特開2021-182120(P2021-182120A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中城産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000003
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000004
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000005
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000006
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000007
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000008
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000009
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000010
  • 特開2021182120-撮影用反射体 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-182120(P2021-182120A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】撮影用反射体
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/06 20210101AFI20211029BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20211029BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   G03B15/06
   G02B5/08 A
   H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-88286(P2020-88286)
(22)【出願日】2020年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】520177220
【氏名又は名称】中城産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】中城 立史
【テーマコード(参考)】
2H042
5C122
【Fターム(参考)】
2H042DA09
2H042DB08
2H042DD04
5C122EA54
5C122GE07
5C122GG11
(57)【要約】
【課題】嵩張らず携行性や携帯性を備えつつより柔らかく優しくあるいは味わいのある表現を実現可能な撮影用反射体を提供すること。
【解決手段】撮影用反射体1は、紙などの薄素材を積層配置及び接着し所定の形状に成形した積層薄体10と、積層薄体10の一方側端部を束ねる束着体20と、を少なくとも備える。撮影用反射体1を展開した際に、薄素材により成形される凹凸を伴った立体反射面11があらわれる。撮影用反射体1を折り畳んだ際には、嵩張らない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄素材を積層配置及び接着し所定の形状に成形した積層薄体と、
前記積層薄体の一方側端部を束ねる束着体と、
からなる撮影用反射体であって、
前記撮影用反射体を展開した際に、当該積層薄体を構成する薄素材により成形される凹凸を伴った立体反射面(11)があらわれる撮影用反射体。
【請求項2】
前記立体反射面について、表面側及び裏面側にあらわれる凹凸を異なる形状とした請求項1の撮影用反射体。
【請求項3】
前記積層薄体を構成する薄素材の材質を、光が透過する紙とした請求項1又は請求項2の撮影用反射体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は写真撮影や映像撮影の際に使用する撮影用反射体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
写真撮影や映像撮影の際に、被写体の写り具合を調整するためにレフ板あるいはリフレクターと呼ばれる反射板が利用されることがある。
【0003】
従来の反射板は、外部撮影や出張撮影時などの携行、位置移動等が困難なものになる欠点あるいは嵩が大きく、携行の不便さはもとより非使用時の格納にも大きなスペースを要するという難点があった(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところで、近年の反射板には携帯端末に設けられたカメラで撮影することを想定した携帯端末以下の大きさの携帯型反射板の発明も公開されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60−161335
【特許文献2】特開2020−12880
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の撮影用反射板は、着脱並びに展張折畳自在に連結してあることを特徴とし、非使用時には小形にして携行、格納が有利とのことであるが、それでも一定程度の嵩張りは想定され、さらなる改良の余地はあるものと考える。
【0007】
また、その機能面において、従来の多くの反射板と同様にその反射面が平面であるため光の反射が直線的で強くなり、コントラストが高く硬い表現になっているものと考える。
【0008】
上述した特許文献2の携帯型反射板は、嵩張らず携帯性に優れたものであり、また、反射面を湾曲させて変形することも可能であるため、曲線的で緩やかな表現も可能であるものと想定する。
【0009】
しかしながら、反射面の変形に関しては、湾曲又は平面のいずれかでしか行えないものと想定する。
【0010】
そこで、嵩張らず携行性や携帯性を備えることはもとより、光の反射拡散や透過なども行い得、より柔らかく優しくあるいは味わいのある多様な表現を実現可能な反射体を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、上述の課題を解決するために、薄素材を積層配置及び接着し所定の形状に成形した積層薄体と、前記積層薄体の一方側端部を束ねる束着体と、からなる撮影用反射体であって、前記撮影用反射体を展開した際に、当該積層薄体を構成する薄素材により成形される凹凸を伴った立体反射面があらわれる撮影用反射体を提供する。
【0012】
本願発明は、上述の課題を解決するために、立体反射面について、表面側及び裏面側にあらわれる凹凸を異なる形状とした撮影用反射体を提供する。
【0013】
本願発明は、上述の課題を解決するために、前記積層薄体を構成する薄素材の材質を、光が透過する紙とした撮影用反射体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の撮影用反射体は、薄素材を積層配置及び接着し所定の形状に成形した積層薄体と、前記積層薄体の一方側端部を束ねる束着体と、からなる撮影用反射体であって、前記撮影用反射体を展開した際に、当該積層薄体を構成する薄素材により成形される凹凸を伴った立体反射面があらわれる撮影用反射体であるため、折り畳んだ際には嵩張らず携行性や携帯性に優れる。また、展開した際には所定の立体反射面を有するため柔らかく優しくあるいは味わいのある多様な表現を実現可能である。
【0015】
本願発明の撮影用反射体は、立体反射面について、表面側及び裏面側にあらわれる凹凸を異なる形状としたため、立体反射体の表面側と裏面側とで異なる表現を提供でき、撮影のバリエーションが増える。
【0016】
本願発明の撮影用反射体は、前記積層薄体を構成する薄素材の材質を、光が透過する紙としたため、より味わいのある表現を実現可能である。
【0017】
また、成形(製造)及び加工が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は実施例1の撮影用反射体(折り畳み状態)を卓上に置いて正面側(手前側)からみた図である。
図2図2は実施例1の撮影用反射体(折り畳み状態)を卓上に置いて上方向からみた図である。
図3図3は実施例1の撮影用反射体(180度展開状態)を卓上に置いて正面側(手前側)からみた図である。
図4図4は実施例2の撮影用反射体(折り畳み状態)を卓上に置いて上方向からみた図である。
図5図5は実施例2の撮影用反射体の成形方法(製造方法:糊線及び型抜き)を説明するための図である。
図6図6は実施例2の撮影用反射体の成形方法(製造方法:束着体固着)を説明するための図である。
図7図7は実施例2の撮影用反射体の成形方法(製造方法:厚紙体接着)を説明するための図である。
図8】実施例3の撮影用反射体(折り畳み状態)を卓上に置いて上方向からみた図である。
図9】実施例4の撮影用反射体(折り畳み状態)を卓上に置いて上方向からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
携行性や携帯性を備えたような表現を実現可能な撮影用反射体として実施する。
【実施例1】
【0020】
実施例1の撮影用反射体の構成について、図1から図3に従い説明する。
【0021】
撮影用反射体(1)は、薄素材を積層配置し所定の成形を施した積層薄体(10)と、前記積層薄体の一端部側を束ねて固着する束着体(20)と、前記積層薄体の最底面及び最上面に配置する厚紙体(30)とで構成する(図1)。
【0022】
前記撮影用反射体(1)は、前記束着体(20)を起点に展開及び折り畳み自在に成形している(図2及び図3)。
【0023】
前記撮影用反射体(1)を展開した際に、前記薄素材により成形される凹凸を伴った立体反射面(11)があらわれる(図3)。
【0024】
前記立体反射面(11)は、光を多方向に反射拡散するため、柔らかく優しくあるいは味わいのある多様な表現を実現可能となる。
【0025】
前記薄素材について、光を透過可能な材質であればいかなる材質でも許容し得るが、成形及び製造の容易性やコスト面などを考慮すると紙材が好ましい。
【実施例2】
【0026】
実施例2の撮影用反射体は、積層薄体の成形形状(立体反射面の形状)が実施例1と異なるだけであり、その他の構造は略同じであるため構成についての詳細な説明は省略する(図4)。
【0027】
次に、撮影用反射体の成形方法(製造方法)について、図5から図7に従い説明をする。
【0028】
最も底面に配置した薄素材(以下、「最底薄素材」と呼ぶ。)の表面側(上方側)に、接着剤を図5で示すように縦方向かつ直線状に一定間隔(L1)を保ちながら塗布する。なお、当該接着剤による縦方向線(図5で実線であらわした線箇所)を第1の糊線(A1)と呼ぶ(図5)。
【0029】
さらに、前記最底薄素材の上方側に積層して薄素材を配置し、当該薄素材の表面側(上方側)に、接着剤を図5で示すように縦方向かつ直線状に一定間隔(L2)を保ちながら、前記第1の糊線(A1)を跨ぐように塗布する。なお、当該接着剤による縦方向線(図5で点線であらわした線箇所)を第2の糊線(A2)と呼ぶ(図5)。
【0030】
前述した薄素材の積層、前記第1の糊線(A1)及び前記第2の糊線(A2)の塗布を繰り返して、薄素材の積層薄束を作成した後、前記糊線長方向に所定の形状で型抜きをする(図5)。
【0031】
型抜きをする形状について、様々な形状が選択可能であるが、本実施例の場合は、114ミリメートルの底辺からなだらかに縮幅した後にいったん拡幅しさらに縮幅して173ミリメールの高さに至る2段山型形状としている(図5)。
【0032】
前記第1の糊線(A1)の間隔(L1)について、型抜きをする形状により変化し得るものであるが、本実施例の場合は、45ミリメートル幅の間隔としている(図5)。
【0033】
前記第2の糊線(A2)の間隔(L2)について、型抜きをする形状により変化し得るものであるが、本実施例の場合は、45ミリメートル幅の間隔としている(図5)。
【0034】
その後、前記型抜き後である積層薄体(10)の一方端部側を前記束着体(20)で束ねて固着し、展開及び折り畳み自在の構造体を成形する(図6)。
【0035】
最後に、前記積層薄体(10)の最底面側及び最上面側にほぼ同一形状の厚紙体(30)を接着して完成する(図7)。
【0036】
なお、実施例1の撮影用反射体、後述する実施例3及び実施例4の撮影用反射体の成形方法(製造方法)も同様である。
【実施例3】
【0037】
実施例3の撮影用反射体は、立体反射面の表面側及び裏面側にあらわれる凹凸を異なる形状としたものであり、図8及び図9に従い、その構成について説明する。
【0038】
撮影用反射体(1)の中央仮想線(C)を挟んで一方側及び他方側を非対称の形状とすることにより、当該撮影用反射体を展開した際の立体反射面の表面側及び裏面側にあらわれる凹凸を異なる形状になるようにしている(図8及び図9)。
【0039】
前述の様な形状又は構造とすることにより、1つの撮影用反射体で異なる2種の立体反射面が選択利用可能となり、撮影のバリエーションが増えるなどのメリットを付加することができる。
【0040】
次に、本願の撮影用反射体を利用する場面のイメージを図2及び図3に従い説明する。
【0041】
撮影用反射体(1)を180度展開して卓上に自立させて載置し、所定の被写体を撮影する(図3)。
【0042】
なお、前記撮影用反射体(1)、被写体、光源及びカメラの配置について、図3で示す前記撮影用反射体の手前側に被写体、さらにその手前側に光源及びカメラとするのが一般的である(図示せず)。
【0043】
撮影終了後は、前記撮影用反射体(1)を折り畳むことにより、薄くなるため嵩張らず、一般的なかばんなどに収納して運搬することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願発明の撮影用反射体は、嵩張らず携行性や携帯性を備えつつ、より柔らかく優しくあるいは味わいのある表現を実現可能な優れた撮影用反射体であるので、産業上の利用性可能性を有する。
【符号の説明】
【0045】
1 撮影用反射体
10 積層薄体
11 立体反射面
20 束着体
30 厚紙体
A1 第1の糊線
A2 第2の糊線
L1 第1の糊線の間隔
L2 第2の糊線の間隔
C 中央仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9