【解決手段】一体型空気調和機は、キャビネット12に圧縮機13、凝縮器15及び蒸発器18が内装され、冷房運転時に凝縮器からの温風を凝縮器用ファンによってキャビネットの外部に排出するとともに、蒸発器によって生成された結露水を凝縮器の熱で蒸発させ、キャビネットは、前面に設けられた送風口と、底面に設けられた排気口12gとを有して形成され、内部に温風を排気口に導く排気ダクト16を備えている。また、排気ダクトは、キャビネットの内側面に沿って上下方向に延びる管状をなし、凝縮器用ファンからの水平方向の気流を鉛直下方に向かう流れに変更する円弧内側面16aを有して形成されている。
キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させる一体型空気調和機において、
前記キャビネットは、前面に設けられた送風口と、底面に設けられた排気口とを有して形成され、内部に前記温風を前記排気口に導く排気ダクトを備えていることを特徴とする一体型空気調和機。
前記キャビネット内の下部に前記圧縮機が配置され、該圧縮機を跨ぐ架台上には、前記キャビネットの前面に設けられた吸気口の位置に対応して前記凝縮器及び前記送風機がそれぞれ配置され、
前記排気ダクトは、前記キャビネットの内側面に沿って上下方向に延びる管状をなし、前記送風機からの水平方向の気流を鉛直下方に向かう流れに変更する風向き変更部を有して形成されていることを特徴とする請求項1記載の一体型空気調和機。
キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させ、使用場所で定位置に据え付けられる一体型空気調和機の据付構造において、
前記キャビネットは、前面に設けられた送風口と、底面に設けられた排気口とを有して形成され、内部に前記温風を前記排気口に導く排気ダクトを備え、
前記使用場所は、ユーザが入ることができる空間を形成する筐体と、該筐体に結合した扉と、前記筐体を支持する複数のキャスターとを備える個室であり、
前記筐体の床は、前記排気口の位置に対応した開口が設けられることにより、前記排気口から吹き出した温風を前記開口から前記筐体の外部に排出可能に形成されていることを特徴とする一体型空気調和機の据付構造。
キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させる一体型空気調和機において、
前記キャビネットは、前記蒸発器が配置される室内側熱交換室と、前記凝縮器が配置される室外側熱交換室とを区画する仕切板を備え、前記送風機の上流側に吸気口が、下流側に排気口がそれぞれ設けられ、前記送風機によって前記室外側熱交換室の空気を前記仕切板の板面に沿う方向に流通可能に形成されていることを特徴とする一体型空気調和機。
キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させ、使用場所で定位置に据え付けられる一体型空気調和機の据付構造において、
前記使用場所は、ユーザが入ることができる空間を形成する筐体と、該筐体に結合した扉と、前記筐体を支持する複数のキャスターとを備える個室であり、
前記筐体の壁には、対向配置された一対の壁のうち、扉側と反対側の壁に前記キャビネットの外形に対応した壁穴が設けられ、
前記キャビネットは、前記蒸発器が配置される室内側熱交換室と、前記凝縮器が配置される室外側熱交換室とを区画する仕切板を備え、前記送風機の上流側に吸気口が、下流側に排気口がそれぞれ設けられ、該排気口を前記筐体の外側に露出させて前記壁穴に装着した状態で、前記送風機によって前記室外側熱交換室の空気を前記仕切板の板面に沿う方向に流通可能に、かつ、前記排気口から吹き出した温風を前記筐体の外壁面に沿う方向に放出可能に形成されていることを特徴とする一体型空気調和機の据付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一体型空気調和機が設置される場所は、建築事情の多様化に伴い、住宅やビル、工場など様々な場所が対象とされる中で、近年では、各企業におけるテレワークへの関心の高まりを受けて、不特定多数の人が通る場所に設置されるテレワーカ向けの個室に対し、その適用が検討されている。しかし、容積の小さい室内空間では、排気ダクトが利用者の足元空間を狭めるだけでなく、排気ダクトが露出してデザイン上の美観を損ねるという問題もある。そこで、一体型空気調和機には、室内に据え付けた状態で、利用者に不快感を与えることなく、快適な空気環境を実現できる構成が求められている。
【0005】
そこで本発明は、簡単な構成で優れた空調機能を発揮可能な一体型空気調和機及び一体型空気調和機の据付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の一体型空気調和機は、キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させる一体型空気調和機において、前記キャビネットは、前面に設けられた送風口と、底面に設けられた排気口とを有して形成され、内部に前記温風を前記排気口に導く排気ダクトを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、前記キャビネット内の下部に前記圧縮機が配置され、該圧縮機を跨ぐ架台上には、前記キャビネットの前面に設けられた吸気口の位置に対応して前記凝縮器及び前記送風機がそれぞれ配置され、前記排気ダクトは、前記キャビネットの内側面に沿って上下方向に延びる管状をなし、前記送風機からの水平方向の気流を鉛直下方に向かう流れに変更する風向き変更部を有して形成されていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の第1の一体型空気調和機の据付構造は、キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させ、使用場所で定位置に据え付けられる一体型空気調和機の据付構造において、前記キャビネットは、前面に設けられた送風口と、底面に設けられた排気口とを有して形成され、内部に前記温風を前記排気口に導く排気ダクトを備え、前記使用場所は、ユーザが入ることができる空間を形成する筐体と、該筐体に結合した扉と、前記筐体を支持する複数のキャスターとを備える個室であり、前記筐体の床は、前記排気口の位置に対応した開口が設けられることにより、前記排気口から吹き出した温風を前記開口から前記筐体の外部に排出可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
加えて、前記筐体の床は、複数の梁が介在されることによって上下床板の間に床下空間が形成された二重床の構造をなし、前記床下空間は、前記開口によって前記上下床板の上面及び下面の間を連通する通過風路を有し、前記温風が前記通過風路を通じて前記筐体の外部に排出可能に形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の第2の一体型空気調和機は、キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させる一体型空気調和機において、前記キャビネットは、前記蒸発器が配置される室内側熱交換室と、前記凝縮器が配置される室外側熱交換室とを区画する仕切板を備え、前記送風機の上流側に吸気口が、下流側に排気口がそれぞれ設けられ、前記送風機によって前記室外側熱交換室の空気を前記仕切板の板面に沿う方向に流通可能に形成されていることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明の第2の一体型空気調和機の据付構造は、キャビネットに圧縮機、凝縮器及び蒸発器が内装され、冷房運転時に前記凝縮器からの温風を送風機によって前記キャビネットの外部に排出するとともに、前記蒸発器によって生成された結露水を前記凝縮器の熱で蒸発させ、使用場所で定位置に据え付けられる一体型空気調和機の据付構造において、前記使用場所は、ユーザが入ることができる空間を形成する筐体と、該筐体に結合した扉と、前記筐体を支持する複数のキャスターとを備える個室であり、前記筐体の壁には、対向配置された一対の壁のうち、扉側と反対側の壁に前記キャビネットの外形に対応した壁穴が設けられ、前記キャビネットは、前記蒸発器が配置される室内側熱交換室と、前記凝縮器が配置される室外側熱交換室とを区画する仕切板を備え、前記送風機の上流側に吸気口が、下流側に排気口がそれぞれ設けられ、該排気口を前記筐体の外側に露出させて前記壁穴に装着した状態で、前記送風機によって前記室外側熱交換室の空気を前記仕切板の板面に沿う方向に流通可能に、かつ、前記排気口から吹き出した温風を前記筐体の外壁面に沿う方向に放出可能に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の構成では、一体型空気調和機のキャビネットが、底面に排気口を有して形成されるとともに、内部に凝縮器からの温風を排気口に導く排気ダクトを備えているので、温風の流れ方向をキャビネット内において調整することが可能となり、キャビネットの表面に突出部分のないコンパクトな形状にすることができる。しかも、キャスターで支持された防音室など可搬式の個室に一体型空気調和機を据え付ける際には、運搬及び取り扱いが容易となるだけでなく、個室の床材について排気口の位置に対応する開口を設けるだけの簡単な構造で排熱を室内に拡散させずに冷風と分離させることが可能となり、エネルギーロスが少ない空気環境を簡易に実現することができる。
【0013】
また、床下排気構造によって、たとえ個室を周囲の壁や他の個室と隣り合わせで設置した場合であっても、床下から吹き出した排気が詰まることなく流れ、さらには、近傍の人や通行人に不快感を与えることもないので、環境に優しい効果を発揮する。すなわち、簡単な構成で優れた空調機能を発揮可能な一体型空気調和機及びその据付構造が実現され、もって、一体型空気調和機が使用される多様な環境において、その快適な利用を促進し得るものとなる。
【0014】
さらに、第2の構成では、一体型空気調和機のキャビネットが、室内側熱交換室と室外側熱交換室とを区画する仕切板を備え、送風機によって室外側熱交換室の空気を仕切板の板面に沿う方向に流通可能に形成されているので、室外側熱交換室の壁と仕切板とが向き合う空間をダクトとして活用することにより、専用の排気ダクトを設けることなく安価に高効率化を実現することができる。しかも、個室に一体型空気調和機を据え付ける際には、筐体の壁穴に装着するだけの簡単な構造で排熱を室内に拡散させずに冷風と分離させることが可能となり、エネルギーロスが少ない空気環境を簡易に実現することができる。
【0015】
また、据付状態では、筐体の裏側において、排気口から吹き出した温風を筐体の外壁面に沿う方向に放出可能に形成されているので、たとえ個室を周囲の壁や他の個室と隣り合わせで設置した場合であっても、排気が滞って再び装置内に吸入されてしまう、いわゆるショートサーキットの発生を抑制できることから、冷凍サイクルのバランスが維持され、これにより、空調能力の安定化に寄与することができる。すなわち、より簡単な構成で優れた空調機能を発揮可能な一体型空気調和機及びその据付構造が実現され、もって、一体型空気調和機が使用される多様な環境において、その快適な利用を促進し得るものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1乃至
図11は、本発明の第1形態例における一体型空気調和機及び一体型空気調和機の据付構造を示すものである。第1の一体型空気調和機11は、
図1乃至
図6に示すように、冷房用の冷凍サイクルと、暖房用の発熱体であるPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータとを同一キャビネット内に収納したものであって、
図1に示すように、矩形箱状のキャビネット12の前面に設けられた操作パネル12aを操作することにより、冷房運転又は暖房運転の運転モードの選択や設定温度、送風量の入力が可能になっている。キャビネット12は、使用場所となる個室に据え付けた状態で、例えば、テーブルの下に程よく収まる高さ寸法を有し、左右両側面には運搬や据付時に両手を掛けることが可能な把手12bを備えている。
【0018】
キャビネット12の前面には、操作パネル12aを挟む上下方向の上側に冷暖房用の送風口12cが、下側に室内の空気を取り入れるための前面吸気口12dがそれぞれ設けられている。また、キャビネット12の左側面についても、上部に室内の空気を取り入れるための側面吸気口12eが設けられている(
図3)。キャビネット12の上面は、
図4に示すように、貫通孔や凹凸のない平坦状に形成されているが、一方で、キャビネット12の据付面である底面には、
図5に示すように、底蓋12fを避けた端部に排気口12gが設けられている。排気口12gは、所定の大きさの長孔が前後方向に複数配列されることにより、全体として矩形開口状に形成され、排出される温風の通気性を確保している。
【0019】
キャビネット12内は、
図6に示すように、下部に圧縮機13が配置され、4本の支持柱14aにより圧縮機13を跨ぐようにして組まれた架台14上に、キャビネット12の前面吸気口12dの位置に対応する凝縮器15と、その後面側に送風機である凝縮器用ファン(図示せず)が横並びにそれぞれ配置されている。また、架台14の右側方に排熱用の空間が形成されており、この空間に排気ダクト16が設けられている。
【0020】
排気ダクト16は、キャビネット12の内側面に沿って上下方向に延びる矩形断面の管状をなし、上端部が前記凝縮器用ファンからの水平方向の気流(温風)を取り込んで鉛直下方に向かう流れに変更する風向き変更部となる円弧内側面16aを有して形成され、下端部が排気口12gに接続されている。こうして、キャビネット12内の下半部には、主に圧縮機13、凝縮器15、凝縮器用ファン及び排気ダクト16が集約配置されている。
【0021】
キャビネット12内の上部には、冷暖房の運転状態を制御するための制御回路や、側面吸気口12e及び送風口12cの位置に対応して設けられた蒸発器用ファン17、さらには、蒸発器用ファン17の上流側であってキャビネット幅方向に横並びの蒸発器18及びPTCヒータ19がそれぞれ配置されている。また、蒸発器18の真下には、冷房運転によって発生した結露水を確保するとともに、凝縮器15の熱で結露水を蒸発させるための処理部20が設けられている。
【0022】
このように形成された一体型空気調和機11を使用する場合、冷房運転時には、PTCヒータ19の回路がオフ状態にあり、圧縮機13の駆動によって冷凍サイクルが運転される。これにより、冷媒は、圧縮機13によって高圧状態となり、凝縮器15に送られ、凝縮器15によって凝縮して放熱される。さらに、膨張弁を経由した低温の冷媒は、蒸発器18に送られ、蒸発器18によって吸熱(冷房効果)し、低圧状態となって圧縮機13に戻される。
【0023】
ここで、蒸発器用ファン17の作動により側面吸気口12eから取り込まれた空気は、蒸発器18で冷却され、冷風となって送風口12cから送出される。一方、凝縮器15の熱は、凝縮器用ファンの作動により温風となって排気ダクト16の上部に流入し、排気ダクト16の円弧内側面16aによって鉛直下方に向かって流れることで、排気口12gから送出される。こうして、一体型空気調和機11の冷房運転が行われる。このとき、蒸発器18によって生成された結露水は、自然落下中に処理部20で確保された後、凝縮器15の熱によって蒸発し、外部に排水することなく、内部において処理がなされる。
【0024】
暖房運転時には、冷凍サイクルの運転が停止され、PTCヒータ19の回路がオンの状態になる。これにより、暖房運転においても兼用される蒸発器用ファン17の作動により側面吸気口12eから取り込まれた空気が昇温され、温風となって送風口12cから送出される。こうして、一体型空気調和機11の暖房運転が行われる。PTCヒータ19は、温度が上がると抵抗値も上がるPTC特性を利用したヒータであるため、一定の温度に達したら、それ以上に温度が上がらなくなることで過加熱を防止し、省エネ性、安全性を確保している。
【0025】
このように、第1の構成では、一体型空気調和機11のキャビネット12が、底面に排気口12gを有して形成されるとともに、内部に凝縮器15からの温風を排気口12gに導く排気ダクト16を備えているので、温風の流れ方向をキャビネット12内において調整することが可能となり、キャビネット12の表面に突出部分のないコンパクトな形状にすることができる。特に、キャビネット12の底面に排気口12gを位置させることで、据付がなされる場所の空間デザインに自由度を与えた実用的価値の高いものとなる。
【0026】
また、一体型空気調和機11は、設計上、冷凍サイクルの効率や結露水の排水処理などを考慮して機器の配置を決定することから、熱交換部品となる凝縮器15及び蒸発器18は圧縮機13の上方位置に支持されている。そこで、凝縮器15からの温風を下方位置にある排気口12gに向かわせる気流構造が必要となるが、本発明では、結露水の蒸発処理によって貯留設備の必要が無くなった熱交換部品を巧みに組み合わせてキャビネットのスリム化を図り、その上で、各種機器とキャビネット12の内側面との間に上下方向に延びる排気ダクト16を収める空間を設けているので、排熱性に優れた構造とすることができる。しかも、排気ダクト16の管路に円弧内側面16aを設けるだけの簡単な構成で温風の流れを鉛直下方に向けて促進させることが可能となり、安価で製作性にも優れた一体型空気調和機11の排気構造が得られる。
【0027】
ところで、近年では、一体型空気調和機の設置場所の多様化に伴い、不特定多数の人が通る場所に設置されるテレワーカ向けの個室として、例えば、防音室において一体型空気調和機による快適な空調が望まれている。特に、防音室を駅構内などの公共施設に設置することを考えると、夏期においては、外気温度に比べて高温となることも想定される。このような事情から、防音室の床上には、室内を冷暖房に適した状態に整える上述の一体型空気調和機11が据え付けられている。
【0028】
図7乃至
図11は、本発明を防音室の空調に適用した第1の一体型空気調和機11の据付構造を示すものである。まず、防音室21は、筐体22と扉23とによって形成され、人が入ることができる空間を有し、例えば、駅構内、空港、商業施設、展示場、屋外の広場、店舗の内部、ホテル、共同住宅、又はオフィス内のように、さまざまな人が通行する場所に設置される。また、防音室21は、インターネットなどのネットワークを介して外部機器との間でデータを送受信することができる。防音室21を利用するユーザは、例えば、防音室21に設置されたテレビ会議用端末を用いて、テレビ会議機能を有する外部機器を利用するユーザとの間でテレビ会議を行うことができる。
【0029】
筐体22は、金属、木材又は樹脂などの部材からなり、全体として高さ寸法の大きい直方体に形成され、その一側面である正面(
図7)に、ユーザが出入りするための開口が設けられている。また、筐体22の底面の四隅にはキャスター24及びその近傍にアジャスター25がそれぞれ設けられている。防音室21の設置者は、キャスター24を使って設置場所に防音室21を移動した後に、アジャスター25の長さが防音室21の底面と床面との距離に等しくなるように調整することで、防音室21を定位置に固定することができる。
【0030】
筐体22の内側には吸音材22aが設けられており、防音室21の内部でユーザが話した声、及び外部機器を使用するユーザが発した声が防音室21の外部に漏れにくい。したがって、防音室21が、不特定多数の人が通る公共場所に設置されている場合であっても、ユーザは、機密性が高い内容を安心して話すことができる。また、床材22bの仕様は、枠組みされた基材の内側に梁が複数介在されることによって上下床板の間に床下空間が形成された二重床の構造となっており、人の出入りやソファ26などの支持に必要な強度が確保されている。さらに、防災上の観点から、内壁面の吸音材22aや床面に敷き詰めたタイル材22cについては不燃性のものが使用されている。
【0031】
ソファ26は、大人一人が若干の余裕をもって着座できるだけの幅を有して形成され、背もたれ26aが筐体22の互いに対向する内壁面の一方に接して配置されており、他方の内壁面には、着座した状態で使用可能なテーブル27が片持ち状に取り付けられている。室内の空間は、一組のソファ26及びテーブル27が配置された状態で、ユーザの出入りを妨げず、かつ、作業や活動を行うユーザの利便性を損なわない程度の大きさで、高さ、幅及び奥行きの各寸法が設定されている。
【0032】
扉23は、筐体22の開口を塞ぐことができるように筐体22に結合されており、ハンドル23aを操作することにより、筐体22との結合部位を軸にして開閉可能に構成されている。扉23には扉ガラス23bが設けられており、外部から防音室21の内部を視認することが可能になっている。
【0033】
筐体22と扉23との間には錠(図示せず)が設けられており、筐体22に組み込まれた制御部(CPU)の制御により、扉23を開くことができる解錠状態と扉23を開くことができない施錠状態とを切り替える。錠は、筐体22の内側からユーザが操作することによって解錠状態と施錠状態とを切り替えたり、遠隔操作によって切り替えたりすることで、防音室21を解錠又は施錠するように制御がなされる。
【0034】
また、筐体22の正面側には、ユーザの操作を受け付ける操作受付部28が設けられている。操作受付部28は、例えば、タッチパネル付きのディスプレイであり、ユーザにより入力された使用予定時間として、30分、60分、90分のいずれか一つの時間を受け付ける。さらには、スマートフォンなどの情報端末から、あらかじめ日時を指定した予約も行える。ユーザは、予約した時間になったら、自分が予約した防音室21の操作受付部28をタッチし、画面に表示されたQRコード(登録商標)を情報端末で読み取る。そして、ネットワーク上の管理装置(サーバ)において、ユーザ識別情報に基づく必要な認証が完了すると、防音室21が解錠されて入室可能な状態となる。決済される料金は、使用予定時間に応じて決定されており、決済が完了してから使用予定時間が経過するまでの間、防音室21の内部に設けた電子機器に電力が供給される。
【0035】
前記電子機器は、筐体22に組み込まれた電源部から電力供給を受けて機能を発揮し、常設されたテレビ会議用の設備29、筐体22の天井22dに設置された照明30、監視カメラ31、スピーカ32及び空調設備、並びにユーザが持ち込んだコンピュータ又は携帯端末などである。空調設備は、防音室の内部空間を換気するとともに、内部温度を調整するもので、例えば、床上に設置された冷暖房用の一体型空気調和機11や、天井22dに設置されたファン33が挙げられる。
【0036】
前記制御部は、外部の電源コンセントと電源部とが配線された状態で、ユーザ認証が完了した管理装置から指示を受けると、空調設備など各種電子機器に対して電源部による電力供給を開始させる制御を行う。すなわち、これらの機器は、制御部による制御に基づいて、決済が完了してから使用予定時間が経過するまでの間、動作する。また、ユーザは、必要に応じて、室内に設けられた電子機器の接続ポート34を使用して給電を受けることができる。
【0037】
ここで、防音室21の天井22dには、防災設備の一つとして、自動消火装置35を設けている。自動消火装置35は、電源を必要としない下方放出型の消火装置(スプリンクラー)であって、消火剤が充填された消火剤容器36と、該消火剤容器36の下端中央に設けられ、内蔵される熱感知部の感知を受けて消火剤を室内に放出可能な放出ノズル37とを一体的に備えている。熱感知部には低融点金属が使用され、火災が発生した非常時に、放出ノズル37の下端にある集熱板が火災源からの熱を感知すると、低融点金属が融けるとともに、容器内の加圧されたガスが密閉栓及び集熱板を吹き飛ばし、消火剤の放出が始まる。
【0038】
自動消火装置35は、防音室21の機能性を失わないように、その取付位置が照明30や、スピーカ32、ファン33、各種カバー部材38などの配置を考慮して設定されている(
図8)。特に、放出ノズル37の位置、つまり熱検知部の位置とファン33の位置とは、ファン33の作動によって形成した上昇気流で、火災源からの熱の上昇を促進させるように、互いに横並びの関係になるように設けられている。
【0039】
このように形成された防音室21は、その空調効果を最大限に発揮できるように、床材22bの構成や各種空調設備の配置について最適化がなされている。具体的には、
図11に示すように、一体型空気調和機11は、テーブル27の真下に配置され、キャビネット12の背面を筐体22の内壁面に沿わせ、さらには、キャビネット12の左側面を扉23が結合された筐体22の内壁面に沿わせた位置(
図9)、つまり出入り口側隅部に寄せるように配置された状態で、固定金具(図示せず)により転倒防止措置がなされている。これに加えて、天井22dに備わるファン33が、ソファ26との関係においては真上に位置するように配置されている。これにより、送風口12cから室内に送出された冷風又は温風は、
図11の矢印Aに示すように、作動するファン33の吸引力と相俟って、緩やかに上昇気流を形成し、天井22dから外部に放出される。
【0040】
一方、筐体22の床材22bには、一体型空気調和機11の排気口12gの位置及び大きさに対応した開口(図示せず)が設けられており、この開口によって上下床板22e,22fの上面及び下面の間を連通する通過風路39が形成されている。これにより、冷房運転時に排気口12gから吹き出した温風は、
図11の矢印Bに示すように、床下を抜けて防音室21が設置された場所の床面に放出される。
【0041】
このように、第1の構成では、一体型空気調和機11を防音室21に据え付ける際には、上述のコンパクトな形状によって運搬及び取り扱いが容易となるだけでなく、防音室21の床材22bについて排気口12gの位置に対応する開口を設けるだけの簡単な構造で排熱を室内に拡散させずに冷風と分離させることが可能となり、エネルギーロスが少ない空気環境を簡易に実現することができる。
【0042】
また、筐体22の床材22bが複数の梁を介在する二重床をなし、上下床板22e,22fからなる床下空間が開口により形成された排熱用の通過風路39を有しているので、排熱性を確保しつつ、床材22bに求められる必要な強度や剛性を確保できるだけでなく、移動のためのキャスター24で支持された防音室21を全体として軽量に構成することができる。とりわけ、床下排気構造によって、たとえ防音室21を周囲の壁や他の防音室と隣り合わせで設置した場合であっても、床下から吹き出した排気が詰まることなく流れ、さらには、近傍の人や通行人に不快感を与えることもないので、環境に優しい効果を発揮する。すなわち、簡単な構成で優れた空調機能を発揮可能な一体型空気調和機11及びその据付構造が実現され、もって、一体型空気調和機11が使用される多様な環境において、その快適な利用を促進し得るものとなる。
【0043】
これに加えて、防音室21の天井22dにはファン33が設けられ、その作動によって防音室21内に上昇気流を形成するので、一体型空気調和機11からの冷風の上昇が促進され、室内全体の空気を吸い上げて空調することが可能となり、複雑な制御を伴わずに室内温度を均一に調整することができる。さらには、防音室21内に一組のソファ26及びテーブル27を配置した状態で、一体型空気調和機11がテーブル27の真下に、ファン33がソファ26の真上にそれぞれ位置するように構成されているので、一体型空気調和機11の送風口12cから送出した風が最適な風速と気流の広がりをもって緩やかに上昇気流を形成し、肌に直接風が当たる不快感を感じさせない快適な室内空間を実現できる。
【0044】
また、一体型空気調和機11がキャビネット12の一側面を扉23が結合された筐体22の内壁面に沿わせた位置に配置しているので、扉23の開閉動作による室内の温度変化に敏感に反応できるだけでなく、着座したユーザの足元空間を最大限に確保することもできる。しかも、一体型空気調和機11をテーブル27の下に配置することで、その存在を気にすることがなくなり、室内の空間デザインを美しく形成することができる。
【0045】
ところで、第1の構成では、一体型空気調和機11に備わる排気口12gをキャビネット12の底面に設けた例を示したが、防音室21の設置場所について十分なスペースを確保できる状況であれば、必ずしも床下排気構造にする必要はない。また、防音室の設置場所は様々であることから、この種の空調システムにあっては、要求される冷却能力に応じて、より効率的な運転が行えること、すなわち、省エネルギー化については常に求められている。そこで、以下では、変形例として、防音室の室内及び室外間を隔てる壁に一体的に装着され、排気口を室外側に露出可能な一体型空気調和機の構成とその機能について説明する。
【0046】
図12乃至
図18は、本発明の第2形態例における一体型空気調和機及び一体型空気調和機の据付構造を示すものである。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
第2の一体型空気調和機51は、
図12乃至
図15に示すように、冷房用の冷凍サイクルと、暖房用の発熱体であるPTCヒータとを同一キャビネット内に収納したものであって、矩形箱状のキャビネット52の前面に設けられた操作パネル52aを操作することにより、冷房運転又は暖房運転の運転モードの選択や設定温度、送風量の入力が可能になっている。キャビネット52は、使用場所となる個室に据え付けた状態で、例えば、室内に配置される前部側がテーブルの下に程よく収まり、かつ、室外に配置される後部側が吸排気機能を実現可能な程度に、高さ寸法及び奥行き寸法を有して形成されている。
【0048】
キャビネット52の前面には、
図12に示すように、操作パネル52aを挟む上下方向の上側に冷暖房用の送風口52bが、下側に室内の空気を取り入れるための前面吸気口52cがそれぞれ設けられている。また、キャビネット52の右側面には、
図13に示すように、排気口52dが、キャビネット52の左側面には、
図14に示すように、前記排気口52dに対して向かい合う位置に側面吸気口52eがそれぞれ設けられている。
【0049】
キャビネット52内は、
図15に示すように、仕切板52fが設けられることにより、奥行き方向(
図15の左右方向)に区画された室内側熱交換室53と室外側熱交換室54とを有して形成されている。主な構成部品として、室内側熱交換室53には、下部に圧縮機55が配置されるとともに、架台56上であって送風口52bの位置に対応する蒸発器57及びPTCヒータ58と、これらの奥側に位置する蒸発器用ファン59とが横並びにそれぞれ配置されている。また、蒸発器57の真下には、冷房運転によって発生した結露水を確保するための処理部60が設けられている。
【0050】
一方、室外側熱交換室54には、架台61上であって側面吸気口52eと排気口52dと間の空間に、凝縮器62及び送風機である凝縮器用ファン63が、適正な通風を考慮した向きでそれぞれ配置されている。これにより、凝縮器用ファン63の作動を受けて、上流側の側面吸気口52eから内部に取り込まれた空気は、仕切板52fの板面に沿う方向(
図15の矢印方向)に流通しながら凝縮器62を通過した後、下流側の排気口52dから外部に送出される。
【0051】
このように形成された一体型空気調和機51を使用する場合、冷房運転時には、PTCヒータ58の回路がオフ状態にあり、圧縮機55の駆動によって冷凍サイクルが運転される。これにより、冷媒は、圧縮機55によって高圧状態となり、凝縮器62に送られ、凝縮器62によって凝縮して放熱される。さらに、膨張弁を経由した低温の冷媒は、蒸発器57に送られ、蒸発器57によって吸熱(冷房効果)し、低圧状態となって圧縮機55に戻される。
【0052】
ここで、蒸発器用ファン59の作動により前面吸気口52cから取り込まれた空気は、蒸発器57で冷却され、冷風となって送風口52bから送出される。一方、凝縮器62の熱は、凝縮器用ファン63の作動により温風となって排気口52dから送出される。こうして、一体型空気調和機51の冷房運転が行われる。このとき、室外側熱交換室54の奥壁54aと仕切板52fとが互いに平行をなしているので、これらの間の空間を流通する空気が整流され、その結果、側面吸気口52eから排気口52dに向かう直線状の気流を形成する。また、蒸発器57によって生成された結露水は、自然落下中に処理部60で確保された後、室外側熱交換室54に導かれて凝縮器62の熱で蒸発し、外部に排水することなく、内部において処理がなされる。
【0053】
暖房運転時には、冷凍サイクルの運転が停止され、PTCヒータ58の回路がオンの状態になる。これにより、蒸発器用ファン59の作動により前面吸気口52cから取り込まれた空気が昇温され、温風となって送風口52bから送出される。こうして、一体型空気調和機51の暖房運転が行われる。
【0054】
このように、第2の構成では、一体型空気調和機51のキャビネット52が、室内側熱交換室53と室外側熱交換室54とを区画する仕切板52fを備え、凝縮器用ファン63によって室外側熱交換室54の空気を仕切板52fの板面に沿う方向に流通可能に形成されているので、室外側熱交換室54の奥壁54aと仕切板52fとが向き合う空間をダクトとして活用することにより、専用の排気ダクトを設けることなく安価に高効率化を実現することができる。
【0055】
図16乃至
図18は、本発明を防音室の空調に適用した第2の一体型空気調和機51の据付構造を示すものである。防音室71は、基本的に、第1形態例のものと同一の構成及び機能を有しているが、筐体72の壁には、
図17及び
図18に示すように、対向配置された一対の壁のうち、扉23側と反対側(裏側)の壁72aにキャビネット52の外形に対応した壁穴73が設けられている。
【0056】
一体型空気調和機51は、排気口52dを筐体72の外側に露出させて前記壁穴73に気密に装着した状態で、凝縮器用ファン63によって室外側熱交換室54の空気を仕切板52fの板面に沿う方向に流通可能に、かつ、排気口52dから吹き出した温風を筐体72の壁(外壁面)72aに沿う方向に放出可能になっている。このとき、キャビネット52は、仕切板52fが壁穴73に対応した位置にあり、筐体72の内壁面に沿わせて室内側熱交換室53を床面上に配置し、言い換えると、送風口52bをテーブル27の真下に位置させ、壁穴73に装着した状態で、固定金具(図示せず)により脱落防止措置がなされている。
【0057】
これにより、送風口52bから室内に送出された冷風又は温風は、
図17の矢印Cに示すように、作動するファン33の吸引力と相俟って、緩やかに上昇気流を形成し、天井22dから外部に放出される。一方、冷房運転時に排気口52dから吹き出した温風は、
図18の矢印Dに示すように、筐体72の裏側において、室外側熱交換室54内の気流速度を維持したままで、排気口52dから筐体72の壁72aに沿って放出される。
【0058】
このように、第2の構成では、一体型空気調和機51を防音室71に据え付ける際には、上述のコンパクトな形状によって運搬及び取り扱いが容易となるだけでなく、筐体72の壁穴73に装着するだけの簡単な構造で排熱を室内に拡散させずに冷風と分離させることが可能となり、エネルギーロスが少ない空気環境を簡易に実現することができる。
【0059】
また、据付状態では、筐体72の裏側において、排気口52dから吹き出した温風を筐体72の壁72aに沿う方向に放出可能に形成されているので、たとえ防音室71を周囲の壁や他の防音室と隣り合わせで設置した場合であっても、排気が滞って再び装置内に吸入されてしまう、いわゆるショートサーキットの発生を抑制できることから、冷凍サイクルのバランスが維持され、これにより、空調能力の安定化に寄与することができる。すなわち、より簡単な構成で優れた空調機能を発揮可能な一体型空気調和機51及びその据付構造が実現され、もって、一体型空気調和機51が使用される多様な環境において、その快適な利用を促進し得るものとなる。
【0060】
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、一体型空気調和機の仕様は、底面や側面に排気口を備えていれば種々のものが採用でき、キャビネットに収納される機器の配置も適宜に変更できる。また、第1の構成では、排気ダクトの形状は、例えば、風向き変更部を円弧内側面によって形成するだけでなく、傾斜や直立した面によって形成してもよい。さらに、床材に設けた開口は、一体型空気調和機の排気口に対応して設けてあれば、大きさや形状は任意であり、通気性を考慮して、ある程度の大きさを有したドット状やスリット状の孔を多数備えてもよい。
【0061】
また、第2の構成では、仕切板は熱交換室内の通風確保に必要な広さの板面を有していれば、形状は特に限定されず、冷媒の管路や電気回路などを設置するための通孔を設けることができる。さらに、室外側熱交換室の空気を仕切板の板面に沿う方向に流通可能であれば、排気口は側面のみだけでなく、例えば、上面にも備えることができる。この場合、後面から排気を行う一般的な空気調和機と比較するならば、例えば、不特定多数の人が通る駅構内の壁際など設置場所の条件による運転不可や、圧縮機の過負荷連続運転による寿命低下などの品質上の問題が生じないことから、極めて有益である。
【0062】
また、一体型空気調和機の使用場所は、特に限定されないが、少人数で使用できる個室であれば、防音室以外にも、物販店舗の売り場や工場の作業室、仮設の事務所、休憩室などが挙げられる。この場合、一体型空気調和機を一度据え付けてしまえば、個室と一体的に取り扱えることから、据付状態のままで運搬が可能となり、個室の設置に伴う工事をなんら必要とすることなく即座に使用状態にすることができる。これに加えて、設置後に随時かつ任意に移動可能であることが望まれている可搬式の個室では、求めに応じてスムーズな移動も約束される。
【0063】
とりわけ、防音室には空調や防災に関する設備の他に、必要な各種設備を備えることができ、設置場所については鉄道車両、バス、タクシー又は飛行機などの移動体であってもよい。また、筐体の形状は、直方体に限られず、円柱体形状であってもよく、機動的な可搬式防音室の利点が損なわれない範囲で、一人だけでなく二人以上の収容が可能な空間を有して形成することができる。この場合、ユーザに気流感・不快感を与えず、室内における作業や活動を快適に行える範囲で、機材や空調設備の構成を変更することができる。