【課題】携帯端末装置を収納した状態で、キーボード部と、ディスプレイ部とを背中合わせにして、タブレットとしてすることができる携帯端末装置用ケースを提供するを提供する。
【解決手段】携帯端末装置用ケース10は、ディスプレイ部110を保持してディスプレイ部110の背面を保護するための第1面部20と、キーボード部120の背面を保護するための第2面部30と、ディスプレイ部110の上端110uに位置する第1面部20と第2面部30とを接続する接続部40と、第2面部30の接続部40側とは反対となる側に接続され、ディスプレイ部110とキーボード部120とを正面同士に合わせ、接続部40を折り曲げ、第2面部30をキーボード部120の背面に位置させたときに、第1面部20と接続部40と第2面部30とから露出したディスプレイ部110の下部を覆う蓋部50とを備えている。
ディスプレイ部の下端とキーボード部とがヒンジ部を介して連結され、前記ディスプレイ部と前記キーボード部とを背中合わせにしてタブレットとして使用される携帯端末装置を保護するための携帯端末装置用ケースにおいて、
前記ディスプレイ部を保持して前記ディスプレイ部の背面を保護するための第1面部と、
前記キーボード部の背面を保護するための第2面部と、
前記ディスプレイ部の上端に位置する前記第1面部と前記第2面部とを接続する接続部と、
前記第2面部の前記接続部側とは反対となる側に接続され、前記ディスプレイ部と前記キーボード部とを正面同士に合わせ、前記接続部を折り曲げ前記第2面部を前記キーボード部の背面に位置させたときに、前記第1面部と前記接続部と前記第2面部とから露出した前記ディスプレイ部の下部を覆う蓋部とを備えた携帯端末装置用ケース。
前記第1面部は、第1面からから延びて前記ディスプレイ部の下端を回り込み、前記第1面と反対面となる第2面に連結されることで、前記ディスプレイ部の下端を保持するバンド部を備えた請求項1または2記載の携帯端末装置用ケース。
【背景技術】
【0002】
タブレットは、ディスプレイ部を含む機器本体だけで操作できるが、キーボード部が接続可能なものがある。また、ノートブックでも、ディスプレイ部だけでタブレットとして使用するときには、ディスプレイ部とキーボード部との背中同士を合わせた状態で操作できるものがある。また、このノートブックは、未使用時にはディスプレイ部とキーボード部との正面同士を合わせて保管される。
このようなタブレットやノートブックなどの携帯端末装置は、装置を保護するためにケース(携帯端末装置用ケース)に収納される。
【0003】
このような携帯端末装置用ケースとして、特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1に記載のタブレットコンピュータ用保護ケースは、同じ水平面内に位置付けられ、且つ第1の方向に順次配置されている第1の支持板と第2の支持板とカバー板とを含み、第1の支持板は減衰回転軸を用いて第2の支持板に枢着され、第2の支持板はカバー板に回転可能に接続され、カバー板に近く、且つ第2の支持板の上面である一端の縁部に底部支持体が配設され、第1の支持板及び第2の支持板は、タブレットコンピュータの背面を支持し保護するように構成され、底部支持体は、タブレットコンピュータの側壁に取り外し可能に接続されるように構成され、カバー板上にキーボードが設置され、カバー板は、第1の支持板及び第2の支持板を回転させ重ね合わせた後にタブレットコンピュータの前面を保護するように構成されたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のタブレットコンピュータ用保護ケースでは、ディスプレイ部とキーボード部とを背中合わせにしたときに、ディスプレイ部とキーボード部との間には、第1の支持板および第2の支持板と、カバー板との2枚が位置するため嵩張ってしまう。そうなると、ディスプレイ部とキーボード部とが接続部を基部として先部に向かうに従って徐々に開いた状態で使用することになる。そのため、ディスプレイ部とキーボード部との先部同士を掴んだ状態で、タブレットとして使用すると、接続部に負担を掛けてしまう。従って、タブレットとして使用するときには、保護ケースを取り外して使用することになり、不便である。
【0006】
そこで本発明は、携帯端末装置を収納した状態で、キーボード部と、ディスプレイ部とを背中合わせにして、タブレットとしてすることができる携帯端末装置用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置用ケースは、ディスプレイ部の下端とキーボード部とがヒンジ部を介して連結され、前記ディスプレイ部と前記キーボード部とを背中合わせにしてタブレットとして使用される携帯端末装置を保護するための携帯端末装置用ケースにおいて、前記ディスプレイ部を保持して前記ディスプレイ部の背面を保護するための第1面部と、前記キーボード部の背面を保護するための第2面部と、前記ディスプレイ部の上端に位置する前記第1面部と前記第2面部とを接続する接続部と、前記第2面部の前記接続部側とは反対となる側に接続され、前記ディスプレイ部と前記キーボード部とを正面同士に合わせ、前記接続部を折り曲げ前記第2面部を前記キーボード部の背面に位置させたときに、前記第1面部と前記接続部と前記第2面部とから露出した前記ディスプレイ部の下部を覆う蓋部とを備えたことを特徴したものである。
【0008】
本発明の携帯端末装置用ケースによれば、本発明の携帯端末装置用ケースを開いた状態としたときに、第1面部がディスプレイ部の背面側に位置しているが、キーボード部およびヒンジ部には本発明の携帯端末装置用ケースが位置していない。そのため、ディスプレイ部とキーボード部とを背中合わせすると、ディスプレイ部とキーボード部との間には、第1面部だけが位置する。従って、ディスプレイ部とキーボード部とを背中合わせしたときに、第1面部の1枚だけなので、ディスプレイ部とキーボード部との隙間を少ないものとすることができる。従って、キーボード部をディスプレイ部に接近させた状態で、携帯端末装置をタブレットとして使用することができ、携帯端末装置のヒンジ部への負担を軽減することができる。
【0009】
前記第1面部は、前記ディスプレイ部の背面を保護する第1面本体と、前記ディスプレイ部を保持する保持部とを備え、前記第1面本体の接続部側の端辺から反対側の端辺までの長さは、前記ディスプレイ部より短く形成されたものとすることができる。
第1面本体の接続部側の端辺から反対側の端辺までの長さが、ディスプレイ部より短く形成されているので、ヒンジ部を中心にキーボード部を回転させてディスプレイ部の背面に位置させたときに、隙間が狭い接続部付近には、第1面本体が位置しない。また、隙間が徐々に広くなる従って隙間が大きくなる先部に、第1面本体が位置する。従って、ディスプレイ部とキーボード部との間を更に接近させたものとすることができる。
【0010】
前記第1面部は、第1面からから延びて前記ディスプレイ部の下端を回り込み、前記第1面と反対面となる第2面に連結されることで、前記ディスプレイ部の下端を保持するバンド部を備えさせることにより、携帯端末装置が第1面部の保持部からずれることを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明携帯端末装置用ケースは、ディスプレイ部とキーボード部との隙間を少ないものとすることができるので、キーボード部をディスプレイ部に接近させた状態で、携帯端末装置をタブレットとして使用することができる。従って、本発明携帯端末装置用ケースは、携帯端末装置を収納した状態で、キーボード部と、ディスプレイ部とを背中合わせにして、タブレットとしてすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置用ケースを示す図であり、携帯端末装置を収納した状態の携帯端末装置用ケースを示す図である、
【
図2】
図1に示す携帯端末装置用ケースに収納される携帯端末装置の図であり、(A)はノートブックモードにて使用される携帯端末装置を示す図、(B)はタブレットモードにて使用される携帯端末装置を示す図である。
【
図3】
図1に示す携帯端末装置用ケースが開いた状態の第1面側の図であり、(A)は携帯端末装置が保持された状態の図、(B)は(A)の状態から携帯端末装置を取り出した状態の図である。
【
図4】
図1に示す携帯端末装置用ケースが開いた状態の第2面側の図であり、(A)は携帯端末装置が保持された状態の図、(B)は(A)の状態から携帯端末装置を取り出した状態の図である。
【
図5】
図1に示す携帯端末装置用ケースの使用状態を説明するための図であり、(A)から(D)は、携帯端末装置を収納する手順を説明するための図である。
【
図6】
図1に示す携帯端末装置用ケースの使用状態を説明するための図であり、携帯端末装置をノートブックモードで使用する状態を説明するための図である。
【
図7】
図1に示す携帯端末装置用ケースの使用状態を説明するための図であり、(A)から(E)は、携帯端末装置をタブレットモードで使用するときの手順を説明するための図である。
【
図8】
図7(E)に示す携帯端末装置用ケースを側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る携帯端末装置用ケースを図面に基づいて説明する。
なお、本明細書では、キーボード部を机などに置いてディスプレイ部をキーボード部に対して後方に所定角度で傾斜させた状態で携帯端末装置を使用するときの状態を基準に、上下、左右を説明する。また、携帯端末装置のディスプレイ部とキーボード部との正面同士をあわせて、本実施の形態に係る携帯端末装置用ケースに収納されたときに、外側に面した方をおもて面、その反対面をうら面と称す。
【0014】
図1に示す携帯端末装置用ケース10は、携帯端末装置を保護するためのケースである。携帯端末装置用ケース10は、合皮製である。
この携帯端末装置用ケース10に収納される携帯端末装置100は、例えば、
図2(A)に示すように、LCDなどによる表示手段が内蔵されたディスプレイ部110と、CPUやメインメモリ、制御ICなどが搭載された回路基板が内蔵されたキーボード部120と、ディスプレイ部110の下端110bとキーボード部120とを角度自在に連結するヒンジ部130とを備えたものである。
【0015】
図3(A)および同図(B)と、
図4(A)および同図(B)に示すように、携帯端末装置用ケース10は、第1面部20と、第2面部30と、接続部40と、蓋部50とを備えている。
第1面部20は、ディスプレイ部110を保持し、背面を保護するものである。第1面部20は、第1面本体21と、保持部22と、バンド部23とを備えている。
【0016】
第1面本体21は、ディスプレイ部110の背面を保護するために、矩形状のシート状に形成されている。
図3(A)に示すように、第1面本体21の接続部40側の端辺21mから反対側の端辺21nまでの長さL1は、ディスプレイ部110の高さ方向の長さL2より短く形成されている。本実施の形態では、第1面本体21の長さL1と、ディスプレイ部110の長さL2との比率を約3:4としている。
保持部22は、ディスプレイ部110の上部が差し込まれることで、ディスプレイ部110を保持するため、コ字状に形成された枠部である。
【0017】
バンド部23は、第1面部20の裏面21a(第1面)から延びてディスプレイ部110の下端を回り込み、裏面21aと反対面となるおもて面21b(第2面)に連結されることで、ディスプレイ部110の下端110bを保持する。本実施の形態では、バンド部23が、保持部22から延びてディスプレイ部110の下端110b(ヒンジ部130側の端部)を回り込むことで、第1面本体21の裏面21a側から反対面となるおもて面21b側に延びて、第1面本体21のおもて面21bに連結されている。
バンド部23の先端部23tと、第1面本体21のおもて面21bとには、連結手段として面ファスナー21c,23aが設けられている。
【0018】
第2面部30は、
図2(A)および同図(B)に示すディスプレイ部110とキーボード部120とを正面同士で合わせたときに、キーボード部120の背面側に位置してキーボード部120の背面を保護するものである。
第2面部30は、第2面本体31と、第2面本体31の面内に形成されたハンドベルト部32とを備えている。
第2面本体31は、キーボード部120の背面を保護するために、矩形状のシート状に形成されている。
【0019】
第2面本体31は、ディスプレイ部110とキーボード部120とを背中合わせにして、タブレットモードで携帯端末装置100を使用する際に、蓋部50を第2面本体31に重ねたときに、蓋部50の先端を第2面本体31の接続部40側の端部に位置させるために、折り曲げ部31aが形成されている。
第2面本体31には、キーボード部120により発熱を外側に排気するための開口部31bが形成されている。
【0020】
ハンドベルト部32は、長さ方向の両端部が第2面本体31に連結されたゴム紐である。ハンドベルト部32は、ディスプレイ部110とキーボード部120とを背中合わせしたときに、操作者の手を挿入して、タブレットモードで携帯端末装置100を操作するためのものである。
【0021】
接続部40は、ディスプレイ部110の上端110uに位置する第1面部20と、第2面部30とを繋ぐものである。接続部40は、第1面部20と第2面部30とを連続的に接続するものである。接続部40は、折れ曲げやすくするため、第1面本体21および第2面本体31と比較して、芯材が無いことで軟質に形成されている。
【0022】
蓋部50は、第2面部30の接続部40側とは反対となる側に接続され、第1面部20における第1面本体21のおもて面21b側に回り、第1面部20と接続部40と第2面部30とから露出した携帯端末装置100のディスプレイ部110の下部を覆う。
蓋部50は、第1面部20の第1面本体21に連結する蓋本体51と、蓋本体51と第2面部30とを接続し、ヒンジ部130に沿って折れ曲がる撓み部52とを備えている。
蓋本体51と第1面本体21とは、連結手段である帯状の面ファスナー51a,21dにより連結される。
【0023】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る携帯端末装置用ケース10の使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、
図5(A)に示すように、携帯端末装置100のディスプレイ部110を携帯端末装置用ケース10における第1面部20の保持部22に差し込み、第1面部20に保持させる。
そして、バンド部23をディスプレイ部110とキーボード部120との間の隙間に通して、ディスプレイ部110の背面側に回し、第1面本体21のおもて面21bに連結する。
【0024】
携帯端末装置100は、ディスプレイ部110が保持部22に保持されるだけでなく、バンド部23によりしっかりとディスプレイ部110が保持されている。そのため、ディスプレイ部110が保持部22からずれてしまうことを阻止することができる。
【0025】
図5(B)に示すように携帯端末装置100を収納するときには、例えば、まず、キーボード部120が上に、ディスプレイ部110が下になるように、キーボード部120をディスプレイ部110に正面同士が向き合うように重ね合わせる。
次に、第2面部30がキーボード部120の背面に位置するように第2面部30を回す、または、
図5(C)に示すように、携帯端末装置100を持ち上げ、回転させて、第1面部20のおもて面21bを上側に向ける。
【0026】
そして、蓋部50を携帯端末装置100に被せ、
図5(D)に示すように、蓋部50を第1面部20に連結することで、携帯端末装置100の周囲が携帯端末装置用ケース10により囲まれた状態となる。
【0027】
次に、携帯端末装置100を、ノートブックモードにより使用する場合を説明する。まず、
図5(A)の状態からディスプレイ部110を起こし、キーボード部120に対して、ディスプレイ部110を後方に所定角度で傾斜した状態とする。そうすることで、
図6に示すように、ディスプレイ部110の上部から後方に接続部40が折れ曲がることで、第2面部30が接続部40から垂れ下がった状態となる。また、蓋部50が第2面部30から上方に起き上がったような状態となる。
従って、ディスプレイ部110にキーボード部が接続された状態で使用されるノートブックモードでも、第2面部30および蓋部50が携帯端末装置100の後方に位置するため、操作者の視界の邪魔になることなく、携帯端末装置100を操作することができる。
【0028】
次に、携帯端末装置100を、タブレットモードにより使用する場合を説明する。まず、
図7(A)の状態から、
図7(B)および同図(C)に示すように、キーボード部120をディスプレイ部110の背面側に回し、キーボード部120とディスプレイ部110とを背中合わせにする。
【0029】
次に、第1面部20に保持された携帯端末装置100を、接続部40を中心に回して、キーボード部120を第2面部30に重ね合わせることで、
図7(D)に示すように、ディスプレイ部110がおもてに向いた状態となる。
そして、蓋部50を第2面部30の外側に回して、または蓋部50をキーボード部120との間の第2面部30の内側に回して、重ね合わせることで、
図7(E)に示すように、全体がディスプレイ部110の輪郭に一致したタブレットモードで使用できる状態とすることができる。
【0030】
例えば、従来の携帯端末装置用ケースとして、ディスプレイ部110の背面に第1面部が位置し、キーボード部120に第2面部が位置し、ヒンジ部130に接続部が位置するようなものがある。そのような、従来の携帯端末装置用ケースでは、キーボード部120とディスプレイ部110とを背中合わせにすると、キーボード部120とディスプレイ部110との間には第1面部と第2面部とが挟まった状態となる。
第1面部と第2面部との2枚が挟まった状態となると、キーボード部120とディスプレイ部110とはある程度、開いた状態となってしまう。
【0031】
しかし、本実施の形態に係る携帯端末装置用ケース10では、
図8に示すように、携帯端末装置用ケース10を開いた状態としたときに、第1面部20がディスプレイ部110の背面側に位置しているが、キーボード部120およびヒンジ部130には携帯端末装置用ケース10は位置していない。そのため、ディスプレイ部110とキーボード部120と背中合わせすると、ディスプレイ部110とキーボード部120との間には、第1面部20だけが位置する。
【0032】
ディスプレイ部110とキーボード部120とを背中合わせしたときに、第1面部20の1枚だけが位置するため、ディスプレイ部110とキーボード部120との隙間を少ないものとすることができるので、キーボード部120をディスプレイ部110に接近させた状態で、携帯端末装置100をタブレットとして使用することができる。
よって、携帯端末装置用ケース10は、携帯端末装置100を収納した状態で、キーボード部120と、ディスプレイ部110とを背中合わせにして、タブレットとしてすることができる。
【0033】
また、
図3(A)に示すように、第1面本体21の接続部40側の端辺21mから反対側の端辺21nまでの長さL1が、ディスプレイ部110の長さL2より短く形成されている。そのため、ヒンジ部130を中心にキーボード部120を回転させてディスプレイ部110の背面に位置させたときに、隙間が狭い接続部40(基端)付近には、第1面本体21が位置しない。また、隙間が徐々に広くなる従って隙間が大きくなる先部に、第1面本体21が位置する。
従って、ディスプレイ部110とキーボード部120との間を更に接近させたものとすることができる。
【0034】
また、第1面部20は、ディスプレイ部110の下端110bを保持するバンド部23を備えている。従って、携帯端末装置100が第1面部20の保持部22からずれることを防止することができる。