【解決手段】シールド1は、本体部2の左右両側に取付腕部3を設け、さらに根元側係合部21及び先端側係合部22を設けた。このシールド1は、本体部2及び取付腕部3により、又は取付腕部3のみにより、マスク100の紐状部材102を挟み、又は巻回した状態で根元側係合部21及び先端側係合部22を係合させ、該マスク100に取り付けられる。これによりシールド1は、マスク100に対して確実に取り付けることができ、また使用者に装着された状態で該マスク100に対する位置や角度等を容易に調整させることで、良好な状態で使用させることができる。
前記係合部は、前記根元側係合箇所に設けられた根元側係合部と、前記先端側係合箇所に設けられた先端側係合部とを具え、当該根元側係合部及び当該先端側係合部を解除可能に係合させる
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0012】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.シールドの構成]
図1に示すように、第1の実施の形態によるシールド1は、全体として薄板状に構成されており、大きく分けて本体部2並びに取付腕部3(3L及び3R)を有している。説明の都合上、以下では、
図1における上方向、下方向、左方向及び右方向をそのままシールド1の上方向、下方向、左方向及び右方向とする。また以下では、
図1の紙面手前側を後方向とし、紙面奥側を前方向とする。
【0013】
本体部2は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂のように、可視光の透過率が十分に高い、いわゆる透明な樹脂材料により構成されており、その厚さが約0.2[mm]となっている。また本体部2は、ある程度の剛性を有すると共に可撓性を有しており、自然状態ではその形状を維持し得る一方、柔軟性が比較的高く、外力が作用すると容易に撓むことができる。
【0014】
本体部2の上側約60%の部分は、左右方向に長い楕円における上端から中央付近までの範囲に類似した形状となっている。また本体部2の下側約40%の部分は、上底よりも下底の方が短い台形(すなわち逆台形)に類似した形状となっている。すなわち本体部2は、その下端である下辺11が左右方向に沿った直線状に形成されており、下側の左側部分である下左辺12Lが左上側と右下側とを結ぶように傾斜し、下側の右側部分である下右辺12Rが右上側と左下側とを結ぶように傾斜している。
【0015】
例えばシールド1は、長さL1が235[mm]、長さL2が180[mm]、長さL3が150[mm]、長さL4が30[mm]となっている。またシールド1は、長さL11が115[mm]、長さL12が90[mm]、長さL3が25[mm]となっている。
【0016】
左側の取付腕部3Lは、全体として長方形状に構成されており、下左辺12Lにおける下辺11から上方向へ長さL13だけ離れた接続箇所13Lから、左下方向へ向かうように延設されている。この取付腕部3Lは、本体部2と連続する一様な平板状であり、該本体部2と一体に形成されている。すなわち取付腕部3Lは、本体部2と同様、可撓性を有している。また取付腕部3Lは、その長辺が右上側と左下側とを結ぶ傾斜方向に沿っており、本体部2の下辺11に対して約60度の角度をなすように傾斜している。
【0017】
また右側の取付腕部3Rは、左側の取付腕部3Lとほぼ左右対称に構成されており、下右辺12Rにおける下辺11から上方向へ長さL13だけ離れた接続箇所13Rから、右下方向へ向かうように延設されている。
【0018】
さらにシールド1には、左側及び右側それぞれに、根元側係合箇所7及び先端側係合箇所8が設定されており、それぞれに根元側係合部21及び先端側係合部22が設けられている。以下では、左側を例に説明する。
【0019】
左側の根元側係合箇所7は、本体部2における取付腕部3Lと接続された接続箇所13Lの近傍、すなわち該取付腕部3Lにおける根元の近傍に設定されている。また先端側係合箇所8は、取付腕部3Lにおける、長手方向の中央よりもやや先端側となる位置に、すなわち根元側係合箇所7よりも本体部2から離れた箇所に設定されている。
【0020】
根元側係合部21及び先端側係合部22(以下、両者をまとめて係合部20と呼ぶ)は、スナップボタンやホック等と呼ばれる一組の部材であり、例えばそれぞれが樹脂材料によって構成され、それぞれ所定の係合面を有している。この根元側係合部21及び先端側係合部22は、互いの係合面を対向させた状態で、互いに近接する方向に向けて所定の大きさでなる外力が加えられると、互いに嵌まり合って係合した状態となる。また根元側係合部21及び先端側係合部22は、この係合した状態において、比較的小さい外力が加えられた場合には係合した状態を維持するものの、互いに離れる方向に比較的大きい外力が加えられると、係合を解除した状態、すなわち外れた状態となる。
【0021】
以下では、取付腕部3L及び本体部2のうち根元側係合部21及び先端側係合部22の間に位置する領域を本体接続領域31と呼び、また取付腕部3Lのうち先端側係合部22よりも先端側(左下側)の領域を先端領域32と呼ぶ。また、根元側係合部21及び先端側係合部22は、長さL31だけ離隔している。
【0022】
因みに根元側係合部21は、例えば本体部2の前側に位置する前側部品と該本体部2の後側に位置する後側部品(何れも図示せず)との組み合わせにより構成されている。このうち後側部品には、前方へ短く突出した柱状部品が設けられ、前側部品の後側には、この柱状部品が嵌まる穴が形成されている。
【0023】
例えば根元側係合部21は、本体部2の根元側係合箇所7に前後方向に貫通する比較的小さい丸孔が設けられた上で、後側部品の柱状部品が該根元側係合箇所7の後側からこの丸孔に挿通され、その前側において前側部品の穴に柱状部品が嵌められることにより、該本体部2に取り付けられる。また先端側係合部22は、根元側係合部21と類似した部品により構成されており、取付腕部3Lの先端側係合箇所8に対し、該根元側係合部21と同様の手法により取り付けられる。
【0024】
[1−2.マスクへの取付及び取外]
次に、シールド1をマスク100に取り付ける場合について、
図2を参照しながら説明する。ちなみに
図2は、説明の都合上、
図1とは左右が反転しており、シールド1及びマスク100の前側が紙面手前側を向いており、後側(すなわち使用者の顔面と対向する側)が紙面奥側となっている。
【0025】
マスク100は、例えばサージカルマスクであり、マスク本体部101と左右の紐状部材102(102L及び102R)とにより構成されている。マスク本体部101は、例えば不織布が所定枚数重ねられると共にひだ状に折り畳まれた構成となっており、未装着の状態において1枚の平板状となっている。このマスク本体部101は、使用者の顔面に当てるように装着された場合、当該使用者の顔面における鼻の下寄り及び口元の部分を中心とした範囲(以下これを顔面下部と呼ぶ)を覆うことができる。
【0026】
紐状部材102は、例えばゴム紐であり、全体が細長い紐状に構成され、長手方向に伸縮することができる。左側の紐状部材102Lは、その両端がマスク本体部101の左上端近傍と右上端近傍とにそれぞれ取り付けられている。紐状部材102Lにおける外周の長さは、シールド1における根元側係合部21及び先端側係合部22の間隔である長さL31よりも十分に短くなっている。また右側の紐状部材102Rは、左側の紐状部材102Lと略左右対称に構成されている。
【0027】
紐状部材102は、使用者の頭部に装着される際に、マスク本体部101を当該使用者の顔面下部に当てた状態で、後方へ引き延ばされて当該使用者の耳に引っ掛けることにより、当該マスク本体部101により当該使用者の顔面下部を覆った状態、すなわちマスク100を装着した状態に維持することができる。
【0028】
一方、シールド1は、マスク100が使用者の顔面下部に装着される前に、当該マスク100に取り付けられる。具体的にシールド1は、まずマスク100に対して左右方向に関する互いの中心位置を概ね揃えると共に、上下方向に関して接続箇所13L及び13R(以下、両者をまとめて接続箇所13と呼ぶ)をマスク本体部101の上辺と概ね揃えた位置に合わせて配置される。これによりシールド1は、本体部2の下辺11を、マスク本体部101の上辺から概ね長さL13(
図1)だけ下寄りに位置させ、該マスク本体部101の前側に重ねた状態となる。
【0029】
次にシールド1は、左右両側において、本体部2及び取付腕部3により、紐状部材102を挟み込んだ状態とする。具体的にシールド1は、例えば左側において、まず接続箇所13Lの前側付近において、紐状部材102を概ね下左辺12Lにおける上寄りの部分に沿うように重ねた状態とする。次にシールド1は、取付腕部3Lを接続箇所13Lの近傍において前斜め右上方向へ折り返し、先端側係合部22を根元側係合部21に重ねた上で押し付け、両者を係合させる。またシールド1は、右側においても、これと同様に取付腕部3Rを接続箇所13Rの近傍において折り返し、先端側係合部22を根元側係合部21に係合させる。
【0030】
これによりシールド1は、左右両側において、本体部2及び取付腕部3により、マスク100の紐状部材102の上側部分を前後から挟んだ状態、又は取付腕部3の本体接続領域31を紐状部材102の周囲に巻回させた状態を維持し、該マスク100に取り付けられた状態となる。
【0031】
その後、シールド1が取り付けられたマスク100は、
図3に示すように、マスク本体部101により使用者の顔面下部を覆うと共に、紐状部材102が耳の後側に引っ掛けられるようにして、使用者に装着される。これに伴いシールド1は、当該使用者の目及びその周囲を覆う位置に保持される。因みにマスク100のマスク本体部101は、このとき使用者の鼻や口の形状に応じて、ひだ状に折り重ねられた部分を適宜広げるようにして、該鼻や該口の形状に応じた3次元曲面状となる。
【0032】
一方、シールド1は、マスク100から取り外される場合、例えば
図2に示したように机等の上に置かれた後、本体部2が押さえられた状態で、取付腕部3の先端領域32を把持させ、前方向へ、すなわち本体部2から引き離される方向へ力が加えられると、根元側係合部21及び先端側係合部22の係合を解除する。以下では、先端領域32を把持領域とも呼ぶ。シールド1は、このようにして左右両側において根元側係合部21及び先端側係合部22の係合が解除されると、マスク100から完全に取り外された状態となる。
【0033】
[1−3.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態によるシールド1は、本体部2の左右両側に取付腕部3をそれぞれ設けると共に、本体部2における接続箇所13の近傍に位置する根元側係合箇所7に根元側係合部21を設け、取付腕部3の先端側係合箇所8に先端側係合部22を設けた。
【0034】
シールド1は、左右両側において、本体部2及び取付腕部3により、マスク100の紐状部材102を挟み、又は巻回した状態で根元側係合部21及び先端側係合部22を係合させることにより、該マスク100に取り付けられる。
【0035】
このためシールド1は、本体部2等をマスク100のマスク本体部101に対して直接固定すること無く、当該マスク100に取り付けることができる。これによりシールド1は、例えば特許文献1のように面ファスナー等を用いてシールドをマスク本体部に取り付ける場合に生じ得る、当該マスク本体部の素材や構造によっては適切に取り付けることができず、或いは取付後に容易に外れてしまう、といった問題を原理的に回避できる。
【0036】
またシールド1は、マスク100の紐状部材102に対して粘着テープ等により固定するのでは無く、本体部2及び取付腕部3により、又は取付腕部3のみにより、マスク100の紐状部材102を挟み、又は巻回した状態とした。これによりシールド1は、例えばマスク100に取り付けられて使用者の顔面に装着された後に、使用者が当該シールド1と顔面との距離を調整したい場合に、当該シールド1を容易に前後方向へ移動させることができる。
【0037】
一般に、マスク100は様々な大きさのものがあり、また使用者の顔の大きさや頭部の形状も様々であるため、マスク100に対するシールド1の適切な取付位置が、使用者により異なる可能性が高い。この点においてシールド1は、マスク100に取り付けられた後であっても、当該マスク100の紐状部材102に対する取付位置を容易に変更できるため、例えば使用者が当該マスク100を装着した後にシールド1の位置や角度等を調整する、といった作業を容易に行わせることができる。
【0038】
さらにシールド1は、根元側係合部21及び先端側係合部22をいわゆるスナップボタン等としたため、係合及び解除を複数回繰り返すことができ、また繰り返した場合にも係合の力が劣化することが殆ど無い。このためシールド1は、マスク100がいわゆる使い捨て型であり、古いマスク100から取り外された場合、新たなマスク100に取り付けられることにより、繰り返し使用させることができる。このときシールド1は、例えば取り外された際にアルコール消毒等の措置が行われることにより、衛生面においても問題を生じることが無い。
【0039】
そのうえシールド1は、取付腕部3に先端領域32を設けた(
図1)。これによりシールド1は、マスク100に取り付けられた状態で、当該先端領域32を使用者の指先等により把持させて本体部2から引き離す方向へ引っ張らせることにより、先端側係合部22を根元側係合部21から容易に引き離して係合を直ちに解除させることができる。このため使用者は、例えばシールド1を取り付けたマスク100を頭部に装着している状態において、シールド1のみを取り外す必要があったとしても、手探りで取付腕部3の先端領域32を把持することができれば、先端側係合部22及び根元側係合部21の係合を容易に解除でき、当該シールド1のみを容易に取り外すことができる。
【0040】
以上の構成によれば、第1の実施の形態によるシールド1は、本体部2の左右両側に取付腕部3を設け、さらに根元側係合部21及び先端側係合部22を設けた。このシールド1は、本体部2及び取付腕部3により、又は取付腕部3のみにより、マスク100の紐状部材102を挟み、又は巻回した状態で根元側係合部21及び先端側係合部22を係合させ、該マスク100に取り付けられる。これによりシールド1は、マスク100に対して確実に取り付けることができ、また使用者に装着された状態で該マスク100に対する位置や角度等を容易に調整させることで、良好な状態で使用させることができる。
【0041】
[2.第2の実施の形態]
図1と対応する
図4に示すように、第2の実施の形態によるシールド201は、本体部2及び取付腕部3(3L及び3R)とそれぞれ対応する本体部202及び取付腕部203(203L及び203R)により構成されている。
【0042】
本体部202は、上下方向に関して大きく4つの領域に分かれており、上側から下が側へ向かって順に領域202A、202B、202C及び202Dとなっている。この本体部202では、上下方向に関し、領域202Aが約2/5の範囲を占め、領域202B、202C及び202Dが、それぞれ約1/5の範囲を占めている。
【0043】
領域202Aは、取付腕部203が接続されている接続箇所13(13L及び13R)よりも上側の部分であり、第1の実施の形態における本体部2の上側部分とほぼ同等の形状となっている。領域202Bは、接続箇所13よりも下側の部分であり、第1の実施の形態における本体部2の下側部分とは異なり、概ね長方形状となっている。領域202Cは、概ね台形状となっており、上底よりも下底の方が長くなっている。領域202Dは、左右方向に長い楕円の下側部分に類似した形状となっている。
【0044】
取付腕部203は、第1の実施の形態における取付腕部3と概ね類似した形状となっているものの、先端部分(すなわち本体部202との接続箇所13から最も離れた部分)が半円状となっている。さらにシールド201は、第1の実施の形態と同様、根元側係合箇所7に根元側係合部21が取り付けられると共に、先端側係合箇所8に先端側係合部22が取り付けられる。
【0045】
かかる構成により、シールド201は、マスク100(
図2)に取り付けられる際、第1の実施の形態と同様に、左右両側において、本体部202及び取付腕部203により、マスク100の紐状部材102を挟み、又は巻回した状態で根元側係合部21及び先端側係合部22を係合させることにより、該マスク100に取り付けられる。このためシールド201は、第1の実施の形態と同様、本体部202等をマスク100のマスク本体部101に対して直接固定すること無く、当該マスク100に取り付けることができる。
【0046】
このシールド201は、このようにマスク100に取り付けられた状態で、当該マスク100が使用者に装着されることにより、当該使用者の顔面のうち上側及び下側、さらには喉元までを含む広い範囲を覆うことができる。これによりシールド201は、使用者の目やその周囲に加えて、当該使用者の鼻や口の周囲、さらには喉やその周囲までの広い範囲に渡って、飛沫等が当該使用者に直接付着することを良好に阻止できる。
【0047】
例えば、シールド201が取り付けられたマスク100を使用者が装着した状態において、比較的大きい液状物が飛散してきた場合、樹脂材料でなるシールド201により当該液状物がマスク本体部101に付着することを阻止できる。これにより、例えば液状物がマスク本体部101に付着し、当該マスク本体部101の繊維に浸透して使用者の皮膚に到達する、といった危険性を未然に回避できる。
【0048】
その他の点においても、シールド201は、第1の実施の形態によるシールド1と同様の作用効果を奏し得る。
【0049】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、根元側係合箇所7を本体部2における接続箇所13の近傍に設定する場合について述べた(
図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば根元側係合箇所7を取付腕部3における接続箇所13の近傍に設定しても良く、或いは本体部2及び取付腕部3にまたがるように、すなわち接続箇所13に一部が重なるような位置に、根元側係合箇所7を設定しても良い。この場合、シールド1は、マスク100に取り付けられる際に、取付腕部3のみにより紐状部材102を挟み、又は巻回した状態で根元側係合部21及び先端側係合部22を係合させることにより、該マスク100に取り付けられる。第2の実施の形態についても同様である。
【0050】
また上述した第1の実施の形態においては、係合部20(すなわち根元側係合部21及び先端側係合部22)をスナップボタン等と呼ばれる部材とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば面ファスナーや周知の係合部材等、着脱が可能であると共に係合した状態においてある程度の大きさの外力に耐え得るような種々の部材としても良い。また、例えば根元側係合部21及び先端側係合部22に代えて、再剥離可能な粘着性部材を根元側係合箇所7又は先端側係合箇所8の何れかに設けても良い。若しくは、例えば先端側係合箇所8に取付腕部3の幅に相当する長さの直線状でなる切れ込みを設け、この切れ込みに取付腕部3の先端部分を差し込むことにより、根元側係合箇所7を先端側係合箇所8に近接させた状態としても良い。この場合、例えば取付腕部3の先端近傍を折り曲げ、或いは所定形状の突起や切り欠き等を適宜設けることにより、いわゆる抜け止めとして機能させても良い。要は、取付腕部3の本体接続領域31を折り返した状態で先端側係合箇所8を根元側係合箇所7に対して係合させることができれば良い。さらには、この係合を容易な操作により解除できればなお良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0051】
さらに上述した第1の実施の形態においては、取付腕部3における先端側係合部22の先端側に先端領域32を設け、シールド1をマスク100から取り外す際に該先端領域32を使用者に把持させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば先端側係合部22に把持し得る突起等が形成されている場合や、先端側係合部22を取付腕部3に取り付ける際に他の部品でなる取っ手やつまみ等を該取付腕部3に取り付ける場合等に、先端領域32を省略し、取付腕部3の先端近傍に先端側係合部22を取り付けても良い。要は、取付腕部3の先端近傍に、使用者が指先等で把持し得る部分を設けることができれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0052】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本体部2及び取付腕部3を1つの部品として構成する場合について述べた(
図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば本体部2及び取付腕部3を互いに別部品として構成し、本体部2に取付腕部3を取り付けても良い。この場合、例えば根元側係合部21を本体部2に取り付ける際に、該根元側係合部21を利用して取付腕部3を本体部2に取り付けても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0053】
さらに上述した第1の実施の形態においては、取付腕部3を長方形状に形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば半楕円状や三角形状等、種々の形状としても良い。また、例えば第2の実施の形態における取付腕部203のように、先端近傍を半円状としても良い。第2の実施の形態における取付腕部203についても、種々の形状としても良い。
【0054】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本体部2(
図1)の下辺11を一直線状とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば中央付近を一部切り欠いた形状とし、使用者の顔面を覆う際に鼻と干渉しにくいようにしても良い。
【0055】
さらに上述した第2の実施の形態においては、本体部202を1個の部品として構成する場合について述べた(
図4)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば領域202A及び202Bに相当する上側部分と、領域202C及び202Dに相当する下側部分とを互いに独立した部品とする等、本体部202に相当する部分を複数の部品の組み合わせにより構成し、これらの部品を周知の連結手法により適宜連結させても良い。
【0056】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本体部2をPET樹脂により構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト等のような、常温においてある程度の強度を有する固体であり、可視光の透過率が十分に高い、すなわち透明な、種々の材料を用いて本体部2を構成することができる。また本体部2の厚さについては、0.2[mm]に限らず、0.1[mm]や0.3[mm]等、他の種々の厚さでも良い。要は、シールド1がマスク100に取り付けられた状態で使用者の顔面に装着された際に、十分な剛性により垂れ下がること無く当該使用者の目やその周囲を覆った状態を維持でき、且つ顔面の形状等に応じて柔軟に湾曲し得るような厚さであれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0057】
さらに上述した第1の実施の形態においては、シールド1を透明な樹脂材料により構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば光の透過率を低減させ得る材料により構成することにより、サングラス等のように、比較的強い光から目を保護するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0058】
さらに上述した第1の実施の形態においては、マスク本体部101にひだ状に折り重ねられた部分を有し、非装着状態で概ね平坦となり装着されると3次元曲面状に変形するマスク100にシールド1を取り付ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば予め半球状に形成され、外側部分に硬質の樹脂材料が用いられたマスク等、種々の形状や材料でなるマスクにシールド1を取り付けても良い。この場合、マスク100における本体部101の形状や紐状部材102の太さ等に応じて、本体部2における各部の長さや形状、或いは根元側係合部21及び先端側係合部22の間隔である長さL31等を、適宜調整すれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0059】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0060】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本体部としての本体部2と、取付腕部としての取付腕部3と、係合部としての係合部20とによってシールドとしてのシールド1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる本体部と、取付腕部と、係合部とによってシールドを構成しても良い。