【解決手段】チャンバと、チャンバウインドウと、照射装置と、レーザ光終端装置と、温度測定装置と、ビーム径/焦点位置測定装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、光強度と、チャンバウインドウの温度と、所定高さにおけるビーム径または焦点位置と、を取得し、チャンバウインドウの温度あたりのビーム径の変化量、またはチャンバウインドウの温度あたりの焦点位置の変化量を補正係数として算出し、固化層の形成時、チャンバウインドウの温度を取得し、当該温度と所定の基準温度との差の値に補正係数を掛けて前記材料層上面におけるビーム径または焦点位置の基準温度からの変位量を算出して、可動レンズの補正値を求める、積層造形装置が提供される。
所望の三次元造形物が形成される造形領域を有する造形室を覆うチャンバの上面に設けられるチャンバウインドウの上方に設けられた照射装置から複数の光強度で照射されたレーザ光の光強度の設定値または実測値と、前記複数の光強度で照射される前記レーザ光が照射されたときの前記チャンバウインドウの温度と、前記複数の光強度で照射される前記レーザ光が照射されたときの前記レーザ光の所定高さにおけるビーム径または焦点位置と、を取得し、
前記レーザ光の光強度の設定値または実測値と前記チャンバウインドウの温度との相関を示す第1の一次関数および前記レーザ光の光強度の設定値または実測値と前記レーザ光のビーム径または焦点位置との相関を示す第2の一次関数とを求め、
前記第1の一次関数と前記第2の一次関数とから、前記チャンバウインドウの温度あたりのビーム径の変化量、または前記チャンバウインドウの温度あたりの焦点位置の変化量を補正係数として算出し、
前記チャンバ内に形成された材料層に対し前記レーザ光を照射して固化層を形成する形成時に、前記チャンバウインドウの温度を取得し、当該温度と所定の基準温度との差の値に前記補正係数を掛けて前記レーザ光の前記材料層上面におけるビーム径または焦点位置の前記基準温度からの変位量を算出して、前記レーザ光の焦点位置を調整する可動レンズの補正値を求める、
三次元造形物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0014】
1.構成例
図1は、本発明の実施形態に係る積層造形装置1の構成を示した図である。
図1に示すように、積層造形装置1は、チャンバ11と、造形テーブル2と、材料層形成装置4と、照射装置5と、測定装置6(ビーム径/焦点位置測定装置61、光強度測定装置62、温度測定装置63)と、制御装置8(
図1では不図示)と、を備える。
【0015】
チャンバ11は、所望の三次元造形物が形成される領域である造形領域Rを有する造形室10を覆う。なお、積層造形装置1は造形中または造形後に固化層Sに対して切削加工を行う加工装置を備えてもよい。加工装置は、切削工具を把持する加工ヘッドを備え、加工ヘッドは加工ヘッド駆動装置により造形室10内の任意の位置に移動可能に構成される。このとき、蛇腹等でチャンバ11の内部を造形室10と駆動室に区切り、加工ヘッド駆動装置の大部分を駆動室に収容してもよい。すなわち、チャンバ11により覆われる少なくとも1つの空間のうち、造形領域Rを有する空間を造形室10という。なお、チャンバ11の造形室10側には、開閉可能な不図示の作業扉が設けられている。
【0016】
造形中、作業扉は閉められ、チャンバ11は、実質的に密閉されるように構成される。チャンバ11は所定濃度の不活性ガスが供給されるとともに、材料層Mの固化時、すなわち焼結時または溶融・凝固時に発生するヒュームを含んだ不活性ガスを排出している。好ましくは、チャンバ11から排出された不活性ガスは、ヒュームが除去されチャンバ11に返送される。具体的には、チャンバ11には、不図示の不活性ガス供給装置と、不図示のヒュームコレクタが接続されている。不活性ガス供給装置は、例えば、空気から不活性ガスを生成する不活性ガス生成装置または不活性ガスが貯留されるガスボンベであり、チャンバ11内に所定濃度の不活性ガスを供給する。ヒュームコレクタは、例えば、電気集塵機またはフィルタであり、チャンバ11から排出された不活性ガスからヒュームを除去した上で、チャンバ11内に返送する。なお、本発明において、不活性ガスとは、材料層Mや固化層Sと実質的に反応しないガスをいい、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等から材料の種類に応じて適当なものが選択される。
【0017】
造形領域Rには、材料層Mが形成される造形テーブル2が設けられる。造形テーブル2は、造形テーブル駆動装置3によって鉛直方向に移動することができる。三次元造形物を形成する際には、造形テーブル2上にベースプレート21が載置されてもよい。このとき、ベースプレート21上に1層目の材料層Mが形成される。造形テーブル2の周りには、造形テーブル2の移動範囲において造形テーブル2を囲繞する周壁14が設けられる。
【0018】
造形テーブル駆動装置3としては、造形テーブル2を鉛直方向に沿って往復移動させることができる任意のアクチュエータを含むものが採用できる。本実施形態においては、造形テーブル駆動装置3は、造形テーブル2の直下に設けられるスライドベースと、ボールねじと、ボールねじを支持するガイドベースとを備える。ボールねじは、モータによって回転するネジ軸と、ボールを介してネジ軸と螺合するナットと、を含む。ナットはスライドベースの側面に固定される。
【0019】
材料層形成装置4が、造形室10内に設けられる。材料層形成装置4は、造形領域R上、すなわち造形テーブル2上に、所定厚みの材料層Mを形成する。材料層形成装置4は材料層Mを形成する任意の装置であってよいが、本実施形態の材料層形成装置4は、造形領域Rを有するベース台41と、ベース台41上に配置され水平1軸方向に移動可能に構成されたリコータヘッド42と、リコータヘッド42を駆動させる任意のアクチュエータであるリコータヘッド駆動装置43と、を含む。リコータヘッド42の両側面にはそれぞれブレードが設けられる。リコータヘッド42は、不図示の材料供給装置から金属の材料粉体が供給され、内部に収容した材料粉体を底面から排出しながら水平1軸方向に往復移動する。このとき、ブレードは排出された材料粉体を平坦化して材料層Mを形成する。
【0020】
照射装置5は、チャンバ11の上方に設けられ、材料層Mにレーザ光Lを照射して焼結または溶融させ固化層Sを形成する。
図2に示すように、照射装置5は、光源51と、コリメータ52と、フォーカス制御ユニット53と、走査装置54と、を有している。
【0021】
光源51は、レーザ光Lの光強度の設定値に基づきレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは、材料層Mを焼結または溶融することが可能であり、例えば、CO
2レーザ、ファイバーレーザ、またはYAGレーザである。コリメータ52は、コリメータレンズを有し、光源51から出力されたレーザ光Lを平行光に変換する。フォーカス制御ユニット53は、レーザ光Lの焦点位置を調整する可動レンズ531と、可動レンズ531をレーザ光Lの光軸方向に移動させるレンズアクチュエータ532と、可動レンズ531を通過したレーザ光Lを集光する集光レンズ533と、を有し、コリメータ52で平行光に変換されたレーザ光Lを所定のスポット径に調整する。本実施形態においては、可動レンズ531は拡散レンズであるが、集光レンズであってもよい。走査装置54は、レーザ光Lを走査してチャンバウインドウ12を通してチャンバ11内に形成された材料層Mにレーザ光Lを照射して固化層Sを形成する。走査装置54は、具体的には第1のガルバノミラー541と、第1のガルバノミラー541を回転させる第1のミラーアクチュエータ542と、第2のガルバノミラー543と、第2のガルバノミラー543を回転させる第2のミラーアクチュエータ544とを有するガルバノスキャナである。第1のガルバノミラー541の回転角度を制御することでレーザ光Lの照射位置のX軸方向が制御され、第2のガルバノミラー543の回転角度を制御することでレーザ光Lの照射位置のY軸方向が制御される。
【0022】
第1のガルバノミラー541および第2のガルバノミラー543により照射位置が制御されたレーザ光Lは、レーザ光Lの透過窓である照射装置ウインドウ13およびチャンバウインドウ12を通して造形テーブル2上の材料層Mに照射され、固化層Sを形成する。なお、チャンバウインドウ12は反射防止膜等のコーティングを有していてもよい。照射装置ウインドウ13は、走査装置54の下方の、コリメータ52、フォーカス制御ユニット53および走査装置54を保持する筐体の下面に設けられる。チャンバウインドウ12は、チャンバ11の上面に設けられる。照射装置ウインドウ13およびチャンバウインドウ12は、レーザ光Lを透過可能な材料で形成される。具体的に、照射装置ウインドウ13およびチャンバウインドウ12の材料は、レーザ光Lの種類に応じて、石英ガラスもしくはホウケイ酸ガラスまたはゲルマニウム、シリコン、ジンクセレンもしくは臭化カリウムの結晶等から選択される。例えば、レーザ光LがファイバーレーザまたはYAGレーザの場合、照射装置ウインドウ13およびチャンバウインドウ12は石英ガラスで構成可能である。
【0023】
チャンバ11の上面には、チャンバウインドウ12を覆うようにヒューム拡散部15が設けられる。
図3に示すように、ヒューム拡散部15は、円筒状の筐体151と、筐体151内に配置された円筒状の拡散部材152を備える。筐体151と拡散部材152の間に不活性ガス供給空間153が設けられる。また、筐体151の底面には、拡散部材152の内側に開口部154が設けられる。拡散部材152には多数の細孔155が設けられており、不活性ガス供給空間153に供給された清浄な不活性ガスは細孔155を通じて清浄室156に充満される。そして、清浄室156に充満された清浄な不活性ガスは、開口部154を通じてヒューム拡散部15の下方に向かって噴出される。ヒューム拡散部15は、チャンバウインドウ12が固化層Sの形成時に発生するヒュームによって汚染されることを防止するとともに、レーザ光Lの照射経路を横断しようとするヒュームを照射経路から排除することを助ける。
【0024】
以上に説明した照射装置5の構成はあくまで一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
【0025】
2.測定装置
積層造形装置1は、
図4および
図5に示すように、測定装置6として、ビーム径/焦点位置測定装置61と、光強度測定装置62と、温度測定装置63とを備える。なお、
図4は、ビーム径/焦点位置測定装置61によりレーザ光Lを測定している状態を示し、
図5は、光強度測定装置62によりレーザ光Lを測定している状態を示しており、温度測定装置63は、いずれの状態でもチャンバウインドウ12の温度を測定する。
【0026】
ビーム径/焦点位置測定装置61と光強度測定装置62は、造形中にリコータヘッド42、加工ヘッドおよびレーザ光L等と干渉することや、材料粉体やヒュームにより汚染されることを防ぐため、測定時のみ造形室10に搬入されることが好ましい。測定装置6を移動させる搬送装置として、ビーム径/焦点位置測定装置61を移動させる第1の搬送装置71と、光強度測定装置62を移動させる第2の搬送装置74が設けられる。搬送装置としては任意のアクチュエータを含むものが採用できるが、例えば、モータによって回転するネジ軸と、ボールを介してネジ軸と螺合し各測定装置6と接続されるナットと、を有するボールねじである。また、本実施形態では、搬送装置は測定装置6を水平方向にのみ移動させるように構成されるが、鉛直方向にも移動させられるように構成されてもよい。測定装置6の搬送口として、チャンバ11または周壁14の少なくとも一方に形成される開口には、開閉可能なシャッタが設けられる。本実施形態においては、第1のシャッタ72がチャンバ11の側壁に、第2のシャッタ75が第1のシャッタ72が周壁14に設けられる。シャッタは、上下方向、左右方向または上下左右方向に摺動するよう構成されてもよいし、回動するよう構成されてもよい。第1のシャッタ72を開閉させる第1のシャッタ駆動装置73および第2のシャッタ75を開閉させる第2のシャッタ駆動装置76は任意のアクチュエータでよいが、例えば流体圧シリンダまたは電動シリンダである。なお、造形中とは、三次元造形物の造形を開始してから終了するまでの期間であり、より具体的には、所定のプロジェクトファイルの実行を開始してから、最後の固化層Sの形成を終了するまでをいう。
【0027】
ビーム径/焦点位置測定装置61は、レーザ光Lの受光位置におけるビーム径を取得する第1の受光体611を有し、所定高さにおけるビーム径または焦点位置を測定する。ビーム径/焦点位置測定装置61としては、例えばフォーカスモニタが用いられる。本実施形態においては、第1の受光体611は、前後(
図4における左右方向)に移動可能なアーム612に保持されている。好ましくは、第1の受光体611は、鉛直方向に移動可能に構成される。例えば、ビーム径/焦点位置測定装置61が第1の受光体611を鉛直方向に移動させるアクチュエータを有していてもよいし、ビーム径/焦点位置測定装置61全体が第1の搬送装置71によって鉛直方向に移動されてもよい。本実施形態では、アーム612が鉛直方向に移動することで、第1の受光体611が鉛直方向に移動される。第1の受光体611が鉛直方向に移動可能に構成されることで、ビーム径/焦点位置測定装置61は、所定の光強度の設定値に基づいて出力されたレーザ光Lについて、複数の高さにおけるビーム径を測定することができる。複数の高さにおけるビーム径のデータに基づき、焦点位置が算出される。ビーム径/焦点位置測定装置61は、第1の搬送装置71により造形室10の内外に搬送される。この搬送に際して、第1のシャッタ72が開閉される。
【0028】
第1の受光体611が鉛直方向に移動可能に構成されるとき、測定時、フォーカス制御ユニット53は、ビーム径/焦点位置測定装置61によって測定されるレーザ光Lの焦点位置を、第1の受光体611の鉛直方向の可動範囲内に調節することが望ましい。これにより、より正確に焦点位置を取得することができる。換言すれば、正確に焦点位置を取得するにあたり、
図6に矢印Bで示される第1の受光体611の鉛直方向の可動範囲と、矢印Cで示されるレーザ光Lの焦点位置の調節可能範囲は、一部重複していることが望ましい。なお、レーザ光Lの焦点位置は、フォーカスシフトにより設定位置よりも上方に移動している可能性があるので、第1の受光体611はフォーカスシフトしたレーザ光Lの焦点位置を取得できる十分な範囲に可動できるように構成されることが望ましい。なお、測定時にレーザ光Lの焦点位置が変更された場合は、測定後、少なくとも固化層Sの形成時までに、レーザ光Lの焦点位置は元の位置に戻される。
【0029】
なお、焦点位置近辺では光強度とビーム径との比例関係に多少ずれが生じることがある。そのため、所定高さにおけるビーム径を取得するにあたっては、焦点位置から多少ずらした位置で測定することが望ましい。例えば本実施形態においては、焦点位置におけるビーム径は約100μmであるが、ビーム径が約130μm以上となる位置でビーム径を測定することが望ましい。
【0030】
レーザ光Lを終端させるレーザ光終端装置として、光強度測定装置62が設けられる。光強度測定装置62は、レーザ光Lの光強度の実測値を取得する第2の受光体621を有し、レーザ光Lの光強度を測定する。光強度測定装置62としては、例えばパワーメータ、より具体的にはサーモパイルセンサ式のパワーメータが使用される。レーザ光Lを受光した第2の受光体621は発熱し、発熱量に応じた光強度の実測値を電気信号として出力する。なお、レーザ光終端装置は必ずしもレーザ光Lの光強度の実測値を取得する機能を有している必要はなく、少なくともレーザ光Lを終端させるよう構成されればよい。後述する第1の一次関数および第2の一次関数の算出においてレーザ光Lの光強度の値が参照されるが、当該光強度は実測値であっても設定値であってもよい。但し、光強度の実測値を参照する方がより正確に第1の一次関数および第2の一次関数を演算することができるので、レーザ光終端装置として、光強度測定装置62が設けられることが望ましい。光強度測定装置62は、第2の搬送装置74により造形室10の内外に搬送される。この搬送に際して、第2のシャッタ75が開閉される。
【0031】
第2の受光体621の破損を防ぐため、第2の受光体621におけるレーザ光Lは、十分にデフォーカスした状態であることが望ましい。換言すれば、第2の受光体621は十分に下方に配置されることが望ましい。本実施形態においては、第2の受光体621は、測定時は周壁14に囲繞される空間に配置される。このとき、光強度測定装置62が造形テーブル2や固化層S等と干渉しないよう、造形テーブル2は、造形テーブル駆動装置3により下方に下げられる。また、水などを用いて第2の受光体621を冷却可能に構成してもよい。第2の受光体621は常時冷却されることが望ましいが、例えば、レーザ光Lの測定直前に冷却を開始し、測定後に所定期間が経過した時点で冷却を終了するようにしてもよい。
【0032】
より正確に測定を行うために、ビーム径/焦点位置測定装置61と光強度測定装置62によって測定されるレーザ光Lの入射角度は、水平方向に対して90°であることが望ましい。本実施形態においては、造形テーブル2の中心にレーザ光Lを照射したとき、レーザ光Lの入射角度が90°となる。そのため、本実施形態においては、第1の受光体611および第2の受光体621の受光位置は、造形テーブル2の中心軸上にある。
【0033】
また、ビーム径/焦点位置測定装置61と光強度測定装置62は、一体として構成することも可能である。すなわち、レーザ光Lの受光位置におけるビーム径の値を取得する第1の受光体611と、レーザ光Lの受光位置における光強度の実測値を取得する第2の受光体621を有する装置が、ビーム径/焦点位置測定装置61および光強度測定装置62を兼ねる測定装置6として使用されてもよい。
【0034】
温度測定装置63は、チャンバウインドウ12の温度を測定する。温度測定装置63は、例えば、赤外線サーモグラフィである。温度測定装置63は、不図示の加工装置の加工ヘッドやレーザ光L等に干渉しない、任意の位置に設けられる。温度測定装置63は、所定の位置に固定されても良いし、任意の駆動装置で移動可能に設けられても良い。本実施形態においては、作業扉の内側に不図示の収納ボックスが設置され、収納ボックス内に温度測定装置63と、温度測定装置63を造形室10内の所定位置に配置する駆動装置が収納されている。本実施形態においては、チャンバウインドウ12の温度を測定するときのみ、温度測定装置63は駆動装置により造形室10内の所定位置に配置される。温度測定装置63が赤外線サーモグラフィであるとき、温度測定装置63は、チャンバウインドウ12の造形室10側の表面における最高温度を、チャンバウインドウ12の温度として取得する。また、温度測定装置63はチャンバウインドウ12の最高温度箇所を捕捉して測定する。温度測定装置63によるチャンバウインドウ12の温度測定は、造形中常時行われてもよいが、少なくとも、ビーム径/焦点位置測定装置61がレーザ光Lのビーム径または焦点位置を測定している際、光強度測定装置62がレーザ光Lの光強度を測定している際、レーザ光Lにより固化層Sを形成する際に行われる。
【0035】
なお、レーザ光Lのビーム径または焦点位置ならびにチャンバウインドウ12の温度を測定するにあたり、チャンバウインドウ12の温度が飽和している必要がある。そのため、1、2分程度レーザ光Lを照射し続けて、十分にチャンバウインドウ12を昇温させてから、レーザ光Lおよびチャンバウインドウ12を測定することが望ましい。
【0036】
3.制御装置
次に、積層造形装置1を制御する制御装置8について説明する。
図7に示すように、制御装置8は、主制御装置81と、表示装置82と、照射制御装置86と、複数のドライバ83、84、851、852、853、854、861、862、863と、を有している。
【0037】
制御装置8は、積層造形装置1の各部を制御する。また、制御装置8は、測定装置6であるビーム径/焦点位置測定装置61および光強度測定装置62ならびに温度測定装置63とそれぞれ接続され、ビーム径/焦点位置測定装置61、光強度測定装置62、温度測定装置63を動作させるとともに、測定データを取得して固化層Sの形成中にチャンバウインドウ12の温度に応じてレーザ光Lの焦点位置を補正するための補正係数を算出し、照射装置5の可動レンズ531の補正値を求める。
【0038】
主制御装置81は、CAM装置9が作成したプロジェクトファイルにしたがって、材料層形成装置4、造形テーブル2、ビーム径/焦点位置測定装置61、光強度測定装置62、第1の搬送装置71、第2の搬送装置74、第1のシャッタ72、第2のシャッタ75、温度測定装置63等を制御する。また、照射制御装置86へと造形プログラムを送信する。主制御装置81は、記憶装置811と演算装置812とメモリ813とを有している。また、主制御装置81は、固化層Sの形成中にチャンバウインドウ12の温度に応じてレーザ光Lの焦点位置を補正するための補正係数を算出し、照射装置5の可動レンズ531の補正値を求める。
【0039】
なお、CAM装置9は、所望の三次元造形物を形成するためのメインプログラムと、造形プログラムとを含むプロジェクトファイルを作成する。メインプログラムは、シーケンス番号をふられた複数のプログラム行で構成され、各プログラム行は、所定の層における焼結または溶融の指令を含む。また、造形プログラムは、レーザ光Lの照射位置等の指令を含む。
【0040】
記憶装置811は、通信線や可搬記憶媒体を介してCAM装置9から取得したプロジェクトファイル等を記憶する。
【0041】
演算装置812は、記憶装置811に記憶したプロジェクトファイルを解析し、材料層形成装置4や造形テーブル2等を制御するための演算処理を実行する。
【0042】
メモリ813は、演算装置812による演算処理の過程で一時的に記憶する必要のある数値やデータを一時的に記憶する。
【0043】
また、メモリ813は、ビーム径/焦点位置測定装置61、光強度測定装置62および温度測定装置63が取得したデータを記憶し、演算装置812は当該データに基づいてレーザ光Lの焦点位置を補正するための補正係数を算出する。なお、データの記憶および補正係数の算出等は、主制御装置81と別体に設けられた演算装置およびメモリによってなされてもよい。
【0044】
表示装置82は、主制御装置81に接続され、主制御装置81が通知するデータやエラーメッセージ等を表示する。
【0045】
ドライバ83は、主制御装置81からの指令に基づいて、リコータヘッド駆動装置43に所要の駆動電流を供給する。また、主制御装置81は、ドライバ83を介してリコータヘッド駆動装置43から入力される動作信号に基づいてフィードバック制御を行う。
【0046】
ドライバ84は、主制御装置81からの指令に基づいて、造形テーブル駆動装置3に所要の駆動電流を供給する。これにより、造形テーブル駆動装置3のモータが回転し、造形テーブル2が上方向または下方向に移動する。また、主制御装置81は、ドライバ84を介して造形テーブル駆動装置3から入力される動作信号に基づいてフィードバック制御を行う。なお、制御装置8は、測定装置6によるレーザ光Lの測定を行う際に、造形テーブル2を鉛直下方に移動させる。
【0047】
ドライバ851、ドライバ852、ドライバ853、ドライバ854は、主制御装置81からの指令に基づいて、それぞれ第1の搬送装置71と、第2の搬送装置74と、第1のシャッタ駆動装置73と、第2のシャッタ駆動装置76に所要の駆動電流を供給する。また、主制御装置81は、ドライバ851、852を介して第1の搬送装置71および第2の搬送装置74から入力される動作信号に基づいてそれぞれフィードバック制御を行う。第1のシャッタ駆動装置73および第2のシャッタ駆動装置76は、駆動源が電気であるときはフィードバック制御されることが望ましく、駆動源が流体圧であるときはオープン制御されることが望ましい。すなわち、主制御装置81は、ドライバ853、ドライバ854を介して第1のシャッタ駆動装置73および第2のシャッタ駆動装置76から入力される動作信号に基づいてそれぞれフィードバック制御を行ってもよいし、オープン制御を行ってもよい。また、第1のシャッタ72および第2のシャッタ75の開閉をそれぞれ検出するためのリミットスイッチが設けられていてもよい。主制御装置81からの指令に基づき、ビーム径/焦点位置測定装置61および光強度測定装置62によるレーザ光Lの測定を行う際に、第1のシャッタ72および第2のシャッタ75が開かれ、第1の搬送装置71および第2の搬送装置74が造形室10の外部から造形室10の内部に移動される。また、ビーム径/焦点位置測定装置61および光強度測定装置62によるレーザ光Lの測定後、第1の搬送装置71および第2の搬送装置74が造形室10の内部から造形室10の外部に移動され、第1のシャッタ72および第2のシャッタ75が閉じられる。
【0048】
照射制御装置86は、主制御装置81から造形プログラムを受信し、この造形プログラムに基づいてドライバ861、ドライバ862およびドライバ863に指令を送出する。さらに、照射制御装置86は、光源51に指令を送出し、レーザ光Lの強度やオン/オフの切り替えを制御する。
【0049】
ドライバ861は、照射制御装置86からの指令に基づいて照射装置5の走査装置54に所要の駆動電流を供給する。走査装置54では、ドライバ861からの駆動電流に応じて第1のミラーアクチュエータ542が動作し、第1のガルバノミラー541が回転する。
【0050】
ドライバ862は、照射制御装置86からの指令に基づいて照射装置5の走査装置54に所要の駆動電流を供給する。走査装置54では、ドライバ862からの駆動電流に応じて第2のミラーアクチュエータ544が動作し、第2のガルバノミラー543が回転する。
【0051】
ドライバ863は、照射制御装置86からの指令に基づいて照射装置5のフォーカス制御ユニット53に所要の駆動電流を供給する。フォーカス制御ユニット53では、ドライバ863からの駆動電流に応じてレンズアクチュエータ532が動作し、可動レンズ531が移動する。なお、固化層Sの形成中において、造形面、すなわち材料層Mの上面におけるレーザ光Lのビーム径を一定にするため、照射位置に応じて焦点位置が補正される。具体的に、照射制御装置86は、第1のミラーアクチュエータ542および第2のミラーアクチュエータ544からの位置信号を受け、造形面におけるビーム径が一定になるよう、ドライバ863に可動レンズ531の位置を補正するよう指令を出力する。
【0052】
ここで、主制御装置81による補正係数と補正値の算出方法について説明する。
図8は、主制御装置81の機能的な構成を示すブロック図である。主制御装置81は、取得部814と、補正係数算出部815と、補正値算出部816の各機能部を有する。これら各機能部は、記憶装置811に記憶されているプログラムに基づいて演算装置812が動作することで実現され、その動作に際してメモリ813が用いられる。なお、主制御装置81は、取得部814、補正係数算出部815、補正値算出部816以外に、他の機能部を実現するがここでの説明は省略する。
【0053】
取得部814は、複数の光強度で照射されたレーザ光Lの光強度の設定値または実測値と、複数の光強度で照射されるレーザ光Lが照射されたときのチャンバウインドウ12の温度と、複数の光強度で照射されるレーザ光Lが照射されたときのレーザ光Lの所定高さにおけるビーム径または焦点位置と、を取得する。第1の一次関数および第2の一次関数の算出においてレーザ光Lの光強度の実測値が使用される場合、取得部814は、光強度測定装置62からレーザ光Lの光強度の実測値を取得する。また、第1の一次関数および第2の一次関数の算出においてレーザ光Lの光強度の設定値が使用される場合、取得部814は、レーザ光Lの光強度の設定値を取得する。レーザ光Lの光強度の設定値を取得するにあたり、取得部814は、例えば、プロジェクトファイルのレーザ光L測定時のレーザ光L照射に係るマクロプログラム上の設定値を参照してもよいし、照射制御装置86から光源51への指令信号を参照してもよい。また、取得部814は、温度測定装置63からチャンバウインドウ12の温度を取得し、ビーム径/焦点位置測定装置61からレーザ光Lの所定高さにおけるビーム径または焦点位置を取得する。
【0054】
補正係数算出部815は、レーザ光Lの光強度の設定値または実測値とチャンバウインドウ12の温度との相関を示す第1の一次関数と、レーザ光Lの光強度の設定値または実測値とレーザ光Lのビーム径または焦点位置との相関を示す第2の一次関数と、を求める。第1の一次関数および第2の一次関数は、例えば、最小二乗法による線形近似によって求められる。
【0055】
例えば、レーザ光Lの光強度Iとチャンバウインドウ12の温度Tの関係を示すグラフは、
図9に示すようになる。レーザ光Lの光強度Iとチャンバウインドウ12の温度Tから、第1の一次関数として数1が求められる。なお、
図9は、それぞれ状態が異なる同仕様の2つのチャンバウインドウ12を使用した際の、それぞれの第1の一次関数を示している。
図9に示した2つの第1の一次関数のうち、傾きの大きいものは、傾きの小さいものよりも、チャンバウインドウ12の状態が悪化しておりフォーカスシフトが大きい場合である。
【0057】
そして、この数1を変形すると数2となる。
【0059】
一方、レーザ光Lの光強度Iとレーザ光Lのビーム径Dの関係を示すグラフは、
図10に示すようになる。レーザ光Lの光強度Iとレーザ光Lのビーム径Dから、第2の一次関数として数3が求められる。なお、
図10は、それぞれ状態が異なる同仕様の2つのチャンバウインドウ12を使用した際の、それぞれの第2の一次関数を示している。
図10に示した2つの第2の一次関数のうち、傾きの大きいものは、傾きの小さいものよりも、チャンバウインドウ12の状態が悪化しておりフォーカスシフトが大きい場合である。
【0061】
そして、この数3を変形すると数4となる。
【0063】
なお、レーザ光Lのビーム径Dに代えてレーザ光Lの焦点位置Pを用いる場合には、レーザ光Lの光強度Iとレーザ光Lの焦点位置Pの関係から、第2の一次関数として数5が求められる。
【0065】
そして、この数5を変形すると数6となる。
【0067】
ここで、補正係数算出部815は、第1の一次関数と第2の一次関数とから、チャンバウインドウ12の温度あたりのビーム径の変化量、またはチャンバウインドウ12の温度あたりの焦点位置の変化量を補正係数として算出する。
【0068】
数2と数4から、チャンバウインドウ12の温度Tとビーム径Dとの相関を示す第3の一次関数である数7が求められる。
【0070】
そして、この数7を変形すると数8となり、この数8の傾き(c/a)が照射装置5の可動レンズ531を移動させる際の補正係数となる。
【0072】
図11は、チャンバウインドウ12の温度Tとレーザ光Lのビーム径Dの関係を示すグラフを示す。
図11から明らかなように、第3の一次関数は、チャンバウインドウ12の状態に寄らず、同仕様のチャンバウインドウ12であれば、略一致する。すなわち、補正係数(c/a)は、同じ仕様のチャンバウインドウ12を使用する場合に、劣化・汚染等の状態に関係なく、略一致する。
【0073】
なお、aおよびcの値は、第1の一次関数および第2の一次関数からそれぞれ算出できるので、補正係数(c/a)は、第1の一次関数および第2の一次関数から直接算出できる。
【0074】
なお、レーザ光Lのビーム径Dに代えてレーザ光Lの焦点位置Pを用いる場合には、チャンバウインドウ12の温度あたりの焦点位置の変化量を補正係数として算出する。
【0075】
数2と数6から、チャンバウインドウ12の温度Tと焦点位置Pとの相関を示す第3の一次関数である数9が求められる。
【0077】
そして、この数9を変形すると数10となり、この数10の傾き(e/a)が照射装置5の可動レンズ531を移動させる際の補正係数となる。
【0078】
レーザ光Lのビーム径Dに代えてレーザ光Lの焦点位置Pを用いる場合においても、第3の一次関数は、チャンバウインドウ12の状態に寄らず、同仕様のチャンバウインドウ12であれば、略一致する。すなわち、補正係数(e/a)は、同じ仕様のチャンバウインドウ12を使用する場合に、劣化・汚染等の状態に関係なく、略一致する。
【0080】
ところで、固化層Sの形成時における焦点位置および造形面(材料層Mの上面)におけるビーム径は、チャンバウインドウ12が所定の基準温度であるときを想定して設定されている。基準温度は任意の値でよいが、例えば、常温である。
【0081】
補正値算出部816は、固化層Sの形成時、チャンバウインドウ12の温度を取得し、当該温度と基準温度との差の値に補正係数を掛けてレーザ光Lの造形面(材料層Mの上面)におけるビーム径または焦点位置の基準温度からの変位量を算出して、可動レンズ531の補正値を求める。具体的に、温度測定装置63によって測定されたチャンバウインドウ12の温度と基準温度との差をTΔとすると、任意の高さにおけるビーム径の設定値からの変位量は、{(c/a)TΔ}、焦点位置の設定値からの変位量は、{(e/a)TΔ}となる。可動レンズ531の動作量と任意の高さにおけるビーム径とは比例関係にあり、可動レンズ531の動作量と焦点位置とは比例関係にあるので、各変位量から、設定値通りの焦点位置を得るための可動レンズ531の補正値が求められる。フォーカス制御ユニット53は、補正値分可動レンズ531を移動させてレーザ光Lの焦点位置を補正する。
【0082】
なお、チャンバウインドウ12の状態が良好であり、フォーカスシフト量が十分に小さいとき、すなわち数3および数5における係数cまたは係数eの値が所定の閾値以下であるとき、チャンバウインドウ12の温度による可動レンズ531の補正を行わないように構成されてもよい。但し、このように構成される場合は、造形中に適宜チャンバウインドウ12の状態の再判定がなされることが望ましい。例えば、所定のタイミングで再度レーザ光Lおよびチャンバウインドウ12の温度を測定して、係数cまたは係数eを算出し、係数cまたは係数eの値が所定の閾値以下であるかを判定してもよい。また、例えば、固化層Sの形成時のチャンバウインドウ12の温度から、チャンバウインドウ12の状態が良好であるかどうかを判定してもよい。
【0083】
4.動作説明
続いて、
図12を参照して積層造形装置1の動作について説明する。
【0084】
積層造形装置1は、まず、レーザ光Lの照射位置および焦点位置の調整を行い、造形テーブル2を下降させ、ビーム径/焦点位置測定装置61および光強度測定装置62を造形室10内に搬入させてから、ビーム径/焦点位置測定装置61と光強度測定装置62によるレーザ光Lの測定を行う(A101)。このとき、温度測定装置63によるチャンバウインドウ12の温度測定も併せて行う(A102)。レーザ光Lは光強度を変えて複数回照射され、それぞれのレーザ光Lおよびレーザ光L照射中のチャンバウインドウ12の温度が測定される。光強度の値は任意に設定される。ビーム径/焦点位置測定装置61と光強度測定装置62と温度測定装置63による測定を終えると、制御装置8がチャンバウインドウ12の温度あたりのビーム径の変化量、またはチャンバウインドウ12の温度あたりの焦点位置の変化量を補正係数として算出する(A103)。前述の通り、このとき、制御装置8は、チャンバウインドウ12の状態が良好であるかを判定し、チャンバウインドウ12の温度による可動レンズ531の補正を行うかを決定してもよい。なお、測定後は、積層造形装置1は、ビーム径/焦点位置測定装置61および測定装置光強度測定装置62を造形室10外に搬出させ、レーザ光Lの照射位置と焦点位置を測定前の状態に戻し、下降させた造形テーブル2を元の位置に戻す。
【0085】
続いて、積層造形装置1は、材料層形成装置4を動作させて、造形領域R上に、材料層Mを形成する(A104)。そして、積層造形装置1は、照射装置5を動作させて材料層Mの所定位置にレーザ光Lを照射し、造形領域R上に固化層Sを形成する(A105)。固化層Sの形成と並行して、温度測定装置63がチャンバウインドウ12の温度を測定し(A106)、可動レンズ531の移動量の補正値を算出し(A107)、この補正値に基づいて可動レンズ531の移動量を補正する(A108)。
【0086】
固化層Sの形成と並行して行われるチャンバウインドウ12の温度の測定、補正値の算出、可動レンズ531の移動量の補正は、固化層Sの形成時において常時行われる。また、材料層Mの形成と固化層Sの形成、固化層Sの形成と並行して行われるチャンバウインドウ12の温度の測定、補正値の算出、可動レンズ531の移動量の補正についても同様に、三次元造形物の造形が終了するまで常時行われる。
【0087】
なお、本実施形態においては、レーザ光Lの測定と、チャンバウインドウ12の温度測定と、補正係数の算出は、造形開始時、より具体的には、所定のプロジェクトファイルの実行を開始してから最初の固化層Sの形成を開始するまでの間に行われる。但し、前述のとおり、チャンバウインドウ12は汚染等の状態にかかわらず同仕様であれば補正係数は同一となるので、所定の造形を開始する前に当該造形に使用されるチャンバウインドウ12と同一または同仕様のチャンバウインドウ12を使用して、補正係数を算出しておいてもよい。
【0088】
また、新品等、状態が非常に良好なチャンバウインドウ12が使用される場合、造形開始直後のフォーカスシフト量は非常に少なくなる。そのため、造形開始時の測定において、チャンバウインドウ12の温度の変化量やレーザ光のビーム径または焦点位置の変化量が微小となるので、測定値の検出誤差が相対的に大きくなり、補正係数の算出誤差も大きくなる可能性がある。そのため、状態が非常に良好なチャンバウインドウ12が使用される場合は、造形途中の任意のタイミングで再測定および補正係数の算出を行うことが望ましい。再測定を行うか否かは、オペレータが任意で決定してもよい。また、造形開始直後の測定において、フォーカスシフト量が非常に少ない場合、すなわち、数3および数5における係数cまたは係数eの値が所定の閾値以下であるとき、任意のタイミングで再測定を行うように構成されてもよい。