特開2021-178669(P2021-178669A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-178669再使用可能な袋及びそのリサイクル方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-178669(P2021-178669A)
(43)【公開日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】再使用可能な袋及びそのリサイクル方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/02 20060101AFI20211022BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20211022BHJP
【FI】
   B65D30/02ZAB
   B29B17/02ZBP
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-85858(P2020-85858)
(22)【出願日】2020年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】598110219
【氏名又は名称】株式会社アクシス
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 福一
【テーマコード(参考)】
3E064
4F401
【Fターム(参考)】
3E064AA13
3E064AB30
3E064AC30
3E064AD30
3E064BA21
3E064BC20
3E064EA30
3E064GA10
3E064HA02
3E064HC02
4F401AD02
4F401AD04
4F401AD07
4F401BA13
4F401CA02
4F401CA31
4F401CA35
4F401CA46
4F401CA53
4F401EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インク層を容易且つ低コストで除去でき、且つ、除去されたインク層によりリサイクル原料である不織布を着色することのない、インク層を有する不織布からなる袋を提供すること。
【解決手段】不織布からなる再使用可能な袋であって、該袋の表面に、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが該インク層を接着剤層側に面して接着されてなり、該フィルムの接着剤層側の表面がコロナ処理面、プラズマ処理面又はフレーム処理面である、袋。また、本発明は回収率が高く、且つ、消費者の費用負担を低減できる、不織布からなる再利用可能な袋である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布からなる再使用可能な袋であって、
該袋の表面に、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが該インク層を接着剤層側に面して接着されてなり、
該インク層が、フレキソ印刷インク層又はグラビア印刷インク層であり、そして
該フィルムのインク層を有する側の表面がコロナ処理面、プラズマ処理面及びフレーム処理面からなる群から選択される処理面である、
袋。
【請求項2】
前記フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載の袋。
【請求項3】
前記接着剤層が、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール又はその混合物を含むポリマーブレンドからなる、請求項1又は請求項2に記載の袋。
【請求項4】
前記接着剤層が、20℃の水100gに対して20g未満、且つ、60℃の水100gに対して60g以上の溶解度を有する、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の袋。
【請求項5】
さらに、前記袋の袋体に、書き込み及び読み出しが可能なデータ保持手段を取外し容易に取付けてなり、そして
該データ保持手段には、該袋の使用に関するデータが保持されてなる、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の袋。
【請求項6】
前記データ保持手段は非接触型のRFIDタグである、請求項5に記載の袋。
【請求項7】
前記データが不織布袋の製造情報、不織布袋の使用回数、不織布袋の使用日時、不織布袋を使用して購入した商品の購入履歴、及び不織布袋の使用により付与されるポイントからなる群から選択される少なくとも1種以上のデータである、請求項5又は請求項6に記載の袋。
【請求項8】
請求項7に記載の購入履歴を利用して、前記購入した商品に関する情報を提供する手段を備える、情報提供システム。
【請求項9】
フィルム表面に、コロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理を行う表面処理工程、
該表面処理された処理面に、グラビア印刷又はフレキソ印刷によりインク層を設ける印刷工程、及び
インク層を有するフィルム表面に温水溶解性を有する接着剤層を設け、次いで得られた接着性フィルムを不織布からなる袋の袋体表面に貼り合わせ、加熱接着する接着工程、
を含む、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが接着されてなる袋体を有する、不織布からなる再使用可能な袋の製造方法。
【請求項10】
使用後の請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の袋を回収する回収工程、及び
該回収された袋を、温水又はアルカリ水溶液に浸漬することにより前記接着剤層を溶解して、インク層を有するフィルムと、不織布の袋とを分離する分離工程、
を含む、袋のリサイクル方法。
【請求項11】
使用後の請求項5乃至請求項7の何れか一項に記載の袋を回収する回収工程、
該回収された袋から、前記データ保持手段を取外す工程、及び、その後、
該袋を、温水又はアルカリ水溶液に浸漬することにより前記接着剤層を溶解して、インク層を有するフィルムと、不織布の袋とを分離する分離工程、
を含む、袋のリサイクル方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布からなる再使用可能な袋及びそのリサイクル方法に関し、より詳しくは、その袋の表面に、インク層を有するフィルムを有するものであって、そのフィルムの分離除去が容易な不織布からなる袋、及びそのリサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護、資源保護のため、また地球環境に対する意識の向上から、スーパー等のレジで用いられるポリオレフィンフィルム製の買物袋の代わりとして、再使用可能な不織布製の買物袋が使用されている(特許文献1参照)。この不織布製の買物袋は、繰り返し使用することにより、レジ袋の削減に貢献できるだけでなく、使用後に回収し、再び不織布にリサイクルすることにより資源保護にも有効である。
ところで、不織布製の買物袋としては、小売店ごとに識別するために、無職又は染色された不織布に、キャラクター、ロゴ、宣伝広告等の文字或いは模様が印刷された不織布製の買物袋が使用されている。この印刷された不織布製買物袋のリサイクルを容易にするために、例えば、ポリビニルアルコールを添加した水性フレキソインキをシルクスクリーン印刷した、洗剤を含む温アルカリ水で除去できるシルクスクリーン印刷インク層を有する不織布袋が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−172283号公報
【特許文献2】特開2012−201747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2には、回収した不織布袋を、洗剤を含む温アルカリ水溶液に浸漬してインク層を取り除き、不織布を洗浄することにより、不織布のリサイクル原料として再利用できる旨が記載されている。しかし、取り除かれたインク層の一部が温アルカリ水溶液に溶解又は分散して、不織布に付着したり、不織布を着色したりしてしまうので、回収した不織布をリサイクル原料とするには、洗浄するだけでなく、脱色又は染色する工程が必要となり、手間とコストがかかるという問題がある。
また、不織布製の買物袋は、使用した後、リサイクルに出すことなくゴミとして廃棄されてしまうこともあるので、不織布製の買物袋の回収率を向上することが望まれている。
さらに、一部の消費者を除いて、無料でもらえるレジ袋に代えて、有料の不織布製の買物袋を使用する個人的な利点は少ない。また小売店も、レジ袋よりも費用負担のかかる不織布製の買物袋を無料配布するには、その費用を小売店が負担するか又は商品に転換して消費者が負担する必要があるという問題もある。
【0005】
そのため、本発明は、インク層を容易且つ低コストで除去でき、加えて、除去されたインク層によりリサイクル原料である不織布を着色することのない、インク層を有する不織布からなる袋を提供することを目的とする。
また、本発明は、インク層を有する不織布からなる袋から、インク層のインクにより着色されず、脱色又は染色工程の不要な不織布のリサイクル原料を得ることができる袋のリサイクル方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、回収率が高く、且つ、消費者の費用負担を低減できる、不織布からなる再利用可能な袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、表面処理面にインク層を設けたフィルムを用いることにより、リサイクル工程でフィルム層からインク層が分離せず、不織布が着色又は染色しないことを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の[1]乃至[11]の態様からなる。
[1]不織布からなる再使用可能な袋であって、該袋の表面に、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが該インク層を接着剤層側に面して接着されてなり、該インク層が、フレキソ印刷インク層又はグラビア印刷インク層であり、そして該フィルムのインク層を有する側の表面がコロナ処理面、プラズマ処理面及びフレーム処理面からなる群から選択される処理面である、袋。
[2]前記フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、[1]に記載の袋。[3]前記接着剤層が、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール又はその混合物を含むポリマーブレンドからなる、[1]又は[2]に記載の袋。
[4]前記接着剤層が、20℃の水100gに対して20g未満、且つ、60℃の水100gに対して60g以上の溶解度を有する、[1]乃至[3]の何れか一つに記載の袋。[5]さらに、前記袋の袋体に、書き込み及び読み出しが可能なデータ保持手段を取外し容易に取付けてなり、そして該データ保持手段には、該袋の使用に関するデータが保持されてなる、[1]乃至[4]の何れか一つに記載の袋。
[6]前記データ保持手段は非接触型のRFIDタグである、[5]に記載の袋。
[7]前記データが不織布袋の製造情報、不織布袋の使用回数、不織布袋を使用して購入した商品の情報、及び不織布袋の使用により付与されるポイントからなる群から選択される少なくとも1種以上のデータである、[5]又は[6]に記載の袋。
[8][7]に記載の購入履歴を利用して、前記購入した商品に関する情報を提供する手段を備える、情報提供システム。
[9]フィルム表面に、コロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理を行う表面処理工程、該表面処理された処理面に、グラビア印刷又はフレキソ印刷によりインク層を設ける印刷工程、及びインク層を有するフィルム表面に温水溶解性を有する接着剤層を設け、次いで得られた接着性フィルムを不織布からなる袋の袋体表面に貼り合わせ、加熱接着する接着工程、を含む、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが接着されてなる袋体を有する、不織布からなる再使用可能な袋の製造方法。
[10]使用後の[1]乃至[4]の何れか一つに記載の袋を回収する回収工程、該回収された袋を、温水又はアルカリ水溶液に浸漬することにより前記接着剤層を溶解して、インク層を有するフィルムと、不織布の袋とを分離する分離工程、を含む、袋のリサイクル方法。
[11]使用後の[5]乃至[7]の何れか一つに記載の袋を回収する回収工程、該回収された袋から、前記データ保持手段を取外す工程、及び、その後、該回収された袋を、温水又はアルカリ水溶液に浸漬することにより前記接着剤層を溶解して、インク層を有するフィルムと、不織布の袋とを分離する分離工程、を含む、袋のリサイクル方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の袋は、高い温水溶解性を有する接着剤層を介して、不織布からなる袋の表面に、インク層を有するフィルムを、インク層を有する面が接着剤層側となるように接着されてなるので、袋を温水に浸漬するだけで袋体からインク層を有するフィルムを容易に除去できる。ここで、水より比重の軽い不織布と、水より比重の重いフィルムとを採用することで、本発明の袋を温水に浸漬したとき、接着剤層の溶解とともに、不織布の袋は浮上し、一方、フィルムは沈み、従って、両者を容易に分離できる。袋とフィルムの分離は両者の比重差が大きい程、より容易となる。したがって、本発明によれば、不織布の袋とフィルムを容易に分離し、回収することができる。
加えて、フィルムのインク層を有する面がコロナ処理面、プラズマ処理面及びフレーム処理面からなる群から選択される処理面であるので、フィルムとインク層との密着性が非
常に強い。そのため、温水中でフィルムからインク層が剥がれず、インク層が温水中に溶解・分散したりすることがないので、リサイクルの工程で不織布を着色することがない。
つまり、本発明によれば、インク層を有するフィルムを袋から容易且つ低コストで除去でき、加えて、フィルムとともに除去されたインク層によりリサイクル原料である不織布を着色することのない、不織布からなる袋を提供することができる。
また、本発明によれば、インク層を有するフィルムが接着されてなる不織布からなる袋から、脱色又は染色工程の不要な不織布のリサイクル原料を得ることができる袋のリサイクル方法を提供することができる。
また、本発明によれば、袋に設けたデータ保持手段から袋の使用に関するデータを収集できる点、又は袋に他社の宣伝広告を印刷したフィルムを接着することにより、利益を得ることができるので、配布者の費用負担が少なく、またその利益を消費者に還元することにより回収率の向上が期待できる、不織布からなる再利用可能な袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例2の不織布からなる袋の斜視図である。
図2図2は、図1の図面から一部抜粋したA−A’端面図である。
図3図3は、製造例1のフレキソ印刷インク層を有するフィルムを接着した不織布の製造工程を表す模式図である。(a)はコロナ処理面を有するフィルムを表し、(b)はフィルムのコロナ処理面にインク層を設ける印刷工程を表し、(c)はインク層を有するフィルム表面に温水溶解性を有する接着剤層を設ける接着性フィルムの形成する工程を表し、(d)は不織布に接着性フィルムを貼り合わせる接着工程を表す。
図4図4は、実施例1の不織布からなる袋の製造工程を表す模式図である。(a)は不織布シートを折り畳む工程を表し、(b)は折り目部の一部を切除して把手を形成する工程を表し、(c)は左右の長辺部をそれぞれ超音波シールして接合する工程を表し、(d)は左右の長辺部を沈め折りし、下端部と短辺部とを縫合して袋体を形成する工程を表す。
図5図5は、実施例2の不織布シート2からのPETフィルム4の分離試験を表す模式図である。(a)は印刷層5を有するPETフィルム4が接着した不織布シート2を表し、(b)は温水槽中で分離した、インク層5を有するPETフィルム4と不織布シート2とを表す模式図である。
図6図6は、比較例2の不織布シート32からのシルクスクリーン印刷インク層35の分離試験を表す模式図である。(a)はインク層35を有する不織布シート32を表し、(b)は温水槽中で分離した、インク層35と不織布シート32とを表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の不織布からなる再使用可能な袋は、該袋の表面に、温水溶解性を有する接着剤層を介して、インク層を有するフィルムが該インク層を接着剤層側に面して接着されてなり、該インク層が、フレキソ印刷インク層又はグラビア印刷インク層であり、そして該フィルムのインク層を有する側の表面がコロナ処理面、プラズマ処理面及びフレーム処理面からなる群から選択される処理面である袋に関する。
【0010】
<不織布からなる再使用可能な袋>
本発明の袋は、不織布から形成されている袋であればよく、そのサイズ及び形状は特に制限されない。例えば、買物袋、スーツ袋、布団収納袋等の様々な袋が挙げられる。好ましくは、再使用されることが多く、使用後にリサイクル材料として回収しやすい買物袋、いわゆるレジ袋の形状の袋が挙げられる。
【0011】
また、本発明の袋に使用される不織布は、公知の不織布を使用でき、好ましくはリサイ
クルの容易さ、強度、成形性等の面から、ポリオレフィン製の不織布、例えばポリエチレン不織布又はポリプロピレン不織布が使用される。なかでも、再生が容易なポリプロピレン不織布が好ましい。
また、後述する袋のリサイクル時に、温水に浸漬して接着剤層が溶解することにより、インク層を有するフィルムと分離した不織布の袋の回収が容易になるように、袋を構成する不織布として、フィルムより比重が軽いもの、特にフィルム及び水よりも比重が軽いものが好ましい。例えば比重0.8〜1.1、好ましくは比重0.8〜0.99、より好ましくは比重0.9〜0.95のポリプロプレン製不織布が挙げられる。これにより、本発明の袋を温水中に浸漬した場合、接着剤層の溶解とともに、不織布の袋は浮上するので、フィルムが分離した不織布の袋をより簡易に回収できる。
不織布は軽量で、折り畳んだり丸めたりでき、また使用時に再展開して容易に元の形状に戻すこともできるので携帯性に優れ、再使用する袋として利用できる。
また、袋を同一の素材からなる不織布及び糸から製造することで、分解分別する必要なく、そのまま再生工程に送ることができるので、袋のリサイクル化は非常に容易である。
【0012】
また、本発明に用いられる不織布は、無着色のもの、又は慣用の不織布染色技術、例えばビーム染色、液流染色、ディッピングなどの染色法によって染色したものを用いることができる。例えば、買物袋として緑色の不織布からなる袋を使用することで、従来の乳白色又は透明なポリエチレン製買物袋と一目で区別でき、環境・地球に優しい活動を行っている人・企業であることをアピールすることもできる。
染色した不織布によって製造された本発明の袋をリサイクルにより再利用する場合、色別に分別回収し、各々再生することによって、回収された袋材料を脱色・染色することなく、それより新たな袋を再生産することができる。
【0013】
<フィルム>
本発明におけるフィルムは、一方の表面にフレキソ印刷インク層又はグラビア印刷インク層を有し、フィルムのインク層を有する側の表面が、コロナ処理面、プラズマ処理面及びフレーム処理面からなる群から選択される処理面となっている。
【0014】
フィルム基材としては、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の透明な樹脂フィルムが挙げられる。なかでも、耐擦傷性、透明性、耐水性、耐候性及び加工性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
また、後述する袋のリサイクル時に、温水に浸漬して接着剤層が溶解することにより、インク層を有するフィルムと分離した不織布の袋の回収が容易になるように、フィルム基材として、不織布より比重が重いもの、特に不織布及び水よりも比重が重いものが好ましい。例えば、比重1.0〜2.0、好ましくは比重1.1〜1.5のフィルム基材が挙げられる。これにより、本発明の袋を温水中に浸漬した場合、接着剤層の溶解とともに、フィルムは沈むので、フィルムが分離して浮上した不織布製の袋をより簡易に回収できる。
フィルム基材の厚みは、インク転移性を向上し、版かぶりを抑制する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは12μm以上であり、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは40μm以下である。
【0015】
また、フレキソ印刷及びグラビア印刷適性を向上させる観点から、フィルム基材の印刷する表面を、例えばコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、熱風処理、クロム酸処理、オゾン・紫外線処理等により酸化させ、ぬれ性を向上させた処理面となし、インク層及び以下に説明する接着剤層の密着性を向上させることができる。特に、印刷する表面をコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理により、処理面となすことが好ましい。
【0016】
本発明におけるコロナ処理、フレーム処理又はプラズマ処理は、フィルムの種類、印刷
方法及びインクの種類によって適宜選択できる。何れの処理方法においても出力、処理スピード等の処理条件を調整できる。処理度が強すぎるとフィルム或いはインク層の表面に荒れや凹凸等が生じ、袋の外観に影響を与えやすい。処理度が低いと、以下に説明する接着層を取り除くために袋を長時間温水又はアルカリ水溶液に浸漬した場合に、インク層がフィルムから剥離してしまう可能性がある。
【0017】
コロナ処理とは、高周波、高電圧のコロナ放電照射によって、表面を処理することをいう。本発明においてコロナ処理装置は一般に用いられるものが使用可能で、例えば春日電機株式会社、巴工業株式会社、株式会社マツボーなどの装置がある。また、印刷機メーカーによっては印刷機に付設されたものもある。
【0018】
フレーム処理は、公知の方法を適用でき、天然ガスやプロパンガス等の可燃性ガスに酸素を吹き込みながら燃焼させたときに生じる火炎で表面を処理することで行われる。フレーム処理装置としては、米国のフリンバーナー社製のフレーム(火炎)処理装置、イタリアのesseCI社製のフレーム(火炎)処理装置、アルコテック社製B1−100等が挙げられる。
【0019】
プラズマ処理は、公知の方法を適用でき、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体の分子を、高周波を用いて電界を加えることで電離させ、これを表面に吹き付けることにより行われる。処理量は気体の流量、印加電圧、周波数、サンプルの移動速度等を調整して行うことができる。プラズマ処理装置としては、例えばAGRODYN社製のPlasa−Treat systemがある。
【0020】
本発明で用いるコロナ処理、フレーム処理又はプラズマ処理のうち、フレーム処理とプラズマ処理は、コロナ処理と比較して処理エネルギーが強いため、処理エネルギーによってはフィルム表面又はインク層表面にダメージを与えるおそれがある。本発明においては、フィルム表面にコロナ処理装置によりコロナ処理を行い、フィルム表面をコロナ処理面となすことが好ましい。
処理量は、コロナ処理の場合は600〜12,000J/m(10〜200W・分/m)、好ましくは1,200〜9,000J/m(20〜180W・分/m)である。コロナ放電処理の効果を十分に得るには600J/m(10W・分/m)以上であり、12,000J/m(200W・分/m)超では処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m(200W・分/m)以下で十分である。
【0021】
また、印刷する前に、フィルム基材の印刷面にプライマー処理を行うこともできる。プライマーとしてはウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂等の公知なプライマーを使用できる。
【0022】
インク層の印刷方法は、フィルムへの印刷に採用される方法であれば特に制限はなく、フレキソ印刷及び活版印刷等の凸版印刷、グラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平板印刷、シルクスクリーン印刷等の孔版印刷などのいずれも採用可能であり、特にPETフィルム等のフィルム基材への印刷性、美粧性、衛生性及び簡便性の観点からフレキソ印刷又はグラビア印刷が好ましい。
フレキソ印刷及びグラビア印刷は公知のフレキソ印刷方式及びグラビア印刷方式を使用できる。また、印刷インクは、温水又はアルカリ水溶液に溶解しないインクであればよく、従来のフレキソ印刷又はグラビア印刷に使用されるインクを使用できる。なかでも溶媒を使用せず環境にやさしくいという観点から、水性インク及びUV硬化インクが好ましい。
【0023】
フレキソ印刷又はグラビア印刷により、各小売店独自のロゴマークや、企業又はその製
品の宣伝広告等の文字・模様等がフィルムに裏刷り印刷される。本発明の袋では、フィルムのインク層を有する面が接着剤を介して袋に張り付けられるので、インク層の表面はフィルムに保護される。そのため、袋の使用時にインク層が傷ついたり、剥がれ落ちたり、色彩が劣化したりするのを防止できる。
【0024】
また、フィルム表面のインク層に、更に隠蔽層を設けることができる。隠蔽層を設けることにより、染色した不織布であっても、不織布の色の影響を受けてインク層の色彩がぼやけることなくきれいに発色したインク層を有するものとなる。
隠蔽層は、白色系インク層からなるか、又は不織布袋の色調と同様若しくはこれに近い色調を有する層である。前記白色インク層は白色インクからなり、該白色インクは、主成分として酸化チタンを主成分として含む白色顔料とバインダ樹脂とを含む。使用される白色顔料としては、酸化チタンを主成分とするのが好ましく、副成分として、酸化亜鉛等を含んでもよい。尚、酸化チタンは、ルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンがあるが、いずれのものでもよい。特に酸化チタンは、白色度、隠蔽力(顔料又は塗料が黒白の下地を完全に隠蔽しうる能力をいう)、着色力において優れた性質を示し、さらに耐薬品性、光や熱に対する安定性が優れる。
隠蔽層に使用されるバインダ樹脂としては、いずれの樹脂を用いてもよく、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はこれらの一部架橋樹脂が挙げられる。
【0025】
<接着剤層>
本発明における接着剤層は、本発明の不織布からなる袋の袋体表面と、フィルムの印刷層を有する面とを貼り合わせて接着できる接着剤からなる層である。また、本発明における接着剤層は、本発明の袋が雨に濡れてもフィルムが剥がれないことが求められる観点から低温の水には溶解せず、一方接着剤層が袋表面から容易に分離されるようにするために、例えば60℃以上の高温の水に接触(浸漬)したときには、容易に溶解してしまう性質を有することが求められる。従って、それら要求を満たすところの高分子としては溶解度が、20℃の水100gに対して20g未満、及び60℃の水100gに対して60g以上であることが好ましい。
【0026】
また、本発明では上記のような特異な耐水性、すなわち60℃以上の高温水には易溶解するが、常温水のような低温水には溶解し難い性質を有する接着剤層として、ポリビニルアルコールを含む接着剤層が好適に用いられる。
本発明に用いられるポリビニルアルコールとしては、上記のような耐水性を有するポリビニルアルコールであれば特に限定はされない、例えばアルコキシ基、エステル基、アルキレンエーテル基など各種の修飾基を有する変性ポリビニルアルコールでもよい。けん化度は、97.5モル%以上が好ましい。とりわけ、ポリビニルアルコールと架橋剤とを重合して得られる架橋構造を有する変性ポリビニルアルコールが好適に用いられる。なかでも、例えば下記式
【化1】
(式中、0≦l≦1、0≦m≦1、0≦n≦1、0.8≦l+m+n≦1)で表される構造を含むアセトアセチル化ポリビニルアルコール(l、m及びnは各構造のモル比を表す。この高分子はランダム重合体であってよく、またブロック重合部分を有していてもよい。)を架橋剤と重合することによって得られる変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば日本合成化学工業(株) 商品名 ゴーセノールNH−26、ゴーセノールNH−20、ゴーセノー
ルNH−18、ゴーセノールN−300、ゴーセノールNM−14、ゴーセノールNM−11、ゴーセノールNL−05、ゴーセノールAH−26、ゴーセノールAH−17、ゴーセノールA−300ゴーセノールC−500、ゴーセノールP−610、ゴーセノールAL−06R、ゴーセノールGH−23、ゴーセノールGH−20、ゴーセノールGH−17、ゴーセノールGM−14、ゴーセノールGM−14L、ゴーセノールGL−05、ゴーセノールGL−03、ゴーセノールKH−20、ゴーセノールKH−17、ゴーセノールKL−05、ゴーセノールKL−03、ゴーセノールKP−08R、ゴーセノールNK−05R、ゴーセファイマーZ−100、ゴーセファイマーZ−200、ゴーセファイマーZ−205、ゴーセファイマーZ−210、ゴーセファイマーZ−220、ゴーセファイマーZ−300、ゴーセファイマーZ−320、ゴーセファイマーZ−410、ゴーセファイマーOKS3540等が挙げられる。
【0027】
本発明で用いられる架橋剤としては、ポリビニルアルコールを架橋させることで上記のような耐水性を付与しうる化合物であれば特に限定されず、例えば、多価金属化合物、ホウ素化合物、アミン化合物、ヒドラジン化合物、シラン化合物、メチロール基含有化合物、アルデヒド基含有化合物、エポキシ化合物、チオール化合物、イソシアネート化合物等を用いることができる。これらは単独で用いても二種類以上を組み合わせて用いても良い。市販品としては、例えばグリオキザールGX(日本合成化学工業社製)、スミマールM−30W(住友化学社製)、ハイリンクDM(Clariant製)が好ましい。架橋剤は、ポリビニルアルコールの質量に対して、0.1質量%より多く2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%より多く1.5質量%以下、また好ましくは0.5より多く1.0質量%以下の量で添加される。架橋剤の添加量が上記の範囲の下限量より少ない場合、架橋度が不十分に低くなるため常温水及び高温水に対する所期の耐水性が得られず、また添加量が上記の範囲の上限量、特に2.0質量%より多くなると、架橋度が相当に高くなるため常温水に対する耐水性が高くなるとともに高温水に対する耐水性も高くなり過ぎ、60℃以上の高温水には易溶解するが、常温水のような低温水には溶解し難いという本発明の接着剤層に要求される耐水性が得られない。
【0028】
本発明で用いられるアセトアセチル化ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールをアセトアセチル化したものが望ましく、その方法としては、ポリビニルアルコールを酢酸溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加させる方法、ポリビニルアルコールをジメチルホルムアルデヒド又はジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法、あるいはポリビニルアルコールにジケテンガス又は液状ジケテンを直接接触させる方法等が好適に用いられる。
【0029】
本発明において、アセトアセチル基が側鎖に導入されたポリビニルアルコールと、架橋剤としてアミン化合物とを反応させた場合、下記のような架橋構造を形成する。
【化2】
また、分子内にアセトアセチル基を有するポリビニルアルコールと、架橋剤としてアルデヒド基含有化合物とを反応させた場合、下記のような架橋構造を形成する。
【化3】
また、分子内にアセトアセチル基を有するポリビニルアルコールと、架橋剤としてメチロール基含有化合物とを反応させた場合、下記のような架橋構造を形成する。
【化4】
また、分子内にアセトアセチル基を有するポリビニルアルコールと、架橋剤として多価金属化合物とを反応させた場合、下記のような架橋構造を形成する。
【化5】
【0030】
また、本発明の上記のような架橋構造を有するアセトアセチル化ポリビニルアルコールは、酸性に溶けにくく強アルカリ性に溶けやすい性質を有するため、60℃以上の高温水以外に、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水を用いることによって容易に溶解することができる。
【0031】
また、本発明における接着剤層は、例えば上記高分子又は上記高分子を水又は溶媒に溶解若しくは分散させた溶液をフィルムのインク層を有する面に塗付又は噴き付け、必要によりプレ乾燥させて、不織布表面に貼りつけて(加熱)圧着又は熱融着することにより、不織布とフィルムとの間に形成することができる。また、例えば薄膜の形態にある温水溶解性を有する高分子を、フィルムのインク層を有する面に積層させ、不織布表面に貼りつけて(加熱)圧着又は熱融着することにより形成することができる。
これにより、不織布とインク層を有するフィルムの間に十分な厚みを有する接着層が形成されるので、該不織布から該インク層を分離するときに容易に分離することができる。
【0032】
本発明の袋において、不織布からなる袋の表面とインク層を有するフィルムとの間に高い温水溶解性を有する接着剤層を介在させることにより、該袋を一定温度以上の温水に浸漬することで、前記接着剤層が温水中に溶解し、前記インク層を有するフィルムを前記袋の表面から容易に分離することができる。このとき温水に浸漬された不織布製買物袋に振
動、例えば超音波振動を加えることによって更により一層フィルムが不織布から剥がれ易くなる。また、分離されたフィルム表面のインク層は一般に水不溶性であり、温水であっても溶解しにくい。さらにフィルムのインク層を有する面を、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理からなる群から選択される処理面としているので、温水中でインク層がフィルムから分離しない。そのため、温水にインク層のインクが溶解したり分散したりすることなく、つまり不織布からなる袋を着色又は染色することなく、袋からインク層を有するフィルムを取り除くことができる。また、本発明の不織布製品からインク層を分離する際、有機溶剤などを使用せず温水だけを使用するので、作業者の健康面への影響、更には土壌汚染等の環境への影響もない。
【0033】
<データ保持手段>
本発明の袋は、袋の使用に関するデータの書き込み及び読み出しが可能なデータ保持手段を設けることができる。
データ保持手段としては、データの書き込み及び読み出しが可能であれば任意の手段が採用できるが、接触型、非接触型、或いはハイブリッド型のICタグ、NFCタグ等のRFIDタグを用いることが好適であり、特に非接触型のRFIDタグを用いることで利便性が高まる。データの書き込みは、可逆であることが好ましいが、追記のみ(不可逆)であっても構わない。
【0034】
RFIDタグは、公知のものを使用でき、例えばアンテナを形成したプラスチック基材上に、非接触型ICチップ等を導電性接着剤等によりアンテナに接続して取り付けてなる非接触型RFIDタグを使用できる。本発明のデータ保持手段は、例えば非接触型RFIDタグをエポキシ樹脂などのモールド材により密封封止したものを採用できる。モールド材により封止することによって、RFIDタグを流通過程などにおける衝撃などから保護し、水濡れ等に耐えられるようになっている。
【0035】
本発明の袋へのデータ保持手段の取付場所は、袋の使用に支障が無ければ、いずれの場所に取り付けても良い。例えば、袋の正面部分、側面部分、又は把手部分など、いずれの場所でも良い。例えば袋にものに収納した際に、データ保持手段が破損、損傷しないよう取り付けられていれば、袋の底面部分であっても構わない。
袋へのデータ保持手段の取付方法は、例えば、不織布袋の把手部分に、データ保持手段及び孔を有するプラスチック基材を、樹脂製のボールチェーン又は結束バンド等により取付けることができる。これにより、データ保持手段を有するプラスチック基材は、ボールチェーン等を取外すことで容易に回収でき、新たな不織布袋に取付けることができる。
【0036】
本発明の袋において、データ保持手段には少なくとも袋の使用に関するデータが記録される。具体的には、買物袋であれば、袋の使用日時、袋の使用回数、使用した店舗、購入した商品購入履歴、購入した金額等が記録可能である。例えば、商品に付されたバーコード或いはRFIDタグのデータを読取り、その情報をRFIDによりデータ保持手段に書き込むことができる。
また、データ保持手段に直接データを書き込まなくても、例えばRFIDタグに登録された個人ID等の個人情報をRFIDで読取り、データ通信装置を備えた情報処理装置に送信し、個人IDごとに上記データを情報処理装置に保存してもよい。本発明のデータ保持手段には、袋に取付けられたRFIDタグ等のデータ保持手段のみならず、RFIDタグを用いる外部の情報処理装置を含むデータ保持手段を含む。なお、情報処理装置には、消費者情報を保存する消費者情報データベースの他に、後述する商品情報データベース、及び料理レシピデータベース等の種々のデータベースを含むことができる。
【0037】
このほか、データ保持手段には次に示すような、袋及び袋に収容される内容物等に関する各種情報、例えば袋の製造者、製造年月日、型番、袋の材質情報(材質、構成、MSD
S情報等)、袋の強度に関する情報(初期強度、使用(回収)回数毎の強度等情報)、購入物又は内容物の商品情報(名称、価格、製造業者、住所、電話等情報)を記録できる。これらの情報は必要に応じて読み出され、また必要に応じて追加記録され、あるいは更新される。
データ保持手段に記録された袋の使用に関するデータ(袋の使用回数、購入履歴等)は、使用の状況に応じて更新され、データ保持手段から情報を読み出し、消費行動の情報を入手することができる。情報を蓄積することによりマーケティング戦略の情報として利用できる。
また、スーツ収納袋や布団収納袋等に使用する場合、袋を開けて内容物及び内容物に付されたタグ表示を確認しなくとも、内容物(スーツ、生地、素材、サイズ等)を確認することもできる。
【0038】
<情報提供システム>
また、本発明は、購入履歴等のデータ保持手段に記録されたデータを利用して、購入した商品に関する情報を提供する手段を備える、情報提供システムに関する。
例えば、RFIDタグに記録されたデータの読取り手段を有する、消費者が使用する消費者端末を用いて、RFIDタグから情報を読出し、消費者は購入履歴等の情報の提供を受けることができる。また、消費端末を用いて、RFIDタグの外部に記載されたバーコード又は二次元コードを読取り、RFIDタグの個人IDを消費者端末から情報処理装置に送信し、受信した個人IDに基いたデータを情報処理装置から消費者端末に送信し、消費者端末で受信したデータを表示することで、消費者は購入履歴等の情報の提供を受けることができる。
これにより、消費者は店舗にいながら、定期的に購入している商品、及び消費期限の短い商品等をいつ購入したかを知ることができるので、商品の購入し忘れることを防止することができる。
【0039】
また、例えば、データ通信手段、顧客情報データベース、商品情報データベース及び料理レシピデータベースを備えた情報処理手段を介して、RFIDタグに記録された個人コード読取り装置、データ通信手段及び表示装置を備えた消費者が使用する消費者端末に、購入した商品に関する情報を提供できる。
ここで顧客情報データベースは、消費者を識別する顧客コードをキーとして、消費者情報及び消費者の購入履歴等の情報を保存する。
商品情報データベースは、店舗で販売されている商品に関する情報、例えば商品を識別する商品コードをキーとして、商品名や価格、販売単位、在庫、売場の情報を保存する。さらに、特売品テーブルを追加し、日々変化する特売品の情報についても保存する。なお、商品情報データベースに保存する情報は上記の形態に限定されるものではない。例えば、商品の生産地や生産者、消費期限情報を追加しても良い。
料理レシピデータベースは、少なくとも複数の料理レシピ情報が保存されている。料理レシピを識別するレシピコードをキーとして、料理に必要な食材や量、及びその料理に加えることができる推奨商品の情報を保存する。
RFIDタグに記録された個人コード読取り装置としては、RFID、又はRFIDタグに印刷されたバーコード若しくは二次元バーコードを読取ることができる装置が挙げられる。
【0040】
例えば、個人コードを読取り装置で読取ったRFIDタグの個人コードを消費者端末から情報処理装置に送信し、情報処理装置から消費者端末に購入した商品に関する情報を提供し、消費者端末表示装置にその情報を表示して、該情報を提供することができる。
ここで、情報処理端末から提供される購入した商品に関する情報としては、購入履歴等の顧客情報データベースに記録された情報、特売品情報等の商品情報データベースに記録された情報、並びに料理レシピ及びその料理レシピに必要な食材及びその量等の料理レシ
ピデータベースに記録された情報が挙げられる。料理レシピは、購入履歴に記載された商品、特売品、並びに消費者端末から入力された検索条件に基いて、料理レシピデータベースに登録された料理レシピ及び必要材料と合わせて、消費者端末に送信することもできる。
また、消費者端末において、情報処理装置から受信した情報のうち必要な情報を登録することができ、店舗で速やかにその情報を確認することができる。また、店舗で販売する商品にRFIDタグを付している場合、レジで購入処理する前に、買物かごに入れた商品のRFIDを消費者端末で読取ることで、買物客が事前に登録した商品に対して不足している商品の情報を情報処理装置から消費者端末に送信し、更なる商品の購入を促すことができる。
これにより、袋の使用者は効率よく商品を購入することが可能となり、また店舗は購入する商品を決めて来店した消費者に対しても、さらなる商品の購入、及び関連した商品の販売促進効果を得ることができる。
【0041】
<袋の製造方法>
本発明の袋は、袋の用途及び形状に合わせて公知の方法で製造することができ、形成された袋の表面にインク層を有するフィルムを接着したものでもよいし、インク層を有するフィルムを接着した不織布から袋を形成しても良い。
例えば、印刷面をコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理により処理面とした連続フィルムを準備し、連続フィルムを走行させるとともに、ロール・ツー・ロール方式により、該フィルムの処理された表面に所定の間隔でフレキソ印刷又はグラビア印刷によるインク層(印刷部分)を形成した、インク層を有する連続フィルムを予め準備しておく。そして自動製袋機を用いて不織布からなる袋を形作る過程の前、途中又は後において、上記接着剤により連続フィルムを不織布の表面に連続して熱ロール圧着して袋を製造することにより、数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設けることができる。
【0042】
本発明の袋には、フィルムを2か所以上に接着することもできるし、2か所以上にフィルムを接着した不織布から袋を形成することもできる。2か所以上にフィルムを接着する場合、インク層の模様・文字当は同じでも異なっていても良い。例えば、袋の一方の面に自社(小売店等)を識別するためのロゴマーク等の文字・模様等する印刷を行ったフィルムを接着し、他の面に他社(商品の製造会社等)又は他社商品の宣伝広告等の文字・模様等する印刷したフィルムを接着しても良い。製造業者等は企業又は商品の宣伝広告を行うことができ、小売店は製造業者の宣伝広告費を不織布からなる袋の製造費又は購入費に使用することで、小売店の不織布からなる袋の費用負担を抑えることができる。
【0043】
例えば、従来のポリエチレン製レジ袋と同じ形状の袋であれば、不織布シートを用意し、該シートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折畳み、形成された折り目部の一部を切除して左右一対の把手及び必要により一対の結び止め片を形成し、次いで、重ねられた左右の長辺部を接合してなり、続いて接合した該左右の長辺部を、完成した袋体にまちを設ける長さだけ内側に沈め折りし、前記沈め折り部の下端とこれに重なる前記短辺部とを接合して、前記袋体の側部と底部を形成すことにより製造することができる。形成した袋にフィルムを接着しても良いし、例えばロール・ツー・ロールで連続接着性フィルムを接着した連続不織布から切り出した長方形をなす不織布シートを用いて袋を形成しても良い。
【0044】
例えば、従来の紙製の買物袋と同じ形状の袋であれば、長方形をなす不織布シートを、短辺同士が重なるように二つ折に畳み、その折り目部を含む不織布シートの一部を内側に谷折にし、切断したのち、袋側縁部を接合して、必要により開口部に開口部周縁のシートを内側に折り曲げて接合して二層重ね部を形成し、及び袋側縁部のうち開口部周縁及びその近傍及び袋底を形成するシートに含まれる折り目部と連なる部分を、それぞれ接合して
、袋底を有する袋体を形成する。袋体の開口部に不織布シートからなる把手を接合しる。形成した袋にフィルムを接着しても良いし、例えばロール・ツー・ロールで連続接着性フィルムを接着した連続不織布から切り出した長方形をなす不織布シートを用いて袋を形成しても良い。
【0045】
接合には、公知の方法を使用でき、例えばヒートシール或いは超音波シールを使用するか、または不織布と同じポリプロピレン製の糸或いは高い温水溶解性を有する糸で縫着することができる。これにより、糸を外したりする工程を追加することなく、以下に示すようにフィルムを除去した袋をリサイクル原料とすることができる。袋を再使用するには、例えば買物袋の底面部或いは把手と袋体の接合部等の負荷がかかる部分は、ヒートシールよりも接合力の強い縫着により接合することが好ましい。
温水溶解性を有する糸としては、本発明の接着剤層と同程度の溶解性を有していればよく、例えばポリビニルアルコール繊維又はビニロン繊維が挙げられる。
【0046】
なお、本発明の袋は、上記の買物袋に限らず、他の不織布からなる袋、例えば、収納袋、スーツ袋、防虫カバー、布団収容袋などの収納用袋、乾燥剤袋などに使用できる。
なお、フィルムを接着した不織布は、袋に限らず、他の不織布製品の材料、例えば衣服(手術着、実験着、防護服)、防護用品(作業手袋、防煙マスク、防じんマスク、防毒マスク)、医療用品(キャップ、マスク、シーツ類、抗菌マット)、包装資材、生活雑貨(カレンダー、滑り止めシート、アイマスク、ブックカバー、防臭シート)、テーブルトップ(テーブルクロス、ランチョンマット、コースター)、事務用品(封筒)、手芸用品、アイロンマット、OA機器(フロッピー(登録商標)ディスクライナー、CD/DVDケース)などに使用できる。
【0047】
<不織布のリサイクル方法>
本発明の袋のリサイクル方法は、不織布を再生するためのリサイクル原料を得るために、袋を回収する回収工程と、回収した袋を温水に浸漬して袋の表面からインク層を有するフィルムを分離する分離工程とを含むものである。
また、袋体に上記のデータ保存手段を設けている場合、分離工程の前にデータ保持手段を取外す工程を含む。
回収工程では、本発明の袋が複数回使用された後、使用後の袋として回収される。分離工程では上述した方法によりインク層を有するフィルムが袋表面から取り除かれる。そして、フィルムが取り除かれた袋を解砕、開繊等の操作を行って繊維の状態に戻し、該繊維又はこれを加工したペレット等を用いて、必要であればバージンポリプロピレン繊維又はこれを加工したペレットと混合して、再び不織布を基材とする袋等の不織布製品を再生することができる。
【0048】
回収工程において、例えば、データ保持手段に袋の使用回数又は商品の購入金額に関する情報が記録されている場合、使用回数又は購入金額に応じて、販売した買物袋の費用の一部又は全部を返却するデポジット制度、又は新しい買物袋の減額又は無償提供を行うことができる。これにより、袋の回収率の向上、及び多くの消費行動の情報を入手が期待できる。
【0049】
分離工程において、本発明の袋は、不織布からなる袋表面と、インク層を有するフィルムとの間に高い温水溶解性を有する接着剤層を有することにより、該袋を一定温度以上の温水に浸漬することで、前記接着剤層が温水中に溶解し、前記インク層を有するフィルムを前記不織布の表面から容易に分離することができる。このとき温水に浸漬された不織布製買物袋に振動、特に超音波振動を加えることによって更によりフィルムが不織布から剥がれ易くなる。
【0050】
また、袋を構成する不織布は、好ましくはフィルムより比重が軽いもの、より好ましくはフィルム及び水よりも比重の軽いものを採用し、一方、フィルムは、不織布よりも比重が重いもの、より好ましくは不織布及び水よりも比重の重いもの採用する。
これにより、本発明の袋を温水に浸漬したとき、接着剤層の溶解とともに、フィルムが分離した不織布の袋は浮上し、一方、不織布の袋から分離したフィルムは沈むので、フィルムと不織布の袋とを容易に分離できる。つまり、不織布の袋とフィルムとを分離するのに、本発明の袋に特別な処理を施したり、特別や処理溶液を使用したりすることなく、温水を使用するだけでよいので、環境に優しく、簡易であり、且つ、特別な処理を施すリサイクル方法と比してコストを削減できる。
また、回収した大量の袋をまとめて温水中に浸漬しても、接着剤の溶解とともに、不織布の袋は浮上し、フィルムは沈む。そのため、不織布の袋を回収する前に温水からフィルムを取除く工程は必要ない。また浮上してきた大量の不織布の袋を纏めて回収したとしても、沈んでるフィルムは回収物の中にほぼ混入することが無いので、回収物から混入したフィルムを取除く作業を必要としないか、又はほとんど必要としない。特に、不織布の比重と、フィルムの比重との差が大きい程、温水中で不織布の袋と、フィルムとがより分離されるので、不織布の袋の回収時に、フィルムが混入することを防止できる。
したがって、本発明のリサイクル方法によれば、リサイクル原料である不織布からなる袋の回収作業が非常に容易である。
また、本発明に用いられるフィルムは、フィルムのインク層を有する面がコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理により処理面となっているので、フィルムからインク層が分離することなく、つまり温水中にインク層が溶解又は分散することがなく、容易に温水からインク層を有するフィルムのみを取り除くことができる。また、本発明の袋からインク層を有するフィルムを分離する際、有機溶剤などを使用せず水だけを使用するので、作業者の健康面への影響、更には土壌汚染等の環境への影響もない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
不織布からなる再使用可能な袋を製造し、該袋を使用した後、使用済み袋として回収し、そしてそれを不織布シートとして、再び不織布からなる袋を作成することで、袋の再生・再利用することが可能となる。このような循環システムを確立することにより、資源を浪費することなく、また焼却処分も要しないので炭酸ガスの発生もなく、従って、本発明は、環境保全・資源節約の観点から非常に有用である。
【実施例】
【0052】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0053】
[製造例1]:連続不織布シート2の製造
製造例1の連続不織布シート2は、ポリプロピレン不織布3、フレキソ印刷インク層(印刷部分)5を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム4が接着剤層7を介して接着してなる(図2(d)参照)。
まず、印刷面がコロナ処理されたコロナ処理面6を有する幅22cm、厚さ12μmの易印刷性PETフィルム4(図1(a))の巻きを用意し、その連続PETフィルム4の印刷面に、市販の水性フレキソインキクを用いてフレキソ印刷機でインク層5(塗布厚み3μm(乾燥時))を50cm間隔で印刷した(図3(b)参照)。次いで、幅120cmのポリプロピレン不織布3の巻きを用意し、連続PETフィルム4の印刷面にポリビニルアルコール水溶液を塗布して接着剤層7を有する連続接着性フィルム8とし(図3(c)参照)、連続不織布3の長辺方向の一方の端部から25〜47cmの位置に上記の連続接着性フィルム8を熱ロール圧着して、温水溶解性を有する接着剤層7を介して、フレキソ印刷インク層5を有するフィルム4が接着されてなる連続不織布シート2を得た(図3(d)参照)。
使用した易印刷性フィルム4の比重は約1.3であり、使用した連続不織布シート2の比重は約0.93である。
このポリビニルアルコール水溶液は、固形分濃度が17%のゴーセノールNH−18(三菱ケミカル(株)製)の水溶液であり、20℃の水100gには約2gしか溶解しないが、60℃の温水に対しては約80gも易溶解するものである。
【0054】
[実施例1]:買物袋の製造
製造例1の連続不織布シート2を自動製袋機にセットし、連続不織布シートから50cm×120cmの長方形の不織布シート10を準備し、その長辺11に直行する方向で、該長方形を二分する折り目に沿って、フレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4を接着した面が外側になるように折り畳む(図4(a)参照)。そして折り畳んだ不織布シート2の折り目13を含む一部(図4(b)において斜線で示す部分)を切除して、把手部14、封止片15及び耳部16を形成する。次に、長方形の長辺11であった辺に沿って不織布シート2を超音波シールする(図4(c)参照、図4(c)中、17は超音波シール部を示す)。そして、把手部14を二重の不織布シート2から構成するために、また完成した不織布買物袋1にマチ19を設けるために、ヒートシールした不織布シート2の両側を内側に沈め折りして(例えば、図4(c)の線X及び線X’に沿って)、不織布シート2のフィルム接着面を加熱プレスして、袋体に折り目を付け、またフィルムを不織布により強固に接着させた。次いで、把手部14及び封止片15に対向する辺に沿って不織布シート2をプロピレン繊維で縫着して(図中、20は縫着部を示す)、買物袋1を得た(図4(d)参照)。
また、買物袋1の把手部14に、FRIDタグ21を、樹脂製のボールチェーン22により取付けた。
ヒートシールはインパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により行った。
【0055】
[実施例2]:不織布シートからのインク層を有するPETフィルムの分離
製造例1で製造した連続不織布シート2から、フレキソ印刷インキ層5を有するフィルム4が接着された部分を5cm×10cmの大きさで切り出した。
密閉可能な筒状の透明容器に、切り出した不織布シート2、及び65℃の温水を入れ、65℃に保たれた温水槽中で5分間超音波により振動させたところ、接着剤層が溶解し、不織布シート2が浮上し、フレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4が沈み、不織布シート2とフレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4とが分離した。このとき、温水へのフレキソ印刷インク層5の溶解又は分散による、不織布シート2及び温水の着色及び染色は観察されなかった。容器から、浮上してきた不織布シート2のみを簡単に取り出すことができた。
【0056】
[比較例1]
65℃の温水に代えて、室温(約20℃)の水に代えた以外は、実施例2と同様に試験したところ、フレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4は分離しなかった。
【0057】
[比較例2]:不織布シートからのシルクスクリーン印刷インク層の分離
実施例1で使用した水性フレキソインク、ポリビニルアルコール及び水を混合してインクを調製した。5cm×10cmの比重約0.93の不織布シート33に、調整した印刷インクを用いてシルクスクリーン印刷を行い、シルクスクリーン印刷インク層35を有する不織布シート32を2枚製造した。
密閉可能な筒状の透明容器に、切り出した不織布シート32を1枚、及び室温(約20度)の水を入れ、室温に保たれた温水槽中で5分間超音波により振動させたが、不織布シートから、シルクスクリーン印刷インク層35を有するPETフィルム34は分離しなか
った。
密閉可能な筒状の透明容器に、切り出した不織布シート32の1枚を、及び65℃の温水を入れ、65℃に保たれた温水槽中で5分間超音波により振動させたところ、不織布シート32から、シルクスクリーン印刷インク層35の一部しか分離しなかった。シルクスクリーン印刷インク層35の一部が残った不織布シート32は、温水中に沈んだままであった。
また、容器中の温水は溶解・分散したインクにより着色され、そして温水中から取り出した不織布シート32にはインクによる着色又は染色が観察された。
【0058】
実施例2に示されるように、不織布シート2は、ポリプロピレン不織布3の表面にフレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4を接着しても、ポリプロピレン不織布3とPETフィルム4との間に温水溶解性を有する接着剤層7を介在させることによって、印刷インク層5を有するPETフィルム4を容易に分離することができた。また、ポリプロピレン不織布3のみが浮上してきたので、容易に回収することができた。
さらに、PETフィルム3のコロナ処理面4にフレキソ印刷インク層5を形成することにより、PETフィルム4をポリプロピレン不織布3から分離した後も、フレキソ印刷インク層5はPETフィルム4表面から剥がれず、即ち温水に溶解又は分散しないことが確認できた。
これに対して、比較例2のポリビニルアルコールを混合したインクを使用したシルクスクリーン印刷インク層を有する不織布シートは、温水に浸漬するのみでは、シルクスクリーン印刷インク層を完全に分離することができず、また分離したインクにより不織布シートが着色又は染色してしまうため、不織布をリサイクル原料として使用するには、染色又は脱色する必要があることが確認できた。
つまり、本発明のフレキソ印刷インク層5を有するPETフィルム4が取り除かれた買物袋1は、比較例2のシルクスクリーン印刷インク層35を有する不織布袋とは異なり、洗浄するのみで、染色又は脱色することなく、リサイクル原料として不織布を再生しそして袋形成することにより、新たな買物袋を再生産することができる。
従って、本発明の袋1はリサイクル方法によりリサイクル化することができることが明らかである。
【0059】
また、実施例1の買物袋は、沢山の商品や重い商品を入れても袋側部の繋ぎ目から袋が裂けたり破けたりせず、また角の或る商品を入れても袋体が伸びて破けたりしないので、従来のレジ袋と比べて、袋内に詰める内容物の荷重限度、並びに許容体積が著しく向上することができ、ゆえに本発明の買物袋は、重い商品や嵩張る商品を入れ繰り返し使用しても、通常10回以上繰り返して使用することができる。また、実施例1の買物袋はポリプロピレン製の不織布からなるので、軽量であり、しかもコンパクトに折り畳むこと、並びに折り畳み後に再展開して元の形状に戻すことも容易であるので、携帯に大変適している。
【符号の説明】
【0060】
1 不織布袋、2 連続不織布シート、3 ポリプロピレン不織布
4 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、5 フレキソ印刷インク層
6 コロナ処理面、7 接着剤層(ポリビニルアルコールフィルム)、
8 連続接着性フィルム、21 FRIDタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6