特開2021-180128(P2021-180128A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-180128(P2021-180128A)
(43)【公開日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20211022BHJP
   H01R 13/621 20060101ALI20211022BHJP
【FI】
   H01R13/631
   H01R13/621
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-85285(P2020-85285)
(22)【出願日】2020年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】兼松 佑多
(72)【発明者】
【氏名】椋野 潤一
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC07
5E021FC31
5E021HA07
5E021HB20
5E021HC20
(57)【要約】
【課題】端子の損傷を抑制できるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】第1コネクタ20は、筒状の第1挿入部22を備えた第1コネクタハウジング21と、第1締め付け部材27とを有する。第2コネクタ40は、筒状の第2挿入部42を備えた第2コネクタハウジング41と、第1締め付け部材27と螺合することで第2挿入部42に第1挿入部22を挿入させる第2締め付け部材44とを有する。第1端子31は、第1挿入部22内で第1挿入部22の軸方向に沿って延びる第1接続部32を有する。第2端子51は、第2挿入部42内で第2挿入部42の軸方向に沿って延び第1接続部32が挿入される第2接続部52を有する。第2挿入部42は、第2挿入部42の軸方向に延びる案内溝である第2案内部48を有する。第1挿入部22は、第1挿入部22の第2挿入部42への挿入に伴って案内溝に挿入されて当該案内溝に嵌合する案内凸部である第1案内部28を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子を有する第1コネクタと、
前記第1端子と電気的に接続される第2端子を有し前記第1コネクタと接続される第2コネクタと
を備え、
前記第1コネクタは、筒状をなす第1挿入部を備えた第1コネクタハウジングと、第1締め付け部材とを有し、
前記第2コネクタは、筒状をなす第2挿入部を備えた第2コネクタハウジングと、前記第1締め付け部材と螺合することにより前記第2挿入部に前記第1挿入部を挿入させる第2締め付け部材とを有し、
前記第1端子は、前記第1挿入部の内側に配置され前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1接続部を有し、
前記第2端子は、前記第2挿入部の内側に配置され前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2接続部を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるに伴って前記第1接続部及び前記第2接続部のうちいずれか一方の接続部がいずれか他方の接続部に挿入されることにより電気的に接続されるものであり、
前記第1挿入部は、前記第1挿入部の外周面に、前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1案内部を有し、
前記第2挿入部は、前記第2挿入部の内周面に、前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2案内部を有し、
前記第1案内部及び前記第2案内部のうちいずれか一方は案内溝であり、いずれか他方は、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるときに前記第1挿入部の前記第2挿入部への挿入方向と平行な方向に沿って前記案内溝に挿入されて前記案内溝に嵌合する案内凸部であるコネクタ装置。
【請求項2】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続するとき、前記第1接続部及び前記第2接続部のうちいずれか一方の接続部へのいずれか他方の接続部の挿入が開始されるより前に、前記案内溝への前記案内凸部の挿入が開始される請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1コネクタを前記第1挿入部の軸方向から見て、前記第1挿入部の中央と前記第1締め付け部材の中央とを通る直線を第1直線とすると、前記第1挿入部は、前記第1直線と交差する方向における前記第1挿入部の両端部に前記第1案内部をそれぞれ有し、
前記第2コネクタを前記第2挿入部の軸方向から見て、前記第2挿入部の中央と前記第2締め付け部材の中央とを通る直線を第2直線とすると、前記第2挿入部は、前記第2直線と交差する方向における前記第2挿入部の内周面の両端部に前記第2案内部をそれぞれ有する請求項1又は請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第1コネクタハウジングは、前記第1挿入部の外周面から外側に延出されたフランジ部を有し、
前記第1案内部は、前記案内凸部であるとともに、前記フランジ部と一体に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される機器のケースに装着される機器側コネクタと、電線の端部に設けられ機器側コネクタに電気的に接続される電線側コネクタとを備えたコネクタ装置がある。機器側コネクタは、ケースの内部に配置された機器側の端子に電気的に接続される機器側端子と、機器側端子が内側に配置された機器側コネクタハウジングとを有する。電線側コネクタは、電線が電気的に接続される電線側端子と、電線側端子が内側に配置されるとともに機器側コネクタハウジングが挿入される電線側コネクタハウジングとを有する。そして、例えば、機器側端子は雄端子であるとともに、電線側端子は雌端子である。機器側コネクタと電線側コネクタとを接続する際に、機器側端子が電線側端子に挿入されることにより、機器側端子と電線側端子とが電気的に接続される。
【0003】
このようなコネクタ装置には、例えば特許文献1に記載されているように、機器側コネクタに設けられた嵌合用ナットと、電線側コネクタに設けられた嵌合用ボルトとを螺合させることにより、機器側コネクタと電線側コネクタとの接続をアシストする構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−48949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、機器側コネクタと電線側コネクタとを接続するために機器側端子を電線側端子に挿入する際、雌端子である電線側端子が雄端子である機器側端子を押圧する押圧力が大きいと、端子間の摩擦力が大きくなるため、機器側端子を電線側端子に挿入するためにより大きな力を要する。嵌合用ナットと嵌合用ボルトによって機器側コネクタと電線側コネクタとの接続をアシストする構成のコネクタ装置においては、嵌合用ナットに嵌合用ボルトを螺合させることによって電線側端子への機器側端子の挿入をアシストすることができる。
【0006】
しかしながら、嵌合用ナット及び嵌合用ボルトは、一般的に、機器側コネクタ及び電線側コネクタにおいて機器側端子及び電線側端子の外周の1箇所に設けられている。更に、機器側端子を電線側端子に挿入するために要する力は、一般的に、機器側コネクタハウジングを電線側コネクタハウジングに挿入するために要する力よりも大きい。そのため、嵌合用ナットに嵌合用ボルトを螺合させていくと、嵌合用ナットと嵌合用ボルトとの螺合部分を支点にして機器側コネクタに対して電線側コネクタが傾斜するおそれがある。すると、機器側端子に対して電線側端子が傾斜した状態で、電線側端子への機器側端子の挿入が進められることになる。この場合、機器側端子と電線側端子との接触部分において端子が削れるなど、端子の損傷を招くおそれがある。
【0007】
本開示の目的は、端子の損傷を抑制できるコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のコネクタ装置は、第1端子を有する第1コネクタと、前記第1端子と電気的に接続される第2端子を有し前記第1コネクタと接続される第2コネクタとを備え、前記第1コネクタは、筒状をなす第1挿入部を備えた第1コネクタハウジングと、第1締め付け部材とを有し、前記第2コネクタは、筒状をなす第2挿入部を備えた第2コネクタハウジングと、前記第1締め付け部材と螺合することにより前記第2挿入部に前記第1挿入部を挿入させる第2締め付け部材とを有し、前記第1端子は、前記第1挿入部の内側に配置され前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1接続部を有し、前記第2端子は、前記第2挿入部の内側に配置され前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるに伴って前記第1接続部及び前記第2接続部のうちいずれか一方の接続部がいずれか他方の接続部に挿入されることにより電気的に接続されるものであり、前記第1挿入部は、前記第1挿入部の外周面に、前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1案内部を有し、前記第2挿入部は、前記第2挿入部の内周面に、前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2案内部を有し、前記第1案内部及び前記第2案内部のうちいずれか一方は案内溝であり、いずれか他方は、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるときに前記第1挿入部の前記第2挿入部への挿入方向と平行な方向に沿って前記案内溝に挿入されて前記案内溝に嵌合する案内凸部であるコネクタ装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示のコネクタ装置によれば、端子の損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態におけるコネクタ装置の分解斜視図である。
図2図2は、一実施形態におけるコネクタ装置の分解側面図である。
図3図3は、一実施形態におけるコネクタ装置の側面図である。
図4図4は、一実施形態におけるコネクタ装置の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタ装置は、
[1]第1端子を有する第1コネクタと、前記第1端子と電気的に接続される第2端子を有し前記第1コネクタと接続される第2コネクタとを備え、前記第1コネクタは、筒状をなす第1挿入部を備えた第1コネクタハウジングと、第1締め付け部材とを有し、前記第2コネクタは、筒状をなす第2挿入部を備えた第2コネクタハウジングと、前記第1締め付け部材と螺合することにより前記第2挿入部に前記第1挿入部を挿入させる第2締め付け部材とを有し、前記第1端子は、前記第1挿入部の内側に配置され前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1接続部を有し、前記第2端子は、前記第2挿入部の内側に配置され前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるに伴って前記第1接続部及び前記第2接続部のうちいずれか一方の接続部がいずれか他方の接続部に挿入されることにより電気的に接続されるものであり、前記第1挿入部は、前記第1挿入部の外周面に、前記第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1案内部を有し、前記第2挿入部は、前記第2挿入部の内周面に、前記第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2案内部を有し、前記第1案内部及び前記第2案内部のうちいずれか一方は案内溝であり、いずれか他方は、前記第1挿入部が前記第2挿入部に挿入されるときに前記第1挿入部の前記第2挿入部への挿入方向と平行な方向に沿って前記案内溝に挿入されて前記案内溝に嵌合する案内凸部であるコネクタ装置である。
【0012】
この構成によれば、挿入方向と平行な方向に沿って案内溝に挿入された案内凸部は、案内溝に嵌合する。従って、案内凸部は、案内溝に対する傾斜が同案内溝の内周面によって規制される。即ち、案内凸部は、第1挿入部の軸方向もしくは第2挿入部の軸方向に対する傾斜が案内溝の内周面によって規制される。よって、第1コネクタと第2コネクタとを接続するために第2挿入部に第1挿入部を挿入させる際、第1挿入部に対して第2挿入部が相対的に傾斜することが、互いに嵌合した第1案内部及び第2案内部によって抑制される。このため、第1挿入部の軸方向に沿って延びる第1接続部に対して、第2挿入部の軸方向に沿って延びる第2接続部が相対的に傾斜することが抑制される。従って、第1接続部に対して第2接続部が相対的に傾斜することが抑制された状態で、第1接続部と第2接続部とを電気的に接続できる。その結果、第1接続部及び第2接続部の損傷、即ち第1端子及び第2端子の損傷を抑制できる。
【0013】
[2]前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続するとき、前記第1接続部及び前記第2接続部のうちいずれか一方の接続部へのいずれか他方の接続部の挿入が開始されるより前に、前記案内溝への前記案内凸部の挿入が開始されることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1接続部及び第2接続部のうちいずれか一方の接続部へのいずれか他方の接続部の挿入が開始されるときには、案内凸部の少なくとも一部は、案内溝に嵌合していることになる。従って、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際、第1接続部と第2接続部とは、第1案内部と第2案内部とによって第1接続部に対して第2接続部が相対的に傾斜することが抑制された状態で、互いの接続を開始できる。その結果、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際、第1接続部と第2接続部との接続の開始時点から、第1接続部及び第2接続部の損傷、即ち第1端子及び第2端子の損傷を抑制できる。
【0015】
[3]前記第1コネクタを前記第1挿入部の軸方向から見て、前記第1挿入部の中央と前記第1締め付け部材の中央とを通る直線を第1直線とすると、前記第1挿入部は、前記第1直線と交差する方向における前記第1挿入部の両端部に前記第1案内部をそれぞれ有し、前記第2コネクタを前記第2挿入部の軸方向から見て、前記第2挿入部の中央と前記第2締め付け部材の中央とを通る直線を第2直線とすると、前記第2挿入部は、前記第2直線と交差する方向における前記第2挿入部の内周面の両端部に前記第2案内部をそれぞれ有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1挿入部が第1案内部を1つのみ有するとともに、第2挿入部が第2案内部を1つのみ有する場合に比べて、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に第1挿入部に対して第2挿入部が相対的に傾斜することをより抑制しやすい。また、第1挿入部が第1直線方向における同第1挿入部の両端部に第1案内部を有するとともに、第2挿入部が第2直線方向における同第2挿入部の内周面の両端部に第2案内部を有する場合に比べて、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に第1挿入部に対して第2挿入部が相対的に傾斜することをより抑制しやすい。従って、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に、第1接続部に対して第2接続部が相対的に傾斜することをより抑制しやすくなる。その結果、第1接続部及び第2接続部の損傷、即ち第1端子及び第2端子の損傷をより抑制できる。
【0017】
[4]前記第1コネクタハウジングは、前記第1挿入部の外周面から外側に延出されたフランジ部を有し、前記第1案内部は、前記案内凸部であるとともに、前記フランジ部と一体に設けられていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第1案内部がフランジ部と一体に設けられない場合に比べて、第1案内部の強度を高めることができる。従って、第1案内部は、第1挿入部に対して第2挿入部が相対的に傾斜しようとした場合に第1案内部にかかるより大きな荷重に耐えることができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタ装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。添付図面において、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。
【0020】
以下、コネクタ装置の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のコネクタ装置10は、第1端子31を有する第1コネクタ20と、第1端子31と電気的に接続される第2端子51を有し第1コネクタ20と接続される第2コネクタ40とを備えている。本実施形態では、第1コネクタ20は、車両に搭載される電気機器の金属製のケースに装着される。また、本実施形態では、第2コネクタ40は、第1コネクタ20が装着される電子機器とは別の電子機器に電気的に接続される電線の端部に電気的に接続される。
【0021】
(第1コネクタ20の構成)
第1コネクタ20は、第1端子31と、第1端子31が内側に配置された第1コネクタハウジング21とを有する。
【0022】
(第1コネクタハウジング21の構成)
第1コネクタハウジング21は、導電性材料よりなる。第1コネクタハウジング21の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料を用いることができる。
【0023】
第1コネクタハウジング21は、筒状をなす第1挿入部22を備えている。本実施形態の第1挿入部22は、同第1挿入部22の軸方向から見た形状が扁平な四角形状をなす四角筒状をなしている。更に、本実施形態の第1挿入部22は、同第1挿入部22の軸方向から見て4つの角部が丸みをおびた隅丸四角形状をなしている。なお、図中では、第1挿入部22の中心軸線L1を一点鎖線で図示している。第1挿入部22の軸方向は、中心軸線L1と平行な方向である。また、以下、第1挿入部22の軸方向を「軸方向X1」と記載する。
【0024】
ここで、軸方向X1における第1挿入部22の一端部を第1挿入部22の先端部とするとともに、他端部を第1挿入部22の基端部とする。図1図3においては、軸方向X1における第1挿入部22の両端部のうち、左側の端部が先端部、右側の端部が基端部である。第1コネクタハウジング21は、第1挿入部22の基端部に一体に設けられた端子保持部23を有する。端子保持部23は、第1挿入部22の基端部から軸方向X1に沿って外側に突出している。
【0025】
図1及び図2に示すように、第1コネクタハウジング21は、第1挿入部22の外周面から第1挿入部22の外側に延出されたフランジ部24を有する。フランジ部24は、第1挿入部22の基端部に一体に設けられている。また、本実施形態では、フランジ部24は、第1挿入部22の全周にわたって鍔状に設けられている。なお、図2は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する直前の状態における第1コネクタ20及び第2コネクタ40の側面図である。
【0026】
軸方向X1から見て、フランジ部24における第1挿入部22の短手方向の一端側は、同フランジ部24における第1挿入部22の短手方向の他端側の部分よりも第1挿入部22の短手方向に長く形成された固定部25である。固定部25は、軸方向X1と垂直な平板状をなしている。第1コネクタ20は、同第1コネクタ20が装着される図示しない電子機器のケースに設けられた装着孔に端子保持部23が挿入された状態で、固定部25が当該ケースに装着部材26にて固定されることにより当該ケースに装着される。なお、本実施形態では、装着部材26は、固定部25を貫通し当該ケースに螺合されるボルトである。
【0027】
(第1締め付け部材27の構成)
第1コネクタ20は、第1締め付け部材27を有する。第1締め付け部材27は、第1コネクタ20と第2コネクタ40との接続をアシストするためのものである。第1締め付け部材27は、固定部25に一体に設けられている。第1締め付け部材27は、固定部25から軸方向X1に沿って第1挿入部22の先端側に突出している。第1締め付け部材27は、円柱状をなしている。第1締め付け部材27は、同第1締め付け部材27の軸方向が軸方向X1と平行となるように形成されている。
【0028】
図4に示すように、第1締め付け部材27は、軸方向X1から見て、第1挿入部22に対して第1挿入部22の短手方向の一方側に位置する。また、軸方向X1から見て、第1挿入部22の長手方向における第1締め付け部材27の位置は、第1挿入部22の長手方向における第1挿入部22の中央部と同じ位置である。なお、図4は、図3における4−4端面図である。
【0029】
図2に示すように、第1締め付け部材27の先端面は、第1締め付け部材27の軸方向と垂直な平面状、即ち軸方向X1と垂直な平面状をなす当接面27aである。当接面27aは、軸方向X1においては、第1挿入部22の先端よりも第1挿入部22の基端部寄りとなる位置に位置する。
【0030】
図1及び図4に示すように、第1締め付け部材27は、第1締め付け部材27の先端から基端側に凹設された雌ねじ穴27bを有する。雌ねじ穴27bは、第1締め付け部材27の径方向の中央部に設けられている。また、雌ねじ穴27bは、第1締め付け部材27の軸方向に沿って延びている。このように、本実施形態の第1締め付け部材27は、雌ねじ穴27bを有するナットである。また、第1締め付け部材27の先端部には、収容凹部27cが凹設されている。収容凹部27cは、雌ねじ穴27bにおける第1締め付け部材27の先端側の開口部を拡径するように形成されている。
【0031】
(第1案内部28の構成)
図1図4に示すように、第1挿入部22は、第1挿入部22の外周面に、軸方向X1に沿って延びる第1案内部28を有する。軸方向X1から見て、第1案内部28は、四角筒状の第1挿入部22を構成する4つの側壁のうち第1挿入部22の長手方向の両端に位置する2つの側壁22a,22bの外面にそれぞれ一体に設けられている。軸方向X1から見て、側壁22a,22bは、第1挿入部22の中央O11と第1締め付け部材27の中央O12とを通る第1直線L11、即ち第1挿入部22の中心軸線L1と第1締め付け部材27の中心軸線L12とを通る第1直線L11に沿って延びている。そして、第1コネクタ20を軸方向X1から見て、第1案内部28は、第1直線L11と交差する方向における第1挿入部22の両端部にそれぞれ設けられている。本実施形態では、第1コネクタ20を軸方向X1から見て、第1案内部28は、第1直線L11と直交する方向、即ち第1挿入部22の長手方向における第1挿入部22の両端部にそれぞれ設けられている。
【0032】
側壁22aに設けられた第1案内部28は、側壁22aの外面から第1挿入部22の外側に突出している。側壁22bに設けられた第1案内部28は、側壁22bの外面から第1挿入部22の外側に突出している。2つの第1案内部28は、軸方向X1に沿って第1挿入部22の先端から基端まで連続して延びる突条をなしている。即ち、本実施形態の第1案内部28は、案内凸部である。各第1案内部28は、軸方向X1と垂直な平面で切った断面形状が四角形状をなしている。また、各第1案内部28は、軸方向X1に沿って断面形状が一定である。2つの第1案内部28は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の短手方向における位置が等しい。各第1案内部28における第1挿入部22の基端側の端部は、フランジ部24と一体に設けられている。
【0033】
(第1端子31の構成)
図1及び図2に示すように、第1コネクタ20は、第1端子31を2つ有する。第1端子31は、導電性材料よりなる。第1端子31の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料を用いることができる。
【0034】
各第1端子31は、第1挿入部22の内側に配置された第1接続部32と、第1接続部32よりも第1挿入部22の基端側に配置された機器側接続部33とを有する。各第1端子31は、第1接続部32と機器側接続部33との間の部分が端子保持部23によって保持されている。端子保持部23によって保持された2つの第1端子31は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の長手方向に並んでいる。
【0035】
各第1端子31において、機器側接続部33は、端子保持部23から第1コネクタハウジング21の外部に突出している。各機器側接続部33は、第1コネクタ20が装着される図示しない電子機器のケースの内部で機器側の接続端子と電気的に接続される。2つの機器側接続部33は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の長手方向に並んでいる。
【0036】
各第1端子31において、第1接続部32は、軸方向X1に沿って延びている。第1接続部32は、短冊状、棒状、柱状などの軸方向X1に沿って延びる形状をなしている。本実施形態では、第1接続部32は、短冊状をなしている。即ち、本実施形態の第1端子31は、短冊状の第1接続部32を有する雄端子である。第1接続部32は、軸方向X1から見て、同第1接続部32の幅方向が第1挿入部22の長手方向に沿うとともに、同第1接続部32の厚さ方向が第1挿入部22の短手方向に沿うように配置されている。2つの第1接続部32は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の長手方向に並んでいる。また、2つの第1接続部32は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の短手方向における位置が等しい。各第1接続部32の先端は、軸方向X1において、第1挿入部22の先端よりも第1挿入部22の基端側に位置する。なお、第1接続部32の先端は、第1接続部32における軸方向X1の両端のうち第1挿入部22の先端側の端である。
【0037】
図4に示すように、本実施形態では、軸方向X1から見て、第1締め付け部材27の中央O12と、2つの第1接続部32の中央とは、第1挿入部22の長手方向における位置が同じである。従って、軸方向X1から見て、第1挿入部22は、第1締め付け部材27の中央O12と2つの第1接続部32の中央とを通る直線と直交する方向の両側にそれぞれ第1案内部28を有する。
【0038】
(第2コネクタ40の構成)
図1及び図2に示すように、第2コネクタ40は、第2端子51と、第2端子51が内側に配置された第2コネクタハウジング41とを有する。
【0039】
(第2コネクタハウジング41の構成)
第2コネクタハウジング41は、導電性材料よりなる。第2コネクタハウジング41の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料を用いることができる。
【0040】
第2コネクタハウジング41は、筒状をなす第2挿入部42を備えている。第2コネクタ40において、第2挿入部42は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に、第1挿入部22が内側に挿入される部分である。本実施形態の第2挿入部42は、同第2挿入部42の軸方向から見た形状が扁平な四角形状をなす四角筒状をなしている。第2挿入部42の内周面は、第1挿入部22の外形に応じた四角筒状をなしている。また、第2挿入部42は、第2挿入部42に第1挿入部22が挿入された状態において、第1挿入部22の外周面と第2挿入部42の内周面との間に僅かな隙間が形成される大きさに形成されている。なお、当該隙間は僅かな隙間であるため、図示を省略している。
【0041】
ここで、第2挿入部42の軸方向における同第2挿入部42の一端部を第2挿入部42の先端部とするとともに、他端部を第2挿入部42の基端部とする。図中では、第2挿入部42の中心軸線L2を一点鎖線で図示している。そして、第2挿入部42の軸方向は、中心軸線L2と平行な方向である。以下、第2挿入部42の軸方向を「軸方向X2」と記載する。図1図3においては、軸方向X2における第2挿入部42の両端部のうち、右側の端部が先端部、左側の端部が基端部である。
【0042】
第2コネクタハウジング41は、第2挿入部42の外周面から第2挿入部42の外側に突出した保持部43を有する。保持部43は、第2挿入部42に一体に設けられている。保持部43は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の短手方向の一端部から同短手方向に沿って外側に延びる平板状をなしている。保持部43の厚さ方向は、軸方向X2と同じ方向である。保持部43は、軸方向X2においては、第2挿入部42の先端よりも第2挿入部42の基端側に位置する。
【0043】
(第2締め付け部材44の構成)
第2コネクタ40は、第2締め付け部材44を有する。第2締め付け部材44は、第1締め付け部材27と螺合することにより、第1コネクタ20と第2コネクタ40との接続をアシストするものである。本実施形態の第2締め付け部材44は、第1締め付け部材27に螺合するボルトである。第2締め付け部材44は、頭部44aと、頭部44aから突出した雄ねじ部44bとを有する。
【0044】
第2締め付け部材44は、雄ねじ部44bが保持部43を貫通した状態で保持部43に保持されている。第2締め付け部材44は、頭部44aが第2挿入部42の基端側に配置されるとともに、雄ねじ部44bが第2挿入部42の先端側に配置されるように保持部43にて保持されている。第2締め付け部材44は、保持部43に対して雄ねじ部44bの中心軸線回りに相対回転可能に保持されている。また、第2締め付け部材44は、雄ねじ部44bの軸方向が軸方向X2と平行となるように保持部43にて保持されている。
【0045】
雄ねじ部44bには、頭部44aとの間に保持部43を挟むようにEリング45が装着されている。第2締め付け部材44は、Eリング45と頭部44aとによって保持部43に対する雄ねじ部44bの軸方向の移動が規制されている。
【0046】
図4に示すように、第2締め付け部材44は、軸方向X2から見て、第2挿入部42に対して第2挿入部42の短手方向の一方側に位置する。また、軸方向X2から見て、第2挿入部42の長手方向における第2締め付け部材44の位置は、第2挿入部42の長手方向における第2挿入部42の中央部と同じ位置である。
【0047】
(第2案内部48の構成)
図1図4に示すように、第2挿入部42は、第2挿入部42の内周面に、軸方向X2に沿って延びる第2案内部48を有する。軸方向X2から見て、第2案内部48は、四角筒状の第2挿入部42を構成する4つの側壁のうち第2挿入部42の長手方向の両端に位置する2つの側壁42a,42bの内面に設けられている。軸方向X2から見て、側壁42a,42bは、第2挿入部42の中央O21と第2締め付け部材44の中央O22とを通る第2直線L21、即ち第2挿入部42の中心軸線L2と第2締め付け部材44の中心軸線L22とを通る第2直線L21に沿って延びている。なお、本実施形態では、第2締め付け部材44の中心軸線L22は、雄ねじ部44bの中心軸線に同じである。そして、第2コネクタ40を軸方向X2から見て、第2案内部48は、第2直線L21と交差する方向における第2挿入部42の内周面の両端部にそれぞれ設けられている。本実施形態では、第2コネクタ40を軸方向X2から見て、第2案内部48は、第2直線L21と直交する方向、即ち第2挿入部42の長手方向における第2挿入部42の内周面の両端部にそれぞれ設けられている。
【0048】
本実施形態の第2案内部48は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するときに案内凸部である第1案内部28が挿入される案内溝である。詳しくは、側壁42aに設けられた第2案内部48は、側壁42aの一部を第2挿入部42の外側に樋状に突出させることにより形成された溝である。側壁42bに設けられた第2案内部48は、側壁42bの一部を第2挿入部42の外側に樋状に突出させることにより形成された溝である。各第2案内部48は、第2挿入部42の内側に開口するとともに、軸方向X2に沿って第2挿入部42の先端から基端まで連続して延びている。各第2案内部48は、軸方向X2と垂直な平面で切った断面形状が四角形状をなしている。また、各第2案内部48は、軸方向X2に沿って断面形状が一定である。2つの第2案内部48は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の短手方向における位置が等しい。
【0049】
ここで、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するときに第1挿入部22が第2挿入部42に挿入される方向を挿入方向X3とする。第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するときには、第1挿入部22が第2挿入部42に挿入されるのに伴って、挿入方向X3と平行な方向に沿って第1案内部28が第2案内部48に挿入される。本実施形態では、第1案内部28は、挿入方向X3と同じ方向に沿って第2案内部48に挿入される。第1案内部28において第2案内部48に挿入された部分は、同第2案内部48に嵌合する。そして、第1案内部28が第2案内部48に嵌合した部分では、第1案内部28の外周面と第2案内部48の内周面との間の隙間は、第1案内部28を除く第1挿入部22の外周面と第2案内部48を除く第2挿入部42の内周面との間の隙間よりも小さい。また、第1案内部28の外周面と第2案内部48の内周面との間の隙間は、挿入方向X3と平行な方向の第1案内部28と第2案内部48との相対移動を許容する一方で、案内溝である第2案内部48の内周面によって案内凸部である第1案内部28の軸方向X2に対する傾斜を抑制できる大きさである。
【0050】
(第2端子51の構成)
図1及び図2に示すように、第2コネクタ40は、第2端子51を第1端子31と同数の2つ有する。第2端子51は、導電性材料よりなる。第2端子51の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料を用いることができる。
【0051】
2つの第2端子51は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の長手方向に並ぶように第2コネクタハウジング41に対して配置されている。第2端子51の各々には、図示しない電線が電気的に接続される。
【0052】
各第2端子51は、第2挿入部42の内側に配置された第2接続部52を有する。各第2端子51において、第2接続部52は、軸方向X2に沿って延びている。第2接続部52は、第1接続部32を挿入可能な形状をなしている。即ち、本実施形態の第2端子51は、雌端子である。本実施形態では、第2接続部52は、筒状をなしている。2つの第2接続部52は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の長手方向に並んでいる。また、2つの第2接続部52は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の短手方向における位置が等しい。第2接続部52の先端は、軸方向X2において、第2挿入部42の先端よりも第2挿入部42の基端側に位置する。なお、第2接続部52の先端は、第2接続部52における軸方向X2の両端のうち第2挿入部42の先端側の端である。
【0053】
図4に示すように、本実施形態では、軸方向X2から見て、第2締め付け部材44の中央O22と、2つの第2接続部52の中央とは、第2挿入部42の長手方向における位置が同じである。従って、軸方向X2から見て、第2挿入部42は、第2締め付け部材44の中央O22と2つの第2接続部52の中央とを通る直線と直交する方向の両側にそれぞれ第2案内部48を有する。
【0054】
(第1コネクタ20と第2コネクタ40との接続)
次に、第1コネクタ20と第2コネクタ40との接続について、本実施形態の作用と合わせて説明する。
【0055】
図2に示すように、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際には、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを、第1挿入部22の先端と第2挿入部42の先端とを対向させて配置する。その後、第1挿入部22が第2挿入部42に挿入されるように、第2コネクタ40を第1コネクタ20側に移動させる。このとき、第1挿入部22の第2挿入部42への挿入方向X3と平行な方向に沿って第1案内部28が第2案内部48に挿入される。第1案内部28において第2案内部48に挿入された部分は、第2案内部48に対する軸方向X2の相対移動は許容される状態で、同第2案内部48に嵌合する。第2案内部48への第1案内部28の挿入が進むと、第1案内部28と第2案内部48とによって、第1挿入部22に対する第2挿入部42の傾斜が抑制された状態になる。即ち、軸方向X1に対して軸方向X2が傾斜するような(即ち中心軸線L1に対して中心軸線L2が傾斜するような)、第1挿入部22に対する第2挿入部42の傾斜が抑制された状態になる。このため、第1接続部32に対して第2接続部52が傾斜することが抑制される。
【0056】
第1挿入部22を第2挿入部42に挿入させつつ第2コネクタ40を第1コネクタ20側に更に移動させると、第2締め付け部材44の雄ねじ部44bの先端部が、第1締め付け部材27の雌ねじ穴27bの開口部に挿入される。このとき、第1接続部32の先端と第2接続部52の先端とは軸方向X1もしくは軸方向X2、すなわち挿入方向X3に離れており、第1接続部32の第2接続部52への挿入は開始されていない。
【0057】
そして、第2締め付け部材44を第1締め付け部材27に螺合させることにより、第2コネクタ40を第1コネクタ20側へ更に移動させる。すると、第1接続部32の先端が第2接続部52に挿入され始める。第1接続部32が第2接続部52に挿入され始めるときには、第1案内部28は、第1案内部28と第2案内部48とによって第1挿入部22に対する第2挿入部42の傾斜を抑制するのに十分なほど、第2案内部48に挿入されている。従って、第1挿入部22の内側に軸方向X1に沿って延びるように設けられた第1接続部32に対して、第2挿入部42の内側に軸方向X2に沿って延びるように設けられた第2接続部52が傾斜することが抑制された状態で、第1接続部32が第2接続部52に挿入され始める。
【0058】
そして、当接面27aに保持部43が当接するまで、第2締め付け部材44を第1締め付け部材27に螺合させる。このとき、第1案内部28と第2案内部48とによって第1挿入部22に対して第2挿入部42が傾斜することが抑制されている。そのため、第1接続部32と第2接続部52との間の摩擦力のために第1接続部32が第2接続部52に挿入され難い場合であっても、第1接続部32に対して第2接続部52が傾斜した状態で第1接続部32が第2接続部52に挿入されることが抑制される。
【0059】
図3に示すように、当接面27aに保持部43が当接すると、第1コネクタ20と第2コネクタ40との接続が完了する。なお、Eリング45は、収容凹部27c内に配置される。第1コネクタ20と第2コネクタ40とが接続された状態においては、第1接続部32が第2接続部52に挿入されることにより第1接続部32と第2接続部52とが圧接している部分において、第1接続部32と第2接続部52とが電気的に接続されている。
【0060】
本実施形態の効果について説明する。
(1)コネクタ装置10は、第1端子31を有する第1コネクタ20と、第1端子31と電気的に接続される第2端子51を有し第1コネクタ20と接続される第2コネクタ40とを備えている。第1コネクタ20は、筒状をなす第1挿入部22を備えた第1コネクタハウジング21と、第1締め付け部材27とを有する。第2コネクタ40は、筒状をなす第2挿入部42を備えた第2コネクタハウジング41と、第1締め付け部材27と螺合することにより第2挿入部42に第1挿入部22を挿入させる第2締め付け部材44とを有する。第1端子31は、第1挿入部22の内側に配置され軸方向X1に沿って延びる第1接続部32を有する。第2端子51は、第2挿入部42の内側に配置され軸方向X2に沿って延びる第2接続部52を有する。第1接続部32と第2接続部52とは、第1挿入部22が第2挿入部42に挿入されるに伴って第1接続部32が第2接続部52に挿入されることにより電気的に接続されるものである。第1挿入部22は、第1挿入部22の外周面に、軸方向X1に沿って延びる第1案内部28を有する。第2挿入部42は、第2挿入部42の内周面に、軸方向X1に沿って延びる第2案内部48を有する。第2案内部48は案内溝である。第1案内部28は、第1挿入部22が第2挿入部42に挿入されるときに第1挿入部22の第2挿入部42への挿入方向X3と平行な方向に沿って案内溝に挿入されて当該案内溝に嵌合する案内凸部である。
【0061】
この構成によれば、挿入方向X3と平行な方向に沿って案内溝に挿入された案内凸部は、案内溝に嵌合する。本実施形態では、挿入方向X3と平行な方向に沿って第2案内部48に挿入された第1案内部28は、第2案内部48に嵌合する。従って、案内凸部である第1案内部28は、案内溝である第2案内部48に対する傾斜が同第2案内部48の内周面によって規制される。即ち、案内凸部である第1案内部28は、軸方向X2に対する傾斜が案内溝である第2案内部48の内周面によって規制される。よって、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するために第2挿入部42に第1挿入部22を挿入させる際、第1挿入部22に対して第2挿入部42が相対的に傾斜することが、互いに嵌合した第1案内部28及び第2案内部48によって抑制される。このため、軸方向X1に沿って延びる第1接続部32に対して、軸方向X2に沿って延びる第2接続部52が相対的に傾斜することが抑制される。従って、第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することが抑制された状態で、第1接続部32を第2接続部52に挿入できる。その結果、第1接続部32及び第2接続部52の損傷、即ち第1端子31及び第2端子51の損傷を抑制できる。
【0062】
(2)第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するとき、第2接続部52への第1接続部32の挿入が開始されるより前に、第2案内部48への第1案内部28の挿入が開始される。
【0063】
この構成によれば、第2接続部52への第1接続部32の挿入が開始されるときには、案内凸部である第1案内部28の少なくとも一部は、案内溝である第2案内部48に嵌合していることになる。従って、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際、第1接続部32と第2接続部52とは、第1案内部28と第2案内部48とによって第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することが抑制された状態で、互いの接続を開始できる。その結果、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際、第1接続部32と第2接続部52との接続の開始時点から、第1接続部32及び第2接続部52の損傷、即ち第1端子31及び第2端子51の損傷を抑制できる。
【0064】
(3)第1コネクタ20を軸方向X1から見て、第1挿入部22の中央O11と第1締め付け部材27の中央O12とを通る直線を第1直線L11とすると、第1挿入部22は、第1直線L11と交差する方向における第1挿入部22の両端部に第1案内部28をそれぞれ有する。第2コネクタ40を軸方向X2から見て、第2挿入部42の中央O21と第2締め付け部材44の中央O22とを通る直線を第2直線L21とすると、第2挿入部42は、第2直線L21と交差する方向における第2挿入部42の内周面の両端部に第2案内部48をそれぞれ有する。
【0065】
この構成によれば、第1挿入部22が第1案内部28を1つのみ有するとともに、第2挿入部42が第2案内部48を1つのみ有する場合に比べて、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に第1挿入部22に対して第2挿入部42が相対的に傾斜することをより抑制しやすい。また、第1挿入部22が第1直線L11方向における第1挿入部22の両端部に第1案内部28を有するとともに、第2挿入部42が第2直線L21方向における第2挿入部42の内周面の両端部に第2案内部48を有する場合に比べて、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に第1挿入部22に対して第2挿入部42が相対的に傾斜することをより抑制しやすい。従って、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に、第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することをより抑制しやすくなる。その結果、第1接続部32及び第2接続部52の損傷、即ち第1端子31及び第2端子51の損傷をより抑制できる。
【0066】
本実施形態では、第1コネクタ20を軸方向X1から見て、第1挿入部22は、第1直線L11と直交する方向における第1挿入部22の両端部に第1案内部28をそれぞれ有する。第2コネクタ40を軸方向X2から見て、第2挿入部42は、第2直線L21と直交する方向における第2挿入部42の内周面の両端部に第2案内部48をそれぞれ有する。そのため、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に第1挿入部22に対して第2挿入部42が相対的に傾斜することをより効果的に抑制できる。従って、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に、第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することをより効果的に抑制できる。その結果、第1接続部32及び第2接続部52の損傷、即ち第1端子31及び第2端子51の損傷を更に抑制できる。
【0067】
(4)第1コネクタハウジング21は、第1挿入部22の外周面から外側に延出されたフランジ部24を有する。第1案内部28は、案内凸部であるとともに、フランジ部24と一体に設けられている。
【0068】
この構成によれば、第1案内部28がフランジ部24と一体に設けられない場合に比べて、第1案内部28の強度を高めることができる。従って、第1案内部28は、第1挿入部22に対して第2挿入部42が相対的に傾斜しようとした場合に第1案内部28にかかるより大きな荷重に耐えることができる。
【0069】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1案内部28は、フランジ部24と一体に設けられている。しかしながら、第1案内部28は、必ずしもフランジ部24と一体に設けられなくてもよい。また、第1コネクタハウジング21は、フランジ部24を備えなくてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、第1コネクタ20を軸方向X1から見て、第1案内部28は、第1直線L11と直交する方向における第1挿入部22の両端部にそれぞれ設けられている。また、第2コネクタ40を第2挿入部42の軸方向から見て、第2案内部48は、第2直線L21と直交する方向における第2挿入部42の内周面の両端部にそれぞれ設けられている。しかしながら、第1案内部28が第1挿入部22の外周面に軸方向X1に沿って延びるように設けられるのであれば、第1挿入部22の外周面における第1案内部28の位置及び数は、上記実施形態の位置及び数に限らない。また、第2案内部48が第2挿入部42の内周面に軸方向X2に沿って延びるように設けられるのであれば、第2挿入部42の内周面における第2案内部48の位置及び数は、上記実施形態の位置及び数に限らない。
【0071】
例えば、第1案内部28は、第1直線L11と直交する方向以外の第1直線L11と交差する方向における第1挿入部22の両端部にそれぞれ設けられてもよい。そして、第2案内部48は、第2直線L21と直交する方向以外の第2直線L21と交差する方向における第2挿入部42の内周面の両端部にそれぞれ設けられてもよい。また例えば、第1挿入部22は、1つ、もしくは3つ以上の第1案内部28を有するものであってもよい。そして、第2案内部48は、1つ、もしくは3つ以上の第2案内部48を有するものであってもよい。
【0072】
・上記実施形態では、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するとき、第2接続部52への第1接続部32の挿入が開始されるより前に、第2案内部48への第1案内部28の挿入が開始される。しかしながら、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するときに、第2案内部48への第1案内部28の挿入が開始されるタイミングは、これに限らない。例えば、第2接続部52への第1接続部32の挿入が開始されると同時に、第2案内部48への第1案内部28の挿入が開始されるようにしてもよい。このようにしても、第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することが抑制された状態で、第1接続部32を第2接続部52に挿入できる。また例えば、第2接続部52への第1接続部32の挿入が開始された直後に、第2案内部48への第1案内部28の挿入が開始されるようにしてもよい。このようにしても、第2案内部48に第1案内部28が嵌合して第2案内部48に対する第1案内部28の傾斜が抑制される状態になると、第1接続部32に対して第2接続部52が相対的に傾斜することが抑制された状態で、第1接続部32を第2接続部52に挿入できる。
【0073】
・上記実施形態では、案内溝である各第2案内部48は、側壁42a,42bの一部を第2挿入部42の外側に樋状に突出させることにより溝状に形成されている。しかしながら、各第2案内部48は、側壁42a,42bの一部が薄くなるように側壁42a,42bの内面の一部を第2挿入部42の外側に向けて凹ませることにより溝状に形成されたものであってもよい。
【0074】
・上記実施形態では、各第1案内部28は、軸方向X1と垂直な平面で切った断面形状が四角形状をなしている。また、各第2案内部48は、軸方向X2と垂直な平面で切った断面形状が四角形状をなしている。しかしながら、第1案内部28及び第2案内部48の断面形状は、これに限らない。第1案内部28及び第2案内部48は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に第1案内部28を挿入方向X3と平行な方向から第2案内部48に挿入可能な形状であって、かつ、第1案内部28が第2案内部48に嵌合可能な形状であればよい。例えば、第1案内部28は、軸方向X1と垂直な平面で切った断面形状が、四角形状以外の多角形状、半円形状、U字状、台形状等をなすものであってもよい。そして、第2案内部48は、第1案内部28の形状に応じて、軸方向X2と垂直な平面で切った断面形状が、四角形状以外の多角形状、半円形状、U字状、台形状等をなすものであってもよい。
【0075】
・上記実施形態では、第1案内部28は、軸方向X1に沿って第1挿入部22の先端から基端まで連続して延びている。しかしながら、第1案内部28は、必ずしも第1挿入部22の先端から基端にわたって設けられなくてもよい。案内凸部である第1案内部28は、第1挿入部22の外周面に軸方向X1に沿って突条に設けられるのであれば、軸方向X1における長さは任意の長さとすることができる。
【0076】
・上記実施形態では、第2案内部48は、軸方向X2に沿って第2挿入部42の先端から基端まで連続して延びている。しかしながら、第2案内部48は、必ずしも第2挿入部42の先端から基端にわたって設けられなくてもよい。案内溝である第2案内部48は、軸方向X2に沿って第2挿入部42の先端から基端側に延びる溝状に設けられるのであれば、軸方向X2における長さは任意の長さとすることができる。ただし、第2案内部48は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続する際に、第1案内部28及び第2案内部48によって第1挿入部22の第2挿入部42への挿入が妨げられることがないように形成される。
【0077】
・上記実施形態のコネクタ装置10では、第1案内部28が案内凸部、第2案内部48が案内溝である。しかしながら、第1案内部28を案内溝、第2案内部48を案内凸部としてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、第1挿入部22は、筒状をなすのであれば、その形状は上記実施形態の形状に限らない。第2挿入部42は、第1挿入部22を挿入可能な筒状をなすのであれば、その形状は上記実施形態の形状に限らない。例えば、第1挿入部22及び第2挿入部42は、円筒状、多角筒状、軸方向から見た形状が楕円形状やトラック形状をなす筒状等をなすものであってもよい。
【0079】
・上記実施形態では、第1接続部32と第2接続部52とは、第1接続部32が第2接続部52に挿入されることにより電気的に接続される。しかしながら、第1接続部32と第2接続部52とは、第2接続部52が第1接続部32に挿入されることにより電気的に接続される構成であってもよい。
【0080】
・上記実施形態では、第1コネクタ20は第1端子31を2つ有する。第1コネクタ20が有する第1端子31の数は2つに限らない。例えば、第1コネクタ20は、1つもしくは3つの第1端子31を有するものであってもよい。そして、第2コネクタ40が有する第2端子51の数は、第1コネクタ20が有する第1端子31の数に応じて適宜変更される。
【0081】
・上記実施形態では、第1締め付け部材27は、軸方向X1から見て、第1挿入部22に対して第1挿入部22の短手方向の一方側に位置する。しかしながら、第1コネクタ20における第1締め付け部材27の位置はこれに限らない。第1締め付け部材27は、軸方向X1から見て、第1接続部32の周囲に位置していればよい。例えば、第1締め付け部材27は、軸方向X1から見て、第1挿入部22の短手方向における位置が、第1挿入部22の短手方向の中央部と同じ位置となるように設けられてもよい。この場合、第1締め付け部材27は、例えば、軸方向X1から見て、第1挿入部22に対して第1挿入部22の長手方向の一方側に位置するように設けられる。
【0082】
なお、第2コネクタ40における第2締め付け部材44の位置についても、上記実施形態の位置に限らない。第2締め付け部材44は、軸方向X2から見て、第2接続部52の周囲に位置していればよい。ただし、第2締め付け部材44は、第1コネクタ20と第2コネクタ40とを接続するときに、第1締め付け部材27と軸方向X2に対向する位置に設けられる。例えば、第2締め付け部材44は、軸方向X2から見て、第2挿入部42の短手方向における位置が、第2挿入部42の短手方向の中央部と同じ位置となるように設けられてもよい。この場合、第2締め付け部材44は、例えば、軸方向X2から見て、第2挿入部42の長手方向の一方側に位置するように設けられる。
【0083】
・上記実施形態では、第1締め付け部材27がナット、第2締め付け部材44がボルトである。しかしながら、第1締め付け部材27をボルト、第2締め付け部材44をナットとしてもよい。
【0084】
・上記実施形態では、雄ねじ部44bの軸方向における第2締め付け部材44と保持部43との相対移動を規制する規制部材として、Eリング45が用いられている。しかしながら、当該規制部材は、Eリング45に限らない。例えば、当該規制部材として、Cリングを用いることもできる。
【0085】
・上記実施形態では、第1コネクタ20は、電気機器のケースに装着される機器側のコネクタである。そして、第2コネクタ40は、第1コネクタ20が装着されるケースを有する電気機器とは別の電気機器に電気的に接続される電線の端部に電気的に接続される電線側のコネクタである。しかしながら、第1コネクタ20を電線側のコネクタとして使用するとともに、第2コネクタ40を機器側のコネクタとして使用することもできる。
【0086】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記第1コネクタを前記第1挿入部の軸方向から見て、前記第1挿入部は、前記第1直線と直交する方向における前記第1挿入部の両端部に前記第1案内部をそれぞれ有し、前記第2コネクタを前記第2挿入部の軸方向から見て、前記第2挿入部は、前記第2直線と直交する方向における前記第2挿入部の内周面の両端部に前記第2案内部をそれぞれ有する請求項3に記載のコネクタ装置。
【0087】
この構成によれば、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に第1挿入部に対して第2挿入部が相対的に傾斜することをより効果的に抑制できる。従って、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に、第1接続部に対して第2接続部が相対的に傾斜することをより効果的に抑制できる。その結果、第1接続部及び第2接続部の損傷、即ち第1端子及び第2端子の損傷を更に抑制できる。
【符号の説明】
【0088】
10 コネクタ装置
20 第1コネクタ
21 第1コネクタハウジング
22 第1挿入部
22a 側壁
22b 側壁
23 端子保持部
24 フランジ部
25 固定部
26 装着部材
27 第1締め付け部材
27a 当接面
27b 雌ねじ穴
27c 収容凹部
28 第1案内部
31 第1端子
32 第1接続部
33 機器側接続部
40 第2コネクタ
41 第2コネクタハウジング
42 第2挿入部
42a 側壁
42b 側壁
43 保持部
44 第2締め付け部材
44a 頭部
44b 雄ねじ部
45 Eリング
48 第2案内部
51 第2端子
52 第2接続部
L1 中心軸線
L2 中心軸線
L11 第1直線
L12 中心軸線
L21 第2直線
L22 中心軸線
O11 中央
O12 中央
O21 中央
O22 中央
X1 軸方向
X2 軸方向
X3 挿入方向
図1
図2
図3
図4