(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-176752(P2021-176752A)
(43)【公開日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】補助発電のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B60K 25/06 20060101AFI20211015BHJP
H02P 9/04 20060101ALI20211015BHJP
【FI】
B60K25/06
H02P9/04 M
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-115433(P2021-115433)
(22)【出願日】2021年7月13日
(62)【分割の表示】特願2018-508627(P2018-508627)の分割
【原出願日】2016年4月29日
(31)【優先権主張番号】62/155,855
(32)【優先日】2015年5月1日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】517381496
【氏名又は名称】ブラックバーン エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】アミーゴ アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3D037
5H590
【Fターム(参考)】
3D037CA01
3D037CA04
3D037CB07
3D037CB12
3D037CB14
3D037CB18
3D037CB35
3D037CB36
5H590AA02
5H590CA23
5H590CB01
5H590CE05
5H590FA05
5H590GB05
5H590HA11
5H590JA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動車の動力伝達系から電気エネルギーを引き出し、その電気エネルギーを、自動車のエンジンが使用されないときの使用に備え、エネルギー貯蔵要素(バッテリ)に貯蔵する補助発電システムを提供する。
【解決手段】自動車200の補助動力システム250は、1つまたは複数の補助動力システムバッテリ270を充電するための発電機260を含む。自動車は、エンジン220と、エンジンからの動力を駆動輪240に分配する動力伝達系とを含む。動力伝達系は、トランスミッション232と、ドライブシャフト236と、エンジンを駆動輪に接続する差動装置238とを含む。発電機は、発電するための動力を引き出し、かつ、自動車を停止させる能力を高めるために駆動輪に制動負荷を加えるために、動力伝達系(たとえば、トランスミッション、ドライブシャフトまたは差動装置)に接続されることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションに接続されたエンジンと、該トランスミッションを差動装置に接続し、それによって1つまたは複数の駆動輪を回転させるために該エンジンの回転力を伝達するドライブシャフトと、該エンジンを支持するフレームとを含み;
該ドライブシャフトが、サポートベアリングと、該ドライブシャフトからの回転力を発電機に伝達するための、該トランスミッションと該差動装置との間に配置され、かつ発電機に結合された駆動要素とを含み、該発電機が、1つまたは複数のバッテリに電気的に接続されており、該バッテリを充電するための電気エネルギーを発生させ、
該サポートベアリングは、該ドライブシャフトに結合された内側レースを含み、該駆動要素は、該ドライブシャフトからの回転力を該発電機に伝達するために、該サポートベアリングの該内側レースに取り付けられ、
該サポートベアリングは、サポートハウジングにより該フレームに結合された外側レースを含み、該サポートベアリングの該外側レースは、該サポートハウジング内のサポートブッシュにより支持される、
自動車のための補助動力システム。
【請求項2】
駆動要素がドライブプーリおよびドライブベルトを含む、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項3】
駆動要素がドライブギヤおよびピニオンドライブシャフトを含む、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項4】
発電機に接続されかつ該発電機の少なくとも1つの動作モードを制御する制御装置をさらに含む、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項5】
制御装置が1つまたは複数のセンサに接続され、該制御装置が、該1つまたは複数のセンサの少なくとも1つの機能に応じて発電機を制御するように構成されている、請求項4記載の補助動力システム。
【請求項6】
制御装置が、加速度計に接続され、かつ該加速度計から加速データを受け取り;該加速度計が既定のしきい値よりも大きい傾斜角を有することを該加速度計データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項5記載の補助動力システム。
【請求項7】
該加速度計が既定のしきい値よりも小さい傾斜角を有することを加速度計データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項6記載の補助動力システム。
【請求項8】
制御装置が、アクセルペダル位置センサに接続され、かつ該アクセルペダル位置センサからアクセル位置データを受け取り;該アクセルペダルが抑制されていることを該アクセル位置データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項5記載の補助動力システム。
【請求項9】
該アクセルペダルが押されていることをアクセル位置データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項8記載の補助動力システム。
【請求項10】
制御装置が、自動車のエンジン制御ユニット(ECU)に接続され、かつ該ECUからECUデータを受け取り;該自動車が高効率モードで作動していることを該ECUデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項4記載の補助動力システム。
【請求項11】
自動車が低効率モードで作動していることをECUデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項10記載の補助動力システム。
【請求項12】
制御装置が、自動車のグローバルポジショニングシステム(GPS)に接続され、かつ該GPSからGPSデータを受け取り;該自動車が坂を下っていることを該GPSデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項4記載の補助動力システム。
【請求項13】
自動車が坂を上っていることをGPSデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項12記載の補助動力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、内容が参照により全体として本明細書に組み入れられ、2015年5月1日に出願された米国特許仮出願第61/155,855号の、35U.S.C.§119(e)に基づく恩典を含む、法によって提供されるあらゆる恩典を主張する。
【0002】
連邦政府資金援助を受けた研究に関する声明
該当なし
【0003】
マイクロフィッシュアペンディックスの参照
該当なし
【0004】
発明の技術分野
本発明は、自動車のための補助発電システムに関する。より具体的には、自動車の動力伝達系からエネルギーを引き出し、そのエネルギー(たとえば電気エネルギー)を、自動車のエンジンが使用されないときの使用に備え、エネルギー貯蔵要素(たとえばバッテリ)に貯蔵する補助発電システムに関する。本発明はまた、自動車(たとえば電気モータ駆動の自動車)に推進力を提供し、かつ、自動車サブシステムのための新たな形態の確実かつ一貫した電源を提供するために使用することもできる。
【背景技術】
【0005】
先行技術の説明
自動車は、乗客の快適さのために、動力伝達系部品と客室との両方にますます多くの電子部品を組み込んでいる。それらには、たとえば、より軽量であり、燃料消費を減らすためにオフにすることができるが、それでもなお使用中に燃費の寄生損失を生じさせる、電動冷却ファンおよび電動流体ポンプがある。これらおよび他の電気部品の使用は、より多くの電気エネルギーおよびより大きな蓄電の必要性を強いている。これは乗用車およびモーターホームの両方ならびに長距離および短距離トラック輸送に使用されるトレーラトラックにも当てはまる。大型トラックにおける電力の必要性もまた、より多くの電気部品およびバッテリベースのシステムからの需要が高まるにつれ、増大している。これらの電気部品(たとえば電動燃料ポンプ、パワーステアリングポンプ、冷却ファンなど)の使用は、主トラックエンジンでこれらのサブシステムを作動させることにより、5〜7%の燃費の(寄生)損失を生じさせると推定される。
【0006】
いくつかの方法で、電気エネルギーの必要性は、運転者および/または乗客の寝泊まりのための場を提供する自動車、たとえば大型トラックおよびモーターホームにおいてより大きい。理由は、これらの自動車は一般に、主エンジンを切ることが求められるかまたは望ましいときでも、長期間(夜通しを含め)乗客に快適さを提供しなければならないからである。これらの自動車は第一に、主エンジンに接続されたオルタネータからエネルギーを引き出し、したがって、自動車が動いていないときでさえも、寝泊まりの場を冷暖房するために主エンジンを作動させておくことを必要とする。これが燃料を浪費し、大気汚染に寄与する。
【0007】
加えて、数多くの環境規制が、仮眠室の冷暖房を作動させるために主トラックエンジンをアイドリング状態にすることを禁止行為にしている。その結果、バッテリベースの冷暖房システムが出現したが、これらのシステムは、これらのシステムをバッテリで長期間作動させるのに十分な電力を効率的に発生させる能力を欠く。自動車、特にクラス8大型トラックのための新たなより効率的な専用電源の必要性が当技術分野に存在する。
【発明の概要】
【0008】
概要
本発明は、自動車の補助動力システムに動力を供給するための方法およびシステムに関する。先行技術のシステムは、ベルトおよびプーリによってエンジンのクランクシャフトの前端に接続されたオルタネータから自動車の電力を引き出す。一般に、発電は、内燃機関の前部からでも内燃機関の後部からでも同じ効率および動特性をもたらすと仮定される。理論的には真であるが、トランスミッションの出力側の動特性は、トランスミッションのギアリング効果のせいで実質的に異なる。本発明のいくつかの態様にしたがって、補助動力システム(オルタネータまたは発電機を含む)は、トランスミッションギヤリングを利用して、走行中に出力軸をより高速かつより大きなトルクで回転させるように設計され、構築されている。
【0009】
本発明のいくつかの態様にしたがって、自動車は、自動車を推進する駆動輪を駆動する動力伝達系またはドライブシャフトを駆動するトランスミッションに接続されたエンジンを含み、発電機(またはオルタネータ)がトランスミッションまたはドライブシャフトに結合されることができる。トランスミッションまたはドライブシャフトからの動力を使用して、発電機(またはオルタネータ)に動力を供給して、補助動力システムのエネルギー貯蔵要素(たとえばバッテリ)に貯蔵されることができる電気エネルギーを発生させ、かつ、自動車の電気部品に動力を供給することができる。発電機(またはオルタネータ)は、効率的な動作を提供するために、また、自動車の回生制動のような機能のために、制御システムによって選択的に制御されることができる(たとえば、クラッチによって選択的に作動させることにより、または発電機もしくはオルタネータのステータを選択的に起動させることにより)。
【0010】
本発明のいくつかの態様にしたがって、システムは、長距離トラックの動特性などの長距離高速道路移動の動特性に最適化される。高速道路速度では、エンジンRPMは、トランスミッションの出力軸に取り付けられたドライブシャフトのRPMよりも低くなる。本発明のいくつかの態様にしたがって、発電部品(たとえばオルタネータまたは発電機)は、高速道路速度でより高いRPMおよびより多くの電気を提供するドライブシャフトの回転から動力を取り出す。加えて、本発明のシステムは、自動車の減速により、オルタネータまたは発電機の追加された抵抗を使用して発電する回生制動モードで使用することができる。
【0011】
本発明の実施形態にしたがって、以下の能力の1つまたは複数が提供され得る。
【0012】
本発明の目的の1つは、自動車のモータからより効率的にエネルギーを引き出すシステムを提供することである。
【0013】
本発明の目的の1つは、自動車の動力伝達系から効率的にエネルギーを引き出すシステムを提供することである。
【0014】
本発明の目的の1つは、動力伝達系からのエネルギーを使用して補助動力システムに動力を供給することを可能にするシステムを提供することである。
【0015】
本発明の目的の1つは、動力伝達系からのエネルギーを使用して発電機またはオルタネータに動力を供給して、補助動力システムのバッテリを充電することを可能にするシステムを提供することである。
【0016】
[本発明1001]
トランスミッションに接続されたエンジンと、該トランスミッションを差動装置に接続し、それによって1つまたは複数の駆動輪を回転させるために該エンジンの回転力を伝達するドライブシャフトとを含み;
該ドライブシャフトが、該ドライブシャフトからの回転力を発電機に伝達するための、発電機に結合された駆動要素を含み、該発電機が、1つまたは複数のバッテリに電気的に接続されており、該バッテリを充電するための電気エネルギーを発生させる、
自動車のための補助動力システム。
[本発明1002]
駆動要素がドライブプーリおよびドライブベルトを含む、本発明1001の補助動力システム。
[本発明1003]
駆動要素がドライブギヤおよびピニオンドライブシャフトを含む、本発明1001の補助動力システム。
[本発明1004]
動力伝達系中に設置されたとき動力取り出し装置を形成する、プーリ、スプロケットまたはギヤと組み合わせてガスケット中に収容された複数のベアリングで構成された装置をさらに含む、本発明1001の補助動力システム。
[本発明1005]
発電機に接続されかつ該発電機の少なくとも1つの動作モードを制御する制御装置をさらに含む、本発明1001の補助動力システム。
[本発明1006]
制御装置が1つまたは複数のセンサに接続され、該制御装置が、該1つまたは複数のセンサの少なくとも1つの機能として発電機を制御するように構成されている、本発明1005の補助動力システム。
[本発明1007]
制御装置が、加速度計に接続され、かつ該加速度計から加速データを受け取り;該加速度計が既定のしきい値よりも大きい傾斜角を有することを該加速度計データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、本発明1006の補助動力システム。
[本発明1008]
該加速度計が既定のしきい値よりも小さい傾斜角を有することを加速度計データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、本発明1007の補助動力システム。
[本発明1009]
制御装置が、アクセルペダル位置センサに接続され、かつ該アクセルペダル位置センサからアクセル位置データを受け取り;該アクセルペダルが抑制されていることを該アクセル位置データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、本発明1006の補助動力システム。
[本発明1010]
該アクセルペダルが押されていることをアクセル位置データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、本発明1009の補助動力システム。
[本発明1011]
制御装置が、自動車のエンジン制御ユニット(ECU)に接続され、かつ該ECUからECUデータを受け取り;該自動車が高効率モードで作動していることを該ECUデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、本発明1005の補助動力システム。
[本発明1012]
自動車が低効率モードで作動していることをECUデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、本発明1011の補助動力システム。
[本発明1013]
制御装置が、自動車のグローバルポジショニングシステム(GPS)に接続され、かつ該GPSからGPSデータを受け取り;該自動車が坂を下っていることを該GPSデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、本発明1005の補助動力システム。
[本発明1014]
自動車が坂を上っていることをGPSデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、本発明1013の補助動力システム。
[本発明1015]
トランスミッションに接続されたエンジンと、該トランスミッションを差動装置に接続し、それによって1つまたは複数の駆動輪を回転させるために該エンジンの回転力を伝達する動力伝達系とを含み;
該動力伝達系が発電機を含み、該発電機が、該動力伝達系に結合されかつ該動力伝達系に対して回転するように構成された磁気ロータドライブと、該ロータを包囲し、かつ回転するロータから電気エネルギーを発生させるように構成されたステータとを含む、
自動車のための補助動力システム。
[本発明1016]
磁気ロータが、該動力伝達系とともに回転するよう動力伝達系に直接取り付けられている、本発明1015の補助動力システム。
[本発明1017]
ロータが、駆動機構によって動力伝達系に接続されている、本発明1015の補助動力システム。
[本発明1018]
駆動機構がベルト・プーリ駆動機構を含む、本発明1017の補助動力システム。
[本発明1019]
駆動機構がチェーン・スプロケット駆動機構を含む、本発明1017の補助動力システム。
[本発明1020]
駆動機構がリングまたはピニオンギヤ駆動機構を含む、本発明1017の補助動力システム。
本発明のこれらの能力および他の能力は、詳細な説明、添付の図面および特許請求の範囲を考察したのち、発明そのものとともに、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み入れられる添付図面は、本発明の1つまたは複数の例示的態様を説明し、詳細な説明とともに、これらの発明の原理および用途を説明するのに役立つ。図面および詳細な説明は例示的なものであり、本発明の範囲を限定することなく、本発明およびその用途の理解を促進することを意図したものである。例示的な態様は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、改変され、適合されることができる。
【0018】
【
図2】本発明のいくつかの態様の自動車の略図である。
【
図3】本発明のいくつかの態様の自動車の略図である。
【
図3A】本発明のいくつかの態様のドライブギヤおよびピニオンギヤの図である。
【
図4】本発明のいくつかの態様の自動車の略図である。
【
図5】本発明のいくつかの態様の自動車の略図である。
【
図6A】本発明のいくつかの態様のサポートベアリングの略図を示す。
【
図6B】本発明のいくつかの態様のサポートベアリングの略図を示す。
【
図7】本発明のいくつかの態様の自動車用の補助動力システムのための制御システムの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、自動車の電気システムに動力を供給する際に使用するための、補助動力システムに動力、たとえば電気エネルギーを供給する方法およびシステムに関する。本発明のいくつかの態様にしたがって、自動車は、ドライブシャフトを駆動しかつ自動車を推進する駆動輪に動力を供給するトランスミッションに接続されたエンジンを含み、トランスミッションまたはドライブシャフトに発電機(またはオルタネータ)が結合されることができる。トランスミッションまたはドライブシャフトからの動力を使用して、発電機(またはオルタネータ)に動力を供給して(たとえば回転させて)、補助動力システムのバッテリアレイに貯蔵されることができる電気エネルギーを生成し、かつ、自動車の電気部品に動力を供給することができる。発電機(またはオルタネータ)は、自動車の回生制動を提供するように制御されることができる。
【0020】
図1は、先行技術における公知の自動車100の略図を示す。自動車100は、その他の部品、たとえばエンジン120および動力伝達系130(たとえばトランスミッション132、ドライブシャフト136および差動装置138)を支持し、整列させるように働く1つまたは複数のクロスバー112を有するシャシまたはフレーム110を含む。フレーム110は、別個の構造であることもできるし、または車台もしくは客室に一体化されていることもできる。動力伝達系130は、トランスミッション132、ドライブシャフト136および差動装置138を含む。トランスミッション132はエンジン120に結合され、ドライブシャフト136はトランスミッション132を差動装置138および駆動輪140に接続する。一般に、エンジン120はトランスミッション132に固く結合されており、組み合わされたエンジン120およびトランスミッション132は、大きな量のトルクをドライブシャフト136、差動装置138および車輪140に伝達しながらも、振動を吸収し、エンジン120およびトランスミッション132がフレーム110に対して小さな量だけ動くことを可能にするモータマウント(図示せず)により、フレームに可動的に結合されている。自動車はサスペンションシステム(図示せず)を含むことができ、これは、駆動輪140が、路面からのショックを吸収するためにフレーム110に対して動くことを可能にし、かつ駆動輪140が、非平坦な路面とのトラクションを維持することを可能にする。フレーム110に対する駆動輪140の動きに対応するために、自在継手134Aおよび134Bを使用して、ドライブシャフト136の前端をトランスミッション132に接続し、ドライブシャフト136の後端を差動装置138に接続することができる。自在継手134Aおよび134Bは、差動装置138および駆動輪140がフレーム110およびトランスミッション132に対して動くとき、トランスミッション132の回転力がドライブシャフト136および差動装置138に伝達されることを可能にする。
【0021】
図2は、本発明のいくつかの態様の自動車200の略図を示す。本発明のいくつかの態様にしたがって、
図1に示すような自動車100は、ドライブシャフト236に結合され、ドライブシャフト236から動力を引き出して、APUバッテリ270に貯蔵されることができる電気を発生させることができる発電機260(たとえば発電機またはオルタネータ)を収容するように改変することができる。エンジン220(たとえばガソリンまたはディーゼルモータ)がフレーム210に取り付けられることができる。エンジン220は、エンジン220からの動力を駆動輪240に伝達する動力伝達系230に結合されることができる。動力伝達系230は、トランスミッション232、前自在継手234A、ドライブシャフト236、後自在継手234Bおよび差動装置238を含み、差動装置は、駆動輪240に接続されている駆動車軸を含む。駆動車軸は、独立駆動サスペンションシステムの一部として自在継手を含むことができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、差動装置238は、たとえば、駆動輪240がフレームに対して動いて振動を吸収し、非平坦な路面との接触を維持することを可能にするためのサスペンションシステム(たとえば、図示しないスプリングおよびショックアブソーバ)によって、フレームに可動的に結合されることができる。前自在継手234Aおよび後自在継手234Bは、ドライブシャフト236がトランスミッション232からのトルク(および動力)を駆動輪240に伝達するとき差動装置238が動くことを可能にする。ドライブシャフト236は、差動装置236および駆動輪240の動きに対応するために、フレームに対して動くことができる。発電機260をドライブシャフト236に結合するために、ドライブプーリ256がドライブシャフト236の一部分に取り付けられることができ(たとえばスプライン、キー・キー溝、ピンを使用して、またはプレス嵌めにより)、APUベルト258がドライブプーリ258を発電機プーリ262に結合することができる。加えて、APUベルト258がドライブシャフト236を整列状態から逸脱させ、自在継手234Aおよび234Bを損傷する可能性を防ぐために、サポートベアリング252および254が、フレーム210に取り付けられ(たとえばクロスバー212上で)、ドライブシャフト236を支持することができる。
【0022】
図2は、動力伝達系の中に設置されている動力取り出しシステム250の図を示す。いくつかの態様にしたがって、動力取り出しシステム250は、従来の自動車(たとえばトラック)動力伝達系のドライブシャフト236上の主センタベアリングに取って代わる、サポートベアリング252および254によって包囲されたドライブプーリ256を含む。動力取り出しシステム250は、センタベアリングの機能を実行し、発電機またはオルタネータを駆動するための動力がドライブシャフトから取り出されることを可能にする。ユニットは、少なくとも1つのベアリング(たとえばサポートベアリング252および254)によって各側を包囲された駆動要素256(たとえばプーリ、スプロケットまたはリングおよびピニオンギヤ)からなる。駆動要素256は、クロムモリブデン、バナジウム鋼、ステンレス鋼またはアルミニウムならびに他の高強度金属合金でできていることができる。ベアリングは、ボールベアリング、ローラベアリング、ボールスラストベアリング、ローラスラストベアリングまたは円錐ローラスラストベアリング(またはそれらの組み合わせ)のいずれかであることができ、複数の態様にしたがって、自動車の動力伝達系構成の支持および負荷要件に対応するように構成されることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、駆動要素256(たとえばプーリ、スプロケットまたはリングおよびピニオンギヤ)の各側に位置するサポートベアリング252、254は、トラックフレーム210に機械的に取り付けられる外骨格の中で圧縮されることができるブッシュ(またはブッシュシステム)の中に取り付けられる、または収容されることができる。ブッシュは、弾力のある圧縮性材料、たとえばネオプレン、ゴム、シリコーン、ウレタン、ポリウレタンまたはそれらの任意の数の組み合わせでできていることができる。いくつかの形態において、ブッシュ材料は、ブッシュ材料の密度および所望の用途に依存して、材料中に1つまたは複数のレリーフカット(たとえば半径方向に延びる空隙)を含むことができ、それがさらに材料が撓むことを可能にする。ブッシュの役割は、自動車の振動を吸収し、2本のシャフトを整列させるように働き、システムが自動車の動きに合わせて撓むことを可能にすることである。チューブシャフトは、一端にヨークを有し、他端にドライブシャフトを有する状態で、オス型端をユニット挿入する。ヨークは、標準的な自在継手を介して別のヨークおよびその他のドライブシャフトに取り付けられることができる。
【0023】
いくつかの態様にしたがって、ベルト258が、一端ではドライブプーリ256の周囲に掛けられ、また、発電機/オルタネータ260のシャフトに取り付けられた発電機プーリ262の周囲に掛けられることができる。いくつかの態様にしたがって、ドライブプーリ256は、ドライブスプロケット256と、発電機/オルタネータ260のシャフトに取り付けられた発電機スプロケット262を駆動するチェーン258とに代えられることができる。ベルトまたはチェーンは、回転するシャフトの垂直軸に加えられる水平方向力の範囲に校正されたばね押しテンショナ(図示せず)の使用によって張ることができる。
【0024】
補助動力装置(APU)システムは、ワイヤ272によってAPUバッテリパック270に接続されることができる発電機(またはオルタネータ)260を含む。APUバッテリパック270は、バッテリアレイと、充電効率を最大化し、かつバッテリへの損傷(たとえば過充電)を最小化するためにシステムの充電パラメータを制御することができる充電制御回路とを含むことができる。いくつかの態様にしたがって、充電制御回路は、バッテリパック270とは別個の部品であることができる。
【0025】
図3は、本発明のいくつかの態様の自動車300の略図を示す。
図3に示す自動車300は
図2の自動車と本質的に同じであるが、本発明のこの態様において、発電機360は、APUドライブベルト258の代わりにAPUドライブシャフト358によってドライブシャフトに結合されている。この態様において、発電機360は、ドライブシャフト336の一部分に取り付けられることができる(たとえば、スプライン、キー・キー溝、ピンを使用して、またはプレス嵌めにより)ドライブギヤ356によってドライブシャフト336に結合され、APUドライブシャフト358を使用してドライブギヤ358を発電機ギヤ362に結合することができる。加えて、APUドライブシャフト358がドライブシャフト336を整列状態から逸脱させ、自在継手334Aおよび334Bを損傷する可能性を防ぐために、サポートベアリング352および354が、フレーム310に取り付けられ(たとえばクロスバー312上で)、ドライブシャフト336を支持することができる。
【0026】
図3Aに示すように、ドライブギヤ356は、ヘリカル歯を有するスパイラルベベルギヤを含むことができる。スパイラルギヤは、円錐またはハイポイド設計に構成されることができる。または、ドライブギヤ356はクラウンギヤまたはリングを含むことができる。ドライブギヤ356は、対応するギヤ358Aによって90°の角度でドライブシャフトまたはピニオンシャフト358に接続されることができる。ピニオンシャフト358は発電機360に接続されることができる。いくつかの態様にしたがって、ピニオンシャフト358は、ピニオンシャフト358の壊滅的な損傷がドライブシャフト336または動力伝達系360を損傷することを防ぐための安全シャフトを含むことができる。安全シャフトは、発電機/オルタネータに接続される中空管に挿入される中実の出力シャフトを含むことができる。一連のベアリング(たとえばニードルベアリング)を中実シャフトに設置することができ、中空管シャフトをグリース処理ベアリングとともに中実シャフトを覆って配置することができる。中空管シャフトは中実シャフトおよびベアリングの少なくとも一部分をカバーする。2本のシャフトは、両シャフトに挿入されて所定の位置にボルト締めされる一連の剪断ピンによって接続されることができる。剪断ピンは、加えられたトルクが許容可能レベルを超えたときに剪断されるように選択される。
【0027】
図4は、本発明のいくつかの態様の自動車400の略図を示す。
図4に示す自動車400は
図2の自動車と本質的に同じであるが、本発明のこの態様において、発電機460はドライブシャフト436に直接取り付けられている。発電機460の磁化ロータがドライブシャフト436に固着されることができ、発電機460のステータが、サポートベアリング452および/または454を介してフレーム410に結合されることができる。磁化ロータは、ステータ内でドライブシャフト436とともに回転して、APUバッテリ470に貯蔵されることも、接続された電気部品に動力を供給するために使用されることもできる電気を発生させる。
【0028】
図5は、本発明のいくつかの態様の自動車500の略図を示す。
図5に示す自動車500は、トランスミッション532が、発電機560に直接的または間接的に結合されることができる二次出力532Aを含むように改変されていることを除き、
図2に示す自動車200と同様である。いくつかの態様にしたがって、トランスミッション532の二次出力は、発電機560に結合されている発電機ギヤまたはプーリ562と係合するドライブギヤまたはプーリ532Aを含むことができる。発電機560は、フレーム510に取り付けられることも、トランスミッション532(たとえばトランスミッションハウジング)に直接取り付けられることもできる。いくつかの態様にしたがって、トランスミッション532は、たとえばドライブシャフトを使用して発電機560の入力シャフト562に結合されることができる二次出力シャフト532Aを含むことができる。これらの態様において、発電機560は、ワイヤ572によってAPUバッテリパック570に伝達されることができる電気エネルギーを生成する。
【0029】
図6Aおよび6Bは、本発明のいくつかの態様のサポートベアリング652の概略図を示す。
図6B中、サポートハウジング690は、内側のサポートブッシュ682を示すために断面で示される。
図2、
図3および任意で
図4に示すように、ドライブシャフト236、336、436は、動力取り出し装置、たとえばドライブプーリ256またはドライブギヤ356の負荷に対してドライブシャフト236、336、436を支持するサポートベアリング252、254、352、354、452、454によって支持されることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、サポートベアリング652は、サポートブッシュ682およびベアリング690(たとえばボールベアリング)を含むサポートフレームまたはハウジング680を含む。ベアリング690は、ドライブシャフト636に取り付けられることができる(たとえばスプライン、キー・キー溝、ピンを使用して、またはプレス嵌めによって)内側レース692と、サポートブッシュ682によって支持されることができる外側レース694とを含む。いくつかの態様にしたがって、ベアリング690の内側レース692は、ドライブシャフト636上のスプラインと噛み合うスプラインを含むことができる。ドライブシャフト636上のスプラインは、自在継手634Cのヨークをドライブシャフト636のドライブチューブに接続するために使用されるスプラインであることができる。サポートブッシュ682は、エラストマー材料(たとえばゴム、ネオプレンまたは弾性ポリマー)で構成されることができる。サポートブッシュ682は、通常の使用中にベアリング690をドライブシャフト636の側方運動に対応する範囲内で浮かせる、または可動性にし、かつ同時に、動力を発電機260、360、460に伝達するドライブシステムによって加えられる横方向負荷に対してドライブシャフト636を支持することを可能にする。動作中、1つまたは複数のサポートベアリング652のサポートフレーム680は、自動車200、300、400のフレーム210、310、410に一体化または固着される(たとえばボルトまたは溶接によって)ことができ、内側レース692はドライブシャフト636に取り付けられることができる。ドライブプーリ256またはドライブギヤ356は、たとえば溶接または他の取り付け法により、ベアリング690の内側レース692に固定されて、発電機260、360、460に動力を供給するためにドライブシャフト636に結合されるモノリシックユニットを形成することができる。通常の使用中、ドライブシャフト636は、フレーム210、310、410に対する駆動輪240、340、440の動きに対応するために横方向に移動し、サポートブッシュ682は、ベアリング690がドライブシャフト636を支持するとき、ベアリング690の動きに対応するために圧縮されることができる。
【0030】
動作中、APUバッテリシステムは、イグニションバッテリおよびエンジン電子部品のいくつかを充電するエンジンに接続された標準的なオルタネータの代わりに、またはそのバックアップとして、動作中の自動車の電気部品の多くに動力を供給するために使用することができる。APUバッテリシステムはまた、イグニションバッテリが故障した場合にバックアップシステムとして使用することもできる。さらに、標準的なオルタネータは、自動車が動くことができない期間中に充電するために、APUバッテリシステムに選択的に接続されることができる。
【0031】
発電機260、360、460駆動システムは、駆動ベルト258と、ばね押し式であることができる1つまたは複数のテンションプーリとを含むことができ、ばね力は、テンションプーリを駆動ベルト258に対して偏らせるために、ばねを圧縮または解放するためのボルトを使用して調節可能であることができる。いくつかの態様にしたがって、ベルト・プーリシステムの代わりにチェーン・スプロケット駆動システムを使用することができる。いくつかの態様にしたがって、ドライブプーリ252および/または発電機プーリ262は、ドライブシャフト(または二次出力532A)から引き出された動力を調節可能にするための連続可変動力トランスミッションシステムの一部として調節可能であることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、調節可能なトランスミッション機構がドライブシャフト236、336、436または二次出力532Aと発電機260、360、460、560との間に配置されることができる。調節可能なトランスミッションは、チェーン・スプロケット駆動機構、ギヤ機構または両方の組み合わせを含むことができる。調節可能なトランスミッションは、トランスミッションを調節することにより、ドライブシャフト236、336、436または二次出力532Aからの動力取り出しがシステムの必要性にしたがって調節されることを可能にすることができる。
【0032】
本発明の例示的態様は、ドライブシャフト236、236、436に結合された発電機260、360、460を示すが、本発明の他の態様にしたがって、ドライブプーリ256またはドライブギヤ356は、さらなるサポートベアリングの必要なしで、トランスミッション232、332、432の出力シャフトまたは差動装置238、338、438の入力シャフトに直結されることもできる。発電機260、360、460は、サポートベアリングを使用することなく、トランスミッションハウジングまたは差動装置ハウジングに直接取り付けることができる。
【0033】
いくつかの態様にしたがって、発電機/オルタネータは、ドライブシャフトのヨークおよび自在継手に一体化されることができ、それにより、発電機/オルタネータの磁気部品を、ステータ(たとえば1つまたは複数の銅コイル)によって包囲されている回転ヨークに取り付けることができる。磁化ヨークがステータ内で回転すると、ヨークは、バッテリを充電するために使用することができる電荷を発生させる。加えて、ステータ上の電荷の変化を使用して、磁化ヨークの回転を妨げて制動を提供することができる。
【0034】
図7は、本発明のいくつかの態様のAPU制御システム700の略図を示す。APU制御システム700は、ネットワーク726、エンジン制御ユニット(ECU)722、ユーザインタフェース(UI)742、発電機760、APUバッテリパック770および外部センサ724に接続されることができる制御装置710を含むことができる。制御装置710は1つまたは複数のコンピュータを含むことができ、そのコンピュータは、中央処理ユニット(CPU)712および対応するメモリ部品714(たとえば揮発性および不揮発性メモリ装置)と、制御装置710が外部装置およびシステムと通信することを可能にする1つまたは複数の通信設備716(たとえば有線および/または無線通信ポート、たとえば無線通信、セルラーデータ、WiFi、Blue Tooth、Zigbee、Ethernet、I2C、シリアルI/O、SPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース))とを含む。制御装置はまた、制御装置の動作中に制御装置710によって使用されるデータを記憶しかつ性能データをのちの分析に備えて記録するためのデータ記憶装置715を含むことができる。
【0035】
いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、任意で制御装置710をインターネットに接続することができるネットワーク726、たとえばWiFiネットワーク、セルラーモバイルデータネットワーク、ワイドエリアネットワーク、衛星通信ネットワークおよび/またはメッシュ通信ネットワークに接続されることができる。この接続を使用して、記録された性能データまたはリアルタイムデータを分析(たとえばリアルタイム分析またはのちの分析)に備えて遠隔システムに転送することができる。
【0036】
本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置710は、機能強化された地図データ(たとえば道路およびルート情報、道路勾配情報、交通情報および気象情報)にアクセスすることができ、これは、ローカルメモリ714に記憶されることもでき、および通信設備716を介して遠隔アクセス(たとえば公的および私的インターネットソースから)されることもできる。いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、動力が発電機/オルタネータ760に結合され、システムがフリーホイール状態である(たとえば、動力を引き出さず、ドライブシャフトに負荷がかからない)ルート中の時間を選択することによって、動力伝達系から取り出されるエネルギーを最適化するソフトウェアベースのアルゴリズムを含むことができる。アルゴリズムがインテリジェントマップおよび勾配情報をルート情報、交通情報および気象情報とともに使用して、フリーホイールを含むシステムの作動/解除のための最適な期間、エネルギー捕獲を最適化するためのエンジンブレーキの加減および運転者安全性を決定することができる。いくつかの態様にしたがって、オルタネータ(たとえばステータ)に電荷または電位を選択的に加えることが、機械的抵抗(たとえば制動のための)およびバッテリを充電するための電気出力を選択的に生成する。いくつかの態様にしたがって、コンピュータ制御装置を使用して、システムセンサ(たとえば1つまたは複数の加速度計および/またはジャイロ)に基づく動力ユニットを選択的に作動させて、動力伝達系および電子もしくはe-ジェイクブレーキシステムへの抵抗を選択的に制御することができる。
【0037】
いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、坂および/または山の勾配を上り下りする自動車の動きを認識する(たとえば加速度計、ジャイロスコープ、GPSおよび/または地形データに基づいて)ようにプログラムされることができる。いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、加速度計および/またはジャイロスコープデータを使用して、トラックの上り下りの角度を測定し、システムが性能目標を達成する(たとえば燃費を増す、および/または発電量を増す)ために動力伝達系に加える抵抗のレベルを制御することができる。たとえば、制御装置710は、加速度計(および/またはジャイロ)データをモニタし、傾斜角(たとえば上りまたは下りの角度)を決定することができ、下りの角度が既定のしきい値(たとえば3%勾配)よりも上ならば、制御装置は、発電機またはオルタネータを選択的に作動させて、ドライブシャフト回転への抵抗を増し、それにより、自動車に制動効果を加え、自動車が坂を下るときの移動する自動車の運動エネルギーからのエネルギー再捕獲を最適化し、それにより、バッテリアレイ中に貯蔵される電気の量を増しながらも、自動車の安全な運転を促進する(たとえば自動車制動システムの摩耗および過熱を減らす)ことができる。制御装置は、自動車が坂を下っており、任意で、エンジン動力を使用していないときのみ、発電機またはオルタネータを選択的に作動させ、エンジンがアイドリングする、またはエンジンをフリーホイールモードで解除することを許すことができるため、これはまた、燃費を最適化する。
【0038】
加えて、いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、ネットワーク接続726を使用して、そのファームウェアおよびソフトウェアを更新し、遠隔システム診断を含むソフトウェアを実行し、システム出力、位置、温度、バッテリ状態、車速、重量などを含むシステム状態をモニタすることができる。いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、既定の移動に必要なすべての地図、ルート、地形(たとえば傾斜)、交通、気象および他のデータをダウンロードして、制御システム700が移動中に(路上で遠隔ソースからデータを検索することなく)作動することを可能にすることができる。加えて、交通および/または気象状態によって起こり得るルート変更を予想するために、代替ルートおよび迂回路に関するデータを記憶することもできる。運転者がルートを変更しなければならず、さらなるデータが必要である場合、制御システム700は、有線または無線データソース(たとえばEthernet、セルラーデータ、WiFi、Blue Tooth、Zigbeeなど)を使用して接続して、さらなるデータを得ることができる。いくつかの態様にしたがって、制御システムはまた、運転者(または乗客)のモバイル電話またはフリート無線通信システムからのテザリングによってデータを得ることもできる。
【0039】
いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、自動車エンジン220、320、420、520の性能をモニタするために、エンジン制御ユニット(ECU)722に接続されることができる。制御装置710は、発電機760がドライブシャフトまたはトランスミッションから動力を引き出すときを制御するために、発電機760に接続されることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、発電機ギヤまたはプーリ262、362は、制御装置710によって選択的に作動または解除させることができるクラッチを含むことができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、発電機260、360は、制御装置710によって充電負荷に電気的に接続またはそれから切断されることができる。動作中、たとえば、制御装置710は、エンジンが低効率モードで作動しているとき、たとえば加速している(たとえば、自動車アクセルペダルが押される、または計測される燃費が悪い)または坂を上っている(たとえば、加速度計データが上昇動を示す)ときには、動力伝達系に対する充電機能および動力負荷を選択的に解除し、エンジンが高効率モードで作動している、たとえば減速している(たとえば、自動車アクセルペダルが抑制される、ブレーキが押される、または計測される燃費が良い)または坂を下っている(たとえば、加速度計データが下降動を示す)ときおよび回生制動の場合には、動力伝達系に対する充電機能および動力負荷を選択的に作動させることにより、APUバッテリ充電機能を最適化して、エンジンの燃費を高めることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置は、地図および/または地形データ(たとえばデータ記憶装置715に記憶されているような)を使用して、性能モードを予想し、自動車が坂を上るのか下るのかおよび傾斜度に依存して充電負荷を作動または解除させることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置は、発電機またはオルタネータを定期的に(たとえば既定のデューティサイクルにしたがって)作動させ、次いで解除させて、動力伝達系に対する負荷を変調し、動力伝達系に加えられる抵抗をより綿密に制御することができる。または、制御装置は、発電機またはオルタネータのステータに加えられる電圧を制御して、動力伝達系に対する負荷を制御することができる。
【0040】
本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置710は、運転者がAPU充電システムの動作を制御することを可能にするユーザインタフェース(UI)742、たとえば自動車のダッシュボード中の制御パネルに接続されることができる。制御パネルUI 742は、APU充電システムを既定の動作モード(たとえばオン、オフ、最大充電、最大燃費)に入れる1つまたは複数のボタンまたはスイッチを含むことができる。制御パネルUI 742は、システムの既定の動作モード(たとえばオン、オフ、最大充電、最大燃費)を制御するためのユーザインタフェース要素を提供し、かつ運転者が動作モードのパラメータを調節することを可能にするタッチスクリーンユーザインタフェースを含むことができる。UI 742はまた、運転者に状態情報(たとえばAPU充電または非充電状態、バッテリ充電レベル)および警告情報(たとえばエラー状態、たとえば非充電、過充電もしくはバッテリなしまたはシステム故障、たとえば発電機非作動もしくはバッテリ故障)を提供するインジケータ(たとえば光および/または音声生成部品)を含むことができる。いくつかの態様にしたがって、UI 742は、スマートフォンまたはコックピット搭載GPSユニットを使用して提供することができる。
【0041】
いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、発電機およびAPUバッテリパック770の状態および性能をモニタするために、発電機760およびAPUバッテリパック770に接続されることができる。本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置710は、移動中に充電機能を制御することができる(たとえばバッテリがいつ充電されるか、充電の速度およびたとえば細流充電による充電の維持)。いくつかの態様にしたがって、制御装置710は、運転者が目的地を入力し、任意で、移動ルートを考案することを可能にする地図機能を含むことができ、制御装置は、燃料効率を最適化し、かつ最大バッテリ充電レベルまたは運転者決定バッテリ充電レベルを達成するために、APUバッテリを充電するために動力が動力伝達系から取り出されるときの移動のセグメントを含む充電プロファイルを決定することができる。
【0042】
本発明のいくつかの態様にしたがって、運転者は、予想される停止のために必要なAPUバッテリ動力の持続期間を指定することができ、システムは、指定された持続期間だけ作動するために必要なAPUバッテリ充電レベルを決定することができる。たとえば、運転者は、目的地および停止期間(たとえば8時間)および快適さパラメータ(たとえば冷暖房)を指定することができ、制御装置は、指定された持続期間だけ快適さ要件を満たすための最小APUバッテリ充電レベルを決定し、次いで、目的地への移動中に実行される充電プランおよびプロファイルを決定する(そして、たとえば、目的地に到達する前に指定の充電レベルが達成されたときバッテリの充電を停止する)ことができる。制御装置710はまた、APUシステムが、指定された充電必要性を満たすのに十分な充電を有するかどうかの指示または通知を運転者に提供することができる(たとえば移動中または目的地で)。いくつかの態様にしたがって、快適さパラメータの少なくともいくつかは、遠隔データソース、たとえば気象データソース、気象予報、位置情報および時節から決定することができる。
【0043】
本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置710は、センサ情報を制御装置710に提供して制御装置710が自動車システムおよびAPU充電システムの動作をさらに最適化することを可能にする外部センサ(または、センサデータにアクセスを提供するシステム、たとえばスマートフォンまたはモバイルGPS装置)、たとえば加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、タイヤ圧センサ、燃料レベルセンサ、傾斜センサおよびGPS装置に接続されることができる。したがって、たとえば、燃料レベル情報が、気象(または温度)および地図(またはジオロケーション)データと組み合わせて使用されて、たとえば、自動車が次の燃料補給所に達する前に燃料を切らすほど燃料消費を減らし得るエンジンに対する任意の充電負荷(エンジンオルタネータを含む)を解除することにより、自動車が次の燃料補給所まで燃料を切らすことなく移動することを可能にするのに十分に高い効率レベルでエンジンが作動することを保証することができる。いくつかの態様にしたがって、地図もしくはジオロケーションおよび交通データまたは傾斜もしくは加速度計データを使用して、発電機760を、動力伝達系に対する負荷を増して、坂または交通渋滞でさらなる制動力を提供して自動車をより良く制御する制動モードに入れることができる。
【0044】
本発明のいくつかの態様にしたがって、燃料効率およびAPU動力システムを充電する能力を含む自動車の性能は、自動車によって実施される各移動に対してルートごとまたはセグメントごとに記録されることができる。この性能情報は、ネットワーク726を通して、複数台の自動車の性能データを統合する中央制御システムにアップロードされることができる。この性能データを分析して、より良い燃料効率および/またはAPUバッテリシステムを充電するためのより良い機会を提供するルートおよび/またはルートのセグメントを識別し、それぞれの性能、優先順位および/またはランキング値を関連させることができる。性能、優先順位および/またはランキング値情報は、制御装置710にダウンロードされ、移動のためのルートおよびルートセグメントを選択するために制御装置710によって使用されることができる。
【0045】
本発明のいくつかの態様にしたがって、発電機を使用して制動アシストを提供することができる。運転者がアクセル(たとえばガスペダル)から足を離すと、エンジンはブレーキとして働き、自動車を減速させ始める。一部の長距離トラックは、エンジンシリンダ中の圧縮を減らすことによってエンジンが自動車の前進動に対して加える抵抗を増すエンジンブレーキ(たとえばジェイクブレーキ)を装備している。クラス8トラックの重量特性を仮定すると、これは多くの場合、望ましい成果である。本発明のいくつかの態様にしたがって、制御装置710によって制動効果を提供することができ、たとえば、さらなる充電または負荷を発電機に加え、発電機中の抵抗を増し、その結果、より多くの電気を生成することにより、システムの制動効果を所望により増幅させて電気的「ジェイク」ブレーキを作り出すことができる。
【0046】
しかし、運転者がガスペダルから足を離している期間中の前進動に対するエンジンの抵抗はまた、発電のために再捕獲することができるエネルギーの量を制限し得る。このエネルギーおよび燃費の損失を解決するために、自動車トランスミッションは、ドライブシャフトを解放する(それがエンジンをトランスミッションから切り離し、エンジンブレーキ効果をなくす)フリーホイールまたはオーバーランニングクラッチを含むことができる。この時点におけるトラックは、舗装道路上のタイヤの無視し得る抵抗のような転がり係数の抵抗のみによって減速する自動車の質量および速度によって決まる力で移動している。本発明のいくつかの態様にしたがって、エンジンからのトランスミッションのオーバーランニングクラッチ解放と同時に、発電機による電子的制動を作動させることができ、それは、発電機を回転させ、発電量を増すために利用可能な力の増大から恩恵を受ける。この態様において、発電機の制動効果はエンジンの制動効果に取って代わる。
【0047】
本発明のいくつかの態様にしたがって、自動車のトランスミッションへのフリーホイール「オートクラッチ」システムの追加が、運転者が動作モードを選択することを可能にして(フリーホイールの使用を作動および解除させる電子スイッチまたは機械的レバーのいずれかによって)、それによって運転者がフリーホイールシステムの使用によりシステムの回生能力を増すことを可能にする。
【0048】
フリーホイール機構は、その性質により、自動クラッチとして働いて、クラッチペダルを押下することなく、マニュアルギヤボックス中のギヤをシフトアップまたはシフトダウンすることを可能にする。フリーホイールシステムは、たとえば、運転者がレバーを押すまたは引くことによって、作動または解除させることができる。これが、主シャフトをフリーホイールハブとロックさせるまたはアンロックさせる。フリーホイールは、気化器式エンジンにおけるより良好な燃費(エンジンブレーキ時の燃料ターンオフなしで)およびマニュアルクラッチのより少ない摩耗をもたらすことができるが、エンジン制動を実施する能力がもはやないため、ブレーキのより多くの摩耗を招く可能性がある。これは、フリーホイールトランスミッションを、山間部で運転される自動車における使用では危険なものにする可能性がある。理由は、車速を抑えるための長く連続的なブレーキの適用が、ブレーキシステムの過熱および潜在的にはシステム全体の故障を招くおそれがあるからである。本発明のシステムは、エンジンの代わりに発電機をブレーキとして使用して、燃料を消費することなく自動車の前進動に対する抵抗を加える電気モータ/オルタネータを作動させることにより、燃料を節約し、自動車を減速させることができる。捕獲された力は発電に使用することができ、それがシステム全体の効率を高める。
【0049】
他の態様が本発明の範囲および精神の範囲内である。たとえば、ソフトウェアの性質に起因して、上記機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤ配線またはそれらのいずれかの組み合わせを使用して実現することができる。また、機能を実現する特徴は様々な位置に物理的に配置され得、たとえば、機能の複数の部分が異なる物理的位置で実現されるように、分散される。
【0050】
さらに、上記記載は本発明に言及するが、当該記載は複数の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2021年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションに接続されたエンジンと、該トランスミッションを差動装置に接続し、それによって1つまたは複数の駆動輪を回転させるために該エンジンの回転力を伝達するドライブシャフトと、該エンジンを支持するフレームと、該ドライブシャフトに直接取り付けられている発電機とを含み;
該発電機は、該ドライブシャフトに結合され、かつ、該ドライブシャフトおよびステータに対して回転するように構成された磁気ロータを含み、該ステータは、該磁気ロータを包囲し、かつ、回転する該磁気ロータから電気エネルギーを発生させるように構成され、該ステータは、サポートベアリングにより支持され、該サポートベアリングは、該ドライブシャフトに結合された内側レースと、該ステータに結合された外側レースとを含む、
自動車のための補助動力システム。
【請求項2】
前記磁気ロータは、前記ドライブシャフトとともに回転するように、該ドライブシャフトに直接取り付けられている、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項3】
前記フレームは、前記サポートベアリングに結合される、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項4】
前記サポートベアリングの外側レースは、サポートハウジングにより前記フレームに結合され、該サポートベアリングの外側レースは、該サポートハウジング内のサポートブッシュにより支持される、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項5】
少なくとも、第二のベアリングをさらに含む、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項6】
発電機に接続されかつ該発電機の少なくとも1つの動作モードを制御する制御装置をさらに含む、請求項1記載の補助動力システム。
【請求項7】
制御装置が1つまたは複数のセンサに接続され、該制御装置が、該1つまたは複数のセンサの少なくとも1つの機能に応じて発電機を制御するように構成されている、請求項6記載の補助動力システム。
【請求項8】
制御装置が、加速度計に接続され、かつ該加速度計から加速データを受け取り;該加速度計が既定のしきい値よりも大きい傾斜角を有することを該加速度計データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項7記載の補助動力システム。
【請求項9】
該加速度計が既定のしきい値よりも小さい傾斜角を有することを加速度計データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項8記載の補助動力システム。
【請求項10】
制御装置が、アクセルペダル位置センサに接続され、かつ該アクセルペダル位置センサからアクセル位置データを受け取り;該アクセルペダルが抑制されていることを該アクセル位置データが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項7記載の補助動力システム。
【請求項11】
該アクセルペダルが押されていることをアクセル位置データが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項10記載の補助動力システム。
【請求項12】
制御装置が、自動車のエンジン制御ユニット(ECU)に接続され、かつ該ECUからECUデータを受け取り;該自動車が高効率モードで作動していることを該ECUデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項6記載の補助動力システム。
【請求項13】
自動車が低効率モードで作動していることをECUデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項12記載の補助動力システム。
【請求項14】
制御装置が、自動車のグローバルポジショニングシステム(GPS)に接続され、かつ該GPSからGPSデータを受け取り;該自動車が坂を下っていることを該GPSデータが示すとき、該制御装置が発電機を制御して発電させる、請求項6記載の補助動力システム。
【請求項15】
自動車が坂を上っていることをGPSデータが示すとき、制御装置が発電機を制御して発電を停止させる、請求項14記載の補助動力システム。