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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-181433(P2021-181433A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】β−アラニン配合経口組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/197 20060101AFI20211029BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20211029BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20211029BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211029BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20211029BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211029BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20211029BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20211029BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   A61K31/197
   A23L33/175
   A61P3/02
   A61P43/00 111
   A61K9/08
   A61K47/26
   A61K47/12
   A61K47/04
   A61K47/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-78254(P2021-78254)
(22)【出願日】2021年5月6日
(31)【優先権主張番号】特願2020-84835(P2020-84835)
(32)【優先日】2020年5月14日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅
(72)【発明者】
【氏名】井草 大地
(72)【発明者】
【氏名】儘田 大
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018MD01
4B018MD07
4B018MD09
4B018MD19
4B018MD32
4B018ME14
4B018MF02
4C076AA12
4C076BB01
4C076CC21
4C076DD22
4C076DD22Z
4C076DD38
4C076DD38T
4C076DD43
4C076DD43Z
4C076DD61
4C076DD61T
4C076DD67
4C076DD67T
4C076FF11
4C076FF52
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA44
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA09
4C206ZC21
4C206ZC41
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、その効果実感であるβ-アラニンフラッシュの刺激感を増強した経口組成物を提供することである。
【解決手段】
エリスリトール、有機酸及び/又はその塩、並びに無機酸及び/又はその塩を含有させた経口組成物は、β-アラニン特有の効果実感であるβ-アラニンフラッシュを増強することを見いだし、本発明を完成するに至った。かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(a)β-アラニン、(b)エリスリトール、(c)有機酸及び/又はその塩、及び(d)無機酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする経口組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)β-アラニン、(b)エリスリトール、(c)有機酸及び/又はその塩、及び(d)無機酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする経口組成物。
【請求項2】
さらに、(e)甘味剤(エリスリトールを除く)を含有する、請求項1に記載の経口組成物。
【請求項3】
(c)有機酸がクエン酸である請求項1又は2に記載の経口組成物。
【請求項4】
(d)無機酸がリン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
【請求項5】
(e)甘味剤がスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムである、請求項2〜4のいずれかに記載の経口組成物。
【請求項6】
飲料である、請求項1〜5のいずれかに記載の経口組成物。
【請求項7】
1回の経口摂取量当たりのβ-アラニンの含有量が800〜6400mgである、請求項1〜6のいずれかに記載の経口組成物。
【請求項8】
(a)β-アラニンの含有量が0.16〜12.8質量%もしくはw/v%である、請求項1〜7のいずれかに記載の経口組成物。
【請求項9】
運動前、または運動中のヒト又はヒト以外の哺乳動物に摂取される、請求項1〜8のいずれかに記載の経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β-アラニン配合経口組成物に関し、医薬品、医薬部外品及び食品等の分野において利用されうる。
【背景技術】
【0002】
β-アラニンは体内に天然で生成するペプチド(カルノシン)の構成分子であり、摂取することで、筋肉疲労を遅らせ、体内のカルノシン合成を促進することが知られている(特許文献1)。また、継続摂取後に、運動において顕著なパフォーマンス向上効果が知られている。
これまで、アメリカなどのサプリメント先進国では広く食品に使用されてきたが、日本では2019年3月に厚生労働省が食品への使用を認めたばかりの機能性素材である。
【0003】
近年、老若男女問わず、運動への関心が高まっており、サプリメント市場は非常に活性化している。その一方で、日本市場においては、未だプロテインが主を占めており、今後β-アラニンのような機能性素材にも着目がされることが想定される。
【0004】
β-アラニンは、パフォーマンス向上のためには1日当たり1.6g〜6.4g摂取するのが一般的であると言われており、その多くはプレワークアウトサプリメントとして含まれている。また、β-アラニンは、一度に800mg以上摂取すると、皮膚表面に刺激感を感じることがあり、これはβ-アラニンフラッシュと呼ばれており、この刺激感の強さは用量依存的に増すことが知られている(非特許文献1)。この感覚はサプリメント摂取時の効果実感と捉えられることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2016-517438号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Amino Acids(2006) 30: 279-289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、β-アラニンを増量することなく、β-アラニンを摂取したことで得られるβ-アラニンフラッシュの刺激感(効果実感)を増強した経口組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、エリスリトール、有機酸及び/又はその塩、並びに無機酸及び/又はその塩を含有させた経口組成物は、β-アラニン特有の効果実感であるβ-アラニンフラッシュを増強することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)(a)β-アラニン、(b)エリスリトール、(c)有機酸及び/又はその塩、及び(d)無機酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする経口組成物、
(2)さらに(e)甘味剤(エリスリトールを除く)を含有する、(1)に記載の経口組成物、
(3)(c)有機酸がクエン酸である(1)に記載の経口組成物、
(4(d)無機酸がリン酸である(1)に記載の経口組成物、
(5)(e)甘味剤がスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムである、(2)に記載の経口組成物、
(6)飲料である、(1)〜(5)のいずれかに記載の経口組成物、
(7)1回の経口摂取量当たりのβ-アラニンの含有量が800〜6400mgである、(1)〜(6)のいずれかに記載の経口組成物、
(8)(a)β-アラニンの含有量が0.16〜12.8質量%もしくはw/v%である、(1)〜(7)に記載の経口組成物、
(9)運動前、または運動中のヒト又はヒト以外の哺乳動物に摂取される、(1)〜(8)のいずれかに記載の経口組成物、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、β-アラニンを増量することなく、β-アラニンを摂取したことで得られるβ-アラニン特有の刺激感(効果実感)を増強した経口組成物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「β-アラニン」とは化学名で3-アミノプロパン酸と呼ばれる体内に天然で生成するペプチド(カルノシン)の構成分子である。β-アラニンの化学式はC3H7NO2であり、同じ化学式で示され名称の類似したL-アラニン、D-アラニン、DL-アラニンはいずれも化学名2-アミノプロピオン酸である。β-アラニンフラッシュはβ-アラニン特有の刺激感であり、L-アラニン、D-アラニン、DL-アラニンでは認められない。本発明におけるβ-アラニンとしては特に制限されるものではないが、例えばCarnoSyn(登録商標)ベータアラニン等の市販のβ-アラニンを用いることができる。
【0012】
また、本発明における経口組成物中のβ-アラニンの含有量は制限されるものではないが、一度に摂取する量が800mg以上となることが好ましく、より好ましくは1600mg以上であり、上限は8000mgが好ましく、より好ましくは6400mgである。また、本発明の経口組成物中におけるβ-アラニンの含有量は、好ましくは0.16質量%もしくはw/v%〜12.8質量%もしくはw/v%、より好ましくは0.8質量%もしくはw/v%〜6.4質量%もしくはw/v%である。
【0013】
本発明におけるエリスリトールとは、食品、飲料、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるエリスリトールを選択することができる。本発明の経口組成物中におけるエリスリトールの含有量は、好ましくは1質量%もしくはw/v%〜36質量%もしくはw/v%、より好ましくは1.6質量%もしくはw/v%〜18質量%もしくはw/v%である。
【0014】
本発明における有機酸又はその塩とは、食品、飲料、医薬部外品、医薬品などに通常使用される有機酸又はその塩を選択することができる。本例示によって使用可能な有機酸又はその塩を限定するものではないが、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸カリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アジピン酸、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウムなどを用いることができる。本発明の経口組成物中における有機酸又はその塩の含有量は、好ましくは合計量として0.1質量%もしくはw/v%〜20質量%もしくはw/v%、より好ましくは0.2質量%もしくはw/v%〜10質量%もしくはw/v%、さらに好ましくは0.5質量%もしくはw/v%〜5質量%もしくはw/v%である。
【0015】
本発明における無機酸又はその塩とは、食品、飲料、医薬部外品、医薬品などに通常使用される無機酸又はその塩を選択することができる。本例示によって使用可能な無機酸又はその塩を限定するものではないが、例えばリン酸、リン酸ナトリウム、塩酸などを用いることができる。本発明の経口組成物中における無機酸又はその塩の含有量は、好ましくは合計量として0.1質量%もしくはw/v%〜10質量%もしくはw/v%、より好ましくは0.2質量%もしくはw/v%〜5質量%もしくはw/v%、さらに好ましくは0.5質量%もしくはw/v%〜4質量%もしくはw/v%である。
【0016】
本発明における甘味剤とは食品、飲料、医薬部外品、医薬品などに通常使用される甘味剤(エリスリトールを除く)を選択することができる。本例示によって使用可能な甘味剤を限定するものではないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンカルシウム、ネオテーム、アドバンテーム、マルトース、ラクトース、キシロース、グリチルリチン、リボース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ステビアなどを用いることができ、このうち好ましいのはスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムである本発明の経口組成物中における甘味剤の含有量は、好ましくは合計量として0.008質量%〜30質量%、より好ましくは0.01質量%〜20質量%である。また、本発明におけるスクラロースの含有量は、好ましくは0.01質量%もしくはw/v%〜0.05質量%もしくはw/v%、より好ましくは0.02質量%もしくはw/v%〜0.04質量%もしくはw/v%であり、アセスルファムカリウムの含有量は、好ましくは0.001質量%もしくはw/v%〜0.1質量%もしくはw/v%、より好ましくは0.01質量%もしくはw/v%〜0.03質量%もしくはw/v%である。
【0017】
本発明における経口組成物としては、例えば、飲料、ドリンク剤、経口液剤、シロップ剤、粉末飲料、顆粒、サプリメント、タブレット、ゼリー、グミ、チョコレート、焼き菓子等が挙げられる。このうち、プレワークアウトサプリメントを意識した場合、液体である飲料、ドリンク剤、経口液剤、シロップ剤、ゼリー等の形態が活用しやすいためより好ましい。また、そのpHは2〜5が好ましい。
【0018】
本発明の飲料には、清涼飲料、スポーツドリンク、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料等が含まれる。
【0019】
本発明の経口組成物は、β-アラニンの効果実感であるβ-アラニンフラッシュを感じてから、また、感じながら運動することでモチベーションの向上が期待されるため、運動前、または運動中に摂取されることが好ましい。本発明の運動とは、無酸素運動、有酸素運動、身体の柔軟性や可動域を高めるためのストレッチ、これらの要素を複合的に含んだトレーニングやスポーツなどが挙げられる。
【0020】
本発明の経口組成物は、1回の経口摂取でβ-アラニンを800mg〜6400mgを摂取することができる。本発明における1回の経口摂取量とは、本発明の経口組成物が一度に摂取される量、より詳細には、例えば数分以内程度の短い時間において断続的にまたは連続的に摂取される量を示し、飲料の場合は例えば50mL〜500mL、典型的には、50mL、100mL、150mL、200mL、500mLがその量であり、ゼリーの場合は例えば30g〜300g、典型的には、30g、50g、100g、150g、180g、250g、300gがその量である。また、飲料用容器、ゼリー用容器の形態は特に限定されない。容器の容量は特に限定されないが、例えば50ml〜500ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml、500mL)、30g〜300g(典型的には30g、50g、100g、150g、180g、250g、300g)とすることができる。
【0021】
本発明の飲料中には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲で通常も用いられる他の成分、添加剤などを配合することができる。本発明の他の成分としては、例えば、カフェイン、ビタミン類(VB1、VB2、VB6、VB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、VC、VD、VE)、アミノ酸類(アルギニン,シトルリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、ヒスチジン、カルニチン、グルタミン、タウリン)、ローヤルゼリー、食塩、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、αリポ酸等が挙げられる。また、添加剤としては、例えば、保存料(安息香酸、安息香酸ナトリウム等)、着色料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、乳化剤、香料等が挙げられる。
【0022】
本発明の経口組成物の製造方法としては、常法により製造することができ、その方法は特に限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
以下に、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例では、次に示す市販の原料を用いた。β-アラニン(商品名:100% BETA-ALANINE AMINO ACID、メーカー:MYPROTEIN)、エリスリトール(商品名:エリスリトール、メーカー:三菱ケミカルフーズ)、クエン酸(商品名:クエン酸(結晶)、メーカー:磐田化学工業)、リン酸(商品名:85%燐酸、メーカー:燐化学工業)、スクラロース(商品名:スクラロース(P)、メーカー:三栄源エフ・エフ・アイ)、アセスルファムカリウム(商品名:サネット(登録商標)、メーカー:MCフードスペシャリティーズ)。
(実施例1〜4及び比較例1〜2)
下記表1に記載の処方の通り、配合成分を適量の精製水で溶解し、その後精製水で全量した。100mlずつガラス瓶に充填し、80℃で25分間の殺菌を行い、試験サンプル(飲料)を得た。
【0024】
【表1】
【0025】
(実施例5、6および比較例3〜5)
下記表2に記載の処方の通り、配合成分を適量の精製水で溶解し、その後精製水で全量した。100mlずつアルミ缶に充填し、80℃で25分間の殺菌を行い、試験サンプル(飲料)を得た。
【0026】
【表2】
【0027】
(試験例)
実施例1〜4及び比較例1〜2については、飲用時のβ-アラニンフラッシュの刺激感(効果実感)を専門パネル3名で評価した。評価はサンプル100mlを一度に飲用し、その後2分経過までは30秒ごとに、2分経過から30分経過までは1分ごとに両掌の開閉運動を5回繰り返し表3の評価基準に則り、30分経過まで評価した。なお、サンプル間の試験条件を極力そろえるために1日1サンプルのみとし、評価時間を朝起床から午前9時30分までの間に実施した。また、評価当日は発熱や咳などの風邪症状がなく体調が優れていること、評価の一時間前より飲食をしないこと、官能検査室等の静かに官能試験に集中できる部屋で実施することを試験条件とした。なお、サンプルはブラインドで、専門パネルごとに3回評価した。
実施例5〜6及び比較例3〜5については、飲用時のβ-アラニンフラッシュの刺激感(効果実感)を専門パネル2名で評価した。評価はサンプル100mlを一度に飲用し、その後2分経過までは30秒ごとに、2分経過から30分経過までは1分ごとに両掌の開閉運動を5回繰り返し表3の評価基準に則り、30分経過まで評価した。なお、サンプル間の試験条件を極力そろえるために1日1サンプルのみとし、評価時間を朝起床から午前9時30分までの間に実施した。また、評価当日は発熱や咳などの風邪症状がなく体調が優れていること、評価の一時間前より飲食をしないこと、官能検査室等の静かに官能試験に集中できる部屋で実施することを試験条件とした。なお、サンプルはブラインドで、専門パネルごとに1回評価した。
【0028】
【表3】
【0029】
サンプルごとに、専門パネルのつけた30秒・1分・1分30秒・2分・3分、・・・・・28分・29分・30分の32の評価ポイントにおける評点を平均化し、各評価ポイントの平均評点を得た。平均評点の小数点第1位を四捨五入し、飲用後からの経過時間ごとに記録した結果を表5〜7に示す。また、β-アラニンフラッシュの刺激感(効果実感)を十分に感じられている、表5〜7に記載の平均評点の値が表4の基準において「手全体に感じる」もしくは「手全体に強く感じる」になる回数、すなわち平均評点3以上を記録した回数をサンプルごとにカウントし、表8〜10に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
(試験結果の解析)
比較例1に対してクエン酸及びリン酸を加えた比較例2の飲料では若干β−アラニン特有の刺激感(効果実感)が弱まることが認められた。それに対して、本発明の実施例1〜4の飲料は比較例1、2と比べてβ-アラニン特有の刺激感(効果実感)を早くから感じられ、また、その効果を感じられる時間帯が増加することが認められた。さらに、エリスリトールに加えてスクラロース及びアセスルファムカリウムを配合した実施例4の飲料は最も効果が高かった。
また、実施例5〜6の飲料は、比較例3〜4の飲料と比べて、β-アラニン特有の刺激感(効果実感)を早くから感じられ、また、その効果を感じられる時間帯が増加することが認められた。一方、エリスリトール、クエン酸およびリン酸を配合し、β-アラニンを配合していない比較例5では、β-アラニン特有の刺激感(効果実感)を手全体に感じられることはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明により、β−アラニンを増量することなく、β-アラニン特有の刺激感(効果実感)であるβ-アラニンフラッシュを増強した経口組成物を提供することが可能となった。
【0036】
よって、今後のスポーツサプリメントの機能性素材として広く使用されうるβ-アラニン特有の効果実感を増強した食品、飲料や、医薬品、医薬部外品を提供することにより、これらの産業の発達が期待できる。