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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-181938(P2021-181938A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】車両先導システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20211029BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20211029BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   G01C21/36
   G08G5/00 A
   G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-87617(P2020-87617)
(22)【出願日】2020年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】橋口 拓允
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 貴志
(72)【発明者】
【氏名】安竹 昭
(72)【発明者】
【氏名】有永 剛
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA11
2F129BB03
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129DD13
2F129DD15
2F129EE52
2F129EE65
2F129EE66
2F129EE67
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF73
2F129FF74
2F129FF75
2F129GG17
2F129HH12
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB08
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181KK01
5H181KK07
(57)【要約】
【課題】広い駐車場に車両が進入した場合に、空車スペースへの車両の先導を正確かつ安全に実行することが可能な、車両先導システムを得る。
【解決手段】制御部10は、飛行体2が車両1から離陸し、飛行体2の撮影部22が駐車場を撮影し、撮影画像の解析によって映像解析部31が空車スペースを探索し、飛行体2が車両1の運転者の視界前方で空車スペースに向けて移動飛行することによって車両1を先導するよう制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、撮影部を有し、前記車両の車外を飛行可能な飛行体と、
前記飛行体に設けられ、外部信号を受信可能な通信部と、
前記撮影部が撮影した画像に基づき駐車場の空車スペースを探索する画像解析部と、
前記飛行体を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の開始条件を満たした場合、前記空車スペースに向けて前記車両の運転者の視界前方を飛行させることにより前記飛行体に前記車両を先導させる先導制御信号を、前記通信部に送信する、車両先導システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記空車スペースに向かう予定走行経路を決定し、前記飛行体に、前記車両と一定距離を保ち、かつ、前記予定走行経路に沿って飛行させる前記先導制御信号を、前記通信部に送信する、請求項1に記載の車両先導システム。
【請求項3】
前記飛行体は、路上へ図形を投影可能な投影部を有し、
前記投影部は、前記予定走行経路を走行する前記車両の進行方向を示す方向指示図形を、前記運転者の視界前方の路上に投影する、請求項2に記載の車両先導システム。
【請求項4】
前記飛行体は照明部を有し、
前記照明部は、前記飛行体が前記車両を先導する際に光を照射する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両先導システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記駐車場への前記車両の進入が検出されたことを前記開始条件として、前記飛行体に前記車両を先導させる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両先導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場における空車スペースへの車両先導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、広い駐車場に車両が進入した場合に、車両に搭載された飛行体を飛行させて周囲の映像を撮影させ、ナビゲーション装置がその撮影映像を解析することによって空車スペースを探索し、ナビゲーション装置がその空車スペースに車両を案内するナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−138853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されたナビゲーションシステムによると、運転者は、駐車場内で運転操作を行いながらナビゲーション装置の案内画面を確認する必要がある。そのため、運転者が案内画面を瞬間的に視認することによって空車スペースへの走行経路を正確に判断することは困難であり、また、運転者が案内画面を注視することによって周囲に対する安全確認が疎かになる可能性もある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、広い駐車場に車両が進入した場合に、空車スペースへの車両の先導を正確かつ安全に実行することが可能な、車両先導システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両先導システムは、車両に搭載され、撮影部を有し、前記車両の車外を飛行可能な飛行体と、前記飛行体に設けられ、外部信号を受信可能な通信部と、前記撮影部が撮影した画像に基づき駐車場の空車スペースを探索する画像解析部と、前記飛行体を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、所定の開始条件を満たした場合、前記空車スペースに向けて前記車両の運転者の視界前方を飛行させることにより前記飛行体に前記車両を先導させる先導制御信号を、前記通信部に送信することを特徴とするものである。
【0007】
この態様によれば、制御部は、空車スペースに向けて車両の運転者の視界前方を飛行させることにより飛行体に車両を先導させる。従って、車両の運転者は、先導する飛行体に追従するという簡易な運転操作によって、空車スペースに容易に辿り着くことができる。その結果、広い駐車場に車両が進入した場合に、空車スペースへの車両の先導を、正確かつ安全に実行することが可能となる。
【0008】
上記態様において、前記制御部は、前記空車スペースに向かう予定走行経路を決定し、前記飛行体に、前記車両と一定距離を保ち、かつ、前記予定走行経路に沿って飛行させる前記先導制御信号を、前記通信部に送信することが望ましい。
【0009】
この態様によれば、制御部は、空車スペースに向かう予定走行経路を決定し、飛行体に、車両と一定距離を保ち、かつ、予定走行経路に沿って飛行させる。これにより、車両の運転者は、先導する飛行体に容易に追従することが可能となる。
【0010】
上記態様において、前記飛行体は、路上へ図形を投影可能な投影部を有し、前記投影部は、前記予定走行経路を走行する前記車両の進行方向を示す方向指示図形を、前記運転者の視界前方の路上に投影することが望ましい。
【0011】
この態様によれば、投影部は、予定走行経路を走行する車両の進行方向を示す方向指示図形を、運転者の視界前方の路上に投影する。これにより、車両の運転者は、車両の進行方向を予め知ることができるため、先導する飛行体に容易に追従することが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記飛行体は照明部を有し、前記照明部は、前記飛行体が前記車両を先導する際に光を照射することが望ましい。
【0013】
この態様によれば、照明部は飛行体が車両を先導する際に光を照射する。これにより、車両の運転者は、夜間等の低照度環境においても飛行体を容易に視認することができる。
【0014】
上記態様において、前記制御部は、前記駐車場への前記車両の進入が検出されたことを前記開始条件として、前記飛行体に前記車両を先導させることが望ましい。
【0015】
この態様によれば、制御部は、駐車場への車両の進入が検出されたことを開始条件として、飛行体に車両を先導させる。従って、先導制御の実行を開始するにあたり、ユーザによる手動の操作入力は不要であるため、ユーザの利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、広い駐車場に車両が進入した場合に、空車スペースへの車両の先導を正確かつ安全に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る車両先導システムの適用例を示す図である。
図2】飛行体の外観を模式的に示す図である。
図3】飛行体の機能構成を示すブロック図である。
図4】車両の機能構成を示すブロック図である。
図5】飛行体制御部の機能構成を示すブロック図である。
図6】車両情報検出部の機能構成を示す図である。
図7】車両の制御部によって実行される先導制御の制御フローを示すフローチャートである。
図8】飛行体の規定飛行経路の一例を示す図である。
図9】飛行体の規定飛行経路の一例を示す図である。
図10】飛行体が車両を先導している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る車両先導システムの適用例を示す図である。車両1には、車両1の車外を飛行可能な飛行体2が搭載されている。車両1の所定箇所(この例ではリアウインドウ上)には、飛行体2の発着台3が配置されている。発着台3は、飛行体2が離着陸を行うための水平な発着面を有する。発着面の下方には、巻き取りリール19(図1には表れない)が配置されている。巻き取りリール19は、給電用のケーブルであるテザー4が巻装された回転軸(図略)を有している。発着面の略中央部には貫通孔が設けられており、巻き取りリール19の回転軸に巻装されたテザー4は、この貫通孔内を挿通して発着面の上方に引き出され、飛行体2に接続されている。
【0020】
図2は、飛行体2の外観を模式的に示す図である。飛行体2は、いわゆるクワッドコプター型のドローンとして構成されている。飛行体2は、本体部111と、本体部111の前面に配置されたカメラ112と、本体部111の四隅に配置されたプロペラ113と、本体部111の左右両面から垂直に延在するシャフト114と、本体部111を内包する網目球体状の緩衝部材115とを備えている。本体部111と緩衝部材115とは、シャフト114によって互いに固定されている。本体部111の底面にテザー4が接続されている。
【0021】
図3は、飛行体2の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように飛行体2は、通信部21、撮影部22、駆動部23、位置検出部24、姿勢検出部25、照明部26、及び投影部30を有している。また、飛行体2は、これら各処理部の動作を制御することによって飛行体2の全体の制御を司る制御部20を有している。さらに、飛行体2は、これら各処理部及び制御部20に駆動電力を供給する電力供給部29を有している。電力供給部29は、テザー4に接続されている。飛行体2の駆動電力を、テザー4を介して車両1側から供給することにより、飛行体2へのバッテリの搭載を省略でき、その結果、飛行体2の軽量化が図られている。飛行体2の総重量は、重量に基づく飛行規制の対象となる制限重量(例えば200グラム)未満である。
【0022】
通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、後述する車両1側の通信部122との間で双方向にデータ通信を行う。但し、テザー4内にデータ通信線を追加することにより、通信部21と通信部122とが当該データ通信線を介して有線通信を行う構成としても良い。
【0023】
撮影部22は、図2に示したカメラ112を含む。撮影部22によって撮影される画像には、静止画像(写真)及び動画像(映像)の双方が含まれる。以下の説明では、撮影部22によって映像が撮影される場合を例にとる。撮影部22は、カメラ112によって撮影された映像の映像データを、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録するとともに、リアルタイムで出力する。なお、映像データの記録は車両1側で行っても良い。
【0024】
駆動部23は、図2に示したプロペラ113のプロペラシャフトを回転駆動するためのモータを含む。駆動部23は、4つのプロペラ113の回転方向及び回転速度を個別に制御する。これにより、飛行体2は、前進、後進、上昇、降下、旋回、及びホバリング等の任意の飛行動作を行うことができる。
【0025】
位置検出部24は、GPS受信機及び高度センサ等を含み、飛行体2の位置をリアルタイムに検出することにより、その検出された位置を示す位置データを出力する。
【0026】
姿勢検出部25は、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び方位センサ等を含み、飛行体2の姿勢をリアルタイムに検出することにより、その検出された姿勢を示す姿勢データを出力する。
【0027】
照明部26は、飛行体2の本体部111の前面を含む1以上の面に配置されたLED等の任意の照明装置を含む。
【0028】
投影部30は、上空から道路に向けてレーザ光等を照射することによって、飛行体2によって先導される車両1の予定進行方向を指し示す方向指示図形を、運転者の視界前方の道路上に投影する。投影部30は、例えば、先導によって車両1を直進させる場合には運転者から見て前方向を指し示す矢印を、左折させる場合には運転者から見て左方向を指し示す矢印を、右折させる場合には運転者から見て右方向を指し示す矢印を、それぞれ方向指示図形として道路上に投影する。
【0029】
制御部20は、撮影部22から出力された映像データ、位置検出部24から出力された位置データ、及び姿勢検出部25から出力された姿勢データを、リアルタイムで通信部21から車両1に送信する。
【0030】
図4は、車両1の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように車両1は、バッテリ制御部11、飛行体制御部12、車両情報検出部14、表示部16、操作入力部17、及び映像解析部31を有している。また、車両1は、これら各処理部の動作を制御することによって車両1の全体の制御を司る制御部10を有している。さらに、車両1は、これら各処理部及び制御部10に駆動電力を供給するバッテリ18を有している。テザー4は、バッテリ18に接続されている。また、車両1は、巻き取りリール19を有している。巻き取りリール19の駆動電力は、バッテリ18から供給される。巻き取りリール19は、テザー4が巻装された回転軸(図略)と、当該回転軸を回転駆動するためのモータ(図略)とを有している。巻き取りリール19は、飛行体2の飛行状況に応じた適正量のテザー4が回転軸から繰り出されるように、モータによる回転軸の駆動によってテザー4の送出及び回収を制御する。
【0031】
バッテリ制御部11は、バッテリ18の充放電動作を制御する。また、バッテリ制御部11は、バッテリ18からテザー4への電力供給の開始及び停止を制御する。
【0032】
飛行体制御部12は、飛行体2の飛行を制御する。飛行体制御部12の詳細については後述する。
【0033】
車両情報検出部14は、車両1の各種情報を検出する。車両情報検出部14の詳細については後述する。
【0034】
表示部16は、LCD又は有機EL等の任意の表示装置を用いた車載ディスプレイを含む。表示部16は、カーナビゲーション装置が備えるディスプレイであっても良い。
【0035】
操作入力部17は、車両1の運転者又は同乗者によって手動による操作入力が可能なスイッチを含む。操作入力部17には、例えば、ステアリングスイッチ、車載ディスプレイのタッチパネル、及び、ユーザの携帯端末のタッチパネルが含まれる。
【0036】
映像解析部31は、飛行体2の撮影部22によって撮影された撮影映像に対して、テンプレートマッチング処理又は人工知能を用いた物体判別処理等の映像解析を行うことによって、駐車場内において車が駐車されていない駐車スペース(本明細書において「空車スペース」と称す)を探索する。
【0037】
図5は、飛行体制御部12の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように飛行体制御部12は、通信部122、飛行経路記憶部123、操縦信号生成部124、撮影信号生成部125、リール制御部126、照明信号生成部127、及び投影信号生成部128を有している。また、飛行体制御部12は、これら各処理部の動作を制御する制御部121を有している。
【0038】
通信部122は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、上述した飛行体2側の通信部21との間で双方向にデータ通信を行う。通信部122は、飛行体2側の通信部21から送信された映像データ、位置データ、及び姿勢データを受信する。
【0039】
飛行経路記憶部123には、空車スペースの探索のために駐車場を広く撮影すべく、車両1の位置を中心として車両1の周辺上空を所定の高度及び所定の回転半径で旋回する飛行経路が、規定飛行経路として記憶されている。
【0040】
操縦信号生成部124は、飛行経路記憶部123から読み出した規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を、通信部122が受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて生成する。
【0041】
撮影信号生成部125は、飛行体2の飛行状況に応じて、飛行体2の撮影部22に対して撮影を開始させるための撮影開始信号、及び、撮影を停止させるための撮影停止信号を生成する。
【0042】
リール制御部126は、巻き取りリール19を制御する。具体的にリール制御部126は、飛行体2の飛行状況に応じた適正量のテザー4が巻き取りリール19の回転軸から繰り出されるように、モータによる回転軸の駆動によってテザー4の送出及び回収を制御する。
【0043】
照明信号生成部127は、飛行体2の照明部26に所定の報知照明の照射(例えば高輝度フラッシュ光の連続照射)を実行させるための照明信号を生成する。
【0044】
投影信号生成部128は、飛行体2の投影部30に上記方向指示図形の投影を実行させるための投影信号を生成する。
【0045】
制御部121は、操縦信号生成部124によって生成された操縦信号、撮影信号生成部125によって生成された撮影開始信号及び撮影停止信号、照明信号生成部127によって生成された照明信号、並びに投影信号生成部128によって生成された投影信号を、リアルタイムで通信部122から飛行体2に送信する。
【0046】
図6は、車両情報検出部14の機能構成を示す図である。図6に示すように車両情報検出部14は、始動検知センサ144、GPS受信機148、及びシフトレバーセンサ149を含む。
【0047】
始動検知センサ144は、イグニッションセンサにより、又は、バッテリと走行モータとを接続するリレースイッチのオン/オフ状態を検出することにより、車両1の駆動力発生装置(エンジン又は走行モータ等)の始動状態/停止状態を検出する。GPS受信機148は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて車両1の現在位置を特定し、その現在位置を示す位置情報を出力する。シフトレバーセンサ149は、シフトレバーのシフトポジション(パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、及びドライビングポジション等)を検出する。
【0048】
図7は、車両1の制御部10によって実行される先導制御の制御フローを示すフローチャートである。制御部10は、大型商業施設の駐車場等、一定面積以上の広大な駐車場内に車両1が進入した場合に、この制御フローを実行する。
【0049】
まずステップSP11において制御部10は、GPS受信機148から出力される位置情報に基づいて、車両1が駐車場内に進入したか否かを判定する。
【0050】
車両1が駐車場内に進入していない場合(ステップSP11:NO)は、制御部10はステップSP11の処理を繰り返し実行する。
【0051】
車両1が駐車場内に進入した場合(ステップSP11:YES)は、次にステップSP12において制御部10は、先導要求が入力されたか否かを判定する。車両1の運転者(又は同乗者)は、駐車場が混雑しており空車スペースを自ら発見できない場合は、操作入力部17を操作することによって、先導制御の実行要求を入力することができる。車両1の運転者がこの操作入力を行うことにより、操作入力部17から制御部10に先導要求信号が入力される。
【0052】
先導要求が入力されない場合(ステップSP12:NO)は、制御部10はステップSP11,SP12の処理を繰り返し実行する。
【0053】
先導要求が入力された場合(ステップSP12:YES)は、次にステップSP13において制御部10は、飛行体制御部12に飛行体2の離陸制御を実行させる。まずバッテリ制御部11は、バッテリ18からテザー4を介して飛行体2への電力供給を開始する。次に操縦信号生成部124は、飛行体2を発着台3から離陸させるための操縦信号を生成する。次に通信部122は、その操縦信号を飛行体2に送信する。次に飛行体2側の通信部21は、車両1側の通信部122から送信された操縦信号を受信する。次に駆動部23は、その操縦信号に基づいてプロペラ113を駆動することにより、飛行体2を離陸させるための制御を開始する。これにより、飛行体2は発着台3から離陸する。
【0054】
次にステップSP14において制御部10は、飛行体制御部12に飛行体2の飛行制御及び撮影制御を実行させる。まず操縦信号生成部124は、飛行経路記憶部123から上記規定飛行経路を読み出し、その規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を生成する。次に通信部122は、その操縦信号を飛行体2に送信する。次に飛行体2側の通信部21は、車両1側の通信部122から送信された操縦信号を受信する。次に駆動部23は、その操縦信号に基づいてプロペラ113を駆動する。これにより、飛行体2は上記規定飛行経路に沿って飛行する。飛行体2は、例えば、車両1の現在位置を中心として車両1の周辺(予め設定された所定範囲、例えば、車両1を中心とする半径5〜10メートル程度の範囲)の上空を所定の高度及び所定の回転半径で旋回飛行する(図8)。規定飛行経路は、旋回経路以外の任意の経路であって良く、例えば、車両1の右後方から左前方に向かって車両1の上空を斜行(高度変化を伴っても良い)しながら横断する斜行横断経路(図9)であっても良い。また、撮影信号生成部125は、飛行体2の撮影部22に対して撮影を開始させるための撮影開始信号を生成する。撮影開始信号は通信部122から飛行体2に送信され、それによって撮影部22はカメラ112による撮影を開始する。カメラ112によって撮影された撮影映像の映像データは、通信部21から車両1に送信される。
【0055】
次にステップSP15において映像解析部31は、駐車場内で空車スペースを探索する。なお、駐車場内に複数の空車スペースが存在する場合には、映像解析部31は、車両1の現在位置に最も近い一つの空車スペースを探索する。
【0056】
空車スペースが発見されない場合(ステップSP15:NO)は、制御部10は後述するステップSP18の処理を実行する。
【0057】
空車スペースが発見された場合(ステップSP15:YES)は、次にステップSP16において制御部10は、その空車スペースに向けて飛行体2に車両1を先導させる先導制御を実行する。
【0058】
まず制御部10は、車両1の現在位置から空車スペースまでの最短経路を、車両1の予定走行経路として特定する。次に制御部10は、車両1の現在位置に対して車両1の進行方向に数メートル前方の地点(つまり車両1の運転者の視界前方位置)を、飛行体2の先導開始位置として設定する。次に操縦信号生成部124は、飛行体2を現在位置から先導開始位置に移動飛行させるための操縦信号を生成する。この操縦信号が飛行体2に送信されることにより、飛行体2は先導開始位置に移動する。次に操縦信号生成部124は、車両1及び飛行体2の各位置情報に基づいて、走行する車両1との間に一定距離を保ちつつ上記予定走行経路に沿って飛行体2を移動飛行させるための操縦信号を生成する。車両1の位置情報としては、GPS受信機148から出力される位置情報が用いられる。飛行体2の位置情報としては、位置検出部24が有するGPS受信機から出力される位置情報が用いられる。この操縦信号が飛行体2に送信されることにより、飛行体2は予定走行経路に沿って移動飛行する。その際、車両1及び飛行体2の各位置情報に基づいて操縦信号生成部124が飛行体2の飛行速度を制御することにより、車両1と飛行体2との間の距離は上記一定距離に保たれる。つまり、図10に示すように、車両1の予定走行経路に沿って車両1の若干前方を飛行する飛行体2によって、車両1が先導される。
【0059】
また、ステップSP16において制御部10は、上記報知照明の照射を実行させるための照明信号を、照明信号生成部127に生成させる。照明信号は通信部122から飛行体2に送信され、それによって飛行体2の照明部26から報知照明が照射される。これにより、車両1の運転者は先導する飛行体2を容易に視認することができる。
【0060】
また、ステップSP16において制御部10は、上記方向指示図形の投影を実行させるための投影信号を、投影信号生成部128に生成させる。投影信号生成部128は、予定飛行経路の経路情報と飛行体2の位置情報とに基づいて、飛行体2の現在位置に応じた適切な方向指示図形の投影を、投影信号によって指示する。投影信号は通信部122から飛行体2に送信され、それによって飛行体2の投影部30は、飛行体2の現在位置に応じた適切な方向指示図形を、車両1の運転者の視界前方の道路上に投影する。
【0061】
制御部10は、車両1が空車スペースに到達して、その空車スペースへの車両1の駐車が完了するまで、飛行体2による先導制御を実行する。
【0062】
次にステップSP17において制御部10は、車両1の駐車が完了したか否かを判定する。制御部10は、車両1のシフトレバーがパーキングポジションに移動されたことをシフトレバーセンサ149が検出し、その後に車両1の駆動力発生装置がオフされたことを始動検知センサ144が検出したことにより、車両1の駐車が完了したことを検出する。
【0063】
車両1の駐車が完了していない場合(ステップSP17:NO)は、制御部10はステップSP16,SP17の処理を繰り返し実行する。
【0064】
車両1の駐車が完了した場合(ステップSP17:YES)は、次にステップSP18において制御部10は、飛行体2を現在位置から発着台3に向けて飛行させるための操縦信号を操縦信号生成部124に生成させる。この操縦信号が飛行体2に送信されることによって飛行体2の飛行が制御され、飛行体2は発着台3に帰艦する。
【0065】
なお、車両1の駐車が完了する前であっても、車両1の運転者の操作入力によって、飛行体2の帰艦命令が操作入力部17から入力された場合には、制御部10は飛行体2の帰艦制御を実行する。
【0066】
また、飛行体2を帰艦させる場合には、制御部10は、飛行体2を帰艦させるための操縦信号を操縦信号生成部124に生成させる代わりに、リール制御部126によって巻き取りリール19の回転軸を高速に回転駆動させることによって、飛行体2を強制的に回収しても良い。これにより、飛行体2を迅速に回収することが可能となる。
【0067】
次に、撮影信号生成部125は、飛行体2の撮影部22に対して撮影を停止させるための撮影停止信号を生成する。撮影停止信号は飛行体2に送信され、撮影部22はカメラ112による撮影を停止する。その後、バッテリ制御部11は、バッテリ18から飛行体2への電力供給を停止する。なお、空車スペースの探索のために映像解析部31への映像データの転送が完了した時点で、撮影部22による撮影は停止しても良い。
【0068】
なお、制御部10は、ステップSP12の判定処理を省略することにより、車両1が駐車場内に進入したことを条件として先導制御の実行を開始しても良い。この場合、先導制御の実行を開始するにあたり、車両1の運転者による手動の操作入力が不要となるため、ユーザの利便性を向上することができる。
【0069】
本実施の形態に係る車両先導システムによれば、制御部10は、車両1から飛行体2を飛行させることにより撮影部22によって駐車場を撮影させ、撮影映像の解析によって映像解析部31に空車スペースを探索させ、車両1の運転者の視界前方で飛行体2を空車スペースに向けて移動飛行させることによって飛行体2に車両1を先導させる。従って、車両1の運転者は、先導する飛行体2に追従するという簡易な運転操作によって、空車スペースに容易に辿り着くことができる。その結果、広い駐車場に車両1が進入した場合に、空車スペースへの車両1の先導を、正確かつ安全に実行することが可能となる。
【0070】
また、制御部10は、先導制御に含まれる先導制御において、車両1との間に一定距離を保ち、かつ、空車スペースへの車両1の予定走行経路に沿って、飛行体2を飛行させる。これにより、車両1の運転者は、先導する飛行体2に容易に追従することが可能となる。
【0071】
また、制御部10は、車両1の予定進行方向を指し示す方向指示図形を、運転者の視界前方の路上に投影部30によって投影させる。これにより、車両1の運転者は、車両1の進行方向を予め知ることができるため、先導する飛行体2に容易に追従することが可能となる。
【0072】
また、制御部10は、飛行体2の照明部26に報知照明を照射させる。これにより、車両1の運転者は、夜間等の低照度環境においても飛行体2を容易に視認することができる。
【0073】
また、制御部10は、先導制御の実行要求が操作入力されたことを条件として、先導制御を実行する。従って、駐車場内に多くの空車スペースが存在している場合等に不要な先導制御が実行されることを、予め回避することができる。
【0074】
また、制御部10は、飛行体2の帰艦命令が操作入力された場合のみならず、空車スペースへの駐車の完了が検出された場合にも、飛行体2を車両1に帰艦させる。従って、駐車完了後に飛行体2が飛行を継続してバッテリ18の電力が消費され続ける事態を、予め回避することが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1 車両
2 飛行体
4 テザー
10 制御部
12 飛行体制御部
14 車両情報検出部
17 操作入力部
19 巻き取りリール
22 撮影部
26 照明部
30 投影部
31 映像解析部
144 始動検知センサ
148 GPS受信機
149 シフトレバーセンサ
図1
図2
図3
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図10