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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-178806(P2021-178806A)
(43)【公開日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】染毛用後処理剤及び毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20211022BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20211022BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61Q5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-100478(P2020-100478)
(22)【出願日】2020年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】518035156
【氏名又は名称】株式会社CUTICULA
(72)【発明者】
【氏名】一木 登紀男
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB082
4C083AB282
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC302
4C083AC892
4C083CC31
4C083EE07
4C083EE21
4C083EE29
(57)【要約】
【課題】酸化染毛剤処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色を抑制する染毛用後処理剤及び毛髪処理方法を提供する。
【解決手段】染毛用後処理剤が、酸化染毛剤処理の後に使用する後処理剤であって、対イオンを有しないレブリン酸を含有し、かつpHが4.0〜6.0の範囲である。また、毛髪処理方法が、酸化染毛剤で毛髪を処理する工程→酸化染毛剤が残った状態で対イオンを有しないレブリン酸を含む染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程→お湯で洗い流す工程を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染毛剤処理の後に使用する後処理剤であって、
対イオンを有しないレブリン酸を0.01〜1.0質量%を含有し、かつpHが4.0〜6.0の範囲であることを特徴とする染毛用後処理剤。
【請求項2】
(1)酸化染毛剤で毛髪を処理する工程
(2)酸化染毛剤が残った状態で請求項1に記載の染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程
(3)お湯で洗い流す工程
であることを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化染毛剤処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な酸化染毛剤は、酸化染料とアルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤を使用直前に混合し、毛髪に処理することで染毛する。しかし、このようにして得られた染毛では、毛髪の損傷が発生し、色もちも十分ではなかった。
【0003】
酸化染毛剤の処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色を抑制する染毛用後処理剤及び毛髪処理方法が提案されている。例えば、特許文献1には、第1の後処理段階では、酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、第1の後処理剤が適用される工程と、乾燥処理段階では、第1の後処理段階の後の毛髪が乾燥される工程と、第2の後処理段階では、乾燥処理段階の後の毛髪に第2の後処理剤が適用される工程であり、第1及び第2の後処理剤は、カチオン化キトサン及び炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種である界面活性剤を含有し、第1の後処理剤は、第2の後処理剤におけるカチオン化キトサンの質量割合よりも高めた構成である毛髪処理方法及び後処理剤キットが開示されている。この方法では、染色された毛髪の損傷を防止し、毛髪の柔らかさと指通りの良さを与えること及び、毛髪の退色を抑制することができるが、毛髪損傷防止効果及び退色抑制効果は十分ではない。
【0004】
また、特許文献2には、(a)乳酸、(b)リン酸水素二ナトリウムおよび/またはクエン酸ナトリウム、および(c)カタラーゼを夫々含有すると共に、溶液のpHが4〜5である染毛用後処理剤及び、酸化染毛剤で毛髪を処理した後、その毛髪から酸化染毛剤を洗い流した直後に染毛用後処理剤を毛髪に塗布し、洗い流さずにシャンプー施術をする又は、染毛用後処理剤を毛髪に塗布した後に洗い流してからシャンプー施術をする毛髪処理方法が開示されている。この方法では、染色された毛髪の損傷を防止し、処理後の毛髪コンディションを整えこと及び、毛髪への染料の定着をよくすることができるが、毛髪損傷防止効果及び退色抑制効果は十分ではない。
【0005】
さらに、特許文献3には、2剤式の毛髪処理剤組成物であって、第1剤は(A)シスチンと(B)アルカリ剤とを含有しており、第2剤は(C)有機酸を含有しており、第1剤全体を100質量%とした場合に、(A)シスチンの含有割合は0.5〜4質量%であり、第1剤のpHは8.5〜11であり、第2剤のpHは3〜5であり、酸化染毛剤の後処理剤として第1剤を毛髪へ適用した後に、第2剤を適用する方法が開示されている。この方法では、異なる内部損傷を有する毛髪に対して使用した際に、毛髪における損傷度合いの大きな部位ほど修復される度合いが大きく、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪に均一な感触を付与することができ及び、酸化染毛剤による染毛ムラを抑制し、優れた均染性を得ることができるが、退色抑制効果に関する記述はない。また、第1剤を塗布、30分以内(特に20分以内、更には10分以内)放置し、十分に浸透した後、第2剤を重ねて塗布し、洗い流すという工程が必要であり、時間と手間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5666788号
【特許文献2】特許第5891029号
【特許文献3】特許第6052863号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、酸化染毛剤処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色を抑制できる染毛用後処理剤及び毛髪処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、染毛用後処理剤が、酸化染毛剤処理の後に使用する後処理剤であって、対イオンを有しないレブリン酸を含有し、かつpHが4.0〜6.0の範囲である。また、毛髪処理方法が、酸化染毛剤で毛髪を処理する工程→酸化染毛剤が残った状態で対イオンを有しないレブリン酸を含む染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程→お湯で洗い流す工程からなることを特徴とする染毛用後処理剤及び毛髪処理方法により、酸化染毛剤処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の染毛用後処理剤は、酸化染毛剤処理の後に使用する後処理剤であって、対イオンを有しないレブリン酸を0.01〜1.0質量%を含有し、かつpHが4.0〜6.0の範囲であることを特徴とする。
【0010】
また本発明の毛髪処理方法は、
(1)酸化染毛剤で毛髪を処理する工程
(2)酸化染毛剤が残った状態で前記染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程
(3)お湯で洗い流す工程
であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の染毛用後処理剤及び毛髪処理方法により、酸化染毛剤処理による毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<染毛用後処理剤>
本発明の染毛用後処理剤は、対イオンを有しないレブリン酸を必須に含有する。以下、本発明について詳述する。
【0013】
対イオンを有しないレブリン酸の配合量は、本発明の毛髪処理剤の全量に対して、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.02〜0.5質量%である。配合量が0.01質量%未満では、十分に毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色抑制効果を得ることができず、一方、1.0質量%を超えると、仕上りの手触りにキシミが発生する。
【0014】
本発明の染毛用後処理剤は、pHを4.0〜6.0の範囲、好ましくは4.5〜5.5の範囲に保持することが必要である。pHが4.0未満では、仕上りの手触りにキシミが発生する。pHが6.0を超えると、十分に毛髪の損傷を防止し、染色された毛髪の退色抑制効果を得ることができない。即ち、毛髪の等電点付近であることが必要である。
染毛用後処理剤のpHを前記範囲に調整するための対イオンを有しない塩基としては、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、アンモニア水やトリエタノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。又、対イオンを有する塩基としては、対イオンを有する塩基に用いられるレブリン酸以外の酸は、レブリン酸より小さい酸解離定数を有する必要がある。これにより、レブリン酸は、対イオンを有することなく、その効果を発揮することができる。例えば、グリコール酸や乳酸やレブリン酸等のモノカルボン酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、マレイン酸やリンゴ酸等のジカルボン酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、クエン酸等のトリカルボン酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、グルタミン酸やアスパラギン酸である酸性アミノ酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、リン酸やポリリン酸等の無機酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、エチドロン酸、エデト酸、フィチン酸等のキレート効果を特に有する酸のナトリウム塩等である対イオンを有する塩基、等を用いることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
前記染毛用後処理剤には、レブリン酸以外にも、通常化粧品や医薬部外品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、増粘剤、粉末成分、香料、粉末成分、色素、水等を含有することができる。
【0016】
本発明にかかる染毛用後処理剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、好ましくは液状、乳液状である。また、使用時に、水又はお湯で希釈することで液状、乳液状にできれば、例えば、液状、乳液状、ゲル状、クリーム状などの剤型を採りうる。
【0017】
<毛髪処理方法>
本発明の毛処理方法は、(1)酸化染毛剤で毛髪を処理する工程(2)酸化染毛剤が残った状態で前記染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程(3)お湯で洗い流す工程を必須に含む。
【0018】
(1)酸化染毛剤で毛髪を処理する工程として、特に限定するものでなく、使用する酸化染毛剤の使用方法に準じる。
【0019】
(2)酸化染毛剤が残った状態で前記染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程として、酸化染毛剤を塗布して所定の時間経過後、酸化染毛剤を洗い流さず、又は、酸化染毛剤を洗い流し、酸化染毛剤が残った状態で酸化染毛剤を前記染毛用後処理剤で徐々に薄めるように塗布しながらなじませ、さらに、酸化染毛剤を前記染毛用後処理剤で洗い流すように十分な量を塗布しながらなじませる。前記染毛用後処理剤の塗布量は、酸化染毛剤の塗布量や酸化染毛剤を洗い流した場合には残った酸化染毛剤の量により決定され、前記工程を十分に実施できる量であれば特に限定されないが、好ましくは、200mL〜3,000mLである。
【0020】
(3)お湯で洗い流す工程としては、特に限定するものでなく、十分に洗い流す。
【実施例】
【0021】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0022】
(実施例1〜11及び比較例1〜4)
下記の表1に掲げた組成を有する染毛用後処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
前記染毛用後処理剤を下記毛髪処理方法にて処理した毛髪の損傷防止効果、染色された毛髪の退色抑制効果を、下記の評価基準に従って評価した。
【0023】
<毛髪の損傷防止効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、染毛用後処理剤30mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に1時間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。いずれの評価も、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【0024】
<感触の評価基準>
感触が優れているほど、毛髪の損傷が軽減されていることを示している。
1.ぱさつき、キシミを感じる
2.ややぱさつき、ややキシミを感じる
3.ほぼ同等の感触で、ぱさつき、キシミをほぼ感じない
4.同等の感触で、ぱさつき、キシミを感じない
5.ばさつき、キシミはなく、つるっとした感触
<ツヤの評価基準>
ツヤが優れるほど、毛髪の損傷が軽減されていることを示している。
1.ツヤが悪い
2.ツヤがやや悪い
3.ほぼ同等のツヤ
4.同等のツヤ
5.わずかにツヤがよい
【0025】
<毛髪の退色抑制効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、染毛用後処理剤30mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃のお湯に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。評価は、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【0026】
<退色の評価基準>
1.色味が異なる。
2.色味の差があり、違いを感じる。
3.色味の差がわずかにあるが、実使用上問題がない。
4.色味の差がほんのわずかにあるが、実使用上問題がない。
5.色味の差がほとんどない。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例1〜11に示されるように、対イオンを有しないレブリン酸を0.01〜1.0質量%含む染毛用後処理剤を用いた場合に、十分な損傷防止効果及び退色抑制効果が得られた。これに対し、比較例1〜4に示されるように、対イオンを有しないレブリン酸の含有量が前記範囲でない場合には、損傷防止効果及び/又は退色抑制効果が不十分であった。
【0029】
(実施例12〜19及び比較例5〜12)
下記の表2に掲げた組成を有する染毛用後処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
前記染毛用後処理剤を前記毛髪処理方法にて処理した毛髪の損傷防止効果、染色された毛髪の退色抑制効果を、前記の評価基準に従って評価した。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例12〜19に示されるように、pHが4.0〜6.0の範囲の染毛用後処理剤を用いた場合に、十分な損傷防止効果及び退色抑制効果が得られた。これに対し、比較例5〜12に示されるように、pHが前記範囲でない場合には、損傷防止効果及び/又は退色抑制効果が不十分であった。
【0032】
(実施例20及び比較例13〜14)
下記毛髪処理方法にて処理した毛髪の損傷防止効果、染色された毛髪の退色抑制効果を、前記の評価基準に従って評価した。
【0033】
(比較例13)
<毛髪の損傷防止効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、実施例3の染毛用後処理剤30mLを塗布し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に1時間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。いずれの評価も、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
<毛髪の退色抑制効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、実施例3の染毛用後処理剤30mLを塗布し市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃のお湯に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。評価は、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【0034】
(比較例14)
<毛髪の損傷防止効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、酸化染毛剤の量に対して不十分な量である実施例3の染毛用後処理剤5mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に1時間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。いずれの評価も、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
<毛髪の退色抑制効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、酸化染毛剤の量に対して不十分な量である実施例3の染毛用後処理剤5mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃のお湯に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で 24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。評価は、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【実施例20】
【0035】
<毛髪の損傷防止効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯10mLを塗布し、実施例3の染毛用後処理剤20mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に1時間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。いずれの評価も、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
<毛髪の退色抑制効果>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯10mLを塗布し、実施例3の染毛用後処理剤20mLを塗布しながらなじませる。その後、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した。その後、60℃のお湯に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、前記の評価基準により評価した。評価は、人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成し、ついで、毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、十分にタオルドライした後市販の8レベルのアッシュ系の酸化染毛剤を5g塗布し、25℃で40分間放置し、お湯で十分に洗い流し、市販のシャンプーにて洗浄した後、十分にタオルドライしぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した毛束と比較した。評価は、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【0036】
【0037】
実施例20に示されるように、毛髪処理方法が、酸化染毛剤が残った状態で前記染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程の場合に、十分な損傷防止効果及び退色抑制効果が得られた。これに対し、比較例13〜14に示されるように、毛髪処理方法が、酸化染毛剤が残った状態で前記染毛用後処理剤を酸化染毛剤に塗布しながらなじませる工程の範囲でない場合には、損傷防止効果及び退色抑制効果が不十分であった。