【解決手段】ユーザ取得部111は、ユーザによる自身の服装及び服飾に対する考え方を少なくとも含む当該ユーザに関する情報をユーザ情報として取得する。ユーザ配置部121は、ユーザ取得部111により取得されたユーザ情報に基づいて、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を、16象限の空間Sに配置させる。スタイル提案部131は、空間S内の配置の状態に基づいて、ユーザの現在に適合するスタイルと、ユーザの理想に適合するスタイルとうち少なくとも一方を提案する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、
図1乃至
図3を参照して、本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1乃至
図3は、本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、サービスを運用する側(以下、「運用側」と呼ぶ)からユーザ及びファッションスタイリスト(以下、「スタイリスト」と略称する。)に対して提供されるサービスである。
【0013】
ユーザは、スマートフォン等の情報処理装置2(以下、「ユーザ端末2」と呼ぶ)を操作して、本サービスにより提供されるユーザ専用のウェブサイト(以下、「ユーザ用サイト」と呼ぶ)にアクセスする。そして、ユーザは、ユーザ用サイトの所定のウェブページに設けられた所定の入力欄に、ユーザに関する所定情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)を入力する。これにより、ユーザは、本サービスへの登録者として本サービスを利用できるようになる。なお、ユーザ用サイトの具体例については、
図7乃至
図12を参照して後述する。
【0014】
「ユーザ情報」として登録される情報には、基本情報とパーソナル情報とが含まれる。
基本情報としては、例えばユーザの氏名、メールアドレス、性別、生年月日、職業、職種、電話番号等の情報が挙げられる。
パーソナル情報は、ユーザの服装及び服飾に影響を与え得る定量的な特徴に関する情報と、ユーザの服装及び服飾に影響を与え得る定性的な特徴に関する情報とが含まれる。以下、ユーザの服装及び服飾に影響を与え得る定量的な特徴に関する情報のことを「ユーザ定量情報」と呼び、ユーザの服装及び服飾に影響を与え得る定性的な特報に関する情報のことを「ユーザ定性情報」と呼ぶ。
【0015】
ユーザ定量情報としては、例えばユーザの身長、衣服のサイズ(例えばトップスのサイズ、ボトムスのサイズ、アウターのサイズなど)等が挙げられる。
ユーザ定性情報としては、例えば服装及び服飾に対する考え方(感じ方、価値観など)の傾向を把握するために有用な情報が含まれる。
ユーザ定量情報及びユーザ定性情報は、個々のユーザに対して実施されるアンケート(以下、「ユーザアンケート」と呼ぶ)の結果に基づいて生成される。このうち、ユーザ定性情報は、例えば以下のようなユーザアンケートの結果に基づいて生成される。即ち、「「どこの服?」などと聞かれることは?」という質問と、それに対する回答として、「ほとんどない」、「時々ある」、「よくある」、及び「日常茶飯事」のうちいずれかを選択するもの、「デザインが決め手で服を購入する頻度は?」という質問と、それに対する回答として、「ほとんどない」、「5回に1回」、「2回に1回」、及び「ほとんど毎回」のうちいずれかを選択するもの、「よく購入する服1点あたりの金額帯は?」という質問と、それに対する回答として、「1万円未満」、「1万円台」、「2万円台」、及び「3万円台以上」のうちいずれかを選択するもの、「現在の被服費は月換算でいくら?」という質問と、それに対する回答として、「1万円未満」、「3万円程度」、「6万円程度」、及び「9万円以上」のうちいずれかを選択するもの、「周りにあなたと同じものを身につけている人がいたら?」という質問と、それに対する回答として、「まったく気にならない」、「少し気になる」、「気になる」、及び「とても気になる」のうちいずれかを選択するもの、「最も共感するキーワードは?」という質問と、それに対する回答として、「正統」、「賢明」、「牽引」、及び「独創」のうちいずれかを選択するもの、「周りからどう見られたい?」という質問と、それに対する回答として、「親しみ」、「堅実」、「憧れ」、及び「格上」のうちいずれかを選択するもの、「あなたにとって理想的な1か月あたりの被服費は?」という質問と、それに対する回答として、「1万円未満」、「3万円程度」、「6万円程度」、及び「9万円以上」のうちいずれかを選択するもの、「あなたの周りにいる服の流行に敏感な人の割合は?」という質問と、それに対する回答として、「ほとんどいない」、「5人に1人」、「2人に1人」、及び「ほとんど全員」のうちいずれかを選択するもの、「あなたの社会的な立場は?」という質問と、それに対する回答として、「若手」、「中堅」、「管理職」、及び「経営者」のうちいずれかを選択するものといったユーザアンケートの結果に基づいてユーザ定性情報が生成される。
【0016】
登録されたユーザ情報は、本サービスのうち「スタイル診断サービス」及び「スタイリストマッチングサービス」の根拠となる情報として用いられる。
「スタイル診断サービス」とは、本サービスを利用する個々のユーザに適合する服装及び服飾の診断(以下、「スタイル診断」と呼ぶ)を行うサービスのことをいう。
「スタイリストマッチングサービス」とは、本サービスを利用する個々のユーザに適合するスタイリストの提案を行うサービスのことをいう。
【0017】
まず、
図1を参照して、本サービスのうちスタイル診断サービスについて説明する。スタイル診断は、ユーザ情報に基づいて行われる。具体的には、ユーザ情報のうちユーザ定性情報から得られるユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を、複数の象限により構成される空間に配置させる。そして、その空間内の配置の状態に基づいてスタイル診断が行われる。
例えば、
図1には、横軸Xと縦軸Yとで形成された2次元の空間Sが示されている。横軸X及び縦軸Yは、いずれもユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を可視化させるための基準を示す軸である。横軸Xは、服装及び服飾に対する考え方の傾向を可視化させるための基準として、「シンプル」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「センス」を求める傾向にあるのかを示す軸である。横軸Xは、シンプル、スマート、トレンド、及びセンスの4象限に区分される。
また、縦軸Yは、服装及び服飾に対する考え方の傾向を可視化させるための基準として、「リッチ」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「ベーシック」を求める傾向にあるのかを示す軸である。縦軸Yは、リッチ、リーダー、スタンダード、及びベーシックの4象限に区分される。
【0018】
このように、横軸Xと縦軸Yとの夫々が4象限に区分されることから、空間Sは、4象限×4象限=16象限に区分される。具体的には、空間Sは、象限a1乃至a4、象限b1乃至b4、象限c1乃至c4、及び象限d1乃至d4に分類される。
このうち、象限a1は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「シンプル」であり、かつ「リッチ」である場合に配置される領域である。即ち、象限a1に配置さるユーザは、「上質を知る」ユーザであると診断される。
また、象限a2は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「スマート」であり、かつ「リッチ」である場合に配置される領域である。即ち、象限a2に配置さるユーザは、「知性が漂う」ユーザであると診断される。
また、象限a3は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「シンプル」であり、かつ「リーダー」である場合に配置される領域である。即ち、象限a3に配置さるユーザは、「信頼感を生む」ユーザであると診断される。
また、象限a4は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「スマート」であり、かつ「リーダー」である場合に配置される領域である。即ち、象限a4に配置さるユーザは、「品格に満ちた」ユーザであると診断される。
【0019】
また、象限b1は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「トレンド」であり、かつ「リッチ」である場合に配置される領域である。即ち、象限b1に配置さるユーザは、「流行を楽しむ」ユーザであると診断される。
また、象限b2は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「センス」であり、かつ「リッチ」である場合に配置される領域である。即ち、象限b2に配置さるユーザは、「個性を追求する」ユーザであると診断される。
また、象限b3は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「トレンド」であり、かつ「リーダー」である場合に配置される領域である。即ち、象限b3に配置さるユーザは、「一歩先を行く」ユーザであると診断される。
また、象限b4は、服装及び服飾に対する考え方の傾向が、「センス」であり、かつ「リーダー」である場合に配置される領域である。即ち、象限b4に配置さるユーザは、「存在感を放つ」ユーザであると診断される。
なお、象限c1乃至c4、及び象限d1乃至d4に示す服装及び服飾に対する考え方の傾向の特徴は、
図1に示すとおりである。
【0020】
以上のように、複数の象限(
図1の例では16象限)からなる空間Sを用いることで、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向に基づいたスタイル診断が可能となる。
なお、スタイル診断の結果は、例えば「あなたの現在」として、ユーザの現在に適合するスタイルが示される。ただし、スタイル診断は画一的なものではなく多面的に診断される。具体的には例えば、「あなたの理想」として、ユーザの理想に適合するスタイルを示すこともできる。
【0021】
スタイル診断の結果は、ユーザ端末2から出力される情報としてユーザに提示されるが、具体的にどのような態様でユーザに提示されるかについては特に限定されず、あらゆる態様で提示することができる。
ユーザは、スタイル診断サービスを利用することで、自分自身の感性や価値観を理解しながら、自分自身の感性や価値観に適合する服装及び服飾に関する情報を容易に取得することができる。
【0022】
なお、スタイル診断サービスにおいて、「ユーザの現在に適合するスタイル」を具体的にどのように判断するのかについては特に限定されず、運用側が任意に判断基準を設定することができる。
【0023】
以上、スタイル診断サービスの概要について説明した。次に、本サービスのうち「スタイリストマッチングサービス」の概要について説明する。
上述したように、スタイリストマッチングサービスは、本サービスを利用する個々のユーザに適合するスタイリストの提案を行うサービスである。スタイリストマッチングサービスでは、上述のスタイル診断サービスの診断結果と、スタイリストから得られる情報と、運営側から得られる情報とが利用される。
【0024】
スタイリストは、スマートフォン等の情報処理装置3(以下、「スタイリスト端末3」と呼ぶ)を操作して、本サービスにより提供されるスタイリスト専用のウェブサイト(以下、「スタイリストサイト」と呼ぶ)にアクセスする。そして、ユーザは、スタイリストサイトの所定のウェブページに設けられた所定の入力欄に、スタイリストに関する所定情報(以下、「スタイリスト情報」と呼ぶ)を入力する。これにより、スタイリストは、本サービスへの登録者として本サービスを利用できるようになる。
【0025】
「スタイリスト情報」として登録される情報には、基本情報とスタイリング情報とが含まれる。「スタイリング」とは、スタイリストからユーザに対して提供されるサービスのことをいう。スタイリングには、例えばユーザに対する着付けの補助や着方の指南が含まれる。
基本情報としては、例えばスタイリストの氏名、メールアドレス、性別、生年月日、所属する組織、電話番号等の情報が挙げられる。
スタイリング情報とは、スタイリストが提供するサービスとしてのスタイリングの傾向に関する情報のことをいう。スタイリング情報としては、例えばサービスを提供する対象の性別、業務上利用しているブランドショップ、業務上購入するアイテムの価格帯等の情報が挙げられる。
【0026】
基本情報及びスタイリング情報は、個々のスタイリストに対して実施されるアンケート(以下、「スタイリストアンケート」と呼ぶ)の結果に基づいて生成される。このうち、スタイリング情報は、例えばサービスを提供する対象の性別の割合に関する質問、業務上利用しているブランドショップに関する質問、業務上購入するアイテムの価格帯に関する質問に対するスタイリストからの回答の結果等に基づいて生成される。
【0027】
図2及び
図3の(A)は、スタイリストサイトに表示されたスタイリストアンケートの一例を示す図である。
【0028】
本サービスにおいてスタイリストに提示されるスタイリストアンケートは、
図2に示すように、氏名(質問1)の他に、例えば「サービスを提供する対象の性別について、その比率を数値で示してください。合計100点を男女別に振り分けてください」といった質問が含まれる(質問2)。この質問に対してスタイリストは、サービスを提供する対象について、例えば男性2割、女性8割である場合には、男性「20点」、女性「80点」といったように回答する。
【0029】
また例えば、スタイリストアンケートには、「以下の図と価格帯表をご参照のうえ、ブランドショップリストをご確認頂き、16の象限毎に代表的だと思われるブランドショップを3つご入力ください(一般の方々にとって分かり易いものをご入力ください)」といった質問が含まれる(質問3)。このような質問は、例えば
図2に示すような、空間Sをベースとする入力欄Rと、価格帯表Hと、ブランドショップリストLとともにスタイリストに提示される。
【0030】
ブランドショップリストLには、1以上のブランドショップが象限毎に分類されて掲載されている。スタイリストは、ブランドショップリストLを参照しながら、入力欄Rにブランドショップの名称を入力する。なお、図示はしないが、ブランドショップリストLに掲載されているブランドショップを選択する操作(例えばタップする操作)が行われると、選択されたブランドショップの名称が入力欄Rに自動的に反映されるようにしてもよい。
【0031】
また、図示はしないが、ブランドショップリストLの各象限に掲載されているブランドショップは、スタイリスト側からの指示で修正することもできる。具体的には例えば、所定の入力欄に、「象限d1の〇〇(ブランドショップの名称)は象限b3に移動」、「象限c2の△△(ブランドショップの名称)は最近閉店したので削除」といった指示内容が入力されると、その内容に応じた修正が行われるようにしてもよい。
【0032】
また例えば、
図3の(A)に示すように、スタイリストアンケートには、「ご自身が提供するスタイリングの傾向を数値で示してください。今後この数値に基づいて、自動的にマッチングが行われ、ご自身の得意とするゾーン(象限)を希望するお客様とのマッチングが優先されるようになります。」といった質問が含まれる(質問4)。このような質問は、例えば
図3の(A)に示すような、4象限の空間Sを示す図とともにスタイリストに提示される。
【0033】
スタイリストは、自らの判断で、夫々の象限に数値を入力する。具体的には例えば、
図3の(A)の例では、スタイリスト毎の持ち点である100点が、象限a乃至dの夫々に振り分けられて入力されている。即ち、象限aには「10点」、象限bには「40点」、象限cには「10点」、及び象限dには「40点」が入力されている。
図3の(A)に示される空間Sでは、横軸Xについては左右方向に点数の配置の偏りが生じているが、縦軸Yについては上下方向に点数の配置の偏りが生じていない。このような点数の配置は、例えば次のようなスタイリストがスタイリストアンケートに回答した場合に生じる。
即ち、横軸Xについては、プロフェッショナルのスタイリストとして、「シンプル」を重視したスタイリングも対応できることが示されている。このため、象限a及びcの夫々には「10点」が入力されている。ただし、本来的には「センス」を重視したスタイリングを得意とし、また仕事上でもよく取り扱う。このため、象限b及びdには夫々「40点」が入力されている。
これに対して、Y軸については、「リッチ」を重視した高い価格帯のスタイリングと、「ベーシック」を重視した低い価格帯のスタイリングとの両方について、特に偏りなく対応できることが示されている。このため、横軸Xの点数の配置は右寄りとなるが、縦軸Yの点数の配置については偏りが生じていない。
【0034】
以上のような手法を用いて個々のスタイリストのスタイリスト情報が入力されると、入力されたスタイリスト情報に基づいて、個々のスタイリストのスタイリングの傾向が空間Sに配置される。これにより、上述した個々のユーザのスタイル診断の結果との比較が可能となる。
その結果、空間S内における、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向の配置の状態と、1以上のスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々の配置の状態との比較の結果に基づいたマッチングが可能となる。
【0035】
具体的には例えば、空間Sを構成する16象限のうち、象限a1に配置されるユーザと、象限a1のスタイリングを得意とするスタイリストとは、マッチングされる可能性が高い。これは、ユーザが定性的に要求するものと、スタイリストが定性的に得意とし、又は提供したいとするものとが一致又は近似する可能性が高いからである。
【0036】
このようなユーザとスタイリストとの関係は、正規化された数値として出力することができる。出力された数値は、本サービスでは「相性度」と定義される。
なお、本サービスにおいて、「相性度」を出力する際に用いられる手法は特に限定されない。例えばスタイル診断の結果として、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向が配置された象限と、スタイリストのスタイリングの傾向が配置された象限との距離に基づいて「相性度」を出力してもよい。この場合、例えば隣接する象限との関係を考慮したアルゴリズムを用いてもよい。この場合、例えば所定の象限に隣接する他の象限に振り分けられた数値のうち所定割合(例えば50%)を、所定の象限の数値に加減算する等の計算手法をアルゴリズムとして採用することもできる。
また、「相性度」を出力するための手法として、ディープラーニング等の機械学習の手法を用いてよいし、AI(人工知能)を用いてもよい。さらに、16象限をさらに細かく区分することで、より精緻な「相性度」を出力することもできる。
またさらに、AI(またはCI)学習による画像解析、動画解析、音声解析等で診断機能を発展させ、テキストによる「1文診断」、画像による「1ショット診断」(「1スナップ診断」)、動画による「1ムービー診断」、音声による「1ボイス診断」に基づく相性度の出力も可能である。また、テキストによる「1文以上からの診断」、画像による「1ショット以上からの診断」(「1スナップ以上からの診断」)、動画による「1ムービー以上からの診断」、音声による「1ボイス以上からの診断」に基づく相性度の出力も可能である。
さらに、AI学習、CI学習についてはファッションの専門家や知見者(ファッションスタイリスト、ファッションライター、ファッションエディター、ファッションフォトグラファー、アパレル従事者、ショップスタッフ、デザイナー、インフルエンサー、服飾学生、服装嗜好者)等、または学者や有識者、それ以外の一般人の知見、経験、判断、アイデアを機会学習させることもできる。
【0037】
また、スタイリストマッチングサービスでは、運営側から得られる情報(以下、「運営側情報」と呼ぶ)に基づいて、スタイリスト情報に対する補正を加えることができる。
これは、スタイリスト本人から得られる主観的な情報に対して何らの補正が加わらない場合に起こり得る、スタイリストの謙虚さに伴う過少申告、スタイリストの自信過剰に伴う過大申告、利益目的の虚偽申告等のリスクを回避するためである。
これに対して、本サービスでは、スタイリストを管理する側である運営側から得られる客観的な情報による補正が加えられる。
これにより、客観性が確保された情報に基づいたサービスの提供が可能となる。その結果、スタイリストマッチングサービスに対するユーザからの信頼を得られ易くすることができる。
【0038】
以上のように、複数の象限からなる空間Sを用いることで、スタイリストマッチングサービスの提供が可能となる。
なお、スタイリストマッチングサービスにおけるマッチングはユーザ毎に画一的なものではなく、スタイル診断の結果の結果に対応するように多面的に行われる。これにより、例えば、「ユーザの現在に適合するスタイリスト」、「ユーザの理想に適合するスタイリスト」、「ユーザにおすすめのスタイリスト」等の提案が可能となる。
【0039】
マッチングの結果は、ユーザ端末2から出力される情報としてユーザに提示されるが、具体的にどのような態様でユーザに提示されるかについては特に限定されず、あらゆる態様で提示することができる。
例えば
図3の(B)に示すような一覧(以下、「マッチング結果一覧」と呼ぶ)によって示すことができる。マッチング結果一覧では、ユーザとの相性度が高いと判断された1以上のスタイリストの夫々の撮像画像、相性度、氏名、肩書、スタイリングの傾向等の情報が表示されている。また、「詳細」と表記されたボタンと、「予約」と表記されたボタンとが表示されている。このうち、「詳細」と表記されたボタンが押下されると、スタイリストの詳細情報が表示される。なお、スタイリストの詳細情報の具体例については、
図8の(B)を参照して後述する。また、「予約」と表記されたボタンが押下されると、そのスタイリストのサービスを予約することができる。なお、なお、スタイリストのサービスの予約を行う場合の具体例については、
図8の(C)乃至
図12を参照して後述する。
【0040】
また例えば、
図3の(C)に示すように、ユーザを示すアイコンIuを空間Sに可視化させるとともに、アイコンIuの近傍に配置されたスタイリストを示すアイコンIsを可視化させることでマッチング結果を示してもよい。スタイリストを示すアイコンIsは、スタイリストの撮像画像が表示されてもよい。
この場合、図示はしないが、
図3の(C)に示す空間Sに、ユーザを示すアイコンIuと、複数のスタイリストの夫々を示す複数のアイコンIuの夫々とを配置させて、位置関係を視認できるようにすることもできる。さらに、空間Sに配置されたアイコンIuをドラッグする操作を行うと、その動きに合わせてアイコンIuに近接する位置に配置されている1以上のアイコンIsが可視化されるとともに、アイコンIuに近接しない位置に配置されている1以上のアイコンIsが可視化されないようにすることもできる。これにより、ユーザは、複数のスタイリストの夫々のスタイリングに対する考え方の傾向を相対的に把握することができる。
ユーザは、スタイリストマッチングサービスを利用することで、自分自身の感性や価値観を理解しながら、自分自身の感性や価値観に適合する1以上のスタイリストに関する情報を、視覚を通じて容易に取得することができる。
【0041】
次に、
図4を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システムの構成について説明する。
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0042】
図4に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2と、スタイリスト端末3と、運営側端末4とを含むように構成されている。
サーバ1、ユーザ端末2、スタイリスト端末3、及び運営側端末4は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0043】
サーバ1は、サービス提供者により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末2、スタイリスト端末3、及び運営側端末4と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0044】
ユーザ端末2は、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末2は、上述したように、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。ユーザ端末2は、入力された情報をユーザ情報としてサーバ1に送信する。
【0045】
スタイリスト端末3は、スタイリストが操作する情報処理装置である。スタイリスト端末3は、上述したように、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。スタイリスト端末3は、入力された情報をスタイリスト情報としてサーバ1に送信する。
【0046】
運営側端末4は、運営側で操作される情報処理装置である。運営側端末4は、上述したように、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。運営側端末4は、入力された情報を運営側情報としてサーバ1に送信する。
【0047】
図5は、
図4に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0049】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0050】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0051】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば
図4のユーザ端末2、スタイリスト端末3、及び運営側端末4)との間で通信を行う。
【0052】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0053】
なお、図示はしないが、
図4のユーザ端末2、スタイリスト端末3、及び運営側端末4も、
図5に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、ユーザ端末2、スタイリスト端末3、及び運営側端末4のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0054】
このような
図5のサーバ1を含む
図4の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、スタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザ及びスタイリストに対して上述の本サービスを提供することができる。
「スタイル診断処理」とは、ユーザに適合するスタイルを診断して提示する処理のことをいう。具体的には、上述のスタイル診断サービスを実現させるための処理のことをいう。
「スタイリストマッチング処理」とは、ユーザに対して1人以上のスタイリストの提案を行う処理のことをいう。具体的には、上述のスタイリストマッチングサービスを実現させるための処理のことをいう。
以下、
図4の情報処理システムを構成する
図5のサーバ1において実行される、スタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0055】
図6は、
図4の情報処理システムを構成する
図5のサーバの機能的構成のうち、スタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0056】
図6に示すように、サーバ1がスタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理を実行する場合、CPU11においては、情報取得部101と、空間配置部102と、提案部103とが機能する。
【0057】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザDB181と、スタイリストDB182とが設けられている。ユーザDB181にはユーザ情報が格納されている。スタイリストDB182にはスタイリスト情報が格納されている。
【0058】
情報取得部101では、ユーザ取得部111と、スタイリスト取得部112と、運営側取得部113とが機能する。
ユーザ取得部111は、ユーザによる自身の服装及び服飾に対する考え方を少なくとも含む当該ユーザに関する情報をユーザ情報として取得する。ユーザ取得部111に取得されたユーザ情報は、ユーザDB181に記憶されて管理される。
スタイリスト取得部112は、1以上のスタイリストの夫々により提供されるサービスの内容を示すスタイリングに関する情報を少なくとも含むスタイリスト情報を取得する。スタイリスト取得部112に取得されたスタイリスト情報は、スタイリストDB182に記憶されて管理される。
運営側取得部113は、運営側の視点による1以上のスタイリストの夫々に対する考え方を少なくとも含む運営側情報を取得する。運営側取得部113に取得された運営側情報は、運営側DB183に記憶されて管理される。
情報取得部101が上述の機能的構成を有することにより、本サービスの提供に必要となる各種情報が取得されて管理される。
【0059】
空間配置部102では、ユーザ配置部121と、スタイリスト配置部122とが機能する。
ユーザ配置部121は、ユーザ取得部111により取得されたユーザ情報に基づいて、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を、16象限により構成される空間Sに配置させる。
スタイリスト配置部122は、スタイリスト取得部112により取得されたスタイリスト情報に基づいて、1以上のスタイリストの夫々のスタイリングの傾向を空間Sに配置させる。
【0060】
また、スタイリスト配置部122は、運営側情報に基づいて、1以上のスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の空間S内の配置の状態を補正する。例えばサービスを提供する対象について性別の制限を設けているスタイリストは、相応の減点の対象となる場合がある。このとき、運営側の恣意が入らないように、点数の補正を行うための規定が別途設けられてもよい。なお、どのような内容のものが規定として設けられるのかについては特に限定されない。例えば補正できる点数に上限を設けてもよい。この場合、例えば運営側が加点・原点できる点数に上限(例えば20点)を設けてもよい。
【0061】
空間配置部102が上述の機能的構成を有することにより、スタイリスト本人から得られる主観的な情報に対して、スタイリストを管理する側である運営側から得られる客観的な情報による補正が加えられる。これにより、客観性が確保された情報に基づいたサービスの提供が可能となるため、ユーザからの信頼を得られ易くすることができる。
【0062】
提案部103では、スタイル提案部131と、スタイリスト提案部132とが機能する。
スタイル提案部131は、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向の空間S内の配置の状態に基づいて、ユーザの現在に適合する服装及び服飾と、ユーザの理想に適合する服装及び服飾とのうち少なくとも一方の服装及び服飾を提案する。
スタイリスト提案部132は、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向の空間S内の配置の状態、及び1以上のスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々の配置の状態に基づいて、ユーザに適合する1以上のスタイリストを提案する。スタイリスト提案部132により提案されるスタイリストとしては、例えばユーザの現在に適合するスタイリスト、ユーザの理想に適合するスタイリスト等が挙げられる。
提案部103が上述の機能的構成を有することにより、上述したスタイル診断サービス、及びスタイリストマッチングサービスの提供が可能となる。
【0063】
以上のように、
図5の情報処理装置が、
図6に示す上述の機能的構成を有することにより、ユーザは本サービスの利用が可能となる。その結果、感性や価値観が相違し得る個々のユーザにとって有用となる服装及び服飾に関する情報が容易に取得できるようになる。
【0064】
次に、
図7乃至
図12を参照して、ユーザ端末2に表示される画面の具体例について説明する。
図7乃至
図12は、ユーザ端末に表示される画面の具体例を示す図である。
【0065】
図7には、ユーザ端末2に表示されるユーザアンケートの具体例が示されている。
図7に示すユーザアンケートの例には、ユーザの身長を入力する欄と、サイズを選択するボタンが表示されている。具体的には、サイズを選択するボタンとして、トップス、ボトムス、はおりもの、セットアップ/スーツ、アウター、及びシューズの夫々のサイズを選択するボタンが表示されている。
【0066】
図8の(A)には、本サービスの利用を開始する際に、ユーザ端末2に表示される画面の具体例が示されている。
【0067】
即ち、ユーザが本サービスの利用を開始すると、ユーザ端末2には、「診断する」、「選択する」、「予約する」、及び「ショッピングする」と夫々表記されたアイコンと共に、「詳細を見る」、「選択する」、「5min」、及び「2h〜」と夫々表記されたボタンが表示されている。ユーザが「詳細を見る」と表記されたボタンを押下すると、スタイル診断の結果を参照することができる。また、ユーザが「選択する」と表記されたボタンを押下すると、上述した
図3の(B)に示すマッチング結果一覧が表示されるので、所望のスタイリストを選択して「お気に入り」に追加することができる。また、ユーザが「5min」と表記されたボタンを押下すると、アイテム点数、購入予算、日程の試算と選択とを行うことができる。また、ユーザが「2h〜」と表記されたボタンを押下すると、スタイリストとのショッピングの決定を行うことができる。
【0068】
図8の(B)には、ユーザ端末2に表示されるスタイリストの詳細情報の具体例が示されている。
即ち、ユーザ端末2には、スタイリストの詳細情報として、スタイリストの撮像画像、相性度、氏名、評価、レビュー、男性女性の対応の可否、スタイリングの傾向(例えば得意とするスタイル)、ショッピングアテンドの件数、実施件数、キャンセル(無断)の件数、キャンセル(直前)の件数、受付後に放置した件数、遅刻した件数、年齢、性別、拠点、言語、特徴、メッセージ、キャリア等の情報が表示される。
これにより、ユーザは、スタイリストの詳細情報を参照することで、ある程度事前にスタイリストの人となりを把握することができるようになる。具体的には例えば、レビューを参照して他のユーザの声を参考にすることもできる。
また、「お気に入りに追加」と表記されたボタンと、「予約する」と表記されたボタンとが表示されている。ユーザは、スタイリストの詳細情報を参照して気に入った場合には、「お気に入りに追加」と表記されたボタンを押下することで「お気に入り」に追加することができる。また、ユーザは、「予約する」と表記されたボタンを押下することで、そのスタイリストの予約をすることができる。
【0069】
図8の(C)乃至
図12には、ユーザ端末2に表示される予約画面の具体例が示されている。
即ち、ユーザ端末2には、予約が3ステップ(パーソナル情報の共有、プラン&日程調整、及び決済)で簡単に行うことができることを示す案内画面(
図8の(C))と、パーソナルデータ(パーソナル情報)を共有するための入力作業の案内画面(
図8の(D))と、パーソナルデータ(パーソナル情報)の入力画面(
図9及び
図10)と、予約内容の試算及び選択に関する案内画面(
図11の(A))と、スタイル診断結果を示す画面(
図11の(B))と、スタイル診断の結果毎に示されるアイテム毎の価格帯を示す画面(
図11の(C))と、アイテムの点数の指定等を行うための画面(
図12)が表示される。
【0070】
図9及び
図10に示すパーソナルデータ(パーソナル情報)の入力画面には図示されていないが、ユーザが手持ちの服や、自宅のクローゼットの内容を撮像した画像(静止画像、動画像)のデータ、ユーザが所望するアイテムや理想とする服装のイラストや撮像画像(静止画像、動画像)のデータをアップロードすることもできる。これにより、画像解析の結果や、スタイリスト等による直接的な判断結果をパーソナル情報として利用することができる。
【0071】
図12に示す画面では、アイテムの種類毎の点数を指定することができる。
図12の例では、「トップス中心」が選択されているため、トップスの点数が比較的多くなるように、「トップス」が4点、ボトムスが1点として指定されている。また、「スタンダード」を選択することで、標準的な点数を指定することもできる。また、アイテムの種類毎の点数は、「自由選択」を選択することで所望の点数を指定することもできる。また、図示はしないが、提案された予算の範囲(最低金額、おすすめ金額、及び最高金額)で購入予算を指定することもできる。また、ショッピングの所要時間を加算することもできる。ショッピングの所要時間を加算した場合、それに応じて予算金額が加算される。
【0072】
また、
図12に示す画面には、スタイル診断の結果(
図12の例では象限c2)と、アイテム点数の指定結果に基づいて、予算内容の試算結果が表示される。また、
図12に示す画面には、ユーザにより選択されたスタイリストに関する情報として、スタイリストの撮像画像、スタイリングの傾向、サービス料、所要時間、購入金額、及びアイテム点数が表示される。また、
図12に示す画面では、ショッピングの日程を選択することができる。
【0073】
以上をまとめると、本サービスによれば以下の効果が期待できる。
即ち、個性やセンスといった感覚値でしか判別・判断できなかった定性的、情緒的、感覚的な資産や価値を、診断、AI、CI(合意形成アルゴリズム)などの診断機能によって定量化、または数値化、言語化する(スコアリングなどを含む)ことができる。これにより、例えばユーザのコーデや企業のドレスコードを明確化が可能となり、「服装の標準化」「センスや個性の可視化」等によって、スタイル診断はもちろん解析や提案機能を汎用性の高いものとすることができる。
また、昨今問題になっているアパレルの過剰供給や廃棄処分の根源となっているユーザの「無駄買い」「ハズレ買い」を抑止することができる。
また、サーバ1により取得されたユーザ情報やスタイリスト情報は、ビッグデータとして蓄積させることで、各種の分析・解析に活用することができる。
【0074】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0075】
例えば、上述の実施形態において、空間Sは、2軸(横軸X及び縦軸Y)で示される16象限で構成されているが、これに限定されない。例えば、3軸以上の軸で示される複数の象限で空間Sを構成させることもできる。この場合、色や模様、あるいは3Dを用いて空間Sを表現することもできる。また例えば、16よりも多くの象限、あるいは16よりも少ない象限で空間Sを構成させることもできる。さらに、空間Sは、図示はしないが、ヒートマップ等を用いた温感的な空間にとして表現することもできる。
【0076】
また例えば、上述の実施形態において、横軸Xは、「シンプル」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「センス」を求める傾向にあるのかを示す軸として示されている。また、縦軸Yは、「リッチ」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「ベーシック」を求める傾向にあるのかを示す軸として示されている。ただし、これらに限定されない。例えば、「実用性」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「ファッション性」を求める傾向にあるのかを示す軸、「汎用性」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「個性」を求める傾向にあるのかを示す軸、「伝統的」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「先進的」を求める傾向にあるのかを示す軸、「保守的」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「革新的」を求める傾向にあるのかを示す軸、「安心感」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「緊張感」を求める傾向にあるのかを示す軸、「他者本位」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「自分本位」を求める傾向にあるのかを示す軸、「自然体」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「装飾的」を求める傾向にあるのかを示す軸、「ベーシック」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「トレンド」を求める傾向にあるのかを示す軸、「ラグジュアリー」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「リーズナブル」を求める傾向にあるのかを示す軸、「高価格」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「低価格」を求める傾向にあるのかを示す軸、「高級志向」であるのか、あるいはその対極にある「コストパフォーマンス」を求める傾向にあるのかを示す軸、「落ち着いたイメージ」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「若々しいイメージ」を求める傾向にあるのかを示す軸、「リーダー」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「フォロワー」を求める傾向にあるのかを示す軸、「エレガンス」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「カジュアル」を求める傾向にあるのかを示す軸、「ハイエンド」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「バリュー」を求める傾向にあるのかを示す軸、「男性的」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「女性的」を求める傾向にあるのかを示す軸、「ジェネラリスト」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「スペシャリスト」を求める傾向にあるのかを示す軸、「サイエンステック」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「アーティスティック」を求める傾向にあるのかを示す軸、「機能性」を求める傾向にあるのか、あるいはその対極にある「デザイン性」を求める傾向にあるのかを示す軸等であってもよい。
【0077】
また例えば、上述の実施形態では、スタイル診断の結果として、ユーザの「現在」に適合するスタイルが提示されるが、これに限定されない。例えばユーザの「理想」に適合するスタイルが提示さえてもよいし、「おすすめ」のスタイルが提示されてもよい。具体的には例えば、空間Sの配置に基づいて、ユーザの現在に適合するスタイルと、ユーザの理想に適合するスタイルとの中間に配置された傾向に基づいたスタイルが提示されてもよい。また例えば、空間Sの配置に基づいて、ユーザの現在に適合するスタイルと、ユーザの理想に適合するスタイルとの位置的な関係性から導き出される任意のスタイルが提示されてもよい。この場合、ユーザの現在に適合するスタイルと、ユーザの理想に適合するスタイルとの夫々に所定の重み付けを行い、ユーザの理想に寄せたスタイルを提示することもできるし、ユーザの現在に寄せたスタイルを提示することもできる。また例えば、過去から現在に至るまでユーザのスタイルがどのように変化したのかを示す経緯を提示することもできる。さらに、AI(人工知能)や機械学習等の手法を用いて、ユーザの現在から未来に向けてスタイルがどのように変化するのかを予測することもできる。また、ユーザのスタイルの変化を可視化させることもできる。
【0078】
また例えば、上述の実施形態では、スタイリスト情報として、スタイリストの得意不得意とは異なる、「好み」や「興味」などを含めることもできる。これにより、スタイリストの実績のみならず、将来的な希望等が考慮されたマッチングを実現させることができる。
【0079】
また、上述の実施形態では、ユーザ情報を取得する手法として、アンケートが採用されているが、これに限定さえない。ユーザ情報を取得するための手法としては、例えば「選択式または記述式のテキストベースの質問または画像やイラスト等への回答」、「直感的にあてはまるキーワードの選択(かわいい、アクティブ、信頼感、個性的等)」、「画像の提出(自分の全身画像、手持ち服の画像、自分のクローゼット内のワードローブの画像、理想のコーディネート・スタイルの画像等)」、「動画の提出」、「その他の手法(または画像、動画、図、イラスト等)」、「性格診断(エニアグラム等)」などを採用することもできる。
【0080】
また、上述の実施形態において、ユーザの現在に適合するスタイリストと、ユーザの理想に適合するスタイリストとは、必ずしも別人となるわけではなく、マッチングの結果として同一人物になる場合もある。
【0081】
また、上述の実施形態では、ユーザとファッションスタイリストとの間におけるマッチングを対象としているが、本サービスの適用対象はこれに限定されない。例えば、ヘアスタイリスト、メイクアップスタイリスト、インテリアスタイリストなど、あらゆるジャンルのスタイリストとユーザとの間のマッチングに対して本サービスを適用することもできる。さらに、各種スタイリストに限定されず、例えば所定の専門的技術を有する者とユーザとの間におけるマッチングにも本サービスを適用することもできる。このため、例えば
図12に示すインターフェースの内容や構成等は、スタイリストや専門技術者の種類に応じて変化し得る。
【0082】
また、上述の実施形態において、スタイル診断の結果は、テキストデータとして出力される。ただし、これは例示に過ぎない。例えば、スタイル診断の結果として、衣服等を着用したファッションモデル、一般人、又は著名人等や、衣服等それ自体を撮像した静止画像、動画像、音声、イラスト、グラフィック等のデータとして出力することもできる。
【0083】
また、上述の実施形態では、ユーザとスタイリストとの関係を「相性度」によって表現しているが、これに限定されない。ユーザとスタイリストとの関係を示す値を正規化させた他の値によって表現することもできる。
【0084】
また、上述の実施形態で表示されるアイテムの種類は例示に過ぎない。例えば「セットアップ/スーツ」はユーザが男性である場合に表示されるアイテムの一例である。このため、ユーザが女性である場合には、例えば「ワンピース/ドレス」といったアイテムが表示されてもよい。また、ユーザがいわゆるLGBTである場合には、それに対応させたアイテムを表示させることもできる。
【0085】
また、上述の実施形態においてユーザ端末に表示される各ステップの数、名称、文言、所要時間等は一例に過ぎない。
【0086】
また、
図2のスタイリストアンケートは、一例に過ぎない。例えばブランドショップリストLの他に、コンテンツ(例えばメディア、雑誌、映画等)、Eコマースサイト、又は著名人や個人等を追加することもできる。
【0087】
また、
図7乃至
図12のインターフェースの内容や項目は例示に過ぎない。
【0088】
また、上述の実施形態では、マッチングされたユーザとスタイリストとのショッピングが行われるが、これに限定されない。例えばスタイリストがユーザの自宅に訪問してクローゼットの内容のアップデートを行う「クローゼットアップデートサービス」や、オンラインでマンツーマンのスタイリングを行う「オンラインパーソナルスタイリングサービス」や、遠隔からの質問回答による「遠隔パーソナルサービス」等を本サービスの一環として提供することもできる。
【0089】
また、
図4に示すシステム構成、及び
図5に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0090】
また、
図6に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述したスタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理を全体として実行できる機能が
図4の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図6の例に限定されない。
【0091】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図6に限定されず、任意でよい。
図6の例で、スタイル診断処理及びスタイリストマッチング処理は、
図4の情報処理システムを構成する
図5のサーバ1のCPU11の制御により行われる構成となっているが、これに限定されない。例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末2側、スタイリスト端末3側、運営側端末4側、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0092】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0093】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0094】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0095】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0096】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
ユーザによる自身の服装及び服飾に対する考え方を少なくとも含む当該ユーザに関する情報を第1情報(例えば
図1のユーザ情報)として取得する第1取得手段(例えば
図6のユーザ取得部111)と、
前記第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、前記ユーザの前記服装及び服飾に対する考え方の傾向を、複数の象限により構成される空間(例えば
図1の16象限の空間S)に配置させる第1配置手段(例えば
図6のユーザ配置部121)と、
前記ユーザの前記服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す前記空間内の配置の状態に基づいて、前記ユーザの現在に適合する第1服装及び服飾と、前記ユーザの理想に適合する第2服装及び服飾とのうち少なくとも一方を提案する第1提案手段(例えば
図6のスタイル提案部131)と、
を備える情報処理装置。
【0097】
つまり、ユーザによる自身の服装及び服飾に対する考え方を少なくとも含むユーザに関する情報が第1情報として取得される。そして、取得された第1情報に基づいて、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向が、複数の象限により構成される空間に配置される。そして、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す空間内の配置の状態に基づいて、ユーザの現在に適合する第1服装及び服飾と、ユーザの理想に適合する第2服装及び服飾とのうち少なくとも一方が提案される。
これにより、感性や価値観が相違し得る個々のユーザにとって有用となる服装及び服飾に関する情報を、個々のユーザが容易に取得できるようになる。
【0098】
また、1以上のファッションスタイリストの夫々により提供されるサービスの内容を示すスタイリングに関する情報を少なくとも含む第2情報(例えば上述のスタイリスト情報)を取得する第2取得手段(例えば
図6のスタイリスト取得部112)と、
前記第2取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、前記1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々を、前記空間に配置させる第2配置手段(例えば
図6のスタイリスト配置部122)と、
前記ユーザの前記服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す前記空間内の配置の状態、及び前記1以上のファッションスタイリストの夫々の前記スタイリングの傾向の夫々の配置の状態に基づいて、前記ユーザの現在に適合する第1ファッションスタイリストと、前記ユーザの理想に適合する第2ファッションスタイリストとのうち少なくとも一方を提案する第2提案手段(例えば
図6のスタイリスト提案部132)と、
をさらに備えることができる。
【0099】
つまり、1以上のファッションスタイリストの夫々により提供されるサービスの内容を示すスタイリングに関する情報を少なくとも含む第2情報が取得される。そして、取得された第2情報に基づいて、1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々が、複数の象限により構成される空間に配置される。そして、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す空間内の配置の状態、及び1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々の配置の状態に基づいて、ユーザの現在に適合する第1ファッションスタイリストと、ユーザの理想に適合する第2ファッションスタイリストと、ユーザに推奨する第3ファッションスタイリストとのうち少なくとも1が提案される。
これにより、感性や価値観が相違し得る個々のユーザにとって有用となる服装及び服飾に関する情報として、スタイリストのマッチング結果を、個々のユーザが容易に取得できるようになる。
【0100】
また、管理者(例えば上述の運営側)の視点による前記1以上のファッションスタイリストの夫々に対する考え方を少なくとも含む第3情報(例えば上述の運営側情報)を取得する第3取得手段(例えば
図6の運営側取得部113)をさらに備え、
前記第2配置手段は、さらに、
前記第3情報に基づいて、前記1以上のファッションスタイリストの夫々の前記スタイリングの傾向の夫々の前記空間内の配置の状態を補正することができる。
【0101】
つまり、管理者の視点による1以上のファッションスタイリストの夫々に対する考え方を少なくとも含む第3情報が取得される。そして、取得された第3情報に基づいて、1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々の、複数の象限により構成される空間内の配置の状態が補正される。
これにより、感性や価値観が相違し得る個々のユーザにとって有用となる服装及び服飾に関する情報として、より精緻なスタイリストのマッチング結果を、個々のユーザが容易に取得できるようになる。
【0102】
また、前記第2配置手段は、
前記ユーザの前記服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す前記空間内の配置の状態と、前記第2情報とに基づいて、前記1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々を、当該1以上のファッションスタイリストの夫々を示す所定のシンボル(例えば上述のアイコンIs)によって前記空間内に配置させることができる。
【0103】
つまり、ユーザの服装及び服飾に対する考え方の傾向を示す空間内の配置の状態と、第2情報とに基づいて、1以上のファッションスタイリストの夫々のスタイリングの傾向の夫々が、1以上のファッションスタイリストの夫々を示す所定のシンボルによって空間内に配置される。
これにより、ユーザは、自分自身の感性や価値観を理解しながら、自分自身の感性や価値観に適合する1以上のファッションスタイリストに関する情報を、視覚を通じて容易に取得することができる。