本発明の一観点に係る自動車売買支援プログラムは、コンピュータに、自動車の窓ガラスの内側に貼られた二次元バーコードが印刷されたステッカーに基づき自動車識別データを取得するステップ、自動車識別データに対応する自動車の基本データ、管理履歴データ及び売却予定データを取得するステップ、自動車に対する買取希望データを出力するステップ、自動車に対する売買経過データを取得及び出力するステップを実行させる。
前記自動車識別データに対応する前記自動車の基本データ、管理履歴データ、及び、売却予定データを取得するステップにおいて、当該ステップが行われた閲覧位置情報データを前記閲覧履歴データに含ませる請求項5記載の自動車売買支援プログラム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載の具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0021】
図1は、本実施形態に係る自動車売買支援システム(以下「本システム」という)Sの概略を示す図である。本図で示す通り、本システムSは、事業者サーバー1と、自動車所有者端末2と、購入希望者端末3と、を備える自動車売買支援システムである。
【0022】
事業者サーバー1は、本システムの中心となる装置であり、いわゆるコンピュータにより構成されるサーバーとすることができる。また、事業者サーバー1は、インターネット等の電気通信回線Iに接続され、他の自動車所有者端末2、購入希望者端末3等と接続されている。事業者サーバー1の操作者は、この自動車売買支援システムに関する事業を行う者(以下単に「事業者」という。)である。
【0023】
本事業者サーバー1の構成は、本明細書にて言及する機能を実現できる限りにおいて様々な構成を採用することができるが、いわゆるコンピュータであることが好ましい。コンピュータとしては、限定されるわけではないが、例えば一般的なコンピュータの構成要素である中央演算装置(CPU)、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体、メモリ等の揮発性の記録媒体、これらを接続するバス、キーボードやマウス等の入力装置、モニタ等の表示装置等を含むことが好ましいがこれに限定されない。
【0024】
また、自動車所有者端末2は、自動車を所有する者が保有する端末である。またこの端末としては、上記事業者サーバーと同様、コンピュータであることが好ましい。コンピュータの場合、いわゆるノートパソコンやデスクトップパソコンであってもよいが、近年普及が進んでいる携帯情報端末、具体的にはいわゆるスマートフォンやタブレット端末であってもよい。一般的な情報携帯端末は、一つのカバーの中に上記CPUや表示装置等の部品を収納して一体化させたものとなっており、しかも表示装置上にタッチセンサを配置し、いわゆるタッチパネルとしておくことで、非常に取り扱いやすいものとなっているため好ましい。また携帯情報端末の場合、当該携帯情報端末において本方法を実行するプログラムをいわゆるアプリとして記録、表示させておき、このアプリを起動することで容易に本システムの一端を実現することができる。
【0025】
また、購入希望者端末3は、自動車所有者端末2の保有する自動車を購入することを希望する者が保有する端末をいい、上記自動車所有者端末2と同様の構成とすることが可能である。ただし、購入希望者端末3は、後述する通り自動車に貼付される二次元バーコードを読み込むためのカメラを備えていることが好ましい。
【0026】
(自動車所有者による事前登録)
本システムは、上記の通り、自動車所有者と自動車を購入することを希望する者(以下「購入希望者」という。)の間の売買を支援するシステムであるが、そのためには事前に自動車所有者及び売買対象となる自動車を登録しておく必要がある。この登録は、自動車所有者端末において必要なデータを事業者サーバー1に対して送信して記録させておくことで実現できる。
【0027】
まず、そのために、自動車所有者端末では、自動車に関する必要なデータを登録するが、このデータとしては、自動車所有者識別データと、これに対応して登録される自動車識別データ、これに含まれる基本データ、車種データ、年式データ、車色データ、管理履歴データ、走行距離データ、車検データ、事故歴データ、整備点検データ、売却予定データ、引渡可能時期データ、及び、売却希望価格データの少なくともいずれかを登録させておくことが好ましい。
【0028】
自動車所有者識別データは、この自動車所有者を特定するために必要な情報を含むデータである。この識別データは、例えば自動車所有者識別データ、氏名データ、電話番号データ、住所データ等を含むがこれに限定されない。なお、氏名データは、自動車所有者の氏名に関する情報を含むデータであり、法人の場合は法人名の情報を含むデータである。また、自動車所有者識別データは、その自動車所有者に特有なユーザー番号に関する情報を含むデータである。また、電話番号データは、自動車所有者の電話番号に関する情報を含むデータであり、住所データは、自動車所有者の住所に関する情報を含むデータである。これらデータは自動車所有者を特定すること及び自動車所有者と連絡を取る場合に必要なデータである。
【0029】
また、自動車識別データは、売買の対象となる自動車の識別を行うために必要な情報を含むデータであり、このデータを用いることで車を特定することができる。また、上記の記載の通り、自動車識別データには、車種データ等の基本データが関連付けて記録される。なお、自動車識別データは、基本的には自動車所有者1人に対して1つであるが、複数台の車を保有しておりこのそれぞれに売却を検討しているような場合、自動車所有者識別データ1つに対して複数の自動車識別データを対応させて記録してもよい。
【0030】
自動車識別データには、基本データが記録される。基本データは、車における基本的な情報を含むデータであり、例えば上記の車種データ、年式データ、車色データ等を含む。この基本情報は、基本的に時間の経過によってあまり変わらず原則として変更のない情報を含むデータである。
【0031】
上記基本データのうち車種データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の種類に関する情報を含むデータである。この車種を明確にすることでどの種類の車を取引対象とするのかが明確となる。
【0032】
上記基本データのうち年式データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の製造の年式に関する情報を含むデータである。同じ車種の車であっても、その製造された年式によってその形や仕様等が異なり、価格に少なくない影響を与える場合があるためこのデータを含むことが好ましい。
【0033】
また、上記基本データのうち車色データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の色に関する情報を含むデータである。同じ車種の車であっても、その色によって人気は異なり、その価格にも少なくない影響を与える場合があるためこのデータを含むことが好ましい。
【0034】
また、走行距離データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の走行距離に関する情報を含むデータである。走行距離によって、購入後どの程度車を走らせることができるのか等の情報を得ることが可能であり、その価格にも少なくない影響を与える場合があるためこのデータを含むことが好ましい。
【0035】
また、管理履歴データは、基本的に車の管理履歴に関する情報を含むデータである。この管理履歴を含ませることで、より詳細な車の判断が可能となる。なお、この管理履歴データには、例えば上記の車検データ、事故歴データ、整備点検データ等を含ませることができる。なお、車検データについては、整備点検データに含ませる構成としてもよく、整備点検とは別に設けてもよい。
【0036】
上記管理履歴データのうち車検データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の車検時期、その車検を受けた履歴に関する情報を含むデータである。車検は法律の要請により数年に一度受ける必要がありその費用も少なくない額である。そのため、その車検のための時期がどの程度残っているのか等についての情報は、その価格にも少なくない影響を与える場合があるためこのデータを含むことが好ましい。
【0037】
上記管理履歴データのうち事故歴データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の事故歴に関する情報を含むデータである。事故歴の有無により、その車の性能に大きな差が出る場合が少なくなく、その結果価格にも少なくない影響を与える場合があるためこのデータを含むことが好ましい。
【0038】
上記管理履歴データのうち整備点検データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、その売買の対象となる車の整備状況に関する情報を含むデータである。この整備の状況はそのまま車の性能や状態に直結するものであり、これが価格にも少なくない影響を与える場合があるため、このデータを含むことが好ましい。
【0039】
売却予定データは、本システムにおいて重要な情報を含むデータであり、具体的には、自動車所有者が保有する自動車についての売却の意思表示に関する情報を含むデータである。自動車所有者はこのデータを作成することで、自動車の売却の意思を明確にすることが可能となる。
【0040】
また、引渡可能時期データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、上記売却予定データに含まれるデータである。そしてこの引渡可能時期データは、その売買の対象となる車をいつ引き渡すことができるかといった情報を含むデータである。この引渡時期を明確にすることで、購入希望者が車を入手したい時期とのタイミングを合わせることが可能となる。
【0041】
更に、売却予定データには、売却希望価格データを含ませることができる。売却希望価格データは、自動車識別データに対応して設けられるデータであって、自動車所有者がその売買の対象となる車の売却をする際に希望する価格の情報を含むデータである。この額が購入希望者の予算の範囲内であるかを確認し、売買の希望を出すか否かの重要な判断要素となりうる。
【0042】
そして、事業者サーバー1は、自動車所有者端末2から、上記の各種データの入力を受け付けた場合、その自動車所有者固有の自動車所有者識別データとともに上記の自動車識別データ、これに付随するこれら車種データ等を自身のハードディスクなどの記録媒体に記録する。
【0043】
そして、事業者サーバー1は、この自動車所有者識別データ及び自動車識別データに基づき二次元バーコードが印刷されたステッカーを作成し、自動車所有者に送付する。送付の方法としては、郵送であってもよく、メール等の電子的な方法によって送付することとしてもよい。郵送である場合は、車の内側に貼付できるように二次元バーコードを付した面に透明な粘着テープ面を付したものを送付することが可能である。また、二次元バーコードについては、二次元バーコードのデータを自動車所有者端末に送付し、自動車所有者が自身の自動車所有者端末に送付された二次元バーコードデータに基づいて二次元バーコードを印刷するようにしてもよい。
【0044】
ここで「二次元バーコード」とは、二次元的に情報を含ませたバーコードをいい、具体的にはQRコード(登録商標)を用いることができる。この二次元バーコードを用いることで、必要な情報を最小限度に圧縮して伝達することが可能となる。
【0045】
また、本システムでは、二次元バーコードには、その自動車所有者が保有する上記自動車所有者識別データ、自動車識別データ、更には、事業者サーバーに接続するためのURLデータ等を含ませることができる。購入希望者端末3の所有者(購入希望者)は、この購入希望者端末3を用いてこの二次元バーコードの情報を読み取り、必要な情報を事業者サーバー1から取得する。
【0046】
なお自動車所有者は、自身の自動車の売却を希望する場合、この自動車の窓ガラスの内側(合法的な位置)に二次元バーコードが付されたステッカーを貼付することで、撮影が可能な状態となり、公に広くこの自動車の売却希望を知らせることが可能となる。二次元バーコードを貼付する位置は、自動車の外側であってもよいが、剥がされる等のいたずらを防止するため、このおそれが少なく、外側から容易に視認することのできる自動車のガラスの内側であることが好ましい。
【0047】
(買取希望申し出)
上記の通り自動車の購入希望者は、この二次元バーコードの印刷されたステッカーが添付された自動車を発見した場合、この二次元バーコードを購入希望者端末3が保有する撮像装置を用いて二次元バーコードを撮影し、画像処理プログラムを用いて上記二次元バーコードに含まれた情報を取得し、事業者サーバー1に接続する。
【0048】
より具体的には、購入希望者は、購入希望者端末3を用いて、(S1)自動車の窓ガラスの内側に貼られた二次元バーコードが印刷されたステッカーに基づき自動車識別データを取得するステップ、(S2)自動車識別データに対応した自動車の基本データ、管理履歴データ及び売却予定データを取得するステップ、(S3)自動車に対する買取希望データを出力するステップ、(S4)自動車に対する売買経過データを取得及び出力するステップ、を実行することにより、自動車の売買又はその予約を行うことができる。
【0049】
ここで、上記各ステップについて詳細に説明すると、本プログラムでは、(S1)自動車の窓ガラスの内側に貼られた二次元バーコードが印刷されたステッカーに基づき自動車識別データを取得するステップを実行する。ここで、自動車識別データは、上記の通り、売買の対象となる自動車を識別するために必要な情報を含むデータである。
【0050】
この動作については、上記の記載から明らかであるが、購入希望者が購入を希望する車を発見し、この車に上記の二次元バーコードが印刷されていた場合、購入希望者は自身の購入希望者端末のカメラ等の撮像装置を用いて二次元バーコードを撮影し、別途購入希望者端末にインストールされている二次元バーコードリーダーを用いて、この二次元バーコードに含まれている情報に基づくデータ、具体的には自動車所有者識別データ、自動車識別データ、更には、事業者サーバーに接続するためのURLデータ等を読み出す。そして、このURLデータに基づき電気通信回線Iを通じて事業者サーバー1から必要な情報を取得する。
【0051】
また、本プログラムでは、(S2)自動車識別データに基づき自動車の基本データ、管理履歴データ及び売却予定データを取得するステップを実行する。ここで、「基本データ」、「管理履歴データ」、「売却予定データ」は上記のとおりである。
【0052】
本ステップでは、上記の通り、事業者サーバー1に接続するためのURLデータを読み出した後、インターネット回線を通じて必要な情報を取得する。この場合に事業者サーバー1から読み取ったその自動車識別データ、基本データ、管理履歴データ及び売却予定データに基づき表示される画面のイメージ図を
図2に示しておく。
【0053】
また、本プログラムでは、(S3)自動車に対する買取希望データを出力するステップを実行する。このステップが、実際に、自動車所有者に対し、買取希望者が閲覧した自動車の買取を申し出る行為となる。すなわち、「買取希望データ」とは、買取希望に関する申し出の情報を含むデータである。なおこの買取希望データは購入希望者が事業者サーバーに対して出力することで足りる。事業者サーバーは、この買取希望データを受け取った場合、自動車購入者端末3に対し、購入希望データを受け取った旨の通知を行う。
【0054】
この買取希望データは、買取の希望と取引の開始を要求する情報を含むデータであるが、これ以外にも、希望買取価格の情報を含む希望買取価格データ、希望買取時期等の情報を含む希望買取時期データ等を含ませてもよい。これにより、自動車所有者が希望する売却価格と買取希望者が希望する買取価格との間に齟齬が生じていた場合にその差を調整することが可能となる、すなわち購入希望者側の希望を伝えることでより買主の希望に沿った売買を実現することができるといった利点がある。もちろん、売却予定データに売却希望データに売却希望価格データが含まれていないような場合、この希望買取価格データに含まれる価格情報が最初の価格設定となりうる。
【0055】
また、この買取希望データを受け付けた事業者サーバー1は、購入希望者端末3に対して手付金入金依頼データを送付する。具体的には、購入希望者に対して売買処理を開始するための保証として手付金の振込手続きを依頼する。これにより、いたずら等の購入希望申し出を防止することができる。この手付金入金依頼データには、入金方法データ、入金先データ、入金金額データ等を含ませることができる。
【0056】
入金方法データは、入金の方法に関する情報を含むデータであり、入金方法が例えば銀行振り込みなのか、クレジットカード払いなのか等の種類を選択することができる。
【0057】
また、入金先データは、銀行振り込みなどの場合、その振り込みに必要となる入金先の情報に関するデータをいう。
【0058】
また、入金金額データは、この買取希望価格データ若しくは売却希望価格データに基づき計算される金額の情報を含むデータ、又は、一定の金額に基づき必要となる入金金額の情報を含むデータである。
【0059】
また、本プログラムでは、(S4)自動車に対する売買経過データを取得及び出力するステップ、を実行する。具体的には、上述の買取希望データ、手付金入金依頼データから始まり、これに加え、自動車所有者から送信される各種データ、購入希望者から送信される各種データの入力を受け付け、記録し、必要に応じて出力する。すなわち、これら取得及び出力されたデータとその取得または出力の日時を日時データとして関連付けて記録することで作成することができる。この各種データの例については適宜調整可能であるが、例えば売買の契約を行った場合の売買契約データ、引渡しを行う日時の情報を含む引渡日時データ等を含ませることができる。これにより、どのような売買手続きを行っているのかが一目でわかるようになる。
【0060】
また、本プログラムでは、(S5)自動車の盗難情報データを取得するステップ、を更に実行させるものであることも好ましい。具体的には、この二次元バーコードデータに、盗難情報を含ませることで、仮にその自動車が盗難被害にあった場合でも盗難情報データにおいて盗難されたという情報が付されていれば、この二次元バーコードを読み取った購入希望者はその自動車が盗難車であることを容易に把握することができるようになり、防犯につながるといった利点がある。
【0061】
また、本プログラムでは、(S6)賃貸希望データを取得するステップ、賃借希望データを出力するステップ、賃貸借履歴データを取得及び出力するステップ、を実行することが好ましい。
【0062】
ここで賃貸希望データとは、自動車所有者が自己の所有する自動車について売却までではないが使用しないため賃貸に出したい場合に、その意思を明確にしたデータであり、これにより賃貸に出す意思を表明することができる。なお、売却を希望する場合でも選択肢として賃貸希望データを並列的に含ませることも当然に可能である。なお、賃貸希望データの場合、賃貸希望の価格(賃料)に関する希望賃料データ、賃貸の開始時期に関する情報を含む希望賃貸開始日時データ等を含ませておくことが好ましい。
【0063】
一方、購入希望者端末3を保有する者であるが、購入ではなく賃借を希望する場合、購入希望者端末3を操作し、賃借希望データを作成及び事業者サーバー1側に出力することで事業者サーバー1を介して自動車所有者端末2に対しその意思を伝えることができる。
【0064】
そして、上記の結果、賃貸を希望する者と、賃借を希望する者の間において各種データの送受信を行うことで自動車の賃貸借を行うことが可能となる。具体的には、後述するような、自動車所有者(賃貸希望者)から送信される各種データ、賃借希望者から送信される各種データの入力を受け付け、記録し、必要に応じて出力することで、賃貸借履歴データとすることができる。すなわち、これら取得及び出力されたデータとその取得または出力の日時を日時データとして関連付けて記録することで作成することができる。
【0065】
また、本プログラムでは、(S7)自動車の閲覧履歴データを記録するステップ、を備えることが好ましい。ここで閲覧履歴データとは、自己の所有する自動車に関する閲覧の情報を含むデータである。自動車の閲覧履歴データを記録しておくことで、自己の所有する自動車がどの程度興味を持って調べられているのかといったことを知ることが可能となり、これに応じて今後の売却活動において有用な情報として活用することが可能となる。場合によっては、自動車所有者が既に登録した自動車識別データの売却予定データ等の変更を行うようにしてもよい。
【0066】
また、本ステップでは、(S2)のステップにおいて、当該ステップが行われた閲覧位置情報データを閲覧記録データに含ませることが好ましい。閲覧位置情報データとは、閲覧した位置に関する情報を含むデータである。閲覧された位置を把握することで、どの地域において最も興味がもたれているのか等の統計的な情報を得ることが可能となる。
【0067】
以上、本発明は、自動車の管理履歴を一元管理し、簡便に自動車の売買を実行することができる自動車売買支援プログラム及び自動車売買支援システムとなる。特に、本発明によると、自動車所有者はこのプログラムにおいて所有する自動車を登録することで、新車登録から廃車までの整備点検、売買、賃貸借を一元管理することが可能となる。
【0068】
本発明の効果について改めて説明すると、従来、新車登録から廃車までの管理は、当該自動車を新車で販売したいわゆる自動車メーカー(ディーラー)が主として管理することができると考えられているが、自動車所有者がこの自動車メーカー以外の業者に車検などの点検やタイヤ交換等を行わせた場合、このデータは一元管理することができなくなっていた。すなわち、整備点検者等を変えるとそのデータの管理や整合性の確保に余計な時間と手間がかかり、誰もが同じように整備点検記録を残すことができないといった課題があった。
【0069】
これに対し、本発明では、二次元バーコードを読み取るだけで単一のURLにアクセスが可能となり、これに必要なデータを入力していくだけで、業者が異なったとしても必要なデータの蓄積が可能となり、しかもこれが統一されたフォーマットでの入力が可能であるため、簡単に整備点検記録を残すことができる。
【0070】
ここで、自動車メーカーや、点検業者などが整備点検記録を残す処理について具体的に説明する。
図1の例において、本システムではさらに、整備業者端末4がネットワークに接続されており、これらと事業者サーバー1とデータの送受信が可能となっている。なお、整備事業者端末4は、上記の自動車所有者端末2、購入希望者端末3と同様の構成を備えた端末装置を用いることができる。
【0071】
そして、整備事業者端末4では、上記(S1)自動車の窓ガラスの内側に貼られた二次元バーコードが印刷されたステッカーに基づき自動車識別データを取得するステップ、(S2)自動車識別データに対応した自動車の基本データ、管理履歴データ及び売却予定データを取得するステップの後、(S8)管理履歴データを作成及び送信するステップ、を備えている。これにより、自動車識別データに対応して管理履歴データ、具体的には整備点検データ、車検データ、事故歴データ等を更新し、最新の情報にすることが可能となる。また、整備点検業者において、事故の修理などを行った場合もこのデータの更新が可能となる。なおこの整備点検データについては、自動車所有者自身が把握している場合、自動車所有者端末から入力するようにすることも可能である。
【0072】
ところで、自動車の取引は多くの書類、資料集め、確認手続き業務が必要であり、専門の業者が間に入り取引を成立させ流通させる必要がある。しかしこれらの業務を個人で一元的に行うことは困難であり、自動車の売主買主個人間の売買や賃貸借は困難である。しかしながら、本発明によると、自動車に関する売買を事業者サーバーにより一元管理が可能となるため、これらの手間を大幅に削減することができる。
【0073】
特に、自動車整備点検に関するこの種の管理は、従来整備手帳がある程度で、新車ディーラーなどの販売店、ガソリンスタンド、整備点検業者、自動車の所有者などの交換部品に記録を書き込んだシールを貼付するなど、それぞれ個別の方法で行われている。最近発売された高級車やカーナビには、オイル、エレメント、ワイパーゴムなどの交換時期を教えてくれる機能もあるが、これでは不十分で古い自動車には対応できない部分も多いほか、過去の記録がその業者のものではないと信頼できず査定が出来ないといった課題があるが、本方法によるとこれを解決することができる。
【0074】
また、整備事業者には、修理工場や整備工場、更にはこれらを備えたディーラー等を例示することができるが、上記以外にも、例えばフランチャイズ(FC)展開するガソリンスタンド等においても、給油洗車や空気圧の点検の際、その従業員の業務時間の隙間を利用し、そのモバイル機器で二次元バーコードから上記の管理履歴データを確認し、オーナーにアドバイスすることができるようになるといった利点もある。
【0075】
以上、本発明によって、自動車の管理履歴を一元管理し、簡便に自動車の売買を実行することができる自動車売買支援プログラム及び自動車売買支援システムとなる。
【0076】
ところで、本システムでは、上記の通り、事業者サーバー1、自動車所有者端末2、購入希望者端末3、整備事業者端末4を設けているが、事業者はいわゆるフランチャイズ展開を行うことが可能であり、このため事業者が行う業務の少なくとも一部を実行するフランチャイザー事業者(以下「FC事業者」という。)を含ませることも重要である。
図3の例では、このFC事業者が有するFC端末5を表示した例を示す。このFC事業者は、上記の通り、事業者サーバー1の事業の少なくとも一部を行うとともに、購入希望者端末が買取希望データを事業者サーバー1に送信した場合、事業者サーバー1から買取希望データの転送及びその送信があった旨のデータの少なくともいずれかを受け取り、自身が担当する自動車に対して適切な処理を行う。これにより、事業者は、自身の負担を増やすことなく全国展開が可能となるといった利点がある。
【0077】
より具体的に説明すると、本発明では、自動車所有者や整備事業者等は、モバイル機器によりQRコード(登録商標)等の二次元バーコードを撮影し、インターネットを通じサーバーに接続し、サイトのホームページから、その自動車の新車登録から廃車までの整備、点検、故障、修理、事故歴等の各種情報を登録管理することが可能となる。そして、その内容を元に売却価格を算定し、引渡し時期などをもとに車探しから売買予約、売買契約、引渡し、決済、所有権移転登録、廃車手続き、更に空き時間を利用したリースまでの多くの関係業者を支援し、広告ではオンラインショップを可能にし、防犯効果もあるものとなる。
【0078】
重複するところもあるが、本発明は、下記の背景をもとに行われるものである。
【0079】
周知のように、自動車の流通には売買、下取り、買い取り、オークションや残価設定リースなどがあるが、基本となる整備点検記録が重要でその内容で査定額や料金が変わる。新車登録から廃車までを前記一元管理するプログラムがないと、買主や借主に不利な情報が隠蔽されたままになる可能性があり、判断を誤ったり不利な状況になり不適正な価格や料金の取引となる。また故障や事故の場合その責任の所在にも係わる。
【0080】
また、周知のように自動車に関する広告はテレビCM新聞雑誌チラシ、インターネットのウェブサイトなどの様々なものがあるが、対象が広く曖昧になり費用対効果は疑問な広告が多い。従来の広告は見る消費者も自分のニーズと関係ない広告が多くなり、役に立たない場合が多い。
【0081】
また、従来、盗難防止には施錠する方法と警報を出す方法があるが、日々手口は巧妙化しており最新の盗難防止方法はいつ破られるか解らず、また限界があり自動車のオーナーは安心できない。
【0082】
これに対し、QRコード(登録商標)
図5を自動車窓ガラス内側(合法な箇所。また風雨に晒され変質を避けることと第三者による悪戯、貼り換え防止のため)に貼り、モバイル機器で撮影することでインターネットからサイトへ接続され、HPトップ
図6から次の照会画面
図7、8へ接続することで、自動車の基本情報や整備記録を簡単に入手でき、さらに整備点検記録を更新することで、自動車の状態評価査定が可能になり、画面からIDを入力する事を手段とし、売買の予約取引、リースが可能になる。
【0083】
また、新車登録から廃車までを一元管理するプログラムの内容を登録、管理、更新するサーバーには、法改正リコール盗難事件Q&Aを登録でき、自動車業界関係者の他オーナーお客様など多くの誰もがアクセスできるので、インターネット上の自動車における法務局の様な存在となり、登録内容更新のたびに多くの関係者が閲覧する事になるため多くの情報を周知させることができ、広告の費用対効果を上げる手段となり、広告においては商品を探し注文ID入力で決済、オンラインで買い物ができるようになる。
【0084】
また、代理業務を行うFC店を設定することで自動車に詳しくない方や忙しい方も広く利用出来る。この事で防犯防止面でもサイトへ盗難登録が出されれば、FC店他、登録者が素早く関係者へメールを一斉送信で対応でき、防犯効果と事件の解決両面で役立ち、今回の発明で様々な課題の多くが解決できる。
【0085】
また、自動車の新車登録から廃車までを一元管理するプログラムで誰でも何時でも何処からでも、自動車にQRコード(登録商標)が貼ってあれば簡単にインターネットからアクセスでき知ることが出来る。この事により自動車のオーナーは、面倒な整備点検などの管理行為をFC店に任せられ、負担を大幅に軽減できる。
【0086】
自動車の情報状態が簡単にわかると査定に信頼性ができ、売主買主同士の引渡し時期事前設定の個人売買取引が安全に負担が少なく行えるので、従来の下取り、買取、オークション、残価設定リースから中古車の展示販売などの流通を省け、自動車業界やオーナーの流通に多くの恩恵をもたらす。
【0087】
また、新車登録から廃車までを一元管理するプログラムは、自動車のオーナーやドライバーならば、その都度必ず見る必要があり、最新の法改正、制度、技術、商品、店舗の営業、自動車関連Q&Aや情報などを気づかない人に対して周知させることが出来る。広告からのオンラインショップも、自動車の現物用品を見ながらの注文も可能で、注文のミスも減らせる。HPの広告は場所面積期間を入札と売り上げに対する歩合で決め、広告主は公平で売り上げに応じた料金となり、費用対効果は今までより計算されたものになる。
【0088】
サーバーにアクセス出来ると、対象自動車の情報が入るため登録や名義変更、廃車に必要な書類車庫証明、委任状、譲渡証明などの必要書類が容易に揃えられる。
【0089】
自動車整備事業者やガソリンスタンドなどは、本部とFC店契約を結ぶ事でオイルやエレメント、バッテリーの交換などの記録を書き込み保存し、次の整備点検が効率的に行える。さらに個人間売買の手続きを仲介することで新たな収入源とすることが出来る。
【0090】
自動車のリコール問題に対して、自動車メーカーは素早く自動車のオーナーに報告が出来ることで、安全と安心が高められ、自動車メーカーもリコール費用も抑えられる。
【0091】
犯罪防止面でもサイトへの盗難登録が出されれば、他へ売却が難しくなりQRコード(登録商標)付きステッカーを貼る事は盗難の抑止力となる。またFC店他登録者が素早く対応でき、防犯効果と事件の解決両面で役立つ。完全に防げる訳ではないが、従来の施錠と警報とは違った防犯として有効である。
【0092】
整備点検が管理でき、点検整備のもれと重複をなくし余計な費用の削減と、整備不良車を減らす事で事故故障の防止、安心安全を高められ整備不良が原因の渋滞も減らせる。
【0093】
そのため、まず自動車を購入した場合、新車中古車に限らず登録が必要で、当サイトHPへ自動車に貼られたQRコード(登録商標)付きステッカーから、またはFC本部名をモバイル機器で撮影検索し、HPへアクセスし画面の必要事項を書き込み、登録を完了(フローチャート参照)させると自分用のQRコード(登録商標)付きステッカーが郵送される。このステッカーは、インターネットからサイトへ接続し新車登録から廃車までを一元管理するプログラムのための、前記ステッカーで
図5は印刷面に接着剤が塗られ、自動車の外から確実に視認出来る様に自動車の、後部座席左窓上部窓ガラス内部に貼る事を基本とし(合法な箇所で、風雨に晒され変質を避けることと第三者による悪戯、不正貼り換え防止のため)車種自動車の構造により変える事もある。
【0094】
自動車に貼られた前記ステッカーやFC本部検索から前記方法で、HPトップ画面
図6へ接続される。サイトの画面に従い進みID番号を入力し進むとサーバーにある登録記録、自動車のオイル、エレメント、バッテリー、エアクリーナー、点火プラグなどの交換履歴など修理点検の基本情報画面フローチャート
図8登録者紹介画面へ進み、自動車のオーナーまたはFC店は、整備点検作業を実施し記録の更新ができる。
【0095】
登録情報から自動車の買取を希望する場合は、
図8登録車明細及び予約画面から仮予約を入れることが出来、後日FC店にて正式予約、契約、決済、名義変更、引渡しへと手続きが完了できる。今までの下取り、買取、オークション、残価設定リースの様に流通させる必要がないので、売買コストが大幅に下げられる。
【0096】
リースについても、自動車のオーナーの登録された使用しない日にちと料金に対して
図8から申し込みFC店頭で手続きを行う事が出来る。
【0097】
広告はまず、自動車に貼られた前記QRコード(登録商標)や検索から前記方法で、HPトップ画面へ接続される。HP画面には自動車オーナーが広く利用する、石油販売会社、損害保険会社、提携FC店の広告とし、その他のページにはカー用品店の広告または、自動車関連商品の広告が来るので、画面上のバナー広告でクリックして先へ進むと自動車関連商品の説明確認と注文支払いのオンラインショップが出来る。
【0098】
仮に自動車の盗難にあった場合、警察へ通報する事は勿論であるが、同時に自分の登録画面に盗難発生の書き込みをすることで、登録者全員にメールで情報が拡散する。これにより、情報を受け取った側は警戒をすることが出来、目撃情報については警察への通報と登録画面への書き込みで対応する。これは盗難、当て逃げ轢き逃げについても同様の対応になる。
【0099】
駐車場や道を走っている自動車に魅力的な自動車があり、「欲しい、乗りたい!」と思う事は自動車のオーナーなら良くある。この場合自動車に前記ステッカーが貼ってあれば、その場から自動車の登録内容の確認をし、仮予約が出来その後FC店にて予約、契約、決済、名義変更、引渡しが出来る。自動車に使用されている用品もHPからのオンラインショップで探し注文出来る。
【0100】
防犯効果については完璧ではないが、前記ステッカーが貼ってあれば盗んだ犯人は、他の自動車を盗んだ場合より捕まる可能性が高いので敬遠され防犯効果となる。
【0101】
今回の発明を実行するには、通常のモバイル機器とPC、自動車に貼る前記ステッカーとサーバーが必要ではあるが、専用の機器と特別高価装置など特別な設備は不要で、技術的にも困難なものはなく、FC本部とFC店がプログラムを管理実行すれば誰もが簡単に利用できる。