【解決手段】前扉板31を前側の第1パネル31aと中間扉板33に連結された後側の第2パネル31bとがヒンジ31cを介して連結された折り戸構造とし、スライドドア3aが開口部11を完全に閉状態にある場合に、錠31dを開錠して、前扉板31を折り畳み、人が出入りできる出入口を形成できるようにした。
前記開口部の上縁に沿って設けられる開口部側ガイド部と、前記建物の側壁に沿って設けられる側壁側ガイド部と、前記開口部側ガイドレール部と前記側方ガイドレール部を連結する湾曲ガイドレール部を有し、前記スライドドアを吊り下げ状態でスライド自在に支持する上部ガイドレールと、
前記スライドドアを前記上部ガイドレールに沿ってスライドさせて、前記開口部を開閉するドア駆動手段を備え、
前記ドア駆動手段が、前記建物の側壁に沿って前後にスライド可能なスライド部と、
一端が、前記スライド部に支持され、他端が、前記スライドドアを前記開口部側ガイドレール部側に向かってスライドさせるとき、最後尾となる扉板の上端部に枢支され、前記スライド部のスライド方向の動きを前記最後尾となる扉板に伝達する伝達アームを有し、
前記最後尾となる扉板以外の扉板が、前記開口部側ガイド部までスライドし、各扉板の表面が前記開口部側ガイド部と平行になった状態で、前記伝達アームの進退によって、前記最後尾となる扉板が隣接する扉板との連結部を中心に回動して前記開口部周縁に設けられた戸当たり部に離接されるようになっている請求項1に記載のスライドドア装置。
【背景技術】
【0002】
たとえば、建物としてのガレージの出入口となる開口部を開閉するドアとして、
図28および
図29に示すようなスライドドア装置(横引きシャッターとも称される)200が既に知られている(例えば、特許文献1)。
すなわち、このスライドドア装置200は、スライドドア300と、上部ドアガイド手段であるガイド溝400と、下部ドアガイド手段であるガイドレール500を備えている。
【0003】
スライドドア300は、複数の扉板310からなり、スライド方向に隣接する扉板310が、ヒンジ部320を介して折れ曲がり可能に連結されていて、各扉板310の上部に設けられたガイドローラ330がガイド溝400内にスライド自在に嵌まり込むとともに、各扉板310の下端に設けられた走行ローラ340がガイドレール500に走行自在に支持されている。
【0004】
また、ガイド溝400およびガイドレール500は、それぞれガレージ100の開口部110に沿う開口側ガイド部510と、ガレージ100の側壁120に沿う側壁側ガイド部520と、開口側ガイド部510と側壁側ガイド部520を滑らかに連結する湾曲ガイド部530を備えている。
そして、このスライドドア装置200は、スライドドア300がガイド溝400およびガイドレール500に沿って、
図28に示すように、開口部110が閉鎖された位置と、
図28に鎖線で示すように、ガレージ100の側壁120に沿った開口部110の全開位置とを選択できるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、上記のようなスライドドア装置の場合、一旦、開口部を閉じたのち、建物内に人が立ち入る必要が生じた場合、開口部を開放する方向に、人が通れるだけの隙間が開くようにスライドドアを少しスライドさせればよいが、建物の開口部の大きさが大きくなれば、スライドドアの幅寸法(開口部の幅方向の寸法)や上下方向の寸法も大きくなる。
したがって、スライドドア全体の重量も大きくなり、開閉動作に非常に力がいるという問題がある。
【0007】
そこで、本出願人は、スライドドアをモータでスライド動作させるようにしたドアスライド装置を備えたスライドドア装置を既に上市している。
すなわち、上記のようなドアスライド装置を備えたスライドドア装置の場合、モータによってスライドドアが開閉動作できるので、スライドドアが大きくなっても、建物に出入りする人がスライドドアを開閉するのに力が不要である。
【0008】
しかし、かかるスライドドア装置においても、停電、モータの故障、モータを操作するリモコンなどの故障により、スライドドアを手動で動かさなくてはならない場合がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて、閉状態にあるスライドドアの全体をスライドさせなくても、容易に建物に出入り可能とすることができるスライドドア装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のスライドドア装置は、複数の扉板が連結部で折り曲げ可能に連結形成されていて、建物の開口部を開閉するスライドドアと、前記スライドドアを前記建物の側壁に沿う開口部開放位置から開口部閉鎖位置までガイドするガイドレールを備えるスライドドア装置であって、前記スライドドアは、前記複数の扉板のうち、いずれかの扉板が、前記スライドドアを開口部閉状態とした状態で、他の扉板を閉状態位置に留めた状態で、開口部の一部を開閉する補助ドア構造を備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明のスライドドア装置は、前記開口部の上縁に沿って設けられる開口部側ガイド部と、前記建物の側壁に沿って設けられる側壁側ガイド部と、前記開口部側ガイドレール部と前記側方ガイドレール部を連結する湾曲ガイドレール部を有し、前記スライドドアを吊り下げ状態でスライド自在に支持する上部ガイドレールと、前記スライドドアを前記上部ガイドレールに沿ってスライドさせて、前記開口部を開閉するドア駆動手段を備え、前記ドア駆動手段が、前記建物の側壁に沿って前後にスライド可能なスライド部と、一端が、前記スライド部に支持され、他端が、前記スライドドアを前記開口部側ガイドレール部側に向かってスライドさせるとき、最後尾となる扉板の上端部に枢支され、前記スライド部のスライド方向の動きを前記最後尾となる扉板に伝達する伝達アームを有し、前記最後尾となる扉板以外の扉板が、前記開口部側ガイド部までスライドし、各扉板の表面が前記開口部側ガイド部と平行になった状態で、前記伝達アームの進退によって、前記最後尾となる扉板が隣接する扉板との連結部を中心に回動して前記開口部周縁に設けられた戸当たり部に離接されるようになっている構成としてもよい。
【0012】
本発明のスライドドア装置は、前記ドア駆動手段が、前記建物の側壁に沿って設けられ、前記スライド部を走行自在に支持する走行レールと、前記スライド部を前記走行レールに沿って走行させるモータを備えている構成としてもよい。
また、上記補助ドア構造としては、折れ戸構造や、引戸構造、開き戸構造など特に限定されないが、スライドレールをガイドするガイドレールを共用して、額縁を別途設ける必要がないことから折れ戸構造が好ましい。
【0013】
上記折れ戸構造は、前記スライドドアが前記開口部を閉じる方向にスライドするとき、スライドの先頭となる扉板に設けることが好ましい。
【0014】
本発明において、建物とは、特に限定されないが、たとえば、ガレージ、倉庫などが挙げられる。
開口部とは、特に限定されないが、建物の出入口、窓が挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスライドドア装置は、以上のように、複数の扉板が連結部で折り曲げ可能に連結形成されていて、建物の開口部を開閉するスライドドアと、前記スライドドアを前記建物の側壁に沿う開口部開放位置から開口部閉鎖位置までガイドするガイドレールを備えるスライドドア装置であって、前記スライドドアは、前記複数の扉板のうち、いずれかの扉板が、前記スライドドアを開口部閉状態とした状態で、他の扉板を閉状態位置に留めた状態で、開口部の一部を開閉する補助ドア構造を備えているので、補助ドアを開放することによって、スライドドア全体を動かさなくても、建物内に出入りできる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を、その実施の形態を参照して詳しく説明する。
図1〜
図17は、本発明のスライドドア装置の1つの実施の形態をあらわしている。
【0018】
図1あるいは
図2に示すように、このスライドドア装置2aは、スライドドア3aを備え、
図1、
図3および
図4に示すように、スライドドア3aが、建物としてのガレージ1の出入口となる開口部11を、閉じた状態、あるいは、
図2に示すように、完全に開放した状態とすることができる。
【0019】
すなわち、
図3、
図5〜
図17に示すように、このスライドドア装置2aは、スライドドア3aと、ドア駆動手段4と、上部ガイドレール5と、戸当たり部となる開口部側下部戸当たりレール(以下、「第1戸当たりレール」と記す)13と、側壁側扉ガイド14、縦戸当たり部17と、
図5に示すように、スライドドア前端戸当たり部材18、扉ガイド金具10を備えている。
【0020】
すなわち、スライドドア3aは、
図1、
図3〜
図5、
図19〜
図27に示すように、スライドドア3aを、開口部11を閉じる方向に移動させたとき、先頭となる扉板(以下、「前扉板」と記す)31と、最後尾となる扉板(以下、「後扉板」と記す)32と、前扉板31と、後扉板32との間に配置される複数(この実施の形態では5枚)の中間扉板33からなり、
図17、
図18に示すように連結部30で、相互に折り曲げ可能に連結されている。
また、各扉板31(32、33)は、
図6、
図10、
図13、
図14に示すように、下端中央部に下方へ突出するガイド突条35を備えている。
【0021】
前扉板31と各中間扉板33は、
図5に示すように、各扉板31,33の前端部が上部に取り付けられた走行ローラ36を介して後で詳述する上部ガイドレール5に沿ってスライド自在に吊下げ状態になっている。
すなわち、走行ローラ36は、
図6に示すように、上部ガイドレール5内に走行自在に嵌まり込むローラ本体36aと、前扉板31と各中間扉板33の上端に固定され、ローラ本体36aを軸まわりに回転自在に支持する支持軸36bを備えている。
【0022】
前扉板31は、
図4、
図5、
図17および
図18に示すように、前側の第1パネル31aと、後側の第2パネル31bとを備え、第1パネル31aと第2パネル31bが、ヒンジ31cを介して連結されて2つ折りに折り畳み可能な折り戸構造になっている。
また、
図17および
図18に示すように、第2パネル31bの連結部30の回動中心軸からヒンジ31c側の端面までの距離bは、第1パネル31aの走行ローラ36の支持軸の中心から第1パネル31aのヒンジ31c側の端面までの距離aより短くなっている。
【0023】
そして、前扉板31は、前扉板31のガレージ外側の面に鍵穴を有し、前扉板31のガレージ内側の面に操作つまみを備えた錠31dによって、
図17に示すように、第1パネル31aと第2パネル31bが開いた状態にロックできるとともに、鍵穴に鍵を差し込んで鍵を回転させる、あるいは、操作つまみを持って回転させることによってロック解除できるようになっている。
なお、
図4中、31eは、把手である。
【0024】
一方、後扉板32は、
図5に示すように、その前端が前扉板31と各中間扉板33と同様に、走行ローラ36を介して上部ガイドレール5に沿ってスライド自在に吊下げ状態になっているとともに、その後端が、
図15に示すように、2つの走行ローラ36およびローラ支持プレート38を介して吊り下げ状態に支持されている。
ローラ支持プレート38は、長尺板状をしていて、その一端が後扉板32の上端に枢支され、その中間部および他端部に走行ローラ36が取り付けられている。
【0025】
そして、ローラ支持プレート38の中間部および他端部に取り付けられた走行ローラ36は、そのローラ本体36aが後扉板32の
後方で上部ガイドレール5の側壁側ガイド部52内をスライドするように嵌まり込んでいる。
一方、後扉板32の前端を支持する走行ローラ36は、
図15に示すように、スライドドア3aが開口部11を閉じた状態のとき、開口部側ガイド部51の湾曲ガイド部53との連結部近傍に入り込むようになっている。
【0026】
また、後扉板32は、
図9〜
図14に示すように、下端側の後述する縦戸当たり部17に対抗する面に第1係合部7aを備えている。
第1係合部7aは、後述する第2係合部8aの係止頭部82が挿入可能な奥行きの空隙部74を備えた係止壁73に、切欠部としての切欠孔71と、切欠孔71の後扉板後端側で切欠孔71に連通する略U字形をした係止溝72が穿設されている。
【0027】
上部ガイドレール5は、
図6に示すように、C字の開口を下方に向けた断面略C字形をしていて、
図3および
図15に示すように、開口部側ガイド部51と、側壁側ガイド部52と、この開口部側ガイド部51と側壁側ガイド部52を連結する湾曲ガイド部53を備えている。
開口部側ガイド部51は、開口部11の上縁に平行に設けられていて、スライドドア3aの全幅より、後扉板32の幅寸法分短い長さか、それより少し短い長さをしている。
【0028】
側壁側ガイド部52は、開口部側ガイド部51に対して直交した状態で、側壁16に沿って設けられていて、スライドドア3aの全幅と同じ長さ以上の長さをしている。
湾曲ガイド部53は、前扉板31および各中間扉板33の走行ローラ36を、側壁側ガイド部52から開口部側ガイド部51まで、あるいは、開口部側ガイド部51から側壁側ガイド部52までスムーズに移動できるように円弧状に湾曲している。
【0029】
第1戸当たりレール13は、スライドドア3aの全幅とほぼ同じ長さをしていて、開口部側ガイド部51の下方で、開口部側ガイド部51に平行に設けられるとともに、スライドドア3aが開口部11を閉じた状態で、各扉板31(32、33)のガイド突条35の開口部11側の面が受けられるようになっている。
また、第1戸当たりレール13よりガレージ1の内側には、
図3に示すように、ガイド突条35の位置規制をするとともに、第1戸当たりレール13との間にガイド突条35がスライド可能な隙間を形成する扉ガイド15が、中間扉板33の各中央部を臨む位置にそれぞれに設けられている。
【0030】
側壁側扉ガイド14は、
図3に示すように、側壁側ガイド部52の下方で、側壁側ガイド部52に平行に間欠的に設けられ、スライドドア3aが側壁16に平行になった状態で、
図16に示すように、各扉板31(32、33)のガイド突条35がスライド自在に入り込むガイド溝14aを備えている。
【0031】
縦戸当たり部17は、開口部11の後扉板32の後端に対面する位置に設けられていて、その下端の第1係合部7aに対応する位置に第2係合部8aを備えている。
第2係合部8aは、柱状部81と、係止頭部82を備えている。
【0032】
柱状部81は、係止溝72の幅とほぼ同じか少し小径の円柱状をしている。
係止頭部82は、係止溝72の幅より大きい直径をした丸ビスの頭部形状をしている。
【0033】
スライドドア前端戸当たり部材18は、
図17および
図18に示すように、戸当たり部18aと止水材18bを備えている。
スライドドア前端戸当たり部材18は、戸当たり部18aが、
図17に示すように、平面視略J字形をしていて、前扉板31の先端が当接しない状態では、
図18に示すように、止水材18bが前扉板31の開口部11側の面に接触しない位置にばねによって付勢されている。
【0034】
そして、スライドドア3aが開口部11を閉じるようにスライドし、前扉板31の先端が戸当たり部18aに当接し、さらにスライドすると、
図17に示すように、スライドドア前端戸当たり部材18が、ヒンジを中心に回動し、止水材18bが前扉板31の開口部11側壁面に弾性変形しながら圧接され、開口部11側からの雨風の侵入を防止できるようになっている。
【0035】
扉ガイド金具10は、
図17および
図18に示すように、前扉板31の上下方向の寸法より短尺の断面L字形をしていて、L字の一辺とスライドドア前端戸当たり部材18との間に、
図17に示すように、スライドドア3aの前扉板31の前端部が入り込んで、スライドドア前端戸当たり部材18とともに、前扉板31の前端部のガレージ前後方向の動きを規制するようになっている。
【0036】
ドア駆動手段4は、
図7および
図8に示すように、走行レール41と、スライド部42と、伝達アーム43を備えている。
走行レール41は、側壁側ガイド部52より下方で、側壁側ガイド部52と平行となるようにガレージ1の側壁に沿って水平に設けられている。
【0037】
スライド部42は、走行レール41の前後方向にスライド自在に支持されているとともに、図示していないが、その内部にリモコン操作によって駆動するモータと、このモータによって回転駆動し、チェーン44に噛み合うスプロケットを備えていて、スプロケットがモータによって回転することによって、走行レール41に沿って前後動するようになっている。
伝達アーム43は、
図8に示すように、一端がスライド部42に枢支され、他端が後扉板32に枢支されている。
【0038】
すなわち、ドア駆動手段4は、スライド部42が走行レール41に沿って開口部11方向にスライドすることによって、伝達アーム43が後扉板32を開口部方向に押すことによって、スライドドア3a全体を開口部11方向にスライドさせ、スライド部42が走行レール41に沿って開口部11から遠ざかる方向にスライドさせることによって、スライドドア3aを側壁16に沿うようにスライドさせるようになっている。
なお、図中、19、37は、雨水や風のガレージ内への入り込みを防止するエラストマー樹脂等の弾性材である。
【0039】
以下、このスライドドア装置2aのスライドドア3aの閉動作時の各部の動きを詳しく説明する。
【0040】
前扉板31が
図17に示すように、開いたロック状態となっているとともに、スライドドア3aが、
図2に示すように、側壁16に沿う位置になっている状態から、リモコンや壁付けのスイッチ等によりドア駆動手段4のモータを駆動させてスライド部42を開口部11方向にスライドさせて、伝達アーム43を介して後扉板32を開口部11方向に前進させる。
すなわち、これにより、スライドドア3aが、上部ガイドレール5に沿って開口部11を閉じる方向にスライドする。
【0041】
そして、前扉板31および各中間扉板33は、その走行ローラ36のローラ本体36aが側壁側ガイド部52、湾曲ガイド部53を通り、開口部側ガイド部51へ移動することに伴い、その表面が開口部側ガイド部51に平行となるとともに、下端から突設されたガイド突条35が第1戸当たりレール13に当接する。
また、各中扉板33は、スライドドア3aが、開口部閉鎖位置で、ガイド突条35が、第1戸当たりレール13と。扉ガイド15との間に入り込み、上下で位置規制されるとともに、連結された他の扉板33(31,32)によって、側方も位置規制される。
【0042】
一方、前扉板31は、スライドドア3aのスライドに伴って、その前端によって、戸当り部18aを押圧して、スライドドア前端戸当り部材18を回動させるとともに、
図17に示すように、前端部が、スライドドア前端戸当り部材18と扉ガイド金具10との間に嵌まり込み、位置規制される。
【0043】
他方、後扉板32は、その前端側の走行ローラ36が、他の扉板31,33と同様に、開口部側ガイド部51に入り込むが、ローラ支持プレート38に取り付けられた走行ローラ36が後扉板32の後端より、後方に位置しているため、ローラ本体36aが開口部側ガイド部51に入り込むことがない。
そして、後扉板32に隣接する中間扉板33に取り付けられた走行ローラ36のローラ本体36aが開口部側ガイド部51に入るとともに、中間扉板33のガイド突条35の一部が第1戸当たりレール13と扉ガイド15との間に入り込んだ状態で、スライド部42がさらにスライドすると、後扉板32が、スライド部42の開口部11方向へのスライドに伴って、前扉板31および中間扉板33をさらに、開口部側ガイド部51に沿ってスライドさせながら、伝達アーム43の働きによって後扉板32の後端縁が縦戸当たり部17に向かうように、隣接する中間扉板33との連結部30を中心に回動する。
【0044】
また、この回動に伴い、
図11に示すように、第2係合部8aの係止頭部82が、まず、第1係合部7aの切欠孔71に臨み、
図12に示すように、係止頭部82が空隙部74内に入り込むとともに、柱状部81が係止溝72方向に相対移動する。
そして、
図13および
図14に示すように、柱状部81が係止溝72のU字の底にほぼ当接するまで移動した状態で、後扉板32のガイド突条35が第1戸当たりレール13に当接し、開口部11がスライドドア3aによって
図1、
図3〜
図5に示すように、完全に閉じられるとともに、第1係合部7aと第2係合部8aが係合された状態となる。
この状態で、後扉板32の上端部は、従来のものと同様に、伝達アーム43によって閉状態に保持され、後扉板32の下端部は、風圧等の外力がスライドドア3aに加わっても、係止頭部82が係止壁73に係止されるため、ほとんど撓むことがない。
【0045】
また、スライドドア3aが、上記のように、開口部11を完全に閉じた状態で、停電や故障によってドア駆動手段4が駆動しなくなって、ガレージ1に出入りできなくなったり、ガレージ1に出入りする必要が生じたりした場合、ガレージ1の外側から鍵穴に鍵を差し込んで、錠31dを開錠するか、ガレージ1の内側から操作つまみを操作して錠31dを開錠したのち、
図18に示すように、前扉板31を折り畳み、折り畳みによって形成された開口から容易に出入りできる。
【0046】
つぎに、スライドドア3aの開動作時の各部の動きを説明する。
図1、
図3〜
図5に示すスライドドア3aが開口部11を完全に閉じた状態からモータを駆動させてスライド部42を開口部11から離れる方向にスライドさせると、後扉板32の後端が縦戸当たり部17から遠ざかるように回動しつつ、スライドドア3aが開口部11を開放する方向に引っ張られる。
そして、さらに、スライド部42がスライドすることによって、係止頭部82が切欠孔71を介して空隙部74外に露出し、係止が解除されるとともに、スライドドア3aが、
図2に示すように、開口部11を全開状態にするまでスライドする。
【0047】
このスライドドア装置2aは、上記のように、前扉板31が、補助ドア構造としての折れ戸構造になっているので、スライドドア3aが、開口部11を完全に閉じた状態において、スライドドア3a全体を開方向にスライドさなくても、ガレージ1内に容易に出入りできる。
【0048】
また、このスライドドア装置2aは、上記のように、後扉板32が開口部11を閉状態となる位置にきたとき、第1係合部7aと第2係合部8aとが係合するため、スライドドアに大きな風圧がかかったとしても、後扉板32の下端が弾性復元できないような度合いまで大きく撓むことを防止できる。
また、第1係合部7aと、第2係合部8aの係合および係合解除が、ドア駆動手段4によるスライドドア3aの後扉板32の動作のみによって行われ、別途ロック装置を設ける必要がない。
【0049】
しかも、第1係合部7aおよび第2係合部8aは、従来のスライドドア装置を少し改造するだけでよいので、部品点数がそれほど増加しないとともに、組み立て作業も複雑化せず、コストをあまりかける必要がない。
【0050】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、扉ガイド金具が、前扉板の上下方向の寸法より短尺であったが、同じ程度の上下寸法にしても構わないし、さらに短尺の扉ガイド金具を上下方向に間欠的に設けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、第1係合部と、第2係合部を係合させるようになっていたが、第1係合部と第2係合部を設けなくても構わない。
【0051】
上記の実施の形態では、スライド部がモータ駆動によってスライドするようになっていたが、滑車等を手動で操作してスライド部をスライドさせるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、チェーンにスプロケットを噛み合わせてモータの駆動力をスライド部に伝達するようにしていたが、ラックとピニオン、プーリーとプーリーベルトの組み合わせなど、駆動力伝達手段は適宜選択できる。
【0052】
上記の実施の形態では、スライドドアが7枚の扉板で形成されていたが、6枚以下でも8枚以上でも構わない。
上記の実施の形態では、第1戸当たりレールに対して扉ガイドが間欠的に設けられていたが、スライドドアの開閉を阻害しない連続する1本の長尺な扉ガイドを設けるようにしても構わない。