【解決手段】袋体10の第1通気路14の第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させる。第1吹込ノズルから第1気体を噴出させることによって、当該第1気体の少なくとも一部を第1通気路を介して第1収容部11の内側に導き、第1収容部の内側の圧力を環境圧よりも高い第1吹込気圧に調整する。第1収容部の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後、第1吹込ノズルから噴出させる第1気体の圧力を調整することによって、第1収容部の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する。第1収容部の内側の圧力を第2吹込気圧に調整した後、第1吹込ノズルから第1通気路への第1気体の導入を停止する。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部と、前記第1収容部の内側及び外側をつなぐ第1通気路とを備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込方法であって、
前記袋体と第1吹込ノズルとの間の相対位置を第1吹込位置に調整することによって、前記第1通気路のうち前記第1収容部の外側に向けられている第1外側開口に前記第1吹込ノズルを対向させる工程と、
前記第1吹込位置に位置づけられている前記第1吹込ノズルから第1気体を噴出させることによって、当該第1気体の少なくとも一部を前記第1通気路を介して前記第1収容部の内側に導き、前記第1収容部の内側の圧力を環境圧よりも高い第1吹込気圧に調整する工程と、
前記第1収容部の内側の圧力を前記第1吹込気圧に調整した後、前記第1吹込ノズルから噴出させる前記第1気体の圧力を調整することによって、前記第1収容部の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ前記第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する工程と、
前記第1収容部の内側の圧力を前記第2吹込気圧に調整した後、前記第1吹込ノズルから前記第1通気路への前記第1気体の導入を停止する工程と、を含む気体吹込方法。
前記第1外側開口に前記第1吹込ノズルを対向させる工程では、前記第1吹込ノズルを移動させて、前記第1通気路を形成する部材に前記第1吹込ノズルを密着させる請求項1又は2に記載の気体吹込方法。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部と、前記第1収容部の内側及び外側をつなぐ第1通気路とを備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込装置であって、
第1気体を第1気体供給配管に供給する第1気体供給源と、
前記第1気体供給配管を介して送られてくる前記第1気体を噴出する第1吹込ノズルと、
前記第1気体供給配管を流れる前記第1気体の圧力を調整する第1圧力調整デバイスと、
前記袋体を保持可能な袋保持デバイスと、
前記袋保持デバイスと前記第1吹込ノズルとの間の相対位置を調整する第1移動デバイスと、
前記第1圧力調整デバイスを制御する制御装置と、を備え、
前記第1移動デバイスが前記第1通気路のうち前記第1収容部の外側に向けられている第1外側開口に前記第1吹込ノズルを対向させつつ、前記第1吹込ノズルから前記第1気体を噴出させることによって、当該第1気体の少なくとも一部を前記第1通気路を介して前記第1収容部の内側に導き、
前記第1圧力調整デバイスは、前記制御装置の制御下で、前記第1収容部の内側の圧力を、環境圧よりも高い第1吹込気圧に調整した後に、環境圧よりも高く且つ前記第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する気体吹込装置。
前記第1移動デバイスは、前記第1吹込ノズルを移動させることによって、前記袋保持デバイスと前記第1吹込ノズルとの間の相対位置を、前記第1外側開口に前記第1吹込ノズルを対向させる第1吹込位置に位置づける請求項4又は5に記載の気体吹込装置。
前記第1気体供給配管は、前記第1気体供給源に接続される第1上流収容配管部と、前記第1吹込ノズルに接続される第1下流収容配管部と、前記第1上流収容配管部及び前記第1下流収容配管部の各々に対して並列に接続される第1分岐収容配管部及び第2分岐収容配管部と、を含み、
前記第1圧力調整デバイスは、前記第1分岐収容配管部に取り付けられる第1収容圧力レギュレータ及び第1収容開閉弁デバイスと、前記第2分岐収容配管部に取り付けられる第2収容圧力レギュレータ及び第2収容開閉弁デバイスと、を有し、
前記第1収容圧力レギュレータは、前記第1分岐収容配管部を流れる前記第1気体の圧力を環境圧よりも高い第1調整気圧に調整し、
前記第2収容圧力レギュレータは、前記第2分岐収容配管部を流れる前記第1気体の圧力を環境圧よりも高く且つ前記第1調整気圧よりも低い第2調整気圧に調整し、
前記第1収容開閉弁デバイスは、前記第1分岐収容配管部の流路を開閉し、
前記第2収容開閉弁デバイスは、前記第2分岐収容配管部の流路を開閉し、
制御部は、前記第1収容開閉弁デバイス及び前記第2収容開閉弁デバイスを制御して、前記第1収容部の内側の圧力を前記第1吹込気圧に調整した後に前記第2吹込気圧に調整する請求項4〜6のいずれか一項に記載の気体吹込装置。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び前記第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込方法であって、
前記袋体と第2吹込ノズルとの間の相対位置を第2吹込位置に調整することによって、前記第2通気路のうち前記第2収容部の外側に向けられている第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させる工程と、
前記第2吹込位置に位置づけられている前記第2吹込ノズルから第2気体を噴出させることによって、前記第2通気路を形成する部材を吹込支持デバイスにより支持しつつ前記第2気体の少なくとも一部を前記第2通気路を介して前記第2収容部の内側に導き、前記第2収容部の内側の圧力を環境圧よりも高い第3吹込気圧に調整する工程と、
前記第2収容部の内側の圧力を前記第3吹込気圧に調整した後、前記第2吹込ノズルから噴出させる前記第2気体の圧力を調整することによって、前記第2収容部の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ前記第3吹込気圧よりも低い第4吹込気圧に調整する工程と、
前記第2収容部の内側の圧力が前記第4吹込気圧に調整されている状態で前記第2通気路を遮断することによって、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入する工程と、
前記第2吹込ノズルから前記第2通気路への前記第2気体の導入を停止する工程と、を含む気体吹込方法。
前記第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させる工程では、前記袋体を移動させることによって、前記第2吹込ノズルと前記吹込支持デバイスとの間に前記第2外側開口を位置づける請求項8に記載の気体吹込方法。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び前記第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込装置であって、
第2気体を第2気体供給配管に供給する第2気体供給源と、
前記第2気体供給配管を介して送られてくる前記第2気体を噴出する第2吹込ノズルと、
前記第2気体供給配管を流れる前記第2気体の圧力を調整する第2圧力調整デバイスと、
前記袋体を保持可能な袋保持デバイスと、
前記第2通気路を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイスと、
前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を調整する第2移動デバイスと、
前記第2通気路を遮断することによって、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入する封入デバイスと、
前記第2圧力調整デバイスを制御する制御装置と、を備え、
前記第2移動デバイスが前記第2通気路のうち前記第2収容部の外側に向けられている第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させつつ、前記第2吹込ノズルから前記第2気体を噴出させることによって、前記第2通気路を形成する部材を前記吹込支持デバイスにより支持しつつ、前記第2気体の少なくとも一部を前記第2通気路を介して前記第2収容部の内側に導き、
前記第2圧力調整デバイスは、前記制御装置の制御下で、前記第2収容部の内側の圧力を、環境圧よりも高い第3吹込気圧に調整した後に、環境圧よりも高く且つ前記第3吹込気圧よりも低い第4吹込気圧に調整する気体吹込装置。
前記第2移動デバイスは、前記袋保持デバイスを移動させることによって、前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を、前記袋体を前記第2吹込ノズルを前記吹込支持デバイスとの間に配置しつつ前記第2吹込ノズルを前記第2外側開口に対向させる第2吹込位置に位置づける請求項10に記載の気体吹込装置。
前記第2気体供給配管は、前記第2気体供給源に接続される上流気体配管部と、前記第2吹込ノズルに接続される下流気体配管部と、前記上流気体配管部及び前記下流気体配管部の各々に対して並列に接続される第1分岐気体配管部及び第2分岐気体配管部と、を含み、
前記第2圧力調整デバイスは、前記第1分岐気体配管部に取り付けられる第1気体圧力レギュレータ及び第1気体開閉弁デバイスと、前記第2分岐気体配管部に取り付けられる第2気体圧力レギュレータ及び第2気体開閉弁デバイスと、を有し、
前記第1気体圧力レギュレータは、前記第1分岐気体配管部を流れる前記第2気体の圧力を環境圧よりも高い第3調整気圧に調整し、
前記第2気体圧力レギュレータは、前記第2分岐気体配管部を流れる前記第2気体の圧力を環境圧よりも高く且つ前記第3調整気圧よりも低い第4調整気圧に調整し、
前記第1気体開閉弁デバイスは、前記第1分岐気体配管部の流路を開閉し、
前記第2気体開閉弁デバイスは、前記第2分岐気体配管部の流路を開閉し、
制御部は、前記第1気体開閉弁デバイス及び前記第2気体開閉弁デバイスを制御して、前記第2収容部の内側の圧力を前記第3吹込気圧に調整した後に前記第4吹込気圧に調整する請求項10又は11に記載の気体吹込装置。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び前記第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込方法であって、
前記袋体と第2吹込ノズルとの間の相対位置を第2吹込位置に調整することによって、前記第2通気路のうち前記第2収容部の外側に向けられている第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させる工程と、
第2気体供給配管から前記第2吹込ノズルに供給される第2気体を前記第2吹込位置に位置づけられている前記第2吹込ノズルから噴出させることによって、前記第2通気路を形成する部材を吹込支持デバイスにより支持しつつ前記第2気体の少なくとも一部を前記第2通気路を介して前記第2収容部の内側に導き、前記第2収容部の内側の圧力を環境圧よりも高い気圧に調整する工程と、
前記第2収容部の内側の圧力が環境圧よりも高い気圧に調整されている状態で前記第2通気路を遮断することによって、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入する工程と、
前記第2吹込ノズルから前記第2通気路への前記第2気体の導入を停止する工程と、
前記第2気体供給配管の内側のうち前記第2吹込ノズルに連通する部分を周囲の大気に連通させる工程と、
前記第2気体供給配管の内側が大気に連通されている状態で、前記袋体と前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を、前記第2吹込ノズルを前記第2外側開口に対向させない第2退避位置に調整する工程と、を含む気体吹込方法。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び前記第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込装置であって、
第2気体を第2気体供給配管に供給する第2気体供給源と、
前記第2気体供給配管を介して送られてくる前記第2気体を噴出する第2吹込ノズルと、
前記第2気体供給配管の流路を開閉することによって、前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給の許容の有無を調整する気体開閉弁デバイスと、
前記第2気体供給配管の内側を周囲の大気に対して閉鎖及び開放可能な大気開閉弁デバイスと、
前記袋体を保持可能な袋保持デバイスと、
前記第2通気路を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイスと、
前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を調整する第2移動デバイスと、
前記第2通気路を遮断することによって、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入する封入デバイスと、
前記気体開閉弁デバイス及び前記大気開閉弁デバイスを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置の制御下で前記大気開閉弁デバイスが前記第2気体供給配管の内側を大気に対して閉鎖し且つ前記気体開閉弁デバイスが前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給を許容している状態で、前記第2移動デバイスが前記第2通気路のうち前記第2収容部の外側に向けられている第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させつつ、前記第2吹込ノズルから前記第2気体を噴出させることによって、前記第2通気路を形成する部材を前記吹込支持デバイスにより支持しつつ、前記第2気体の少なくとも一部を前記第2通気路を介して前記第2収容部の内側に導き、
前記封入デバイスは、前記第2収容部の内側の圧力が環境圧よりも高い気圧に調整されている状態で前記第2通気路を遮断して、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入し、
前記気体開閉弁デバイスは、前記制御装置の制御下で、前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給を許容せず、前記第2吹込ノズルから前記第2通気路への前記第2気体の導入を停止し、
前記大気開閉弁デバイスは、前記制御装置の制御下で、前記第2気体供給配管の内側を周囲の大気に開放して、前記第2気体供給配管の内側のうち前記第2吹込ノズルに連通する部分を周囲の大気に連通させる気体吹込装置。
前記第2移動デバイスは、前記袋保持デバイスを移動させることによって、前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を、前記袋体を前記第2吹込ノズルを前記吹込支持デバイスとの間に配置しつつ前記第2吹込ノズルを前記第2外側開口に対向させる第2吹込位置に位置づける請求項14に記載の気体吹込装置。
少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び前記第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体に、気体を吹き込む気体吹込装置であって、
第2気体を第2気体供給配管に供給する第2気体供給源と、
噴出口を有する弾性部材を含み、前記第2気体供給配管を介して送られてくる前記第2気体を前記噴出口から噴出させる第2吹込ノズルと、
前記第2気体供給配管の流路を開閉することによって、前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給の許容の有無を調整する気体開閉弁デバイスと、
前記袋体を保持可能な袋保持デバイスと、
前記第2通気路を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイスと、
前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を調整する第2移動デバイスと、
前記第2通気路を遮断することによって、前記第2収容部の内側に前記第2気体を封入する封入デバイスと、
前記気体開閉弁デバイスを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置の制御下で前記気体開閉弁デバイスが前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給を許容している状態で、前記第2移動デバイスが前記第2通気路のうち前記第2収容部の外側に向けられている第2外側開口に前記第2吹込ノズルを対向させつつ、前記第2吹込ノズルから前記第2気体を噴出させることによって、前記第2通気路を形成する部材を前記吹込支持デバイスにより支持しつつ、前記噴出口が前記第2外側開口に近づくように前記弾性部材を前記袋体に向けて撓ませ、前記第2気体の少なくとも一部を前記第2通気路を介して前記第2収容部の内側に導き、
前記気体開閉弁デバイスは、前記制御装置の制御下で、前記第2吹込ノズルへの前記第2気体の供給を許容せず、前記第2吹込ノズルから前記第2通気路への前記第2気体の導入を停止する気体吹込装置。
前記第2移動デバイスは、前記袋保持デバイスを移動させることによって、前記袋保持デバイスと前記第2吹込ノズルとの間の相対位置を、前記袋体を前記第2吹込ノズルと前記吹込支持デバイスとの間に配置しつつ前記第2吹込ノズルを前記第2外側開口に対向させる第2吹込位置に位置づける請求項14に記載の気体吹込装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態(特に気体吹込装置及び気体吹込方法)を例示する。
【0026】
図1は、袋体10及び気体吹込装置50の一例を示す正面図である。
図2は、袋体10及び気体吹込装置50の一例を示す側方図である。
図1及び
図2はお互いに対応しているが、図示されている要素は
図1と
図2との間で必ずしも一致しない。例えば第1気体供給配管53及び第2気体供給配管54は、
図1では省略されているが、
図2には示されている。
【0027】
本実施形態の袋体10は、インナーバッグとして構成される第1収容部11、アウターバッグとして構成される第2収容部12、及びスパウト13を備える。
【0028】
第1収容部11は、第2収容部12の内側に位置し、少なくとも一部が柔軟なフィルム状部材によって形成され、内容物を内側に収容可能である。図示の第1収容部11は、全体が柔軟なフィルム状部材によって形成されている。第1収容部11に収容可能な内容物は限定されない。液体、固体及び/又は気体の任意の1種類以上の物質を、内容物として第1収容部11に収容可能である。
【0029】
第2収容部12は、第1収容部11を外側から包むように設けられ、少なくとも一部が柔軟なフィルム状部材によって形成され、気体を内側に吹き込み可能である。図示の第2収容部12は、全体が柔軟なフィルム状部材(すなわち表側フィルム状部材12a及び裏側フィルム状部材12b)によって形成されている。第2収容部12の外周縁であるアウター周縁部20はシーリング部を構成する。すなわち、表側フィルム状部材12a及び裏側フィルム状部材12bは、アウター周縁部20において、熱圧着などによりお互いに接合されている。
【0030】
スパウト13は、第1収容部11及び第2収容部12に対して熱圧着などにより接合されている。本実施形態のスパウト13は、第1収容部11の内側に内容物を導入可能な及び第1収容部11の内側から内容物を導出可能な開口部として構成され、第1収容部11及び第2収容部12よりも外側に突出している部分を有する。図示のスパウト13は、第1収容部11及び第2収容部12を構成する部材(フィルム状部材)に比べ、硬く、剛性の大きい部材により構成されている。
【0031】
本実施形態の袋体10は、更に第1通気路14を備える。第1通気路14は、第1収容部11の内側と、第1収容部11の外側(特に第2収容部12の外側)とをつなぐ。第1通気路14の少なくとも一部はスパウト13により形成される。図示の例では、第1通気路14の全体がスパウト13により形成されている。第1通気路14は、第1収容部11の外側(特に第2収容部12の外側)に向けられて露出している第1外側開口21と、第1収容部11の内側に向けられて露出している第1内側開口22とを有する。図示の例では、スパウト13の一方の端部が第1収容部11の内側に位置し、スパウト13の他方の端部が、第1収容部11及び第2収容部12よりも外側に位置している。スパウト13は、これらの端部間を貫通する貫通孔(図示省略)を有し、当該貫通孔によって第1通気路14の全体が構成されている。
【0032】
本実施形態の袋体10は、更に第2通気路15を備える。第2通気路15は、第1収容部11を構成するフィルム状部材及び第2収容部12を構成するフィルム状部材により囲まれる中間スペースSと、第2収容部12の外側(すなわち袋体10の周囲)とをつなぐ。第2収容部12の内側に第1収容部11が配置される場合、中間スペースSが第2収容部12の内側のスペースとなる。第2通気路15は、第2収容部12の外側に向けられて露出している第2外側開口23と、中間スペースSに向けられて露出している第2内側開口24とを有する。図示の第2通気路15は、第2収容部12のアウター周縁部20に形成されており、表側フィルム状部材12aと裏側フィルム状部材12bとの間に区画されたスペースである。すなわちアウター周縁部20のうち第2通気路15を構成する部分では、表側フィルム状部材12aと裏側フィルム状部材12bとはお互いに接合されておらず、表側フィルム状部材12aに形成された貫通孔によって第2外側開口23が構成されている。
【0033】
気体吹込装置50は、第1吹込ノズル51、第2吹込ノズル52、袋保持デバイス61、吹込支持デバイス62及び封入デバイス63を備える。
【0034】
第1吹込ノズル51は、貫通孔として形成される第1ノズル流路51aを有する。第1ノズル流路51aは、第1気体供給配管53に接続されている。第1吹込ノズル51は、第1気体供給配管53を介して送られてくる気体(第1気体)を噴出する。
【0035】
第2吹込ノズル52は、貫通孔として形成される第2ノズル流路52aを有する。本実施形態の第2吹込ノズル52は、後述のように変形可能に構成されているが、特定の位置に固定的に設けられている。第2ノズル流路52aは、第2気体供給配管54に接続されている。第2吹込ノズル52は、第2気体供給配管54を介して送られてくる気体(第2気体)を噴出する。
【0036】
第1吹込ノズル51から噴出される気体(第1気体)及び第2吹込ノズル52から噴出される気体(第2気体)は、お互いに同じ種類の気体であってもよいし、異なる種類の気体であってもよい。第1吹込ノズル51から噴出される気体の供給源(後述の
図17の符号「66」参照)及び第2吹込ノズル52から噴出される気体の供給源(後述の
図18の符号「67」参照)は、共通の装置により実現されてもよいし、お互いに別個の装置により実現されてもよい。第1吹込ノズル51及び第2吹込ノズル52から噴出される気体は限定されず、空気、不活性ガス(窒素等)、炭酸ガス、或いは他の気体が第1吹込ノズル51及び第2吹込ノズル52から噴出されてもよい。
【0037】
袋保持デバイス61は、袋体10を保持可能である。本実施形態の袋保持デバイス61は、制御装置の制御下で移動可能に設けられている。袋保持デバイス61が袋体10を保持するための具体的な構造及び方法は限定されない。図示の袋保持デバイス61は、挿入溝を有するフォーク形状を有する。袋保持デバイス61の挿入溝にスパウト13のくびれ部13aが挿入されることによって、袋保持デバイス61はスパウト13(すなわち袋体10全体)を吊り下げ保持することができる。
【0038】
吹込支持デバイス62は、第2通気路15を形成する部材を支持可能である。本実施形態の吹込支持デバイス62は、特定の位置に固定的に設けられており、固定的に設けられる第2吹込ノズル52(特に噴出口)と水平方向に対向する。図示の吹込支持デバイス62は、第2通気路15への空気の吹き込みに伴う袋体10の動き(ばたつき)を抑制するように、袋体10(特に第2通気路15が形成されているアウター周縁部20)を支持することができる。
【0039】
封入デバイス63は、第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側スペースである中間スペースSに気体を封入するができる。本実施形態の封入デバイス63は、移動可能に設けられた2つのシーリングブロックを有する。第2通気路15を形成する部材(図示の例ではアウター周縁部20の表側フィルム状部材12a及び裏側フィルム状部材12b)を2つのシーリングブロックによって挟んで加圧及び加熱することにより、第2通気路15を形成する部材同士が加熱圧着されて第2通気路15は遮断される。
【0040】
次に、気体吹込装置50を使って袋体10に気体を吹き込む気体吹込方法の一例を説明する。
【0041】
図3〜
図11は、気体吹込方法の一例を示す袋体10の側方図である。
【0042】
気体吹込装置50を使って袋体10に気体を吹き込む前、袋体10はシート状の形態を有する。すなわち第1収容部11を構成するフィルム状部材同士が接触し、第2収容部12を構成するフィルム状部材が第1収容部11のフィルム状部材に接触している。各袋体10がシート状形態を有する場合、多数の袋体10をコンパクトに積み重ねることができ、袋体10の搬送性及び取り扱い性の点で有利である。
【0043】
袋保持デバイス61は、所定の受取ステーション(図示せず)でシート状の袋体10を受け取って保持した後、袋体10とともに気体吹込ステーション(
図1及び
図2参照)に移動する。袋体10を受取ステーションから気体吹込ステーションに移動させる際、第1吹込ノズル51は退避位置で待機しており、封入デバイス63の2つのシーリングブロックは退避位置に待機している。袋体10は、気体吹込ステーションにおいて、袋保持デバイス61により保持された状態で、水平方向に離間して配置された第2吹込ノズル52と吹込支持デバイス62との間に配置され、封入デバイス63の2つのシーリングブロック間に配置される。またスパウト13(特に第1外側開口21)が、第1吹込ノズル51の直下において、第1吹込ノズル51から離れて配置される。
【0044】
上述のように、袋体10を
図2に示す気体吹込ステーションに配置する工程は、袋体10と第1吹込ノズル51との間の相対位置を調整して、第1吹込ノズル51から離れた位置に袋体10を配置しつつ、袋体10の第1外側開口21に第1吹込ノズル51(特に第1ノズル流路51a)を対向させる工程である。また袋体10を
図2に示す気体吹込ステーションに配置する工程は、袋体10と第2吹込ノズル52との間の相対位置を第2吹込位置に調整して、袋体10の第2外側開口23に第2吹込ノズル52(特に第2ノズル流路52a)を対向させる工程でもある(第2吹込ノズル準備工程)。
【0045】
そして
図3に示すように、袋体10と第1吹込ノズル51との間の相対位置が第1吹込位置に調整される。すなわち、第1吹込ノズル51(特に第1ノズル流路51a)が第1外側開口21に対向した状態を維持しつつ、第1吹込ノズル51が袋体10(特にスパウト13)に近づけられる。その結果、第1通気路14を形成する部材(すなわちスパウト13)に第1吹込ノズル51が密着させられた状態で、第1外側開口21に第1吹込ノズル51が対向させられる。このように本実施形態では、袋体10と第1吹込ノズル51との間の相対位置を第1吹込位置に調整して第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させる第1吹込ノズル準備工程は、袋体10を気体吹込ステーションに配置する工程(
図2参照)と、第1通気路14を形成する部材に第1吹込ノズル51を近づける工程(
図3参照)とを含む。
【0046】
そして
図4に示すように、第1吹込位置に位置づけられている第1吹込ノズル51から圧縮された気体を噴出させることによって、当該気体の少なくとも一部を第1通気路14を介して第1収容部11の内側に導き、第1収容部11の内側の圧力を袋体10の周囲の環境圧(通常は大気圧(例えば標準気圧))よりも高い第1吹込気圧に調整する(第1収容部膨張工程)。これにより第1収容部11及び第2収容部12は大きく膨張し、第1収容部11の内側には大きなスペースが形成される。
【0047】
第1収容部11の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後、
図5に示すように、第1吹込位置に位置づけられている第1吹込ノズル51から噴出させる気体の圧力を調整することによって、第1収容部11の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する(第2収容部膨張工程)。これにより第1収容部11及び第2収容部12は、第1収容部膨張工程(
図4参照)における膨張の程度よりは小さい程度で膨張し、第1収容部11の内側には所望の大きさのスペースが確保される。すなわち第2収容部膨張工程において第1収容部11は、第1収容部膨張工程を経て大きく膨張している状態から、所望の大きさに収縮させられる。
【0048】
なお第1吹込ノズル51から噴出させる気体の圧力を調整するタイミングは、任意の方法で決めることができる。例えば、タイマー(図示せず)によって第1吹込ノズル51からの気体の噴出時間(例えば第1吹込ノズル51から第1収容部11に気体を吹き込んだ時間)を測定し、当該噴出時間に応じて、第1収容部膨張工程から第2収容部膨張工程に移行するように第1吹込ノズル51から噴出させる気体の圧力を調整してもよい。ここで言う「第1吹込ノズル51から噴出させる気体の圧力の調整」は、第1吹込ノズル51の噴出口から噴出されうる気体の圧力の調整であり、第1吹込ノズル51内の気体の圧力が直接的又は間接的に調整される。
【0049】
そして
図6に示すように、第2吹込位置に位置づけられている第2吹込ノズル52から圧縮された気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材(すなわち第2収容部12)を吹込支持デバイス62により支持しつつ、当該気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して中間スペースSに導き、中間スペースSの圧力を環境圧よりも高い第3吹込気圧に調整する(第1アウターバッグ膨張工程)。これにより中間スペースSは膨張し、第1収容部11のフィルム状部材と第2収容部12のフィルム状部材との間には、第3吹込気圧を有する気体層が形成される。なお第1アウターバッグ膨張工程が行われている間、第1吹込位置に配置された第1吹込ノズル51からの気体の噴出は継続的に行われており、第1収容部11の内側の圧力は継続的に第2吹込気圧に調整されている。
【0050】
本実施形態では、第2吹込ノズル52のうち気体を噴出する先端側部分が弾性部材により構成されており、第2ノズル流路52a内の気体の圧力が環境圧よりも高い場合、第2吹込ノズル52の先端側部分(弾性部材)は外側に撓む。したがって上述の第1アウターバッグ膨張工程では、第2吹込ノズル52の先端側部分が、袋体10に向かって撓んでアウター周縁部20(特に表側フィルム状部材12a)に密着し、第2ノズル流路52a及び第2外側開口23がお互いに連通する。そして、第2吹込ノズル52から第2通気路15に気体が吹き込まれることによって第2通気路15は膨張し、第2収容部12のうち第2通気路15を形成する部分(特にアウター周縁部20の裏側フィルム状部材12b)が吹込支持デバイス62に接触する。このように、第2吹込ノズル52から環境圧よりも高圧の気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材(すなわち第2収容部12のアウター周縁部20)は第2吹込ノズル52及び吹込支持デバイス62により挟まれて支持される。第2吹込ノズル52の具体的な構成例は後述する(
図12〜
図16参照)。
【0051】
中間スペースSの圧力を第3吹込気圧に調整した後、
図7に示すように、第2吹込位置に位置づけられている第2吹込ノズル52から噴出させる気体の圧力を調整することによって、中間スペースSの圧力を環境圧よりも高く且つ第3吹込気圧よりも低い第4吹込気圧に調整する(第2アウターバッグ膨張工程)。ここで言う「第2吹込ノズル52から噴出させる気体の圧力の調整」は、第2吹込ノズル52の噴出口から噴出されうる気体の圧力の調整であり、第2吹込ノズル52内の気体の圧力が直接的又は間接的に調整される。これにより中間スペースSが第1アウターバッグ膨張工程における膨張の程度よりは小さい程度で膨張し、所望の大きさの中間スペースSが確保される。なお第2アウターバッグ膨張工程が行われている間、第1吹込位置に配置された第1吹込ノズル51からの気体の噴出は継続的に行われており、第1収容部11の内側の圧力は継続的に第2吹込気圧に調整されている。
【0052】
第4吹込気圧は、第2吹込気圧と同じであってもよいし、第2吹込気圧よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。ただし第1収容部11の内側に所望の大きさのスペースを確保する観点からは、第4吹込気圧は第2吹込気圧と同じ値か第2吹込気圧に近い値を有することが好ましい。
【0053】
そして
図8に示すように、中間スペースSの圧力が第4吹込気圧に調整されている状態で第2通気路15が封入デバイス63により遮断されることによって、中間スペースSに気体が封入される(中間スペース気体封入工程)。すなわち、第2吹込位置に位置づけられている第2吹込ノズル52から気体を噴出させ続けつつ、第2通気路15を形成する部分(すなわちアウター周縁部20)を封入デバイス63の2つのシーリングブロックにより挟んで加熱圧着することによって、第4吹込気圧の気体が中間スペースSに封入される。なお中間スペース気体封入工程が行われている間、第1吹込位置に配置された第1吹込ノズル51からの気体の噴出は継続的に行われており、第1収容部11の内側の圧力は継続的に第2吹込気圧に調整されている。
【0054】
そして
図9に示すように、封入デバイス63(2つのシーリングブロック)を袋体10から離間させて所定の退避位置に戻す。
【0055】
そして
図10に示すように、第1吹込ノズル51をスパウト13から離間させて所定の退避位置に戻す。また第1吹込ノズル51からの圧縮気体の噴出を停止させ、第2吹込ノズル52からの圧縮気体の噴出を停止させる。第1吹込ノズル51からの圧縮気体の噴出の停止は、第1気体供給配管53から第1吹込ノズル51への圧縮気体の供給を停止させることによって行われる。第2吹込ノズル52からの圧縮気体の噴出の停止は、第2気体供給配管54から第2吹込ノズル52への圧縮気体の供給を停止させることによって行われる。
【0056】
本実施形態では、第2気体供給配管54から第2吹込ノズル52への圧縮気体の供給を停止する際、第2気体供給配管54の少なくとも一部の流路が大気に開放され、第2ノズル流路52a内の気圧が環境圧に調整される。これにより、第2吹込ノズル52の先端側部分は元の形状に戻って袋体10から離れ、また第2通気路15のうち遮断箇所Psと第2外側開口23との間の部分が環境圧になって徐々に収縮し、袋体10(特にアウター周縁部20の裏側フィルム状部材12b)が吹込支持デバイス62から離れる。
【0057】
そして
図11に示すように、袋体10は袋保持デバイス61とともに気体吹込ステーションから後段のステーションに向けて移動させられる。
【0058】
次に、第2吹込ノズル52の構造例について説明する。
【0059】
図12は、第2吹込ノズル52の一例を示す側方図である。
図13Aは、ノズル本体部91の一例を示す側方図である。
図13Bは、ノズル先端部92の一例を示す側方図である。
【0060】
図12に示す第2吹込ノズル52は、ノズル本体部91及びノズル先端部92を含む。
【0061】
ノズル本体部91は、円筒状の本体大径部91aと、本体大径部91aよりも小さい外径を有する円筒状の本体小径部91bとを有する。本体小径部91bは、一定の外径を有する胴体部と、胴体部の外径よりも大きな外径を有する先端部とを有する。本体大径部91a及び本体小径部91bは一体的に構成され、本体小径部91bの胴体部が本体大径部91aに接続されている。本体大径部91a及び本体小径部91bは、中心軸に沿って直線的に延びる第2ノズル流路52aを有する。
【0062】
ノズル先端部92は、可撓性に優れた弾性部材により構成されており、中心軸に沿って延びる貫通孔(すなわち中径孔部93a、大径孔部93b及び小径孔部93c)を有する。中径孔部93aは、本体小径部91bの胴体部にフィット可能な径を有する。具体的には、中径孔部93aの径は、本体小径部91bの胴体部の外径と同じ又はわずかに小さく、本体小径部91bの先端部の外径よりも小さい。なお中径孔部93aの径は、本体小径部91bの胴体部の外径よりも大きくてもよい。中径孔部93aと小径孔部93cとの間に位置する大径孔部93bの径は、中径孔部93aの径、小径孔部93cの径及び本体小径部91bの先端部の外径よりも大きい。小径孔部93cの径は、ノズル本体部91に形成された第2ノズル流路52aの径と同じ又はほぼ同じである。
【0063】
ノズル本体部91の本体小径部91bをノズル先端部92の中径孔部93aに挿入し、中径孔部93aと大径孔部93bとの間の段差部に本体小径部91bの先端部を引っ掛けることによって、ノズル本体部91にノズル先端部92が取り付けられる。ノズル本体部91をノズル先端部92に取り付ける際、ノズル先端部92の可撓性を利用してもよい。ノズル本体部91がノズル先端部92に取り付けられている状態で、ノズル本体部91の第2ノズル流路52aは、大径孔部93b及び小径孔部93cに連通する。すなわち第2吹込ノズル52の第2ノズル流路52aは、ノズル本体部91に形成されている第2ノズル流路52aに加え、大径孔部93b及び小径孔部93cを含む。特に小径孔部93cは、気体を噴出させる噴出口として機能する。
【0064】
図14〜
図16は、
図12〜
図13Bに示す第2吹込ノズル52を使って袋体10の第2通気路15に気体を吹き込む方法の一例を説明するための図であって、第2吹込ノズル52、袋体10(特にアウター周縁部20)及び吹込支持デバイス62の断面を上方から見た状態を示す。
【0065】
図14に示すように、第2吹込ノズル準備工程において、袋体10(特に第2外側開口23)は、第2吹込ノズル52(特に噴出口)と吹込支持デバイス62との間に位置づけられる。第2吹込ノズル52から圧縮気体が噴出されていない間(すなわち第2ノズル流路52a内の気圧が環境圧である間)、ノズル先端部92は本来の形状を維持し、袋体10(特に表側フィルム状部材12a及び裏側フィルム状部材12bにより構成される第2収容部12)は、第2吹込ノズル52及び吹込支持デバイス62から離れている。
【0066】
一方、第2吹込ノズル52から圧縮気体が噴出されている間(すなわち第2ノズル流路52a内の気圧が環境圧よりも大きい間)、
図15に示すように、ノズル先端部92は変形して袋体10(特に第2外側開口23が形成されている表側フィルム状部材12a)に接触する。すなわち第2外側開口23に第2吹込ノズル52の噴出口を対向させつつ、第2吹込ノズル52から気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ、噴出口が第2外側開口23に近づくようにノズル先端部92(弾性部材)を袋体10に向けて撓ませ、第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導く。
【0067】
このようにして第2吹込ノズル52から第2通気路15に圧縮気体を効率良く吹き込むことができ、第2通気路15を効果的に膨張させることができる。その結果、第2通気路15を区画する表側フィルム状部材12a及び裏側フィルム状部材12bは、それぞれノズル先端部92及び吹込支持デバイス62に近づいて接触する。これにより袋体10(特に第2通気路15)は第2吹込ノズル52及び吹込支持デバイス62により挟まれて直接的に支持され、袋体10のばたつきを防ぐとともに、第2吹込ノズル52(特に第2ノズル流路52a)とアウター周縁部20(特に第2外側開口23)との間の位置ずれを防ぐことができる。
【0068】
第2通気路15に圧縮気体を吹き込む際、第2吹込ノズル52の噴出口の中心位置(中心軸)は、袋体10の第2外側開口23の中心位置(中心軸)と合致することが好ましいが(
図15参照)、第2外側開口23の中心位置からわずかにずれていてもよい(
図16参照)。第2吹込ノズル52から第2通気路15に圧縮気体を効率良く吹き込む観点からは、第2吹込ノズル52の噴出口の全体が第2外側開口23に対向することが好ましい。また第2吹込ノズル52(特にノズル先端部92)をアウター周縁部20(特に表側フィルム状部材12a)に隙間無く密着させて、第2ノズル流路52a及び第2通気路15(第2外側開口23を含む)を流れる気体を、第2吹込ノズル52とアウター周縁部20との間から漏出させないようにすることが好ましい。
【0069】
次に、第1吹込ノズル51及び第2吹込ノズル52に気体を供給する気体供給回路の一例について説明する。
【0070】
図17は、第1吹込ノズル51に気体を供給する第1気体供給回路41の一例を示す回路図である。
【0071】
本実施形態の第1気体供給回路41は、第1吹込ノズル51に気体を供給する第1気体供給配管53と、圧縮気体(第1気体)を第1気体供給配管53に供給する第1気体供給源66と、第1気体供給配管53を流れる気体の圧力を調整する第1圧力調整デバイス70とを有する。
【0072】
第1気体供給配管53は、第1気体供給源66に接続される第1上流収容配管部53aと、第1吹込ノズル51に接続される第1下流収容配管部53dと、第1上流収容配管部53a及び第1下流収容配管部53dの各々に対して並列に接続される第1分岐収容配管部53b及び第2分岐収容配管部53cとを含む。
【0073】
図17に示す第1圧力調整デバイス70は、第1分岐収容配管部53bに取り付けられる第1収容圧力レギュレータ71及び第1収容開閉弁デバイス73と、第2分岐収容配管部53cに取り付けられる第2収容圧力レギュレータ72及び第2収容開閉弁デバイス74とを有する。
【0074】
第1収容圧力レギュレータ71は、第1分岐収容配管部53bを流れる気体の圧力を環境圧よりも高い第1調整気圧に調整する。第2収容圧力レギュレータ72は、第2分岐収容配管部53cを流れる気体の圧力を環境圧よりも高く且つ第1調整気圧よりも低い第2調整気圧に調整する。第1収容開閉弁デバイス73は、第1分岐収容配管部53bの流路を開閉する。第2収容開閉弁デバイス74は、第2分岐収容配管部53cの流路を開閉する。第1気体供給配管53の流路を開閉することによって第1吹込ノズル51への気体の供給の許容の有無を調整する収容部開閉弁デバイスが、第1収容開閉弁デバイス73及び第2収容開閉弁デバイス74の組み合わせに基づき構成されている。
【0075】
第1下流収容配管部53dには、第1下流収容配管部53dの流路における気圧を計測する第1圧力計75が取り付けられている。
図17に示す例では、第1下流収容配管部53dのメイン配管から分岐する分岐配管に第1圧力計75が設けられている。第1下流収容配管部53dのメイン配管の流路の気圧と分岐配管の流路の気圧とは等しく、図示の第1圧力計75は、分岐配管の流路の気圧を計測し、計測結果を制御装置60に送信する。
【0076】
第1気体供給源66は、環境圧、第1調整気圧及び第2調整気圧よりも高い圧力を有する圧縮気体を、第1上流収容配管部53aに送り出す。第1気体供給源66から第1上流収容配管部53aに送り出された高圧の気体は、第1収容圧力レギュレータ71及び第2収容圧力レギュレータ72のそれぞれにおいて第1調整気圧及び第2調整気圧に調整された後、下流に向けて流される。第1収容圧力レギュレータ71及び第2収容圧力レギュレータ72は、供給される気体の圧力を調整可能な任意の構成を有することができる。第1収容圧力レギュレータ71及び第2収容圧力レギュレータ72は、供給される気体の圧力を所望圧力まで低下させる機器で構成されていてもよいし、供給される気体の圧力を所望圧力まで上昇させる機器で構成されていてもよい。
【0077】
第1収容開閉弁デバイス73、第2収容開閉弁デバイス74及び第1圧力計75は制御装置60に電気的に接続されている。第1収容開閉弁デバイス73及び第2収容開閉弁デバイス74は、それぞれ制御装置60の制御下で、第1分岐収容配管部53b及び第2分岐収容配管部53cの流路の開閉を行う。
【0078】
第1収容部11の内側の圧力を上述の第1吹込気圧に調整する場合(
図4参照)、制御装置60は、第1収容開閉弁デバイス73を開状態にし、第2収容開閉弁デバイス74を閉状態にする。これにより、基本的に第2分岐収容配管部53cから第1下流収容配管部53dに気体が積極的に送られることはなく、第1収容圧力レギュレータ71により圧力調整された後の気体が、第1分岐収容配管部53bから第1下流収容配管部53dに流れ込む。したがって、第1収容圧力レギュレータ71により圧力が調整された気体が、第1吹込ノズル51から第1通気路14を介して第1収容部11の内側に供給される。
【0079】
一方、第1収容部11の内側の圧力を上述の第2吹込気圧に調整する場合(
図5参照)、制御装置60は、第1収容開閉弁デバイス73を閉状態にし、第2収容開閉弁デバイス74を開状態にする。これにより、基本的に第1分岐収容配管部53bから第1下流収容配管部53dに気体が積極的に送られることはなく、第2収容圧力レギュレータ72により圧力調整された後の気体が、第2分岐収容配管部53cから第1下流収容配管部53dに流れ込む。したがって、第2収容圧力レギュレータ72により圧力が調整された気体が、第1吹込ノズル51から第1通気路14を介して第1収容部11の内側に供給される。
【0080】
本実施形態の制御装置60は、第1収容開閉弁デバイス73及び第2収容開閉弁デバイス74を制御して、上述のように第1収容部11の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後に第2吹込気圧に調整する。
【0081】
図18は、第2吹込ノズル52に気体を供給する第2気体供給回路42の一例を示す回路図である。
【0082】
本実施形態の第2気体供給回路42は、第2吹込ノズル52に気体を供給する第2気体供給配管54と、圧縮気体(第2気体)を第2気体供給配管54に供給する第2気体供給源67と、第2気体供給配管54を流れる気体の圧力を調整する第2圧力調整デバイス76とを有する。
【0083】
第2気体供給配管54は、第2気体供給源67に接続される上流気体配管部54aと、第2吹込ノズル52に接続される下流気体配管部54dと、上流気体配管部54a及び下流気体配管部54dの各々に対して並列に接続される第1分岐気体配管部54b及び第2分岐気体配管部54cとを含む。
【0084】
図18に示す第2圧力調整デバイス76は、第1分岐気体配管部54bに取り付けられる第1気体圧力レギュレータ77及び第1気体開閉弁デバイス79と、第2分岐気体配管部54cに取り付けられる第2気体圧力レギュレータ78及び第2気体開閉弁デバイス80とを有する。
【0085】
第1気体圧力レギュレータ77は、第1分岐気体配管部54bを流れる気体の圧力を環境圧よりも高い第3調整気圧に調整する。第2気体圧力レギュレータ78は、第2分岐気体配管部54cを流れる気体の圧力を環境圧よりも高く且つ第3調整気圧よりも低い第4調整気圧に調整する。第1気体開閉弁デバイス79は、第1分岐気体配管部54bの流路を開閉する。第2気体開閉弁デバイス80は、第2分岐気体配管部54cの流路を開閉する。第2気体供給配管54の流路を開閉することによって第2吹込ノズル52への気体の供給の許容の有無を調整する気体開閉弁デバイスが、第1気体開閉弁デバイス79及び第2気体開閉弁デバイス80の組み合わせに基づき構成されている。
【0086】
下流気体配管部54dには、下流気体配管部54dの流路における気圧を計測する第2圧力計81と、下流気体配管部54d(第2気体供給配管54)の内側の流路を周囲の大気に対して閉鎖及び開放可能な大気開閉弁デバイス82とが取り付けられている。
図18に示す例では、下流気体配管部54dのメイン配管から分岐する第1分岐配管及び第2分岐配管のそれぞれに、第2圧力計81及び大気開閉弁デバイス82が設けられている。第1分岐配管の流路の気圧及び第2分岐配管の流路の気圧は、下流気体配管部54dのメイン配管の流路の気圧と等しい。第2圧力計81は、第1分岐配管の流路の気圧を計測し、計測結果を制御装置60に送信する。大気開閉弁デバイス82は、第2分岐配管を、大気に開放されている大気開放ライン83に連通させたり、大気開放ライン83から遮断したりする。
【0087】
第2気体供給源67は、環境圧、第3調整気圧及び第4調整気圧よりも高い圧力を有する圧縮気体を、上流気体配管部54aに送り出す。第2気体供給源67から上流気体配管部54aに送り出された高圧の気体は、第1気体圧力レギュレータ77及び第2気体圧力レギュレータ78のそれぞれにおいて第3調整気圧及び第4調整気圧に調整された後、下流に向けて流される。第1気体圧力レギュレータ77及び第2気体圧力レギュレータ78は、供給される気体の圧力を調整可能な任意の構成を有することができる。したがって第1気体圧力レギュレータ77及び第2気体圧力レギュレータ78は、供給される気体の圧力を所望圧力まで低下させる機器で構成されていてもよいし、供給される気体の圧力を所望圧力まで上昇させる機器で構成されていてもよい。
【0088】
第1気体開閉弁デバイス79、第2気体開閉弁デバイス80、第2圧力計81及び大気開閉弁デバイス82は制御装置60に電気的に接続されている。第1気体開閉弁デバイス79及び第2気体開閉弁デバイス80は、それぞれ制御装置60の制御下で、第1分岐気体配管部54b及び第2分岐気体配管部54cの流路の開閉を行う。大気開閉弁デバイス82は、制御装置60の制御下で、第2気体供給配管54の流路(特に下流気体配管部54dの流路)を大気に開放したり、大気から遮断したりする。
【0089】
第2収容部12の内側の圧力(すなわち中間スペースSの圧力)を上述の第3吹込気圧に調整する場合(
図6参照)、制御装置60は、第1気体開閉弁デバイス79を開状態にし、第2気体開閉弁デバイス80を閉状態にする。これにより、基本的に第2分岐気体配管部54cから下流気体配管部54dに気体が積極的に送られることはなく、第1気体圧力レギュレータ77により圧力調整された後の気体が、第1分岐気体配管部54bから下流気体配管部54dに流れ込む。したがって、第1気体圧力レギュレータ77により圧力が調整された気体が、第2吹込ノズル52から第2通気路15を介して中間スペースSに供給される。
【0090】
一方、第2収容部12の内側の圧力(すなわち中間スペースSの圧力)を上述の第4吹込気圧に調整する場合(
図7参照)、制御装置60は、第1気体開閉弁デバイス79を閉状態にし、第2気体開閉弁デバイス80を開状態にする。これにより、基本的に第1分岐気体配管部54bから下流気体配管部54dに気体が積極的に送られることはなく、第2気体圧力レギュレータ78により圧力調整された後の気体が、第2分岐気体配管部54cから下流気体配管部54dに流れ込む。したがって、第2気体圧力レギュレータ78により圧力が調整された気体が、第2吹込ノズル52から第2通気路15を介して中間スペースSに供給される。
【0091】
制御装置60は、気体開閉弁デバイス(すなわち第1気体開閉弁デバイス79及び第2気体開閉弁デバイス80)を制御して、上述のように中間スペースSの圧力を第3吹込気圧に調整した後に第4吹込気圧に調整する。また制御装置60は、大気開閉弁デバイス82を制御して、中間スペースSが第4吹込気圧に調整されて中間スペースSに気体が封入された後に、下流気体配管部54dの流路を大気に連通させる。
【0092】
図19は、制御装置60の接続構成例を示す機能ブロック図である。
【0093】
制御装置60は、第1圧力計75、第2圧力計81、第1移動デバイス85、第2移動デバイス86、第1収容開閉弁デバイス73、第2収容開閉弁デバイス74、第1気体開閉弁デバイス79、第2気体開閉弁デバイス80、大気開閉弁デバイス82、袋保持デバイス61、及びシーリング移動デバイス89に、電気的に接続されている。制御装置60は、第1移動デバイス85、第2移動デバイス86、第1収容開閉弁デバイス73、第2収容開閉弁デバイス74、第1気体開閉弁デバイス79、第2気体開閉弁デバイス80、大気開閉弁デバイス82、袋保持デバイス61、シーリング移動デバイス89、及び他の装置を適宜制御して、上述の気体吹込方法を実施する。
【0094】
第1移動デバイス85は、袋保持デバイス61と第1吹込ノズル51との間の相対位置を調整する。本実施形態の第1移動デバイス85は、第1吹込ノズル51を移動させるノズル移動デバイス87と、袋保持デバイス61を移動させる袋保持移動デバイス88とを含み、袋保持デバイス61及び第1吹込ノズル51の両方を移動させることによって、袋保持デバイス61と第1吹込ノズル51との間の相対位置を調整している。例えば、第1移動デバイス85は、第1吹込ノズル51及び袋保持デバイス61を移動させることによって、袋保持デバイス61と第1吹込ノズル51との間の相対位置を、上述の第1吹込位置に位置づける。なお第1移動デバイス85は、袋保持デバイス61及び第1吹込ノズル51のうちのいずれか一方のみを移動させてもよい。
【0095】
第2移動デバイス86は、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を調整する。本実施形態において、第2吹込ノズル52は特定位置において固定的に設けられており、第2移動デバイス86は袋保持移動デバイス88を含み、袋保持デバイス61を移動させることによって袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を調整している。このように本実施形態の袋保持移動デバイス88は、第1移動デバイス85として働くとともに、第2移動デバイス86としても働く。例えば第2移動デバイス86は、袋保持デバイス61を移動させることによって、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を、上述の第2吹込位置に位置づける。なお第2移動デバイス86は、第2吹込ノズル52のみ、又は、袋保持デバイス61及び第2吹込ノズル52の両方を移動させてもよい。
【0096】
シーリング移動デバイス89は、制御装置60の制御下で封入デバイス63を移動させる。本実施形態のシーリング移動デバイス89は、封入デバイス63の2つのシーリングブロックを対称的に移動させ、袋体10のうち第2通気路15を形成する部材(すなわち第2収容部12のアウター周縁部20)から離れた退避位置と、第2通気路15を形成する部材に接触して第2通気路15を遮断するシーリング位置とに配置することができる。
【0097】
第1移動デバイス85及び第2移動デバイス86(すなわちノズル移動デバイス87及び袋保持移動デバイス88)は、任意の装置によって構成可能であり、例えばモータ等の動力デバイスを含む装置によって実現可能である。
【0098】
以上説明したように本実施形態の気体吹込装置50及び気体吹込方法によれば、気体吹込ステーションに配置された袋体10に対して気体を的確且つスムーズに吹き込むことができる。
【0099】
特に、気体吹込方法は、袋体10と第1吹込ノズル51との間の相対位置を第1吹込位置に調整することによって、第1通気路14のうち第1収容部11の外側に向けられている第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させる工程と、第1吹込位置に位置づけられている第1吹込ノズル51から第1気体を噴出させることによって、当該第1気体の少なくとも一部を第1通気路14を介して第1収容部11の内側に導き、第1収容部11の内側の圧力を環境圧よりも高い第1吹込気圧に調整する工程と、第1収容部11の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後、第1吹込ノズル51から噴出させる第1気体の圧力を調整することによって、第1収容部11の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する工程と、第1収容部11の内側の圧力を第2吹込気圧に調整した後、第1吹込ノズル51から第1通気路14への第1気体の導入を停止する工程と、を含む。
【0100】
また気体吹込装置50は、第1気体を第1気体供給配管53に供給する第1気体供給源66と、第1気体供給配管53を介して送られてくる第1気体を噴出する第1吹込ノズル51と、第1気体供給配管53を流れる第1気体の圧力を調整する第1圧力調整デバイス70と、袋体10を保持可能な袋保持デバイス61と、袋保持デバイス61と第1吹込ノズル51との間の相対位置を調整する第1移動デバイス85と、第1圧力調整デバイス70を制御する制御装置60と、を備え、第1移動デバイス85が第1通気路14のうち第1収容部11の外側に向けられている第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させつつ、第1吹込ノズル51から第1気体を噴出させることによって、当該第1気体の少なくとも一部を第1通気路14を介して第1収容部11の内側に導き、第1圧力調整デバイス70は、制御装置60の制御下で、第1収容部11の内側の圧力を、環境圧よりも高い第1吹込気圧に調整した後に、環境圧よりも高く且つ第1吹込気圧よりも低い第2吹込気圧に調整する。
【0101】
このような気体吹込方法及び気体吹込装置50によれば、第1収容部11を高速に所望の大きさに膨らませることができる。
【0102】
また第1通気路14の少なくとも一部は、第1収容部11よりも外側に突出している部分を有するスパウト13により形成されている。
【0103】
このようにスパウト13を第1通気路14として利用することにより、第1収容部11の内側への気体の吹き込みを的確に行うことができる。
【0104】
また第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させる工程では、第1吹込ノズル51を移動させて、第1通気路14を形成する部材に第1吹込ノズル51を密着させる。
【0105】
これにより、第1吹込ノズル51から第1通気路14への第1気体の吹き込みを効率良く行うことができる。
【0106】
また第1移動デバイス85は、第1吹込ノズル51を移動させることによって、袋保持デバイス61と第1吹込ノズル51との間の相対位置を、第1外側開口21に第1吹込ノズル51を対向させる第1吹込位置に位置づける。
【0107】
これにより、袋保持デバイス61を移動させることなく、第1吹込ノズル51及び袋保持デバイス61を第1吹込位置に配置することができる。したがって袋保持デバイス61が特定位置において固定的に設けられている場合であっても、第1吹込ノズル51及び袋保持デバイス61を第1吹込位置に適切に配置することができる。
【0108】
また第1気体供給配管53は、第1気体供給源66に接続される第1上流収容配管部53aと、第1吹込ノズル51に接続される第1下流収容配管部53dと、第1上流収容配管部53a及び第1下流収容配管部53dの各々に対して並列に接続される第1分岐収容配管部53b及び第2分岐収容配管部53cと、を含み、第1圧力調整デバイス70は、第1分岐収容配管部53bに取り付けられる第1収容圧力レギュレータ71及び第1収容開閉弁デバイス73と、第2分岐収容配管部53cに取り付けられる第2収容圧力レギュレータ72及び第2収容開閉弁デバイス74と、を有し、第1収容圧力レギュレータ71は、第1分岐収容配管部53bを流れる第1気体の圧力を環境圧よりも高い第1調整気圧に調整し、第2収容圧力レギュレータ72は、第2分岐収容配管部53cを流れる第1気体の圧力を環境圧よりも高く且つ第1調整気圧よりも低い第2調整気圧に調整し、第1収容開閉弁デバイス73は、第1分岐収容配管部53bの流路を開閉し、第2収容開閉弁デバイス74は、第2分岐収容配管部53cの流路を開閉し、制御装置60は、第1収容開閉弁デバイス73及び第2収容開閉弁デバイス74を制御して、第1収容部11の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後に第2吹込気圧に調整する。
【0109】
これにより、単一の第1気体供給源66を使用して、第1吹込ノズル51に供給する第1気体の圧力を調整することができる。
【0110】
また気体吹込方法は、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され内容物を内側に収容可能な第1収容部11、少なくとも一部がフィルム状部材によって形成され気体を内側に吹き込み可能な第2収容部、及び第2収容部の内側と外側とをつなぐ第2通気路を備える袋体10に、気体を吹き込む気体吹込方法であって、袋体10と第2吹込ノズル52との間の相対位置を第2吹込位置に調整することによって、第2通気路15のうち第2収容部12の外側に向けられている第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させる工程と、第2吹込位置に位置づけられている第2吹込ノズル52から第2気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導き、第2収容部12の内側の圧力を環境圧よりも高い第3吹込気圧に調整する工程と、第2収容部12の内側の圧力を第3吹込気圧に調整した後、第2吹込ノズル52から噴出させる第2気体の圧力を調整することによって、第2収容部12の内側の圧力を環境圧よりも高く且つ第3吹込気圧よりも低い第4吹込気圧に調整する工程と、第2収容部12の内側の圧力が第4吹込気圧に調整されている状態で第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側に第2気体を封入する工程と、第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を停止する工程と、を含む。
【0111】
また気体吹込装置50は、第2気体を第2気体供給配管54に供給する第2気体供給源67と、第2気体供給配管54を介して送られてくる第2気体を噴出する第2吹込ノズル52と、第2気体供給配管54を流れる第2気体の圧力を調整する第2圧力調整デバイス76と、袋体10を保持可能な袋保持デバイス61と、第2通気路15を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイス62と、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を調整する第2移動デバイス86と、第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側に第2気体を封入する封入デバイス63と、第2圧力調整デバイス76を制御する制御装置60と、を備え、第2移動デバイス86が第2通気路15のうち第2収容部12の外側に向けられている第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させつつ、第2吹込ノズル52から第2気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ、第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導き、第2圧力調整デバイス76は、制御装置60の制御下で、第2収容部12の内側の圧力を、環境圧よりも高い第3吹込気圧に調整した後に、環境圧よりも高く且つ第3吹込気圧よりも低い第4吹込気圧に調整する。
【0112】
このような気体吹込方法及び気体吹込装置50によれば、第2収容部12の内側に環境圧よりも高圧の第2気体を高速に封入することができる。また第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入の停止を、第2収容部12の内側に第2気体が封入された後又は当該封入と同時に行うことによって、第2収容部12の内側に環境圧よりも高圧の第2気体を適切に封入することができる。
【0113】
また第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させる工程では、袋体10を移動させることによって、第2吹込ノズル52と吹込支持デバイス62との間に第2外側開口23を位置づける。
【0114】
また第2移動デバイス86は、袋保持デバイス61を移動させることによって、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を、袋体10を第2吹込ノズル52と吹込支持デバイス62との間に配置しつつ第2吹込ノズル52を第2外側開口23に対向させる第2吹込位置に位置づける。
【0115】
これにより、第2吹込ノズル52及び吹込支持デバイス62を移動させることなく、袋体10及び第2吹込ノズル52を第2吹込位置に配置することができる。したがって第2吹込ノズル52が特定位置において固定的に設けられている場合であっても、袋体10及び第2吹込ノズル52を第2吹込位置に適切に配置することができる。
【0116】
また第2気体供給配管54は、第2気体供給源67に接続される上流気体配管部54aと、第2吹込ノズル52に接続される下流気体配管部54dと、上流気体配管部54a及び下流気体配管部54dの各々に対して並列に接続される第1分岐気体配管部54b及び第2分岐気体配管部54cと、を含み、第2圧力調整デバイス76は、第1分岐気体配管部54bに取り付けられる第1気体圧力レギュレータ77及び第1気体開閉弁デバイス79と、第2分岐気体配管部54cに取り付けられる第2気体圧力レギュレータ78及び第2気体開閉弁デバイス80と、を有し、第1気体圧力レギュレータ77は、第1分岐気体配管部54bを流れる第2気体の圧力を環境圧よりも高い第3調整気圧に調整し、第2気体圧力レギュレータ78は、第2分岐気体配管部54cを流れる第2気体の圧力を環境圧よりも高く且つ第3調整気圧よりも低い第4調整気圧に調整し、第1気体開閉弁デバイス79は、第1分岐気体配管部54bの流路を開閉し、第2気体開閉弁デバイス80は、第2分岐気体配管部54cの流路を開閉し、制御装置60は、第1気体開閉弁デバイス79及び第2気体開閉弁デバイス80を制御して、第2収容部12の内側の圧力を第3吹込気圧に調整した後に第4吹込気圧に調整する。
【0117】
これにより、単一の第2気体供給源67を使用して、第2吹込ノズル52に供給する第2気体の圧力を調整することができる。
【0118】
また気体吹込方法は、袋体10と第2吹込ノズル52との間の相対位置を第2吹込位置に調整することによって、第2通気路15のうち第2収容部12の外側に向けられている第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させる工程と、第2気体供給配管54から第2吹込ノズル52に供給される第2気体を第2吹込位置に位置づけられている第2吹込ノズル52から噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導き、第2収容部12の内側の圧力を環境圧よりも高い気圧に調整する工程と、第2収容部12の内側の圧力が環境圧よりも高い気圧に調整されている状態で第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側に第2気体を封入する工程と、第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を停止する工程と、第2気体供給配管54の内側のうち第2吹込ノズル52に連通する部分を周囲の大気に連通させる工程と、第2気体供給配管54の内側が大気に連通されている状態で、袋体10と第2吹込ノズル52との間の相対位置を、第2吹込ノズル52を第2外側開口23に対向させない第2退避位置に調整する工程と、を含む。
【0119】
また気体吹込装置50は、第2気体を第2気体供給配管54に供給する第2気体供給源67と、第2気体供給配管54を介して送られてくる第2気体を噴出する第2吹込ノズル52と、第2気体供給配管54の流路を開閉することによって、第2吹込ノズル52への第2気体の供給の許容の有無を調整する気体開閉弁デバイス79、80と、第2気体供給配管54の内側を周囲の大気に対して閉鎖及び開放可能な大気開閉弁デバイス82と、袋体10を保持可能な袋保持デバイス61と、第2通気路15を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイス62と、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を調整する第2移動デバイス86と、第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側に第2気体を封入する封入デバイス63と、気体開閉弁デバイス79、80及び大気開閉弁デバイス82を制御する制御装置60と、を備え、制御装置60の制御下で大気開閉弁デバイス82が第2気体供給配管54の内側を大気に対して閉鎖し且つ気体開閉弁デバイス79、80が第2吹込ノズル52への第2気体の供給を許容している状態で、第2移動デバイス86が第2通気路15のうち第2収容部12の外側に向けられている第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させつつ、第2吹込ノズル52から第2気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ、第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導き、封入デバイス63は、第2収容部12の内側の圧力が環境圧よりも高い気圧に調整されている状態で第2通気路15を遮断して、第2収容部12の内側に第2気体を封入し、気体開閉弁デバイス79、80は、制御装置60の制御下で、第2吹込ノズル52への第2気体の供給を許容せず、第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を停止し、大気開閉弁デバイス82は、制御装置60の制御下で、第2気体供給配管54の内側を周囲の大気に開放して、第2気体供給配管54の内側のうち第2吹込ノズル52に連通する部分を周囲の大気に連通させる。
【0120】
このような気体吹込方法及び気体吹込装置50によれば、第2収容部12の内側への第2気体の吹き込みを安定的に行うことができる。また第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を停止した後又は当該導入の停止と同時に、第2気体供給配管54の内側のうち第2吹込ノズル52に連通する部分を周囲の大気に連通させることによって、第2収容部12の内側への第2気体の吹き込みを安定的に行うことができる。
【0121】
また気体吹込装置50は、第2気体を第2気体供給配管54に供給する第2気体供給源67と、噴出口を有する弾性部材(ノズル先端部92)を含み、第2気体供給配管54を介して送られてくる第2気体を噴出口から噴出させる第2吹込ノズル52と、第2気体供給配管54の流路を開閉することによって、第2吹込ノズル52への第2気体の供給の許容の有無を調整する気体開閉弁デバイス79、80と、袋体10を保持可能な袋保持デバイス61と、第2通気路15を形成する部材を支持可能な吹込支持デバイス62と、袋保持デバイス61と第2吹込ノズル52との間の相対位置を調整する第2移動デバイス86と、第2通気路15を遮断することによって、第2収容部12の内側に第2気体を封入する封入デバイス63と、気体開閉弁デバイス79、80を制御する制御装置60と、を備え、制御装置60の制御下で気体開閉弁デバイス79、80が第2吹込ノズル52への第2気体の供給を許容している状態で、第2移動デバイス86が第2通気路15のうち第2収容部12の外側に向けられている第2外側開口23に第2吹込ノズル52を対向させつつ、第2吹込ノズル52から第2気体を噴出させることによって、第2通気路15を形成する部材を吹込支持デバイス62により支持しつつ、噴出口が第2外側開口23に近づくように弾性部材を袋体10に向けて撓ませ、第2気体の少なくとも一部を第2通気路15を介して第2収容部12の内側に導き、気体開閉弁デバイス79、80は、制御装置60の制御下で、第2吹込ノズル52への第2気体の供給を許容せず、第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を停止する。
【0122】
これにより、袋体10及び第2吹込ノズル52を第2吹込位置にスムーズに配置することができるとともに、第2吹込ノズル52から第2通気路15への第2気体の導入を効率良く行うことができる。
【0123】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【0124】
例えば、第1収容部11及び第2収容部12のうちの一方を備えていない袋体10に対しても、上述の気体吹込方法及び気体吹込装置50は応用可能である。例えば、袋体10が第1収容部11を備えるが第2収容部12を備えない場合にも、上述の気体吹込方法及び気体吹込装置50によれば、第1収容部11の内側の圧力を第1吹込気圧に調整した後に第2吹込気圧に調整することが可能である。
【0125】
また、第1収容部11は第2収容部12の外側に位置していてもよい。すなわち第2収容部12の内側に第1収容部11が位置していない場合にも、上述の気体吹込方法及び気体吹込装置50を用いることが可能である。