーターとして働くSiO
2及びZrO
2などの他の無機物質を含有していてもよい。
【0027】
SCR触媒が卑金属である場合、触媒物品は、少なくとも1つの卑金属プロモーターをさらに含むことができる。本明細書で使用する場合、「プロモーター」は、触媒に添加すると、該触媒の活性が向上する物質を意味することが理解される。卑金属プロモーターは、金属、金属の酸化物又はそれらの混合物の形態にあることができる。少なくとも1つの卑金属触媒プロモーターは、ネオジム(Nd)、バリウム(Ba)、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)及びそれらの酸化物から選択されてもよい。少なくとも1つの卑金属触媒プロモーターは、好ましくは、MnO
2、Mn
2O
3、Fe
2O
3、SnO
2、CuO、CoO、CeO
2及びそれらの混合物とすることができる。少なくとも1つの卑金属触媒プロモーターは、硝酸塩又は酢酸塩などの、水溶液中の塩の形態で触媒に添加されてもよい。少なくとも1つの卑金属触媒プロモーター及び少なくとも1つの卑金属触媒、例えば銅は、酸化物担体材料上に水溶液から含浸されてもよく、酸化物担体材料を含むウオッシュコートに添加されてもよく、又はウオッシュコートにより予めコーティングされている担体に含浸されてもよい。
【0028】
SCR触媒は、モレキュラーシーブ又は金属交換されているモレキュラーシーブを含むことができる。本明細書において使用されている場合、「モレキュラーシーブ」は、気体又は液体のための吸着剤として使用され得る、精密かつ均一なサイズの小さな細孔を含有する準安定物質を意味すると理解される。細孔を通過するほど十分に小さい分子は吸着される一方、より大きな分子は吸着されない。モレキュラーシーブは、ゼオライト系モレキュラーシーブ、非ゼオライト系モレキュラーシーブ又はそれらの混合物とすることができる。
【0029】
ゼオライト系モレキュラーシーブは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)(IZA)により出版されているDatabase of Zeolite Structuresに列挙されているフレームワーク構造のうちのいずれか1つを有するマイクロ多孔質アルミノケイ酸塩である。フレームワーク構造には、以下に限定されないが、CHA、FAU、BEA、MFI、MORタイプのものが含まれる。これらの構造を有するゼオライトの非限定例は、チャバサイト、フォージャサイト、ゼオライトY、超安定ゼオライトY、ベータゼオライト、モルデナイト、シリカライト、ゼオライトX及びZSM−5を含む。アルミノケイ酸塩ゼオライトは、約10から200までの有用な範囲を有する、少なくとも約5、好ましくは少なくとも約20からの、SiO
2/Al
2O
3として定義されるシリカ/アルミナモル比(silica/alumina molar ratio:SAR)を有することができる。
【0030】
SCR触媒のいずれも、小細孔、中細孔若しくは大細孔モレキュラーシーブ、又はそれらの混合物を含むことができる。「小細孔モレキュラーシーブ」は、8個のテトラヘドラル原子の最大環サイズを含有するモレキュラーシーブである。「中細孔モレキュラーシーブ」は、10個のテトラヘドラル原子の最大環サイズを含有するモレキュラーシーブである。「大細孔モレキュラーシーブ」は、12個のテトラヘドラル原子の最大環サイズを有するモレキュラーシーブである。第2及び/又は第3のSCR触媒は、アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、金属置換アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、アルミノリン酸塩(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換アルミノリン酸塩(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ−アルミノリン酸塩(SAPO)モレキュラーシーブ及び金属置換シリコ−アルミノリン酸塩(MeAPSO)モレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含むことができる。
【0031】
SCR触媒のいずれも、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SFW、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、小細孔モレキュラーシーブを含むことができる。好ましくは、小細孔モレキュラーシーブは、CHA、LEV、AEI、AFX、ERI、SFW、KFI、DDR及びITEからなるフレームワークタイプの群から選択される。
【0032】
SCR触媒のいずれも、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、−SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、中細孔モレキュラーシーブを含むことができる。好ましくは、中細孔モレキュラーシーブは、MFI、FER及びSTTからなるフレームワークタイプの群から選択される。
【0033】
SCR触媒のいずれも、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなるフレームワークタイプの群から選択される、大細孔モレキュラーシーブを含むことができる。好ましくは、大細孔モレキュラーシーブは、MOR、OFF及びBEAからなるフレームワークタイプの群から選択される。
【0034】
Cu−SCR触媒及びFe−SCR触媒中のモレキュラーシーブは、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、ZON、BEA、MFI及びFER、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる群から好ましくは選択される。より好ましくは、Cu−SCR及びFe−SCR中のモレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、KFI、LEV、SFW、BEA、MFI及びFER、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる群から選択される。
【0035】
金属交換されているモレキュラーシーブは、モレキュラーシーブの外部表面、又はそのチャネル、空洞若しくはケージ内の余分のフレームワーク部位上に堆積される、周期表のVB、VIB、VIIB、VIIIB、IB又はIIB族のうちの1つから少なくとも1つの金属を有することができる。金属は、以下に限定されないが、ゼロ価の金属原子若しくはクラスター、孤立陽イオン、単核若しくは多核オキシ陽イオンを含めたいくつかの形態の1つであってもよく、又は広がりある金属酸化物として存在してもよい。好ましくは、金属は、鉄、銅、及びそれらの混合物又は組合せとすることができる。
【0036】
金属は、適切な溶媒中で、金属前駆体の混合物又は溶液を使用して、ゼオライトと混合され得る。用語「金属前駆体」は、触媒的に活性な金属の構成成分をもたらすよう、ゼオライト上に分散され得る任意の化合物又は錯体を意味する。好ましくは、溶媒は、他の溶媒を使用する経済的及び環境的側面の両方のため、水である。好ましい金属である銅が使用される場合、好適な錯体又は化合物は、以下に限定されないが、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、アセチル酢酸銅、酸化銅、水酸化銅及び銅アミンの塩(例えば、[Cu(NH
3)
4]
2+)の無水物又は水和物を含む。本発明は、特定のタイプ、組成又は純度の金属前駆体に限定されない。モレキュラーシーブは、金属の構成成分の溶液に添加されて、懸濁液を形成することができ、次に、この懸濁液を反応させて、金属の構成成分をゼオライト上に分布させる。金属は、モレキュラーシーブの細孔チャネル中、及びその外面表面に分布させることができる。金属は、イオン形態で又は金属酸化物として分布され得る。例えば、銅は、銅(II)イオン、銅(I)イオンとして、又は酸化銅として分布され得る。金属を含有するモレキュラーシーブは、懸濁液の液相から分離され、洗浄及び乾燥され得る。次に、得られた金属含有モレキュラーシーブは、焼成されて、モレキュラーシーブ中の金属を固定することができる。好ましくは、第2及び第3の触媒は、銅及びモレキュラーシーブを含むCu−SCR触媒、鉄及びモレキュラーシーブを含むFe−SCR触媒、バナジウムをベースとする触媒、プロモートされているCe−Zr又はプロモートされているMnO
2を含む。
【0037】
金属交換されているモレキュラーシーブは、約0.10重量%及び約10重量%の範囲で、モレキュラーシーブの外部表面、又はそのチャネル、空洞若しくはケージ内の余分のフレームワーク部位上に位置する、VB、VIB、VIIB、VIIIB、IB又はIIB族金属を含有することができる。好ましくは、余分のフレームワーク金属は、約0.2重量%及び約5重量%の範囲の量で存在することができる。
【0038】
金属交換されているモレキュラーシーブは、触媒の総重量の約0.1から約20.0重量%の銅又は鉄を有する、銅(Cu)又は鉄(Fe)が担持されているモレキュラーシーブとすることができる。より好ましくは、銅又は鉄は、触媒の総重量の約0.5重量%から約15重量%で存在する。最も好ましくは、銅又は鉄は、触媒の総重量の約1重量%から約9重量%で存在する。
【0039】
組成物は、Ptと混合された一又は複数の追加の金属を含むことができる。これらの一又は複数の追加の金属は、金(Au)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)又は銀(Ag)とすることができる。これらの金属は、約0.1重量%から約20重量%(両端を含む)、好ましくは約0.3重量%から約10重量%(両端を含む)で存在することができる。
【0040】
本発明の第1の態様では、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドは、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)のうちの少なくとも1種をさらに含むことができる。
【0041】
本発明の第1の態様では、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む下部層は、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)のうちの少なくとも1種をさらに含むことができる。下部層は、アンモニア貯蔵性を有する混合酸化物触媒も含有することができる。この混合酸化物触媒は、好ましくは、プロモートされているCeZr又はMnO
2である。
【0042】
本明細書に記載されている触媒は、様々なエンジンに由来する排気ガスのSCR処理に使用することができる。第1のSCR触媒がCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の特性の1つは、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃から約350℃の温度でのアンモニアからのN
2収率における改善を提供することができることであり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、白金はアンモニアを貯蔵する層上に担持されて、第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。第1のSCR触媒がCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の別の特性は、比較配合物を含む触媒と比べて、NH
3からのN
2O形成の低減を提供することができることであり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、白金はアンモニアを貯蔵する担体に担持されて、第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0043】
本発明の別の態様では、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒を作製する方法は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む触媒を第1のSCR触媒とブレンドすることを含み、第1のSCR触媒は、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である。当業者であれば、これらの物質がブレンドされ得る方法を認識している。例えば、白金は、従来的なインシピエントウエットネス(incipient wetness)技法を使用して、低アンモニア貯蔵性を有する担体を白金塩、好ましくは硝酸白金の溶液に含浸することによって、低アンモニア貯蔵性を有する担体の上に調製することができる。浸漬後、この担体を、静電オーブン中の空気中、好ましくは約100℃において、約5時間、乾燥し、次に、静電オーブン中の空気中、約500℃で2時間、焼成することができる。低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金は、当業者には公知の様々な技法によって、第1のSCRと混合され得る。例えば、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金の混合物は、工業用ミキサーを使用して、アンモニアを担持しない担体上で、白金の粉末をSCR触媒の粉末と一緒にスラリーにすることにより、ウオッシュコート中の第1のSCR触媒とブレンドすることができる。アルミナなどの結合剤を加えることができる。次に、このスラリーは、ハニカム基材などの基材上にウオッシュコートとして塗布され得る。
【0044】
本発明の一態様では、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の様々な構成物が調製され得る。第1のSCR触媒内に低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金のブレンドを含む触媒の一部は、下記の図において「ブレンド」と表示されている。
【0045】
第1の構成では、触媒は、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2の層は、第1の層の上の層に位置しており、第2の層は第1の層のすべてを被覆している。
図1は、第2のSCRは、排気ガス流中、ブレンドの上に配置されており、第2のSCRは該ブレンド全体を被覆している、構成を図示している。
【0046】
第2の構成では、触媒は、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2のSCR触媒の第1の部分は、第1の層の上流に位置しており、第2のSCR触媒の第2の部分は第2の層中に存在しており、第2の層は第1の層のすべてを被覆している。
図2は、第2のSCRは、排気ガス流中、ブレンドの前に配置されており、第2のSCRは該ブレンド全体を被覆している、構成を図示している。
【0047】
第3の構成では、触媒は、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2のSCR触媒の第1の部分は、第1の層の上流に位置しており、第2のSCR触媒の第2の部分は第2の層中に存在しており、第2の層は第1の層のすべてではなく一部を被覆している。第2のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%(両端を含む)の量で重なり合うことができる。
図3は、第2のSCRは、排気ガス流中、ブレンドの前に配置されており、第2のSCRは、該ブレンドのすべてではなく、その一部を被覆している構成を図示している。
図3では、第2のSCRは、ブレンドの約40%を被覆している。
【0048】
第4の構成では、触媒は、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2のSCR触媒の第1の部分は、第1の層の下流に位置しており、第2のSCR触媒の第2の部分は第2の層中に存在しており、第2の層は第1の層のすべてを被覆している。
図4は、第2のSCRは、ブレンド全体を被覆し、第2のSCRの一部は、排気ガス流中、ブレンドの後に配置されている構成を図示している。
【0049】
第5の構成では、触媒は、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2のSCR触媒の第1の部分は、第1の層の下流に位置しており、第2のSCR触媒の第2の部分は第2の層中に存在しており、第2の層は第1の層のすべてではなく一部を被覆している。第2のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%(両端を含む)の量で重なり合うことができる。
図5は、第2のSCRは、ブレンド全体ではなく、その一部を被覆し、第2のSCRの一部は、排気ガス流中、ブレンドの後に配置されている構成を図示している。
図5では、第2のSCRは、ブレンドの約95%を被覆している。
【0050】
第6の構成では、触媒は、第3のSCR触媒を含む第1の層を含むことができる。第1の層は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドによって、完全ではないが一部が被覆されており、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である。ブレンドは、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%(両端を含む)の量で第3のSCR触媒を被覆することができる。第2の層は、第2のSCR触媒を含む第3の層によって被覆されており、この場合、第3の層は第2の層全体を被覆している。
図6は、第3のSCR触媒が基材上の下部層であり、第2の層はブレンドを含んで、第3のSCR触媒の一部を被覆し、第3の層は、第2のSCRを含んで、第2の層の上に配置されており、ブレンド層のすべてを被覆している構成を図示している。
【0051】
第7の構成では、触媒は、第3のSCR触媒を含む第1の層を含むことができる。第1の層は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドによって、完全ではないが一部が被覆されており、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である。ブレンドは、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%の量で第3のSCR触媒を被覆することができる。第2の層は、第2のSCR触媒を含む第3の層によって被覆されており、この場合、第3の層は、第2の層を完全ではないが、一部を被覆しており、第2のSCR触媒の一部もまた、ブレンドの下流に位置しており、かつ第2の層から下流にある第3のSCR触媒の一部をやはり被覆している。第2のSCR触媒は、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%(両端を含む)の量で第3のSCR触媒を被覆することができる。
図7は、第3のSCR触媒が基材上の下部層であり、第2の層はブレンドを含んで、第3のSCR触媒を完全にではなく一部を被覆し、第3の層は、第2のSCRを含んで、第2の層の上に配置され、ブレンド層のすべてを完全にではなく、一部を被覆している構成を図示している。第2の層は第1の層の約60%を被覆しており、第2のSCRを含む層は第1の層の約20%を被覆している。用語「被覆する」は、異なる層と直接、接触している層の一部を意味する。
【0052】
第8の構成では、触媒は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む単層を含むことができる。
図8は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む単層が、排気ガス流中に配置されている構成を図示している。
【0053】
第9の構成では、触媒は、第1のSCR触媒を含む低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2の層は、第1の層の上の層に位置しており、第2の層は第1の層のすべてを被覆している。
図9は、第2のSCRが、排気ガス流中、担持されている白金の上に配置されており、第2のSCRは担持されている白金のすべてを被覆している、構成を図示している。
【0054】
第10の構成では、触媒は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む第1の層、及び第2のSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、第2のSCR触媒の第1の部分は、第1の層の上流に位置しており、第2のSCR触媒の第2の部分は第2の層中に存在しており、第2の層は第1の層のすべてを被覆している。
図10は、第2のSCRが、排気ガス流中、ブレンドの前に配置されており、第2のSCRは担持されている白金のすべてを被覆している、構成を図示している。
【0055】
第11の構成では、触媒は、第3のSCR触媒を含む第1の層を含むことができる。第1の層は、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金を含む第2の層によって、完全にではないが、一部が被覆されている。担持されている白金を含む層は、約10%から95%(両端を含む)、好ましくは50%から95%(両端を含む)の量で第3のSCR触媒を被覆することができる。担持されている白金を含む第2の層は、第2のSCR触媒を含む第3の層によって被覆されており、この場合、第3の層は第2の層全体を被覆している。
図11は、第3のSCR触媒が基材上の下部層であり、第2の層は担持されているPtを含んで、第3のSCR触媒の一部を被覆し、第3の層は、第2のSCRを含んで、第2の層の上に配置されており、担持されている白金のすべてを被覆している構成を図示している。
【0056】
本発明の一態様では、物品は、(1)本発明の第1の態様の触媒、(2)触媒がその上に位置している基材、(3)入口、及び(4)出口を備える。触媒は、上記の構成の1つを有することができる。
【0057】
触媒用の基材は、ハニカム構造、押出成形担体、金属基材又はSCRFなどのフロースルー構造又はフィルター構造を含む自動車用触媒を調製するために、通常、使用される任意の材料であってもよい。好ましくは、基材は、通路が開放されて流体が流れるよう、基材の入口面から出口面に延在している複数の平行した微細なガス流通路を有する。このようなモノリス担体は、断面積1平方インチあたり、最大約700個又はそれ超の流通路(又は、「セル」)を含有することができるが、かなり少ないものが使用されてもよい。例えば、担体は、1平方インチあたり(「cpsi」)、約7から600個、より一般には、約100から400個のセルを有してもよい。それらの流体入口からそれらの流体出口まで実質的に一直線の経路である通路は、壁であって、その上にSCR触媒が「ウオッシュコート」としてコーティングされ、その結果、該通路を流れるガスが触媒材料に接触する、上記の壁によって画定される。モノリス基材の流通路は、台形、矩形、四角形、三角形、シヌソイド、六角形、楕円、円などの任意の好適な断面形状となり得る、薄壁チャネルである。本発明は、特定の基材タイプ、材料又は形状に限定されない。
【0058】
セラミック基材は、コーディエライト、コーディエライト−αアルミナ、α−アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、スポジュメン、アルミナ−シリカマグネシア、ケイ酸ジルコニウム、シリマナイト、ケイ酸マグネシウム、ジルコン、ペタライト、アルミノケイ酸塩及びそれらの混合物などの任意の好適な耐火材料から作製されてもよい。
【0059】
ウォールフロー基材も、コーディエライト及び炭化ケイ素から形成されるものなどの、セラミック繊維複合材料から形成されてもよい。このような材料は、排気流を処理する際に直面する環境、特に高温に耐えることが可能である。
【0060】
基材は、高多孔度基材とすることができる。用語「高多孔度基材」は、約40%と約80%との間の多孔率を有する基材を指す。高多孔度基材は、好ましくは少なくとも約45%、より好ましくは少なくとも約50%の多孔率を有することができる。高多孔度基材は、好ましくは約75%未満、より好ましくは約70%未満の多孔率を有することができる。多孔率という用語は、本明細書で使用する場合、好ましくは水銀ポロシメーターを用いて測定される、全多孔率を指す。
【0061】
好ましくは、基材は、コーディエライト、高多孔度コーディエライト、金属基材、押出成形されたSCR、ウォールフローフィルター、フィルター又はSCRFとすることができる。
【0062】
第1のSCR触媒が好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である、シリカ質担体上の白金と第1のSCR触媒とからなるブレンドを含むウオッシュコートは、当分野において公知の方法を使用して、基材の入口側に塗布することができる。ウオッシュコートの塗布後、組成物は乾燥されて、焼結することができる。本組成物が第2のSCRを含む場合、第2のSCRは、上記の通り、別々のウオッシュコートで、下部層を有する焼成済み物品に塗布することができる。第2のウオッシュコートが塗布された後、第1の層に対して行われた通り、このウオッシュコートを乾燥して焼成することができる。
【0063】
層を含有している白金を有する基材は、300℃から1200℃、好ましくは400℃から700℃、及びより好ましくは450℃から650℃の範囲内の温度で、乾燥及び焼成が行われ得る。焼成は、乾燥条件下で好ましくは行われるが、熱水により、すなわちある程度の水分含有の存在下で行うこともできる。焼成は、約30分と約4時間との間、好ましくは約30分と約2時間との間、より好ましくは約30分と約1時間との間の時間、行うことができる。
【0064】
触媒を備えることができる排気システムは、上記の11の構成の1つ及び排気ガス中でNH
3を形成する手段を有し、この場合、NH
3は、排気ガスが触媒に接触するようになる前に、排気ガス中に形成される。
【0065】
排気システムは、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金及び第1のSCR触媒を含む触媒であって、第1のSCR触媒が好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、第1のSCR触媒が白金とのブレンドとして存在している上記触媒、及び(2)排気ガス中でNH
3を形成する手段を備えることができ、この場合、排気ガスが触媒と接触するようになる前に、NH
3が排気ガス中に形成される。排気システムは、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒であって、第1のSCR触媒が好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である上記触媒、(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている第2のSCR触媒、及び(3)排気ガス中でNH
3を形成する手段を備えることができ、この場合、排気ガスが触媒と接触するようになる前に、NH
3が排気ガス中に形成される。排気システムは、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒であって、第1のSCR触媒が好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である上記触媒、(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている第2のSCR触媒、(3)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第3のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドが、第3のSCR触媒と少なくとも一部が重なり合っている第3のSCR触媒、及び(4)排気ガス中でNH
3を形成する手段を備えることができ、この場合、排気ガスが触媒と接触するようになる前に、NH
3が排気ガス中に形成される。
【0066】
本発明の別の態様では、約250℃から約350℃の温度での排気ガス中でアンモニアからのN
2収率を改善する方法は、アンモニアを含む排気ガスを本発明の第1の態様の触媒に接触させることを含む。収率における改善は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約10%から約20%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0067】
本発明の別の態様では、約250℃から約350℃の温度での排気ガス中でアンモニアからのN
2収率を改善する方法は、アンモニアを含む排気ガスを、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドであって、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、第1のSCR触媒が、白金を含むブレンドとして存在している、上記ブレンド、及び(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている、第2のSCR触媒を含む触媒に接触させることを含む。収率における改善は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約10%から約20%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0068】
本発明の別の態様では、約250℃から約350℃の温度での排気ガス中でアンモニアからのN
2収率を改善する方法は、アンモニアを含む排気ガスを、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドであって、第1のSCR触媒が、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、第1のSCR触媒が、白金を含むブレンドとして存在している、上記ブレンド、(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている、第2のSCR触媒、及び(3)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第3のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドが、第3のSCR触媒と少なくとも一部が重なり合っている、第3のSCR触媒を含む触媒に接触させることを含む。収率における改善は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約10%から約20%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0069】
本発明の別の態様では、排気ガス中におけるNH
3からのN
2O形成を低減する方法は、アンモニアを含む排気ガスを低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒に接触させることを含み、第1のSCR触媒は、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒である。N
2Oの還元収率は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約40%から約70%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0070】
本発明の別の態様では、排気ガス中のNH
3からのN
2O形成を低減する方法は、アンモニアを含む排気ガスを、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドであって、第1のSCR触媒、好ましくはCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒が白金を含むブレンドとして存在している、上記ブレンド、及び(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている、第2のSCR触媒を含む触媒に接触させることを含む。N
2Oの還元収率は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約40%から約70%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0071】
本発明の別の態様では、排気ガス中のNH
3からのN
2O形成を低減する方法は、アンモニアを含む排気ガスを、(1)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドであって、第1のSCR触媒がCu−SCR触媒又はFe−SCR触媒であり、第1のSCR触媒が、白金を含むブレンドとして存在している、上記ブレンド、(2)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第2のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも一部が重なり合っている、第2のSCR触媒、及び(3)低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置している第3のSCR触媒であって、低アンモニア貯蔵性を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドが、第3のSCR触媒と少なくとも一部が重なり合っている、第3のSCR触媒を含む触媒に接触させることを含む。N
2Oの還元収率は、比較配合物を含む触媒と比べて、約250℃で約40%から約70%とすることが可能であり、この場合、第1のSCR触媒は第1の層として存在しており、担持されている白金は第2の層中に存在し、NH
3を含むガスは第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0072】
以下の実施例は、単に本発明を例示しているに過ぎない。当業者は、本発明の趣旨及び特許請求の範囲内にある、多数の変形を認識している。
【実施例】
【0073】
実施例1 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(1重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(1重量%)とCu−CHA(銅チャバサイト)とのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布した。真空を使用して、このウオッシュコートをこの基材に定着させた(pulled down)。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.18g/in
3及び1.8g/in
3であった。
【0074】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例1である。実施例1の構成は、
図1に示されている。
【0075】
実施例2 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(2重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(2重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.09g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0076】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例2である。実施例2の構成は、
図1に示されている。
【0077】
実施例3 − 下部層におけるCu−CHAを含むアモルファスシリカ担持Pt(2重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
アモルファスシリカ担持Pt(2重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを使用して、セラミック基材に下部層を塗布した。セラミック基材にウオッシュコートを塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.09g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0078】
Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを使用して、下部層によりコーティングされている基材に上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例3である。実施例3の構成は、
図1に示されている。
【0079】
実施例4 − 下部層におけるCu−CHAを含むアルミナ担持Pt(1重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHAにより被覆されている。
アルミナ担持Pt(1重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを使用することを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.18g/in
3及び1.8g/in
3であった。
【0080】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例4である。実施例4の構成は、
図1に示されている。
【0081】
実施例5 − 下部層におけるCu−CHAを含むチタニア担持Pt(2重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
チタニア担持Pt(2重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.09g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0082】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例5である。実施例5の構成は、
図1に示されている。
【0083】
実施例1−5は、下部層に類似したブレンド構成及び完全に被覆されているCu−CHA上部層を有する新しい触媒のNH
3酸化活性を比較したものであり、このブレンドは、様々な担体材料:シリカゼオライト、シリカ、アルミナ及びチタニアに担持されているPtを含む(表1)。実施例1−2は、250℃において最高のNH
3酸化活性をもたらし、変換率は80%を超えた。対照的に、実施例3−5は、250℃において、実質的に一層低いNH
3変換率をもたらした。これらの結果により、満足するNH
3酸化活性を実現するためには、シリカ質担体(例えば、ゼオライト又はシリカ)などの低アンモニア貯蔵性を有する担体に担持したPtが必要であることが示唆される。
【0084】
実施例6 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=40)担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=40を有するMFIフレームワーク)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0085】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例6である。実施例6の構成は、
図1に示されている。
【0086】
実施例7 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=850)担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=850を有するMFIフレームワーク)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0087】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例7である。実施例7の構成は、
図1に示されている。
【0088】
実施例8 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の全長がCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0089】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の100%がCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例8である。実施例8の構成は、
図1に示されている。
【0090】
実施例6−8は、ブレンドされた下部層及び完全に被覆された上部層を有する触媒を比較したものであり、この場合、ブレンドは、様々なSAR値を有するゼオライトに担持されているPtを含む(表2)。実施例6−8における3つの触媒は、新しい場合、すべてが、250℃において類似したNH
3変換率をもたらしたが、250℃におけるN
2O生成は、実施例6(SAR=40)において最高となり、実施例8(SAR=2100)において最低となった。これらの結果により、高シリカゼオライト(SAR>1000を有するゼオライトなど)は、低いN
2O形成及び高い水熱耐久性を達成するのに、Pt担体として最も好適であることが示唆される。
【0091】
実施例9 − 二層配合物−Cu−SCR上部層を有するアルミナ担持Pt−比較例
アルミナ担持Pt下部層及びSCR上部層を有する二層配合物を比較例として使用した。
【0092】
アルミナ担持Pt(0.3重量%)を含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt担持量は、3g/ft
3であった。
【0093】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この材料は実施例9である。エージングした試料は、実施例9の試料を、10%のH
2Oを含有している雰囲気中、620℃で50時間、エージングすることにより調製した。実施例9の構成は、
図8に示されている。
【0094】
実施例10: Cu−SCR上部層しか含まないMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(0.3重量%)の単層配合物を比較例として使用した。
【0095】
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(0.3重量%)を含むウオッシュコートスラリーを含む触媒物品をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品上の白金担持量は、3g/ft
3であった。この基材を乾燥して水分を除去し、次に、約500℃で約1時間、焼成した。この材料は、実施例10である。エージングした試料は、実施例10の試料を、10%のH
2Oを含有している雰囲気中、620℃で50時間、エージングすることにより調製した。実施例10の構成は、
図8に示されている。
【0096】
実施例11 − Cu−CHA有するMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(4重量%)の単層ブレンド
ZSM−5ゼオライト(SAR1500)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを調製した。このウオッシュコートをセラミック基材の入口側に塗布し、次に、真空を使用して、このウオッシュコートをこの基材に定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。Pt、ZSM−5及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045/in
3及び0.9g/in
3であった。この材料は、実施例11である。エージングした試料は、実施例11の試料を、10%のH
2Oを含有している雰囲気中、620℃で50時間、エージングすることにより調製した。実施例11の構成は、
図9に示されている。
【0097】
実施例12 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の50%が入口からCu−CHA上部層により被覆されている。
下部層におけるCu−CHAを含む高SARゼオライト担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHA SCR(50%)とのブレンドを含む二層配合物を下記の通り調製した。
【0098】
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0099】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の50%が入口からCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例12である。エージングした試料は、実施例12の試料を、10%のH
2Oを含有している雰囲気中、620℃で50時間、エージングすることにより調製した。実施例12の構成は、
図3に示されている。
【0100】
実施例13 − 下部層におけるCu−CHAを含むMFIゼオライト(SAR=2100)担持Pt(4重量%)と上部層におけるCu−CHAとの二層ブレンドであり、Pt下部層の90%が出口からCu−CHA上部層により被覆されている。
ZSM−5(SAR=2100を有するMFIフレームワーク)担持Pt(4重量%)とCu−CHAとのブレンドを含むウオッシュコートを含む下部層をセラミック基材に塗布し、次に、真空を使用して、基材にウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。この物品上のPt、高SARゼオライト及びCu−CHAの担持量は、それぞれ、3g/ft
3、0.045g/in
3及び0.9g/in
3であった。
【0101】
下部層によりコーティングされている基材に、Cu−CHAを含む第2のウオッシュコートを含む上部層を塗布し、次に、真空を使用して、この基材の長さの約50%の距離まで基材にこのウオッシュコートを定着させた。この物品を乾燥し、約500℃で約1時間、焼成した。上部層中のCu−CHAの担持量は、1.8g/in
3であった。この物品の長さ方向に沿って、適切な位置でこの物品を裁断し、ブレンド下部層の90%が出口からCu−CHA上部層により被覆されている、新しいより小さな物品を形成させた。この材料は、実施例12である。エージングした試料は、実施例12の試料を、10%のH
2Oを含有している雰囲気中、620℃で50時間、エージングすることにより調製した。実施例13の構成は、
図10に示されている。
【0102】
表3の実施例8−13は、Cu−CHA上部層全体を有する下部層として、アルミナ担持Ptを有するASC(実施例1)、上部層全体を有する下部層としてシリカゼオライト担持Pt(実施例10)、及び様々な上部層構成を有するシリカゼオライト担持Pt+Cu−CHAブレンドである下部層(実施例8、11−13)を比較したものである。
【0103】
実施例9対実施例10:
実施例9及び10の新しい触媒とエージング済み触媒のどちらも、250℃及び450℃において類似したNH
3変換率をもたらした。新しい触媒である場合、実施例9及び10は、250℃において類似量のN
2Oを生成した。しかし、エージング後、実施例10は、実施例9と比べると、250℃において、約40%少ないN
2Oを生成した。新しい触媒である場合、実施例9及び10は、450℃において類似量のNO
xを生成した。しかし、エージング後、実施例10は、実施例9と比べると、250℃において、約25%少ないNO
xを生成した。新しい触媒の場合、実施例9及び10は、250℃及び450℃のどちらにおいても、類似したN
2収率をもたらした。しかし、エージング後、実施例10は、250℃及び450℃において、実施例9と比べると、それぞれ約20%及び10%高いN
2収率をもたらした。
【0104】
実施例9対実施例11:
実施例9及び11の新しい触媒とエージング済み触媒のどちらも、250℃及び450℃において類似したNH
3変換率をもたらした。250℃では、実施例11の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約55%及び75%少ないN
2Oを生成した。結果として、実施例11の新しい触媒及びエージング済み触媒は、250℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約30%高い及び30%高いN
2収率をもたらした。450℃では、実施例11の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約140%多い及び70%多いNO
xを生成した。結果として、実施例11の新しい触媒及びエージング済み触媒は、450℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約5%低い及び20%低いN
2収率をもたらした。
【0105】
実施例9対実施例12:
実施例1及び12の新しい触媒とエージング済み触媒のどちらも、250℃及び450℃において類似したNH
3変換率をもたらした。250℃では、実施例12の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約60%少ない及び75%少ないN
2Oを生成した。結果として、実施例12の新しい触媒及びエージング済み触媒は、250℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約30%高い及び40%高いN
2収率をもたらした。450℃では、実施例12の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ類似した量、及び35%少ないNO
xを生成した。結果として、実施例12の新しい触媒及びエージング済み触媒は、450℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ類似レベル及び10%高いN
2収率をもたらした。
【0106】
実施例9対実施例13:
実施例13のエージング済み触媒は、実施例9のエージング済み触媒と比べて、250℃において約10%低いNH
3変換率、及び450℃において類似レベルのNH
3変換率をもたらした。250℃では、実施例13のエージング済み触媒は、実施例9のエージング済み触媒と比べて、80%少ないN
2Oを生成した。結果として、実施例13のエージング済み触媒は、250℃において、実施例9のエージング済み触媒と比べて、約30%高いN
2収率をもたらした。450℃では、実施例13のエージング済み触媒は、実施例9のエージング済み触媒と比べて、約35%少ないNO
xを生成した。結果として、実施例13のエージング済み触媒は、450℃において、実施例9のエージング済み触媒と比べて、約10%高いN
2収率をもたらした。
【0107】
実施例9対実施例8:
実施例9及び8の新しい触媒は、250℃及び450℃において、類似したNH
3変換率をもたらした。実施例8のエージング済み触媒は、実施例9と比べて、250℃において10%低いNH
3変換率、及び450℃において類似レベルのNH
3変換率をもたらした。250℃では、実施例8の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約65%少ない及び85%少ないN
2Oを生成した。結果として、実施例8の新しい触媒及びエージング済み触媒は、250℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ約30%高い及び30%高いN
2収率をもたらした。450℃では、実施例8の新しい触媒及びエージング済み触媒は、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ80%少ない及び70%少ないNO
xを生成した。結果として、実施例8の新しい触媒及びエージング済み触媒は、450℃において、実施例9の新しい触媒及びエージング済み触媒と比べて、それぞれ4%高い及び20%高いN
2収率をもたらした。
【0108】
上述の実施例は、例示として意図されているに過ぎない。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義する。