【解決手段】台間機2−1〜2−nは、管理装置3に対して、レート機会損失情報及び遊技情報を送信する。管理装置3は、例えば遊技機1−1〜1−nの機種毎にレート機会損失情報及び遊技情報を集計する。管理装置3は、集計した情報を解析して、解析結果情報として、新機種への入れ替え候補とする機種、低レートでの遊技を許可する台数や割合を表す情報を生成する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈遊技システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムを含む遊技システムの構成を示す図である。
【0010】
この遊技システムは、n台(ここではnは3以上の整数)の遊技機1−1,1−2,・・・1−nと、それぞれが遊技機1−1,1−2,・・・1−nに接続されたn台の台間機2−1,2−2,・・・2−nと、ネットワークNWを介して、台間機2−1,2−2,・・・2−nと通信可能に構成された管理装置3とからなる。台間機2−1,2−2,・・・2−n及び管理装置3が遊技機管理システムを構成する。なお、以下の説明において、各遊技機を区別しない場合は遊技機1とし、各台間機を区別しない場合は台間機2とする。
【0011】
遊技機1は、遊技者によるレート変更が可能な遊技機であり、例えば封入型のパチンコ台である。遊技機1の内部の記憶部には、遊技機1のメーカー情報、機種情報、スペック情報を含む遊技機識別情報(遊技機ID)が記憶されている。
【0012】
台間機2は、遊技者が遊技機1において遊技をする際に遊技機1を制御又は監視する。台間機2は、遊技者のログイン操作時の認証を行う。ログイン操作時の遊技者の認証は、例えば、顔認証や静脈認証等の生体認証であり、台間機2は、読み取った生態情報を管理装置3に送信する。会員カードを所持している遊技者については、台間機2は、生体情報を送信する代わりに会員カードから読み取った遊技者の識別情報を含むカードIDを送信してもよい。会員カードを所持していない遊技者については、遊技者が入力した認証用のパスワードを管理装置3に送信してもよい。認証が完了した時点でログイン状態となり、遊技者は、ログイン状態では、遊技機1において遊技をすることが可能になる。
【0013】
また、台間機2は、遊技情報及びレート機会損失情報を生成して管理装置3に送信する。遊技情報とは、図柄の変動開始、リーチ演出の発生、大当りの発生、確率変動状態の発生、所定期間(1日、1週間、1カ月等)毎の来店日時、遊技時間、来店回数、投資額、遊技機の機種情報、空き台数を含む。また、レート機会損失情報とは、遊技者が遊技機1を希望するレートで遊技するために、台間機2から希望するレートを入力したときにそのレートが利用不可であったため、遊技をしなかったことの発生を表す情報である。レート機会損失情報の詳細については具体例を示しながら後述する。
【0014】
管理装置3は、複数の台間機2それぞれとの間でデータを送受信可能なサーバである。管理装置3は、遊技者の持玉情報等を管理する。また、管理装置3は、遊技者の識別情報(以下、遊技者ID)に関連付けて遊技者の遊技情報を収集して記憶する。
【0015】
また、管理装置3は、台間機2から送信された遊技情報及びレート機会損失情報を収集し、遊技機毎、機種毎、島毎等にどのレートでどれだけレート機会損失があったか、及びどれだけ空き台数があったかを集計する。集計は、時間単位、半日(午前/午後)単位、1日単位、曜日単位、単位、月単位等で行う。
【0016】
また、管理装置3は、空き台数及びレート機会損失情報の集計結果を解析して、遊技場の運営に有益な情報、例えばレートの最適な切替時期、遊技機の最適な入替時期、レート制限の設定を行う遊技機の最適な数、遊技機1のスペック特性(大当たりし易い、大当たりし難い)、傾向を表す情報を生成する。遊技場の運営者がこれらの情報を利用することで、遊技者が好みのレートで遊技できる可能性が増え、遊技場の売上げの増加が期待できる。詳細については具体例を示しながら後述する。
【0017】
〈台間機の内部構成〉
図2は台間機の内部構成を示すブロック図である。台間機2は、制御部20と、それぞれが制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0018】
記憶部21は、RAM、ROM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶媒体である。そして、ROMには台間機2を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部20が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、現在のレートの設定値、変更可能(利用可能)なレート、変更不可(利用不可)のレート等が記憶される。
【0019】
通信部22は、管理装置3の間で情報を送受信するための通信インターフェースである。通信部22は、例えばLANコントローラを含んでいる。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインターフェースを含んでいる。
【0020】
操作手段としての操作部24は、遊技者が入力操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示手段としての表示部25は、例えば液晶ディスプレイである。表示部25は、遊技者に通知する各種の情報を表示する。カード挿入部26は、遊技者が一般カードや会員カードを挿入するための挿入口である。
【0021】
制御部20は、例えばCPUであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。
【0022】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。本実施形態では、通信制御部201は、管理装置3に対して遊技情報やレート機会損失情報を送信する。
【0023】
遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで、遊技機1を制御する。
【0024】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、操作内容に関連する制御部20の各部に操作内容を通知する。
【0025】
表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。表示制御部204は、例えば、ユーザのカード残高、持玉数、及び払出可能な貯玉数を表示部25に表示させる。
【0026】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入された記憶媒体であるカードから情報を読み出したり、カードに情報を書き込んだりする。カード制御部205は、遊技者が操作部24を用いて玉の貸し出しに用いる現金を支払った場合に、カード内の残高情報を更新する。
【0027】
〈レート設定選択画面〉
図3は、表示部25に表示されるレート設定選択画面を示す図である。ここで、
図3Aは、遊技者がレート選択を行う前の状態を表し、
図3Bは、遊技者が「1円」のレートの選択を行った状態を表している。
【0028】
図3A及び
図3Bに示されているように、レート設定選択画面251には、レート設定画面であることを表す画像252、現在設定されている「4円」のレートを表すボタン253、及び選択可能なレートである「1円」のレートを表すボタン254が表示されている。そして、
図3Bでは、遊技者が行った「1円」のレートが利用不可(すなわち「4円」から「1円」への変更不可)に設定されているため、「1円」に「×」が付されている。このとき、台間機2は管理装置3に対して、レート機会損失情報を送信する。
【0029】
〈管理装置の内部構成〉
図4は、管理装置の内部構成を示すブロック図である。管理装置3は、制御部30と、それぞれが制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0030】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、ユーザ(遊技場の管理者等)の操作を受け付けるデバイスである。通信部34は、ネットワークNWを介して台間機2との間でデータを送受信するための通信インターフェースの一部であり、例えばLANコントローラにより構成されている。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。
【0031】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量のデータが記憶される。ここでは、遊技情報311、レート機会損失情報312、及び解析結果情報313を図示した。
【0032】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。また、制御部30は、台間機2から送信された遊技情報及びレート機会損失情報を集計して解析し、解析結果情報として遊技場の運営に有益な情報を生成する。
【0033】
ここで、遊技情報及びレート機会損失情報の集計は、遊技機毎、機種毎、島毎等に行う。また、解析結果情報として、例えばレートの最適な切替時期、遊技機の最適な入替時期、遊技機毎、機種毎、島毎のレート制限の設定を行う遊技機の最適な数等を表す情報を生成する。
【0034】
〈管理装置の動作の第1の例〉
図5は、管理装置の概略動作の第1の例を示すフローチャートである。この図及び
図1を参照して管理装置3の概略動作を説明する。
【0035】
管理装置3は、台間機2−1〜2−nから送信された遊技機1−1〜1−nの機種毎のレート機会損失情報の蓄積及び遊技情報(空き台情報等)の蓄積を実行する(ステップS1)。次に管理装置3は、所定期間(予め設定された情報集計期間)が満了したか否かを判断する(ステップS2)。
【0036】
満了していないと判断した場合は(ステップS2:No)、機種毎のレート機会損失情報の蓄積及び遊技情報の蓄積を続ける(ステップS1)。そして、満了したと判断した場合は(ステップS2:Yes)、レート機会損失情報の集計、及び遊技情報の集計を行い(ステップS3)、集計したそれらの情報を解析して(ステップS4)、この図に示されている処理を終了させる。
【0037】
〈集計結果の例〉
ここで集計結果及び解析結果情報の1例を説明する。
下記の表1は機種毎のレート機会損失情報及び空き台情報の集計結果の例である。
【0039】
このレート機会損失情報及び空き台情報を解析し、空き台数が所定値以上に達した場合、下記(i)及び(ii)の基準で判定する。
(i)レート機会損失の回数が所定値未満:新しい機種に入れ替える候補とする。
(ii)レート機会損失の回数が所定値以上:低レートへの切り替えと判定する。
【0040】
表1に示されている集計結果に対して、レート機会損失の所定値を10回、空き台数の所定値を10台としてこの判定基準を適用すると、機種A、B、Cに関する下記の解析結果情報が得られる。
機種A:新しい機種への入れ替え候補。
機種B:低レートを許可する台数を増やす。
機種C:変更不要。
【0041】
このようにレート機会損失情報及び空き台情報を用いることで、細かな台数調整が可能となる。細かな台数調整が不要であれば、空き台数を用いずに、レート機会損失情報のみを集計し、解析してもよい。なお、
図5に示されている処理では、機種毎にレート損失解析情報及び遊技情報を集計して解析したが、遊技機毎、島毎、メーカー毎、スペック毎についてそれらの情報を集計し、解析してもよい。それらの情報を用いることで、よりより細かな調整が可能になる。
【0042】
〈管理装置の動作の第2の例〉
図6は、管理装置の概略動作の第2の例を示すフローチャートである。
図5に示されている第1の例では、蓄積した情報を所定期間毎に集計し、解析するのに対し、第2の例では、蓄積した情報を所定の時点毎に集計し、解析する。さらに、解析結果を基にレート比率の設定値を更新する。
【0043】
管理装置3は、台間機2−1〜2−nから送信された遊技機1−1〜1−nの機種毎のレート機会損失情報の蓄積及び遊技情報(空き台情報等)の蓄積を実行する(ステップS11)。次に管理装置3は、時刻が0時であるか否かを判定する(ステップS12)。この時刻は、予め設定された情報集計時刻である。
【0044】
0時ではないと判定した場合は(ステップS12:No)、機種毎のレート機会損失情報の遊技情報の蓄積を続ける(ステップS11)。そして、0時であると判断した場合は(ステップS12:Yes)、レート機会損失情報の集計、及び遊技情報の集計を行い(ステップS13)、集計したそれらの情報を解析する(ステップS14)。そして、解析結果に基づき、レート比率の設定値を更新し(ステップS15)、この図に示されている処理を終了させる。
【0045】
〈レート比率の設定値及び集計結果の例〉
ここでレート比率の設定値、並びにレート機会損失情報及び遊技情報の集計結果の1例を説明する。
【0046】
下記の表2は更新前のレート比率の設定値を示す。ここでは、4円のレートに設定されている遊技機が90%、1円のレートに設定されている遊技機が10%である。なお、総数は30台である。
【0048】
下記の表3は、レート機会損失情報及び遊技情報の集計結果である。ここでは、遊技情報として遊技機の空き台数を集計した。表における数値は前回の集計値を0にリセットし、その後に蓄積した値である。
【0050】
下記の表4は更新後のレート比率の設定値を示す。表3に示されている集計結果に基づき、1円レートの遊技機を20%(6台)増加させるとの解析結果を取得した。そして、その解析結果に従って、4円のレートに設定されている遊技機を70%、1円のレートに設定されている遊技機を30%に変更した。
【0052】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムによれば、機種毎のレート機会損失情報及び空き台情報を集計して解析することで、新台への入替候補とする機種、低レートとする台数を増やす機種等、遊技場の運営に有益な情報を生成することができる。遊技場の運営者がこれらの情報を利用することで、遊技者が好みのレートで遊技できる可能性が増え、遊技場の売上げの増加が期待できる。
【0053】
なお、本発明には上記実施形態に加えて下記(1)〜(3)の変形例がある。
(1)会員カードのカードIDを用いて遊技者の傾向を集計する。
(2)遊技者によるレート変更を許可した遊技機で遊技が開始されずに遊技者が退店した場合、台間機はレート機会損失情報を生成し、管理装置3に送信する。
(3)レート変更不可とされた遊技者が、利用可能なレートで遊技を行った場合、レート機会損失の回数としてカウントしない。
なお、(2)、(3)の事態の発生は、会員カードの利用者についてはカード情報により、一般カードの利用者については監視カメラの映像等により検知することができる。