(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-181720(P2021-181720A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】ソーラーパネル付回転天窓
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20211029BHJP
E04D 13/035 20060101ALI20211029BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20211029BHJP
H02S 20/24 20140101ALI20211029BHJP
H02S 20/32 20140101ALI20211029BHJP
【FI】
E04D13/18
E04D13/035 Z
H02S20/23 A
H02S20/23 B
H02S20/24
H02S20/32
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-87877(P2020-87877)
(22)【出願日】2020年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】303069427
【氏名又は名称】株式会社エイワ
(72)【発明者】
【氏名】黒川 昇
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108KK05
2E108LL01
2E108NN07
2E108PP01
(57)【要約】
【課題】ソーラーパネル付属天窓の太陽光発電高効率化による,施設での購入電力量削減を課題とする.
【解決手段】ソーラーパネル付属の天窓を回転式にすることによりソーラーパネルは常に太陽の方向を向く.これにより日射量を増加させ太陽光発電の高効率化を図ることができる.加えて天窓から屋内へ光を取り込むことによる消費電力の削減もあり,大幅な購入電力量削減が可能である.また,ソーラーパネルが常に太陽方向を向くため天窓には直射日光が当たらず,屋内の温度上昇軽減,直射日光軽減の効果も同時に期待できる.
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルが付属した天窓のうち,天窓が回転式であり,日光の照射角度の時刻変化に応じてソーラーパネルの向きが変化するもの.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ソーラーパネルの付属した回転天窓のモジュールに関するものである.
【背景技術】
【0002】
近年,環境面への配慮や,電力会社から購入する電力量(以下,購入電力量と呼ぶ.)の削減のために屋根にソーラーパネルを設置する施設が増加している.しかしながら,屋根に設置されている従来のソーラーパネルの多くは固定式であり,季節変動や時刻による太陽光の照射角の変動に対応しておらず、発電効率が低い.
【0003】
ソーラーパネルの設置目的の一つである購入電力量の削減は,ソーラーパネルによって電力を補う方法の他に,天窓によって日の光を取り入れ,消費電力を削減する方法でも実現可能である.しかしながら多くの施設ではソーラーパネルの設置と光を取り込む天窓が併用されておらず、消費電力量が多い.
【0004】
上記二点の改善策として、 Cover system for roofs of building structures (Nova Milanese : 2011) が提案されている.この構造では,ソーラーパネルと天窓を一体化させたモジュールを屋根に取り付けることを提案している.構造の特徴はソーラーパネルの傾斜角度の調整が可能なことである.これにより季節変動による太陽光の照射角度の変化に動的に対応可能となっている.しかしながら,ソーラーパネルは傾斜角度調整の一軸可動であり,時刻による太陽光の照射角度変更に対応していない.
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2554760号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、購入電力量削減を目的とし,施設に設置されるソーラーパネルの発電効率の向上,および天窓との併用を課題とする.
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ソーラーパネルの付属した回転天窓モジュールを提案する.本発明の最大の特徴は,天窓が回転式であることであり、ソーラーパネルの向きが同的に変化することである.
【発明の効果】
【0008】
本発明では購入電力量の削減が可能である.これはソーラーパネルによる発電と,天窓による屋内への光の取り込みを併用することによる.加えて,本発明では天窓が回転式であることにより,ソーラーパネルは常に太陽の方向を向く.したがってソーラーパネルの発電効率は常に高い状態が維持される.ソーラーパネル設置角度の1軸可動による発電効率の上昇率が3%から4%程度であることに対し,本発明の方式では発電効率の上昇率が20%から40%程度と非常に大きい.また,ソーラーパネルが常に太陽の方向を向くため,天窓に直射日光は入らず,屋内の眩しさ軽減や温度上昇を抑制することも可能である.
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本発明のアイソメ図であって,本発明の概観を示す.円形部が回転式天窓であり,円形内,正方形部が窓となっている.また,天窓上部,傾斜部分にはソーラーパネルが設置される.
【
図2】
図2は本発明を後方から見たアイソメ図であり,
図1と同様に概観を示す.モジュールを真上から見て,ソーラーパネルの真下に窓が設置される.このため窓に直射日光が当たりにくい設計となっている.
【
図3】
図3は本発明の断面図である.ソーラーパネルと台座との間の角度は設置地域の年最適照射角に応じて設定される.例えば東京都では33度である
【発明を実施するための形態】
【0010】
施設の購入電力量削減という目標を回転式ソーラーパネルによる太陽光発電の高効率化と天窓の使用によって実現した.
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は,産業施設建設時の屋根構造の一部として利用可能である.本発明を用いることにより,産業施設の消費電力削減,購入電力量の削減が可能である.加えて化石燃料を原料とする電力の購入量を削減し,自然光や太陽光発電による電力を利用することで環境面への配慮が可能である.また,太陽光発電の発電効率が上昇しているため,余剰電力も多く売電による収益の増加も期待できる.
【符号の説明】
【0012】
1 ソーラーパネル
2 天窓
3 支柱