【解決手段】電子機器50を起立姿勢で保持可能な第1カバー1と、電子機器50に対して入力信号を出力可能な入力部60が配置される第2カバー2と、を備え、第1カバー1と第2カバー2とは、対向する各辺部同士が回動可能に接続され、第1カバー1は、電子機器50の背面を支持する第1板部11と、第1板部11に連結される第2板部12と、第2板部12に連結される第3板部13と、第3板部13および第1板部11に連結される第4板部14とが、無端環状に繋がって構成され、第1板部11の少なくとも一部、第3板部13および第4板部14が側面視で三角形状に配置されるスタンドモードと、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14が、2層の板状に折り畳まれたカバーモードと、を切り替え可能である。
前記カバーモードのときに、前記第2板部と前記第3板部とが磁力により吸着され、または、前記第3板部および前記第4板部のいずれかと前記第1板部とが磁力により吸着される、
請求項1から7のいずれか1項に記載のスタンド装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態のスタンド装置10について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1から
図6に示すように、本実施形態のスタンド装置10は、タブレットPC等の電子機器50を起立姿勢で保持可能な第1カバー1と、電子機器50に対して入力信号を出力可能な入力部60が配置される第2カバー2と、を備える。第1カバー1と第2カバー2とは、対向する各辺部同士が回動可能に接続される。
【0010】
第1カバー1は、後述する複数の板部11,12,13,14同士が各板部11,12,13,14間に位置する可撓シート(例えばファブリックヒンジ)等の連結部を介して無端環状に連結された構成を有する。第1カバー1の上記以外の構成については、別途後述する。第2カバー2は、四角形板状であり、具体的には長方形板状である。
【0011】
スタンド装置10は、電子機器50を起立姿勢で保持するスタンドモード(
図3および
図6)と、第1カバー1と第2カバー2とが折り畳み可能なカバーモード(
図1および
図4)と、を切り替え可能である。なお
図2および
図5は、カバーモードとスタンドモードとの間の移行状態を表す。
第1カバー1は、カバーモードのときに、平面視で四角形状である。第2カバー2は、平面視で四角形状である。カバーモードにおいて、第1カバー1と第2カバー2とは、平面視で略同じ形状かつ略同じ寸法とされる。
【0012】
電子機器50は、例えば2つ折り可能なフォールディングタイプのタブレットPCである。電子機器50のディスプレイを拡げた状態、または2つ折りに折り畳んだ状態において、電子機器50は、平面視で四角形状である。2つ折りした電子機器50の平面視の形状および寸法は、スタンド装置10を2つ折りした状態(カバーモード)における平面視の形状および寸法と略等しい。このためユーザーは、2つ折りしたスタンド装置10の間に2つ折りした電子機器50を挟んだり、これらを重ねたりして、スタンド装置10および電子機器50をコンパクトにまとめた状態で、持ち運んだり収納したりすることができる。
【0013】
入力部60は、例えばキーボードである。入力部60は、例えばBluetooth(登録商標)等を用いた無線により、ユーザーが入力した入力信号を電子機器50に出力する。入力部60は、第2カバー2の一対の板面のうち、カバーモードのときに第1カバー1と対向可能な一方の板面上に取り付けられる。なお入力部60は、第2カバー2に着脱可能に固定されてもよい。
【0014】
第1カバー1は、電子機器50のディスプレイとは反対側を向く面つまり背面を支持する第1板部11と、第1板部11に連結される第2板部12と、第2板部12に連結される第3板部13と、第3板部13および第1板部11に連結される第4板部14と、を有する。第1カバー1は、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14が無端環状に繋がって構成される。
第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14はそれぞれ、四角形板状であり、具体的には長方形板状である。
【0015】
第1板部11と第2板部12とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第2板部12と第3板部13とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第3板部13と第4板部14とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第4板部14と第1板部11とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。
【0016】
本実施形態では、これらの一辺が延びる方向(各図に示すX軸方向)を、横方向と呼ぶ。横方向は、電子機器50、入力部60およびスタンド装置10を使用するユーザーから見て、左右方向に相当する。また、各板部11,12,13,14において、各板部11,12,13,14の板厚方向および横方向と直交する方向を、縦方向と呼ぶ。
また、対向する第1板部11の一辺と第2カバー2の辺部とは、互いに回動可能に連結される。対向する第4板部14の一辺と第2カバー2の辺部とは、互いに回動可能に連結される。
【0017】
図3および
図6に示すように、スタンドモードでは、第1板部11の少なくとも一部、第3板部13および第4板部14が側面視で(つまりX軸方向から見て)三角形状に配置される。具体的に、スタンドモードでは、第1板部11のうち第2板部12と連結される端部以外の部分と、第3板部13と、第4板部14とが、側面視において三角形の各辺を構成するように配置される。スタンドモードにおいて、側面視で第1板部11と第4板部14との間に形成される角度θは、例えば、30°以上70°以下である。
【0018】
図1および
図4に示すように、カバーモードでは、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14が、2層の板状に折り畳まれる。具体的に、カバーモードでは、第1板部11および第2板部12を含む一の板状の層と、第3板部13および第4板部14を含む他の板状の層とが、互いに重なる(積層される)。カバーモードの状態で、第1板部11および第2板部12を含む一の板状の層は、第2カバー2と対向可能である。
【0019】
本実施形態の例では、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14は、横方向の長さが互いに同じである。また、第1カバー1と第2カバー2とは、横方向の長さが互いに同じであり、カバーモードでは縦方向の長さも互いに同じである。
【0020】
第1板部11は、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14のうち、最も縦方向の長さが大きい板部である。
図6に示すように、スタンドモードにおいて、第1板部11は、電子機器50の背面と接触する。
【0021】
図6および
図7(b)に示すように、第1板部11は、前面11aと、後面11bと、第1切欠き部11cと、第1磁石11dと、を有する。
前面11aは、第1板部11の一対の板面のうち、電子機器50側を向き、電子機器50の背面と接触する一方の板面である。後面11bは、第1板部11の一対の板面のうち、電子機器50とは反対側を向く他方の板面である。
【0022】
第1切欠き部11cは、第1板部11の横方向の端部に配置される。第1切欠き部11cは、第1板部11の横方向を向く端面から窪まされた切り欠き状である。第1切欠き部11cは、第1板部11のうち縦方向において第2板部12と連結される端部に配置される。第1切欠き部11cは、第1板部11の板厚方向および横方向と直交する縦方向に延びる。本実施形態では第1切欠き部11cが、第1板部11の横方向の両端部に一対設けられる。
【0023】
第1磁石11dは、第1板部11の内部に配置される。なお第1磁石11dは、第1板部11の外部に露出されてもよい。本実施形態では第1磁石11dが、第1板部11の横方向の端部に配置される。第1磁石11dは、横方向において、第1切欠き部11cの内側に配置される。本実施形態では第1磁石11dが、第1板部11の横方向の両端部に一対設けられる。
【0024】
第2板部12は、第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14のうち、最も縦方向の長さが小さい板部である。
図6に示すように、スタンドモードにおいて、第2板部12の板面は、第1板部11の後面11bと対向する。
図4に示すように、カバーモードにおいて、第2板部12の板面は、第3板部13の板面と対向する。
【0025】
図7(a)に示すように、第2板部12は、把持部12aと、第2磁石12bと、を有する。
把持部12aは、横方向において、第2板部12の端部に配置される。把持部12aは、第2板部12の板厚方向および横方向と直交する縦方向に延びる。図示の例では把持部12aが、第2板部12の縦方向の全長にわたって延びる。本実施形態では把持部12aが、第2板部12の横方向の両端部に一対設けられる。
【0026】
図3に示すように、第1切欠き部11cは、スタンドモードのときに把持部12aと重なって配置される。これにより、スタンドモードのときに把持部12aは、第1切欠き部11cを通して、第1板部11の板厚方向の電子機器50側に露出される。図示の例では、第1切欠き部11cの横方向の寸法が、把持部12aの横方向の寸法と略同じである。第1切欠き部11cの縦方向の寸法は、把持部12aの縦方向の寸法以上である。
なお本実施形態では、把持部12aの色が、第2板部12の把持部12a以外の部分の色および各板部11,13,14の色とは異なる。
【0027】
第2磁石12bは、第2板部12の内部に配置される。なお第2磁石12bは、第2板部12の外部に露出されてもよい。
図7(a)に示すように、本実施形態では第2磁石12bが、第2板部12の横方向の端部に配置される。第2磁石12bは、横方向において、把持部12aの内側に配置される。本実施形態では第2磁石12bが、第2板部12の横方向の両端部に一対設けられる。
【0028】
スタンドモードにおいて、第1板部11の板厚方向から見て、第1磁石11dと第2磁石12bとは、互いに重なる(
図6参照)。第1磁石11dと第2磁石12bとが磁力で吸着することにより、第1板部11の後面11bと第2板部12の板面とが対向した状態、つまりスタンドモードの姿勢が保持される。すなわちスタンドモードのときに、第1板部11と第2板部12とは、磁力により吸着される。
【0029】
図4に示すように、カバーモードのときに、第3板部13の板面は、第2板部12の板面および第1板部11の後面11bと対向する。
図6に示すように、スタンドモードのときに、第3板部13のうち第2板部12に接続される一辺は、第1板部11の後面11bと対向する。スタンドモードにおいて第3板部13は、第1板部11を後面11b側から直接的に、または第2板部12を介して間接的に支持可能である。
【0030】
図8(a)に示すように、第3板部13は、第2切欠き部13aと、第3磁石13bと、を有する。
第2切欠き部13aは、第3板部13の横方向の端部に配置される。第2切欠き部13aは、第3板部13の横方向を向く端面から窪まされた切り欠き状である。第2切欠き部13aは、第3板部13のうち縦方向において第2板部12と連結される端部に配置される。第2切欠き部13aは、第3板部13の板厚方向および横方向と直交する縦方向に延びる。本実施形態では第2切欠き部13aが、第3板部13の横方向の両端部に一対設けられる。
【0031】
図1に示すように、第2切欠き部13aは、カバーモードのときに把持部12aと重なって配置される。これにより、カバーモードのときに把持部12aは、第2切欠き部13aを通して、第3板部13の板厚方向の電子機器50とは反対側(後面側)に露出される。図示の例では、第2切欠き部13aの横方向の寸法が、把持部12aの横方向の寸法と略同じである。第2切欠き部13aの縦方向の寸法は、把持部12aの縦方向の寸法以上である。
【0032】
図1から
図3に示すように、本実施形態では、第1板部11に第1切欠き部11cが設けられ、第3板部13に第2切欠き部13aが設けられることで、把持部12aが、スタンドモードおよびカバーモードにおいてそれぞれ、第2板部12の板厚方向の両側つまり前面側および後面側に露出される。
【0033】
第3磁石13bは、第3板部13の内部に配置される。なお第3磁石13bは、第3板部13の外部に露出されてもよい。
図8(a)に示すように、本実施形態では第3磁石13bが、第3板部13の横方向の端部に配置される。第3磁石13bは、横方向において、第2切欠き部13aの内側に配置される。本実施形態では第3磁石13bが、第3板部13の横方向の両端部に一対設けられる。
【0034】
カバーモードにおいて、第3板部13の板厚方向から見て、第3磁石13bと第2磁石12bとは、互いに重なる(
図4参照)。第3磁石13bと第2磁石12bとが磁力で吸着することにより、第3板部13の板面と第2板部12の板面とが対向した状態、つまりカバーモードの姿勢が保持される。すなわちカバーモードのときに、第3板部13と第2板部12とは、磁力により吸着される。
【0035】
図4に示すように、カバーモードのときに、第4板部14の板面は、第1板部11の後面11bと対向する。
図6に示すように、スタンドモードのときに、第4板部14の板面は、スタンド装置10が載置されるテーブル等の上面と対向する。
【0036】
図8(b)に示すように、本実施形態では第4板部14が、磁石を有していない。ただしこれに限らず、第4板部14は、図示しない第4磁石を有していてもよい。この場合、
図4に示すカバーモードにおいて、第4板部14の板厚方向から見て、第4磁石と第1磁石11dとは、互いに重なる。第4磁石と第1磁石11dとが磁力で吸着することにより、第4板部14の板面と第1板部11の後面11bとが対向した状態、つまりカバーモードの姿勢が保持される。すなわちカバーモードのときに、第4板部14と第1板部11とは、磁力により吸着される。
【0037】
以上説明した本実施形態のスタンド装置10によれば、第1カバー1の第1板部11、第2板部12、第3板部13および第4板部14が無端環状に連結されるため、第2板部12を表裏反転させることにより、スタンドモードとカバーモードとを簡単に切り替えることができる。簡素な構造により、スタンド装置10の操作性を向上できる。
【0038】
また本実施形態では、第2板部12の横方向の端部に把持部12aが設けられる。
この場合、ユーザーが把持部12aを指で摘んで、第2板部12を反転操作することができる。スタンドモードとカバーモードとを簡単に切り替えられる。
【0039】
また本実施形態では、第1板部11が第1切欠き部11cを有する。
この場合、スタンドモードのときに把持部12aが第1切欠き部11cを通して露出されるので、ユーザーが把持部12aを指で摘んで、スタンドモードからカバーモードへの切り替え操作を簡単に行うことができる。
また第1切欠き部11cを設けたことで、把持部12aの機能を確保しつつ、把持部12aが第1板部11よりも横方向に出っ張ることが抑えられるため、スタンド装置10の外形をコンパクトに構成でき、かつ外観デザインがよい。
【0040】
また本実施形態では、第3板部13が第2切欠き部13aを有する。
この場合、カバーモードのときに把持部12aが第2切欠き部13aを通して露出されるので、ユーザーが把持部12aを指で摘んで、カバーモードからスタンドモードへの切り替え操作を簡単に行うことができる。
また第2切欠き部13aを設けたことで、把持部12aの機能を確保しつつ、把持部12aが第3板部13よりも横方向に出っ張ることが抑えられるため、スタンド装置10の外形をコンパクトに構成でき、かつ外観デザインがよい。
【0041】
また本実施形態では、把持部12aが、スタンドモードおよびカバーモードにおいてそれぞれ、第2板部12の板厚方向の両側に露出される。
この場合、スタンドモードからカバーモードへの切り替え操作、および、カバーモードからスタンドモードへの切り替え操作が、把持部12aを指で摘んでいずれも簡単に行える。
【0042】
また本実施形態では、把持部12aが縦方向に延びる縦長形状であるので、ユーザーが把持部12aの表裏面における縦方向の互いに異なる部分に指を当てて、第2板部12の反転操作をより簡単に行うことができる。
【0043】
また本実施形態では、スタンドモードのときに、第1板部11と第2板部12とが磁力により吸着される。
この場合、スタンドモードの状態が安定して維持される。
【0044】
また本実施形態では、カバーモードのときに、第2板部12と第3板部13とが磁力により吸着される。
この場合、カバーモードの状態が安定して維持される。
【0045】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のスタンド装置20について、
図9から
図12を参照して説明する。なお本実施形態では、前述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0046】
図9に示すように、本実施形態では、第1板部11が第1磁性体11eを有する。第1磁性体11eは、磁石と吸着可能な金属プレート等である。第1磁性体11eは、第1板部11の内部に配置される。なお第1磁性体11eは、第1板部11の外部に露出されてもよい。図示の例では、第1磁性体11eが、第1板部11のうち、縦方向において第4板部14と連結される端部以外の部分に配置される。
【0047】
第2板部12は、第2板部12の板厚方向および横方向と直交する縦方向において、互いに分割された複数の分割板部12A,12B,12Cを有する。複数の分割板部12A,12B,12C同士は、各分割板部12A,12B,12C間に位置する可撓シート等の連結部を介して連結される。各分割板部12A,12B,12Cはそれぞれ、四角形板状であり、具体的には長方形板状である。各分割板部12A,12B,12Cは、縦方向の寸法よりも横方向の寸法が大きい。
【0048】
複数の分割板部12A,12B,12Cは、第1板部11に連結される第1分割板部12Aと、第3板部13に連結される第2分割板部12Cと、第1分割板部12Aおよび第2分割板部12Cに連結される第3分割板部12Bと、を有する。
第1分割板部12Aと第1板部11とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第2分割板部12Cと第3板部13とは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第1分割板部12Aと第3分割板部12Bとは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。第2分割板部12Cと第3分割板部12Bとは、対向する各一辺同士が回動可能に連結される。
【0049】
第2分割板部12Cは、第2磁石12bを有する。つまり第2磁石12bは、第2分割板部12Cに配置される。
第3分割板部12Bは、第2磁性体12dを有する。第2磁性体12dは、磁石と吸着可能な金属プレート等である。第2磁性体12dは、第3分割板部12Bの内部に配置される。なお第2磁性体12dは、第3分割板部12Bの外部に露出されてもよい。図示の例では、第2磁性体12dが、第3分割板部12Bの縦方向の略全長にわたって配置される。
【0050】
第3板部13は、第3磁性体13cを有する。第3磁性体13cは、磁石と吸着可能な金属プレート等である。第3磁性体13cは、第3板部13の内部に配置される。なお第3磁性体13cは、第3板部13の外部に露出されてもよい。図示の例では、第3磁性体13cが、第3板部13のうち、縦方向において第2分割板部12C(第2板部12)と連結される端部に配置される。
【0051】
本実施形態では、カバーモードにおいて、第3板部13の板厚方向から見て、第3磁性体13cと第2磁石12bとが、互いに重なる(
図9参照)。第3磁性体13cと第2磁石12bとが磁力で吸着することにより、第3板部13の板面と、第1分割板部12A、第2分割板部12Cおよび第3分割板部12Bの各板面とが対向した状態、つまりカバーモードの姿勢が保持される。
【0052】
図10から
図12に示すように、本実施形態では、スタンドモードにおいて、分割板部12A,12B,12Cを第3板部13側に折り返して配置する数に応じて、角度θを調整可能である。すなわち、縦方向に分割された第2板部12の一部または全部を表裏反転させることで、角度θが調整される。具体的には、カバーモードの状態から、第2分割板部12C、第3分割板部12Bおよび第1分割板部12Aをこの順に、所定の数だけ表裏反転させて、第3板部13側すなわち第1板部11の板厚方向の後面11b側に配置することにより、スタンドモードの角度θが調整される。また角度θが調整されることで、第1板部11と第2カバー2との間の角度が調整される。
【0053】
図10に示す例では、複数の分割板部12A,12B,12Cのうち、第2分割板部12Cを第3板部13側に配置することにより、角度θが、例えば50°とされる。このスタンドモード(第1スタンドモード)では、第2分割板部12Cの板厚方向から見て、第2磁石12bと第2磁性体12dとが、互いに重なる。第2磁石12bと第2磁性体12dとが磁力で吸着することにより、第2分割板部12Cの板面と、第3分割板部12Bの板面とが対向した状態が保持され、第1スタンドモードの姿勢が保持される。
【0054】
図11に示す例では、複数の分割板部12A,12B,12Cのうち、第2分割板部12Cおよび第3分割板部12Bを第3板部13側に配置することにより、角度θが、例えば60°とされる。このスタンドモード(第2スタンドモード)では、第2分割板部12Cの板厚方向から見て、第2磁石12bと第1磁性体11eとが、互いに重なる。第2磁石12bと第1磁性体11eとが磁力で吸着することにより、第2分割板部12Cの板面と、第1板部11の後面11bとが対向した状態が保持され、第2スタンドモードの姿勢が保持される。
【0055】
図12に示す例では、複数の分割板部12A,12B,12Cのすべてを第3板部13側に配置することにより、角度θが、例えば70°とされる。このスタンドモード(第3スタンドモード)では、第2分割板部12Cの板厚方向から見て、第2磁石12bと第1磁性体11eとが、互いに重なる。第2磁石12bと第1磁性体11eとが磁力で吸着することにより、第2分割板部12Cの板面と、第1板部11の後面11bとが対向した状態が保持され、第3スタンドモードの姿勢が保持される。
このように本実施形態のスタンド装置20は、互いに角度θが異なる複数のスタンドモードを備える。
【0056】
以上説明した本実施形態のスタンド装置20によれば、前述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
また本実施形態では、スタンドモードにおいて第3板部13側(電子機器50とは反対側)に折り返す分割板部12A,12B,12Cの数を適宜選択することにより、第1板部11に保持される電子機器50のディスプレイの傾斜角度を調整でき、ディスプレイを視認しやすい角度で保持できる。
【0057】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態のスタンド装置30について、
図13から
図16を参照して説明する。なお本実施形態では、前述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0058】
図13に示すように、本実施形態では第1磁性体11eが、第1板部11のうち、縦方向において第2板部12と連結される端部に配置される。
【0059】
第4板部14は、第4板部14の板厚方向および横方向と直交する縦方向において、互いにスライド移動可能な複数のスライド板部14A,14Bを有する。各スライド板部14A,14Bはそれぞれ、四角形板状であり、具体的には長方形板状である。各スライド板部14A,14Bは、縦方向の寸法よりも横方向の寸法が大きい。
【0060】
複数のスライド板部14A,14Bは、第3板部13に連結される第1スライド板部14Aと、第1板部11に連結される第2スライド板部14Bと、を有する。第1スライド板部14Aの板面と、第2スライド板部14Bの板面とは、互いに対向する。第1スライド板部14Aと第2スライド板部14Bとは、第4板部14の板厚方向から見て、少なくとも一部同士が互いに重なる。
【0061】
第1スライド板部14Aは、第4磁性体14aを有する。第4磁性体14aは、磁石と吸着可能な金属プレート等である。第4磁性体14aは、第1スライド板部14Aの内部に配置される。なお第4磁性体14aは、第1スライド板部14Aの外部に露出されてもよい。図示の例では、第4磁性体14aが、第1スライド板部14Aの縦方向の略全長にわたって配置される。
【0062】
第2スライド板部14Bは、第4磁石14bを有する。第4磁石14bは、第2スライド板部14Bの内部に配置される。なお第4磁石14bは、第2スライド板部14Bの外部に露出されてもよい。本実施形態では第4磁石14bが、第2スライド板部14Bのうち、縦方向において第1板部11とは反対側(つまり第3板部13側)の端部に配置される。
【0063】
カバーモードにおいて、第4板部14の板厚方向から見て、第4磁性体14aと第4磁石14bとは、互いに重なる(
図13参照)。第4磁性体14aと第4磁石14bとが磁力で吸着することにより、カバーモードの姿勢が保持される。
【0064】
図14から
図16に示すように、スタンドモードにおいて第4板部14は、複数のスライド板部14A,14Bが縦方向に相対的にスライド移動することにより、縦方向に伸縮可能である。すなわち、スタンドモードにおいて、第1スライド板部14Aと第2スライド板部14Bとの縦方向の相対的な位置が調整されることで、第4板部14の縦方向の長さが調整される。スタンドモードにおいて、第4板部14が伸縮することで、角度θが調整可能であり、かつ第1板部11と第2カバー2との間の角度が調整可能である。
【0065】
具体的に、
図14に示すスタンドモードでは、第4板部14の板厚方向から見て、第4磁性体14aのうち縦方向の両端部間に位置する中間部分と、第4磁石14bとが、互いに重なる。このスタンドモードでは、角度θが例えば60°である。
【0066】
図15に示すスタンドモードでは、第4板部14の板厚方向から見て、第4磁性体14aのうち縦方向における第3板部13側(後側)の端部と、第4磁石14bとが、互いに重なる。このスタンドモードでは、角度θが例えば70°である。
【0067】
図16に示すスタンドモードでは、第4板部14の板厚方向から見て、第4磁性体14aのうち縦方向における第1板部11側(前側)の端部と、第4磁石14bとが、互いに重なる。このスタンドモードでは、角度θが例えば50°である。
【0068】
以上説明した本実施形態のスタンド装置30によれば、前述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
また本実施形態では、スタンドモードにおいて第4板部14を伸縮させることにより、第1板部11に保持される電子機器50のディスプレイの傾斜角度を調整でき、ディスプレイを視認しやすい角度で保持できる。
【0069】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態のスタンド装置40について、
図17から
図19を参照して説明する。なお本実施形態では、前述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0070】
図17に示すように、本実施形態では第1カバー1が、ホールセンサ15とホールセンサ用磁石16とを含む検出部を有する。検出部は、スタンドモードであることを検出可能であり、スタンドモードであることを検出した場合にだけ入力部60からの入力が有効にされる。
【0071】
本実施形態では、
図18(a)に示すように、第2板部12がホールセンサ用磁石16を有する。図示の例ではホールセンサ用磁石16が、第2板部12のうち横方向の両端部間に位置する中間部分に配置される。
【0072】
図18(b)に示すように、第1板部11は、ホールセンサ15を有する。図示の例ではホールセンサ15が、第1板部11のうち横方向の両端部間に位置する中間部分に配置される。またホールセンサ15は、第1板部11のうち縦方向の第2板部12側の端部に配置される。
【0073】
カバーモードにおいて、第1板部11の板厚方向から見て、ホールセンサ15とホールセンサ用磁石16とは、互いに重ならない(
図17参照)。
図19に示すように、スタンドモードにおいて、第1板部11の板厚方向から見て、ホールセンサ15とホールセンサ用磁石16とは、互いに重なる。これにより検出部は、スタンド装置40がスタンドモードとされたことを検出する。
【0074】
以上説明した本実施形態のスタンド装置40によれば、前述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
また本実施形態では、検出部がスタンドモードであることを検出した場合にのみ、入力部60を入力可能とすることができる。カバーモード時における意図しない誤入力を防止できる。
【0075】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0076】
前述の実施形態では、電子機器50が2つ折り可能なフォールディングタイプのタブレットPCである例を挙げたが、これに限らない。電子機器50は、フォールディングタイプではない(つまり2つ折り不可の)タブレットPC等であってもよい。
【0077】
前述の実施形態では、入力部60が、電子機器50に対して無線により入力信号を出力可能である例を挙げたが、これに限らない。入力部60は、例えば、入力部60の外面から伸縮可能に突出するいわゆるポゴピン等の端子群を有し、この端子群を電子機器50の端子群と接触させることで、つまり有線により、電子機器50と電気的に接続されてもよい。この場合、例えば、同一エリアに複数のユーザーが集まる教育用途などにおいて、ユーザー同士の間で混線が生じることを抑制できる。
【0078】
前述の実施形態では、入力部60がキーボードである例を挙げたが、これに限らない。入力部60は、例えば、高精度タッチパッド(PTP:Precision Touch Pad)等であってもよい。
【0079】
前述の第1実施形態では、
図4に示すカバーモードのときに、第3板部13と第2板部12とが磁力により吸着される例を挙げたが、これに限らない。カバーモードのときに、第3板部13および第4板部14のいずれかと第1板部11とが磁力により吸着されることとしてもよい。
【0080】
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態および変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。