(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-180789(P2021-180789A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】毛刈り用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
B26B 19/14 20060101AFI20211029BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20211029BHJP
A01K 13/00 20060101ALI20211029BHJP
B26B 19/44 20060101ALI20211029BHJP
D06C 13/00 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
B26B19/14 C
A47L9/02 D
A01K13/00 Z
B26B19/44 Z
D06C13/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-88078(P2020-88078)
(22)【出願日】2020年5月20日
(11)【特許番号】特許第6911179号(P6911179)
(45)【特許公報発行日】2021年7月28日
(71)【出願人】
【識別番号】505145105
【氏名又は名称】信永 泰義
(71)【出願人】
【識別番号】520176957
【氏名又は名称】浅野 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】信永 泰義
【テーマコード(参考)】
3B061
3B154
3C056
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B154AB31
3B154AB34
3B154BA26
3B154BB05
3B154BB54
3B154BC20
3B154BC21
3B154BC31
3C056EA02
3C056EA12
3C056LL04
3C056LL09
3C056LL37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転軸の長さを小さくすることができる毛刈り用アタッチメントを提供する。
【解決手段】毛刈り用アタッチメント10は、掃除機の吸引ホース側に接続されるケース11の吸引口部13に、複数の吸引孔15を有する吸引板14が取り付けられ、吸引板14に設けられる回転軸16に回転可能に回転ホルダ17が取り付けられ、回転ホルダ17は回転軸16を中心に放射状に4本のアーム部17bを有し、それぞれのアーム部17bに羽根付き刃18が着脱可能に取り付けられ、羽根付き刃18が扇状の羽根部18aと羽根部18aに固定される刃部18bとを有するシート状に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸引ホース側に接続される排出口部と外気が吸引される吸引口部とを有するケースと、
前記ケースの吸引口部に取り付けられ、複数の吸引孔を有する吸引板と、
前記吸引板に設けられる回転軸と、
前記回転軸の周りに前記回転軸の周方向の一方側へ傾く状態で取り付けられる複数の羽根部と、
前記回転軸の周りに取り付けられ、前記吸引板の内面に摺接する複数の刃部とを備え、
前記ケース内に生じる気流を受ける前記複数の羽根部が前記回転軸の周りで回転することにより、前記複数の刃部が前記回転軸の周りに回転する毛刈り用アタッチメントにおいて、
前記羽根部と前記刃部とがシート状に一体に形成されている羽根付き刃を有することを特徴とする毛刈り用アタッチメント。
【請求項2】
前記回転軸に回転可能に支持される回転ホルダを備え、前記回転ホルダが前記回転軸を中心に放射状に延びる複数のアーム部を有し、前記羽根付き刃が前記アーム部のそれぞれに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の毛刈り用アタッチメント。
【請求項3】
前記吸引板が円板から形成されており、前記回転軸が前記吸引板の中心に配置されており、それぞれの前記羽根付き刃の刃部が前記吸引板の径方向に沿って配置され、前記吸引板の吸引孔が前記吸引板の径方向に対して交差する方向に直線状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の毛刈り用アタッチメント。
【請求項4】
前記羽根付き刃の羽根部が、扇状部と、扇状部の一方の半径側縁部から延び出し前記刃部を固定する固定部とを有し、前記羽根部の扇状部の円弧状外縁が吸引板の外周縁に沿って周方向一方へ向かうにつれて、軸方向一方へ延び出す状態となっていることを特徴とする請求項3に記載の毛刈り用アタッチメント。
【請求項5】
前記羽根付き刃の羽根部が可撓性を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛刈り用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、掃除機の吸い込みホース側に取り付けられ、人の毛髪、動物の毛や、衣類やカーペットにできる毛玉などを刈り取る毛刈り用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣類やカーペットにできた毛玉を取り除くために、掃除機の吸い込みホースの先端に取り付けられる毛刈り用アタッチメント(毛玉取り具)が使用されている。この毛刈り用アタッチメントとしては、吸い込みホースの先端に脱着される連結管(ベント管)を有する筒状のケース(筒状ケース)と、ケースの開口部に固定され、多数の吸引孔が形成されている吸引板(衣類当接面)とを有し、ケース内で、風車と回転刃とを連結する回転軸が回転可能に支持されたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
風車は、回転軸の一端部にその軸方向に対して斜めに配置された複数の羽根部を有し、回転刃は、回転軸の他端部に固定され、回転軸周りに放射状に配置される複数の刃部(カッター)を有している。回転刃の複数の刃部が吸引板の内面に摺接している。
【0004】
この特許文献1に記載された毛刈り用アタッチメントは、掃除機の使用時、ケース内に吸引板から連結管へ向かって気流が生じる。その気流が羽根部に当たることにより風車が回転し、回転軸を介して回転刃の刃部が回転軸周りに回転する。このとき、吸引板を衣類やカーペットに接触させることにより、吸引孔に吸い込まれた毛玉が回転する回転刃の刃部で切断される。切断された毛玉は、ケース内から連結管を経て掃除機の吸い込みホースへ吸い込まれる。これにより、毛刈り用アタッチメントは、掃除機を使用時に連続して衣類やカーペットの毛玉を取り除くことができる、さらに、切断された毛玉はケース内に溜まることなく、掃除機で吸い込まれるためケース内の掃除が不要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−162893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された毛刈り用アタッチメントは、回転軸がその軸方向の途中位置でケースに回転可能に支持されるものである。そして、回転軸は、その軸方向の一端部に風車が固定され、回転軸の軸方向の他端部に回転刃の刃部が固定されている(特許文献1の第1図参照)。ケースによって、回転軸をその軸心がぶれないように回転可能に支持するには、回転軸の長さを大きくする必要があった。回転軸の長さが大きくなると、ケースをコンパクトに形成することが難しい。
【0007】
そこで、この発明の課題は、回転軸の長さを小さくすることができる毛刈り用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明に係る毛刈り用アタッチメントは、
掃除機の吸引ホース側に接続される排出口部と外気が吸引される吸引口部とを有するケースと、前記ケースの吸引口部に取り付けられ、複数の吸引孔を有する吸引板と、前記吸引板に設けられる回転軸と、前記回転軸の周りに前記回転軸の周方向の一方側へ傾く状態で取り付けられる複数の羽根部と、前記回転軸の周りに取り付けられ、前記吸引板の内面に摺接する複数の刃部とを備え、前記ケース内に生じる気流を受ける前記複数の羽根部が前記回転軸の周りで回転することにより、前記複数の刃部が前記回転軸の周りに回転する毛刈り用アタッチメントにおいて、前記羽根部と前記刃部とがシート状に一体に形成されている羽根付き刃を有する構成を採用することができる。
【0009】
この構成によると、前記羽根付き刃を回転軸の周りに取り付けることにより、回転軸に羽根部と刃部とを軸方向に間隔をおいて取り付ける必要がなくなる。
【0010】
前記回転軸に回転可能に支持される回転ホルダを備え、前記回転ホルダが前記回転軸を中心に放射状に延びる複数のアーム部を有し、前記羽根付き刃が前記アーム部のそれぞれに着脱可能に取り付けられている構成を採用することができる。
【0011】
この構成によると、回転ホルダの複数のアーム部にそれぞれ羽根付き刃が着脱可能に取り付けられているので、必要に応じて、アーム部ごとに羽根付き刃を容易に交換することができる。
【0012】
前記吸引板が円板から形成されており、前記回転軸が前記吸引板の中心に配置されており、それぞれの前記羽根付き刃の刃部が前記吸引板の径方向に沿って配置され、前記吸引板の吸引孔が前記吸引板の径方向に対して交差する方向に直線状に形成されている構成を採用することができる。
【0013】
掃除機の使用時、吸引板の吸引孔に吸い込まれた毛が、羽根付き刃の刃部に対して交差する方向に並ぶ状態となる。このように並ぶ毛が、刃部によって、その径方向に沿って内側部分から外側部分により順次切断されて、毛の切断が円滑に行われる。
【0014】
前記羽根付き刃の羽根部が、扇状部と、扇状部の一方の半径側縁部から延び出し前記刃部を固定する固定部とを有し、前記羽根部の扇状部の円弧状外縁が前記吸引板の外周縁に沿って周方向一方へ向かうにつれて、軸方向一方へ延び出す状態となっている構成を採用することができる。
【0015】
この構成によると、掃除機の使用時、ケース内に生じる気流の乱れが生じにくくなり、複数の羽根付き刃の回転軸周りの回転速度の変動を抑えることができる。
【0016】
前記羽根付き刃の羽根部が可撓性を有するものである構成を採用することができる。この場合、ケース内に生じる気流の速度が大きくなると、羽根付き刃の羽根部の回転軸の中心軸に対する傾きが小さくなる。その一方、ケース内に生じる気流の速度が小さくなると、羽根付き刃の羽根部の回転軸の中心軸に対する傾きが大きくなる。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る毛刈り用アタッチメントは、複数の羽根付き刃を回転軸に取り付けることにより、回転軸に羽根部と刃部とを回転軸の軸方向に間隔をおいて取り付ける必要がなくなり、回転軸の長さを小さくコンパクトに製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の実施形態に係る毛刈り用アタッチメント示す一部切り欠き斜視図
【
図2】同上の毛刈り用アタッチメントを示す分解斜視図
【
図4】同上の毛刈り用アタッチメントのケースを外した状態を示す平面図
【
図7】同上の回転ホルダへの羽根付き刃の取り付けを示す平面図
【
図8】(a)同上の回転ホルダへの羽根付き刃の取り付け前の状態を示す斜視図、(b)同上の回転ホルダへの羽根付き刃の取り付け後の状態を示す斜視図
【
図10】同上の毛刈り用アタッチメントの使用状態を示す説明図
【
図11】同上の毛刈り用アタッチメントの他の使用状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この発明の実施形態に係る毛刈り用アタッチメント10を
図1〜9に示す。
図1に示すように、毛刈り用アタッチメント10は、掃除機Cの吸引ホースH側に接続される排出口部12と外気が吸引される吸引口部13とを有するケース11と、ケース11の吸引口部13に取り付けられ、複数の吸引孔15を有する吸引板14と、吸引板14に設けられる回転軸16と、回転軸16に回転可能に支持される回転ホルダ17と、回転ホルダ17に複数取り付けられる羽根付き刃18とを備える。
【0020】
明細書中において、「軸方向」とは、特に言及しない限り、回転軸16の中心軸に沿った方向のことをいう。「周方向」とは、特に言及しない限り、回転軸16周りの周方向のことをいう。
【0021】
ケース11は、樹脂製の透明な筒状部材から形成されている。ケース11は、円筒状の胴部11aと、胴部11aの軸方向一端側に位置する肩部11bとが一体に形成されている。胴部11aの軸方向他端縁が吸引口部13となっている。
図2に示すように、胴部11aの軸方向他端側の外周部には、多条ねじとなるねじ山11dが形成されている。
【0022】
肩部11bは、軸方向一方へ向かうにつれて外形寸法が小さくなっている。肩部11bの軸方向一端部に円筒状のジョイント部11cが同軸状に接続されている。ジョイント部11cの軸方向一端縁が排出口部12となっている。ジョイント部11cは、掃除機Cの吸引ホースH側に接続される。ここで、掃除機Cの吸引ホースH側に接続とは、掃除機Cの吸引ホースHの先端に接続される場合のみならず、掃除機Cの吸引ホースHに連結される各種ヘッドやノズルなどに接続される場合や、掃除機Cの吸引ホースHが接続される吸引口部に接続される場合を含む。
【0023】
図2に示すように、吸引板14は金属製の円板から形成されている。吸引板14は、中央に位置するハブ部14aと、ハブ部14aから放射状に延びる複数となる4本のリブ部14bと、周方向に隣り合うリブ部14bの間に形成される複数の吸引孔15とを有する。それぞれのリブ部14bは周方向に等間隔に配置されている。複数の吸引孔15は、周方向に隣り合うリブ部14bの間において、吸引板14の径方向に対して直交する方向に沿って設けられている。周方向に隣り合うリブ部14bの間に設けられるそれぞれの吸引孔15は、径方向に沿って等間隔に配置され、周方向の中央部分で径方向に延びる補強リブ部14cで分割されている。なお、複数の吸引孔15は、吸引板14の径方向に対して交差する方向に沿って形成されていればよい。
【0024】
図3に示すように、吸引板14の外周部に円筒状の固定枠19が嵌め合わされている。固定枠19の内径寸法は、吸引板14の外径寸法よりもわずかに大きい。固定枠19は、内周部の軸方向他端縁に形成される係合部19aと、内周部に形成される多条ねじとなるねじ山19bとを有する。係合部19aは固定枠19の全周に形成されている。係合部19aの内径寸法は、吸引板14の外径寸法よりもわずかに小さい。係合部19aが固定枠19内に嵌め合わされた吸引板14の外周部を支持する。なお、係合部19aを固定枠19に間欠的に形成してもよい。
【0025】
固定枠19のねじ山19bはケース11のねじ山11dとねじ結合する。ケース11に固定枠19をねじ込むことで、ケース11の軸方向他端縁と固定枠19の係合部19aとの間に吸引板14の外周部が挟まれる状態となる。
【0026】
吸引板14のハブ部14aに回転軸16が設けられている。
図5に示すように、回転軸16は、吸引板14に設けられるおねじ20と、おねじ20にねじ結合するめねじ21とで形成されている。おねじ20は、ねじ部が吸引板14のハブ部14aに挿通されている。めねじ21の軸方向一端には、円錐台形のストッパ21aとつまみ部21bとが一体に形成されている。めねじ21の外周部に回転ホルダ17、円環状のゴムパッキン22およびワッシャ23が挿通されている。めねじ21の軸方向他端部は吸引板14に接する状態となっている。
【0027】
図7に示すように、回転ホルダ17は、回転軸16が挿通される軸受部17aと、軸受部17aから放射状に延びる複数となる4本のアーム部17bとを有する。それぞれのアーム部17bは所定幅を有し、90度となるように配置されている。アーム部17bは、周方向一方側の辺縁部に一体に形成される一対の係合爪17cを有する。アーム部17bの周方向他方側の辺側縁に沿う直線が回転軸16の中心を通る状態にある。
【0028】
一対の係合爪17cは、アーム部17bの長さ方向両側に配置されている。
図8(a)に示すように、一対の係合爪17cは周方向一方へ向かうにつれて軸方向他方へ延び出す延出部分からアーム部17bの長さ方向内向きに突出して形成されている。
【0029】
それぞれのアーム部17bと一対の係合爪17cとの間には羽根付き刃18が取り付けられている。
図2に示すように、羽根付き刃18は、羽根部18aと羽根部18aに固定される刃部18bとを有するシート状に形成されている。羽根部18aは、90度の扇形をなす扇状部と、その扇状部の一方の半径側縁部から延び出し、刃部18bが固定される固定部18cとを有するものである。羽根部18aは固定部18c寄り位置の両縁に切り欠き部18dが形成されている。この切り欠き部18dは、アーム部17bの一対の係合爪17cに係合するようになっている。羽根部18aは、可撓性を有する2枚のシート状物を重ね合わせて形成されている。羽根部18aの2枚のシート状物の固定部18cとなる部分の間に刃部18bが挟み込まれており、刃部18bの一部が露出している。
【0030】
刃部18bは、矩形の金属刃であって、アーム部17bの長さ方向の全長にわたって断面先鋭状に形成されている。刃部18bは、羽根付き刃18がアーム部17bに取り付けられている状態で、吸引板14の内面に線状に摺接するものである。
【0031】
羽根付き刃18は、刃部18bがアーム部17bよりも軸方向他端部側に位置する状態で、アーム部17bと一対の係合爪17cとの間に配置されている。羽根部18aの切り欠き部18dにはそれぞれの係合爪17cが係合している。羽根付き刃18は、回転軸16の中心軸に対して周方向一方側に傾き、かつ刃部18bの先端縁が吸引板14の内面に線状に摺接する状態でアーム部17bに取り付けられる。
【0032】
羽根付き刃18は、アーム部17bに対して着脱可能となっている。羽根付き刃18の取り付けは、切り欠き部18dを互いに接近させるように羽根部18aを撓ませつつ、刃部18bをアーム部17bよりも軸方向他端側に位置する状態で、切り欠き部18dをアーム部17bの係合爪17cに係合させることでなされる。その一方、羽根付き刃18の取り外しは、切り欠き部18dを互いに接近させるように羽根部18aを撓ませつつ、切り欠き部18dをアーム部17bの係合爪から離脱させることでなされる。
【0033】
羽根付き刃18は、アーム部17bに取り付けられている状態で、羽根部18aの扇状部がアーム部17bよりも軸方向の一方側に位置している。このとき、羽根部18aの扇状部の円弧状外縁が、吸引板14の外周縁に沿って周方向一方へ向かうにつれて、軸方向一方へ延び出す状態となる。この状態の羽根部18aは、吸引板14の吸引孔15からケース11の排出口部12へ向かってケース11内に生じる気流を受けるものである。気流を受けた羽根部18aは回転ホルダ17に周方向他方側へ回転する。回転ホルダ17の回転により、羽根付き刃18の刃部18bが吸引板14の内面に対して摺接しながら回転する。
【0034】
この発明の実施形態に係る毛刈り用アタッチメント10は、以上のように構成される。この実施形態に係る毛刈り用アタッチメント10は、
図10に示すように、掃除機Cの吸引ホースHの先端にケース11のジョイント部11cを接続する。掃除機Cの電源を入れると、吸引ホースHの先端から空気が吸引され、吸引板14の複数の吸引孔15からケース11の排出口部12へ向かってケース11内に気流が生じる。
【0035】
この気流を羽根付き刃18の羽根部18aが受ける。気流を受けた羽根部18aは回転ホルダ17に周方向他方側へ回転する。回転ホルダ17の回転により、羽根付き刃18の刃部18bが吸引板14の内面に対して摺接しながら、回転軸16の周りを回転する。この回転状態でケース11を手に持ち、例えば、ペットP(
図10では犬)の体表に沿って吸引板14を移動させる。このとき、ペットPの毛は吸引孔15からケース内に吸い込まれて、その毛の一部が羽根付き刃18の刃部18bによって切断されていく。切断された毛は、ケース11内に生じる気流とともに、排出口部12から吸引ホースH内をとおり掃除機C内へ吸引される。このように、切断された毛は、ペットPの周りに落ちることなく、掃除機C内に吸引されるので、地面や床面の清掃が不要となる。
【0036】
また、毛刈り用アタッチメント10は、上記回転状態で、人の頭皮に沿ってケース11を移動させることにより、人の毛髪を刈り、刈った毛を掃除機C内に吸引することができる。さらに、衣類やカーペットの表面に沿ってケース11を移動させることにより、毛玉を刈り取り、掃除機C内に吸引することができる。なお、
図11に示すように、毛刈り用アタッチメント10は、掃除機Cの吸引口部に直接的に接続することもできる。
【0037】
さらに、毛刈り用アタッチメント10においては、ケース11内に生じる気流を受ける羽根部18aと、吸引板14の内面に対して摺接する刃部18bが、シート状の羽根付き刃18として一体に形成されている。そして、羽根付き刃18は回転ホルダ17のアーム部17bに取り付けられている。このため、この回転ホルダ17の軸受部17aを支持する回転軸16はその長さを小さくすることができる。
【0038】
また、羽根付き刃18は、回転ホルダ17の複数のアーム部17bにそれぞれ着脱可能に取り付けられている。このため、刃部18bが欠けたり、刃部18bの切れ味が悪くなったりした場合に、羽根付き刃18をアーム部17bから取り外して、容易に交換することができる。
【0039】
さらに、
図9に示すように、吸引板14は、複数の吸引孔15が径方向に直交する方向に沿って形成されるものである。これにより、吸引板14の吸引孔15に吸い込まれた毛が、羽根付き刃18の刃部18bに対して直交する方向に並ぶ状態となる。このように並ぶ毛が、刃部18bによって、その径方向の内側部分から外側部分により順次切断されて、毛の切断が円滑に行われる。
【0040】
羽根付き刃18の羽根部18aは、扇状部と扇状部の一方の半径側縁部から延び出し刃部18bを固定する固定部18cとを有している、羽根部18aの扇状部の円弧状外縁は、吸引板14の外周縁に沿って周方向一方へ向かうにつれて、軸方向一方へ延び出す状態となっている。このため、掃除機Cの使用時、ケース11内に生じる気流の乱れが生じにくくなり、複数の羽根付き刃18を取り付けた回転ホルダ17の回転速度の変動を抑えることができる。
【0041】
羽根部18aは可撓性を有するものであるので、ケース11内に生じる気流の速度が大きくなると、羽根部18aの回転軸16の中心軸に対する傾きが小さくなる。その一方、ケース11内に生じる気流の速度が小さくなると、羽根部18aの回転軸16の中心軸に対する傾きが大きくなる。その結果、掃除機の機種により、ケース11内に生じる気流の速度が変化しても、回転ホルダ17の回転速度の変動を抑えることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 毛刈り用アタッチメント
11 ケース
11a 胴部
11b 肩部
11c ジョイント部
11d ねじ山
12 排出口部
13 吸引口部
14 吸引板
14a ハブ部
14b リブ部
14c 補強リブ部
15 吸引孔
16 回転軸
17 回転ホルダ
17a 軸受部
17b アーム部
17c 係合爪
18 羽根付き刃
18a 羽根部
18b 刃部
18c 固定部
18d 切り欠き部
19 固定枠
19a 係合部
19b ねじ山
20 おねじ
21 めねじ
21a ストッパ
21b つまみ部
22 ゴムパッキン
23 ワッシャ
C 掃除機
H 吸引ホース
P ペット
【手続補正書】
【提出日】2021年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸引ホース側に接続される排出口部と外気が吸引される吸引口部とを有するケースと、
前記ケースの吸引口部に取り付けられ、複数の吸引孔を有する吸引板と、
前記吸引板に設けられる回転軸と、
前記回転軸の周りに前記回転軸の周方向の一方側へ傾く状態で取り付けられる複数の羽根部と、
前記回転軸の周りに取り付けられ、前記吸引板の内面に摺接する複数の刃部とを備え、
前記ケース内に生じる気流を受ける前記複数の羽根部が前記回転軸の周りで回転することにより、前記複数の刃部が前記回転軸の周りに回転する毛刈り用アタッチメントにおいて、
前記羽根部と前記刃部とがシート状に一体に形成されている羽根付き刃を有し、
前記回転軸に回転可能に支持される回転ホルダを備え、前記回転ホルダが前記回転軸を中心に放射状に延びる複数のアーム部を有し、前記羽根付き刃が前記アーム部のそれぞれに着脱可能に取り付けられ、
前記吸引板が円板から形成されており、前記回転軸が前記吸引板の中心に配置されており、それぞれの前記羽根付き刃の刃部が前記吸引板の径方向に沿って配置され、前記吸引板の吸引孔が前記吸引板の径方向に対して交差する方向に直線状に形成され、
前記羽根付き刃の羽根部が、扇状部と、扇状部の一方の半径側縁部から延び出し前記刃部を固定する固定部とを有し、前記羽根部の扇状部の円弧状外縁が吸引板の外周縁に沿って周方向一方へ向かうにつれて、軸方向一方へ延び出す状態となっていることを特徴とする毛刈り用アタッチメント。
【請求項2】
前記羽根付き刃の羽根部が可撓性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の毛刈り用アタッチメント。