【解決手段】飲料供給システム100のための監視装置10,90,91は、圧力センサ20の検出圧力を受け取り、検出圧力に基づいて、ガス供給源70から飲料容器50にガスが供給されかつコック61が閉じられているときの基準圧力と、基準圧力を含む第1の圧力範囲と、を決定し、店舗におけるある時間帯に、検出圧力が、以下の条件:(i)第1の圧力範囲から一時的にある閾値よりも低下して、その後に閾値よりも上昇し、かつ、(ii)基準圧力よりも低い第2の圧力範囲に、ある一定の時間以上維持されて、かつ、(iii)その後に第2の圧力範囲よりも低下する、を満たす場合に、ディスペンスヘッド51が洗浄液タンク80に接続されて、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60が洗浄液によって洗浄されたと判定する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る飲料供給システムのための監視装置及び監視方法並びにプログラムを説明する。複数の図面を通して、同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
【0018】
図1は、実施形態に係る監視装置10を備える飲料供給システム100を示す概略図である。例えば、飲料供給システム100は、飲料を提供するために、レストラン等の店舗に配置されることができる。飲料供給システム100は、飲料容器50と、飲料ディスペンサ60と、ガス供給源70と、洗浄液タンク80と、を備えている。
【0019】
飲料容器50は、例えば、ビール樽であることができる。飲料容器50は、様々な飲料(例えば、ビール、ビール以外のアルコール炭酸飲料(例えば、発泡酒、麦芽以外の原料から作成されていて別のアルコール飲料が混入されたビール風味の発泡アルコール飲料(いわゆる第三のビール)、チューハイ、若しくは、ハイボール)、又は、非アルコール炭酸飲料(ノンアルコールビール若しくは炭酸ジュース)等)を貯蔵することが可能である。
【0020】
飲料容器50には、スピアバルブ(不図示)を介してディスペンスヘッド51が取り付けられている。ディスペンスヘッド51は、流体入口52と、流体出口53と、を有している。流体入口52は、配管P2によってガス供給源70に接続されている。流体出口53は、配管P1によって飲料ディスペンサ60に接続されている。ディスペンスヘッド51は、飲料容器50又は洗浄液タンク80のいずれか一方に取り付けられるように構成されており、第1の配管P1及び第2の配管P2を、取り付けられた飲料容器50又は洗浄液タンク80に接続する。ディスペンスヘッド51は、店舗の営業時間には、通常は飲料容器50に取り付けられ、後述する洗浄時には、洗浄液タンク80に取り付けられる。また、ディスペンスヘッド51は、操作レバー54を有している。操作レバー54は、例えば、2つの位置(例えば、「上」位置及び「下」位置)に切り替え可能であり、流体入口52、流体出口53及び飲料容器50(又は洗浄液タンク80)の間の接続状態を切り替える。
【0021】
例えば、「上」位置では、ディスペンスヘッド51は、流体入口52、飲料容器50(又は洗浄液タンク80)の内部、及び、流体出口53を相互に遮断する。「上」位置は、例えば、ディスペンスヘッド51を飲料容器50又は洗浄液タンク80から取り外すときに使用することができる。
【0022】
「下」位置では、ディスペンスヘッド51は、流体入口52と飲料容器50(又は洗浄液タンク80)の内部とを接続し、かつ、飲料容器50(又は洗浄液タンク80)の内部と流体出口53とを接続する(すなわち、飲料容器50(又は洗浄液タンク80)の内部を通して流体入口52及び流体出口53を接続する)。「下」位置は、例えば、飲料容器50の飲料を飲料ディスペンサ60に供給するとき、又は、洗浄液タンク80の洗浄液を飲料ディスペンサ60に供給するときに使用されることができる。
【0023】
各接続状態が実現される操作レバー54の「上」及び「下」の位置は、単なる例示に過ぎず、各接続状態は、操作レバー54の異なる位置で実現されてもよい。例えば、操作レバー54は、「上」及び「下」の位置の代わりに、例えば「左」及び「右」の位置、又は、他の位置に切り替え可能であってもよい。
【0024】
飲料ディスペンサ60は、飲料容器50からの飲料をグラス等の容器に供給するように構成されている。飲料ディスペンサ60は、コック61を有している。コック61の吐出口62の下方には、飲料供給時には、グラス等の容器(不図示)が配置され、洗浄時及び飲料容器50の交換時には、バケツ等の比較的大きな容器Bが配置される。飲料ディスペンサ60は、冷却水槽63を有しており、冷却水槽63は、コック61に接続されたコイル状の管64を収容している。冷却水槽63は、冷却装置65によって冷却される。このような構成によって、コイル状の管64を通る飲料が冷却される。コイル状の管64には、第1の配管P1が接続される。
【0025】
本実施形態では、飲料ディスペンサ60(具体的には、コック61)は、飲料を通すための飲料流路と、発泡性飲料から泡を形成するための泡流路と、を含んでおり、これらの流路は、選択的に吐出口62に接続可能である。コック61は、これらの流路を開閉するための弁を含んでいる。本開示では、弁は、例えば、飲料流路及び泡流路の双方を閉じるため(飲料流路及び泡流路の双方を吐出口62から遮断するため)の第1の位置(閉位置)と、飲料流路を開くため(飲料流路を吐出口62に接続するため)の第2の位置(開位置)と、泡流路を開くため(泡流路を吐出口62に接続するため)の第3の位置(泡位置)と、を含む3つの位置にセット可能である。コック61は、弁を上記の3つのうちの1つに選択的に移動させるためのハンドル61aを有している。
【0026】
また、本実施形態では、コック61は、スポンジを通すように構成することが可能であり、これによって、スポンジを使用して飲料ディスペンサ60及び第1の配管P1を洗浄可能である。例えば、スポンジは、第1の配管P1の内径と略同等なサイズを有する。例えば、コック61は、上記の弁を飲料流路から取り除くことによって、飲料流路にスポンジを通すことが可能である。スポンジをコック61に通すための構成は、これに限られない。スポンジを使用して洗浄を実施する際、オペレータは、第1の配管P1の端部をディスペンスヘッド51の流体出口53から取り外して、この端部から第1の配管P1にスポンジを挿入することができる。スポンジは、加圧された洗浄液によって、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60を押し通される。スポンジは、吐出口62から洗浄液と共に放出される。
【0027】
ガス供給源70は、例えば、ガスボンベであることができる。ガス供給源70は、例えば炭酸ガス、窒素ガス又は圧縮空気等のガスを供給することができる。ガス供給源70は、供給するガスの圧力を調整するためのダイヤル71を有することができる。洗浄液タンク80は、飲料の流路を洗浄するための洗浄液を収容している。洗浄液は、例えば、水であることができる。洗浄液タンク80は、飲料を供給するときには使用されず、飲料ディスペンサ60を洗浄するときにディスペンスヘッド51に取り付けられる(詳しくは、後述)。
【0028】
上記のような飲料供給システム100では、飲料ディスペンサ60及び第1の配管P1が、洗浄液タンク80の洗浄液を使用して洗浄される。本開示では、洗浄は、例えば、2つの方法を含むことができる。
【0029】
図2は、水洗浄を示すフローチャートである。第1の洗浄方法は、洗浄液のみを使用する(本開示において、「水洗浄」とも称され得る)。水洗浄は、定期的に実施されることができる(例えば、店舗の営業日毎の所定の時間帯(例えば、営業時間が終了した後の所定の期間(例えば、数分間〜数時間)))。水洗浄を始める前に、通常は、ディスペンスヘッド51は飲料容器50に接続されており、コック61は閉じられている。水洗浄では、ガス圧として、飲料を提供するための圧力に等しい圧力が使用される。
【0030】
図2を参照して、オペレータは、まず、ディスペンスヘッド51の操作レバー54を「上」位置にセットして(ステップS100)、流体入口52、飲料容器50の内部、及び、流体出口53を相互に遮断する。続いて、オペレータは、ディスペンスヘッド51を飲料容器50から取り外す(ステップS102)。続いて、オペレータは、洗浄液を含んだ洗浄液タンク80にディスペンスヘッド51を取り付ける(ステップS104)。オペレータは、以下のステップS106で洗浄液タンク80にガスを供給する前に、吐出口62の下に容器Bをセットし、コック61のハンドル61aが閉位置にあることを確認する。
【0031】
続いて、オペレータは、ディスペンスヘッド51の操作レバー54を「下」位置にセットする(ステップS106)。ステップS106によって、洗浄液タンク80の内部が流体入口52及び流体出口53と接続され、ガス供給源70から洗浄液タンク80にガスが供給される。
【0032】
続いて、オペレータは、コック61のハンドル61aを開位置にセットし、洗浄液タンク80から第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60に洗浄液を供給して、第1の配管P1、コイル状の管64及びコック61(飲料流路)を洗浄する(ステップS108)。S108の際、まず、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60に残っている飲料が吐出口62から押し出され、続いて、洗浄液が吐出口62から出てくる。これによって、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60が洗浄される。
【0033】
続いて、オペレータは、コック61のハンドル61aを開位置と泡位置との間で切り替え、泡流路を洗浄する(ステップS110)。オペレータは、ステップS110を複数回繰り返してもよい。
【0034】
洗浄液タンク80が空になると、吐出口62からはガスが放出される。ガスを所定の期間(例えば、数秒〜数分)流して、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60を水切り(乾燥)する(ステップS112)。ステップS116の際、オペレータは、ハンドル61aを開位置と泡位置との間で切り替えることによって、コック61の飲料流路及び泡流路の双方を水切りしてもよい。水切りが終了すると、オペレータは、コック61のハンドル61aを閉位置にセットする(ステップS114)。また、オペレータは、ディスペンスヘッド51の操作レバー54を「上」位置にセットして(ステップS116)、ディスペンスヘッド51を洗浄液タンク80から取り外し(ステップS118)、一連の動作は終了する。例えば、ディスペンスヘッド51は、次回の営業時間まで飲料容器50及び洗浄液タンク80から取り外されたままにされてもよい。
【0035】
次に、
図3は、スポンジ洗浄を示すフローチャートである。第2の洗浄方法は、洗浄液に加えて、スポンジを使用する(本開示において、「スポンジ洗浄」とも称され得る)。スポンジ洗浄は、水洗浄よりも少ない頻度で実施されてもよい(例えば、数営業日に1回、1週間若しくは数週間に1回、又は、1月若しくは数月に1回)。例えば、スポンジ洗浄は、水洗浄の後に続けて実施されてもよいし、又は、水洗浄とは独立して実施されてもよい。本実施形態では、スポンジ洗浄は、水洗浄の後に続けて実施されるとして説明される。したがって、スポンジ洗浄を始める前(すなわち、上記のステップS118の後)に、ディスペンスヘッド51は飲料容器50及び洗浄液タンク80から取り外されており、コック61は閉じられている。スポンジ洗浄においても、ガス圧として、飲料を提供するための圧力に等しい圧力が使用される。
【0036】
図3を参照して、オペレータは、まず、洗浄液を含んだ洗浄液タンク80にディスペンスヘッド51を取り付ける(ステップS200)。続いて、オペレータは、スポンジを通すように、コック61をセットする(ステップS202)。具体的には、オペレータは、例えば、飲料流路から弁が取り除かれるように、コック61をセットする。続いて、オペレータは、第1の配管P1の端部をディスペンスヘッド51の流体出口53から取り外し、この端部から第1の配管P1にスポンジを挿入する(ステップS204)。スポンジを挿入した後に、オペレータは、第1の配管P1を流体出口53に再び接続する。以下のステップS206で洗浄液を流す前に、オペレータは、吐出口62の下に容器Bをセットする。
【0037】
続いて、オペレータは、ディスペンスヘッド51の操作レバー54を「下」位置にセットし、これによって、同時に洗浄液タンク80から第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60に洗浄液が供給され、洗浄液によってスポンジが、第1の配管P1、コイル状の管64及びコック61(飲料流路)を押し通される(ステップS206)。洗浄液タンク80が空になると、吐出口62からはガスが放出される。ガスを所定の期間(例えば、数秒〜数分)流して、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60を水切りする(ステップS208)。オペレータは、容器Bにスポンジが放出されたことを確認した後に、ディスペンスヘッド51の操作レバー54を「上」位置にセットして(ステップS210)、ディスペンスヘッド51を洗浄液タンク80から取り外す(ステップS212)。続いて、オペレータは、弁が飲料流路を閉じることができるように、コック61を通常通りにセットし直し(ステップS214)、一連の動作は終了する。例えば、ディスペンスヘッド51は、次回の営業時間まで飲料容器50及び洗浄液タンク80から取り外されたままにされてもよい。
【0038】
図1を参照して、上記のような飲料供給システム100は、飲料ディスペンサ60及び第1の配管P1が洗浄されたことを検出するために、圧力センサ20と、内部装置(監視装置)10と、を更に備えている。
【0039】
圧力センサ20は、第2の配管P2内の圧力を検出する。例えば、圧力センサ20は、第2の配管P2から分岐され、第2の配管P2と流体連通する第3の配管P3に取り付けられることができる。第2の配管P2内の圧力及び第3の配管P3内の圧力は等しいことから、圧力センサ20は、第3の配管P3内の圧力を検出することによって、第2の配管P2内の圧力を検出することができる。圧力センサ20は、内部装置10と通信可能に有線又は無線で接続されており、検出した圧力を内部装置10に送信する。
【0040】
内部装置10は、飲料ディスペンサ60及び第1の配管P1が洗浄されたか否かを監視するように構成されている。すなわち、本実施形態では、内部装置10が、監視装置として機能する。したがって、本実施形態では、監視装置は、飲料供給システム100の一部として、飲料供給システム100に組み込まれている。内部装置10は、圧力センサ20以外の飲料供給システム100の構成要素(不図示)と通信可能に接続されていてもよく、これらの構成要素のうちのいくつかを制御するように構成されていてもよい。内部装置10は、例えば、PC、ノートPC、タブレット型PC等の様々なコンピュータであることができる。内部装置10は、例えば、プロセッサ11と、記憶装置12と、計時部13と、表示装置14と、インターフェース15と、を有することができる。内部装置10は、他の構成要素(例えば、タッチパネル、ボタン、マウス及び/又はキーボード等の入力装置)を更に有してもよい。内部装置10の構成要素は、バス等を介して互いに接続されることができる。
【0041】
プロセッサ11は、例えば、CPU、MPU、ASIC、LSI、DSP又はFPGAの少なくとも1つを含むことができる。プロセッサ11は、記憶装置12に保存されているプログラムにしたがって、後述する処理を実施するように構成されていてもよい。記憶装置12は、例えば、ハードディスク、ROM又はRAMの少なくとも1つを含むことができる。例えば、記憶装置12は、プロセッサ11によって実施されるプログラムを保存することができる。また、記憶装置12は、圧力センサ20の検出圧力を保存することができる。また、例えば、記憶装置12は、以下に示される、プロセッサ11によって使用される圧力、圧力範囲及び期間等の様々なパラメータを保存することができる。また、例えば、記憶装置12は、飲料供給システム100に固有のID番号(例えば、店舗を示す番号、及び/又は、飲料ディスペンサ60を示す番号、等)のデータを記憶していてもよい。記憶装置12は、その他の様々な情報を保存することができる。計時部13は、例えば、リアルタイムクロック等のハードウェアタイマ、及び/又は、ソフトウェアタイマによって実現可能である。計時部13は、以下に示すように、洗浄が実施されたか否かを判定するために使用される。表示装置14は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ及び/又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等を含むことができる。インターフェース15は、例えば、I/Oポートであることができる。
【0042】
内部装置10は、ネットワークNを経由して、飲料供給システム100の外部に設けられた1つ又は複数の外部装置90,91に接続されていてもよい。ネットワークNは、例えば、インターネット、WiFi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、3G及び4G等の3GPP(Third Generation PaPsnership Project)により定められた通信規格に基づく通信方式、若しくは、その他の通信方式、又は、これらの任意の組み合わせを使用することができ、有線若しくは無線又はこれらの組み合わせを使用することができる。内部装置10は、内部装置10が有する飲料供給システム100に関する様々な情報(例えば、以下に示される判定結果、圧力センサ20の検出圧力、等)を、外部装置90,91に送信してもよい。第1の外部装置90は、例えば、飲料容器50の飲料を提供する飲料メーカによって保有されているサーバーであってもよい。例えば、第1の外部装置90は、複数の飲料供給システム100の内部装置10と接続されていてもよく、複数の店舗を管理するように構成されていてもよい。第1の外部装置90は、例えば、PC、ノートPC、タブレット型PC等の様々なコンピュータであることができ、プロセッサ、記憶装置、表示装置、及び/又は、入力装置等の構成要素を有することができる。第1の外部装置90は、他の構成要素を更に有してもよい。第2の外部装置91は、例えば、飲料容器50の飲料を提供する飲料メーカ及び/又は店舗のオーナー若しくは従業員によって保有されている携帯端末であってもよい。第2の外部装置91は、例えば、PC、ノートPC、タブレット型PC等の様々なコンピュータであることができ、プロセッサ、記憶装置、表示装置、及び/又は、入力装置等の構成要素を有することができる。第2の外部装置91は、他の構成要素を更に有してもよい。
【0043】
上記のような飲料供給システム100において、本発明者は、研究の結果、上記の水洗浄及びスポンジ洗浄が実施される際に、圧力センサ20によって検出される第2の配管P2の圧力が、以下に示すような特徴的なプロファイルを示すことを見出した。
【0044】
具体的には、
図4(a)は、水洗浄において得られる検出圧力の一例を示すグラフであり、
図4(b)は、スポンジ洗浄において得られる検出圧力の一例を示すグラフである。
図4(a)(b)のグラフは、ディスペンスヘッド51が洗浄液タンク80に取り付けられた後に、ディスペンスヘッド51の操作レバー54が下位置にセットされる直前(すなわち、
図2のステップS106及び
図3のステップS206の直前)から始まる。
図4(a)(b)に示されるように、操作レバー54が下位置にセットされる前は、検出圧力は、一定の基準圧力Psに維持される。この基準圧力Psは、通常は、ダイヤル71によって調整されるガス供給源70の設定圧力に相当する。したがって、基準圧力Psは、ガス供給源70から飲料容器50にガスが供給され、かつ、飲料ディスペンサ60のコック61が閉じられているとき(すなわち、飲料ディスペンサ60が飲料を提供するために待機しているとき)の圧力に相当する。よって、基準圧力Psは、例えば、営業時間中に、飲料ディスペンサ60が飲料を提供するために待機しているときの検出圧力を平均することによって算出されてもよいし、又は、営業時間中のある期間における最大検出圧力を取得することによって決定されてもよい。
【0045】
ディスペンスヘッド51の操作レバー54が下位置にセットされ、ガス供給源70から洗浄液タンク80の内部にガスが供給され始めると、検出圧力は、基準圧力Psから一時的に急低下して、その後に急上昇する(区間Sc1)。検出圧力の一時的な急低下は、ディスペンスヘッド51を洗浄液タンク80に取り付け、洗浄液タンク80の加圧を開始した瞬間は、洗浄液タンク80内の上部のガスが存在する空間(常圧)に、第2の配管P2内の加圧された状態の残存ガスが移行するためと考えられる。また、検出圧力の急上昇について、
図4(a)を参照して、水洗浄では、検出圧力は基準圧力Psまで戻る一方で、
図4(b)を参照して、スポンジ洗浄では、検出圧力は基準圧力Psまで戻ることなく基準圧力Psよりも低い圧力(本開示において、「洗浄圧力」とも称され得る)Pcに維持される。水洗浄では、洗浄液タンク80にガスが供給され始めるときに、飲料ディスペンサ60のコック61はまだ閉じられているために、検出圧力が基準圧力Psまで戻ると考えられる。対照的に、スポンジ洗浄では、洗浄液タンク80にガスが供給され始めるときに、コック61がスポンジを通すようにセットされており、ガスの供給と同時に洗浄液が洗浄液タンク80から飲料ディスペンサ60に供給されるため、検出圧力が基準圧力Psまでは上昇しないためと考えられる。
【0046】
図4(a)を参照して、水洗浄では、区間Sc1の後に、コック61のハンドル61aが開位置にセットされると、洗浄液が第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60を通り始める。この間、検出圧力は、基準圧力Psから洗浄圧力Pcに低下して、洗浄圧力Pcに維持される(区間Sc2)。また、水洗浄では、ハンドル61aが一時的に開位置から泡位置に切り替えられて、泡流路が洗浄される。このときに、検出圧力は、洗浄圧力Pcから、基準圧力Psに対して所定の割合(例えば、80〜99%)の圧力(本開示において、「泡流路洗浄圧力」とも称され得る)Pfまで一時的に上昇する(区間Sc3)。
図4(a)から、泡流路の洗浄は、3回実施されていることがわかる。
【0047】
図4(b)を参照して、スポンジ洗浄では、期間t1においてガスの供給と同時に洗浄液が第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60を通り始めるため、検出圧力は、そのまま洗浄圧力Pcに維持される(区間Sc2)。
【0048】
また、水洗浄及びスポンジ洗浄の双方において、区間Sc2の長さは、洗浄液タンク80に含まれている洗浄液の量に依存する。すなわち、洗浄液タンク80がより多くの量の洗浄液を含んでいる場合、区間Sc2はより長くなる。また、水洗浄及びスポンジ洗浄の双方において、区間Sc2の長さは、基準圧力Psに依存する。すなわち、基準圧力Psがより高い場合(すなわち、洗浄液がより高い圧力で供給される場合)、区間Sc2はより短くなる。
【0049】
図4(a)を参照して、水洗浄では、区間Sc2の後に、洗浄液タンク80が空になると、吐出口62からはガスが放出され、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60が水切り(乾燥)される。この間、検出圧力は、洗浄圧力Pcから低下する(区間Sc4)。また、水洗浄では、水切りの際、ハンドル61aが一時的に開位置から泡位置に切り替えられて、泡流路が水切りされる。このときに、検出圧力は、全体的には低下しながらも上昇する(区間Sc5)。
図4(a)からは、泡流路の水切りは、3回実施されていることがわかる。区間Sc4の水切りの後に、コック61のハンドル61aが閉位置にセットされる。これにより、検出圧力は、基準圧力Psまで戻る。
【0050】
図4(b)を参照して、スポンジ洗浄では、区間Sc2の後に、洗浄液タンク80が空になると、吐出口62からはガスが放出され、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60が水切りされる。この間、検出圧力は、洗浄圧力Pcから低下する(区間Sc4)。区間Sc4の水切りの後に、ディスペンスヘッド51の操作レバー54が上位置にセットされる。これにより、検出圧力は、基準圧力Psまで戻る。
【0051】
以上のような知見によれば、水洗浄又はスポンジ洗浄が実施されると、検出圧力が、以下の条件(i)(ii)を満たす。
(i)検出圧力が、基準圧力Psから一時的にある低下して、その後に上昇する(区間Sc1)。
(ii)その後、検出圧力が、基準圧力Psよりも低い洗浄圧力Pcに、ある一定の時間以上維持される(区間Sc2)。
(iii)その後、検出圧力が、洗浄圧力Pcよりも低下する(区間Sc4)。
【0052】
したがって、店舗におけるある時間帯(洗浄が実施されると予想される時間帯)に、検出圧力が上記の条件(i)(ii)(iii)を満たすか否かを判定することによって、水洗浄又はスポンジ洗浄が実施されたことを検出することができる。
【0053】
本開示では、条件(i)を判定するために、プロセッサ11は、圧力センサ20の検出圧力に基づいて、飲料ディスペンサ60が飲料を提供するために待機しているときの圧力(すなわち、基準圧力Ps)を決定する。また、検出圧力は外乱等の様々な影響によって変動し得るので、プロセッサ11は、基準圧力Psと見なすことができる圧力範囲として、基準圧力Psを含む第1の圧力範囲Pr1を使用する。第1の圧力範囲Pr1は、例えば、基準圧力Psの−5%〜+5%、好ましくは−3%〜+3%、より好ましくは−1%〜+1%の範囲であることができる。第1の圧力範囲Pr1は、プロセッサ11によって、基準圧力PSに基づいて算出されてもよい。第1の圧力範囲Pr1は、上記の範囲に限定されず、当業者であれば、検出圧力の変動を考慮して、基準圧力Psと見なすことができる適切な第1の圧力範囲Pr1の具体的な範囲を決定することができる。
【0054】
また、プロセッサ11は、条件(i)における検出圧力の低下及び上昇を判定するために、閾値Ptを使用する。例えば、閾値Ptは、基準圧力Psに対して所定の割合(例えば、50%程度)の圧力であることができる。閾値Ptは、プロセッサ11によって、基準圧力PSに基づいて算出されてもよい。
【0055】
上記のように、条件(i)において、検出圧力は、水洗浄では基準圧力Psまで戻り、スポンジ洗浄では基準圧力Psまで戻ることなく洗浄圧力Pcまで上昇する。これらは比較的短い期間に起こることから、プロセッサ11は、これらを判断するために所定の期間t1を使用する。期間t1は、例えば、0.3〜3秒であることができる。期間t1は、第2の配管P2の長さに依存すると考えられるため、第2の配管P2の長さに応じて準備されてもよい。
【0056】
プロセッサ11は、条件(ii)を判断するために、洗浄圧力Pcと見なすことができる圧力範囲として、第2の圧力範囲Pr2を使用する。第2の圧力範囲Pr2は、例えば、基準圧力Psに対して所定の割合(例えば、60〜80%程度)の範囲であることができる。第2の圧力範囲Pr2は、プロセッサ11によって、基準圧力PSに基づいて算出されてもよい。但し、第2の圧力範囲Pr2の上限は、以下に示す泡流路洗浄圧力Pfよりも高くてもよい。
【0057】
また、プロセッサ11は、条件(ii)において洗浄が十分な期間実施されたか(すなわち、洗浄に十分な量の洗浄液が使用されたか)を判断するために、所定の期間t2を使用する。期間t2は、例えば、15〜65秒であることができる。上記のように、期間t2は、基準圧力Psにも依存することから、望ましくは、基準圧力に応じて準備されていてもよい。
【0058】
プロセッサ11は、条件(iii)において検出圧力が洗浄圧力Pcよりも低下したか(水切りが十分な期間実施されたか)を判定するために、所定の期間t4を使用する。期間t4は、例えば、5〜15秒であることができる。
【0059】
プロセッサ11は、条件(i)(ii)(iii)以外の様々な条件も判定することができる。
【0060】
例えば、水洗浄では、条件(ii)の間に、泡流路が洗浄される。したがって、プロセッサ11は、このことを判定するために、泡流路洗浄圧力Pfを使用する。例えば、泡流路洗浄圧力Pfは、上記のように基準圧力Psに対して所定の割合であることができ、プロセッサ11によって、基準圧力PSに基づいて算出されてもよい。
【0061】
次に、内部装置10の動作について説明する。
【0062】
図5及び
図6は、内部装置10の動作を示すフローチャートであり、実施形態に係る監視方法を示す。例えば、
図5及び
図6に示される動作に先立って、プロセッサ11は、店舗における営業時間中に圧力センサ20によって得られた検出圧力のデータに基づいて、飲料ディスペンサ60が飲料を提供するために待機しているときの圧力(基準圧力Ps)を決定することができる。例えば、プロセッサ11は、営業終了時刻前の直近1分間の最大検出圧力を判定することによって、基準圧力Psを決定することができる。また、内部装置10は、決定された基準圧力Psに基づいて、第1の圧力範囲Pr1、第2の圧力範囲Pr2、閾値Pt、又は、泡流路洗浄圧力Pfの少なくとも1つを算出することができる。内部装置10は、
図5及び
図6に示される動作を、例えば、店舗におけるある時間帯(洗浄が実施されると予想される時間帯)に圧力センサ20によって得られた検出圧力のデータに基づいて、実施する。例えば、内部装置10は、
図5に示される動作を、使用する検出圧力のデータが全て記憶装置12に保存された後に、営業日の所定の時間に実施してもよい(例えば、洗浄が実施されると予想される時間帯の後の時間、又は、営業日の営業時間前の時間、等)。
【0063】
プロセッサ11は、計時部13に基づいて、上記の所定の時間を過ぎたか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300において所定の時間を過ぎていないと判定された場合、プロセッサ11は、所定のインターバル後に、ステップS300を繰り返す。
【0064】
ステップS300において所定の時間を過ぎたと判定された場合、プロセッサ11は、記憶装置12から、洗浄が実施されると予想される時間帯の検出圧力のデータを取得する(ステップS302)。上記のように、検出圧力は外乱等の様々な影響によって変動し得るので、プロセッサ11は、例えば移動平均等の演算によって、取得した検出圧力のデータを滑らかにしてもよい。
【0065】
続いて、プロセッサ11は、検出圧力が、第1の圧力範囲Pr1から閾値よりも低下したか否かを判定する(ステップS304)。例えば、プロセッサ11は、検出圧力のデータのうちの最低圧力を検出し、この最低圧力が閾値Ptよりも小さく、かつ、検出圧力のデータがこの最低圧力よりも前に第1の圧力範囲Pr1内の圧力を含むか否かを判定してもよい。ステップS304において検出圧力が第1の圧力範囲Pr1から閾値よりも低下しなかったと判定された場合、プロセッサ11は、洗浄は実施されなかったと判定して(ステップS318)、一連の動作は終了する。
【0066】
ステップS304において検出圧力が第1の圧力範囲Pr1から閾値よりも低下したと判定された場合、プロセッサ11は、低下の後に、検出圧力が第1の圧力範囲Pr1まで戻ったか否かを判定する(ステップS306)。例えば、プロセッサ11は、上記の最低圧力から期間t1内のデータが、第1の圧力範囲Pr1内の圧力を含むか否かを判定してもよい。ステップS306において検出圧力が第1の圧力範囲Pr1まで戻らなかったと判定された場合(すなわち、スポンジ洗浄)、プロセッサ11は、Aに進む(詳しくは、後述)。
【0067】
ステップS306において検出圧力が第1の圧力範囲Pr1まで戻ったと判定された場合(すなわち、水洗浄)、プロセッサ11は、検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されたか否かを判定する(ステップS308)。例えば、プロセッサ11は、検出圧力のデータが、上記の最低圧力よりも後に、連続して期間t2以上、第2の圧力範囲Pr2内の圧力を含むか否かを判定してもよい。ステップS308において検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されなかったと判定された場合、プロセッサ11は、洗浄は実施されなかったと判定して(ステップS318)、一連の動作は終了する。
【0068】
ステップS308において検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されたと判定された場合、プロセッサ11は、ステップS308において検出された第2の圧力範囲Pr2内のデータが、一時的に泡流路洗浄圧力Pfまで上昇したか否かを判定する(ステップS310)。例えば、プロセッサ11は、第2の圧力範囲Pr2内のデータが、泡流路洗浄圧力Pf以上の圧力を含み、かつ、この圧力の前後に泡流路洗浄圧力Pfよりも小さい圧力を含むか否かを判定してもよい。
【0069】
ステップS310において第2の圧力範囲Pr2内のデータが一時的に泡流路洗浄圧力Pfまで上昇したと判定された場合、プロセッサ11は、検出圧力のデータが、第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下したか否かを判定する(ステップS312)。例えば、プロセッサ11は、検出圧力のデータが、第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に、連続して一定の期間t4以上、第2の圧力範囲Pr2よりも小さい圧力を含むか否かを判定してもよい。
【0070】
ステップS312において検出圧力のデータが第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下したと判定された場合(すなわち、水切りが実施された場合)、プロセッサ11は、水洗浄(飲料流路の洗浄、泡流路の洗浄、及び、乾燥の全て)が適切に実施されたと判定して(ステップS314)、一連の動作を終了する。
【0071】
ステップS312において検出圧力のデータが第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下しなかったと判定された場合(すなわち、水切りが実施されなかった場合)、プロセッサ11は、洗浄は不充分であると判定して(ステップS316)、一連の動作を終了する。
【0072】
ステップS310において第2の圧力範囲Pr2内のデータが一時的に泡流路洗浄圧力Pfまで上昇しなかったと判定された場合(すなわち、泡流路の洗浄が実施されなかった場合)、プロセッサ11は、洗浄は不充分であると判定する(ステップS316)。
【0073】
図6は、
図5のAより後の動作を示す。
図6を参照して、プロセッサ11は、検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されたか否かを判定する(ステップS400)。ステップS400は、ステップS308と同様であることができる。ステップS400において検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されなかったと判定された場合、プロセッサ11は、洗浄は実施されなかったと判定して(ステップS408)、一連の動作は終了する。
【0074】
ステップS400において検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に期間t2以上維持されたと判定された場合、プロセッサ11は、検出圧力のデータが、第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下したか否かを判定する(ステップS402)。ステップS402は、ステップS312と同様であることができる。
【0075】
ステップS402において検出圧力のデータが第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下したと判定された場合(すなわち、水切りが実施された場合)、プロセッサ11は、スポンジ洗浄が適切に実施されたと判定して(ステップS404)、一連の動作を終了する。
【0076】
ステップS402において検出圧力のデータが第2の圧力範囲Pr2内のデータよりも後に低下しなかったと判定された場合(すなわち、水切りが実施されなかった場合)、プロセッサ11は、洗浄は不充分であると判定して(ステップS406)、一連の動作を終了する。内部装置10は、ステップS314,S316,S318,S404,S406,S408の判定結果を、外部装置90,91に送信するように構成されていてもよい。
【0077】
図7は、表示装置14に示される画像の一例を示す。内部装置10は、上記のステップS314,S316,S318,S404,S406,S408の判定結果131を、表示装置14に示すように構成されていてもよい。同様な画像が、外部装置90,91に表示されてもよい。例えば、「OK(W)」は水洗浄が適切に実施されたこと(ステップS314)を示し、「OK(S)」はスポンジ洗浄が適切に実施されたこと(ステップS404)を示し、「Poor」は洗浄が不充分であること(ステップS316,S406)を示し、「X」は洗浄が不実施であること(ステップS318,S408)を示すことができる。例えば、判定結果131は、日毎に示されてもよい。また、例えば、内部装置10は、その他の様々な情報を表示装置14に示してもよい。例えば、内部装置10は、連続洗浄日数についての成績132、及び/又は、優良店認定までの残日数に関する目標133を示してもよい。また、例えば、内部装置10は、基準圧力Psの許容範囲134、及び/又は、圧力センサ20の検出圧力135を表示してもよい。また、例えば、内部装置10は、検出圧力135が許容範囲134内にあるか否かを表すガス圧状態136(例えば、GOOD、又は、BAD)を示してもよい。
【0078】
以上のような実施形態に係る内部装置10、プログラム及び監視方法によれば、洗浄が実施されると予想される時間帯に、検出圧力が第1の圧力範囲Pr1から一時的に急低下してその後に急上昇したか否か(すなわち、ディスペンスヘッド51が洗浄液タンク80に接続されて、洗浄液タンク80にガスが供給され始めた否か)(条件(i))、検出圧力が第2の圧力範囲Pr2に維持されたか否か(すなわち、洗浄液が第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60に通されたか否か)(条件(ii))、及び、その後に検出圧力が第2の圧力範囲Pr2よりも低下したか否か(すなわち、洗浄液タンク80が空になって、ガスが第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60に通されたか否か)(条件(iii))が判定される。したがって、飲料供給システム100において洗浄が実施されたことを検出することができる。また、上記の構成によれば、ガス供給源70から飲料容器50にガスが供給されかつ飲料ディスペンサ60のコック61が閉じられているとき(すなわち、飲料ディスペンサ60が飲料を提供するために待機しているとき)の検出圧力に基づいて、基準圧力Psが決定される。通常、基準圧力Psは、ガス供給源70の設定圧力に相当するが、この設定圧力は店舗によって異なり得る。したがって、上記の構成によれば、ガス供給源70の設定圧力が店舗によって異なる場合にも、自動的に基準圧力Psを決定することができる。よって、判定に必要な基準圧力Psを自動的に得ることができる。
【0079】
また、上記の実施形態では、飲料ディスペンサ60は、飲料を通すための飲料流路と、発泡性飲料から泡を形成するための泡流路と、の間で切り替え可能であり、内部装置10は、検出圧力が、条件(ii)の間に、第2の圧力範囲Pr2内で一時的に上昇して、その後に低下した場合、飲料ディスペンサ60が飲料流路から泡流路に一時的に切り替えられて、飲料流路及び泡流路の双方が洗浄液によって洗浄されたと判定する、ように構成されている。したがって、泡流路が洗浄されたことを検出することができる。
【0080】
また、上記の実施形態では、飲料ディスペンサ60は、第1の配管P1の内径と略同等なサイズを有するスポンジを通すようにセット可能であり、内部装置10は、検出圧力が、条件(i)において、低下の後に、第1の圧力範囲Pr1まで戻ることなく、第2の圧力範囲Pr2まで上昇して、そのまま条件(ii)を維持する場合に、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60が洗浄液及びスポンジによって洗浄されたと判定し、検出圧力が、条件(i)において、低下の後に、第1の圧力範囲Pr1まで戻って、その後に条件(ii)へと低下する場合に、第1の配管P1及び飲料ディスペンサ60がスポンジを使用せずに洗浄液によって洗浄されたと判定する、ように構成されている。したがって、スポンジが洗浄に使用されたか否かを判定することができる。
【0081】
また、上記の実施形態では、
図7に示されるように、洗浄状況が可視化される。このように洗浄状況を可視化することで、各店舗での飲料ディスペンサ60の洗浄管理を適切に行うことが可能である。また、上記の実施形態では、低コストかつ簡単な構成によって、飲料品質の向上に寄与する洗浄状況のデータ取得が可能であり、例えば、外部装置90が複数の店舗を管理している場合には、複数の店舗での洗浄方法の指導や提案を行うことが可能となり得る。
【0082】
飲料供給システムのための監視装置及び監視方法並びにプログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解するだろう。また、当業者であれば、上記の動作は、上記の順番で実施される必要はなく、矛盾が生じない限り、他の順番で実施可能であることを理解するだろう。
【0083】
例えば、上記の実施形態では、内部装置10が、監視装置として機能する。しかしながら、他の実施形態では、外部装置90,91が監視装置として機能してもよい。例えば、外部装置90,91が、ネットワークNを介して又は他の方法によって(例えば、記憶媒体を介して)、圧力センサ20の検出圧力を受け取るように構成されていてもよく、各種パラメータ(例えば、基準圧力Ps、第1の圧力範囲Pr1、第2の圧力範囲Pr2、閾値Pt、及び/又は、泡流路洗浄圧力Pf)の算出、及び、
図5,6に示される動作を実施してもよい。
【0084】
また、
図4(a)(b)を参照して、上記のように、区間Sc4の水切りの後にコック61のハンドル61aが閉位置にセットされと、検出圧力は、基準圧力Psまで戻る。言い換えると、水洗浄及びスポンジ洗浄が終了すると検出圧力は基準圧力Psまで戻る。したがって、例えば、プロセッサ11は、上記の動作の間の適切なとき(例えば、ステップS314,S316,S318,S404,S406,S408の各々の前又は後)に、検出圧力が区間Sc4の後に第1の圧力範囲Pr1まで戻ったか否かを判定してもよい。検出圧力が第1の圧力範囲Pr1まで戻ったと判定された場合には、例えば、プロセッサ11は、水洗浄又はスポンジ洗浄が適切に実施されたと判定してもよい。対照的に、検出圧力が第1の圧力範囲Pr1まで戻らなかったと判定された場合には、例えば、プロセッサ11は、水洗浄若しくはスポンジ洗浄が不充分である、又は、コック61が開いたままである、と判定してもよい。この場合、洗浄が実施されたことをより適切に検出することができる。