特開2021-179941(P2021-179941A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小森 啓司の特許一覧

特開2021-179941異性紹介業における会員プロフィールデジタル動画の提供とその制作方法・内容・公開方法に関するビジネスモデル
<>
  • 特開2021179941-異性紹介業における会員プロフィールデジタル動画の提供とその制作方法・内容・公開方法に関するビジネスモデル 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-179941(P2021-179941A)
(43)【公開日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】異性紹介業における会員プロフィールデジタル動画の提供とその制作方法・内容・公開方法に関するビジネスモデル
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20211022BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-99697(P2020-99697)
(22)【出願日】2020年5月11日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.YouTube
2.TIKTOK
(71)【出願人】
【識別番号】520116470
【氏名又は名称】小森 啓司
(72)【発明者】
【氏名】小森 啓司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制作の労力と時間とコストが業者と会員双方に負担とならず、個人情報が洩れ、会員が不利益を被る危険を減らす異性紹介業における会員プロフィールデジタル動画の提供とその制作方法・内容・公開方法に関するビジネスモデルを提供する。
【解決手段】インターネットによるビデオ通話サービスを使用して、遠隔のまま、楽に、短時間で、受託スタッフが会員に対しインタビューを行い、応答する会員の顔と声を録画・録音し、動画で会員の顔と声を異性会員限定で公開し、会員の個人情報を一切表示しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異性紹介業において、会員の顔と声を収録したデジタル動画をその会員のプロフィールの一つとして異性会員に提供する。
【請求項2】
請求項1のデジタル動画の制作から異性会員への限定公開までを下記の工程によって行う。
1.制作は、会員の自撮りや異性紹介業者のスタッフの会員訪問による直接撮影によって行うのではなく、異性紹介業者が委託したアンケート調査機関のスタッフが会員をインターネット上のビデオ通話サービス(Zoom,Skypeなど)に参加させ、遠隔でインタビューをし、それに応答する会員の顔と声をパソコン等に録画・録音することによって行い、その後、不適切部分等を動画編集ソフトを用いて削除・編集して完成させる。
2.アンケート調査機関は、その動画のデジタルファイルを、インターネット上の非公開可能かつ商用利用可能な動画共有サイト、または受託先異性紹介業者が所有またはレンタルしているサーバー上にアップロードする。いずれの場合もパスワード等による閲覧制限を設ける。
3.異性紹介業者は、そのアップロードされた動画ファイルのURLをアンケート調査機関より取得し、会員だけが閲覧可能な、当該業者が運営するインターネットサイト内の当該会員のプロフィールページ内の文字列または画像などをそのURLにリンクさせる。
4.異性会員は、当該会員のプロフィールページを閲覧し、そこに貼られた動画URLにアクセスし、パスワード等を入力することにより、一般には非公開の当該会員のプロフィール動画を見て、その動く顔と声を確認する。
【請求項3】
この会員のデジタル動画の内容は下記の1〜4の条件をすべて満たす内容のものとする。
1.アンケート調査機関のスタッフによる遠隔インタビューにおける「質問とその答え」は下記▲1▼〜▲3▼をすべて満たすものとする。
▲1▼その質問と答えが、会員自身の個人情報に言及したり、第三者の著作権や個人情報等を侵害したりしないこと。
▲2▼その質問と答えが、他人のひんしゅくを買ったり、他人に不快感や嫌悪感を与えたり、他人から非難・批判・中傷されたりするようなものでないこと。
▲3▼その質問と答えが公序良俗に反しないこと。
2.このデジタル動画内では、当該会員の氏名・年齢・生年月日・住所・電話番号・メールアドレス・学歴・職歴・勤務先・家族構成等の個人を特定できる情報やプライバシー情報は、動画内の映像、音声、文字(見出し、字幕、キャプション、テロップ等)、静止画像部分のいずれにおいても一切表示しない。
3.万一、会員の応答の言葉の中に、上記1〜2に反する言葉が含まれていた場合は、動画の編集段階で削除する。
4.このデジタル動画ファイルには、委託したアンケート調査機関名を制作者・投稿者として表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異性紹介業において、会員のプロフィールに載せる顔写真・デジタル静止顔画像の代替または補完のための、デジタル動画の提供とその内容と制作方法および公開方法に関するビジネスモデルである。
【背景技術】
【0002】
異性紹介業においては、通常、会員のプロフィールとして、顔写真(印画紙写真またはインターネット上などのデジタル静止顔画像)を異性会員に限定公開している。
デジタル静止画像をインターネットで送受信する技術は相当以前から発達しているが、一方、最近では、個人がデジタル動画をインターネット上で配信することも容易になっている。(YOUTUBE、TIKTOKなど)
さらに、ごく最近では、インターネット上で個人間または複数人間間で、ビデオ通話ができる無料のサービスも登場している。(ZOOM、SKYPEなど)
また、これらを利用する際に個人情報を守るための技術、IDやパスワード管理技術も発達している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
課題1.これまで、結婚紹介業を含む異性紹介業においては、登録会員のプロフィールの中に、顔写真(または顔のデジタル静止画像、以下顔写真等という)を載せてきた。
異性会員は、それらを見て、本人とお見合いをするかどうか、会ったり、メールのやり取りをするかどうかの意思決定をしてきた。
しかし、顔写真等では、本人の表情の動きなどを見ることはできず、もちろん声を聴くこともできない。
このため、実際に会って話をすれば、とても魅力的な会員であっても、静止写真映えのしない会員は異性会員に好まれず、お見合いや出会いのチャンスが少なかった。
このために、例えば、ほとんどの結婚相談所においては、お見合いの成立率が低く、成婚率も5%前後にすぎず、お見合い結婚を実現できる男女が少ない。
この結果、未婚男女の人口が増え、日本の少子化にも影響を与えている。
課題2.これまで、会員のプロフィールデジタル動画を制作しようとすれば、異性紹介業のスタッフと会員双方に多くの時間と労力がかかった。
従来の方法としては、会員が自分自身で、自己紹介デジタル顔動画をスマートフォンなどで「自撮り」して、それを、メールへの添付だと動画のファイル容量が大きすぎて送れないことが多いために、クラウドストーレージ等にアップロードして異性紹介業者に共有させるか、専門的であるが、「ファイル転送ソフト」で当該業者に転送するか、USBメモリなどに保存して当該業者に郵送するか、あるいは、異性紹介業者のスタッフが会員と直接会って、インタビューしながらビデオカメラ等で動画撮影をするしかなかった。
しかし、会員による自己紹介動画の自撮りは、会員が素人だけに、ぎこちない表情の映像となり、自問自答なので話も不自然に聞こえる。
また、三脚がなければ、片手を前に伸ばして自撮りするので姿勢が変に映る。会員も良い動画を撮ろうとしてカメラの前で無理に笑ったり、表情をとりつくろったりして、独りで苦労する。
一方、異性紹介業者あるいはその受託者が会員を訪問して面談撮影するのは、時間と労力と費用がかかり、当該業者の抱える会員数が多くなれば困難となる。
課題3.会員限定公開したはずのプロフィール動画が、意図せずしてインターネット上に流出した場合、動画は静止画より個人を特定し易いので、個人情報が洩れて、動画に出演した会員が多大な迷惑・損害を受けかねない危険がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題1の解決手段
会員の顔と声をデジタル動画に収録して異性会員に公開する。
課題2の解決手段
最新の技術であるインターネット上のビデオ通話サービス(ZoomやSkypeなど)を利用し、下記要領による遠隔ビデオ通話の録画によって従来の技術よりはるかに容易にデジタル動画を制作する。
(ア)まず、異性紹介業者が委託したアンケート調査機関のスタッフが会員とインターネット上のビデオ通話でつながったら、会員の同意を得た上で、そのビデオ通話の録画を開始する。
録画機能が付属していないビデオ通話サービスの場合は、スタッフ側のパソコン等にインストール済みの画面キャプチャーソフトを起動して録画を開始する。
(イ)次に、スタッフが会員に対し、インタビュー形式で、いくつかの質問をし、会員はそれに答える。
(ウ)インタビューが終了したら、録画を停止し、ビデオ通話を切る。
(エ)スタッフは録画ファイルを編集し、完成したデジタル動画ファイルを、インターネット上で「非公開の設定が可能」で、かつ「会費を払った者だけに動画を公開する商用利用を許可」しているデジタル動画共有サイト(ちなみに現時点で「YOUTUBE」はそのような商用利用を禁止しているようである)、または受託先異性紹介業者が所有またはレンタルしているサーバー上に、閲覧パスワードを設定した上でアップロードする。
いずれのアップロード先にアップロードするときでも、動画制作者・投稿者名として当該アンケート調査機関名を表示する。
(オ)異性紹介業者は、そのアップロードされた動画ファイルのURLを取得し、会員だけが閲覧可能な自社のインターネットサイト内の当該会員のプロフィールページ中の文字列または画像などをそのURLにリンクさせる。
課題3の解決手段
アンケート調査機関のスタッフによる遠隔インタビューにおいては、スタッフが会員に対し、上記請求項3の1の▲1▼〜▲3▼の条件をすべて満たす質問をする。
そのような質問の例を挙げれば、「バラの花とユリの花ではどちらが好きですか?」、「犬と猫ではどちらが好きですか?」「野球とサッカーのどちらを観戦したいですか?」「オレンジとブルーではどちらの色が好きですか?」など。
会員はそれに応答するだけなので、社会的・世間的な問題発言は発生し難い。
また、動画には、請求項3の2のとおり、個人情報やプライバシー情報は一切掲載せず、もし、それらが会員の応答に含まれていた場合は、請求項3の3のとおり編集段階で削除する。万一社会的・世間的問題発言があった時も削除する。
また請求項3の4のとおり、動画の制作者・投稿者名は委託先のアンケート調査機関名とする。
【発明の効果】
【0005】
手段1の効果
会員のデジタル顔動画を公開すれば、それを見た異性会員は、相手の表情や眼差し、声など、顔写真等では分からなかった、より精確な顔・姿・声などの本人情報を得ることができ、会う前に、実際に会っているかのような体験ができ、親しみを持ちやすく、お見合いや出会いの成立率が高まることが期待できる。
この結果、結婚紹介業においては、会員の成婚率が上がり、ひいては出生率を引き上げ、日本の少子化対策に大きく貢献できる。
ちなみに、YOUTUBERと呼ばれる人々の活動が職業にさえなっているのは、人気のYOUTUBERたちが、自分の顔・姿・声を「動画で」YOUTUBE上に公開しているからである。
彼らであっても、もし、自分の顔の「静止画」だけの公開しかしていなければ、これほどの人気は得られないはずである。
人間というのは、相手の動く顔・姿を見、声を聴くことで、その相手に親しみを覚え、好ましく感じるようになるという心理を持っている。
従って、写真映りより動画映りの方がかえって良くない会員であったとしても、動画を提供して見せたほうが、お見合いや出会いは実現しやすいのである。
本発明は、この「動画を見た人間の持つ心理科学上の自然法則」を利用するものである。
手段2の効果
遠隔によるデジタル動画制作・会員限定公開を行えば、労力をかけずに容易に、低コストで、かつ短時間で、会員のプロフィールデジタル動画を制作・会員限定公開できる。
また、インタビュー形式なので、会員は質問に答えるだけで楽であり、また、アンケート調査機関のスタッフと実際にリアルタイムで会話をしているので自然な雰囲気になって、会員の心がなごみ、しかも在宅で可能なので、なおさら緊張の取れた「自然な良い表情」の動画が撮れる。
本発明によれば、このように最新の科学技術を利用することで、遠隔にて自然な会話中の会員の「リラックスした自然な良い表情」のプロフィール動画を制作することが出来る。
それは、「人間の心理は表情に現れる」という、「人間の精神と身体が密接に関連するという自然法則」を「会員顔動画の遠隔撮影に利用している」ので発明性を有する。
手段3の効果
動画の内容を手段3のとおりにすれば、万一、この動画がインターネット上に意図しない流出をした場合であっても、当該会員と顔見知りでない第三者はこの会員がどこの誰であるかを一切特定できず、会員の個人情報が守られる。
一方、会員と顔見知りである第三者が、流出した動画を閲覧した場合、会員を同定・識別できるであろうが、上記のとおり、当該動画の内容は極めて一般的なトピックスのインタビュー(質問とその応答)に過ぎず、第三者の利益に損害を与えるようなものではなく、かつ、アンケート調査機関の制作・投稿による動画なので、会員本人が、顔見知りの人間(例えば、会社の上司や同僚、近隣の人や友人)に、その流出した動画インタビューをたまたま見られたからといって、その人間から非難・批判・中傷・嘲笑されるなどの社会的・世間的な不利益を被ることはない。
「ユリの花が好きだ、犬が好きだ」などとだけ答えているインタビュー動画を見て、そう答えている人を批判することなどできないからである。
万一、知人に「あなたの動画を見た」、と言われても、「アンケート調査機関の動画アンケートに答えただけ」と答えれば何の不利益もない。
このように、本発明はインターネット上でプロフィール動画の「流出が起こることを前提」とし、流出した場合であっても、会員や第三者に損害が無いように「内容を厳格に規制し、工夫して組み立てたプロフィール動画」である点に発明性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明のビジネスモデルを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
異性紹介業者は、そのホームページやブログ,SNSやチラシ等で、このあらかじめ動画流出対策を施したビジネスモデルを説明・広告宣伝して、異性紹介を望む男女に入会を勧める。
入会した会員の同意を得たら、その会員のデジタル動画を制作して、異性会員に限定公開し、異性会員がその動画を閲覧することで、会員のお見合いや出会いのチャンスを従来より広げてあげることが出来る。
【実施例】
【0008】
異性紹介業の一つ、結婚相談所の本発明内容に言及した入会宣伝文の例を以下に示す。
「当結婚相談所ではお相手の顔写真だけではなく、お相手のインタビュー動画も見ることが出来ます。お相手の表情や声を視聴できますので、より正確に判断してお見合い相手を選ぶことができます。
ご自分の動画も異性会員に公開したほうが、お相手から申し込まれる確率が上がりますから、あなたが同意すれば、あなたのインタビュー動画も無料で制作し、当会の異性会員さん限定で公開します。
インタビュー動画の録画は、アンケート調査機関に委託し、Zoomなどのビデオ通話サービスを使用して、あなたは、在宅のまま、いくつかの一般的なありきたりの、「バラの花とユリの花ではどちらが好きですか?」というような質問に答えるだけです。
ほんの数分程度で終了し、編集の上、あなたの確認を得てから、会員限定で公開します。
動画を見るには、当会会員であることに加えて、その動画ごとのパスワードが必要なので、会員以外にはその動画は見られませんが、もし万一外部に流出しても、その動画上では、あなたの顔と声以外の個人情報は一切伏せているので、あなたとはわかりません。
顔見知りの人がそれを見てあなたとわかったとしても、「アンケート調査機関のインタビュー」と銘打ってあり、かつ、動画の内容はありきたりの質問と答えなので、あなたに不利益になることはありません。どうぞご安心下さい。」
【産業上の利用可能性】
【0009】
インターネット上で会員に異性会員のプロフィールを閲覧させている異性紹介業においては、すぐにでも、このビジネスモデルを宣伝して集客し、流出対策済みの会員の動画プロフィールを委託制作し、それを会員限定でかつパスワード付きで公開して、お見合いや出会いのチャンスを広げることが可能である。
図1