(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-180646(P2021-180646A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】血糖値上昇抑制用経口組成物及び血中中性脂肪上昇抑制用経口組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20211029BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20211029BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20211029BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20211029BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
A23L33/105
A61P3/10
A61P3/06
A61K36/185
A61K31/192
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-88374(P2020-88374)
(22)【出願日】2020年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】鍔田仁人
(72)【発明者】
【氏名】浜亮介
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018MD05
4B018MD09
4B018MD10
4B018MD23
4B018MD25
4B018MD29
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4B018MD35
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4B018MD94
4B018ME04
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4B018MF01
4C088AB12
4C088BA08
4C088BA32
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4C088NA14
4C088ZC33
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4C206AA01
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4C206DA18
4C206KA18
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZC33
4C206ZC35
(57)【要約】
【課題】
本発明は、食事と共に摂取することで優れた血糖値上昇抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用を有する経口組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血中中性脂肪上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
【選択図】
なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
【請求項2】
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血中中性脂肪上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
【請求項3】
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする糖吸収抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
【請求項4】
ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする脂肪吸収抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナリアベリリカを含有する血糖値上昇抑制用経口組成物、及び、ターミナリアベリリカを含有する血中中性脂肪上昇抑制用経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向の高まりにより、健康や美容の観点における更なる効果の向上を求める要求が強くなっており、1つの成分で複数の効果を有する機能性素材が注目されている。例えば、難消化性デキストリンは整腸作用や血糖値調整作用を有することが知られている(特許文献1)。しかしながら、難消化性デキストリンを用いて目的とする効果を発揮するには、大量の摂取が必要であることから、摂取方法や摂取可能な形態が限定されるという課題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−287454公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用や、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用を有する経口組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、ターミナリアベリリカを含有する組成物を食事と共に摂取させることにより、優れた血糖値上昇抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
【0006】
本発明の概要は、以下の通りである。
<1>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<2>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする血中中性脂肪上昇抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<3>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする、血糖値上昇抑制のため、並びに、血中中性脂肪上昇抑制のための経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<4>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする糖吸収抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<5>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする脂肪吸収抑制用経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<6>ターミナリアベリリカを含有することを特徴とする、糖及び脂肪の吸収抑制のための経口組成物であって、食事とともに摂取されることを特徴とする、経口組成物。
<7>ターミナリアベリリカを有効成分とする血糖値上昇抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
<8>ターミナリアベリリカを有効成分とする血中中性脂肪上昇抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
<9>ターミナリアベリリカを有効成分とすることを特徴とする、血糖値上昇抑制方法、並びに、血中中性脂肪上昇抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
<10>ターミナリアベリリカを有効成分とする糖の吸収抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
<11>ターミナリアベリリカを有効成分とする脂肪の吸収抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
<12>ターミナリアベリリカを有効成分とすることを特徴とする、糖及び脂肪の吸収抑制方法であって、食事とともに摂取することを特徴とする方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ターミナリアベリリカを含有する経口組成物は、食事と共に摂取されることにより、優れた血糖値上昇抑制効果、糖吸収抑制効果を示す経口組成物を提供することができる。また、本発明によれば、ターミナリアベリリカを含有する経口組成物は、食事と共に摂取されることにより、優れた血中中性脂肪上昇抑制効果、脂肪吸収抑制効果を示す経口組成物を提供することができる。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
[1.ターミナリアベリリカ]
ターミナリアベリリカ(Terminaria belliricca)とは、シクンシ科モモタマナ属の広葉樹である。本発明においては、いずれの部位を用いても良いが、種子を除く部位が好ましく、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用の観点から果実の種子を除く部位(果皮及び果肉部)がより好ましく用いられる。
【0010】
本発明のターミナリアベリリカは、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を使用することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。ペースト状や乾燥粉末とする場合は、そのもののみを用いて製造しても良いし、賦形剤と共に加工しても良い。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、使用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ヘキサン、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。本発明においては、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用を効果的に発揮する点から、水、メタノール、エタノール、又はこれらの混合溶媒を使用することが好ましい。抽出の際の温度は、室温から抽出溶媒の沸点以下の温度まで、適宜調整することができる。本発明においては、市販品を使用することができる。
【0011】
本発明の経口用組成物におけるターミナリアベリリカの含有量は、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用が認められる量であれば特に限定されないが、例えば組成物中に0.005質量%以上80質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以上30質量%以下である。
【0012】
本発明においては、ターミナリアベリリカ由来の没食子酸又はその塩を含有することが好ましい。本発明の経口組成物における没食子酸又はその塩の含有量は、組成物中に0.0001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.0005質量%以上であり、特に好ましくは0.001質量%以上である。また、没食子酸又はその塩は、組成物中に30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
【0013】
本発明の経口用組成物における没食子酸又はその塩の含有量は、通常知られている没食子酸又はその塩の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。例えば、液体クロマトグラフィー法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0014】
[2.経口組成物]
本発明の経口組成物は、ターミナリアベリリカを含有し、食事と共に摂取されることを特徴とする。食事と共に摂取されることにより、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用が向上する。
【0015】
本発明の経口組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、液状、飲料、ジェル状、ペースト状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、チュアブル状などの各形態が挙げられ、使用する形態に合わせて、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、着色料、香料、甘味料、添加剤などを配合することができる。本発明の経口組成物は、安定性、食事と同時での摂取の容易性の観点から、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、チュアブル状、カプセル状が好ましく、錠状、粉末状がより好ましい。
【0016】
本発明の経口組成物は、ターミナリアベリリカのみを含むものであってもよいし、これら2成分に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、通常食品として使用されるものであれば限定されず、例えば、ビタミン、ミネラル等の栄養成分、植物由来成分、動物由来成分、機能性糖類、ポリペプチド、ビタミン、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの菌類を挙げることができ、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用の観点から、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;マグネシウム、リン、亜鉛、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【0017】
本発明の経口組成物の1日の摂取量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、使用者の体重を基準として、0.01〜160g/60kgであり、好ましくは0.05〜80g/60kgであり、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用の観点から、さらに好ましくは0.1〜40g/60kgである。本発明の経口組成物の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、使用者の体重を基準として、0.005〜160g/60kgであり、好ましくは0.01〜80g/60kgであり、血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、並びに、脂肪吸収抑制作用の観点から、より好ましくは0.02〜40g/60kgである。なお、摂取形態が飲料の場合、飲料における固形分量(水分を除いた量)である。
【0018】
本発明の経口組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、一般的な食品、食品添加剤、飼料等として用いることができる。
【0019】
本発明の経口組成物は、血糖値上昇抑制作用組成物、糖吸収抑制用組成物として用いることができる。かかる血糖値上昇抑制用組成物、糖吸収抑制用組成物としては、ターミナリアベリリカを含有し、血糖値の上昇抑制、糖の吸収抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血糖値上昇抑制作用、糖の吸収抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の血糖値上昇抑制用組成物、糖吸収抑制用組成物は、製品の包装等に、ターミナリアベリリカが血糖値上昇抑制、糖吸収抑制の有効成分として表示されているものに限られず、有効成分を特定していないものであってもよい。
【0020】
具体的に、本発明の血糖値上昇抑制作用組成物、糖吸収抑制用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「血糖値が気になりはじめた方に」、「(食後の)血糖値が気になる方に」、「血糖値の上昇をおだやかにする」、「糖の吸収をおだやかにする」、「糖の吸収を抑える」、「血糖値を抑える」等を表示したものを例示することができる。
【0021】
また、本発明の経口組成物は、血中中性脂肪上昇抑制作用組成物、脂肪吸収抑制用組成物として用いることができる。かかる血中中性脂肪上昇抑制用組成物、脂肪吸収抑制用組成物としては、ターミナリアベリリカを含有し、血中中性脂肪の上昇抑制、脂肪の吸収抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪の吸収抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の血中中性脂肪上昇抑制用組成物、脂肪吸収抑制用組成物は、製品の包装等に、ターミナリアベリリカが血中中性脂肪上昇抑制、脂肪吸収抑制の有効成分として表示されているものに限られず、有効成分を特定していないものであってもよい。
【0022】
具体的に、本発明の血中中性脂肪上昇抑制作用組成物、脂肪吸収抑制用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「中性脂肪の上昇を抑える」、「中性脂肪が気になる方に」、「脂肪の吸収を抑える」、「脂肪の吸収をおだやかにする」、「中性脂肪の上昇をおだやかにする」、「中性脂肪が高めの方に」等を表示したものを例示することができる。
【0023】
本発明の経口組成物の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【0025】
ターミナリアベリリカ含有組成物摂取による血糖値上昇抑制及び血中中性脂肪上昇抑制効果
(1)被験物質
実施例1:ターミナリアベリリカ抽出物(東洋新薬社製)を没食子酸含有量が20.8mgとなるように100mLの水に溶解したものを用いた。
比較例1:実施例1のターミナリアベリリカ抽出物をカラメル色素(仙波糖化工業社製)に変え、実施例1と同等に着色したものを用いた。
(2)血糖値上昇抑制試験及び血中中性脂肪上昇抑制試験
実施例1又は比較例1の被験物質を、中身の見えない蓋つきの紙コップに準備し、被験者19名(成人男性9名、成人女性10名、平均年齢34.5歳)に、負荷食品と同時に摂取させた。負荷食品はラーメン、豚角煮を調製・加温したものを用いた。負荷条件を揃えるため、負荷食品は25分かけて摂取させた。負荷食品の栄養成分を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
試験食品および負荷食品の摂取前、摂取30分後、摂取60分後、摂取90分後、摂取120分後、摂取180分後、摂取240分後に、被験者に自己採血用の器具(採血用穿刺器具ジェントレット(三和化学研究所)およびジェントレット針(三和化学研究所))を用い採血を行ってもらい、その血液を用いて血糖、血中中性脂肪の測定を行った。
血糖値:摂取前、摂取30分後、60分後、90分後、120分後にグルテストアイ(三和化学研究所)およびグルテストNeoセンサー(三和化学研究所)を用いて行った。摂取前を基準とし、摂取30分後、60分後、90分後、120分後の血糖値の差を算出した。また、得られた結果を基に血中濃度曲線下面積(iAUC)を算出した。結果を表2に示す。
血中中性脂肪:摂取前、摂取120分後、180分後、240分後にコバスb101(ロシュ・ダイアグノスティクス)およびコバス b101用脂質測定試薬ディスク(ロシュ・ダイアグノスティクス)を用いて行った。摂取前を基準とし、摂取120分後、180分後、240分後の血中中性脂肪測定値の差を算出した。また、得られた結果を基に血中濃度曲線下面積(iAUC)を算出した。結果を表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
実施例1を食事と共に摂取したところ、血糖値は摂取60分後、摂取90分後、摂取120分後において、で比較例1と比べて有意な低下が認められた。また、実施例1を食事と共に摂取したところ、血中中性脂肪は摂取120分後、摂取180分後において、被験食品摂取時で対照食品摂取時と比較して有意な低下が認められ、240分後も低い値を維持していた。
【0031】
実施例1摂取時の血糖値iAUCは比較例1摂取時の血糖値iAUCと比較して有意な低下が認められた。また、実施例1摂取時の血中中性脂肪iAUCも同様に、比較例1摂取時の血中中性脂肪iAUCと比較して有意な低下が認められた。一般的に、AUCは吸収量を測定する方法として用いられることから、実施例1の組成物を食事とともに摂取することで、食事に含まれる糖と脂肪の吸収が抑えられることがわかった。
【0032】
以上のことから、ターミナリアベリリカを含有する経口組成物を食事と共に摂取することにより、優れた血糖値上昇抑制効果、糖吸収抑制効果を示すことがわかる。また、ターミナリアベリリカを含有する経口組成物を食事と共に摂取することにより、優れた血中中性脂肪上昇抑制効果、脂肪吸収抑制効果を示す経口組成物を示すことがわかる。
【0033】
実施例2
下記成分からなる錠剤(250mg)を製造した。得られた錠剤を、1日3回、1回あたり2粒食事と共に摂取することで、優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用が得られる。
【0034】
【表4】
【0035】
実施例3
下記成分からなる液体飲料を製造した。得られた液体飲料を、1日3回、1回あたり100ml食事と共に摂取することで、優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用が得られる。
【0036】
【表5】
【0037】
実施例4
下記成分からなる顆粒剤を製造した。得られた顆粒剤を、1日3回、1回あたり3gを100mlの水に溶解し、食事と共に摂取することで、優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用が得られる。
【0038】
【表6】
【0039】
実施例5
下記成分からなる顆粒剤を製造し、カプセルに200mgを封入した。得られたカプセル剤を、1日3回、1回あたり2粒、食事と共に摂取することで、優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用が得られる。
【0040】
【表7】
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の経口組成物は、食事と共に摂取することで優れた血糖値上昇抑制作用、糖吸収抑制作用、血中中性脂肪上昇抑制作用、脂肪吸収抑制作用を有することから、産業上の有用性は高い。