【解決手段】本開示の主題は、B細胞成熟化抗原(BCMA)に結合する抗体、およびその使用方法を提供する。さらに、本開示の主題は、対象における腫瘍を処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、方法は、対象に本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性断片を有効量で投与し、それにより、対象における腫瘍細胞の死滅を誘導するステップを含む。ある特定の実施形態では、方法により、腫瘍細胞の数が減少する。ある特定の実施形態では、方法により、腫瘍のサイズが縮小する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書において引用されている刊行物、特許および他の参考文献は全て、その全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0041】
本開示の主題の実施では、分子生物学、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学における従来の技法が多く使用され、これらは当技術分野の技術の範囲内に入る。これらの技法は、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual、第3版、J.F. Sambrook およびD.W. Russell編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001年;Recombinant Antibodies for Immunotherapy、Melvyn Little編、Cambridge University Press、2009年;「Oligonucleotide Synthesis」(M. J. Gait編、1984年);「Animal Cell Culture」(R. I. Freshney編、1987年);「Methods in Enzymology」(Academic Press, Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F. M. Ausubelら編、1987年、および定期的更新);「PCR: The Polymerase Chain Reaction」、(Mullisら編、1994年);「A Practical Guide to Molecular Cloning」(Perbal Bernard V.、1988年);「Phage Display: A Laboratory Manual」(Barbasら、2001年)において、より詳細に記載されている。これらの参考文献、および、製造者の説明書を含めた、当業者に広範に知られており、信頼されている標準のプロトコールを含有する他の参考文献は、その内容がこれによって参照により本開示の一部として組み込まれる。
【0042】
定義
以下の説明では、用語法の使用に関してはある特定の慣例に従う。一般に、本明細書で使用される用語は、一貫してそれらの用語の当業者に公知の意味で解釈されるものとする。
【0043】
「抗原結合性タンパク質」とは、抗原結合性領域または抗原結合性部分を含む、すなわち、それが結合する別の分子に対して強力な親和性を有するタンパク質またはポリペプチドである。抗原結合性タンパク質とは、抗体、キメラ抗原受容体(CAR)および融合タンパク質を包含する。
【0044】
「抗体(antibody)」および「抗体(antibodies)」とは、これらの用語が当技術分野で公知である通り、免疫系の抗原結合性タンパク質を指す。「抗体」という用語は、本明細書で言及される場合、抗原結合性領域を有する全長の抗体全体、および、「抗原結合性部分」もしくは「抗原結合性領域」が保持されているその任意の断片、またはその単鎖、例えば、単鎖可変断片(scFv)を含む。天然に存在する「抗体」とは、ジスルフィド結合によって相互接続した少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではV
Hと略される)および重鎖定常(CH)領域で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではV
Lと略される)および軽鎖定常C
L領域で構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、C
Lで構成される。V
H領域およびV
L領域は、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域と、間に散在するフレームワーク領域(FR)と称される、より保存された領域にさらに細分することができる。各V
HおよびV
Lは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された3つのCDRと4つのFRで構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合性ドメインを含有する。抗体の定常領域は、種々の免疫系の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第1の構成成分(C1 q)を含めた、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0045】
「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、フレームワーク領域とCDR領域の両方がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含むものとする。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、その定常領域もヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来するものである。本開示の主題のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroにおいてランダム突然変異誘発もしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはin vivoにおいて体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る。
【0046】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指す、すなわち、一般には微量で存在する、例えば自然に起こる突然変異を含有するかまたはモノクローナル抗体調製物の作製中に生じる、可能性のあるバリアント抗体は除いて、集団を構成する個々の抗体が同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。一般には異なる決定因子(エピトープ)を対象とする異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定因子を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるという抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の作製が必要であると解釈されるものではない。例えば、本開示の主題に従って使用するモノクローナル抗体は、これだけに限定されないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含有する遺伝子導入動物を利用する方法を含めた様々な技法によって作出することができ、そのような方法およびモノクローナル抗体を作出するための他の例示的な方法は本明細書に記載されている。
【0047】
「組換えヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子を遺伝子導入もしくは染色体導入された動物(例えば、マウス)またはそれらから調製されたハイブリドーマ(下にさらに記載する)から単離された抗体、(b)ヒト抗体を発現するように形質転換された宿主細胞、例えば、トランスフェクトーマ(transfectoma)から単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、および(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを伴う任意の他の手段によって調製、発現、創出または単離された抗体などの、組換え手段によって調製、発現、創出または単離された全てのヒト抗体を包含する。そのような組換えヒト抗体は、フレームワークおよびCDR領域がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する。しかし、ある特定の実施形態では、そのような組換えヒト抗体を、in vitro突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入された動物を使用する場合にはin vivo体細胞突然変異誘発)に供すことができ、したがって、組換え抗体のVH領域およびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列V
H配列およびV
L配列に由来し、それに関連するものであるが、in vivoにおいてヒト抗体生殖細胞系列レパートリーに天然に存在するものではない可能性がある配列である。
【0048】
「ヒト化抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を指すものとする。ヒトフレームワーク配列内で追加的なフレームワーク領域の改変を行うことができる。
【0049】
「キメラ抗体」という用語は、可変領域配列が1つの種に由来し、定常領域配列が別の種に由来する抗体、例えば、可変領域配列がマウス抗体に由来し、定常領域配列がヒト抗体に由来する抗体を指すものとする。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ヒトBCMAに特異的に結合する」抗体は、ヒトBCMAに約5×10
−7Mもしくはそれ未満、約1×10
−7Mもしくはそれ未満、約5×10
−8Mもしくはそれ未満、約1×10
−8Mもしくはそれ未満、約5×10
−9Mもしくはそれ未満、約1×10
−9Mもしくはそれ未満、約5×10
−10Mもしくはそれ未満、約1×10
−10Mもしくはそれ未満、約5×10
−11Mもしくはそれ未満、または約1×10
−11Mもしくはそれ未満のK
Dで結合する抗体を指すものとする。
【0051】
抗原、例えばBCMAへの結合について参照抗体と「結合について競合する抗体」または「結合について交差競合する抗体」とは、競合アッセイにおいて、参照抗体の抗原(例えば、BCMA)への結合を50%またはそれ超遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体の抗原(例えば、BCMA)への結合を50%またはそれ超遮断する。例示的な競合アッセイは、「Antibodies」、HarlowおよびLane(Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NY)に記載されている。
【0052】
本明細書で使用される場合、「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgG1)を指す。
【0053】
「抗原を認識する抗体」および「抗原に特異的な抗体」という句は、本明細書では、「抗原(例えば、BMCAポリペプチド)に特異的に結合する抗体」という用語と互換的に使用される。
【0054】
抗体の「抗原結合性部分」または「抗原結合性領域」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原に結合する、抗体に抗原特異性を付与する抗体の領域または部分;抗原結合性タンパク質の断片を指し、例えば、抗体は、抗原(例えば、BCMAポリペプチド)に特異的に結合する能力を保持する1つまたは複数の抗体の断片を含む。抗体の抗原結合性機能は全長抗体の断片により果たされ得ることが示されている。抗体の「抗体断片」という用語に包含される抗原結合性断片の例としては、Fab断片、V
L、V
H、C
LおよびCH1ドメインからなる一価断片;F(ab)
2断片、ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結した2つのFab断片を含む二価断片;V
HドメインおよびCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一のアームのV
LドメインおよびV
HドメインからなるFv断片;V
HドメインからなるdAb断片(Wardら、1989年、Nature、341巻:544〜546頁);ならびに単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
【0055】
さらに、Fv断片の2つのドメイン、V
LおよびV
Hは別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、組換え方法を使用して、これらをV
L領域とV
H領域が対合して一価分子を形成した単一のタンパク質鎖にすることが可能な合成リンカーにより、接合することができる。これらは、単鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Birdら、1988年、Science、242巻:423〜426頁;およびHustonら、1988年、Proc. Natl. Acad. Sci.、85巻:5879〜5883頁を参照されたい。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来の技法を使用して得られ、この断片は、有用性についてインタクトな抗体と同じ様式でスクリーニングされる。
【0056】
「単離された抗体」または「単離された抗原結合性タンパク質」とは、その天然の環境の構成成分から同定され、分離および/または回収されたものである。「合成抗体」または「組換え抗体」は、一般に、当業者に公知の組換え技術を使用してまたはペプチド合成技法を使用して生成される。
【0057】
「BCMA」および「B細胞成熟化抗原」という用語は、互換的に使用され、ヒトBCMAのバリアント、アイソフォーム、種ホモログ、およびBCMA(例えば、ヒトBCMA)と共通のエピトープを少なくとも1つ有する類似体を含む。例示的なヒトBCMA配列は、Entrez Gene Accession No.:NP_001183の下に見出すことができる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「単鎖可変断片」または「scFv」という用語は、免疫グロブリン(例えば、マウスまたはヒト)の重鎖(VH)の可変領域と軽鎖(VL)の可変領域が共有結合により連結してVH::VLヘテロ二量体を形成した融合タンパク質である。重鎖(VH)および軽鎖(VL)は、直接接合しているか、または、VHのN末端とVLのC末端、もしくはVHのC末端とVLのN末端を接続する、ペプチドをコードするリンカー(例えば、10アミノ酸、15アミノ酸、20アミノ酸、25アミノ酸)によって接合している。リンカーは、通常、柔軟性のためにグリシンに富み、加えて、溶解性のためにセリンまたはトレオニンに富む。リンカーは、抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変領域と軽鎖可変領域を連結することが可能なものである。リンカーの非限定的な例は、その内容全体がこれによって参照により組み込まれる、Shenら、Anal. Chem. 80巻(6号):1910〜1917頁(2008年)およびWO2014/087010に開示されている。ある特定の実施形態では、リンカーは、G4Sリンカーである。ある特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供される配列番号191で表される配列を有するアミノ酸を含む:
GGGGSGGGGSGGGGS[配列番号191]。
【0059】
ある特定の実施形態では、配列番号191のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、以下に提供される配列番号192で表される:
GGTGGAGGTGGATCAGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCT[配列番号192]。
【0060】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供される配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。
SRGGGGSGGGGSGGGGSLEMA[配列番号69]。
【0061】
ある特定の実施形態では、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、以下に提供される配列番号70で表される:
tctagaggtggtggtggtagcggcggcggcggctctggtggtggtggatccctcgagatggcc[配列番号70]。
【0062】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGS[配列番号193]を有するアミノ酸を含む。
【0063】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列SGGSGGS[配列番号194]を有するアミノ酸を含む。
【0064】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGS[配列番号195]を有するアミノ酸を含む。
【0065】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGS[配列番号196]を有するアミノ酸を含む。
【0066】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGSGGGGGGGS[配列番号197]を有するアミノ酸を含む。
【0067】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号198]を有するアミノ酸を含む。
【0068】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号199]を有するアミノ酸を含む。
【0069】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号200]を有するアミノ酸を含む。
【0070】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号201]を有するアミノ酸を含む。
【0071】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列EPKSCDKTHTCPPCP[配列番号202]を有するアミノ酸を含む。
【0072】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GGGGSGGGSEPKSCDKTHTCPPCP[配列番号203]を有するアミノ酸を含む。
【0073】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCP[配列番号204]を有するアミノ酸を含む。
【0074】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列GSGSGS[配列番号205]を有するアミノ酸を含む。
【0075】
ある特定の実施形態では、リンカーは、以下の配列AAA[配列番号206]を有するアミノ酸を含む。
【0076】
定常領域の除去およびリンカーの導入にもかかわらず、scFvタンパク質は、元の免疫グロブリンの特異性を保持する。単鎖Fvポリペプチド抗体は、Hustonら(Proc. Nat. Acad. Sci. USA、85巻:5879〜5883頁、1988年)に記載されている通り、VHをコードする配列およびVLをコードする配列を含む核酸から発現させることができる。米国特許第5,091,513号、同第5,132,405号および同第4,956,778号;ならびに米国特許公開第20050196754号および同第20050196754号も参照されたい。阻害活性を有するアンタゴニスト性scFvが記載されている(例えば、Zhaoら、Hyrbidoma(Larchmt)2008年、27巻(6号):455〜51頁;Peterら、J Cachexia Sarcopenia Muscle、2012年8月12日;Shiehら、J Imunol、2009年、183巻(4号):2277〜85頁;Giomarelliら、Thromb Haemost、2007年、97巻(6号):955〜63頁;Fife eta.、J Clin Invst、2006年、116巻(8号):2252〜61頁;Brocksら、Immunotechnology、1997年、3巻(3号):173〜84頁;Moosmayerら、Ther Immunol、1995年、2巻(10号:31〜40頁)を参照されたい。刺激活性を有するアゴニスト性scFvが記載されている(例えば、Peterら、J Bioi Chern、2003年、25278巻(38号):36740〜7頁;Xieら、Nat Biotech、1997年、15巻(8号):768〜71頁;Ledbetterら、Crit Rev Immunol、1997年、17巻(5〜6号):427〜55頁;Hoら、BioChim Biophys Acta、2003年、1638巻(3号):257〜66頁を参照されたい)。
【0077】
本明細書で使用される場合、「F(ab)」とは、抗原に結合するが、一価であり、Fc部分を有さない抗体構造の断片、例えば、パパイン酵素によって消化されて2つのF(ab)断片およびFc断片(例えば、重(H)鎖定常領域;抗原に結合しないFc領域)を生じる抗体を指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、「F(ab’)
2」とは、IgG抗体全体のペプシン消化で生じる抗体断片を指し、この断片は、2つの抗原結合性(ab’)(二価)領域を有し、各(ab’)領域は、抗原への結合のためのS−S結合によって連結した2つの別々のアミノ酸の鎖、H鎖の一部および軽(L)鎖を含み、残りのH鎖部分は、一緒に連結している。「F(ab’)
2」断片は、2つの個々のFab’断片に分割することができる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、適切な制御エレメントに付随していると複製することができ、また、遺伝子配列を細胞に移入することができる、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオンなどの任意の遺伝学的エレメントを指す。したがって、この用語は、クローニングおよび発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターおよびプラスミドベクターを包含する。
【0080】
「CDR」は、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である、抗体の相補性決定領域アミノ酸配列と定義される。例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、4th U. S. Department of Health and Human Services、National Institutes of Health(1987年)を参照されたい。「超可変領域」または「HVR」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体可変ドメインの、配列が超可変である領域(「相補性決定領域」または「CDR」)および/または構造的に定義されたループを形成する領域(「超可変ループ」)および/または抗原と接触する残基を含有する領域(「抗原接触」)のそれぞれを指す。一般に、抗体は、可変領域内に3つの重鎖CDRまたはCDR領域および3つの軽鎖CDRまたはCDR領域を含む。CDRにより、抗体の抗原またはエピトープへの結合のための大多数の接触残基がもたらされる。
【0081】
「単離された抗体」とは、その天然の環境の構成成分から分離された抗体である。ある特定の実施形態では、抗体を、例えば、電気泳動的(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)によって決定して、95%または99%を超える純度まで精製する。抗体純度を評価するための方法についての総説に関しては、例えば、Flatmanら、J. Chromatogr. B、848巻:79〜87頁(2007年)を参照されたい。
【0082】
「単離された核酸」とは、その天然の環境の構成成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、普通に核酸分子を含有する細胞に含有される核酸分子であるが、染色体外にまたはその天然の染色体上の位置とは異なる染色体上の位置に存在する核酸分子を含む。
【0083】
「抗体をコードする、単離された核酸」(特定の抗体、例えば抗KLB抗体への言及を含む)とは、単一のベクター、別々のベクター内の核酸分子(複数可)、および宿主細胞において1つまたは複数の位置に存在する核酸分子(複数可)を含めた、抗体重鎖および軽鎖(またはその断片)をコードする1つまたは複数の核酸分子を指す。
【0084】
「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、それが連結した別の核酸を伝播することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製する核酸構造としてのベクター、ならびに、それが導入された宿主細胞のゲノムに組み入れられるベクターを包含する。ある特定のベクターは、それが作動可能に連結した核酸の発現を導くことが可能なものである。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と称される。
【0085】
「免疫コンジュゲート」とは、これだけに限定されないが細胞傷害性薬剤を含めた1つまたは複数の異種分子とコンジュゲートした抗体である。
【0086】
作用剤、例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片、それを含む医薬組成物の「有効量」とは、所望の治療的または予防的結果、例えば腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)の処置を実現するために必要な投与量で必要な期間にわたって有効な量を指す。
【0087】
「個体」または「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物としては、これだけに限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、およびウマ)、霊長類(例えば、ヒト、およびサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)が挙げられる。ある特定の実施形態では、個体または対象は、ヒトである。
【0088】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」(および「処置する(treat)」または「処置すること(treating)」などのその文法上の変形)とは、処置される個体の自然経過を変更する試みにおける臨床的介入を指し、予防法として実施することもでき、臨床病理の経過中に実施することもできる。処置の望ましい効果としては、これだけに限定されないが、疾患の出現または再発の防止、症状の軽減、疾患の任意の直接または間接的な病理学的結果の減弱、転移の防止、疾患の進行の速度の低下、病態の好転または緩和、および寛解または予後の改善が挙げられる。ある特定の実施形態では、疾患の発生を遅延させるため、または、疾患、例えば腫瘍(多発性骨髄腫)の進行を遅くするために本開示の主題の抗体を使用する。
【0089】
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、当業者により決定される特定の値の許容される誤差範囲内にあることを意味し、この範囲は、一部において、値の測定または決定の仕方、すなわち、測定システムの限界に依存する。例えば、「約」とは、当技術分野における慣習に従って、3または3超の標準偏差の範囲内にあることを意味し得る。あるいは、「約」とは、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、なおより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物システムまたはプロセスに関しては、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内であることを意味し得る。
【0090】
本明細書に記載の通り、別段の指定のない限り、濃度範囲、百分率範囲、比率範囲または整数範囲はいずれも、列挙された範囲内のあらゆる整数、および、適切な場合には、その分数(例えば、整数の10分の1および100分の1など)の値を含むものと理解されるべきである。
【0091】
抗BCMA抗体
本開示の主題の抗体は、抗体の特定の機能的特徴または性質によって特徴付けられる。例えば、抗体は、BCMAに特異的に結合する(例えば、ヒトBCMAに結合し、マウスなどの他の種に由来するBCMAと交差反応し得る)。ある特定の実施形態では、本開示の主題の抗体は、BCMAに、高親和性、例えば、1×10
−6Mまたはそれ未満、例えば、約1×10
−7Mもしくはそれ未満、約1×10
−8Mもしくはそれ未満、約1×10
−9Mもしくはそれ未満、約1×10
−10Mもしくはそれ未満、または約1×10
−11Mもしくはそれ未満のK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約1×10
−11Mから約1×10
−6Mまで、例えば、約1×10
−11Mから約1×10
−10Mまで、約1×10
−10Mから約1×10
−9Mまで、1×10
−9Mから約1×10
−8Mまで、約1×10
−8Mから約1×10
−7Mまで、または約1×10
−7Mから約1×10
−6MまでのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約1×10
−8Mまたはそれ未満のK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約1×10
−9Mから約1×10
−8MまでのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約1×10
−9Mから約1.5×10
−9MまでのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約1.2×10
−9MのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約4×10
−9Mから約5×10
−9MまでのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約5×10
−9MのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約4.8×10
−9MのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約8×10
−9Mから約9×10
−9MまでのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約8×10
−9MのK
Dで結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に、約8.1×10
−9MのK
Dで結合する。
【0092】
本開示の主題の抗体の重鎖および軽鎖は、全長のものであり得る(例えば、抗体は、少なくとも1つ(例えば、1つまたは2つ)の完全な重鎖、および少なくとも1つ(例えば、1つまたは2つ)の完全な軽鎖を含み得る)、または、抗原結合性部分(Fab、F(ab’)
2、Fvまたは単鎖Fv断片(「scFv」))を含み得る。ある特定の実施形態では、抗体重鎖定常領域は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEから選択され、特に、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、より詳細には、IgG1(例えば、ヒトIgG1)から選択される。別の実施形態では、抗体軽鎖定常領域は、例えば、カッパまたはラムダ、特にカッパから選択される。
【0093】
1.単鎖可変断片(scFv)
一部の実施形態では、本開示の主題は、scFv配列と1つまたは複数の定常ドメインを融合してヒト免疫グロブリンのFc領域を有する抗体を形成して二価タンパク質にし、それにより抗体の全体的な結合活性および安定性を増大させた抗体を含む。さらに、Fc部分により、例えば、抗原定量化試験において使用するため、親和性測定のために抗体を固定するため、治療剤の標的化送達のため、免疫エフェクター細胞を使用してFc媒介性細胞傷害性を試験するためおよび多くの他の適用のために、これだけに限定されないが、蛍光色素、細胞毒、放射性同位元素などを含めた他の分子を抗体に直接コンジュゲートすることが可能になる。
【0094】
本明細書において提示されている結果から、BCMAポリペプチドの標的化における本発明の抗体の特異性、感度および有用性が強調される。
【0095】
本発明の分子は、そのアミノ酸配列が目的のBCMAポリペプチドに対する分子の特異性を付与し、本開示の全ての抗原結合性タンパク質の基礎を形成するものである単鎖可変性断片(scFv)の、ファージディスプレイを使用した同定および選択に基づく。したがって、scFvを使用して、例えば、全長抗体、その断片、例えば、FabおよびF(ab’)
2など、ミニボディ(minibody)、scFv−Fc融合物を含めた融合タンパク質、多価抗体、すなわち、同じ抗原または異なる抗原に対して1つ超の特異性を有する抗体、例えば、二重特異性抗体、トリボディ(tribody)などを含めた、「抗体」分子の多様なアレイを設計することができる(Cuestaら、Multivalent antibodies: when design surpasses evolution. Trends in Biotechnology、28巻:355〜362頁、2010年を参照されたい)。
【0096】
ある特定の実施形態では、抗原結合性タンパク質は、全長抗体であり、本開示の主題の抗体の重鎖および軽鎖とは、全長のものであり得る(例えば、抗体は、少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な重鎖、および少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な軽鎖を含み得る)、または、抗原結合性部分(Fab、F(ab’)
2、Fvまたは単鎖Fv断片(「scFv」))を含み得る。ある特定の実施形態では、抗体重鎖定常領域は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEから選択される。ある特定の実施形態では、免疫グロブリンアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、より詳細には、IgG1(例えば、ヒトIgG1)から選択される。抗体のアイソタイプの選択は、それが引き出されるように抗体を設計する免疫エフェクター機能に依存し得る。
【0097】
組換え免疫グロブリンの構築において、種々の免疫グロブリンアイソタイプの定常領域に適したアミノ酸配列および幅広い抗体を作製するための方法は、当業者に公知である。
【0098】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−192と称される(「ET140−42」とも称される)、配列番号72のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、以下に提示する配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
MLQMAGQCSQNEYFDSLLHACIPCQLRCSSNTPPLTCQRYCNASVTNSVKGTNAILWTCLGLSLIISLAVFVLMFLLRKINSEPLKDEFKNTGSGLLGMANIDLEKSRTGDEIILPRGLEYTVEECTCEDCIKSKPKVDSDHCFPLPAMEEGATILVTTKTNDYCKSLPAALSATEIEKSISAR[配列番号71]
【0099】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号1で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号2で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表1から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号1で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号2で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号1で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号2で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号89で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号90で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号91で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号92で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号93で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号94で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表1に示されている、配列番号89で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号90で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号91で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号92で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号93で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号94で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、配列番号89で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号90で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号91で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号92で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号93で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号94で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表1】
【0100】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−197と称される(「ET140−47」とも称される)、配列番号73のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0101】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号5で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号6で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表2から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号5で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号6で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号5で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号6で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号95で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号96で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号97で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号98で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号99で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号100で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表2に示されている、配列番号95で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号96で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号97で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号98で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号99で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号100で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号95で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号96で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号97で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号99で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号100で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表2】
【0102】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−180と称される(「ET140−30」とも称される)、配列番号74のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0103】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号9で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号10で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表3から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号9で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号10で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号9で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号10で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号101で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号102で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号103で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号104で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号105で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号106で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表3に示されている、配列番号101で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号102で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号103で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号104で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号105で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号106で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号101で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号102で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号103で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号104で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号105で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号106で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表3】
【0104】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−172と称される(「ET140−22」とも称される)、配列番号75のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0105】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号13で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号14で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表4から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号13で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号14で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号13で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号14で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号107で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号108で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号109で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号110で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号111で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号112で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表4に示されている、配列番号107で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号108で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号109で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号110で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号111で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号112で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号107で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号108で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号109で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号110で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号111で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号112で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表4-1】
【表4-2】
【0106】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−157と称される(「ET140−7」とも称される)、配列番号76のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0107】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号17で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号18で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表5から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号17で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号18で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号17で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号18で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号113で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号114で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号115で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号116で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号117で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号118で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表5に示されている、配列番号113で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号114で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号115で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号116で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号117で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号118で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号113で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号114で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号115で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号116で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号117で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号118で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表5-1】
【表5-2】
【0108】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−153と称される(「ET140−3」とも称される)、配列番号77のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0109】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表6から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号119で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号121で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号122で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表6に示されている、配列番号119で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表6-1】
【表6-2】
【0110】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−201と称される(「ET140−51」とも称される)、配列番号78のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0111】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号25で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号26で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表7から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号25で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号26で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号25で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号26で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号125で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号126で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号127で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号128で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号129で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号130で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表7に示されている、配列番号125で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号126で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号127で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号128で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号129で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号130で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号125で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号126で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号127で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号128で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号129で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号130で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表7-1】
【表7-2】
【0112】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−167と称される(「ET140−17」とも称される)、配列番号79のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0113】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号29で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号30で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表8から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表8に示されている、配列番号29で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表8に示されている、配列番号30で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表8に示されている、配列番号29で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号30で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表8に示されている、配列番号131で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号132で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号133で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMAは、表8に示されている、配列番号134で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号135で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号136で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表8に示されている、配列番号131で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号132で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号133で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号134で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号135で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号136で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号131で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号132で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号133で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号134で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号135で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号136で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表8-1】
【表8-2】
【0114】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−163と称される(「ET140−13」とも称される)、配列番号80のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0115】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号33で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号34で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表9から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号33で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号34で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号33で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号34で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号137で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号138で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号139で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号140で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号141で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号142で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表9に示されている、配列番号137で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号138で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号139で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号140で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号141で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号142で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号137で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号138で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号139で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号140で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号141で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号142で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表9-1】
【表9-2】
【0116】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−207と称される(「ET140−57」とも称される)、配列番号81のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0117】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号37で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号38で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表10から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号37で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号38で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号37で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号38で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号143で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号144で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号145で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号146で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号147で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号148で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表10に示されている、配列番号143で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号144で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号145で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号146で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号147で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号148で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号143で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号144で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号145で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号146で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号148で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表10】
【0118】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−165と称される(「ET140−15」とも称される)、配列番号82のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0119】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号41で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号42で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表11から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号41で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号42で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号41で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号42で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号149で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号150で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号151で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号152で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号153で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号154で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表11に示されている、配列番号149で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号150で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号151で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号152で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号153で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号154で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号150で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号151で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号152で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号153で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号154で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表11】
【0120】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−188と称される(「ET140−38」とも称される)、配列番号83のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0121】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号45で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号46で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表12から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号45で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号46で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号45で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号46で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号155で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号156で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号157で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号158で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号159で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号160で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表12に示されている、配列番号155で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号156で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号157で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号158で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号159で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号160で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号155で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号156で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号157で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号158で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号159で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号160で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表12】
【0122】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−196と称される(「ET140−46」とも称される)、配列番号84のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0123】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号49で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号50で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表13から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号49で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号50で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号49で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号50で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号161で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号162で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号163で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号164で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号165で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号166で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表13に示されている、配列番号161で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号162で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号163で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号164で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号165で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号166で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号161で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号162で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号163で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号164で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号165で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号166で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表13】
【0124】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−204と称される(「ET140−54」とも称される)、配列番号85のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0125】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号53で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号54で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表14から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号53で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号54で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号53で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号54で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号167で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号168で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号169で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号170で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号171で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号172で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表14に示されている、配列番号167で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号168で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号169で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号170で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号171で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号172で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号167で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号168で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号169で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号170で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号171で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号172で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表14】
【0126】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−190と称される(「ET140−40」とも称される)、配列番号86のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0127】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号57で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号58で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表15から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号57で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号58で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号57で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号58で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号173で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号174で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号175で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号176で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号177で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号178で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表15に示されている、配列番号173で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号174で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号175で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号176で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号177で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号178で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号173で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号174で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号175で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号176で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号177で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号178で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表15】
【0128】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−187と称される(「ET140−37」とも称される)、配列番号87のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0129】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号61で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号62で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表16から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号61で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号62で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号61で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号62で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号179で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号180で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号181で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号182で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号183で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号184で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表16に示されている、配列番号179で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号180で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号181で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号182で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号183で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号184で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号179で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号180で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号181で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号182で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号183で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号184で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表16】
【0130】
ある特定の実施形態では、抗体または他の抗原結合性タンパク質は、ET140−174と称される(「ET140−24」とも称される)、配列番号88のアミノ酸配列を含み、BCMAポリペプチド(例えば、配列番号71のアミノ酸配列を有するBCMAポリペプチド、またはその断片)に特異的に結合する抗原結合性領域を有する、抗BCMA scFvまたはその抗原結合性断片である。
【0131】
ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、配列番号65で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号66で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFv抗体は、表17から選択されるV
H領域およびV
L領域またはCDRを有するscFv−Fc融合タンパク質または全長ヒトIgGである。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号65で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号66で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号65で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号66で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号185で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号186で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号187で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号188で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号189で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号190で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、抗BCMA scFvは、表17に示されている、配列番号185で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号186で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号187で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号188で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号189で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号190で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号185で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号186で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号187で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号188で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号189で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号190で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。
【表17】
【0132】
本開示の主題は、さらに、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間のリンカーペプチド、ならびにHisタグおよびHAタグを含む抗BCMA scFv抗体を提供する。ある特定の実施形態では、HisタグおよびHAタグのアミノ酸配列は、以下に提示する配列番号246のアミノ酸配列を含む:
TSGQAGQHHHHHHGAYPYDVPDYAS[配列番号246]
【0133】
配列番号246をコードするヌクレオチド配列は、以下に提示する配列番号247である:
ACTAGTGGCCAGGCCGGCCAGCACCATCACCATCACCATGGCGCATACCCGTACGACGTTCCGGACTACGCTTCT[配列番号247]
2.モノクローナル抗体
【0134】
本開示の主題は、BCMA(例えば、ヒトBCMA)に特異的に結合するものであり、実施例2に記載の通り単離され構造的に特徴付けされた、ヒト抗体(例えば、ヒトモノクローナル抗体)を提供する。ヒト抗BCMA抗体ET140−192(「ET140−42」とも称される)、ET140−197(「ET140−47」とも称される)、ET140−180(「ET140−30」とも称される)、ET140−172(「ET140−22」とも称される)、ET140−157(「ET140−7」とも称される)、ET140−153(「ET140−3」とも称される)、ET140−201(「ET140−51」とも称される)、ET140−167(「ET140−17」とも称される)、ET140−163(「ET140−13」とも称される)、ET140−207(「ET140−57」とも称される)、ET140−165(「ET140−15」とも称される)、ET140−188(「ET140−38」とも称される)、ET140−196(「ET140−46」とも称される)、ET140−204(「ET140−54」とも称される)、ET140−190(「ET140−40」とも称される)、ET140−187(「ET140−37」とも称される)、およびET140−174(「ET140−24」とも称される)のV
Hアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、および65で示される。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
Lアミノ酸配列は、それぞれ配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、および66で示される。
【0135】
ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体のそれぞれがBCMAに結合することが可能であることを考えると、V
H配列およびV
L配列を「混合し対応させて」、他の抗BCMA結合性分子を創出することができる。そのような「混合し対応させた」抗体のBCMAへの結合は、例えば、ELISA、ウエスタンブロット、RIA、Biacore解析を含めた当技術分野で公知の結合アッセイを使用して試験することができる。V
H鎖およびV
L鎖を混合し対応させる場合、特定のV
H/V
L対からのV
H配列を、構造的に類似したV
H配列で置き換えることが好ましい。同様に、特定のV
H/V
L対からのV
L配列を、構造的に類似したV
L配列で置き換える。
【0136】
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、(a)配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、および65からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに(b)配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、および66からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、BCMA、例えばヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分を提供する。
【0137】
好ましい重鎖および軽鎖の組み合わせとしては:
(a)配列番号1によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号2によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;または
(b)配列番号5によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号6によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号9によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号10によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号13によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号14によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号17によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号18によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号21によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号22によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号25によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号26によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号29によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号30によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号33によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号34によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号37によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号38によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号41によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号42によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号45によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号46によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号49によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号50によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号53によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号54によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号57によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号58によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号61によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号62によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号65によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号66によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域
が挙げられる。
【0138】
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体を提供する。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
H CDR1のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149、155、161、167、173、179、および185で示される。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体のV
H CDR2のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150、156、162、168、174、180、および186で示される。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
H CDR3のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号91、97、103、109、115、121、127、133、139、145、151、157、163、169、175、181、および187で示される。
【0139】
ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
L CDR1のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号92、98、104、110、116、122、128、134、140、146、152、158、164、170、176、182、および188で示される。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
L CDR2のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号93、99、105、111、117、123、129、135、141、147、153、159、165、171、177、183、および189で示される。ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のV
L CDR3のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号94、100、106、112、118、124、130、136、142、148、154、160、166、172、178、184、および190で示される。CDR領域は、Kabat系を使用して示される(Kabat, E. A.ら、(1991年)、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S. Department of Health and Human Services、NIH Publication
No. 91-3242)。
【0140】
これらの抗体のそれぞれがBCMAに結合することが可能であること、ならびに抗原結合性特異性が主にCDR1、CDR2、およびCDR3領域によってもたらされることを考えると、V
H CDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列、ならびにV
L CDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を「混合し対応させて」(すなわち、異なる抗体に由来するCDRを混合し対応させることができるが、各抗体は、V
H CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびにV
L CDR1、CDR2、およびCDR3を含有しなければならない)、他の抗BCMA結合性分子を創出することができる。そのような「混合し対応させた」抗体のBCMAへの結合は、上記の結合アッセイを使用して試験することができる。V
H CDR配列を混合し対応させる場合、特定のV
H配列に由来するCDR1、CDR2および/またはCDR3配列を、構造的に類似したCDR配列(複数可)と置き換える。同様に、V
L CDR配列を混合し対応させる場合、特定のV
L配列に由来するCDR1、CDR2および/またはCDR3配列を、構造的に類似したCDR配列(複数可)と置き換えることが好ましい。1つまたは複数のV
Hおよび/またはV
L CDR領域配列を、本明細書に開示されている抗体ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174のCDR配列に由来する、構造的に類似した配列で置換することにより、新規のV
H配列およびV
L配列を創出することができることが当業者には容易に明らかになろう。
【0141】
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、
(a)配列番号89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149、155、161、167、173、179、および185からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150、156、162、168、174、180、および186からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号91、97、103、109、115、121、127、133、139、145、151、157、163、169、175、181、および187からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号92、98、104、110、116、122、128、134、140、146、152、158、164、170、176、182、および188からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号93、99、105、111、117、123、129、135、141、147、153、159、165、171、177、183、および189からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;ならびに
(f)配列番号94、100、106、112、118、124、130、136、142、148、154、160、166、172、178、184、および190からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3
を含み、
BCMA、例えばヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分を提供する。
【0142】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号89で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号90で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号91で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号92で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号93で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号94で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0143】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号95で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号96で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号97で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号99で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号100で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号101で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号102で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号103で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号104で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号105で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号106で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0144】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号107で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号108で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号109で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号110で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号111で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号112で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0145】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号113で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号114で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号115で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号116で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号117で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号118で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0146】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0147】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号125で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号126で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号127で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号128で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号129で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号130で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0148】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号131で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号132で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号133で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号134で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号135で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号136で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0149】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号137で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号138で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号139で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号140で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号141で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号142で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0150】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号143で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号144で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号145で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号146で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号148で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0151】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号149で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号150で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号151で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号152で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号153で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号154で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0152】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号155で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号156で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号157で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号158で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号159で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号160で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0153】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号161で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号162で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号163で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号164で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号165で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号166で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0154】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号167で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号168で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号169で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号170で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号171で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号172で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0155】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号173で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号174で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号175で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号176で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号177で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号178で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0156】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号179で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号180で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号181で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号182で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号183で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号184で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0157】
ある特定の実施形態では、抗体は、
(a)配列番号185で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号186で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号187で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号188で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号189で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号190で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。
【0158】
本明細書に開示されている抗BCMA抗体の定常領域/フレームワーク領域は、抗体の性質を改変するために(例えば、以下の1つまたは複数を増大または低下させるため:抗原結合親和性、Fc受容体への結合、抗体の炭水化物、例えば、グリコシル化、フコシル化など、システイン残基の数、エフェクター細胞機能、エフェクター細胞機能、補体機能またはコンジュゲーション部位の導入)、例えばアミノ酸置換によって変更することができる。
【0159】
ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、完全ヒト抗体、例えば、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174の任意の1つである。マウス抗体をヒトに投与すると、HAMA(ヒト抗マウス抗体)応答(Azinovic Iら、Survival benefit associated with human anti-mouse antibody (HAMA) in patients with B-cell malignancies. Cancer Immunol Immunother、2006年;55巻(12号):1451〜8頁;Tjandra JJら、Development of human anti−murine antibody(HAMA)response in patients. Immunol Cell Biol、1990年;68巻(6号):367〜76頁)として公知の免疫原性反応が引き起こされ、それにより、アナフィラキシーおよび過敏症反応を含めた重篤な副作用が引き起こされるので、ヒトにおける治療的使用に関しては完全ヒトmAbが好ましい。この免疫原性反応は、天然のヒト抗体とはわずかに異なるアミノ酸配列が原因で、マウス抗体を外来として認識するヒト免疫系によって誘発される。当技術分野で公知のヒト化方法(Riechmann Lら、Reshaping human antibodies for therapy. Nature、1988年;332巻(6162号):332巻:323頁;Queen Cら、A humanized antibody that binds to the interleukin 2 receptor. Proc Natl Acad Sci USA、1989年;86巻(24号):10029〜33頁)を使用して、マウス由来の抗体の免疫原性を低下させることができる(Gerd Rら、Serological Analysis of Human Anti-Human Antibody Responses in Colon Cancer Patients Treated with Repeated Doses of Humanized Monoclonal Antibody A33. Cancer Res、2001年;61巻、6851〜6859頁)。
【0160】
ファージディスプレイライブラリーの使用により、非常に規定されたエピトープに対する独特であり希少なAbについて多数のAbレパートリーを選択することが可能になった(ファージディスプレイに関するさらなる詳細については、McCaffertyら、Phage antibodies: filamentous phage displaying antibody variable domains. Nature、348巻:552〜554頁を参照されたい)。したがって、腫瘍抗原由来のペプチド−MHC複合体分子に高度に特異的なヒトFabまたは単鎖Fv(scFV)断片の迅速な同定が可能になった(19〜22)。最近、黒色腫Ag MART−1 26−35/A2またはgp100 280−288/A2に特異的なTCR様Fabと短縮型のPseudomonas内毒素を融合することによって生成された免疫毒素により、ヒト黒色腫の成長がin vitroおよびin vivoのどちらにおいても阻害されることが示されている(Klechevsky Eら、Antitumor activity of immunotoxins with T-cell receptor-like specificity against human melanoma xenografts. Cancer Res、2008年;68巻(15号):6360〜6367頁)。さらに、Fab断片を使用して全長mAbを工学的に作製することにより、治療用mAbの開発に通常必要である数か月もの時間のかかる研究を回避して、治療用ヒトmAbを直接生成することが可能である。本開示の主題は、がん治療のための、例えばヒトBCMAポリペプチド(例えば、配列番号71で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド)を認識する完全ヒトmAbを開発することを伴う。
【0161】
3.相同な抗体
ある特定の実施形態では、本開示の主題の抗体は、本明細書に記載の抗体(例えば、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体)のアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、当該抗体は、本開示の主題の抗BMCA抗体の所望の機能的性質を保持する。
【0162】
例えば、本開示の主題は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域が、配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、および65からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、および66からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含む、
単離された抗体またはその抗原結合性部分であって、ヒトBCMAに1×10
−7Mまたはそれ未満のK
Dで結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分を提供する。
【0163】
ある特定の実施形態では、V
Hおよび/またはV
Lアミノ酸配列は、上記の配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同なものであってよい。上記の配列のV
H領域およびV
L領域に対して高い(すなわち、80%またはそれ超)相同性を有する、V
H領域およびV
L領域を有する抗体は、突然変異誘発(例えば、部位特異的なまたはPCR媒介性突然変異誘発)を行い、その後、コードされる変更された抗体を、保持される機能(すなわち、結合親和性)について、本明細書に記載の結合アッセイを使用して試験することによって得ることができる。
【0164】
本明細書で使用される場合、2つのアミノ酸配列間のパーセント相同性は、2つの配列間のパーセント同一性と等しい。2つの配列間のパーセント同一性または相同性は、2つの配列を最適にアラインメントするために導入する必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、それらの配列が共有する同一の位置の数の関数(すなわち、%相同性=同一の位置の数/位置の総数×100)である。配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、以下の非限定的な例に記載の通り、数学的アルゴリズムを使用して実現することができる。
【0165】
2つのアミノ酸配列間のパーセント相同性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み入れられたE. MeyersおよびW. Miller(Comput. Appl. Biosci.、4巻:11〜17頁(1988年))のアルゴリズムを使用し、PAM120重み付け残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ(gap length penalty)12およびギャップペナルティ(gap penalty)4を使用して決定することができる。さらに、2つのアミノ酸配列間のパーセント相同性は、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comにおいて入手可能)中のGAPプログラムに組み入れられたNeedlemanおよびWunsch(J. Mol. Biol.、48巻:444〜453頁(1970年))アルゴリズムを使用し、Blossum62行列またはPAM250行列、およびギャップ重み付け(gap weight)16、14、12、10、8、6、または4、および長さ重み付け(length weight)1、2、3、4、5、または6を使用して決定することができる。
【0166】
それに加えて、またはその代わりに、本開示の主題のタンパク質配列は、さらに、例えば、関連する配列を同定するために、公共のデータベースに対する検索を実施するための「クエリ配列」として使用することができる。そのような検索は、Altschulら、(1990年)、J. Mol. Biol.、215巻:403〜10頁のXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実施することができる。XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長(wordlength)=3を用いてBLASTタンパク質検索を実施して、本発明の抗体分子と相同であるアミノ酸配列を得ることができる。比較する目的でギャップを挿入したアラインメントを得るために、Altschulら、(1997年)、Nucleic Acids Res.、25巻(17号):3389〜3402頁に記載されている通り、Gapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)の初期パラメータを使用することができる(www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい)。
【0167】
4.保存的改変を伴う抗体
ある特定の実施形態では、本開示の主題の抗体は、CDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、ならびにCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含み、これらのCDR配列のうちの1つまたは複数は、本明細書に記載の好ましい抗体(例えば、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体)に基づく特定のアミノ酸配列またはその保存的改変を含み、また、当該抗体は、本開示の主題の抗BCMA抗体の所望の機能的性質を保持する。本開示の主題は、CDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、ならびにCDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域CDR3配列が、配列番号91、97、103、109、115、121、127、133、139、145、151、157、163、169、175、181、および187のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域CDR3配列が、配列番号94、100、106、112、118、124、130、136、142、148、154、160、166、172、178、184、および190のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
単離された抗体またはその抗原結合性部分であって、ヒトBCMAに1×10
−7Mまたはそれ未満のK
Dで結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分を提供する。
【0168】
ある特定の実施形態では、重鎖可変領域CDR2配列は、配列番号90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150、156、162、168、174、180、および186のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域CDR2配列は、配列番号93、99、105、111、117、123、129、135、141、147、153、159、165、171、177、183、および189のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0169】
ある特定の実施形態では、重鎖可変領域CDR1配列は、配列番号89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149、155、161、167、173、179、および185のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域CDR1配列は、配列番号92、98、104、110、116、122、128、134、140、146、152、158、164、170、176、182、および188のアミノ酸配列、ならびにその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0170】
本明細書で使用される場合、「保存的配列改変」という用語は、当該アミノ酸配列を含有する抗体の結合特性に有意な影響を及ぼさないまたはそれを変更させないアミノ酸の改変を指すものとする。そのような保存的改変は、アミノ酸の置換、付加および欠失を含む。改変は、部位特異的突然変異誘発およびPCR媒介性突然変異誘発などの当技術分野で公知の標準の技法によって本発明の抗体に導入することができる。
【0171】
保存的アミノ酸置換とは、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。例示的な保存的アミノ酸置換を表18に示す。アミノ酸置換を目的の抗体に導入し、産物を所望の活性、例えば、抗原結合性の保持/改善、免疫原性の低下、またはADCCもしくはCDCの改善についてスクリーニングすることができる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示されている配列、例えば、CDR配列、VH配列またはVL配列は、改変および/または置換されたアミノ酸残基を約1個まで、約2個まで、約3個まで、約4個まで、約5個まで、約6個まで、約7個まで、約8個まで、約9個までまたは約10個まで有し得る。
【表18】
【0172】
アミノ酸は、共通する側鎖の性質に応じて群分けすることができる:
・疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
・中性、親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
・酸性:Asp、Glu;
・塩基性:His、Lys、Arg;
・鎖の方向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
・芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0173】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーと別のクラスを交換することを伴う。
【0174】
5.本発明の抗BCMA抗体とBCMAへの結合について交差競合する抗BCMA抗体
本開示の主題は、開示されている抗BCMA抗体のいずれかと、BCMA(例えば、ヒトBCMA)への結合について交差競合する抗体を提供する。限定するものではなく、例えば、交差競合する抗体は、本開示の主題の抗BCMA抗体のいずれかと同じエピトープ領域、例えば、同じエピトープ、隣接するエピトープ、または重複したエピトープに結合し得る。ある特定の実施形態では、交差競合試験のための参照抗体は、本明細書に開示されている抗BCMA抗体、例えば、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体の任意の1つであってよい。
【0175】
ある特定の実施形態では、交差競合する抗体は、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する。ある特定の実施形態では、交差競合する抗体は、配列番号71のアミノ酸8〜22、9〜23、10〜24、11〜25、12〜26、13〜27、14〜28、および8〜28からなる群から選択される1カ所、2カ所、3カ所、4カ所、5カ所、6カ所、または7カ所のエピトープ領域に結合する。
【0176】
そのような交差競合する抗体は、標準のBCMA結合アッセイにおいて本開示の抗BCMA抗体の任意の1つと交差競合する能力に基づいて同定することができる。例えば、Biacore解析、ELISAアッセイまたはフローサイトメトリーを使用して、本開示の主題の抗体との交差競合を実証することができる。試験抗体が、例えば、本開示の抗BMCA抗体(例えば、ET140−192、ET140−197、ET140−180、ET140−172、ET140−157、ET140−153、ET140−201、ET140−167、ET140−163、ET140−207、ET140−165、ET140−188、ET140−196、ET140−204、ET140−190、ET140−187、およびET140−174抗体)の任意の1つのヒトBCMAへの結合を阻害できることにより、当該試験抗体が、本開示の抗BCMA抗体の任意の1つと、ヒトBCMAへの結合について競合し得る、したがって、本開示の抗BCMA抗体の任意の1つと同じヒトBCMA上のエピトープ領域に結合することが実証される。ある特定の実施形態では、交差競合する抗体は、本開示の抗BCMA抗体の任意の1つと同じヒトBCMA上のエピトープに結合する。
【0177】
6.抗原への抗体の結合の特徴付け
本開示の主題の抗体は、BCMAへの結合について、例えば、標準のELISAによって試験することができる。選択された抗BCMA抗体が独特のエピトープに結合するものであるかを決定するために、各抗体を、市販の試薬(Pierce、Rockford、IL)を使用してビオチン化することができる。無標識モノクローナル抗体およびビオチン化モノクローナル抗体を使用した競合試験を、上記の通りBCMAをコーティングしたELISAプレートを使用して実施することができる。ビオチン化mAbの結合をストレプトアビジン(strep-avidin)−アルカリホスファターゼプローブを用いて検出することができる。
【0178】
精製された抗体のアイソタイプを決定するために、アイソタイプELISAを、特定のアイソタイプの抗体に特異的な試薬を使用して実施することができる。抗BCMAヒトIgGを、BCMA抗原との反応性についてウエスタンブロット法によってさらに試験することができる。
【0179】
ある特定の実施形態では、放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によってK
dを測定する。ある特定の実施形態では、目的の抗体のFabバージョンおよびその抗原を用いてRIAを実施する。例えば、Fabを、タイトレーションした一連の無標識抗原の存在下で最小濃度の(
125I)標識した抗原を用いて平衡化し、次いで、抗Fab抗体をコーティングしたプレートに結合した抗原を捕捉することにより、Fabの抗原に対する溶液結合親和性を測定する(例えば、Chenら、J. Mol. Biol.、293巻:865〜881頁(1999年)を参照されたい)。
【0180】
ある特定の実施形態では、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用してK
dを測定する。例えば、BIACORE(登録商標)−2000またはBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.、Piscataway、NJ)を使用したアッセイ。
【0181】
エピトープマッピング
ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、配列番号71に記載のアミノ酸配列を含むヒトBCMAポリペプチドに結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、配列番号71に記載のアミノ酸配列の1つまたは複数の部分に結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、配列番号71のアミノ酸8〜22、9〜23、10〜24、11〜25、12〜26、13〜27、14〜28、および8〜28からなる群から選択される1カ所、2カ所、3カ所、4カ所、5カ所、6カ所、または7カ所のエピトープ領域に結合する。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号9で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域および配列番号10で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間に(iii)で表される配列リンカー配列、例えばリンカーペプチドを伴う。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号69で表される配列を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号21に記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%相同であるアミノ酸配列を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hを含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号22に記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%相同であるアミノ酸配列を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号119で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、および配列番号121で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3を含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号122で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号119で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列またはその保存的改変を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する本開示の抗BCMA抗体は、配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む。ある特定の実施形態では、本開示の抗BCMA抗体は、ET140−3(または「ET140−153」)である。
【0182】
7.免疫コンジュゲート
本開示の主題は、細胞毒、薬物(例えば、免疫抑制剤)または放射性毒などの治療用部分とコンジュゲートした抗BCMA抗体またはその断片を提供する。そのようなコンジュゲートは、本明細書では「免疫コンジュゲート」と称される。1つまたは複数の細胞毒を含む免疫コンジュゲートは、「免疫毒素」と称される。細胞毒または細胞傷害性薬剤は、細胞に対して有害である(例えば、死滅させる)任意の作用剤を含む。例としては、タキソール(例えば、リシン、ジフテリア、ゲロニンなど)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシンならびにその類似体またはホモログが挙げられる。治療剤としては、例えば、カリケアミシン(calecheamicin)、アウリスタチン(aureastatin)、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗有糸分裂薬(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)も挙げられる。
【0183】
本明細書に開示されている抗BCMA抗体とコンジュゲートすることができる治療用細胞毒の他の例としては、デュオカルマイシン、カリチアマイシン、マイタンシンおよびアウリスタチン、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。カリチアマイシン抗体コンジュゲートの例が市販されている(Mylotarg(商標);Wyeth−Ayerst)。
【0184】
細胞毒は、当技術分野において利用可能なリンカー技術を使用して、本明細書に開示されている抗BCMA抗体とコンジュゲートすることができる。細胞毒を抗体にコンジュゲートするために使用されているリンカー型の例としては、これだけに限定されないが、ヒドラゾン、チオエーテル、エステル、ジスルフィドおよびペプチドを含有するリンカーが挙げられる。例えば、リソソーム区画内の低pHによる切断を受けやすい、またはプロテアーゼ、例えば、カテプシン(例えば、カテプシンB、C、D)などの腫瘍組織において優先的に発現するプロテアーゼなどによる切断を受けやすいリンカーを選択することができる。治療剤を抗体にコンジュゲートするための細胞毒、リンカーおよび方法の型に関するさらなる考察については、Saito, G.ら、(2003年)、Adv. Drug Deliv. Rev.、55巻:199〜215頁;Trail, P.A.ら、(2003年)、Cancer Immunol. Immunother.、52巻:328〜337頁;Payne, G.、(2003年)、Cancer Cell、3巻:207〜212頁;Allen, T.M.、(2002年)、Nat. Rev. Cancer、2巻:750〜763頁;Pastan, I.およびKreitman, R. J.、(2002年)、Curr. Opin. Investig. Drugs、3巻:1089〜1091頁;Senter, P.D.およびSpringer, C.J.、(2001年)、Adv. Drug Deliv. Rev.、53巻:247〜264頁も参照されたい。
【0185】
本開示の主題の抗BCMA抗体を放射性同位元素とコンジュゲートして、放射性免疫コンジュゲートとも称される細胞傷害性放射性医薬品を生成することもできる。診断上または治療上で使用するために抗体とコンジュゲートすることができる放射性同位元素の例としては、これだけに限定されないが、
90Y、
131I、
225Ac、
213Bi、
223Raおよび
227Thが挙げられる。放射性免疫コンジュゲートを調製するための方法は、当技術分野において確立されている。放射性免疫コンジュゲートの例は、Zevalin(商標)(IDEC Pharmaceuticals)およびBexxar(商標)(Corixa Pharmaceuticals)を含め市販されており、また、同様の方法を使用して、本発明の抗体を使用した放射性免疫コンジュゲートを調製することができる。
【0186】
本開示の主題の抗体コンジュゲートは、所与の生物学的応答を改変するために使用することができ、薬物部分は、古典的な化学治療剤に限定されるとは解釈されない。例えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質またはポリペプチドであってよい。そのようなタンパク質としては、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、もしくはジフテリア毒素などの酵素的に活性な毒素もしくはその活性断片;腫瘍壊死因子(TNF)もしくはインターフェロン−γなどのタンパク質;または、例えば、リンフォカイン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、もしくは他の増殖因子などの生物学的反応修飾物質を挙げることができる。
【0187】
そのような治療用部分を抗体にコンジュゲートするための技法は周知である。例えば、Arnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy、Reisfeldら(編)、243〜56頁(Alan R. Liss, Inc.、1985年);Hellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」、Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら(編)、623〜53頁(Marcel Dekker, Inc.、1987年);Thorpe、「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review」、Monoclonal Antibodies '84:Biological And Clinical Applications、Pincheraら(編)、475〜506頁(1985年);「Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy、Baldwinら(編)、303〜16頁(Academic Press、1985年)、およびThorpeら、「The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates」、Immunol. Rev.、62巻:119〜58頁(1982年)を参照されたい。
【0188】
8.二重特異性分子
本開示の主題は、本明細書に開示されている抗GPRC5D抗体またはその断片を含む二重特異性分子を提供する。本開示の主題の抗体またはその抗原結合性部分を、誘導体化するか、または別の機能性分子、例えば、別のペプチドもしくはタンパク質(例えば、別の抗体または受容体のリガンド)と連結して、少なくとも2つの異なる結合性部位または標的分子に結合する二重特異性分子を生成することができる。実際、本開示の主題の抗体を、誘導体化するかまたは1つ超の他の機能性分子と連結して、2つ超の異なる結合性部位および/または標的分子に結合する多重特異性分子を生成することができ、そのような多重特異性分子も、本明細書で使用される「二重特異性分子」という用語に包含されるものとする。二重特異性分子を創出するために、本開示の抗GPRC5D抗体を、別の抗体、抗体断片、ペプチドまたは結合模倣体などの1つまたは複数の他の結合性分子と機能的に連結し(例えば、化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合性の会合または他のやり方によって)、その結果、二重特異性分子をもたらすことができる。
【0189】
本開示の主題は、少なくともBCMAに対する第1の結合特異性部分(binding specificity)および第2の標的エピトープに対する第2の結合特異性部分を含む二重特異性分子を提供する。第2の標的エピトープは、BCMAエピトープであってもよく、または非BCMAエピトープ、例えば異なる抗原であってもよい。ある特定の実施形態では、二重特異性分子は多重特異性であり、当該分子は、第3の結合特異性部分をさらに含んでよい。二重特異性抗体の第1の部分が、例えば腫瘍細胞上の抗原に結合し、二重特異性抗体の第2の部分がヒト免疫エフェクター細胞の表面上の抗原を認識する場合、当該抗体は、ヒト免疫エフェクター細胞上のエフェクター抗原に特異的に結合することによってそのエフェクター細胞の活性を動員することができる。したがって、ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、エフェクター細胞、例えばT細胞と腫瘍細胞の間の連結を形成し、それにより、エフェクター機能を増強することができる。ある特定の実施形態では、本開示の二重特異性抗体は、BCMAへの少なくとも第1の結合および免疫細胞への少なくとも第2の結合を含む。限定するものではなく、例えば、本開示の二重特異性抗体は、BCMAへの少なくとも第1の結合および免疫細胞の表面上に存在する受容体、例えばCD3への少なくとも第2の結合を含む。
【0190】
本開示の主題の二重特異性分子は、当技術分野で公知の方法を使用して、構成物である結合特異性部分をコンジュゲートすることによって調製することができる。例えば、二重特異性分子の各結合特異性部分を別々に生成し、次いで、互いとコンジュゲートすることができる。結合特異性部分がタンパク質またはペプチドである場合、種々のカップリング剤または架橋剤を共有結合性コンジュゲーションのために使用することができる。架橋剤の例としては、プロテインA、カルボジイミド、N−スクシンイミジル−S−アセチル−チオアセテート(SATA)、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、o−フェニレンジマレイミド(oPDM)、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)、およびスルホサクシニミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)が挙げられる(例えば、Karpovskyら、(1984年)、J. Exp. Med.、160巻:1686頁;Liu, MAら、(1985年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82巻:8648号を参照されたい)。他の方法としては、Paulus、(1985年)、Behring Ins. Mitt.、78巻、118〜132頁;Brennanら、(1985年)、Science、229巻:81〜83頁)、およびGlennieら、(1987年)、J. Immunol.、139巻:2367〜2375頁)に記載されているものが挙げられる。好ましいコンジュゲート剤はSATAおよびスルホ−SMCCであり、これらはどちらもPierce Chemical Co.(Rockford、IL)から入手可能である。
【0191】
結合特異性部分が抗体である場合、これらは、2つの重鎖のC末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合を介してコンジュゲートすることができる。ある特定の実施形態では、コンジュゲーションの前に、ヒンジ領域を、スルフヒドリル残基が奇数、好ましくは1つ含有されるように改変する。
【0192】
あるいは、結合特異性部分の両方を同じベクターにコードさせ、同じ宿主細胞において発現および集合させることができる。この方法は、二重特異性分子がmAb×mAb、mAb×Fab、Fab×F(ab’)
2またはリガンド×Fab融合タンパク質である場合に特に有用である。
【0193】
二重特異性分子の、それらの特異的な標的への結合は、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、FACS分析、バイオアッセイ(例えば、成長阻害)、またはウエスタンブロットアッセイによって確認することができる。これらのアッセイのそれぞれでは、一般に、特に目的とするタンパク質−抗体複合体の存在を、目的の複合体に特異的な標識された試薬(例えば、抗体)を使用することによって検出する。あるいは、複合体は、種々の他のイムノアッセイのいずれかを使用して検出することができる。例えば、抗体を放射標識し、ラジオイムノアッセイ(RIA)において使用することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Weintraub, B.、Principles of Radioimmunoassays, Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques、The Endocrine Society、1986年3月を参照されたい)。放射性同位元素は、γカウンターもしくはシンチレーションカウンターの使用などの手段によって、またはオートラジオグラフィーによって検出することができる。
【0194】
9.BCMAポリペプチドに対する高親和性ScFvの選択
次のステップは、目的の標的抗原に高親和性で結合するファージを、ヒトファージディスプレイライブラリー内の結合しないファージまたは低親和性で結合するファージから選択することである。これは、固体支持体、例えば、ビーズまたは哺乳動物細胞に結合させた抗原にファージを反復的に結合させ、その後、結合していないファージを除去し、特異的に結合したファージを溶出させることによって実現される。ある特定の実施形態では、まず、抗原を、例えば、ストレプトアビジンとコンジュゲートしたDynabeads M−280に固定化するためにビオチン化する。ファージライブラリーを、細胞、ビーズまたは他の固体支持体と一緒にインキュベートし、洗浄することによって結合していないファージを除去する。結合するクローンを選択し、試験する。
【0195】
選択されたら、陽性scFvクローンを、生3T3細胞表面上のBCMA(ヒトBCMA)へのそれらの結合についてフローサイトメトリーによって試験する。簡単に述べると、ファージクローンを、BCMAを過剰発現する3T3細胞と一緒にインキュベートする。細胞を洗浄し、次いで、マウス抗M13コートタンパク質mAbと一緒にインキュベートする。細胞を再度洗浄し、FITC−ヤギ抗マウスIgを用いて標識した後にフローサイトメトリーを行う。
【0196】
他の実施形態では、抗BCMA抗体に、タンパク質の安定性、抗体の結合、発現レベルが改善されるように、または治療剤のコンジュゲーション部位が導入されるように設計された1つまたは複数のフレームワーク領域アミノ酸置換を含めることができる。次いで、当業者に公知の方法に従って、これらのscFvを使用して組換えヒトモノクローナルIgを作製する。
【0197】
10.選択されたScFv断片を使用した全長mAbの工学的作製
ファージディスプレイ技術により、それ自体として有用である、またはさらに発展させて完全な抗体、抗原結合性タンパク質もしくはその抗原結合性断片をもたらすことができる、抗原特異的なscFvおよびFab断片の迅速な選択および作製が可能になる。Fcドメインを有する完全なmAbには、scFvおよびFab抗体に勝るいくつもの利点がある。第1に、全長Abのみが、Fcドメインを介したCDCおよびADCC媒介性などの免疫学的機能を発揮する。第2に、二価mAbにより、単量体Fab Abよりも強力な抗原結合性親和性がもたらされる。第3に、血漿中半減期および腎クリアランスがFabと二価mAbとで異なる。それぞれの特定の特徴および利点を、計画されるエフェクター戦略に適合させることができる。第4に、二価mAbは、scFvおよびFabとは異なる速度で内部移行し得、それにより、免疫機能または担体機能が変更される。例えば、アルファエミッターは標的を死滅させるために内部移行する必要はないが、多くの薬物および毒素には免疫複合体の内部移行が有益である。したがって、ある特定の実施形態では、BCMAに特異的なscFvクローンがファージディスプレイライブラリーから得られたら、scFv断片を使用して全長IgG mAbを作製した。
【0198】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において組換えヒトモノクローナルIgGを産生させるために、当業者に公知の方法に基づいて全長IgG mAbを工学的に作製することができる(Tomomatsuら、Production of human monoclonal antibodies against FceRIa by a method combining in vitro immunization with phage display. Biosci Biotechnol Biochem、73巻(7号):1465〜1469頁、2009年)。簡単に述べると、抗体可変領域を哺乳動物の発現ベクターに、ラムダまたはカッパ軽鎖定常配列およびIgG1サブクラスFc(例えば)を適合させてサブクローニングすることができる(Lidija Pら、An integrated vector system for the eukaryotic expression of antibodies or their fragments after selection from phage display libraries. Gene、1997年;187巻(1号):9〜18頁;Lisa JHら、Crystallographic structure of an intact lgG1 monoclonal antibody. Journal of Molecular Biology、1998年;275巻(5号):861〜872頁)。カイネティクス結合解析(Yasmina NAら、Probing the binding mechanism and affinity of tanezumab, a recombinant humanized anti-NGF monoclonal antibody, using a repertoire of biosensors. Protein Science、2008年;17巻(8号):1326〜1335頁)を使用して、全長IgGのBCMAへのナノモル範囲のK
Dでの特異的な結合を確認することができる。
【0199】
医薬組成物および処置の方法
本開示の主題の抗BCMA抗体は、腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)に罹患している患者に対する治療的処置のために、腫瘍の進行を防止する、阻害する、または低下させるために十分な量で投与することができる。進行とは、例えば、腫瘍の成長、侵襲、転移および/または再発を含む。この使用に関して有効な量は、疾患の重症度および患者自身の免疫系の一般的状態に依存する。投薬スケジュールも、病態および患者の状態と共に変動し、一般には、単回のボーラス投薬もしくは持続注入から1日に多数回の投与(例えば、4〜6時間ごと)までにわたるか、または処置にあたる医師および患者の状態によって指示される通りである。
【0200】
本開示の主題の抗BCMA抗体によって処置可能な医学的状態の同定は、十分に当業者の能力および知見の範囲内である。例えば、多発性骨髄腫に罹患しているヒト個体または多発性骨髄腫が発生するリスクがあるヒト個体は、本開示の抗BCMA抗体の投与に適する。当技術分野における熟練臨床医は、例えば、臨床検査、身体検査および病歴/家族歴を使用することにより、個体がそのような処置の候補になるかどうかを容易に決定することができる。
【0201】
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、本開示の抗BCMA抗体を1つまたは複数の他の作用剤と組み合わせて投与することによって腫瘍を処置する方法を提供する。例えば、本開示の主題は、本開示の抗BCMA抗体を抗新生物剤と共に投与することによって腫瘍を処置する方法を提供する。抗BCMA抗体は、化学的にまたは生合成により、抗新生物剤の1つまたは複数と連結することができる。
【0202】
適切な腫瘍の非限定的な例としては、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、神経膠芽腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症が挙げられる。ある特定の実施形態では、腫瘍は、多発性骨髄腫である。
【0203】
本開示の抗BCMA抗体を投与するため、および必要に応じて、抗新生物剤を共投与するために、任意の適切な方法または経路を使用することができる。投与経路としては、例えば、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、または筋肉内投与が挙げられる。しかし、本開示の主題は任意の特定の方法または投与経路に限定されないことが強調されるべきである。
【0204】
本開示の抗BCMA抗体は、受容体に特異的に結合し、リガンド−毒素の内部移行に伴って毒性の致死的なペイロードを送達するコンジュゲートとして投与することができることに留意する。
【0205】
本開示の主題の抗BCMA抗体は、薬学的に許容される担体をさらに含む組成物の形態で投与することができることが理解される。適切な薬学的に許容される担体としては、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどのうちの1つまたは複数、ならびにこれらの組合せが挙げられる。薬学的に許容される担体は、湿潤剤または乳化剤、防腐剤または緩衝液などの、結合性タンパク質の貯蔵寿命または効果を増強する微量の補助物質をさらに含んでよい。注射用の組成物を、当技術分野で周知の通り、哺乳動物への投与後に活性成分の急速放出、持続放出または遅延放出がもたらされるように製剤化することができる。
【0206】
本開示の主題は、抗体およびそれらをコードする核酸の、腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)を処置するため、診断および予後判定への適用のための使用、ならびに細胞および組織中のBCMAを検出するための研究ツールとしての使用も提供する。開示されている抗体および核酸を含む医薬組成物は本開示の主題に包含される。ベクターを用いた免疫療法(vectored immunotherapy)による抗体に基づく処置のための、本開示の主題の核酸を含むベクターも本開示の主題により意図されている。ベクターとしては、抗体の発現および分泌を可能にする発現ベクター、ならびに、キメラ抗原受容体などの抗原結合性タンパク質の細胞表面発現を対象とするベクターが挙げられる。
【0207】
核酸を含む細胞、例えば本発明のベクターをトランスフェクトされた細胞も本開示の主題に包含される。
【0208】
キット
本開示の主題は、腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)を処置または防止するためのキットを提供する。ある特定の実施形態では、キットは、有効量の抗BCMA抗体を単位剤形で含有する治療用組成物を含む。一部の実施形態では、キットは、治療用または予防用ワクチンを含有する滅菌容器を含み、そのような容器は、箱、アンプル、ビン、バイアル、チューブ、バッグ、ポーチ、ブリスター包装、または当技術分野で公知の他の適切な容器形態であってよい。そのような容器は、プラスチック製、ガラス製、ラミネート紙製、金属箔製、または医薬の保持に適した他の材料製であってよい。
【0209】
所望であれば、抗BCMA抗体は、腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)を有するまたはそれが発生するリスクがある対象に細胞を投与するための説明書と共に提供される。説明書は、一般に、腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)を処置または防止するための、組成物の使用に関する情報を含む。他の実施形態では、説明書は、以下の少なくとも1つを含む:治療剤についての記載;新形成(例えば、多発性骨髄腫)もしくはその症状を処置もしくは防止するための投薬スケジュールおよび投与;注意;警告;適応症;禁忌症;過量投与情報;有害反応;動物薬理;臨床試験;ならびに/または参照。説明書は、容器(存在する場合)に直接印刷されていてもよく、容器に貼付されたラベルであってもよく、容器内に入れられてまたは容器と一緒に供給される別個のシート、小冊子、カード、またはフォルダであってもよい。
【0210】
方法
フローサイトメトリー分析。細胞表面染色のために、細胞を、適切なmAbと一緒に氷上で30分インキュベートし、洗浄し、必要であれば二次抗体試薬と一緒にインキュベートすることができる。フローサイトメトリーのデータをFACS Calibur(Becton Dickinson)で収集し、FlowJo V8.7.1および9.4.8ソフトウェアを用いて解析することができる。
【0211】
BCMAに特異的なscFvの選択および特徴付け。ヒトscFv抗体ファージディスプレイライブラリーをmAbクローンの選択に使用する。簡単に述べると、まず、ビオチン化抗原を、ヒトscFvファージライブラリーと混合し、次いで、抗原−scFv抗体複合体をストレプトアビジンとコンジュゲートしたDynabeads M−280により、磁気ラックを通じてプルダウンすることができる。次いで、結合したクローンを溶出し、それを使用してE.Coli XL1−Blueに感染させることができる。細菌において発現させたscFvファージクローンを精製することができる(Yasmina NAら、Probing the binding mechanism and affinity of tanezumab, a recombinant humanized anti-NGF monoclonal antibody, using a repertoire of biosensors. Protein Science、2008年;17巻(8号):1326〜1335頁;Roberts WKら、Vaccination with CD20 peptides induces a biologically active, specific immune response in mice. Blood、2002年:99巻(10号):3748〜3755頁)。パニングを3〜4サイクル実施して、BCMAに特異的に結合するscFvファージクローンを富化することができる。ビオチン化単鎖BCMAに対する標準的ELISA法によって陽性クローンを決定することができる。陽性クローンを、生細胞表面におけるそれらのBCMAへの結合について、BCMA
+細胞株である3T3を使用し、フローサイトメトリーによってさらに試験することができる。細胞を洗浄することができ、続くステップで染色を実施することができる。
【0212】
細胞を、まず、精製scFvファージクローンを用いて染色し、その後、マウス抗M13 mAbを用いて染色し、最終的に、ヤギ抗マウスIgとFITCのコンジュゲートを用いて染色することができる。染色の各ステップは氷上で30〜60分の間行うことができ、染色の各ステップ間に細胞を2回洗浄した。
【0213】
選択されたScFv断片を使用した全長mAbの工学的作製。選択されたファージクローンの全長ヒトIgG1を、記載されている通り、HEK293およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株において産生させることができる(Caron PC、Class K、Laird W、Co MS、Queen C、Scheinberg DA.、Engineered humanized dimeric forms of IgG are more effective antibodies. J Exp Med、176巻:1 191〜1 195頁、1992年)。簡単に述べると、抗体可変領域を、ヒトラムダまたはカッパ軽鎖定常領域およびヒトlgG定常領域配列を適合させて、哺乳動物の発現ベクターにサブクローニングすることができる。精製全長IgG抗体の分子量を電気泳動によって還元条件下および非還元条件の両方で測定することができる。
【0214】
BCMAに対する全長ヒトIgGの特徴付け。最初に、完全ヒトIgG mAbのBMCAに対する特異性を、BCMAが過剰発現されるように形質導入した3T3細胞を染色し、その後、二次的なヤギ抗ヒトIgG mAbとPEまたはFITCのコンジュゲートで染色することによって決定することができる。蛍光強度はフローサイトメトリーによって測定することができる。同じ方法を使用して、mAbの新鮮な腫瘍細胞および細胞株への結合を決定することができる。
【0215】
抗体依存性細胞傷害(ADCC)。ADCCに使用する標的細胞は、BCMAを過剰発現している3T3細胞であってよい。抗BCMA抗体またはその対照ヒトIgGを、様々な濃度で、標的細胞および新鮮なPBMCと一緒に、異なるエフェクター:標的(E:T)比で16時間インキュベートすることができる。上清を収集することができ、PromegaからのCytotox96非放射性キットを説明書に従って使用し、LDH放出アッセイによって細胞傷害性を測定することができる。細胞傷害性は、標準の4時間51Cr放出アッセイによって測定することもできる。
【実施例】
【0216】
以下の実施例は、本開示の主題の、抗体、二重特異性抗体、それを含む組成物の作出および使用の仕方、スクリーニング、ならびに治療方法についての完全な開示および記載を当業者に提供するために提示され、本発明者らが本開示の主題と考える範囲を限定するものではない。上で提供された一般的な説明を考慮すると、種々の他の実施形態を実施することができることが理解される。
(実施例1)
様々な組織におけるBCMA発現
【0217】
がん細胞株百科事典およびBioGPSなどのデータベースにおいて遺伝子発現プロファイルを調査することにより、悪性組織および正常組織におけるヒトBCMAの発現を評価した。
図1に示されている通り、ヒトBCMAは、リンパ腫および多発性骨髄腫において高度に発現していたが、他の悪性組織ではそうではなかった。正常な発現はB細胞および形質細胞に限定されているように思われた。これらの正常細胞型の潜在的なBCMA標的化CAR T細胞根絶には、CD19標的化CAR T細胞での発明者らの患者の経験に基づいて、重大な有害作用はない可能性がある。生理的な抗体産生の欠如はいずれも、静脈注射用免疫グロブリンによる処置を用いて対処することができる。
(実施例2)
完全ヒトファージディスプレイライブラリーを使用した、BCMAに特異的なscFvの選択
【0218】
BCMAに対するファージディスプレイを、3回のパニングラウンドで行って、BCMAに特異的に結合するscFvファージクローンを富化した。BCMAを過剰発現する3T3細胞に対して12種の異なるファージライブラリーを用いて独立したパニングを行い、186クローンを同定した。BCMAについて陽性である個々のscFvファージクローンをELISAによって決定し、独特のDNAコード配列を有するクローンをさらなる特徴付けに供した。scFvが生細胞上のBCMAに結合するかどうかを試験するために、陽性ファージクローンを、BCMA陽性細胞株である3T3への結合について試験した。配列決定後、配列決定された79の陽性クローンのうち、57の独特かつBCMA−Fc陽性クローンが見出され、独特のクローンの率は72%であった。BCMA−3T3および親3T3細胞株に対するファージ抗体クローンのFACS分析により、25の独特の陽性クローンが確認された。
(実施例3)
抗BCMA抗体についてのスクリーニングデータ
【0219】
ELISAスクリーニング:
図6は、特異的なscFvファージ抗体クローン(ET140−3、ET140−24、ET140−37、ET140−40およびET140−54)を使用した、BCMA抗原に対するタンパク質ELISAスクリーニングの代表的な結果を示す。ELISAプレートを、ヒトBCMA ECD−Fc融合タンパク質、対照−Fc融合タンパク質、またはブランク対照としてPBS単独をそれぞれ用いてコーティングした。BCMA ECD−Fc融合タンパク質に対する富化されたファージディスプレイパニングプールからの個々のファージクローンを、コーティングしたプレート中でインキュベートした。ファージクローンの結合を、HRPとコンジュゲートした抗M13抗体によって検出し、TMB基質を使用して展開した。吸光度を450nmにおいて読み取った。
【0220】
FACSスクリーニング:
図7は、BCMA特異的ファージ抗体クローンET140−3、ET140−24、ET140−37、ET140−40およびET140−54のFACS分析の代表的な図を示す。ファージクローンを、3T3−BCMA細胞株と一緒にインキュベートし、次いで、抗M13マウス抗体と一緒にインキュベートした。最終的に、再度洗浄後、APC標識した抗マウスIgG二次抗体を反応に添加した。結合をFACSによって測定し、平均蛍光強度(MFI)として表した。二次抗体単独、M13 K07ヘルパーファージと一緒にインキュベートした細胞、および細胞のみを陰性対照として使用した。
(実施例4)
抗BCMA抗体のエピトープマッピング
【0221】
BCMAペプチドを、N末端ビオチン+SGSGリンカー+1アミノ酸のスペースを伴う15アミノ酸を有するECD配列に基づいて順序付けた。ペプチドライブラリーを表19に示す。
【表19】
【0222】
ペプチドを、ストレプトアビジンプレート上にPBST(PBS+0.05%Tween−20)中2μg/mLでコーティングした。洗浄し、3%BSAを用いてブロッキングした後。洗浄後、1μg/mLのET140−3、ET140−24、ET140−54またはET901 mIgG1をそれぞれウェルに添加した。全ての実施例において使用した「mIgG1」は、可変領域が完全ヒト可変領域であり、Fc部分がマウスIgG1のものであることを表す。次いで、HRP抗マウスIgG検出抗体を各ウェルに添加した。最後に、TMB基質を使用して呈色させた。A450をデータ解析のために記録した。結果を
図2〜5に示す。
図2および5に示されている通り、ET140−3は、配列番号71のペプチド(peptidese)7〜13(すなわち、アミノ酸8〜22、9〜23、10〜24、11〜25、12〜26、13〜27、および14〜28)に結合した。
図3および4に示されている通り、ET140−24またはET140−54については、直鎖状エピトープは見出されなかった。
【0223】
要約:3種のET140抗体(mIgG1)を、アイソタイプ対照ET901 mIgG1と共に、BCMA−ECDに対するそれらの結合性エピトープについて試験した。39種のペプチド(N末端ビオチン+SGSGリンカー+1アミノ酸のオフセットを伴う15アミノ酸)からなるペプチドライブラリーをエピトープマッピングELISAのために使用した。これにより、BCMA−ECDの直鎖状結合性エピトープについての検索が可能になる。ET901 mIgG1を各ペプチドに対するバックグラウンド参照として使用した。ET140−3についてのみ、エピトープ領域:配列番号71のアミノ酸14〜22、例えば、配列番号71のアミノ酸8〜28を含む領域を同定することができる。
【0224】
ET140−24およびET140−54では、ペプチドライブラリーに対していかなる有意な結合も示されなかった。これにより、これらの2種の抗体が、BCMAの直鎖状エピトープではなくコンフォメーショナルエピトープ(conformational epitope)を認識する可能性があることが示された。
(実施例5)
表面プラズモン共鳴による抗BCMA抗体組換え抗原
【0225】
ET140−153 mIgG1(または「ET140−3 mIgG1」)、ET140−174 mIgG1(または「ET140−24 mIgG1」)、ET140−204 mIgG1(または「ET140−54 mIgG1」)とBCMA組換え抗原との相互作用のカイネティクスを、BIAcore X100 instrumentを使用して測定した。簡単に述べると、Biotin CAPture Reagentをフローセルを通して毎分2μLで5分間流すことにより、50μg/mLの改変ストレプトアビジンをSensor Chip CAP上に固定化した。10μg/mLのビオチン化BCMA−Fcタンパク質をフローセル上に毎分30μLの速度で3分間ローディングした。カイネティクスに関する標準のプロトコールに従って、一連のESK1の注入を0.6μg/mLから15μg/mLの間で実施し、各ステップは、毎分30μLで3分間の注入と3分間の解離からなった。その後、8Mのグアニジン−HCl、75%v/vおよび1MのNaOH、25%v/vからなる溶液を用いて2分間表面を再生させた。BIAcore X100 Evaluation Software(バージョン2.0.1)を使用し、グローバルフィッティング(1:1Langmuir結合モデル)によって速度定数を導き出した。結合親和性データを表20に示す。
【表20】
【0226】
理解を明瞭にするために前述の本開示の主題を図表および実施例によって一部詳細に記載したが、説明および実施例は、本開示の主題の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書において引用されている全ての特許および科学文献の開示は、それらの全体が参照により明白に組み入れられる。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、および65からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目2)
配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、および66からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目3)
(a)配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、および65からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに
(b)配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、および66からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%相同であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域
を含み、
ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目4)
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、前記重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、
(a)配列番号1で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号2で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号5で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号6で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号9で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号10で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号13で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号14で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号17で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号18で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号21で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号22で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号25で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号26で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号29で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号30で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号33で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号34で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号37で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号38で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号41で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号42で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号45で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号46で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号49で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号50で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号53で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号54で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号57で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号58で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号61で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号62で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;ならびに
(q)配列番号65で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号66で表される配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%相同である配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域
からなる群から選択され、前記抗体またはその抗原結合性断片はヒトBCMAに特異的に結合する、抗体またはその抗原結合性断片。
(項目5)
配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、およびその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目6)
配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、およびその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目7)
(a)配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、およびその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに
(b)配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、およびその保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域
を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目8)
(a)配列番号1によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号2によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号5によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号6によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号9によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号10によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号13によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号14によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号17によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号18によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号21によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号22によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号25によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号26によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号29によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号30によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号33によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号34によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号37によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号38によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号41によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号42によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号45によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号46によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号49によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号50によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号53によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号54によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号57によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号58によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号61によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号62によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号65によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号66によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域
を含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目9)
CDR1、CDR2およびCDR3ドメインを含む重鎖可変領域と;CDR1、CDR2およびCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域とを含む単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、前記重鎖可変領域および軽鎖可変領域CDR3ドメインは、
(a)配列番号91で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号94で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(b)配列番号97で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号100で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(c)配列番号103で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号106で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(d)配列番号109で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号112で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(e)配列番号115で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号118で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(f)配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(g)配列番号127で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号130で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(h)配列番号133で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号136で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(i)配列番号139で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号142で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(j)配列番号145で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号148で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(k)配列番号151で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号154で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(l)配列番号157で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号160で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(m)配列番号163で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号166で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(n)配列番号169で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号172で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(o)配列番号175で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号178で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(p)配列番号181で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号184で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と;
(q)配列番号187で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3およびその保存的改変;ならびに配列番号190で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3およびその保存的改変と
からなる群から選択され、前記抗体またはその抗原結合性部分はヒトBCMAに特異的に結合する、抗体またはその抗原結合性断片。
(項目10)
前記重鎖可変領域および軽鎖可変領域CDR2ドメインが、
(a)配列番号90で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号93で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(b)配列番号96で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号99で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(c)配列番号102で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号105で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(d)配列番号108で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号111で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;
(e)配列番号114で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号117で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(f)配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(g)配列番号126で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号129で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(h)配列番号132で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号135で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(i)配列番号138で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号141で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(j)配列番号144で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(k)配列番号150で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号153で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(l)配列番号156で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号159で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(m)配列番号162で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号165で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(n)配列番号168で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号171で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(o)配列番号174で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号177で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(p)配列番号180で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号183で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と;
(q)配列番号186で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2およびその保存的改変;ならびに配列番号189で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2およびその保存的改変と
からなる群から選択される、項目9に記載の抗体またはその抗原結合性部分。
(項目11)
前記重鎖可変領域および軽鎖可変領域CDR1ドメインが、
(a)配列番号89で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号92で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(b)配列番号95で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(c)配列番号101で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号104で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(d)配列番号107で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号110で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(e)配列番号113で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号116で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(f)配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(g)配列番号125で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号128で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(h)配列番号131で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号134で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(i)配列番号137で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号140で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(j)配列番号143で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号146で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(k)配列番号149で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号152で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(l)配列番号155で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号158で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(m)配列番号161で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号164で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(n)配列番号167で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号170で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(o)配列番号173で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号176で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(p)配列番号179で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号182で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と;
(q)配列番号185で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1およびその保存的改変;ならびに配列番号188で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1およびその保存的改変と
からなる群から選択される、項目9または10に記載の抗体またはその抗原結合性部分。
(項目12)
CDR配列の1つまたは複数が、最大約3カ所のアミノ酸置換を有する、項目5から7まで、および項目9から11までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目13)
CDR配列の1つまたは複数が、最大約5カ所のアミノ酸置換を有する、項目5から7まで、および項目9から11までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目14)
(a)配列番号89で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号90で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号91で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(b)配列番号95で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号96で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号97で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(c)配列番号101で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号102で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号103で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号107で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号108で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号109で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(e)配列番号113で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号114で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号115で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(f)配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(g)配列番号125で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号126で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号127で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(h)配列番号131で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号132で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号133で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(i)配列番号137で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号138で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号139で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(j)配列番号143で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号144で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号145で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(k)配列番号149で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号150で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号151で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(l)配列番号155で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号156で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号157で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(m)配列番号161で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号162で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号163で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(n)配列番号167で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号168で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号169で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(o)配列番号173で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号174で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号175で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;
(p)配列番号179で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号180で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号181で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;あるいは
(q)配列番号185で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号186で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;および配列番号187で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3
を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。(項目15)
(a)配列番号92で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号93で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号94で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(b)配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号99で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;配列番号100で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(c)配列番号104で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号105で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号106で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号110で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号111を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号112で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(e)配列番号116で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号117で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号118で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(f)配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(g)配列番号128で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号129で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号130で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(h)配列番号134で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号135で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号136で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(i)配列番号140で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号141で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号142で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(j)配列番号146で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号148で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(k)配列番号152で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号153で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号154で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(l)配列番号158で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号159で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号160で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(m)配列番号164で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号165で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号166で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(n)配列番号170で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号171で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号172で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(o)配列番号176で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号177で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号178で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(p)配列番号182で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号183で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号184で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;or
(q)配列番号188で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号189で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号190で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含み、ヒトBCMAに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。(項目16)
(a)配列番号89で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号90で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号91で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号92で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号93で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号94で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(b)配列番号95で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号96で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号97で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号98で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号99で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号100で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(c)配列番号101で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号102で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号103で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号104で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号105で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号106で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号107で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号108で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号109で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号110で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号111で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号112で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(e)配列番号113で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号114で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号115で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号116で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号117で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号118で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(f)配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(g)配列番号125で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号126で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号127で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号128で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号129で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号130で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(h)配列番号131で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号132で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号133で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号134で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号135で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号136で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(i)配列番号137で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号138で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号139で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号140で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号141で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号142で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(j)配列番号143で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号144で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号145で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号146で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号147で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号148で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(k)配列番号149で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号150で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号151で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号152で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号153で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号154で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(l)配列番号155で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号156で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号157で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号158で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号159で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号160で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(m)配列番号161で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号162で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号163で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号164で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号165で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号166で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(n)配列番号167で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号168で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号169で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号170で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号171で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号172で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(o)配列番号173で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号174で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号175で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号176で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号177で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号178で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;
(p)配列番号179で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号180で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号181で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号182で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号183で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号184で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3;あるいは
(q)配列番号185で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR1;配列番号186で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR2;配列番号187で表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域CDR3;配列番号188で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1;配列番号189で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR2;および配列番号190で表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む、単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目17)
配列番号71に記載のアミノ酸配列を含むヒトBCMAに結合する、項目1から16までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目18)
配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する、項目1から17までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目19)
配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む、項目18に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目20)
配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む、項目18または19に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目21)
項目1から20までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分とヒトBCMAへの結合について交差競合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目22)
項目1から20までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分と同じヒトBCMA上のエピトープに結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目23)
(a)配列番号1によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号2によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号5によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号6によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号9によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号10によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号13によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号14によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号17によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号18によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号21によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号22によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号25によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号26によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号29によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号30によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号33によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号34によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号37によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号38によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号41によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号42によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号45によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号46によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号49によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号50によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号53によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号54によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号57によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号58によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号61によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号62によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号65によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号66によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域
を含む参照抗体またはその参照抗原結合性部分と、ヒトBCMAへの結合について交差競合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目24)
(a)配列番号1によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号2によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号5によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号6によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号9によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号10によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号13によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号14によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号17によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号18によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号21によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号22によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号25によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号26によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号29によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号30によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号33によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号34によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号37によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号38によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号41によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号42によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号45によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号46によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号49によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号50によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号53によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号54によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号57によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号58によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号61によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号62によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号65によって表される配列を有するアミノ酸を含む重鎖可変領域、および配列番号66によって表される配列を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域
を含む参照抗体またはその参照抗原結合性部分と同じヒトBCMA上のエピトープに結合する、単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目25)
配列番号71に記載のアミノ酸配列を含むヒトBCMAに結合する、項目21から24までのいずれか一項に記載の単離された交差競合する抗体またはその抗原結合性部分。
(項目26)
配列番号71のアミノ酸14〜22を含むエピトープ領域に結合する、項目21から24までのいずれか一項に記載の単離された交差競合する抗体またはその抗原結合性部分。
(項目27)
参照抗体またはその抗原結合性部分が、配列番号21で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Hおよび配列番号22で表される配列を有するアミノ酸を含むV
Lを含む、項目26に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目28)
参照抗体または抗原結合性部分が、配列番号119で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR1、配列番号120で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR2、配列番号121で表される配列を有するアミノ酸を含むV
H CDR3、配列番号122で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR1、配列番号123で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR2、および配列番号124で表される配列を有するアミノ酸を含むV
L CDR3を含む、項目6または27に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目29)
ヒトBMCAに約1×10
−9Mから約1×10
−8Mまでの結合親和性(K
D)で結合する、項目1から28までのいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性部分。
(項目30)
配列番号72〜88からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片。
(項目31)
ヒト可変領域フレームワーク領域を含む、項目1から30までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目32)
完全ヒト抗体またはその抗原結合性断片である、項目1から30までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目33)
キメラ抗体またはその抗原結合性断片である、項目1から30までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目34)
ヒト化抗体またはその抗原結合性断片である、項目1から30までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性部分。
(項目35)
前記抗体の抗原結合性断片が、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvまたは単鎖Fv(scFv)である、項目1から34までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目36)
項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
(項目37)
項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を治療剤と連結した免疫コンジュゲート。
(項目38)
前記治療剤が、薬物、細胞毒、または放射性同位元素である、項目37に記載の免疫コンジュゲート。
(項目39)
項目37または38に記載の免疫コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
(項目40)
項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を第2の機能性部分と連結した二重特異性分子。
(項目41)
前記第2の機能性部分が、前記抗体またはその抗原結合性断片とは異なる結合特異性を有する、項目40に記載の二重特異性分子。
(項目42)
前記第2の機能性部分が、免疫細胞に対する結合特異性を有する、項目40または41に記載の二重特異性分子。
(項目43)
前記第2の機能性部分が、CD3に対する結合特異性を有する、項目40から42までのいずれか一項に記載の二重特異性分子。
(項目44)
項目40から43までのいずれか一項に記載の二重特異性分子と、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
(項目45)
項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片をコードする、単離された核酸。
(項目46)
項目45に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
(項目47)
項目46に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
(項目48)
全細胞または組織中のBCMAを検出するための方法であって、
細胞または組織を項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と接触させるステップであり、前記抗体またはその抗原結合性断片が、検出可能な標識を含むステップと、
前記細胞または組織に付随する検出可能な標識の量を測定することによって前記細胞または組織に結合した標識された抗体またはその抗原結合性断片の量を決定するステップであり、結合した抗体またはその抗原結合性断片の量が前記細胞または組織中のBCMAの量を示すステップと
を含む方法。
(項目49)
対象における腫瘍を処置する方法であって、前記対象に項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を有効量で投与し、それにより、前記対象における腫瘍細胞の死滅を誘導するステップを含む方法。
(項目50)
前記腫瘍細胞の数を減少させる、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記腫瘍のサイズを縮小させる、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記対象における前記腫瘍を根絶する、項目49に記載の方法。
(項目53)
前記腫瘍が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、神経膠芽腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される、項目49から52までのいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記腫瘍が、多発性骨髄腫である、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記対象がヒトである、項目49から54までのいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
腫瘍を処置するための、項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片の使用。
(項目57)
前記腫瘍が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、神経膠芽腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される、項目56に記載の使用。
(項目58)
前記腫瘍が多発性骨髄腫である、項目57に記載の使用。
(項目59)
対象における腫瘍の処置において使用するための、項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目60)
前記腫瘍が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、神経膠芽腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される、項目59に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目61)
前記腫瘍が多発性骨髄腫である、項目60に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
(項目62)
項目1から35までのいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を含む、腫瘍を処置するためのキット。
(項目63)
腫瘍を有する対象を処置するための前記抗体またはその抗原結合性断片の使用に関する使用説明書をさらに含む、項目62に記載のキット。
(項目64)
前記腫瘍が多発性骨髄腫である、項目62または63に記載のキット。