特開2021-182278(P2021-182278A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-182278(P2021-182278A)
(43)【公開日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】車両の周辺監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20211029BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20211029BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20211029BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   G08G5/00 A
   B64C39/02
   B64D47/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-87614(P2020-87614)
(22)【出願日】2020年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】橋口 拓允
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB08
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】飛行体の撮影部による撮影画像を、運転開始のために駐車中の車両の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することが可能な、車両の周辺監視システムを得る。
【解決手段】制御部10は、車両情報検出部14が車両1の車室内への人員の乗り込みを検出した場合に、飛行体2が車両1から離陸し、撮影部22が車両1の周辺を撮影し、撮影部22が撮影した映像を通信部122に送信するよう、飛行体2を制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、撮影部を有し、前記車両の車外を飛行可能な飛行体と、
前記車両に設けられ、前記撮影部が撮影した画像を受信可能な通信部と、
前記通信部が受信した画像を前記車両の車室内において表示する表示部と、
前記飛行体を制御する制御部と、
駐車中の前記車両の前記車室内への人員の乗り込みを検出する乗り込み検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記乗り込み検出部が前記車室内への前記人員の乗り込みを検出した場合に、前記飛行体が前記車両から離陸し、前記撮影部が前記車両の周辺を撮影し、前記撮影部が撮影した画像を前記通信部に送信するよう制御する、車両の周辺監視システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記乗り込み検出部が前記車室内への前記人員の乗り込みを検出した場合に、前記飛行体が前記車両の周辺を移動飛行することにより、前記撮影部が複数の方向から前記車両の周辺を撮影し、前記撮影部が撮影した画像を前記通信部に送信するよう制御する、請求項1に記載の車両の周辺監視システム。
【請求項3】
前記車両の車体形状に起因して生じる前記車室内の運転者の視界からの死角が前記撮影部による撮影範囲に含まれるように予め定められた飛行経路を記憶する飛行経路記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記飛行経路記憶部から読み出した前記飛行経路で前記飛行体が移動飛行するよう制御する、請求項2に記載の車両の周辺監視システム。
【請求項4】
駐車中の前記車両の周辺状況に起因して生じる前記車室内の運転者の視界からの死角が前記撮影部による撮影範囲に含まれるように飛行経路を作成する飛行経路作成部をさらに備え、
前記制御部は、前記飛行経路作成部によって作成された前記飛行経路で前記飛行体が移動飛行するよう制御する、請求項2に記載の車両の周辺監視システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両が走行を開始した場合に前記飛行体を前記車両に帰艦させる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両の周辺監視システム。
【請求項6】
前記飛行体はケーブルに接続されており、
前記ケーブルを巻き取る巻き取り装置をさらに備え、
前記制御部は、前記飛行体を前記車両に帰艦させる際に、前記巻き取り装置に前記ケーブルを巻き取らせる、請求項5に記載の車両の周辺監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周辺監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、カメラを備えた飛行体を車両に搭載し、車内のナビゲーション装置からの制御により車両上空で飛行体を飛行させることによって撮影画像を取得し、その撮影画像の解析結果に基づいて車両の走行支援等を行うナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−138853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗員が車両の運転を開始する場合には、乗員は通常、駐車中の車両の周辺に障害物が存在しないか安全確認を行った後に、車両の車室内に乗り込む。しかし、乗員が車室内に乗り込んだ後に、車両の死角領域に子供又は動物等が移動してきた場合には、乗員はその子供又は動物等の存在に気付かずに車両の運転を開始してしまう可能性がある。従って、乗員が車室内に乗り込んだ後の状況においても、乗員が車両周辺の安全を確実に確認できる手段の実現が望まれる。
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示されたナビゲーションシステムによると、飛行体のカメラによる撮影画像を、運転開始のために駐車中の車両の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することは、何ら考えられていない。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、飛行体の撮影部による撮影画像を、運転開始のために駐車中の車両の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することが可能な、車両の周辺監視システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る車両の周辺監視システムは、車両に搭載され、撮影部を有し、前記車両の車外を飛行可能な飛行体と、前記車両に設けられ、前記撮影部が撮影した画像を受信可能な通信部と、前記通信部が受信した画像を前記車両の車室内において表示する表示部と、前記飛行体を制御する制御部と、駐車中の前記車両の前記車室内への人員の乗り込みを検出する乗り込み検出部と、を備え、前記制御部は、前記乗り込み検出部が前記車室内への前記人員の乗り込みを検出した場合に、前記飛行体が前記車両から離陸し、前記撮影部が前記車両の周辺を撮影し、前記撮影部が撮影した画像を前記通信部に送信するよう制御することを特徴とするものである。
【0008】
この態様によれば、制御部は、乗り込み検出部が車室内への人員の乗り込みを検出した場合に、飛行体が車両から離陸し、撮影部が車両の周辺を撮影し、撮影部が撮影した画像を通信部に送信するよう、飛行体を制御する。従って、人員が車両の車室内へ乗り込んだ後に手動による操作入力を行うことなく、車両の周辺(予め設定された所定範囲、例えば、車両を中心とする半径5〜10メートル程度の範囲)の画像が表示部に自動的に表示される。その結果、飛行体の撮影部による撮影画像を、運転開始のために駐車中の車両の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することが可能となる。
【0009】
上記態様において、前記制御部は、前記乗り込み検出部が前記車室内への前記人員の乗り込みを検出した場合に、前記飛行体が前記車両の周辺を移動飛行することにより、前記撮影部が複数の方向から前記車両の周辺を撮影し、前記撮影部が撮影した画像を前記通信部に送信するよう制御することが望ましい。
【0010】
この態様によれば、制御部は、撮影部が複数の方向から車両の周辺を撮影し、撮影部が撮影した画像を通信部に送信するよう制御する。従って、車両の運転者は、表示部に表示された画像(複数のアングルから撮影された画像)を確認することによって、車両の周辺の状況を正確に把握できるため、飛行体による撮影画像を用いた安全確認の向上効果を高めることが可能となる。
【0011】
上記態様において、前記車両の車体形状に起因して生じる前記車室内の運転者の視界からの死角が前記撮影部による撮影範囲に含まれるように予め定められた飛行経路を記憶する飛行経路記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記飛行経路記憶部から読み出した前記飛行経路で前記飛行体が移動飛行するよう制御することが望ましい。
【0012】
この態様によれば、車両の車体形状に起因して生じる車室内の運転者の視界からの死角が撮影部によって撮影され、その撮影された画像が表示部に表示される。従って、運転者は、表示部に表示された画像を確認することによって死角領域の状況を正確に把握できるため、飛行体による撮影画像を用いた安全確認の向上効果をより高めることが可能となる。
【0013】
上記態様において、駐車中の前記車両の周辺状況に起因して生じる前記車室内の運転者の視界からの死角が前記撮影部による撮影範囲に含まれるように飛行経路を作成する飛行経路作成部をさらに備え、前記制御部は、前記飛行経路作成部によって作成された前記飛行経路で前記飛行体が移動飛行するよう制御することが望ましい。
【0014】
この態様によれば、駐車中の車両の周辺状況(周辺の駐車車両又はブロック塀等の障害物の状況)に起因して生じる車室内の運転者の視界からの死角が撮影部によって撮影され、その撮影された画像が表示部に表示される。従って、運転者は、表示部に表示された画像を確認することによって死角領域の状況を正確に把握できるため、飛行体による撮影画像を用いた安全確認の向上効果をより高めることが可能となる。
【0015】
上記態様において、前記制御部は、前記車両が走行を開始した場合に前記飛行体を前記車両に帰艦させることが望ましい。
【0016】
この態様によれば、制御部は、車両が走行を開始した場合に飛行体を車両に帰艦させる。従って、車両の走行開始後に飛行体が周辺の障害物等に接触する事態を予め回避できる。
【0017】
上記態様において、前記飛行体はケーブルに接続されており、前記ケーブルを巻き取る巻き取り装置をさらに備え、前記制御部は、前記飛行体を前記車両に帰艦させる際に、前記巻き取り装置に前記ケーブルを巻き取らせることが望ましい。
【0018】
この態様によれば、制御部は、飛行体を車両に帰艦させる際に、巻き取り装置にケーブルを巻き取らせる。これにより、飛行体を迅速に回収することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、飛行体の撮影部による撮影画像を、運転開始のために駐車中の車両の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る車両周辺監視システムの適用例を示す図である。
図2】飛行体の外観を模式的に示す図である。
図3】飛行体の機能構成を示すブロック図である。
図4】車両の機能構成を示すブロック図である。
図5】飛行体制御部の機能構成を示すブロック図である。
図6】飛行体の規定飛行経路の一例を示す図である。
図7】飛行体の規定飛行経路の一例を示す図である。
図8】車両情報検出部の機能構成を示す図である。
図9】車両の制御部による飛行体の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る車両周辺監視システムの適用例を示す図である。車両1には、車両1の車外を飛行可能な飛行体2が搭載されている。車両1の所定箇所(この例ではリアウインドウ上)には、飛行体2の発着台3が配置されている。発着台3は、飛行体2が離着陸を行うための水平な発着面を有する。発着面の下方には、巻き取りリール19(図1には表れない)が配置されている。巻き取りリール19は、給電用のケーブルであるテザー4が巻装された回転軸(図略)を有している。発着面の略中央部には貫通孔が設けられており、巻き取りリール19の回転軸に巻装されたテザー4は、この貫通孔内を挿通して発着面の上方に引き出され、飛行体2に接続されている。
【0023】
図2は、飛行体2の外観を模式的に示す図である。飛行体2は、いわゆるクワッドコプター型のドローンとして構成されている。飛行体2は、本体部111と、本体部111の前面に配置されたカメラ112と、本体部111の四隅に配置されたプロペラ113と、本体部111の左右両面から垂直に延在するシャフト114と、本体部111を内包する網目球体状の緩衝部材115とを備えている。本体部111と緩衝部材115とは、シャフト114によって互いに固定されている。本体部111の底面にテザー4が接続されている。
【0024】
図3は、飛行体2の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように飛行体2は、通信部21、撮影部22、駆動部23、位置検出部24、及び姿勢検出部25を有している。また、飛行体2は、これら各処理部の動作を制御することによって飛行体2の全体の制御を司る制御部20を有している。さらに、飛行体2は、これら各処理部及び制御部20に駆動電力を供給する電力供給部29を有している。電力供給部29は、テザー4に接続されている。飛行体2の駆動電力を、テザー4を介して車両1側から供給することにより、飛行体2へのバッテリの搭載を省略でき、その結果、飛行体2の軽量化が図られている。飛行体2の総重量は、重量に基づく飛行規制の対象となる制限重量(例えば200グラム)未満である。
【0025】
通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、後述する車両1側の通信部122との間で双方向にデータ通信を行う。但し、テザー4内にデータ通信線を追加することにより、通信部21と通信部122とが当該データ通信線を介して有線通信を行う構成としても良い。
【0026】
撮影部22は、図2に示したカメラ112を含む。撮影部22によって撮影される画像には、静止画像(写真)及び動画像(映像)の双方が含まれる。以下の説明では、撮影部22によって映像が撮影される場合を例にとる。撮影部22は、カメラ112によって撮影された映像の映像データをリアルタイムで出力する。
【0027】
駆動部23は、図2に示したプロペラ113のプロペラシャフトを回転駆動するためのモータを含む。駆動部23は、4つのプロペラ113の回転方向及び回転速度を個別に制御する。これにより、飛行体2は、前進、後進、上昇、降下、旋回、及びホバリング等の任意の飛行動作を行うことができる。
【0028】
位置検出部24は、GPS受信機及び高度センサ等を含み、飛行体2の位置をリアルタイムに検出することにより、その検出された位置を示す位置データを出力する。
【0029】
姿勢検出部25は、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び方位センサ等を含み、飛行体2の姿勢をリアルタイムに検出することにより、その検出された姿勢を示す姿勢データを出力する。
【0030】
制御部20は、撮影部22から出力された映像データ、位置検出部24から出力された位置データ、及び姿勢検出部25から出力された姿勢データを、リアルタイムで通信部21から車両1に送信する。
【0031】
図4は、車両1の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように車両1は、バッテリ制御部11、飛行体制御部12、車両情報検出部14、通信部15、表示部16、及び操作入力部17を有している。また、車両1は、これら各処理部の動作を制御することによって車両1の全体の制御を司る制御部10を有している。さらに、車両1は、これら各処理部及び制御部10に駆動電力を供給するバッテリ18を有している。テザー4は、バッテリ18に接続されている。また、車両1は、巻き取りリール19を有している。巻き取りリール19の駆動電力は、バッテリ18から供給される。巻き取りリール19は、テザー4が巻装された回転軸(図略)と、当該回転軸を回転駆動するためのモータ(図略)とを有している。巻き取りリール19は、飛行体2の飛行状況に応じた適正量のテザー4が回転軸から繰り出されるように、モータによる回転軸の駆動によってテザー4の送出及び回収を制御する。
【0032】
バッテリ制御部11は、バッテリ18の充放電動作を制御する。また、バッテリ制御部11は、バッテリ18からテザー4への電力供給の開始及び停止を制御する。
【0033】
飛行体制御部12は、飛行体2の飛行を制御する。飛行体制御部12の詳細については後述する。
【0034】
車両情報検出部14は、車両1の各種情報を検出する。車両情報検出部14の詳細については後述する。
【0035】
通信部15は、予め登録されたユーザの携帯端末との間で、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等の任意の無線通信方式によって、双方向にデータ通信を行う。携帯端末は、表示部を有するスマートフォン、タブレット、及びノートパソコン等である。
【0036】
表示部16は、LCD又は有機EL等の任意の表示装置を用いた車載ディスプレイを含む。表示部16は、カーナビゲーション装置が備えるディスプレイであっても良い。
【0037】
操作入力部17は、車両1の運転者又は同乗者によって手動による操作入力が可能なスイッチを含む。操作入力部17には、例えば、ステアリングスイッチ、車載ディスプレイのタッチパネル、及び、ユーザの携帯端末のタッチパネルが含まれる。
【0038】
図5は、飛行体制御部12の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように飛行体制御部12は、通信部122、飛行経路記憶部123、操縦信号生成部124、撮影信号生成部125、及びリール制御部126を有している。また、飛行体制御部12は、これら各処理部の動作を制御する制御部121を有している。
【0039】
通信部122は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、上述した飛行体2側の通信部21との間で双方向にデータ通信を行う。通信部122は、飛行体2側の通信部21から送信された映像データ、位置データ、及び姿勢データを受信する。
【0040】
飛行経路記憶部123は、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリを用いて構成されている。発着台3の位置を基準とする飛行体2の規定飛行経路が予め定められて、その規定飛行経路を示す飛行経路データが、飛行経路記憶部123に予め記憶されている。例えば、
・車両1の周辺(予め設定された所定範囲、例えば、車両1を中心とする半径5〜10メートル程度の範囲)の上空で所定周回数の旋回を行う旋回経路(図6
・車両1の前方から後方に向かって車両1の上空を直進して縦断する直進縦断経路
・車両1の前方から後方に向かって車両1の上空を蛇行して縦断する蛇行縦断経路
・車両1の右後方から左前方に向かって車両1の上空を斜行(高度変化を伴っても良い)しながら横断する斜行横断経路(図7
・車両1の車体形状に起因して生じる車室内の運転者の視界からの死角が撮影範囲に含まれるように車両周辺を移動飛行する死角撮影経路
のうちの一つが、規定飛行経路として飛行経路記憶部123に記憶されている。但し、これらのうち複数の飛行経路が飛行経路記憶部123に記憶され、その中の所望の飛行経路がユーザの操作入力によって規定飛行経路として選択される構成としても良い。
【0041】
操縦信号生成部124は、通信部122が受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて、飛行経路記憶部123から読み出した規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を生成する。
【0042】
撮影信号生成部125は、飛行体2の飛行状況に応じて、飛行体2の撮影部22に対して撮影を開始させるための撮影開始信号、及び、撮影を停止させるための撮影停止信号を生成する。
【0043】
リール制御部126は、巻き取りリール19を制御する。具体的にリール制御部126は、飛行体2の飛行状況に応じた適正量のテザー4が巻き取りリール19の回転軸から繰り出されるように、モータによる回転軸の駆動によってテザー4の送出及び回収を制御する。
【0044】
制御部121は、操縦信号生成部124によって生成された操縦信号、並びに、撮影信号生成部125によって生成された撮影開始信号及び撮影停止信号を、リアルタイムで通信部122から飛行体2に送信する。
【0045】
図8は、車両情報検出部14の機能構成を示す図である。図8に示すように車両情報検出部14は、ドアロックセンサ141、ドア開閉センサ142、シートセンサ143、始動検知センサ144、車速センサ145、及び車内侵入検知センサ146を含む。
【0046】
ドアロックセンサ141は、車両1のドアの施錠状態/解錠状態を検出する。ドア開閉センサ142は、車両1のドアの開状態/閉状態を検出する。シートセンサ143は、車両1のシートへの人員の着座状態を検出する。始動検知センサ144は、イグニッションセンサにより、又は、バッテリと走行モータとを接続するリレースイッチのオン/オフ状態を検出することにより、車両1の駆動力発生装置(エンジン又は走行モータ等)の始動状態/停止状態を検出する。車速センサ145は、車両1の車速を検出する。車内侵入検知センサ146は、駐車中の車両1の車内を監視エリアとして、その監視エリア内における侵入者の有無を検知する。
【0047】
図9は、車両1の制御部10による飛行体2の制御フローを示すフローチャートである。まずステップSP11において制御部10は、車両情報検出部14によって駐車中の車両1への人員の乗り込みを検出する。具体的に、車両情報検出部14は、始動検知センサ144が車両1の駆動力発生装置が停止状態であることを検出し、車内侵入検知センサ146が車両1の車内が無人であることを検出し、かつ、ドアロックセンサ141が車両1の全ドアが施錠状態であることを検出したことにより、車両1が駐車中であることを検出する。車両情報検出部14は、車両1が駐車中の状態で、下記(A)〜(D)の少なくとも一つの事象が発生したことにより、車両1への人員の乗り込みを検出する。
(A)車両1の運転席ドアの施錠が解除されたことを、ドアロックセンサ141が検出した。
(B)車両1の運転席ドアの開閉動作が行われたことを、ドア開閉センサ142が検出した。
(C)車両1の運転席へ人員が着座したことを、シートセンサ143が検出した。
(D)車両1の駆動力発生装置が始動されたことを、始動検知センサ144が検出した。
【0048】
車両情報検出部14が乗り込みを検出しない場合(ステップSP11:NO)は、制御部10はステップSP11の処理を繰り返し実行する。
【0049】
車両情報検出部14が乗り込みを検出した場合(ステップSP11:YES)は、次にステップSP12において制御部10は、飛行体制御部12に飛行体2の離陸制御を実行させる。具体的には図3〜5を参照して、まずバッテリ制御部11は、バッテリ18からテザー4を介して飛行体2への電力供給を開始する。次に制御部121は、飛行経路記憶部123から規定飛行経路データを読み出す。次に操縦信号生成部124は、その規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を生成する。また、撮影信号生成部125は、飛行体2の撮影部22に対して撮影を開始させるための撮影開始信号を生成する。次に通信部122は、その操縦信号及び撮影開始信号を飛行体2に送信する。次に飛行体2側の通信部21は、車両1側の通信部122から送信された操縦信号及び撮影開始信号を受信する。次に駆動部23は、その操縦信号に基づいてプロペラ113を駆動することにより、規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための制御を開始する。これにより、発着台3から飛行体2が離陸する。また、撮影部22はカメラ112による撮影を開始し、位置検出部24は飛行体2の位置検出を開始し、姿勢検出部25は飛行体2の姿勢検出を開始する。制御部20は、撮影部22から出力された映像データ、位置検出部24から出力された位置データ、及び姿勢検出部25から出力された姿勢データを、リアルタイムで通信部21から車両1に送信する。
【0050】
次にステップSP13において制御部10は、飛行体制御部12に飛行体2の飛行制御及び撮影制御を継続させる。操縦信号生成部124は、通信部122が通信部21から受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて、規定飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を生成する。上記と同様に、この操縦信号が飛行体2に送信されることによって、飛行体2の飛行が制御される。
【0051】
次にステップSP14において制御部10は、通信部122が通信部21から受信した映像データを表示部16に転送することにより、カメラ112による撮影映像を車載ディスプレイに表示する。あるいは、制御部10は、当該映像データを通信部15からユーザの携帯端末に送信することにより、当該携帯端末の表示部に撮影映像を表示させても良い。
【0052】
次にステップSP15において制御部10は、飛行体制御部12に対して、通信部122が受信した位置データに基づいて飛行体2の飛行軌跡を解析させることにより、規定飛行経路に沿った飛行及び撮影が完了したか否かを判定する。
【0053】
規定飛行経路に沿った飛行及び撮影が完了していない場合(ステップSP15:NO)は、制御部10はステップSP13〜SP15の処理を繰り返し実行する。
【0054】
規定飛行経路に沿った飛行及び撮影が完了した場合(ステップSP15:YES)は、次にステップSP16において制御部10は、飛行体制御部12に飛行体2の帰艦制御を実行させる。具体的に、操縦信号生成部124は、通信部122が受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて、飛行体2を発着台3に向けて飛行させるための操縦信号を生成する。上記と同様に、この操縦信号が飛行体2に送信されることによって飛行体2の飛行が制御され、飛行体2は発着台3に帰艦する。次に、撮影信号生成部125は、飛行体2の撮影部22に対して撮影を停止させるための撮影停止信号を生成する。撮影停止信号は飛行体2に送信され、撮影部22はカメラ112による撮影を停止する。その後、バッテリ制御部11は、バッテリ18から飛行体2への電力供給を停止する。
【0055】
なお、以上の説明では、撮影部22は飛行体2が離陸してから帰艦するまで撮影を行ったが、飛行体2が予め定められた規定飛行経路を飛行している間のみ撮影を行う構成としても良い。
【0056】
本実施の形態に係る車両周辺監視システムによれば、車両1の制御部10(制御部)は、車両情報検出部14(乗り込み検出部)によって車両1への人員の乗り込みが検出された場合に、車両1から飛行体2を飛行させ、車両1の周辺を撮影部22によって撮影させ、撮影された映像を表示部16に表示させる。従って、人員が車両1の車室内へ乗り込んだ後に手動による操作入力を行うことなく、車両1の周辺(予め設定された所定範囲、例えば、車両1を中心とする半径5〜10メートル程度の範囲)の映像が表示部16に自動的に表示される。その結果、飛行体2の撮影部22による撮影映像を、運転開始のために駐車中の車両1の車室内へ人員が乗り込んだ後の安全確認に活用することが可能となる。
【0057】
また、制御部10は、規定飛行経路に沿って飛行体2を移動飛行させることにより、車両1の周辺を複数方向から撮影部22によって撮影させ、撮影された複数方向の映像を表示部16に表示させる。従って、従って、車両1の運転者は、表示部16に表示された画像(複数のアングルから撮影された画像)を確認することによって、車両1の周辺の状況を正確に把握できるため、飛行体2による撮影映像を用いた安全確認の向上効果を高めることが可能となる。
【0058】
また、上記死角撮影経路が飛行体2の規定飛行経路として設定された場合には、車両1の車体形状に起因して生じる車室内の運転者の視界からの死角が撮影部22によって撮影され、その撮影された映像が表示部16に表示される。従って、運転者は、表示部16に表示された映像を確認することによって死角領域の状況を正確に把握できるため、飛行体2による撮影映像を用いた安全確認の向上効果をより高めることが可能となる。
【0059】
また、上記(A)〜(C)の事象が発生したことによって車両1への乗り込みが検出される場合には、車両1の駆動力発生装置が始動されるよりも前の比較的早期の段階で、撮影映像を表示部16に表示することができる。その結果、飛行体2による撮影映像を用いた安全確認の向上効果をより高めることが可能となる。
【0060】
<第1変形例>
上記実施の形態では、車両1の車体形状に応じて定められた死角撮影経路が予め飛行経路記憶部123に記憶されているが、運転者の視界からの死角は、駐車中の車両1の周辺状況に応じて変動し得る。例えば、駐車中の車両1の横に大型車が駐車されている場合又はブロック塀等の障害物が存在している場合等には、その大型車又は障害物等の存在に起因して新たな死角が発生する。
【0061】
そこで、駐車中の車両1の周辺状況に起因して生じる新たな死角が撮影部22による撮影範囲に含まれるような飛行経路を作成する飛行経路作成部を、飛行体制御部12の機能として追加実装しても良い。飛行経路作成部は、飛行体2から受信した撮影映像に対してパターンマッチング等の映像解析を行うことにより、新たな死角の発生要因となり得る物体が車両1の周辺に存在しているか否かを判定する。飛行経路作成部は、当該物体が存在している場合には、当該物体の形状及び当該物体と車両1との位置関係に基づいて、新たな死角領域を特定する。飛行経路作成部は、当該新たな死角領域が撮影部22による撮影範囲に含まれるように、飛行体2の飛行経路を作成する。操縦信号生成部124は、当該飛行経路に沿って飛行体2を飛行させるための操縦信号を生成する。
【0062】
本変形例によれば、駐車中の車両1の周辺状況に起因して生じる新たな死角が撮影部22によって撮影され、その撮影映像が表示部16に表示される。従って、運転者は、表示部16に表示された映像を確認することによって死角領域の状況を正確に把握できるため、飛行体2による撮影映像を用いた安全確認の向上効果をより高めることが可能となる。
【0063】
<第2変形例>
上記実施の形態では、規定飛行経路に沿った撮影が完了した場合に飛行体2を車両1に帰艦させたが、当該撮影が完了する前であっても、飛行体2の帰艦命令がユーザによって操作入力部17から操作入力された場合には、制御部10は直ちに飛行体2を車両1に帰艦させても良い。具体的に、制御部10は、操作入力部17から帰艦命令が入力されると、通信部122が受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて、飛行体2を現在位置から発着台3に向けて飛行させるための操縦信号を操縦信号生成部124に生成させる。この操縦信号が飛行体2に送信されることによって飛行体2の飛行が制御され、飛行体2は発着台3に帰艦する。
【0064】
また、規定飛行経路に沿った撮影が完了する前であっても、車両1が走行を開始した場合には、制御部10は直ちに飛行体2を車両1に帰艦させても良い。具体的に、制御部10は、「0」ではない車速データが車速センサ145から入力されると、通信部122が受信した映像データ、位置データ、及び姿勢データに基づいて、飛行体2を現在位置から発着台3に向けて飛行させるための操縦信号を操縦信号生成部124に生成させる。この操縦信号が飛行体2に送信されることによって飛行体2の飛行が制御され、飛行体2は発着台3に帰艦する。
【0065】
なお、撮影完了前に飛行体2を帰艦させる場合には、制御部10は、飛行体2を帰艦させるための操縦信号を操縦信号生成部124に生成させる代わりに、リール制御部126によって巻き取りリール19の回転軸を高速に回転駆動させることによって、飛行体2を強制的に回収しても良い。これにより、飛行体2を迅速に回収することが可能となる。
【0066】
本変形例によれば、車両1が走行を開始した後に飛行体2が周辺の障害物等に接触する事態を予め回避できる。
【符号の説明】
【0067】
1 車両
2 飛行体
4 テザー
10 制御部
12 飛行体制御部
14 車両情報検出部
16 表示部
17 操作入力部
19 巻き取りリール
22 撮影部
123 飛行経路記憶部
141 ドアロックセンサ
142 ドア開閉センサ
143 シートセンサ
144 始動検知センサ
145 車速センサ
図1
図2
図3
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図9