(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-176694(P2021-176694A)
(43)【公開日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】ブックカバー
(51)【国際特許分類】
B42D 3/18 20060101AFI20211015BHJP
【FI】
B42D3/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-98024(P2020-98024)
(22)【出願日】2020年5月7日
(71)【出願人】
【識別番号】598025843
【氏名又は名称】野口 重夫
(72)【発明者】
【氏名】野口 重夫
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする問題点は、書籍を手で持ち歩くことによって表紙等が摩滅したり、又は損傷を防ぐと共に、書籍を持つ喜び、ブックカバーに手や肌が触れる快感等を含め、書籍等の持ち歩き、及び読書時に手肌で感じる快感的な喜びを付加し、書籍を手に持つ喜び楽しみ、ファッション性を備えたブックカバーを提供することである。
【解決手段】 本発明によれば、表地Hの色と異なる色の裏地Jに依って形成するブックカバーで、願わくば表地Hは使用状態時の外面が少なくとも、なめらかで且つスエードのように柔らかく肌触りが良く、若干の滑り止め作用がある素材を用い、裏地Jは不織布等、裁断端部が容易にほつれることの無い不織布等を用いて構成し、書籍等5に装着した状態に於いて、表地Hと裏地Jが部分的に同時に見える様に形成し、ファッション性を高める様に構成した事である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
該カバー体は色の異なる表地と裏地に依って形成し、前記表地はなめらか且つ、柔らかく肌触りの良い素材を用い、前記裏地は不織布等を用いて形成し、該カバー体は書籍等の幅より若干広い幅に形成したことを特徴とするブックカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファッション感覚と読書を楽しむためのブックカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ブックカバーは書籍を持ち歩くことによって表紙等が摩滅したり、又は損傷を防ぐために書籍に装着していた。
従って、書店で書籍を購入した際、サービスの一環として書店の広告やロゴの印刷された用紙を巻き付け又はカバーして購入者に手渡していた。
【0003】
或いは、電車やバスの中で読書を使用とする場合、周囲の人に何の本を読んでいるのかを隠すためにも、カバーは有効な手段であった。
【0004】
しかし、近年の書籍離れの現象に象徴されるように、書籍の販売数の低迷と、インターネット通販の普及により、書店の実店舗数の減少、店員による表紙カバー掛け技術の伝承の難しさ等が相まって表紙のカバー掛けがなおざりにされている。
【0005】
更に、インターネット通販による書籍の販売等に於いては用紙等からなるブックカバーの装着は完全に省かれているのが実情で、購入者自身が手頃な紙を自ら折って装着したり、ワンコインショップやインターネット通販を利用して既製のブックカバーを購入して利用していると言う現状がある。
【0006】
しかし、上記のブックカバーは飽く迄も、書籍を持ち歩くことによって表紙等が摩滅したり、又は損傷を防ぐ機能が主目的であるため、表紙等の摩滅や、損傷を防ぐことは可能であるが、書籍を手に持つ喜び、楽しみ、ファッション的優越感等を味わうことはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする問題点は、書籍を手で持ち歩くことによって表紙等が摩滅したり、又は損傷を防ぐと共に、書籍を持つ喜び、ブックカバーに手や肌が触れる快感等を含め、書籍等の持ち歩き、又は読書時に手肌で感じる快感的な喜びを付加し、書籍を手に持つ喜びと、合わせてファッションとしての機能を備えたブックカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、該カバー体1は色の異なる表地Hと裏地Jに依って構成し、表地Hはなめらか且つ、柔らかく肌触りの良い素材を用いてあり、更に裁断端部が容易にほつれることに無い布を用いて裏地Jを構成し、書籍等5を本発明のブックカバーを用いてカバーした際、表地Hと裏地Jの周縁部の一部が斜め方向から同時に見える様に形成したことである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、
図4の様に予め保持部材2に端部Dを挿入した後、ブックカバーを用いようとする書籍等5の表紙6をポケット状1Cに挿入、更に裏表紙7を端部Dに挿入すれば良いが、書籍等5の厚みよって表紙6の先端から裏表紙7の先端までの距離は異なるが、前記距離の違いを補足するために、保持部材2に挿入保持された端部Dは自在に移動が可能でありポケット状1Cを形成する折端2Cからの距離を自由に調整できることで、書籍等5の厚みが異なる場合に発生する距離の違いに適合し書籍等5をカバーすることができ、携帯時や読書時に本が摺れて傷むこと等の損傷を防止することが出来る。
【0010】
更に書籍の表紙6の先端が折端2Cに到達するように完全に挿入し、折端2Cを基準にして、折り端2Dの折れ曲がり位置を調整すると、文庫本用のブックカバーであれば、任意の文庫本を綺麗にカバーすることが出来ると共に、表地Hは人工スエードのしなやかでシットリとした肌触りを楽しむことが出来る。
又、表地Hの色と、裏地Jの色が異なるため、書籍等5をカバーした状態に於いてブックカバーの内側周縁部に反対色の裏地Jが若干見えて色合いにアクセントを添えファッション性を大きく高めることができた。
【0011】
また、表地Hの人工スエードはしなやかで手触りが良ばかりで無く、素材の性質上、滑り止めの作用が生じ、携行する場合脇の下等に挟んでも、安定してその状態を維持しやすく、歩く衝撃等で押さえた部分がずれたり落下する危険はなく、特に手をポケットに入れる冬場は、着膨れ等と相まって、脇の下に挟んだものが落下する危険があるが、この場合も本発明のブックカバーを用いれば安定した状態での携帯が容易にできる。
【0012】
更に、ポケット状1Cに切り裂きKを設けたことで、この切り裂きKに例えば乗車券や領収書、又はメモ用紙、栞又は乗り物用ICカード等を保持し、携帯する場合に於いて表地Hを構成する人工スエードは滑り止め作用が働くため、この表地Hに面接触している乗車券や領収書、又はメモ用紙、栞又は乗り物用ICカード等が携帯中に抜け落ちて紛失する等の危険が防止でき、特にポケットの少ない夏場の服装では便利である。
【0013】
また、カバー体1は表地Hと色の異なる裏地Jに依って形成されるため、書籍等にカバーとして装着した状態に於いて、斜めから見ると表地Hと裏地Jの一部が同時に見え、色合い的にも、見た目のアクセントとなりファッション性が高まり、表地Hの色が異なるブックカバーを用意しておくことで、その日の服装に合わせ、又はその日の気分に合わせて交換して使用することも可能で、ファッション性の高いブックカバーを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 本発明のブックカバーを構成する生地の展開状態を示す斜視図である。
【
図2】 本発明のブックカバーの生地の構成示す斜視図である。
【
図3】 本発明のブックカバーを形成した状態を示す斜視図である。
【
図4】 本発明のブックカバーが使用できる状態を示す斜視図である。
【
図5】 本発明のブックカバーを使用し表紙を開いた状態を示す斜視図である。
【
図6】 本発明のブックカバーを使用し裏表紙を開いた状態を示す斜視図である。
【
図7】 本発明のブックカバーの使用した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明すると、
図1は本発明のブックカバーのカバー体の展開状態示す斜視図、
図2はブックカバーを形成する生地の構成を示す斜視図である。
また、
図3は本発明のブックカバーを形成した状態を示す斜視図、
図4は本発明のブックカバーの形成状態を示す斜視図で、
図5は本発明のブックカバーを書籍等に用いている状態で、表紙を開いた状態を示す斜視図、
図6は本発明のブックカバーを書籍等に用いている状態で、裏表紙を開いた状態を示す斜視図、
図7は表紙を閉じた状態を示す斜視図である。
【0016】
(
図1)略方形状のカバー体1の一端1Aを適宜切り欠いて傾斜状の辺1B形成するとよく、この時、カバー主体1は表面を構成する表地Hと裏面を構成する裏地Jに依って形成(
図2)されることが望ましく、例えば表地Hは手触りの良いスエード若しくは人工スエード等と呼ばれるエクセーヌ(東レの商品名)等を用いることが望ましく、表地Hと裏地Jの関係は、表地Hの色に対し裏地Jの色は、表地Hの反対色又は反対色に近い色いで構成する事が望ましい。
【0017】
これは、ブックカバーとして書籍等5(
図5、
図6、
図7)をカバーし、携帯する場合又は、手に持って読書する場合に於いて、シットリとした落ち着いた手触り、感触が携帯時や読書時の心を和ませる作用をすると共に、裏地Jがカバー主体1の周縁に若干見えるため、色彩的に一つのアクセントとなって視覚を楽しませることができるように構成することが望ましく、表地Hはその時々の服装にマッチし、又はマッチしやすい色、又は柄等が選べるように複数の種類を用意すると良い。
【0018】
更にカバー体1の略中央寄りを折り返し、上部側端X及び下部側端Y固着してポケット状1Cを形成し(
図3)、ポケット状1Cの適宜位置に切り裂きKを設けると良く、この切り裂きKは栞や乗車券、メモ用紙その他等を収納することが容易な長さを持って構成させされることが望ましい。
【0019】
加えて、切り裂きKを形成するに当たって、表地Hのみに切り裂きKを設けて、一端1A部分をミシン等を用いて表地Hと裏地Jを逢着しても良く、更には接着剤等を用いて固着することで、完全にポケット化しカバー体1全体を袋状とすることも出来る。
【0020】
また上記、切り裂きKはポケット状1Cに斜めに設けても良く、この場合乗車券等長さの短い物でも挿入や抜き取りが容易であり、表地Hの面が人工スエードを用いることで、表面の短い毛足が滑り止めの作用をし、切り裂きKに挿入された栞や、乗車券等は脱落紛失する危険は極めて少なくなる。
【0021】
カバー体1の他の端部D方向の適宜な位置に書籍等5の裏表紙7を挿通保持するベルト状の保持部材2を設けると良く、裏地Jと同色の素材で形成することが望ましく、この保持部材2の側部Eから端部Dに向けて幅が徐々に狭くなるように形成し、裏表紙7を挿通保持する過程に於いて端部Dを保持部材2に挿入した場合、カバー体1が若干の余裕を持って保持部材2を通過し且つ、裏表紙7がカバー体1からはみ出す恐れのない幅を維持すると良く、更には保持部材2を設ける位置は、裏表紙7先端の位置から若干中央寄りに設けると、カバー体1から裏表紙7がはみ出す恐れは解消される。
【0021】
又この時、上記の適宜な位置とは、厚みの異なる書籍等に本発明のブックカバーを用いて書籍等をカバーする場合、薄い書籍と厚い書籍では表紙6の先端から裏表紙7の先端までの距離が異なる。
例えば厚みが5mmの書籍と、30mmの書籍では端部Dの到達位置は大凡25ミリの誤差を生じる。
その結果保持部材2内にカバー体1を挿入保持する状況に於いて、無理なく挿入保持が可能で、カバー体1に皺や歪み等を生ずることのない位置を適宜な位置と言う。
【0022】
カバー体1は表地Hと色の異なる裏地Jに依って形成し、カバー体1は使用時の表地Hはなめらかで且つ柔らかく肌触りも良い不織布が望ましく、裏地Jは不織布等、裁断端部が容易にほつれることに無い布地等を用いて形成することで、バイアスや側端処理等、縫製に掛かるコストを軽減することも出来、また書籍等5に装着した状態に於いて、表地Hと裏地Jが部分的に同時に見えることが望ましい。
【0023】
従って本発明のブックカバーを使用するには、(
図4)予め保持部材2に端部Dを挿入した後、書籍等の表紙6をポケット状1Cに挿入し、更に裏表紙7を端部Dとカバー体1の間に挿入(
図5)する。
このとき書籍等5のページ数に因る厚みの違いで表紙6の先端から裏表紙7の先端までの距離は異なる。
【0024】
上記の距離の違いを補足するために、保持部材2に端部Dは挿入保持した可動端2Dは容易に移動可能で、折端2Cからの距離を自在に調整出来るから、例えば文庫本サイズに合わせて形成した本発明のブックカバーであれば、厚みの異なる文庫本等の書籍の距離に適合して的確にカバーすることができると共に、ポケット状1Cを形成するに当たり、傾斜1Bを形成したことによって、ポケット状1Cの側端Xを著しく短く、側端Yが長く形成されるため、表紙6を挿入する場合、または引き抜く場合の抵抗が弱くなり、表紙6の挿し抜き作業が容易である反面、側端Y部分は長いままではあるが、表面からの押圧力が緩和されるため、抜き挿しが容易であるが若干の押圧力が残っているため安定的に表紙6の保持を可能とする。
【0025】
従って、本発明のプックカバーを使用するには、保持部2に端部Dを挿入(
図4)した後、書籍の表紙6をポケット状1Cに挿入(
図5)し、裏表紙7を端部Dとカバー主体1の間に挿入(
図6)するが、この時、表紙6の先端が折端2Cに到達するように完全に挿入、折端2Cを基準にして、可動端2Dの折れ曲がり位置を調整することで、文庫本用のブックカバーであれば、任意の文庫本を綺麗にカバーすることができ、表地Hの人工スエード等のしなやかでシットリとした肌触りを楽しむことができ、表地Hの色と、裏地Jの色が異なるため、書籍等5をカバーした状態に於いてブックカバーの内側周囲部分に表地Hと反対色の裏地Jが若干の幅で現れ(
図7)色彩にアクセントを添えファッション性を高めることが出来る。
【0026】
また、表地Hは人工スエードはシットリした手触りのため、滑り止めの作用を果たし、携行する際、脇の下等に挟んだ場合に於いても安定してその状態を維持しやすく、歩く衝撃等で押さえる部分がずれたり落下する危険は極めて少なく、特に手をポケットに入れる冬場は、着膨れ等と相まって、落下の危険があるが、この場合も安定した携行が確保できる。
【0027】
更に、ポケット状1Cに設けた切り裂きKには例えば乗車券や領収書、又はメモ用紙、しおり又は乗り物用ICカード等を挿入等に使用可能で、その場合、表地Hが人口スエードで滑り止め作用が働き、脱落したり紛失の危険は極めて少なく、特にポケットの少ない夏場の服装では便利である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
近年、携帯電話(スマートフォン)の普及により、書籍等への意識の低下と共に、活字媒体が縮小傾向と言われるが、本発明は、書籍を携帯する等、持つ喜びを拡大し、読書の面白さ楽しさに加えて心地よさ、カッコよさを付加し、服装に合わせてのファッション性の増大により、紙媒体の書籍等の消費拡大が期待できる等、本発明による産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0029】
1 カバー体
H 表地
J 裏地
1A 一端
1B 傾斜
X 側端
Y 側端
1C ポケット状
2 保持部材
2C 折端
2D 折り端し
D 端部
E 保持部材側部
5 書籍等
6 表紙
7 裏表紙