【解決手段】スタンド物品10は、第1,第2の2枚のパネル12,14と、該2枚のパネル12,14どうしを折り畳み式に開閉可能に連結する連結機構16とを有する。スタンド物品10は、2枚のパネル12,14を連結機構16を介して相互に開いて水平の支持面18に立てた姿勢で、スタンド物品10を水平方向の特定の角度方向から見たときに、2枚のパネル12,14のパネル面20a,22aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状をなし、かつ上方から見たときに、2枚のパネル12,14のパネル面20a,22aどうしが該特定の角度方向から見た方向に向けて拡がる投影形状をなすことができるように、2枚のパネル12,14を連結機構16を介して連結する構成を有する。
前記2枚のパネルを、前記連結機構を介して相互に開いて水平面に立てたときに、前記第1,第2の中間部材は該2枚のパネルの裏面側で該水平面に着地して該2枚のパネルを支持する第1,第2の支持部材をそれぞれ構成する請求項2から6のいずれか1つに記載のスタンド物品。
前記パネルは、枠部材の開口部を板部材で塞いだ構成を有するもの、枠部材の開口部が塞がれていない構成を有するもの、板部材を有し枠部材を有しない構成を有するもののいずれかであり、
前記パネル面は、前記板部材を有する場合は該板部材の実面であり、前記板部材を有しない場合は前記枠部材で包囲されるところの仮想的な面である
請求項1から7、9、10のいずれか1つに記載のスタンド物品。
前記パネルは、枠部材の開口部を板部材で塞いだ構成を有するもの、枠部材の開口部が塞がれていない構成を有するもの、板部材を有し枠部材を有しない構成を有するもののいずれかであり、
前記パネル面は、前記板部材を有する場合は該板部材の実面であり、前記板部材を有しない場合は前記枠部材で包囲されるところの仮想的な面である
請求項8に記載のスタンド物品構成部品。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明のスタンド物品を立て看板に適用した場合の実施の形態1〜10を説明する。
<<実施の形態1>>
この発明の実施の形態1に係る立て看板(スタンド物品)を
図1A〜
図5Bを参照して説明する。
図1Aはこの発明の実施の形態1に係る立て看板10を、後述する第2の使用形態で示す斜視図で、オモテ面側(表示面側)から見た状態を示す。
図1Aを参照して第2の使用形態における立て看板10の概要を説明する。立て看板10は、2枚の看板(パネル)12,14と、これら看板12,14どうしを折り畳み式に開閉可能に連結する連結機構として連結部材16を有する。
図1Aに示す第2の使用形態は、2枚の看板12,14を、連結部材16を介して横方向(水平方向)に180度未満の角度で開いて(拡げて)、店先等の概ね水平面で構成される支持面18(地面、歩道、廊下等)に置いて使用している状態である。このとき、2枚の看板12,14は、いずれも支持面18に着地している。連結部材16の中間部材17,19も看板12,14の背後側の位置で支持面18に着地して、支柱として看板12,14を倒れないように支持している。看板12,14の前面は広告、宣伝、告知、通知等を表示する表示面(パネル面)20a,22a(黒板面、ホワイトボード面、紙等の貼付面等)をそれぞれ構成する。この第2の使用形態では、
図1Aから理解されるように、立て看板10を正面視すなわち前方(表示面20a,22aを水平方向から均等の対面角度で視認する方向)から見たときに、表示面20a,22aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状(「ハ」の字形状、「八」の字形状、逆「V」字形状等)をなす。また、
図1Cから理解されるように、立て看板10を平面視すなわち上方から見たときに、表示面20a,22aどうしが後方(前方と逆の方向)に向けて拡がる投影形状(逆「ハ」の字形状、逆「八」の字形状、「V」字形状等)をなす。また、第2の使用形態において表示面20a,22aが向く方向を
図1Aに矢印A,Bでそれぞれ示す。すなわち、第2の使用形態では、表示面20a,22aは、互いに斜め外方を向き、かつ共に斜め上方を向く。
【0020】
この立て看板10によれば、店舗の店先等で、2枚の看板12,14を、
図1Aに示すように道路(通路)に沿った方向に開いて置くことにより、道路の両方向から来る通行者や車両の運転者が、各者が向き合う表示面20aまたは22aの表示を視認することができる。しかも、視認者が看板12,14の傍らを通り過ぎる際に(つまり、看板12,14に最も接近したときに)、表示面20a,22aは従来のA型看板に比べて視認者の方に向くようになるので、視認者は表示を容易に視認することができる。つまり、視認者は看板12,14の表示を広い移動範囲にわたり視認することができる。
図1Bは
図1Aの立て看板10をウラ面側から見た状態を示す。
図1Cは
図1Aの立て看板10を真上から見た状態を示す。
【0021】
この立て看板10は、
図1A〜
図1Cに示す第2の使用形態のほかに、それぞれ後述する第1の使用形態(
図4)および第3の使用形態(
図5A、
図5B)で使用することができる。また、立て看板10は折り畳み式であり、使用しないときは
図3に示すようにコンパクトに折り畳むことができ、この折り畳んだ状態で収納することができる。
【0022】
図2A〜
図2Dを参照して立て看板10の構造を説明する。
図2A、
図2Bは、立て看板10を全展開した状態を示す。
図2Aは表示面20a,22aをオモテ側にした状態を示す。
図2Bは表示面20a,22aをウラ側にした状態(
図2Aのウラ側から見た状態)を示す。立て看板10は、部品を外したり、ねじを緩めたりすることなく、そのまま
図2A、
図2Bに示す平坦な形(全展開状態)に拡げることができる。ただし、平坦な形に全展開できることはこの発明において必須ではない。
【0023】
はじめに、看板12について説明する。
図2Aにおいて、看板12は正面形状が長方形状(矩形状)の枠24と表示板20を有する。表示板20は、枠24の開口部25を塞ぐように枠24に嵌め込み装着されている。枠24はここでは軸直交断面形状が同一の4本の木製の棒材24A,24B,24C,24Dを長方形状に組んでねじ止め固定して構成されている。棒材24A,24B,24C,24Dはここでは角材が用いられているが、丸棒材等を用いることもできる。また、ねじ止めに代えて、またはねじ止めと共に、木組み、接着等を用いて固定することもできる。枠24において、棒材24Aは長方形の左辺、棒材24Bは長方形の上辺、棒材24Cは長方形の右辺、棒材24Dは長方形の下辺をそれぞれ構成する。左右の棒材24A,24Cの下部は下辺24Dの位置よりも長く延びて、支持面(立て看板10を立てて置く地面等)に着地する脚24Aa,24Caを構成する。表示板20は木製合板等の板材で構成されている。表示板20のオモテ面は表示面20aを構成する。枠24と表示板20の連結構造を
図2Cに示す。
図2Cは
図2Aの棒材24AのI−I矢視位置並びに棒材24B,24C,24Dの同等位置の断面構造である。棒材24A,24B,24C,24Dには、開口部25の内周側に位置する面について、その長さ方向の全長にわたり溝28が形成されている。表示板20はその周縁部の全周が溝28に収容されている。これにより、表示板20は開口部25に嵌め込まれた状態で枠24に装着されている。なお、枠24は、木材に限らず、合成樹脂材、金属材等で構成することもできる。金属材の場合は溶接、ねじ止め等で枠状に構成することもできる。また、表示板20は、木製合板に限らず、合成樹脂板、金属板、有孔ボード(木製、合成樹脂製、金属製等によるパンチングボード)で構成することもできる。枠24、表示板20の両方が鉄等の金属の場合は、枠24と表示板20を溶接、ねじ止め等で連結することもできる。また、看板12は枠に表示面を取り付ける構造に限らず、枠無しで全体が板状の構造にする(例えば、厚手の1枚の木製板材で全体を構成する)こともできる。
【0024】
図2Aにおいて、看板12の組み立ては、例えば次のようにして行われる。はじめに、左辺、上辺、右辺の棒材24A,24B,24Cをねじ止め固定してこれら3辺を組み付ける。この状態で、表示板20の左辺および右辺を、棒材24A,24Cの自由端(脚24Aa,24Caの自由端)に開放されている溝28,28の端部から、溝28,28に差し込む。次いで、表示板20を溝28,28に沿ってスライドさせて開口部25に進入させる。表示板20の上辺が棒材24Bの溝28に差し込まれて表示板20の進入が係止されたら、下辺の棒材24Dを左右の棒材24A,24C間に配置し、棒材24Dの溝28に表示板20の下辺を差し込み、棒材24Dの両端を左右の棒材24A,24Cにねじ止め固定する。これで、枠24の開口部25が表示板20で完全に塞がれた状態となり、看板12の組み立てが完了する。
【0025】
看板14は看板12と全く同一に構成されている。すなわち、
図2Aにおいて、看板14は長方形状の枠30と表示板22を有する。表示板22は、枠30の開口部31を塞ぐように枠30に嵌め込み装着されている。枠30は4本の木製の棒材30A,30B,30C,30Dを長方形状に組んでねじ止め固定して構成されている。枠30において、棒材30Aは長方形の左辺、棒材30Bは長方形の上辺、棒材30Cは長方形の右辺、棒材30Dは長方形の下辺をそれぞれ構成する。左右の棒材30A,30Cの下部は下辺30Dの位置よりも長く延びて、支持面に着地する脚30Aa,30Caを構成する。表示板22は木製合板等の板材で構成されている。表示板22のオモテ面は表示面22aを構成する。看板14のより詳細な構成および組み立て方法は看板12について説明したものと同じなので、その説明を省略する。
【0026】
次に、連結部材16について説明する。
図2A、
図2Bにおいて、連結部材16は中間部材17,19と、関節を構成する合計6個のヒンジ(蝶番)44〜49を有する。ヒンジ44〜49は、1関節当たり2個使用されて、合計3箇所の関節を構成する。中間部材17は長方形状の枠34を有する。中間部材17は看板12を支持面に支持する支持部材を構成する。枠34の開口部38は開放されている。枠34はここでは看板12,14の枠24,30と同一材料および同一軸直交断面形状(ただし
図2Cの溝28は有しない)の4本の木製の棒材34A,34B,34C,34Dを長方形状に組んでねじ止め固定して構成されている。枠34において、棒材34Aは長方形の左辺、棒材34Bは長方形の上辺、棒材34Cは長方形の右辺、棒材34Dは長方形の下辺をそれぞれ構成する。
図2Dは
図2Aの棒材34AのII−II矢視位置並びに棒材34B,34C,34Dの同等位置の断面構造である。枠34には表示板を嵌め込まないので、棒材34A,34B,34C,34Dには、看板12,14の棒材24A,24B,24C,24Dの溝28(
図2C)に相当する溝が形成されていない。また、枠34は、看板12,14の枠24,30の脚24Aa,24Caに相当する脚を有しない。枠34の外形寸法は、脚24Aa,24Caを除いた枠24,30の外形寸法と同じである。枠34の縦寸法(中間部材17の縦寸法)は、脚を有しない分、脚24Aa,24Caを含めた枠24,30の縦寸法(看板12,14の縦寸法)よりも短い。脚24Aa,24Caを伸縮式にして脚24Aa,24Caの長さを調整可能にすることにより、脚24Aa,24Caの長さによって支持面に対する看板12,14の傾斜角度を調整可能にすることもできる。すなわち、脚24Aa,24Caを長くすれば看板12,14の傾斜は大きくなり(寝てくる)、脚24Aa,24Caを短くすれば看板12,14の傾斜は小さくなる(立ってくる)。脚24Aa,24Caを伸縮式にする構造としては、例えば、棒材24A,24C,30A,30Cをそれぞれ、いわゆる突っ張り棒のような伸縮自在の2重パイプ構造にして、その伸縮長さを自在に調整して固定できる構造とすることが考えられる。
【0027】
中間部材19は中間部材17と全く同一に構成されている。すなわち、中間部材19は長方形状の枠40を有する。中間部材19は看板14を支持面に支持する支持部材を構成する。枠40の開口部42は開放されている。枠40はここでは中間部材17の枠34と同一材料および同一軸直交断面形状の4本の木製の棒材40A,40B,40C,40Dを長方形状に組んでねじ止め固定して構成されている。枠40において、棒材40Aは長方形の左辺、棒材40Bは長方形の上辺、棒材40Cは長方形の右辺、棒材40Dは長方形の下辺をそれぞれ構成する。中間部材19の詳細構成は中間部材17について説明したものと同じなので、その説明を省略する。なお、中間部材17,19は枠状の構造に限らず板状の構成にすることもできる。
【0028】
中間部材17,19どうしは、中間部材17の右辺34Cと中間部材19の左辺40Aの
図2Aに現れている面側において、上下2個のヒンジ44,45(第3のヒンジ)によって(木ねじで36で留めて) 相互に連結されている。これにより、中間部材17,19どうしは、ヒンジ44,45を介して、
図2A、
図2Bに示す180度に開いた状態と、
図2Aの紙面の手前側(
図2Bの紙面の奥側)に0度に閉じた状態の間の任意の角度に開閉できる。なお、ヒンジ44,45を、左右の羽根部を分離可能にした抜き差し式蝶番(ワンタッチリリース丁番や丁番掛金と呼ばれるロック機能付きが望ましい)で構成することにより、立て看板10を左右分離式に構成することもできる。すなわち、これによれば、立て看板10を、看板12と中間部材17をヒンジ46,47で連結した部分と、看板14と中間部材18をヒンジ48,49で連結した部分に分離可能である。これら分離した部分は、A型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等としてそれぞれ使用することができる。
【0029】
看板12と中間部材17どうしは、看板12の上辺24Bと中間部材17の上辺34Bの
図2Bに現れている面側において、左右2個のヒンジ46,47(第1のヒンジ)によって(木ねじで36で留めて)相互に連結されている。これにより、看板12と中間部材17どうしは、ヒンジ46,47を介して、
図2Aに示す180度に開いた状態と、
図2Aの紙面の奥側(
図2Bの紙面の手前側)に0度に閉じた状態の間の任意の角度に開閉できる。
【0030】
看板14と中間部材19どうしは、看板14の上辺30Bと中間部材19の上辺40Bの
図2Bに現れている面側において、左右2個のヒンジ48,49(第2のヒンジ)によって(木ねじで36で留めて)相互に連結されている。これにより、看板14と中間部材19どうしは、ヒンジ48,49を介して、
図2Aに示す180度に開いた状態と、
図2Aの紙面の奥側(
図2Bの紙面の手前側)に0度に閉じた状態の間の任意の角度に開閉できる。
【0031】
第1のヒンジ46,47と第3のヒンジ44,45の軸線は互いに直角に配置され、第2のヒンジ48,49と第3のヒンジ44,45の軸線は互いに直角に配置されている。第1のヒンジ46,47、第2のヒンジ48,49、第3のヒンジ44,45の開き角の組み合わせにより、立て看板10は後述する様々な形態(全閉状態、第1〜第3の使用形態)をとることができる。
【0032】
立て看板10には、看板12,14相互間の角度および看板12,14と中間部材17,19相互間の角度を特定の角度に維持して、立て看板10の各形態を維持するための角度維持部材として、掛けがねが取り付けられている。すなわち、
図2A、
図2Bに示すように、看板12の棒材24Aの外側の側面にはフック式掛けがね33のフック33aが取り付けられ、中間部材17の棒材34Aの外側の側面には、フック33aを掛けるリング33bが取り付けられている。同様に、看板14の棒材30cの外側の側面にはフック式掛けがね35のフック35aが取り付けられ、中間部材19の棒材40Cの外側の側面には、フック35aを掛けるリング35bが取り付けられている。掛けがね33(フック33aとリング33b)および掛けがね35(フック35aとリング35b)は、後述する第1〜第3の使用形態において、看板12,14と中間部材17,19の開き角度を特定の角度に維持するためのものである。ここでは、第1〜第3の使用形態において、中間部材17,19が支持面18に垂直に立った状態で、看板12,14の脚24Aa,24Ca,30Aa,30Caが支持面18に着地した状態となる看板12,14と中間部材17,19の開き角度を該特定の角度として設定している。なお、看板12,14と中間部材17,19の開き角度が該特定の角度よりも拡がらないように、看板12,14と中間部材17,19間またはヒンジ46,47,48,49にストッパを設けることもできる。
【0033】
図2Aに示すように、看板14の棒材30Aの正面には打掛式掛けがね37のバー37aが取り付けられ、看板12の棒材24Cの正面にはバー37aを掛ける受け金具37bが取り付けられている。掛けがね37(バー37aと受け金具37b)は、後述する第3の使用形態(
図5A,
図5B)において、看板12,14の相互の開き角度を180度に維持するためのものである。
【0034】
図2A、
図2Bに示すように、中間部材17の棒材34Aの外側の側面には打掛式掛けがね39のバー39aが取り付けられ、中間部材19の棒材40Cの外側の側面にはバー39aを掛ける受け金具39bが取り付けられている。掛けがね39(バー39aと受け金具39b)は、後述する全閉状態(
図3)および第1の使用形態(
図4)において、中間部材17,19の開き角度を0度(閉じた状態)に維持するためのものである。
【0035】
以上説明した構成を有する立て看板10の様々に変化する形態について説明する。
《全閉状態:
図3》
図3に示すように全ヒンジ45〜49を完全に閉じる。これにより、看板12、中間部材17,19、看板14がこの順で折り重なって、縦、横が概ね看板10,12の大きさで、厚さが概ね看板12、中間部材17,19、看板14の各厚さを足し合わせた厚さに折り畳まれる。支持面18に立てると、立て看板10は4本の脚24Aa,24Ca,30Aa.30Caで自立し、中間部材17,19の下端面は支持面18から浮いた状態となる。立て看板10を使用しないときは、この折り畳んだ状態で収納することができる。掛けがね39のバー39aを受け金具39bに掛けることにより、中間部材17,19を閉じた状態に維持することができる。また、一方の掛けがね33のフック33aを他方の掛けがね35のリング35bに掛け、他方の掛けがね35のフック35aを一方の掛けがね33のリング33aに掛けることにより、看板12、中間部材17,19、看板14を閉じた状態に維持することができる。
【0036】
《第1の使用形態:
図4》
第1の使用形態は、
図4に示す、A型看板と同様の使用形態である。
図3の全閉状態からは、例えば次の手順で第1の使用形態に移行させることができる。はじめに、店舗の店先等で、立て看板10を
図3の全閉状態で支持面18に置く。このとき、看板12,14を道路に沿った方向に互いに背中合わせ方向に向ける。ヒンジ44,45の軸線は垂直(鉛直)方向に延在し、ヒンジ46,47およびヒンジ48,49の軸線は互いに平行でかつ道路に沿った方向に直交する水平方向に延在する。この状態から、掛けがね39のバー39aを受け金具39bに掛けたまま、すなわち中間部材17,19間(ヒンジ44,45)を閉じたまま、看板12と中間部材17間(ヒンジ46,47)および看板14と中間部材19間(ヒンジ48,49)を互いに均等に開いていく。これにより、看板12,14は道路に沿って互いに背中合わせ方向に向いたまま、共に斜め上方に向いていく。これに伴い、中間部材17,19が下降する。中間部材17,19の下端面が支持面18に着地したところで看板12,14の拡開を停止する。このとき中間部材17,19は支持面18に垂直に直立状態であり、傾斜した看板12,14を支持する。この状態で掛けがね33のフック33aをリング33bに掛け、掛けがね35のフック35aをリング35bに掛ける。これにより、看板12と中間部材17間(ヒンジ46,47)の開き角度が維持され、看板14と中間部材19間(ヒンジ48,49)の開き角度が維持される。これが
図4に示す第1の使用形態であり、立て看板10は自立し、従来のA型看板と同様に、看板12,14を、道路に沿った互いに背中合わせ方向に向かせて使用することができる。
【0037】
《第2の使用形態:
図1A〜
図1C》
第2の使用形態は、前述した
図1A〜
図1Cに示す使用形態である。
図4の第1の使用形態からは例えば次の手順で第2の使用形態に移行させることができる。
図4の状態から、掛けがね33,35を掛けたまま、掛けがね39のバー39aを受け金具39bから外して、中間部材17,19間(ヒンジ44,45)を例えば90度前後の角度に開く(道路に沿った方向に開く)。これが
図1A〜
図1Cに示す第2の使用形態である。このとき中間部材17,19が直立状態で支持面18に立って看板12,14が中間部材17,19に支持された状態で、立て看板10は支持面18に自立する。ヒンジ44,45の軸線は垂直方向に延在し、ヒンジ46,47およびヒンジ48,49の軸線は同一水平面上に配置される。このとき、立て看板10を前方(表示面20a,22aを水平方向から均等の対面角度で視認する方向)から見ると表示面20a,22aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状をなし(
図1A参照)、立て看板10を上方から見ると表示面20a,22aどうしが後方(前方と逆の方向)に向けて拡がる投影形状をなす(
図1C参照)。すなわち、2枚の看板12,14の表示面20a,22aは、
図1Aに矢印A,Bで示す方向(互いに斜め外方に向かい、かつ共に斜め上方に向かう方向)を向いた状態となる。この状態では、道路の両方向から来る通行者や車両の運転者が、各者が向き合う表示面20aまたは22aの表示を視認することができる。しかも、視認者が看板12,14の傍らを通り過ぎる際に(つまり、看板12,14に最も接近したときに)、表示面20a,22aは従来のA型看板に比べて視認者の方に向くようになるので、視認者は表示を容易に視認することができる。つまり、視認者は看板12,14の表示を広い移動範囲にわたり視認することができる。第2の使用形態において、中間部材17,19間(ヒンジ44,45)の開き角度を所定角度(例えば90度)に確実に維持するために、例えば、中間部材17,19間に掛けがねを掛けるようにすることもできる。
【0038】
《第3の使用形態:
図5A,
図5B》
第3の使用形態は、
図5A,
図5Bに示す、看板12,14の相互の開き角度を180度に設定して、表示面20a,22aを同一平面上に(すなわち面一に)配置した使用形態である。第2の使用形態(
図1A〜
図1C)からは、例えば次の手順で第3の使用形態に移行させることができる。
図1A〜
図1Cの状態から、掛けがね33,35を掛けたまま、すなわち看板12と中間部材17間(ヒンジ46,47)および看板14と中間部材19間(ヒンジ48,49)の角度を維持したまま、中間部材17,19間(ヒンジ44,45)を180度の角度に開く。これが
図5A,
図5Bに示す第3の使用形態である。このとき、中間部材17,19が直立状態で支持面18に立ち、看板12,14が中間部材17,19に支持された状態で、立て看板10は支持面18に自立する。ヒンジ44,45の軸線は垂直方向に延在し、ヒンジ46,47およびヒンジ48,49の軸線は同一水平線上に配置される。このとき、2枚の看板12,14の表示面20a,22aは、同一平面上に(すなわち面一に)あり、かつ共に斜め上方を向いた状態となる。表示面20a,22aを例えば道路に沿った方向と平行に配置して使用することができる。
図5Aに示すように、掛けがね37のバー37aを受け金具37bに掛けることにより、第3の使用形態を確実に維持することができる。第3の使用形態によれば、表示面20a,22aの一方の面だけでは収まりきらない大きな画像等を2つの表示面20a,22aの全体を使って表示することができる。
【0039】
<<実施の形態2>>
この発明の実施の形態2に係る立て看板を
図6に使用時にオモテ面側から見た状態で示す。この立て看板21は、実施の形態1に係る立て看板10にオプションとして小看板23を着脱自在に取り付けたものである。小看板23を取り付けたこと以外は実施の形態1の立て看板10と同じである。小看板23は、枠27の開口部27aに表示板29を嵌め込んだ構成を有する。表示板29のオモテ面は表示面29aを構成し、広告、宣伝、告知、通知等を表示するのに利用することができる。小看板23を使用するときは、立て看板21の使用形態を前記第2の使用形態(
図1A〜
図1C)に設定して、小看板23を、例えば連結部材16に着脱自在に取り付ける。その具体的な取付方法としては、例えば、小看板23の背面にフック(図示せず)を下向きに固定し、連結部材16の中間部材17,19の隙間15に露出している下側のヒンジ45(
図1A)の軸部の上部に該フックを上から掛けて取り付ける方法が考えられる。あるいは、小看板23の背面にベルトを取り付けて、該ベルトを中間部材17,19の棒材34C,40Aに巻き付けて取り付ける方法も考えられる。
【0040】
<<実施の形態3>>
この発明の実施の形態3に係る立て看板を
図7に第3の使用形態で示す。この立て看板32は、実施の形態1に係る立て看板10の連結部材16の中間部材17,19の枠34,40に表示板41,43をそれぞれ嵌め込むことにより、中間部材17,19が追加の看板51,53を構成するようにしたものである。表示板41,43追加したこと以外は実施の形態1の立て看板10と同じである。ただし、枠34,40の、開口部38,42に臨む内周面全周には表示板41,43の周縁部の全周を差し込む溝(
図2Cの溝28に相当する溝)を形成する。表示板41,43のオモテ面はそれぞれ表示面41a,43aを構成する。これにより、全4枚の看板12,14,51,53を有する立て看板32が構成される。立て看板32は、実施の形態1に係る立て看板10について説明した様々な形態(全閉状態、第1〜第3の使用形態)をとることができる。立て看板32を
図7に示す第3の使用形態に設定すれば、4枚の看板12,14,51,53を効果的に利用することができる。このとき、立て看板32を店先等で、看板12,14と看板51,53が道路に沿った互いに逆方向に向くように設置することにより、
図4のA型看板の使用形態(第1の使用形態)に対し2倍の表示面積を有するA型看板として使用することができる。
【0041】
<<実施の形態4>>
この発明の実施の形態4に係る立て看板を
図8に表示面をオモテ側にして全展開状態で示す。この立て看板50は、実施の形態1の立て看板10における連結部材16の中間部材17,19の構造および中間部材17,19の連結構造を変更したものである。中間部材17,19の構造および中間部材17,19の連結構造を変更したこと以外は実施の形態1の立て看板10と同じである。
図8において、立て看板50の連結部材16’の中間部材17、19は、
図2Aの立て看板10の、閉じた枠状に構成した中間部材17,19を、その周方向の一部をカットして、開いた枠状に変更して、省材料化および軽量化を図ったものである。すなわち、
図8の立て看板50において、連結部材16’の中間部材17の枠34は右辺34C’および下辺34D’が短くカットされ、中間部材19の枠40は左辺40A’および下辺40D’が短くカットされている。中間部材17,19を相互に連結する第3のヒンジ44,45は上側のヒンジ44のみで構成され、
図1Aの下側のヒンジ45は廃止されている。枠34の右辺34C’の端面および枠40は左辺40A’の端面には、金属製等のフック65がそれぞれねじ止め等で取り付けられている。フック65は、立て看板50の使用時に、チラシ受け、小看板等を吊り下げるフックとして利用することができる。この立て看板50によれば、実施の形態1の立て看板10と同様に、全閉状態(非使用状態)と第1〜第3の使用形態に形態を変化させることができる。第1〜第3の使用形態において、中間部材17,19は依然として、傾斜した看板12,14を支持する機能を果たすことができる。
【0042】
<<実施の形態5>>
この発明の実施の形態5に係る立て看板を
図9に第2の使用形態で示す。この立て看板52は、実施の形態1の立て看板10における連結部材16の中間部材17,19の連結構造を変更したものである。すなわち、立て看板52の連結部材16”は、実施の形態1の立て看板10のヒンジ44,45を廃止し、代わりに、中間部材17,19の隣接する左右下端部どうし(棒材34C,40Aの下端部どうし)を、関節を構成する自在継手57で連結して構成されている。自在継手57は、例えば、凸球部と凹球部を嵌め合わせた構造を有するものとして構成することができる。中間部材17,19の連結構造を変更したこと以外は実施の形態1の立て看板10と同じである。ただし、実施の形態5の立て看板52の場合は、看板12,14と中間部材17,19間の角度を任意に設定できるので、設定しようとする該角度に応じて掛けがね33,35(
図1B)のフック33a,35aの長さを適宜に設定することができる。あるいは、フック33a,35aを掛けるリング33b,35bを、棒材34A,40Bの長手方向に沿って複数個取り付けて、使用者がフック33a,35aを掛けるリング33b,35bの位置を適宜選択可能にすることにより、看板12,14と中間部材17,19間の角度を変更して使用できるようにすることもできる。この立て看板52によれば、実施の形態1の立て看板10と同様に、全閉状態(非使用状態)と第1〜第3の使用形態に形態を変化させることができる。この場合、立て看板52では、第1〜第3の使用形態において、支持面18に対する中間部材17,19の姿勢を直立以外の姿勢(支持面18に対し傾斜した姿勢)に設定することもできる。このとき、第1の使用形態では、立て看板52の正面視はM字形状となる。また、第2の使用形態では、立て看板52を前方(表示面20a,22aを水平方向から均等の対面角度で視認する方向)から見ると表示面20a,22aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状をなし、立て看板52を上方から見ると表示面20a,22aどうしが後方(前方と逆の方向)に向けて拡がる投影形状をなす。すなわち、2枚の看板12,14の表示面20a,22aは、
図9Aに矢印A,Bで示す方向(互いに斜め外方に向かい、かつ共に斜め上方に向かう方向)を向いた状態となる。なお、中間部材17,19の下部に、看板12,14の脚24Aa,24Ca,30Aa,30Caと同様の脚を設けて、看板12,14、中間部材17,19の高さ寸法を全て等しく設定することもできる。なお、自在継手57を着脱式(カップリングを着脱できる構造)にすることにより、立て看板52を左右分離式に構成することもできる。すなわち、これによれば、立て看板52を、看板12と中間部材17をヒンジ46,47で連結した部分と、看板14と中間部材18をヒンジ48,49で連結した部分に分離可能である。これら分離した部分は、A型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等としてそれぞれ使用することができる。
【0043】
<<実施の形態6>>
この発明の実施の形態6に係る立て看板を
図10A〜
図11Bに示す。
図10Aは実施の形態6に係る立て看板55を、表示面をオモテ側にして全展開状態で示し、
図10Bは同表示面をウラ側にして全展開状態で示す。立て看板55は、部品を外したり、ねじを緩めたりすることなく、そのまま
図10A、
図10Bに示す平坦な形(全展開状態)に拡げることができる。ただし、平坦な形に全展開できることはこの発明において必須ではない。
図11Aは立て看板55を使用状態でオモテ面側から見た状態を示し、
図11Bは同ウラ面側から見た状態を示す。
【0044】
図10A,
図10Bを参照して、立て看板55の構成を説明する。立て看板55は、2枚の看板54,56と、これら看板54,56どうしを折り畳み式に開閉可能に連結する連結部材59を有する。連結部材59は、ここでは上下2個のヒンジ60,62で構成されている。
【0045】
看板54について説明する。
図10Aにおいて、看板54は正面形状が台形状の枠58と表示板64を有する。表示板64は、枠58の開口部61を塞ぐように枠58に嵌め込み装着されている。枠58はここでは軸直交断面形状が同一の4本の木製の棒材58A,58B,58C,58Dを台形状に組んでねじ止め固定して構成されている。棒材58A,58B,58C,58Dはここでは角材が用いられているが、丸棒材等を用いることもできる。また、ねじ止めに代えて、またはねじ止めと共に、木組み、接着等を用いて固定することもできる。枠58において、棒材58Aは台形の左辺、棒材58Bは台形の上辺、棒材58Cは台形の右辺、棒材58Dは台形の下辺をそれぞれ構成する。左右の棒材58A,58Cの下部は下辺58Dの位置よりも長く延びて、支持面(立て看板55を立てて置く地面等)に着地する脚58Aa,58Caを構成する。表示板64は木製合板等の板材で構成されている。表示板64のオモテ面は表示面64aを構成する。枠58と表示板64の連結構造は、実施の形態1について示した
図2Cの溝28と同様に、枠58の内周側の全周に形成した溝(図示せず)に表示板64の外周縁全周を収容して構成される。これにより、表示板64は開口部61に嵌め込まれた状態で枠58に装着されている。なお、枠58は、木材に限らず、合成樹脂材、金属材等で構成することもできる。また、表示板64は、木製合板に限らず、合成樹脂板、金属板、有孔ボードで構成することもできる。看板54は枠に表示面を取り付ける構造に限らず、枠無しで全体が板状の構造にする(例えば、厚手の1枚の木製板材で全体を構成する)こともできる。
【0046】
看板54の組み立ては、例えば次のようにして行われる。はじめに、左辺、上辺、右辺の棒材58A,58B,58Cをねじ止め固定してこれら3辺を組み付ける。この状態で、表示板64を該3辺の開放された側(下辺の棒材58Dが配置される側)から進入させて、表示板64の左辺、上辺、右辺を棒材58A,58B,58Cの内周側に形成された図示しない前記溝にそれぞれ差し込む。次いで、下辺の棒材58Dを左右の棒材58A,58C間に配置し、棒材58Dの内周側に形成されの前記図示しない溝に表示板64の下辺を差し込み、棒材58Dの両端を左右の棒材58A,58Cにねじ止め固定する。これで、枠58の開口部61が表示板64で完全に塞がれた状態となり、看板54の組み立てが完了する。
【0047】
看板56は看板54と全く同一に構成されている。すなわち、
図10Aにおいて、看板56は台形状の枠66と表示板70を有する。表示板70は、枠66の開口部67を塞ぐように枠66に嵌め込み装着されている。枠66は4本の木製の棒材66A,66B,66C,66Dを台形状に組んでねじ止め固定して構成されている。枠66において、棒材66Aは台形の左辺、棒材66Bは台形の上辺、棒材66Cは台形の右辺、棒材66Dは台形の下辺をそれぞれ構成する。左右の棒材66A,66Cの下部は下辺66Dの位置よりも長く延びて、支持面に着地する脚66Aa,66Caを構成する。表示板70は木製合板等の板材で構成されている。表示板70のオモテ面は表示面70aを構成する。看板56のより詳細な構成および組み立て方法は看板54について説明したものと同じなので、その説明を省略する。
【0048】
看板54,56どうしは、看板54の右辺54Cと看板56の左辺66Aの
図10Bに現れているウラ面側において、連結部材59を構成する上下2個のヒンジ60,62によって相互に連結されている。これにより、看板54,56どうしは、ヒンジ60,62を介して、
図10A、
図10Bに示す180度に開いた状態と、
図10Bの紙面の手前側(
図10Aの紙面の奥側)に0度に閉じた状態の間の任意の角度に開閉できる。看板54、56の裏面の上部には、
図10Bに示すように、掛けがね72と、掛けがね72の先端のフックを掛けるリング74がそれぞれ取り付けられている。なお、立て看板55の背面に支柱を取り付けて、該支柱で立て看板55を背面側から支持面18に支持して、風等に対して立て看板55をより倒れにくくすることもできる。
【0049】
図11A、
図11Bを参照して立て看板55の使用状態を説明する。店舗の店先等で、看板54,56を道路に沿って例えば90度前後の安定して置ける角度に開いた状態にして、立て看板55を支持面18に置く。掛けがね72の先端のフックをリング74に掛けて看板54,56の開閉角度を固定する。これが
図11A、
図11Bに示す使用時の状態であり、立て看板55は支持面18に自立する。このとき、ヒンジ60,62の軸線76は垂線(鉛直線)に対して傾斜して配置される。そして、立て看板55を前方(表示面64a,70aを水平方向から均等の対面角度で視認する方向)から見ると表示面64a,70aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状をなし、立て看板55を上方から見ると表示面64a,70aどうしが後方(前方と逆の方向)に向けて拡がる投影形状をなす。すなわち、2枚の看板54,56の表示面64a,70aは、
図11Aに矢印A,Bで示す方向(互いに斜め外方に向かい、かつ共に斜め上方に向かう方向)を向いた状態となる。この状態では、道路の両方向から来る通行者や車両の運転者が、各者が向き合う表示面64aまたは70aの表示を視認することができる。しかも、視認者が看板54,56の傍らを通り過ぎる際に(つまり、看板54,56に最も接近したときに)、表示面64a,70aは従来のA型看板に比べて視認者の方に向くようになるので、視認者は表示を容易に視認することができる。つまり、視認者は看板54,56の表示を広い移動範囲にわたり視認することができる。立て看板55を使用しないときは、看板54,56どうしを0度に閉じた状態(折り畳んだ状態)にして収納することができる。
【0050】
<<実施の形態7>>
この発明の実施の形態7に係る立て看板を
図12A〜
図13Bに示す。
図12Aは実施の形態7に係る立て看板78を、表示面をオモテ側にして全展開状態で示し、
図12Bは同表示面をウラ側にして全展開状態で示す。立て看板78は、部品を外したり、ねじを緩めたりすることなく、そのまま
図12A、
図12Bに示す平坦な形(全展開状態)に拡げることができる。ただし、平坦な形に全展開できることはこの発明において必須ではない。
図13Aは立て看板78を使用状態でオモテ面側から見た状態を示し、
図13Bは同ウラ面側から見た状態を示す。
【0051】
図12A,
図12Bを参照して、立て看板78の構成を説明する。立て看板78は、2枚の看板79,81と、これら2枚の看板79,81どうしを折り畳み式に開閉可能に連結する連結部材80を有する。連結部材80は、ここでは1個のヒンジ82で構成されている。
【0052】
看板79について説明する。
図12Aにおいて、看板79は正面形状が変形長方形状(変形矩形状)の枠84と表示板90を有する。表示板90は、枠84の開口部88を塞ぐように枠84に嵌め込み装着されている。枠84はここでは軸直交断面形状が同一の5本の木製の棒材84A,84B,84C,84D,84Eを変形四辺形状に組んでねじ止め固定して構成されている。棒材84A,84B,84C,84D,84Eはここでは角材が用いられているが、丸棒材等を用いることもできる。また、ねじ止めに代えて、またはねじ止めと共に、木組み、接着等を用いて固定することもできる。枠84において、棒材84Aは変形四辺形の左辺、棒材84Bは変形四辺形の上辺、棒材84Dは変形四辺形の右辺、棒材84Eは変形四辺形の下辺をそれぞれ構成する。棒材84Cは棒材84Bと棒材84Dの角部を斜めに繋ぐ傾斜辺を構成する。左右の棒材84A,84Dの下部は下辺84Dの位置よりも長く延びて、支持面(立て看板78を立てて置く地面等)に着地する脚84Aa,84Daを構成する。表示板90は木製合板等の板材で構成されている。表示板90のオモテ面は表示面90aを構成する。枠84と表示板90の連結構造は、実施の形態1について示した
図2Cの溝28と同様に、枠84の内周側の全周に形成した溝(図示せず)に表示板90の外周縁全周を収容して構成される。これにより、表示板90は開口部88に嵌め込まれた状態で枠84に装着されている。なお、枠84は、木材に限らず、合成樹脂材、金属材等で構成することもできる。また、表示板90は、木製合板に限らず、合成樹脂板、金属板、有孔ボードで構成することもできる。看板79は枠に表示面を取り付ける構造に限らず、枠無しで全体が板状の構造にする(例えば、厚手の1枚の木製板材で全体を構成する)こともできる。
【0053】
看板79の組み立ては、例えば次のようにして行われる。はじめに、左辺、上辺、傾斜辺、右辺の棒材84A,84B,84C,84Dをねじ止め固定してこれら4辺を組み付ける。この状態で、表示板90の左辺および右辺を、棒材84A,84Dの自由端に開放されている図示しない前記溝の端部から該溝に差し込む。次いで、表示板90を該溝に沿ってスライドさせて開口部88に進入させる。表示板90の上辺および傾斜辺が棒材84B,84Cの該溝に差し込まれて表示板90の進入が係止されたら、下辺の棒材84Eを左右の棒材84A,84D間に配置し、棒材84Eの該溝に表示板90の下辺を差し込み、棒材84Eの両端を左右の棒材84A,84Dにねじ止め固定する。これで、枠84の開口部88が表示板90で完全に塞がれた状態となり、看板79の組み立てが完了する。
【0054】
看板81は看板79と左右対称に構成されている。すなわち、
図12Aにおいて、看板81は変形四辺形状の枠92と表示板98を有する。表示板98は、枠92の開口部96を塞ぐように枠92に嵌め込み装着されている。枠92は5本の木製の棒材92A,92B,92C,92D,92Eを変形四辺形状に組んでねじ止め固定して構成されている。枠92において、棒材92Aは変形四辺形の左辺、棒材92Cは変形四辺形の上辺、棒材92Dは変形四辺形の右辺、棒材92Eは変形四辺形の下辺をそれぞれ構成する。左右の棒材92A,92Dの下部は下辺92Eの位置よりも長く延びて、支持面に着地する脚92Aa,92Daを構成する。表示板98は木製合板等の板材で構成されている。表示板98のオモテ面は表示面98aを構成する。看板81のより詳細な構成および組み立て方法は看板79について説明したものと同じなので、その説明を省略する。
【0055】
看板79,81どうしは、看板79の傾斜辺84Cと看板81の傾斜辺92Bの
図12Bに現れているウラ面側において、連結部材80を構成する1個のヒンジ82によって相互に連結されている。これにより、看板79,81どうしは、ヒンジ82を介して、
図12A、
図12Bに示す180度に開いた状態と、
図12Bの紙面の手前側(
図12Aの紙面の奥側)に0度に閉じた状態の間の任意の角度に開閉できる。看板79、81の裏面の上部には、
図12Bに示すように、掛けがね100と、掛けがね100の先端のフックを掛けるリング102がそれぞれ取り付けられている。なお、立て看板78の背面に支柱を取り付けて、該支柱で立て看板78を背面側から支持面18に支持して、風等に対して立て看板78をより倒れにくくすることもできる。
【0056】
図13A、
図13Bを参照して立て看板78の使用状態を説明する。店舗の店先等で、看板79,81を道路に沿って例えば90度前後の安定して置ける角度に開いた状態にして、立て看板78を支持面18に置く。掛けがね100の先端のフックをリング102に掛けて看板79,81の開閉角度を固定する。これが
図13A、
図13Bに示す使用時の状態であり、立て看板78は支持面18に自立する。このとき、ヒンジ82の軸線104は垂線(鉛直線)に対して傾斜して配置される。そして、立て看板78を前方(表示面90a,98aを水平方向から均等の対面角度で視認する方向)から見ると表示面90a,98aどうしが下方向に向けて拡がる投影形状をなし、立て看板78を上方から見ると表示面90a,98aどうしが後方(前方と逆の方向)に向けて拡がる投影形状をなす。すなわち、2枚の看板79,81の表示面90a,98aは、
図13Aに矢印A,Bで示す方向(互いに斜め外方に向かい、かつ共に斜め上方に向かう方向)を向いた状態となる。この状態では、道路の両方向から来る通行者や車両の運転者が、各者が向き合う表示面90aまたは98aの表示を視認することができる。しかも、視認者が看板79,81の傍らを通り過ぎる際に(つまり、看板79,81に最も接近したときに)、表示面90a,98aは従来のA型看板に比べて視認者の方に向くようになるので、視認者は表示を容易に視認することができる。つまり、視認者は看板79,81の表示を広い移動範囲にわたり視認することができる。立て看板78を使用しないときは、看板79,81どうしを0度に閉じた状態(折り畳んだ状態)にして収納することができる。
【0057】
<<実施の形態8>>
この発明の実施の形態8に係る立て看板を、表示面をオモテ側にして全展開状態で
図14に示す。この立て看板106は、実施の形態1に係る立て看板10から表示板20,22を外したものである。したがって、立て看板106の開口部25,31に、実施の形態1における表示板20,22をそれぞれ装着すれば、実施の形態1に係る立て看板10が構成される。開口部25,31を、表示板20,22を装着せずに開口したままにして、枠24,30の上辺を構成する棒材24B,30Bから開口部25,31内に籠を吊り下げて、該籠内にパンフレット、インテリア小物等の物品を置いて展示するのに利用することもできる。
【0058】
<<実施の形態9>>
この発明の実施の形態9に係る立て看板を、表示面をオモテ側にして全展開状態で
図15に示す。この立て看板108は、実施の形態1に係る立て看板10から表示板22を外したものである。したがって、立て看板108の開口部31に、実施の形態1における表示板22を装着すれば、実施の形態1に係る立て看板10が構成される。開口部31を、表示板22を装着せずに開口したままにして、枠30の上辺を構成する棒材30Bから開口部31内に籠等を吊り下げて、該籠等にパンフレット、インテリア小物等の物品を収容して展示するのに利用することもできる。
【0059】
<<実施の形態10>>
図16は、この発明の実施の形態1に係る立て看板10(
図1A〜
図5B)を、表示面をオモテ側にして全展開状態でかつ分解状態で示す。立て看板10は、この発明の実施の形態10に係る立て看板構成部品10A,10Bをヒンジ44,45で相互に組み付けて構成される。立て看板構成部品10A,10Bはそれぞれ単独で立て看板(A型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等)を構成する。立て看板構成部品10Aは、看板12と、中間部材17(支持部材)と、これら看板12および中間部材17を相互に連結する関節としてヒンジ46,47を有する。立て看板構成部品10Bは、看板14と、中間部材19(支持部材)と、これら看板14および中間部材19を相互に連結する関節としてヒンジ48,49を有する。中間部材17,19の棒材34C,40Aには、関節を構成するヒンジ44,45を取り付けるための関節配置部17a,17b,19a,19bが用意されている。ここでは、関節配置部17a,17b,19a,19bには、ヒンジ44,45を取り付ける木ねじ36をねじ込むためのねじ穴63が用意されている。
【0060】
立て看板構成部品10A,10Bは別々に販売することができる。立て看板構成部品10A,10Bの一方だけを購入したユーザーは、それを1台のA型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等として使用することができる。また、追加で他方を購入して(または、最初から立て看板構成部品10A,10Bの両方を購入して)、ヒンジ44,45で立て看板構成部品10A,10Bを連結すれば、実施の形態1の立て看板10が構成される。必要に応じて、
図2A等に示される掛けがね37(バー37、受け金具)および掛けがね39(バー39a、受け金具39b)を取り付けることもできる。ヒンジ44,45を前述した抜き差し式蝶番(ワンタッチリリース丁番や丁番掛金と呼ばれるロック機能付きが望ましい)で構成すれば、立て看板構成部品10A,10Bを着脱式にでき、立て看板構成部品10A,10Bを連結して1台の立て看板10として使用する態様と、立て看板構成部品10A,10Bを分離してそれぞれA型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等として使用する態様とに使用態様を容易に切り替えることができる。なお、前記実施の形態2〜5に係る立て看板についても、左右の構成部分(看板12と中間部材17をヒンジ46,47で連結した構成部分、看板14と中間部材19をヒンジ48,49で連結した構成部分)はそれぞれ立て看板構成部品を構成することができ、各立て看板構成部品はそれぞれ単独でA型看板、イーゼル型看板、パネルスタンド等として使用することができる。この場合も、ヒンジ46〜49を、抜き差し式蝶番(ワンタッチリリース丁番や丁番掛金と呼ばれるロック機能付きが望ましい)でそれぞれ構成することもできる。
【0061】
<<実施の形態11>>
この発明のスタンド物品の実施の形態11を
図17に示す。これは、実施の形態1に係る立て看板10を写真立てに転用したものである。
図17は写真立て111を、
図1に示す実施の形態1に係る立て看板10と同じ姿勢で示す。写真立て111の構造は実施の形態1に係る立て看板10の構造と同じであるので、その説明を省略する。2枚のパネル12,14のパネル面20a,22aには、写真113,115が着脱自在にそれぞれ装着されている。写真に代えて、絵を装着することもできる。写真立て111を小型に構成して卓上型とすることもできる。
【0062】
<<実施の形態12>>
この発明のスタンド物品の実施の形態12を
図18に示す。これは、実施の形態1に係る立て看板10を書籍立てに転用したものである。実施の形態1の立て看板10と対応する部分には同一の符号を用いる。
図18は書籍立て117を、
図1に示す実施の形態1に係る立て看板10と同じ姿勢で示す。書籍立て117の構造は実施の形態1に係る立て看板10の構造と同じであるので、その説明を省略する。パネル12のパネル面20aには、書籍119が、ページを開いて、枠24の下辺を構成する棒材24Dの上に載置支持された状態で、立てかけられて展示されている。同様に、パネル14のパネル面22aには、書籍121が、ページを開いて、枠30の下辺を構成する棒材30Dの上に載置支持された状態で、立てかけられて展示されている。書籍立て117は、書店や図書館等に置かれて書籍の紹介、宣伝等に利用することができる。書籍121に代えて絵画等を同様に立てかけて展示することもできる。
【0063】
<<実施の形態13>>
この発明のスタンド物品の実施の形態12を
図19A、
図19Bに示す。これは、
図18の書籍立て117に比べてより多くの書籍を立てられるように構成した書籍立て(書棚)である。
図18の書籍立て117と対応する部分には同一の符号を用いる。
図19Aは書籍を置く前の状態を示し、
図19Bは書籍を置いた状態を示す。
図19A、
図19Bとも、
図18の書籍立てと同様の姿勢で示す。この書棚118は、
図18の書籍立て117に比べて2枚のパネル12,14および支持部材(枠34,40)を縦長に構成するとともに、2枚のパネル12,14の前面に棚120,122,124を固定設置したものである。それ以外は
図18の書籍立て117と同じであるのでその説明を省略する。掛けがねの図示は省略している。この書棚118は、書店や図書館等に置かれて、
図19Bに示すように各棚120,122,124に書籍126を置いて書籍の展示に利用することができる。また、この書籍立て117をパンフレット立て、チラシ立て等として利用して、店先等に置いて使用することもできる。
【0064】
<<実施の形態14>>
この発明のスタンド物品の実施の形態14に係る写真立てを
図20に示す。この写真立て123は、各ヒンジを各パネルと一体に構成したものである。写真立て123は、4枚の樹脂製パネル125,127,129,131を連結して一体に組み立てられている。すなわち、パネル125,129の上辺どうしがヒンジ133で連結され、パネル127,131の上辺どうしがヒンジ135で連結され、パネル129,131の側辺どうしがヒンジ137で連結されている。各ヒンジ133,135,137は、各パネル125,127,129,131の該当辺の両端部に一体に形成された凸部143と凹部145どうしの嵌め合い(樹脂の可撓性を利用した無理嵌め)で構成されている。これにより、パネル125,129どうしはヒンジ133を介して開閉自在に連結され、パネル127,131どうしはヒンジ135を介して開閉自在に連結され、パネル129,131どうしはヒンジ137を介して開閉自在に連結されている。パネル125,127の前面125a,127a(パネル面)には写真(または絵)139,141が着脱自在にそれぞれ装着される。パネル129,131はパネル125,127どうしを連結して、写真立て123を卓上等の支持面に載置支持する支持部材を構成する。パネル129,131(中間部材)およびヒンジ133,135,137(関節)は連結機構を構成する。この写真立て123は、卓上等の支持面に、
図1(A〜C)、
図5(A,B)と同様の姿勢で水平面に立てて置いて使用することができる。
【0065】
なお、前記実施の形態では、この発明を非電子式立て看板、非電子式写真立てに適用した場合について説明したが、この発明は液晶等の電子式ディスプレイを表示面に配置する電子式立て看板、デジタルフォトフレームにも適用することができる。