(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-176748(P2021-176748A)
(43)【公開日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】モータビークルサイドドアおよびその取り付け方法
(51)【国際特許分類】
B60J 10/76 20160101AFI20211015BHJP
B60J 10/27 20160101ALI20211015BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20211015BHJP
B60J 10/50 20160101ALI20211015BHJP
【FI】
B60J10/76
B60J10/27
B60J5/04 M
B60J10/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-74025(P2021-74025)
(22)【出願日】2021年4月26日
(31)【優先権主張番号】20305458.0
(32)【優先日】2020年5月7日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521180588
【氏名又は名称】ハッチンソン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ,ゲオルグ
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201AA21
3D201CA19
3D201DA06
3D201DA31
3D201DA34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガラスパネルの振動を防止すると共に、権限のない人物がドアまたはガラスパネルを強制的に開くことによるセキュリティの問題を解決すること。
【解決手段】モータビークルサイドドア16であって、ガラスパネル12と、フレーム18と、エラストマーランシール10と、を含み、エラストマーランシール10は、少なくとも1つの上昇ストランド10bがフレーム上の予備取り付け位置にあるときにフレーム18の内壁30の自由端部30b、18dに当接することができ、かつ少なくとも1つの上昇ストランドがフレーム上の最終取り付け位置にあるときにフレーム18の内壁30に当接することができるように配置され寸法決めされた少なくとも1つの突出リブ58、60を含み、内壁と外壁28、30との間の間隙は、ランシール10が最終取り付け位置にあるときよりも予備取り付け位置にあるときの方が大きいサイズWを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータビークルサイドドア(16)であって、
a)外面(12b)および内面(12a)を有し、前記内面に固定されたパネルガイド(14)を担持するガラスパネル(12)であって、上方位置から下方位置に移動することができるガラスパネルと、
b)前記ガラスパネルが前記上方位置にあるときに前記ガラスパネル(12)の縁部(12c)に沿って延在するように構成されたフレーム(18)であって、前記フレームは、前記上方位置にあるときに前記ガラスパネルに隣接し、かつ前記外面(12b)と横方向に同一平面の外側表面(26a)を有する垂直縁部要素(26)を含み、前記垂直縁部要素は、前記ガラスパネル(12)に平行であり、かつ前記外側表面(26a)を含む外壁(28)と、前記ガラスパネル(12)に平行な内壁(30)と、前記外壁を前記内壁に接続する接続壁(32)とを含むU字形断面部分を含む、フレーム(18)と、
c)前記フレーム(18)に取り付けられ、かつ移動時に前記ガラスパネル(12)を受け入れるのに適したエラストマーランシール(10)であって、該ランシールは前記U字形部分に少なくとも部分的に取り付けられるように構成された少なくとも1つの上昇ストランド(10b)を含み、前記少なくとも1つの上昇ストランドは、前記外壁(28)と接触し、かつ前記ガラスパネル(12)と封止可能に接触するように構成された外側分岐部(22)と、前記内壁(30)と接触することができる内側分岐部(20)と、前記外側分岐部を前記内側分岐部に接続する接続分岐部(24)と、を有し、前記内側分岐部(20)の外面(20c)および前記外側分岐部(22)の内面(22c)は、前記ガラスパネル(12)に実質的に垂直な第1の平面(P)内に延在し、かつ前記パネルガイド(14)と交差するように構成された間隙(34)をその間に画定し、前記外側分岐部(22)は、前記パネルガイド(14)の少なくとも1つのフック(14a)を受け入れることができる溝(50)を含み、前記内側分岐部(20)は、前記内壁(30)の外面(30b)と接触することができる、または前記フレーム(18)の外面(18ba)と接触することができる少なくとも1つの突出リブ(58、60)を含む内面を含む、エラストマーランシール(10)と、を含み、
前記少なくとも1つの突出リブ(58、60)は、前記少なくとも1つの上昇ストランド(10b)が前記フレーム上の予備取り付け位置にあるときに前記内壁(30)または前記フレーム(18)の自由端部(30b、18d)に当接することができるように、および前記少なくとも1つの上昇ストランドが前記フレーム上の最終取り付け位置にあるときに前記内壁(30)の前記外面(30c)または前記フレーム(18)の前記外面(18ba)に当接することができるように配置および寸法決めされ、前記少なくとも1つの上昇ストランド(10b)の前記予備取り付け位置から前記最終取り付け位置への移動は、前記第1の平面(P)に実質的に垂直な方向(H1、H2)において実現され、前記間隙(34)は、前記ランシール(10)が前記最終取り付け位置にあるときよりも前記予備取り付け位置にあるときの方が大きい、前記第1の平面において測定されたサイズ(W、W´)を有することを特徴とする、モータビークルサイドドア(16)。
【請求項2】
前記内側分岐部(20)は、前記接続壁(24)に接続された第1の端部(20a)と、反対側の第2の端部(20b)とを有し、前記少なくとも1つの突出リブ(58、60)は、前記突出リブと前記反対側の第2の端部(20b)との間の距離D2よりも小さい、前記第1の端部(20a)からの距離D1に位置することを特徴とする、請求項1に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項3】
第1の突出リブ(60)は前記反対側の第2の端部(20b)に位置し、第2の突出リブ(58)は、前記反対側の第2の端部(20b)から距離D2におよび前記第1の端部(20a)から距離D1に位置することを特徴とする、請求項2に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項4】
前記第1の突出リブ(60)は前記第2の突出リブ(58)の厚さ(E4)よりも大きい厚さ(E3)を有し、前記厚さの大きさは、前記ガラスパネル(12)に垂直な方向に測定されることを特徴とする、請求項3に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突出リブ(58、60)は、前記ランシール(10)が前記最終取り付け位置にあるとき、前記間隙サイズ(W)に等しいか、または前記間隙サイズよりも大きい厚さ(E3、E4)を有し、前記厚さは、前記ガラスパネル(12)に対して垂直な方向に測定されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項6】
前記突出リブ(58)は、ガラスパネル側に位置する第1の表面(58a)と、反対側に位置する第2の表面(58b)とを含み、前記第1の表面(58a)は、前記内側分岐部(20)に対して実質的に垂直であり、前記第2の表面(58b)は、前記自由端部(30b)とスライドすることによって協働するように構成された傾斜部を形成するように傾斜していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項7】
前記内壁(30)は、前記ガラスパネル(12)に向かって延在し、かつ前記ランシール(10)を前記最終取り付け位置に保持するように前記少なくとも1つの突出リブ(58)と当接するように構成された保持リブ(42)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項8】
前記内壁(30)は、前記接続壁(32)に接続された第1の端部(30a)と、反対側の第2の端部(30b)とを含み、前記保持リブ(42)は、前記反対側の第2の端部(30b)に位置し、前記内壁(30)は、好ましくは、前記外壁(28)の長さ(L2)よりも大きい、第1の端部と反対側の第2の端部(30a、30b)との両方の間で測定された長さ(L1)を有することを特徴とする、請求項7に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項9】
前記外壁(28)は、前記外壁の前記内面(28c)から前記内壁(30)の前記外面(30c)に向かって突出し、かつ前記外側分岐部(22)の溝(48)に係合するように構成された突出脚部(44)を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項10】
前記外壁(28)は、前記接続壁(32)に接続された第1の端部または部分(28b)と、反対側の第2の端部(28a)とを含み、前記突出脚部(44)は、前記反対側の第2の端部(28a)にまたはその近くに位置することを特徴とする、請求項9に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項11】
前記パネルガイド(14)は、前記ガラスパネル(12)の前記内面(12a)に固定された第1の縁部(14b)と、L字形の反対側の第2の縁部(14c)とを含み、第2の縁部は、前記ガラスパネル(12)に平行であり、かつ前記ランシール(10)が予備取り付け位置および最終取り付け位置の両方にあるときに前記間隙サイズ(W)よりも小さい厚さ(E1)を有する第1の部分(14ca)と、前記ガラスパネル(12)に垂直であり、前記少なくとも1つのフック(14a)を形成する第2の部分(14cb)とを含み、前記フックは、前記ランシール(10)が前記最終取り付け位置にあるときに前記間隙サイズ(W)よりも大きい厚さ(E2)を有し、前記厚さは、前記ガラスパネル(12)に垂直な方向に測定されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のモータビークルサイドドア(16)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の前記モータビークルドア(16)を取り付けるための方法であって、
a)その上昇ストランド(10b)が前記内壁(30)または前記フレーム(18)に対して前記予備取り付け位置にあるように前記ランシール(10)を位置決めするステップであって、前記接続分岐部(32)が前記U字形部分に係合し、前記少なくとも1つの突出リブ(58、60)が前記内壁(30)または前記フレーム(18)の前記自由端部(30b、18d)に当接する、ステップと、
b)前記最終取り付け位置で前記上昇ストランド(10b)を押すように、前記間隙(34)を通って前記U字形に前記パネルガイド(14)を係合させるステップであって、前記接続分岐部(24)は前記接続壁(32)に向かって移動し、前記少なくとも1つの突出リブ(58、60)は前記内壁(30)または前記フレーム(18)の前記外面(30c)に当接するように強制される、係合するステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
ステップa)は、前記内壁および前記外壁(28、30)に実質的に平行であるか、または前記内壁および前記外壁に対して1から30°の角度だけ傾斜している少なくとも1つの方向(H1、H2)に前記上昇ストランド(10b)を変位させるステップによって行われることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップb)は、前記内壁および前記外壁(28、30)に実質的に平行な方向(H3)に前記ガラスパネル(12)を変位させるステップによって行われることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
ステップa)の前に、前記上昇ストランド(10b)は、前記内側および接続分岐部(3020、3224)が90°よりも高い角度(α)だけ互いに傾斜している静止位置を有し、ステップb)の後に、前記上昇ストランドは、前記内側および接続分岐部(3020、3224)が90°よりも低い角度(α)だけ互いに傾斜している拘束位置を有することを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともモータビークルサイドドアおよびその取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータビークルサイドドアは、上方位置から下方位置に、および下方位置から上方位置にスライドして移動することができる可動ガラスパネルを含む。ドアは、下部本体および上部フレームを含む。その下方位置では、ガラスパネルは、ドア本体の内側に少なくとも部分的に配置され、その上方位置では、ガラスパネルは、ガラスパネルの周縁部に沿って延在するフレームによって囲まれている。
【0003】
ガラスパネルとドアフレームとの間の封止は、フレーム上に固定され、かつこのフレームに沿って延在するガラス走行チャネル(GRC)と呼ばれるエラストマーランシールによって保証される。ランシールは、ガラスパネルが移動するときにスライドすることができるチャネルを画定する。ランシールは、ガラスパネルの外面および内面に当接するシールリップをさらに含むことができる。通常、ランシールはU字形であり、水平または上部ストランドによって上端において接続された2つの垂直または上昇ストランドを含む。ランシールのストランドは、それぞれ押出成形によって製造され、次いで、上昇ストランドの上端と水平ストランドの長手方向端部との間の結合コーナーをオーバーモールドすることによって互いに結合される。
【0004】
モータビークルドアの外観は、顧客、すなわちモータビークルのユーザにとって非常に重要である。モータビークルドアの外観を向上させるための解決策は、そのガラスパネルの外側と、このパネルを取り囲む構造の外側とを同一平面に置くことである。フレームの垂直縁部要素の1つは、例えば、ガラスパネルに隣接することができ、ガラスパネルの外面と横方向に同一平面の外面を有することができる。
【0005】
図1〜
図3は、先行技術を示し、特許文献1および特許文献2に開示されているものと同様の要素を示す。
【0006】
図1および
図2は、モータビークルサイドドアのエラストマーランシール10およびガラスパネル12を示す。
図3は、サイドドア16の断面図であり、ガラスパネル12の縁部に沿って延在するフレーム18をさらに示す。
【0007】
ランシール10は、U字形であり、上部ストランド10aによって上端において接続された2つの上昇ストランド10bを含む。
【0008】
1つのまたは各上昇ストランド10bは、実質的にU字形の横断面を有し、横断面は、接続分岐部24によって互いに接続された内側分岐部20および外側分岐部22を含み、ガラスパネル12と協働する。
【0009】
ガラスパネル12は、外面12bおよび内面12aを有し、内面12a上に固定されたパネルガイド14を担持する。外面12bは、フレーム18の垂直縁部要素26の外面26aと横方向に同一平面上にある。
【0010】
垂直縁部要素26は、ガラスパネル12に平行であり、かつ外面26aを含む外壁28と、ガラスパネル12に平行な内壁30と、外壁28を内壁30に接続する接続壁32とを含む断面U字形部分を含み、
図3に示すように、ランシール10の外側分岐部22は、外壁28と接触し、かつガラスパネル12と密封可能に接触するように構成される。内側分岐部20は、内壁30と接触することができ、内側分岐部20および外側分岐部22は、それらの間に、ガラスパネル12に対して実質的に垂直な平面P内に延在する間隙34を画定する。
【0011】
この間隙34はパネルガイド14と交差し、外側分岐部22は、パネルガイド14の少なくとも一つのフック12aを受け入れることができる溝36を含む。
図3に示すように、間隙34は大きく、パネルガイド12の厚さE、さらにはフック12aの厚さE´よりもはるかに大きい。
【0012】
内側分岐部20は、垂直縁部要素26に対してランシール10を位置決めするように内壁30と接触することができる突出リブ38を含む。
【0013】
図1から
図3のランシール10は、ランシール10の外側分岐部22が外壁28と接触し、内側分岐部20が内壁30と接触するように、ランシール10の上昇ストランド10bを垂直縁部要素26に係合させる第1のステップを含む方法によって取り付けられる。次いで、接続分岐部24は、接続壁32の前に延在し、この接続壁と平行である。
【0014】
次いで、本方法は、パネルガイド14を担持するガラスパネル12を取り付ける第2のステップを含む。ガラスパネル12は、垂直縁部要素26の外壁28と位置合わせされ、この外壁(矢印F)に向かって変位し、それにより、パネルガイド12が間隙34を横切り、フック12aが外側分岐部22の溝36に係合する。
【0015】
しかしながら、間隙34のサイズのために、ガラスパネル10は平面P内で移動または振動する可能性がある。パネルガイド14は外側分岐部22に当接しているが、内側分岐部20に当接する前に大きな距離D(間隙34のサイズとパネルガイド14の厚さEとの差に等しい)を移動しなければならない。
さらに、厚さE´が間隙34よりも小さいため、フック14aは、間隙34を通って後方に交差し、かつ外側分岐部22の溝36から出る可能性があり、これは、例えば、権限のない人物がドアまたはガラスパネルを強制的に開くことによってモータビークルに進入しようとするときに、セキュリティの問題を引き起こす可能性がある。
【0016】
本発明は、これらの問題に対する簡単で効果的かつ経済的な解決策を提案する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によってモータビークルサイドドアが提供され、モータビークルサイドドアは、
a)外面および内面を有し、内面に固定されたパネルガイドを担持するガラスパネルであって、上方位置から下方位置に移動することができるガラスパネルと、
b)ガラスパネルが上方位置にあるときにガラスパネルの縁部に沿って延在するように構成されたフレームであって、フレームは、上方位置にあるときにガラスパネルに隣接し、かつ外面と横方向に同一平面の外側表面を有する垂直縁部要素を含み、垂直縁部要素は、ガラスパネルに平行であり、かつ外側表面を含む外壁と、ガラスパネルに平行な内壁と、外壁を内壁に接続する接続壁とを含むU字形断面部分を含む、フレームと、
c)フレームに取り付けられ、かつ移動時にガラスパネルを受け入れるのに適したエラストマーランシールであって、U字形部分に少なくとも部分的に取り付けられるように構成された少なくとも1つの上昇ストランドを含み、少なくとも1つの上昇ストランドは、外壁と接触し、かつガラスパネルと封止可能に接触するように構成された外側分岐部と、内壁と接触することができる内側分岐部と、外側分岐部を内側分岐部に接続する接続分岐部とを有し、内側分岐部の外面および外側分岐部の内面は、ガラスパネルに実質的に垂直な第1の平面内に延在し、かつパネルガイドと交差するように構成された間隙をその間に画定し、外側分岐部は、パネルガイドの少なくとも1つのフックを受け入れることができる溝を含み、内側分岐部は、内壁の外面と接触することができる、またはフレームの外面と接触することができる少なくとも1つの突出リブを含む内面を含む、エラストマーランシールと、を含み、
少なくとも1つの突出リブは、少なくとも1つの上昇ストランドがフレーム上の予備取り付け位置にあるときに内壁またはフレームの自由端部に当接することができるように、および少なくとも1つの上昇ストランドがフレーム上の最終取り付け位置にあるときに内壁の外面またはフレームの外面に当接することができるように配置および寸法決めされ、少なくとも1つの上昇ストランドの予備取り付け位置から最終取り付け位置への移動は、第1の平面に実質的に垂直な方向において実現され、間隙は、ランシールが最終取り付け位置にあるときよりも予備取り付け位置にあるときの方が大きい、第1の平面において測定されたサイズを有することを特徴とする。
【0018】
したがって、本発明は、先行技術の欠点を回避するために、上述の間隙のサイズを最適化することを提案する。この目的のために、間隙は、フレームまたはその垂直縁部要素に対する上昇ストランドの予備取り付け位置において第1のサイズを有し、ランシールの最終取り付け位置においてより小さい第2のサイズを有するように意図されている。
【0019】
間隙のサイズの縮小は、垂直縁部要素の内壁またはフレームに当接する、または当接するように意図されたランシールの内側分岐部の突出リブの寸法および位置によって可能になる。上昇ストランドが予備取り付け位置から最終取り付け位置に移動すると、突出リブは、内壁またはフレームの自由端部と接触する位置から、内壁またはフレームの外面に当接する位置まで移動する。この変位は、内側分岐部を持ち上げ、外側分岐部に向かって変位させるので、間隙が減少する。
【0020】
以下に説明するように、上昇ストランドの変位は、有利にはパネルガイドによって実行され、その結果、このパネルガイドは、間隙が縮小したときに外側分岐部と内側分岐部との間に捕捉され得る。
【0021】
本発明によるモータビークルサイドドアは、互いに単独で、または互いに組み合わせて理解される以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。
−−少なくとも1つの突出リブは、断面が三角形または台形の形状を有する、
−内側分岐部は、接続壁に接続された第1の端部と、反対側の第2の端部とを有する、
−少なくとも1つの突出リブは、突出リブと反対側の第2の端部との間の距離D2よりも小さい、第1の端部からの距離D1に位置する、
−−少なくとも1つの突出リブは、反対側の第2の端部に位置する、
−第1の突出リブは、反対側の第2の端部に位置し、第2の突出リブは、反対側の第2の端部から距離D2におよび第1の端部から距離D1に位置する、
−第1の突出リブは、第2の突出リブの厚さよりも大きい厚さを有し、厚さは、ガラスパネルに対して垂直な方向に測定される、
−突出リブは、ランシールが最終取り付け位置にあるとき、間隙サイズに等しいか、または間隙サイズよりも大きい厚さを有し、厚さは、ガラスパネルに垂直な方向に測定される、
−突出リブは、ガラスパネル側に位置する第1の表面と、反対側に位置する第2の表面とを含み、第1の表面は、内側分岐部に対して実質的に垂直であり、第2の表面は、自由端部とスライドすることによって協働するように構成された傾斜部を形成するように傾斜している、
−内壁は、ガラスパネルに向かって延在し、かつランシールを最終取り付け位置に保持するように少なくとも1つの突出リブと当接するように構成された保持リブを含む、
−−保持リブは、断面が三角形または台形の形状を有する、
−−保持リブは、ガラスパネル側に位置する第1の表面と、反対側に位置する第2の表面とを含み、第2の表面は、内壁に対して実質的に垂直であり、第1の表面は、少なくとも1つの突出リブとスライドすることによって協働するように構成された傾斜部を形成するように傾斜している、
−内壁は、接続壁に接続された第1の端部と、反対側の第2の端部とを含み、保持リブは、反対側の第2の端部に位置し、
−内壁は、外壁の長さよりも大きい、第1の端部と反対側の第2の端部との両方の間で測定された長さを有する、
−−内側分岐部および接続分岐部は、ランシールの長手方向部分によって接続され、長手方向部分は、内側分岐部および接続分岐部の第2の材料とは異なり、かつ第2の材料の硬度よりも低いショアA硬度を有する第1の材料から作製される、
−−第1の材料は75未満のショアA硬度を有し、第2の材料は75超のショアA硬度を有する、
−外壁は、外壁の内面から内壁の外面に向かって突出し、かつ外側分岐部の溝に係合するように構成された突出脚部を含む、
−−突出脚部は、断面が三角形、長方形、または台形の形状を有する、
−外壁は、接続壁に接続された第1の端部または部分と、反対側の第2の端部とを含み、突出脚部は、反対側の第2の端部にまたはその近くに位置する、
−−垂直縁部要素は、スナップ嵌めまたはねじ込みによってフレームに固定される、
−パネルガイドは、ガラスパネルの内面に固定された第1の縁部と、L字形の反対側の第2の縁部とを含み、第2の縁部は、ガラスパネルに平行であり、かつランシールが予備取り付け位置および最終取り付け位置の両方にあるときに間隙サイズよりも小さい厚さを有する第1の部分と、ガラスパネルに垂直であり、少なくとも1つのフックを形成する第2の部分とを含み、フックは、ランシールが予備取り付け位置にあるときに間隙サイズよりも大きい厚さを有し、厚さは、ガラスパネルに垂直な方向に測定される。
【0022】
本発明は、請求項のいずれか一項に記載のモータビークルドアを取り付けるための方法を提案し、方法は、
a)その上昇ストランドが内壁またはフレームに対して予備取り付け位置にあるようにランシールを位置決めするステップであって、接続分岐部がU字形部分に係合し、少なくとも1つの突出リブが内壁またはフレームの自由端部に当接する、ステップと、
b)最終取り付け位置で上昇ストランドを押すように、間隙を通ってU字形にパネルガイドを係合させるステップであって、接続分岐部は接続壁に向かって移動し、少なくとも1つの突出リブは内壁またはフレームの外面に当接するように強制される、ステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明による方法は、互いに単独で、または互いに組み合わせて理解される以下の特徴および/またはステップのうちの1つ以上を含んでもよい。
−ステップa)は、内壁および外壁に実質的に平行であるか、または内壁および外壁に対して1から30°の角度だけ傾斜している少なくとも1つの方向に上昇ストランドを変位させるステップによって行われる、
−ステップb)は、内壁および外壁に実質的に平行な方向にガラスパネルを変位させるステップによって行われる。
−ステップa)の前に、上昇ストランドは、内側および接続分岐部が90°よりも大きい角度だけ互いに傾斜している静止位置を有する、
−ステップb)の後に、上昇ストランドは、内側および接続分岐部が90°よりも小さい角度だけ互いに傾斜している拘束位置を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、非限定的な例として、添付の図面を参照して与えられる以下の説明を読めば、よりよく理解され、本発明の他の詳細、特徴および利点がより明確になるであろう。
【
図1】エラストマーランシールおよびモータビークルサイドドア用のガラスパネルの概略斜視図であり、ガラスパネルはランシールから離れており、ドアの本体内に配置されている。
【
図2】
図1のエラストマーランシールおよびガラスパネルの別の概略斜視図であり、ガラスパネルは部分的に係合してランシール内に案内されている。
【
図3】
図2のモータビークルサイドドアの概略断面図であり、ドアのフレームをさらに示し、断面は
図2の線III−IIIに従ってとられている。
【
図4】本発明によるモータビークルサイドドアの第1の実施形態を示す、
図3の図と同様の概略断面図である。
【
図5】本発明による方法のステップを示す、
図4のモータビークルサイドドアの概略断面図である。
【
図6】本発明による方法のステップを示す、
図4のモータビークルサイドドアの概略断面図である。
【
図7】本発明による方法のステップを示す、
図4のモータビークルサイドドアの概略断面図である。
【
図8】
図4の図と同様であり、本発明の他の実施形態を示す概略断面図である。
【
図9】
図4の図と同様であり、本発明の他の実施形態を示す概略断面図である。
【
図10】
図4の図と同様であり、本発明の他の実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書において、「内側(inner)」、「内側(inside)」、「内部(interior)」などの語は、モータビークルの内側を指す。「外側(outer)」、「外側(outside)」、「外側(exterior)」などの語は、モータビークルの外側を指す。次に、外側要素がモータビークルの外側に配置される。第1の外側要素、部分または表面は、モータビークルのユーザによって視認可能であってもよく、または第1の外側要素を覆う第2の外側要素、部分または表面によって隠されてもよい。
【0026】
さらに、軸X、Y、およびZは、それぞれ3つの垂直軸を指す。軸Xは、実質的に水平なモータビークルの長手方向に沿って、特にモータビークルの後方から前方に延在する。軸Yは、側方から反対側に向かってモータビークルに対して横方向に延在する。サイドドアを考慮すると、軸Yは、このサイドドアの内部から外部まで延在する。軸Zは、下方から上方に向かって実質的に垂直に延在する。
【0027】
さらに、長さは軸Xに平行な方向に測定されると考えられる。厚さは軸Yに平行な方向に測定されると考えられ、高さは軸Zに平行な方向に測定されると考えられる。
【0028】
図1から
図3は従来技術を示し、上述したが、本発明によるモータビークルサイドドア16のいくつかの特徴を示すために使用することもできる。
【0029】
上述のように、モータビークルサイドドア16は、少なくとも、
a)少なくとも1つのパネルガイド14を担持するガラスパネル12と、
b)少なくとも1つの垂直縁部要素26を含むフレーム18と、
c)フレームに対するガラスパネル12の封止および案内を確実にするランシール10と、を含む。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態を示す。この図および本発明を依然として示す以下の図では、
図1〜
図3に関連して既に説明された要素は、より明確にかつ理解しやすくするために同じ参照番号で示されている。
【0031】
図4のランシール10は、
図1および
図2に示すようにU字形であり、上部ストランド10aによって上端において接続された2つの上昇ストランド10bを含む。
図4では、上昇ストランド10bのうちの1つのみが見える。
【0032】
この上昇ストランド10bは、実質的にU字形の横断面を有し、接続分岐部24によって互いに接続された内側分岐部20および外側分岐部22含み、ガラスパネル12によって担持されたパネルガイド14を受け入れる。
【0033】
パネルガイド14は、ガラスパネル12の内面12aに固定されている。ガラスパネル12の外面12bは、フレーム18の垂直縁部要素26の外面26aと横方向に同一平面上にある。
【0034】
垂直縁部要素26は、ガラスパネル12に平行であり、かつ外面26aを含む外壁28と、ガラスパネル12に平行な内壁30と、外壁28を内壁30に接続する接続壁32とを含む断面U字形部分を含む。
【0035】
次に、モータビークルサイドドア16の様々な要素についてより詳細に説明する。
【0036】
ガラスパネル12は、外壁28と同一平面上にあり、かつこの外壁の垂直縁部28aに面する垂直縁部12cを含む。パネルガイド14は、縁部12cに沿って内面12aに固定されている。
【0037】
パネルガイド14は、内面12aに貼付され、かつ例えば接着またはのり付けによって内面12aに固定された第1の縁部14bと、実質的にL字形の反対側の第2の縁部14cとを含む。
【0038】
この第2の縁部14cは、ガラスパネル12に平行な第1の部分14caと、ガラスパネル12に垂直であり、フック14aを形成する第2の部分14cbとを含む。パネルガイド14が単一のフック14aを含む場合、このフックは、パネルガイド14の高さの一部または全体に沿って延在してもよい。パネルガイドが2つ以上のフックを含む場合、これらのフックは、パネルガイドの高さに沿った特定の位置に配置されてもよい。両方の縁部14b、14cは、ガラスパネル12に対して傾斜した中間部分14cによって接続されている。
【0039】
E1は、パネルガイド14、特にその部分14caの厚さを示す。E2は、フック14aの厚さを示す。両方の厚さは、ガラスパネル12に垂直な方向に測定される。
【0040】
フレーム18は、金属もしくはプラスチック、またはその両方で作られてもよい。フレーム18は、例えば、ガラスパネル12の縁部12cに沿ってそこから、およびランシール10から内側に延在するように構成された少なくとも1つの金属板18a、18bを含むことができる。垂直縁部要素26は、フレーム18との一体部品として作られてもよく、またはそれに固定されてもよい。この垂直縁部要素26は、例えば、プラスチックまたは複合材料で作られる。
【0041】
図4に示す例では、垂直縁部要素26の内壁30は、例えばねじ、ボルトまたは同等の手段によってフレーム18に固定されるように意図された少なくとも1つの締結脚部40を含む。この脚部40は、接続壁32の内側端部に接続され、内壁30から内側に延在する。脚部40は、内壁30の残りの部分から離間しており、内壁30の長さと同様の、軸Xに沿って測定された長さを有する。
【0042】
さらに、図示の例では、フレーム18は、内側金属板18aおよび外側金属板18bの2つの金属板18a、18bを含む。両方の板18a、18bは、実質的に重ね合わされ、垂直縁部要素26およびガラスパネル12から内側に延在する。両方の金属板18a、18bは、自由端部18dを含むガラスパネル12に実質的に平行な垂直縁部要素26に対向する長手方向部分18cを含む。
【0043】
垂直縁部要素26の内壁30は、接続壁32に接続された第1の端部30aと、図示の例では自由である反対側の第2の端部30bとを含む。
【0044】
内壁30は、内壁の外面30cから外壁28またはガラスパネル12に向かって延在する保持リブ42を含む。保持リブ42は、断面が三角形または台形の形状を有する。保持リブ42は、ガラスパネル側に位置する第1の表面42aと、反対側に位置する第2の表面42bとを有する。第2の表面42bは内壁30に対して実質的に垂直であり、第1の表面42aは傾斜部を形成するように傾斜している。
【0045】
保持リブ42は、反対側の第2の端部30bに位置する。
【0046】
接続壁32は、壁28および30に対して実質的に垂直である。
【0047】
垂直縁部要素26の外壁28は、接続壁32および自由端部28aに接続された部分または端部を含む。
【0048】
外壁28は、外壁の内面28cから内壁30の外面30cに向かって突出する突出脚部44を含む。図示の例では、脚部44は、断面が長方形の形状を有し、平行でガラスパネル12に対して垂直である2つの対向面42aを含む。
【0049】
突出脚部44は、自由端部28aにまたはそれに近接して配置される。
【0050】
ランシール10、特にその上昇ストランド10bは、好ましくはエラストマーなどの弾性材料である1つ以上の材料で作ることができる。
【0051】
接続分岐部24は、接続壁32に対して実質的に平行であり、ガラスパネル12に対して垂直である。接続分岐部24は、内側分岐部20の第1の端部20aに接続された内側端部24aと、外側分岐部22の第1の端部22aに接続された外側端部24bとを含む。
【0052】
外側分岐部22は、この領域、すなわちガラスパネル12と垂直縁部要素26との間の封止を確実にするために、縁部12c、28aの少なくとも一方に当接するように構成されたシールリップ46に接続された反対側の第2の端部22bを含む。
【0053】
外側分岐部22は、2つの溝48、50を含むか、または画定する。外側溝48は、外側分岐部22の外面に形成され、突出脚部44を受け入れるように構成され、内側溝50は、外側分岐部22の内面22cに形成され、パネルガイド14のフック14aを受け入れるように構成される。
【0054】
溝48は、脚部44と同様の形状および寸法を有する。図示の例では、脚部44は、少なくとも溝48の底部およびこの溝48の側面の一方に当接するように構成される。
【0055】
溝50は、図示の例において、フック14aの形状および寸法よりも大きい形状および寸法を有する。
【0056】
図4の位置では、パネルガイド14の部分14caは、外側分岐部22、特にその内面22cに当接しており、フック14aは、外側分岐部22から、すなわち溝50の底面および側面からわずかに離間している。
【0057】
外側分岐部22、特にその内面22cは、溝50の底面および側面と共に、減摩層52によって覆われてもよい。
【0058】
分岐部20、24の両方の端部20a、24aは、各分岐部20、24の少なくとも一部の材料とは異なる材料で作られたランシール10の長手方向部分54によって互いに接合されてもよい。有利には、この部分54は、分岐部20、24間の角度αを変更することを可能にするヒンジ機能を有するように構成される。
【0059】
部分54の材料は、各分岐部20、24の少なくとも一部の材料のショアA硬度よりも低いショアA硬度を有してもよい。例えば、部分54の材料は、75未満のショアA硬度を有するが、各分岐部20、24の少なくとも一部の材料は、75超のショアA硬度を有する。
【0060】
内側分岐部20は、端部20aから反対側の端部20bまで延在し、パネルガイド14およびガラスパネル12に面する外面20cを含み、ガラスパネル12の内面12aまたはパネルガイド14と協働するように意図された少なくとも1つのシールリップ56を含む。
【0061】
内側分岐部20は、20d、内壁30およびフレーム18の一部、特に内側金属板18aに面する内面を含む。
【0062】
内面20dからは、少なくとも1つの突出リブが突出している。図示の例では、内側分岐部20は、2つの突出リブ58、60を有すると考えることができる。
【0063】
リブ58は、リブ58と反対側の端部20bとの間の距離D2よりも小さい、端部20aからの距離D1に位置する。すなわち、リブ58は、端部20bよりも端部20aに近い。リブ60は、反対側の端部20bに位置する。
【0064】
リブ58は、断面が三角形または台形の形状を有し、ガラスパネル側に位置する第1の表面58aと、反対側に位置する第2の表面58bとを有する。第1の表面58aは、内側分岐部20に対して実質的に垂直であり、図示のように表面42bと当接することによって協働するように構成され、第2の表面58bは、端部30bと、表面42aによって形成された傾斜部と協働するように構成された傾斜部を形成するように傾斜している。
【0065】
リブ60は、断面が矩形の形状を有し、表面58aに面する第1の表面60aと、反対側の第2の表面60bとを含む。第1の表面60aは、内側分岐部20に対して実質的に垂直である。
【0066】
第2の表面60bは、部分54の材料と同様とすることができ、かつガラスパネル12の内面12aおよび内側フック64と協働するように構成された外側シールリップ62を画定するために使用される材料によって覆われる。
【0067】
フック64は、リブ60から内側に延在し、このリブと共に、
図4に示すように両方の端部18dを受け入れるように構成されたスロット65を画定する。リブ60は、フレーム18の外面18ba、特に外側金属板18bに当接するように構成され、フック64は、フレーム18の内面18aa、特に内側金属板18aに当接するように構成される。
【0068】
シールリップ46、56、および62の場合と同様に、フック64は
図4において静止位置に示されている。反対に、ランシール10が取り付けられると、シールリップおよびフック64は、それらが拘束される位置をとる。
【0069】
リブ60の厚さE3は、リブ58の厚さE4よりも大きい。
【0070】
リブ58の厚さE4は、間隙34のサイズWに等しいか、または
図4に示す位置の間隙サイズWよりも大きい。
【0071】
図4は、最終取り付け位置と呼ばれるランシール10の位置を示す。この特定の位置では、ランシール10の分岐部20、22、特に面22c、20cは、パネルガイド14が交差する間隙34を画定する。この間隙34は、分岐部20、22間のより小さい空間に対応し、そのサイズWは、
図4の平面Pにおいて測定される。
【0072】
この間隙34は、軸Yに沿って測定されるため、厚さと同様のサイズWを有する。
【0073】
図4に示すように、最終取り付け位置において、サイズWは、有利にはE1よりも大きいがE2に等しいかまたはE2よりも小さい。
【0074】
図5〜
図7は、本発明によるモータビークルサイドドア16を取り付けるための方法のステップを示す。
【0075】
この方法は、
図5および
図6に示す第1のステップa)を含み、その間、ランシール10は、その上昇ストランド10bが内壁30またはフレーム18に対して予備取り付け位置にあるように配置される。この位置では、接続分岐部24は、
図6に示すように、リブ58、60が自由端部30b、18dに当接するまで、要素26のU字形部分、すなわち壁28、30の間に係合する。
【0076】
ステップa)は、上昇ストランド10bを少なくとも1つの方向H1、H2に変位させるステップによって実行される。
図5に示す第1の方向H1は、壁28、30に対して1〜30°の角度だけ傾斜している。
図6に示す第2の方向H2は、内壁30および外壁28に実質的に平行である。
【0077】
図6は、突出脚部44がランシール10の溝48に入り、内側分岐部20の内面20dが保持リブ42と当接することを示しており、これは間隙34のサイズを小さくする傾向がある。
【0078】
実際、ステップa)の前に、上昇ストランド10bは、角度αが90°よりも大きい、
図5に示す静止位置を有する。上昇ストランド10bが
図6の位置にあるとき、この角度αは減少し、間隙34のサイズW´の縮小につながる。
【0079】
図7に示すように、本方法は、第2のステップb)を含み、ここでは、パネルガイド14が間隙34を通ってU字形に係合して、
図4の最終取り付け位置に上昇ストランド10bを押す。この位置では、接続分岐部24は接続壁32に向かって移動し、リブ58、60は、内壁30の外面30cおよびフレーム18、特に外側金属板18bの外面18baに当接するように強制される。
【0080】
次に、リブ58は、
図4に示すように両方の面42b、58aが互いに面する
図4の位置までリブ42上をスライドさせ、それらの間で協働してランシール10の固定を確実にする。
【0081】
ステップb)は、ガラスパネル14を壁28、30に実質的に平行な方向に変位させるステップによって行われる。
【0082】
上昇ストランド10bが
図4の位置にあるとき、角度αは90°未満の値に減少し、間隙34は上記のようにサイズWを有する。
【0083】
図8〜
図10は、本発明によるいくつかの他の実施形態を示す。
【0084】
図8は、突出脚部44´およびこの脚部を受け入れる溝48´が三角形または台形である異なる断面形状を有する
図4〜
図7の実施形態とは異なる。この脚部44´は、ガラスパネル側12の第1の側面44a´と、反対側の第2の側面44b´とを含む。面44a´は傾斜しており、面44b´はガラスパネル12に対して垂直である。
【0085】
図9および
図10は、垂直縁部要素26がねじ込みによってフレーム18に固定される
図4〜
図7の実施形態とは異なる。1つ以上のねじ70は、U字形部分のオリフィスを通過し、フレーム18のねじ付きオリフィスまたはフレームに担持されたナットにねじ込まれる。
【0086】
図9に示す例では、U字形部分のオリフィスは脚部72に形成され、
図10に示す例では、オリフィスは接続壁32に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】欧州特許出願第3102448号明細書
【特許文献2】欧州特許第3558728号明細書
【外国語明細書】