(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-178163(P2021-178163A)
(43)【公開日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】スライドレール組立体、及びそのレール取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A47B 88/483 20170101AFI20211022BHJP
A47B 88/487 20170101ALI20211022BHJP
A47B 88/493 20170101ALI20211022BHJP
A47B 88/407 20170101ALI20211022BHJP
A47B 88/49 20170101ALN20211022BHJP
【FI】
A47B88/483
A47B88/487
A47B88/493
A47B88/407
A47B88/49
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-201732(P2020-201732)
(22)【出願日】2020年12月4日
(31)【優先権主張番号】109115958
(32)【優先日】2020年5月12日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB43
3B160AB61
3B160EA02
3B160EA13
3B160EA14
3B160EA43
3B160EA52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】別のスライドレールへの挿入が容易であり、別のスライドレールから引き出されて再挿入されるときの支持に信頼性があるスライドレール組立体、及びそのレール取り付け方法を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体は第1レール22,支持部材24及び第2レール26を備えている。支持部材は第1レールに配置され、第1支持部44と、第2支持部46と、第1支持部及び第2支持部の間に配置されたガイド部48とを備えている。第2レールが第1レールの通路34に取り付けられたときに、第1支持部は第2レールを支持するように構成されている。第2レールが取り付け方向D1に移動されたときに、第2レールはガイド部を介して第2支持部へガイドされる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁と、第2壁と、前記第1壁及び前記第2壁の間に接続されている第1長手方向壁とを備え、通路が前記第1壁、前記第2壁及び前記第1長手方向壁によって画定される第1レールと、
前記第1レールに配置されている第1支持部材であり、第1支持部と、第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部の間に配置されているガイド部とを備え、前記第1支持部は第1横幅を有し、前記第2支持部は第2横幅を有し、前記第1横幅は前記第2横幅よりも大きい第1支持部材と、
第2レールとを備え、
前記第2レールが、前記第1レールの前記通路の外から前記第1レールの前記通路に取り付けられたときに、前記第1支持部は、前記第2レールを支持するように構成され、前記第2レールが取り付け方向に移動されたときに、前記第2レールは前記ガイド部を介して前記第2支持部へガイドされ、前記第2支持部は、前記第2レールを支持するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項2】
さらに、前記第1レールの前記通路の中に配置されているスライド補助デバイスを備え、前記スライド補助デバイスは複数の転動部材を含み、
前記第2レールが前記取り付け方向にさらに移動され、前記第1レールの前記通路に取り付けられたときに、前記スライド補助デバイスの複数の前記転動部材が前記第2レールを支持するように構成されている請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記ガイド部は傾斜面又は円弧面を有し、高さの差が、前記第1支持部と前記第2支持部との間に規定される請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記第1支持部材は、前記第1レールの前記第1壁に隣接する前記通路の入口に位置し、前記第1支持部材はさらに、前記入口の周りに位置する識別機能部を含む請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
さらに、前記第1レールに配置されている第2支持部材を備え、前記第2支持部材は、前記第1レールの前記第2壁に隣接する前記通路の前記入口に位置し、前記第2支持部材及び前記第1支持部材は、実質的に同じ構造的な構成を有する請求項4記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
第1高さが、前記第1支持部材の前記第1支持部と前記第2支持部材の前記第1支持部との間に規定され、第2高さが、前記第1支持部材の前記第2支持部と前記第2支持部材の前記第2支持部との間に規定され、前記第1高さは前記第2高さよりも大きい請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第2レールは、第3壁と、第4壁と、前記第3壁及び前記第4壁の間に接続された第2長手方向壁とを含み、
第3高さが、前記第3壁と前記第4壁との間に規定され、前記第1高さは前記第3高さよりも大きく、
前記第2レールの前記第3壁の長手方向での長さは、前記第4壁の長手方向での長さよりも実質的に大きい請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第2レールの前記第3壁は、円弧状区間と、前記円弧状区間に接続された端区間とを含み、前記第1支持部材はさらに、前記第2支持部と隣接する第3支持部を有し、
前記第2レールが、前記第1レールの前記通路の外から前記第1レールの前記通路に取り付けられたときに、前記第1支持部材の前記第1支持部は、前記第2レールの前記第3壁の前記端区間を支持するように構成され、
前記第2レールが前記取り付け方向に移動されたときに、前記第2レールは前記第1支持部材の前記ガイド部を介して前記第2支持部へガイドされ、前記第1支持部材の前記第2支持部は、前記第2レールの前記第3壁の前記端区間を支持するように構成され、前記第1支持部材の前記第3支持部は、前記第2レールの前記第3壁の前記円弧状区間を支持するように構成されている請求項7記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第2レールが前記第1レールの前記通路の中に取り付けられたときに、前記第2レールの第3壁、第4壁及び第2長手方向壁は、それぞれ前記第1レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記第1長手方向壁に隣接する請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
通路を有する第1レールを提供するステップであり、スライド補助デバイスが前記第1レールの前記通路に配置され、前記スライド補助デバイスが複数の転動部材を含んでいるステップと、
前記第1レールに配置され、前記通路の入口に位置する第1支持部材を提供するステップであり、前記第1支持部材は、第1支持部と、第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部の間に配置されたガイド部とを含み、高さの差が、前記第1支持部と前記第2支持部との間に規定されるステップと、
第2レールを提供するステップであり、前記第2レールが前記第1レールの前記通路の外から前記第1レールの前記通路に取り付けられたときに、前記第1支持部材の前記第1支持部は前記第2レールを支持するように構成されているステップと、
取り付け方向に前記第2レールを移動させるステップであり、これにより、前記第2レールは前記ガイド部を介して前記第2支持部へガイドされ、前記第2レールがさらに前記取り付け方向に移動されたときに、前記スライド補助デバイスの複数の前記転動部材が前記第2レールを支持するように構成されているステップとを備えているレール取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール組立体、及びそのレール取り付け方法に関し、さらに詳しくは、別のスライドレールへの挿入が容易であり、別のスライドレールから引き出されてこれに再挿入されるときの支持に信頼性があるスライドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
図1A,1Bに示されるように、ラックキャビネット102は装置室100に配置されている。ラックキャビネット102は複数のシャーシ104a〜104fを収容する。シャーシ104cが、維持するべきラックキャビネット102から取り外された後に、シャーシ104cは再度ラックキャビネット102に取り付けなければならない。シャーシ104cは補助装置106(例えば手押し車)に支持されることができるが、シャーシ104はラックキャビネット102に対して対応する水準位置へ調節ができる。これにより、シャーシ104cに取り付けられた内側レール108の端部は、ラックキャビネット102に取り付けられた中間レール110と揃うことができ、シャーシ104cは方向Fでの力によりラックキャビネット102の中へ押圧される。シャーシ104cの内側レール108は、ラックキャビネット102の中間レール110に接続できるので、シャーシ104cはラックキャビネット102に収容できる。しかし、ラックキャビネット102の中で相対的に低い位置にあるシャーシ(例えばシャーシ104d〜104f)は、補助装置106の高さに簡単に制限を受け、これにより補助装置106の使用に制限が生じ、シャーシは手で取り付けなければならない。一方、補助装置106の購入は余分なコストとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許8780565号明細書
【特許文献2】米国特許2017/0119153号明細書
【発明の概要】
【0004】
図2A,2Bに示すように、シャーシ104dは手でラックキャビネット102内に取り付けられる。このシャーシ104dはある一つの重量を有し、もしシャーシ104dの両側が一人のユーザー又は二人のユーザーによって支持されたら(一人がシャーシの一つの側を支持する)、シャーシ104dは両方向に傾斜することがある。従って、シャーシ104dが傾斜した状態aにあるときに、シャーシ104dの内側レール108の端部もまた傾斜する。
図2Bで二つの拡大した形状が二つの問題を示している。シャーシ104dの内側レール108とラックキャビネット102の中間レール110との間に「干渉」(図面の上部に拡大した形状に示す)、また「不整合と大きなギャップ」(図面の下部に拡大した形状に示す)の問題が生じる。
【0005】
本発明は、別のスライドレールへの挿入が容易であるスライドレールの特性を有し、別のスライドレールから取り出されてこれに再挿入される過程での支持に信頼性を有するスライドレール組立体に関する。
【0006】
本発明の一つの態様によれば、スライドレール組立体は第1レール,第1支持部材及び第2レールを備えている。第1レールは、第1壁と、第2壁と、第1壁及び第2壁の間に接続されている第1長手方向壁とを備え、通路が第1壁、第2壁及び第1長手方向壁によって画定される。第1支持部材は、第1レールに配置され、第1支持部と、第2支持部と、第1支持部及び第2支持部の間に配置されているガイド部とを備え、第1支持部は第1横幅を有し、第2支持部は第2横幅を有し、第1横幅は第2横幅よりも大きい。第2レールが、第1レールの通路の外から第1レールの通路に取り付けられたときに、第1支持部は、第2レールを支持するように構成され、第2レールが取り付け方向に移動されたときに、第2レールはガイド部を介して第2支持部へガイドされ、第2支持部は、第2レールを支持するように構成されている。
【0007】
本発明の別の態様によれば、レール取り付け方法は、
通路を有する第1レールを提供するステップであり、スライド補助デバイスが第1レールの通路に配置され、スライド補助デバイスが複数の転動部材を含んでいるステップと、
第1レールに配置され、通路の入口に位置する第1支持部材を提供するステップであり、第1支持部材は、第1支持部と、第2支持部と、第1支持部及び第2支持部の間に配置されたガイド部とを含み、高さの差が、第1支持部と第2支持部との間に規定されるステップと、
第2レールを提供するステップであり、第2レールが第1レールの通路の外から第1レールの通路に取り付けられたときに、第1支持部材の第1支持部は第2レールを支持するように構成されているステップと、
取り付け方向に第2レールを移動させるステップであり、これにより、第2レールはガイド部を介して第2支持部へガイドされ、第2レールがさらに取り付け方向に移動されたときに、スライド補助デバイスの複数の転動部材が第2レールを支持するように構成されているステップとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に例示された好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、当業者には、疑いなく明らかになる。
【0009】
【
図1A】従来技術に係り、キャビネットに配置された複数のスライドレール組立体と、補助装置によりキャビネットの中間レールに取り付け可能なシャーシに配置された内側レールとを示す側面図である。
【
図1B】従来技術に係り、補助装置によりキャビネットの中間レールに取り付け可能なシャーシの内側レールを示す正面図である。
【
図2A】従来技術に係り、キャビネットに配置された複数のスライドレール組立体と、手でキャビネットの中間レールに取り付けられたシャーシに配置された内側レールとを示す側面図である。
【
図2B】従来技術に係り、手で中間レールに取り付けられたシャーシの内側レールと、傾斜した設置に起因する内側レール及び中間レール間の干渉及び不整合とを示す側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係り、第1レール、第2レール及び第3レールを含むスライドレール組立体を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、第1レール、第2レール、第3レール、第1支持部材及び第2支持部材を含むスライドレール組立体を示す分解図である。
【
図5】本発明の実施形態の第1支持部材を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の第1レールの一部を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の第1レールを示す横断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、第1レールから取り外しができるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る第1レールに装着される取り付け方向に移動可能なスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、第1レールに取り付けられるように、さらに取り付け方向に移動されるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第1レールに取り付けられるように、さらになお取り付け方向に移動されるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第1レールに取り付けられたスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、第1レールの第1支持部材の第1支持部によって傾けることが可能に支持されたスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第1レールの第1支持部材の第1支持部によって設置準備位置に配置されて支持されることができるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係り、第1レールの第1支持部材のガイド部によってガイドできるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係り、第1レールの第1支持部材の第2支持部によって支持できるスライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係り、それぞれ載せる物品の両側に配置された2つのスライドレール組立体の2つの第2レールと、第1レールの第1支持部材の対応する第1支持部によって支持されることが可能である各第2レールとを示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係り、それぞれ載せる物品の両側に配置された2つのスライドレール組立体の2つの第2レールと、第1レールの第1支持部材の対応する第2支持部によって支持されることが可能である各第2レールとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図3及び4に示すように、本発明の実施形態のスライドレール組立体20は、第1レール22と、第1支持部材24と、第2レール26とを含む。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに第3レール28を含む。第1レール22は、三部式のスライドレール組立体を構成するように、第3レール28及び第2レール26の間に可動に取り付けられている。第1レール22,第2レール26及び第3レール28は互いに可動である。以下の説明では、X軸とは、二つのスライドレールが取り付けられて一緒になったときに、スライドレール組立体のスライドレールが互いに可動である方向(即ち、スライドレールの長さ方向/長手方向)であると理解されることとする。またY軸とは、横断方向(即ち、スライドレールの横方向)であり、Z軸とは、縦方向(即ち、スライドレールの長さ方向/長手方向と横方向とに垂直な、スライドレールの高さ方向)であると理解されることとする。
【0011】
第1レール22は、第1壁30aと、第2壁30bと、第1壁30a及び第2壁30bの間に接続された第1長手方向壁32を含む。通路34が、第1壁30a,第2壁30b及び第1長手方向壁32によって画定され、第2レール26を収容するように構成される。第1レール22は、前端部とも称してよい第1端部22aと、後端部とも称してよい第2端部22bとを有する。
【0012】
第1支持部材24は第1レール22に固着して配置され、第1端部22aに隣接する。さらに第1支持部材24は、第1レール22の第1壁30aに隣接して配置され、通路34の入口(例えば通路34の進入路)に位置する。この入口は、第1端部22a(前端部)に配置されている。第1支持部材24は、接続部31と、本体部33と、識別機能部35とを含む。接続部31は、第1レール22の第1長手方向壁32の取り付け機能部37に接続するように構成されている。この接続部31は、係合又は締結によって取り付け機能部37に接続されてよい。別の実施形態では、接続部31は取り付け機能部37にリベット、ネジ止め、又は溶着で接続されてよいが、本発明はこれに限定されない。本体部33は接続部31に接続され、本体部33は実質的に、長手方向での長さを有する。識別機能部35は本体部33の端部に配置され、識別機能部35は第1レール22の入口の周りに位置する。例えば、識別機能部35は特別な色で塗られ、又は特別な形状を有し、識別機能部35によって第1レール22の入口の位置を、維持するスタッフが視覚的に識別できるようにする。
【0013】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1レール22に固着して配置され、第1端部22aに隣接する第2支持部材36を含む。好ましくは、第1支持部材24と第2支持部材36とは、亜鉛合金の材料で形成されている。さらに、第2支持部材36は第1レール22の第2壁30bに隣接して配置され、通路34の入口に位置する。第2支持部材36と第1支持部材24とは、実質的に同じ構造的な構成を有する。また第2支持部材36と第1支持部材24とは、同じ配置方法で第1レール22に配置されている。結果として、第1支持部材24に含まれるものと同じ第2支持部材36の中の符号付きの構成要素は、同じ構造と機能を有し、単純化のためにこれ以上の説明は省く。
【0014】
第2レール26は、第1レール22の通路34を介して第1レール22に対して長手方向に可動であり、第1レール22の通路34から取り外しができる。この構成は当業者に自明である。単純化するために、これ以上は例示しない。第2レール26は、前端部とも称してよい第1端部26aと、後端部とも称してよい第2端部26bとを有する。
【0015】
好ましくは第2レール26は、第3壁38aと、第4壁38bと、第3壁38a及び第4壁38bの間に接続された第2長手方向壁40とを含む。第2レール26の第3壁38aの長手方向での長さは、第4壁38bの長手方向での長さよりも実質的に大きい。例えば、第2レール26の第2端部26bの第4壁38bと第2長手方向壁40の一部とは、傾斜辺又は傾斜角を形成するように切断され、これにより、第2レール26の第3壁38aの長手方向での長さは第4壁38bの長手方向での長さよりも実質的に大きい。
【0016】
好ましくは、第2レール26が第1レール22の通路34の中に取り付けられたときに、第2レール26の第3壁38a,第4壁38b及び第2長手方向壁40は、第1レール22の第1壁30a,第2壁30b及び第1長手方向壁32とそれぞれ隣接する。スライドレール組立体20はさらに、第1レール22の通路34に可動に取り付けられたスライド補助デバイス42を含む。スライド補助デバイス42は複数の転動部材43(例えばボール又はローラー)を含み、これらは第2レール26を支持するように構成され、第2レール26と第1レール22との間の移動する滑らかさを大きくする。
【0017】
図5,6,7に示すように、各支持部材24,36(第1支持部材24の本体部33など)は、第1支持部44と、第2支持部46と、第1支持部44及び第2支持部46の間に配置されたガイド部48とを含む。第1支持部44は第1横幅T1を有し、第2支持部46は第2横幅T2を有する。第1横幅T1は第2横幅T2よりも大きい。本実施形態では、第1支持部44と第2支持部46とは二つの退避したスロットであるが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
好ましくは、各支持部材24,36(例えば第1支持部材24の本体部33)はさらに、第2支持部46と隣接する第3支持部49を含む。
【0019】
好ましくは、ガイド部48は傾斜面又は円弧面を有する。
【0020】
好ましくは、高さの差Kが、第1支持部44と第2支持部46との間に規定される(
図7に示す)。
【0021】
好ましくは、第1支持部材24と第2支持部材36とがそれぞれ第1レール22の第1壁30aと第2壁30bとに取り付けられたときに、第1高さH1が第1支持部材24の第1支持部44と第2支持部材36の第1支持部44との間に規定される。第2高さH2が、第1支持部材24の第2支持部46と第2支持部材36の第2支持部46との間に規定される。この第1高さH1が第2高さH2よりも大きい(
図7に示す)。
【0022】
図8に示すように、第2レール26は、第1レール22の通路34から取り外しができる。即ち、第2レール26と第1レール22とが互いに離れる。なお、第3高さH3が第2レール26の第3壁38aと第4壁38bとの間に規定され、第1高さH1が第3高さH3よりも大きいことに注目することとする。これに加え、第2レール26が第1レール22の通路34から取り外されたときに、第2レール26は各支持部材24,36の識別機能部35を用いて、再挿入されることができる。第2レール26の第2端部26bを識別機能部35に従って第1レール22の入口に向けて揃えることは、維持するスタッフにとって有益なことである。これにより、第2レール26は再度、第1レール22の通路34に容易に取り付けができる。
【0023】
図8〜11に示すように、第2レール26が第1レール22の通路34の外から第1レール22の通路34に取り付けられたときに、第1支持部材24の第1支持部44は、第2レール26を支持するように構成されている(
図9に示す)。第2レール26が取り付け方向D1に移動されたときに、第2レール26は、第1支持部材24のガイド部48を介して第1支持部材24の第2支持部46へガイドされ(
図10に示す)、第1支持部材24の第2支持部46は、第2レール26を支持するように構成されている(
図11に示す)。
【0024】
好ましくは、取り付けの過程の間に、第2レール26の第2端部26bは、第1高さH1が第3高さH3よりも大きいので、第1レール22の入口から通路34へ容易に挿入ができる(
図8に示す)。さらに、第2レール26の第3壁38aの長手方向での長さは、第4壁38bの長手方向での長さよりも実質的に大きい。従って、第2レール26の第3壁38aは、第1支持部材24の第1支持部44に予備的に支持されることができる(
図9に示す)。第2レール26が取り付け方向D1に移動されたときに、第2レール26は、第2レール26が第1支持部材24の第2支持部46に位置するまで(
図11に示す)、第1支持部材24のガイド部48によってガイドされることができる(
図10に示す)。この状態で、第1支持部材24の第2支持部46と第2支持部材36の第2支持部46とは、それぞれ、第2レール26の第3壁38aと第4壁38bとを支持することができる(
図11に示す)。
【0025】
図12に示すように、第2レール26がさらに取り付け方向D1に移動され、第1レール22の通路34に取り付けられたときに、スライド補助デバイス42の複数の転動部材43は第2レール26を支持するように構成できる。好ましくは、スライド補助デバイス42は複数の上側転動部材43と複数の下側転動部材43とを含み、それぞれ、第2レール26の第3壁38aと第4壁38bとを支持するように構成されている。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、少なくとも一つのスライド補助構造、例えば第1スライド補助構造51及び第2スライド補助構造52を含む。第1スライド補助構造51と第2スライド補助構造52とは両方とも、複数の転動機能部54を含む。複数の転動機能部54(例えばボール又はローラー)は、第1レール22と第3レール28との間の移動の滑らかさをよくするために、第1レール22の第1壁30a及び第2壁30bを支持するように構成されている。
【0026】
なお、第2レール26が第1レール22の通路34に取り付けられたときに、第2レール26は、取り付け方向D1と逆の取り外し方向D2に長手方向に移動されることができ、第1レール22の通路34から取り外される(
図8も参照する)。
【0027】
図13〜16に示すように、第2レール26の第3壁38a及び第4壁38bの横断面は、ともに円弧状区間56と端区間58とを含む。円弧状区間56は、第2長手方向壁40から横断方向に(横に)延ばされている。円弧状区間56の輪郭線は、複数の転動部材43(例えばローラー)の輪郭に対応していてよい。端区間58は円弧状区間56に接続されている。
【0028】
さらに、第3高さH3よりも大きい第1高さH1をもって(
図13に示す)、第1レール22の通路34の外から第2レール26を第1レール22の通路34に取り付けたときに、もし載せる物品が重かったり取り付けスペースが小さかったりした場合に、維持するスタッフは、傾斜角を伴って、第2レール26を第1レール22の入口から通路34に挿入してよい(
図13に示す)。第2レール26の第3壁38aの端区間58は第1支持部材24の第1支持部44によって、予備的なものとして支持されてよい。好ましくは、第1支持部材24の第1支持部44の第1横幅T1は、第2レール26の第3壁38aの端区間58の横幅よりも実質的に大きい。従って、第2レール26の第3壁38aの端区間58には、第1横幅T1だけ移動スペースが形成され、これにより第2レール26の第3壁38aの端区間58が、容易に第1横幅T1のスペースに挿入され、第1支持部44に支持されることを可能にする。一方、第1支持部材24の第1支持部44の第1横幅T1が第2レール26の第3壁38aの端区間58の横幅よりも実質的に大きいので、第1支持部材24の第1支持部44と第2レール26の第3壁38aの端区間58との間の取り付け許容量が第1横幅T1によって許される。これにより、第2レール26は予め取り付けられた位置へ調節されることができる(
図14に示したが、
図9もまた参照する)。第2レール26が取り付け方向D1に移動したときに、第2レール26が第1支持部材24の第2支持部46へガイドで移動するまで(
図16に示したが、
図11もまた参照する)、第2レール26は第1支持部材24のガイド部48によってガイドされることができる(
図15に示したが、
図10もまた参照する)。この状態で、第1支持部材24の第2支持部46は、第2レール26の第3壁38aの端区間58を支持するように構成でき、第2支持部材36の第2支持部46は、第2レール26の第4壁38bの端区間58を支持するように構成できる(
図16に示したが、
図11もまた参照する)。これに加えて、第1支持部材24の第3支持部49は、第2レール26の第3壁38aの円弧状区間56を支持するために湾曲した輪郭線又は凸の輪郭線を有する。第2支持部材36の第3支持部49は、第2レール26の第4壁38bの円弧状区間56を支持するために湾曲した輪郭線又は凸の輪郭線を有する。
【0029】
言い換えれば、第2レール26は第1支持部材24の第1支持部44に支持されたときに、維持するスタッフは第2レール26を押すのに力を取り付け方向D1に加えさえすればよく、これにより第2レール26は、第2レール26が全体的に第1レール22の通路34内に位置するまで、第1支持部材24のガイド部48に沿って第2支持部材36の第2支持部46及び第1支持部材24の第2支持部46へ移動されることができる。第2レール26はスライド補助デバイス42の複数の転動部材43に支持されることができる。
【0030】
図17,18に示すように、二つのスライドレール組立体20はラックキャビネット(図示せず)の両側に配置されてよい。各スライドレール組立体20は第1レール22,第2レール26及び第3レール28を含む。この二つのスライドレール組立体20の第2レール26は、載せる物品60の両側に配置されてよい。
【0031】
第2レール26が第1レール22の通路34から取り外され、第2レール26が第1レール22の通路34の外から第1レール22の通路34に再挿入されるときに、上記の取り付け方式と同様、第1支持部材24の第1支持部44は、予備的に第2レール26を支持するように構成できる(
図17に示したが、
図9,14もまた参照する)。第2レール26が取り付け方向D1に移動されたときに、第2レール26は、第1支持部材24のガイド部48を介して第1支持部材24の第2支持部46へガイドされる(
図18に示したが、
図11,16もまた参照する)。第1支持部材24の第2支持部46は、第2レール26を支持するように構成される。
【0032】
なお
図5,7に示すように、第1支持部材24がさらに支持区間240と接続ガイド区間241とを含むことに注目することとする。横断方向(即ちY軸方向)に第1支持部材24の支持区間240と第1支持部44との間に、一つの距離が規定され、接続ガイド区間241は支持区間240の片側と、第1支持部44の片側とに接続され、ガイド傾斜面となる。第2レール26が傾斜角をもって入口から第1レール22の通路34にはいり、端区間58が支持区間240に位置するときに、端区間58は、横断方向(即ちY軸方向)に接続ガイド区間241に向けて同期して移動されるように、別の第1支持部材24での別の第2レール26の位置調節に従う。さらに端区間58は第1支持部44へガイドされる。言い換えれば、ガイド傾斜面(例えば接続ガイド区間241)は、第2レール26の第3壁38aの端区間58を第1支持部材24の第1支持部44へガイドするように構成されてよい。
【0033】
本発明の実施形態はまた、スライドレール組立体20のレール取り付け方法を提供する。レール取り付け方法は下記のステップを備えている。
【0034】
通路34を有する第1レール22を提供するステップであり、スライド補助デバイス42が通路34に配置され、スライド補助デバイス42が複数の転動部材43を含んでいるステップ。
【0035】
第1レール22に配置され、通路34の入口(例えば通路34の進入路)に位置する第1支持部材24を提供するステップであり、この第1支持部材24は、第1支持部44と、第2支持部46と、第1支持部44及び第2支持部46の間に配置されたガイド部48とを含み、高さの差Kが、第1支持部44と第2支持部46との間に規定されるステップ。
【0036】
第2レール26を提供するステップであり、この第2レール26が第1レール22の通路34の外から第1レール22の通路34に取り付けられたときに、第1支持部材24の第1支持部44は第2レール26を支持するように構成されているステップ。
【0037】
取り付け方向D1に沿って第2レール26を押圧するステップであり、第2レール26を移動させ、これにより、第2レール26はガイド部48を介して第2支持部46へガイドされ、この第2レール26がさらに取り付け方向D1に移動されたときに、スライド補助デバイス42の複数の転動部材43が第2レール26を支持するように構成されているステップ。取り付け方法の技術的特徴が上記のように例示され、
図9〜16に開示されるので、単純化のためにこれ以上の説明は省く。
【0038】
従来技術と比較して、本実施形態のスライドレール組立体20は下記の点から従来技術に対して利点を有する。
【0039】
1:第1支持部材24が第1レール22に配置され、第1支持部材24は第1支持部44と、第2支持部46と、ガイド部48とを含む。第2レール26が第1レール22の通路34の外から第1レール22の通路34に取り付けられたときに、第2レール26は予備的に第1支持部44に支持されることができる。第2レール26がさらに取り付け方向D1に移動されたときに、第2レール26はガイド部48を介して第2支持部46へガイドされ、第2支持部46は第2レール26を支持するように構成される。
【0040】
2:第2レール26が第1レール22の通路34に取り付けられたときに、スライド補助デバイス42の複数の転動部材43は、第2レール26を支持するように構成できる。
【0041】
3:第1高さH1は、第1支持部材24の第1支持部44と第2支持部材36の第1支持部44との間に規定され、第2高さH2は、第1支持部材24の第2支持部46と第2支持部材36の第2支持部46との間に規定される。第1高さH1は第2高さH2よりも大きい。第3高さH3は第2レール26の第3壁38aと第4壁38bとの間に規定される。この第1高さH1は第3高さH3よりも大きい。
【0042】
4:第2レール26の第3壁38aの長手方向での長さは、第4壁38bの長手方向での長さよりも実質的に大きい。
【0043】
当業者は、本発明の教示に従う間は、装置及び方法の多数の変形及び改変がなされてよいことを容易に観察することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲及び限度によってのみ限定されるものとして解釈されることとする。