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特開2021-183073ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-183073(P2021-183073A)
(43)【公開日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20211105BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20211105BHJP
【FI】
   A63F13/69
   A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-89865(P2020-89865)
(22)【出願日】2020年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 和正
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】判定手段235は、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する。期間特定手段236は、ユーザが対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する。付与手段238は、対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが対象ゲームにログインした場合に、期間特定手段により特定された非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定手段と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定手段と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定手段により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与手段と、
として機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記特典は、前記対象ゲームにおいて使用される強化可能なゲーム媒体である強化対象ゲーム媒体の強化の難度を優遇することを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記特典は、前記強化対象ゲーム媒体の強化に必要なアイテムである強化アイテムの取得の難度と、前記強化対象ゲーム媒体のパラメータの取得の難度との少なくとも一方を優遇することを含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記強化アイテムおよび前記パラメータは、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントを繰り返しプレイすることによって取得され、
前記特典は、前記ゲームイベントの繰り返し回数または繰り返し時間の少なくとも一方を優遇することを含む、
ことを特徴とする、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記対象ゲームにおける前記付与対象ユーザのプレイ履歴に基づいて、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントにおける前記付与対象ユーザのプレイ効率を特定する効率特定手段、として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記特典は、前記プレイ効率に応じた特典である、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記特典は、前記対象ゲームにおいて取得されるキャラクタである取得対象キャラクタの取得の難度を優遇することを含む、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
取得の難度が優遇された前記取得対象キャラクタのパラメータは、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータよりも低い、
ことを特徴とする、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
前記取得対象キャラクタの取得の難度を優遇しつつ、取得の難度が優遇された前記取得対象キャラクタのパラメータを、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータよりも低くする第1特典と、前記取得対象キャラクタの取得の難度を優遇せず、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータを優遇する第2特典と、のいずれかの特典の選択を前記付与対象ユーザの操作に基づき受け付ける選択受付手段、としてさらに機能させ、
前記付与手段は、前記選択受付手段により受け付けられた特典の選択に基づき、前記付与対象ユーザに前記第1特典または前記第2特典を付与する、
ことを特徴とする、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
前記付与対象ユーザに前記特典が付与された場合には、前記対象ゲームに含まれる冷遇対象ゲームイベントにおいて前記付与対象ユーザを冷遇する冷遇手段、としてさらに機能させる、
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記特典は、前記冷遇対象ゲームイベントにおいて使用される使用キャラクタの取得の難度を優遇することを含み、
前記冷遇手段は、前記冷遇対象ゲームイベントにおいて前記使用キャラクタのパラメータを冷遇し、前記冷遇対象ゲームイベントが終了することを少なくとも条件として、前記使用キャラクタのパラメータの冷遇を解除する、
ことを特徴とする、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記対象ゲームでは、課金の有無にかかわらず、強化可能ゲーム媒体を取得する機会がいずれのユーザにも与えられ、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントのプレイに応じて、前記強化可能ゲーム媒体を強化する機会がいずれのユーザにも与えられ、
前記特典は、前記強化可能ゲーム媒体を強化するために必要な前記ゲームイベントをプレイする回数または時間を低減することを含む、
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定部と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定部と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定部により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定部と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定部と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定部により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与部と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインゲームにおいて、ゲームにログインしたユーザに特典を付与する仕組みが知られている。例えば、特許文献1には、ゲームへのログイン頻度に応じた特典をユーザに付与する仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−20143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームに一定期間ログインしていなかったユーザは、継続的にゲームにログインしているユーザに、ゲームの進行に差をつけられている場合がある。特許文献1に記載の仕組みでは、一定期間ゲームにログインしていなかったユーザと継続的にゲームにログインしているユーザとの差を埋めることができなかった。この結果、ゲームの興趣性を十分に高めることができなかった。
【0005】
本開示は、ゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定手段と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定手段と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定手段により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与手段と、
として機能させるゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記特典は、前記対象ゲームにおいて使用される強化可能なゲーム媒体である強化対象ゲーム媒体の強化の難度を優遇することを含むことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記特典は、前記強化対象ゲーム媒体の強化に必要なアイテムである強化アイテムの取得の難度と、前記強化対象ゲーム媒体のパラメータの取得の難度との少なくとも一方を優遇することを含むことができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記強化アイテムおよび前記パラメータは、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントを繰り返しプレイすることによって取得され、前記特典は、前記ゲームイベントの繰り返し回数または繰り返し時間の少なくとも一方を優遇することを含むことができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記対象ゲームにおける前記付与対象ユーザのプレイ履歴に基づいて、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントにおける前記付与対象ユーザのプレイ効率を特定する効率特定手段、として前記コンピュータをさらに機能させ、前記特典は、前記プレイ効率に応じた特典であることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記特典は、前記対象ゲームにおいて取得されるキャラクタである取得対象キャラクタの取得の難度を優遇することを含むことができる。
【0012】
また、第1の側面において、取得の難度が優遇された前記取得対象キャラクタのパラメータは、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータよりも低いことができる。
【0013】
また、第1の側面において、コンピュータを、前記取得対象キャラクタの取得の難度を優遇しつつ、取得の難度が優遇された前記取得対象キャラクタのパラメータを、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータよりも低くする第1特典と、前記取得対象キャラクタの取得の難度を優遇せず、取得の難度が優遇されていない前記取得対象キャラクタのパラメータを優遇する第2特典と、のいずれかの特典の選択を前記付与対象ユーザの操作に基づき受け付ける選択受付手段、としてさらに機能させ、前記付与手段は、前記選択受付手段により受け付けられた特典の選択に基づき、前記付与対象ユーザに前記第1特典または前記第2特典を付与することができる。
【0014】
また、第1の側面において、コンピュータを、前記付与対象ユーザに前記特典が付与された場合には、前記対象ゲームに含まれる冷遇対象ゲームイベントにおいて前記付与対象ユーザを冷遇する冷遇手段、としてさらに機能させることができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記特典は、前記冷遇対象ゲームイベントにおいて使用される使用キャラクタの取得の難度を優遇することを含み、前記冷遇手段は、前記冷遇対象ゲームイベントにおいて前記使用キャラクタのパラメータを冷遇し、前記冷遇対象ゲームイベントが終了することを少なくとも条件として、前記使用キャラクタのパラメータの冷遇を解除することができる。
【0016】
また、第1の側面において、前記対象ゲームでは、課金の有無にかかわらず、強化可能ゲーム媒体を取得する機会がいずれのユーザにも与えられ、前記対象ゲームに含まれるゲームイベントのプレイに応じて、前記強化可能ゲーム媒体を強化する機会がいずれのユーザにも与えられ、前記特典は、前記強化可能ゲーム媒体を強化するために必要な前記ゲームイベントをプレイする回数または時間を低減することを含むことができる。
【0017】
第2の側面は、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定部と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定部と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定部により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与部と、
を備えるサーバ装置である。
【0018】
第3の側面は、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定部と、
ユーザが前記対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定部と、
前記対象ゲームに前記付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが前記対象ゲームにログインした場合に、前記期間特定部により特定された非ログイン期間に応じた特典を前記付与対象ユーザに付与する付与部と、
を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】非ログイン期間および付与対象ユーザの強さに応じた特典を表すテーブルの一例を示す図である。
図3】付与対象ユーザが特典を取得するために必要な、付与対象ユーザの強さに応じた非ログイン期間を表すテーブルの一例を示す図である。
図4】ゲーム中にディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図5】サーバ装置が非ログイン期間に応じた特典をユーザに付与するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係るサーバ装置が備える制御部の機能ブロック図である。
図7】第2実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れを示す図である。
図8】第3実施形態に係るサーバ装置が備える制御部の機能ブロック図である。
図9】第3実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0022】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。ゲーム装置5では、本実施形態においてプレイの対象となっているゲームである対象ゲームが実行される。
【0023】
本実施形態に係る対象ゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのアクションゲームである。対象ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0024】
また、本実施形態に係る対象ゲームでは、課金の有無にかかわらず、強化可能ゲーム媒体を取得する機会がいずれのユーザにも与えられる。すなわち、ユーザは、課金を行わなくとも、強化可能ゲーム媒体を取得する機会が与えられる。例えば、ユーザは、対象ゲームに含まれるゲームイベントをクリアすることにより、強化可能ゲーム媒体を取得することができる。
【0025】
さらに、対象ゲームでは、ゲームイベントのプレイに応じて、強化可能ゲーム媒体を育成する機会がいずれのユーザにも与えられる。例えば、ユーザは、ゲームイベントのプレイにより取得したアイテムを強化可能ゲーム媒体に使用することにより、強化可能ゲーム媒体を育成することができる。あるいは、ユーザは、ゲームイベントをプレイすることにより、プレイヤキャラクタの経験値を取得することができ、プレイヤキャラクタの経験値を貯めることによりプレイヤキャラクタを育成することができる。
【0026】
本実施形態では、ユーザは、ゲームイベントを繰り返しプレイすることにより、ゲーム媒体を強化するアイテムを取得したり、プレイヤキャラクタの経験値を取得したりすることができる。
【0027】
本実施形態では、主に、強化可能ゲーム媒体が武器アイテムであるものとして説明する。本実施形態では、武器アイテムは、ゲームイベントのクリアにより取得される素材アイテムを合成することにより作成される。
【0028】
また、武器アイテム同士を合成することにより武器アイテムのグレードを高めることもできる。ここで、武器アイテムのグレードを「+X」で表す。Xは数値であり、Xの数値が大きいほど武器アイテムが強いものとする。武器アイテムを合成することにより、Xの値を大きくすることができる。例えば、+3の武器アイテム同士を合成することにより、+4の武器アイテムを作成することができる。また、+4の武器アイテム同士を合成することにより、+5の武器アイテムを作成することができる。
【0029】
また、武器アイテムを強化可能なレベルには上限が設けられている。レベルの上限は、武器アイテムの+Xに応じて設定されていてもよいし、+Xの数値によらず共通に設定されていてもよい。例えば、レベルの上限が10である場合には、当該武器アイテムをそれ以上強化することができない。しかしながら、本実施形態では、強化アイテムを使用することにより、レベルの上限を高めることができる。例えば、所定の強化アイテムを武器アイテムに使用することにより、レベルの上限を10から20に高めることができる。
【0030】
このように、本実施形態では、ユーザは、より強い武器アイテムを取得するためには、少なくとも武器アイテムを作成するための素材アイテム、および武器アイテムのグレード、および、レベルの上限を高めるための強化アイテムなどを、ゲームイベントを繰り返しプレイすることにより大量に取得する必要がある。
【0031】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0032】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0033】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定の対象ゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0034】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、対象ゲームを進行させる。
【0035】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0036】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0037】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0038】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221および抽選リスト222などの各種データなどが記憶されている。
【0039】
ユーザDB221には、対象ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ログイン履歴、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、ユーザが取得したゲーム媒体、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額などが、対応づけて記憶されている。
【0040】
ここで、消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。クエストとは、所定の条件を満たすことによりクリアすることを目的としたゲームイベントである。
【0041】
抽選リスト222は、一般にガチャと呼ばれる抽選処理を抽選実行手段233(後述)が行う際に用いられるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リスト222には、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。
【0042】
なお、ガチャとは、サーバ装置2にて、抽選リスト222の中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「ゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。また、“特典を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「特典を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0043】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0044】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、ログイン管理手段234、判定手段235、期間特定手段236、効率特定手段237および付与手段238として機能する。
【0045】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ログイン要求およびログアウト要求などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、およびガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0046】
ここで、ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、前記ユーザDB221に記憶され管理される。
【0047】
−照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証(以下、「アカウント認証」ともいう。)を行う。
【0048】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リスト222の中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0049】
―ログイン管理手段―
ログイン管理手段234は、ユーザのログイン履歴を管理することができる。例えば、ログイン管理手段234は、ゲーム装置5からサーバ装置2にログイン要求が送信されたタイミングを、ユーザがログインしたタイミングとしてログイン履歴に記録してよい。また、ログイン管理手段234は、ゲーム装置5からサーバ装置2にログアウト要求が送信されたタイミングを、ユーザがログアウトしたタイミングとしてログイン履歴に記録してもよい。
【0050】
―判定手段―
判定手段235は、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定することができる。本実施形態では、判定手段235は、ログイン履歴に基づいて、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する。付与条件期間は、特に限定されないが、例えば1ヶ月などの期間であってよい。この場合、判定手段235は、ユーザが対象ゲームをログアウトしてから1ヶ月が経過している場合に、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定することができる。以下では、対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないユーザを付与対象ユーザとも称する。また、対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないか否かを特に区別しないユーザを単にユーザと称する。
【0051】
―期間特定手段―
期間特定手段236は、ユーザのログインに関わる各種の期間を特定することができる。例えば、期間特定手段236は、ログイン履歴に基づきログイン期間、非ログイン期間または休眠期間を特定することができる。
【0052】
ログイン期間は、ログアウトしたタイミングとログインしたタイミングとの間隔が付与条件期間よりも短い間隔となっている期間である。本実施形態では、ログイン期間中には、ユーザは、対象ゲームにログインする度に特典(ログインボーナス)が付与される。付与条件期間は、例えば1ヶ月などであってよく、ユーザが1ヶ月以内の間隔で対象ゲームにログインしている期間は、ログイン期間として特定される。あるいは、ログインボーナスの取得に基づいてログイン期間が特定されてもよい。ユーザが3月にログインボーナスを一つでも取得している場合には、3月がログイン期間として特定され得る。
【0053】
非ログイン期間は、ユーザが対象ゲームにログインしていない期間である。また、休眠期間は、付与条件期間以上ログインしていない期間である。後述するように、休眠期間後に対象ゲームにログインした付与対象ユーザには、非ログイン期間に応じた特典が付与される。付与条件期間は、例えば1ヶ月の期間である。この場合には、期間特定手段236は、ユーザが1ヶ月以上対象ゲームにログインしていない場合には、最後にログアウトしたタイミングから現在までの期間を休眠期間として特定することができる。
【0054】
なお、ユーザは、休眠期間の間には、ログインすることにより取得できる特典(ログインボーナス)あるいはゲームイベントをプレイすることによる報酬を取得できない。このため、休眠期間において、継続的に対象ゲームにログインしている他のユーザに、対象ゲームの進行に差をつけられている。なお、全ユーザに付与される特典は、休眠期間後にユーザが対象ゲームにログインしたときに付与され得る。全ユーザに付与される特典は、例えば、対象ゲームのバグあるいは通信障害などに基づき対象ゲームの運営会社から配布される、いわゆる詫び石などである。
【0055】
―効率特定手段―
効率特定手段237は、対象ゲームにおける付与対象ユーザのプレイ履歴に基づいて、対象ゲームに含まれるゲームイベントにおける付与対象ユーザのプレイ効率を特定することができる。プレイ履歴は、ユーザが対象ゲームをプレイした結果の記録である。プレイ履歴には、例えば、プレイヤランク、ユーザが所持しているゲーム媒体の内容、ゲーム媒体の内容に基づき特定されるゲーム媒体の戦力値およびパーティの強さ等が含まれる。ここで、プレイヤランクは、プレイヤ(ユーザ)自身のランクであり、例えばゲームイベントのクリア等によりランクアップする。
【0056】
上述したように、本実施形態に係る対象ゲームでは、ゲームイベントが繰り返し行われる。本実施形態に係るプレイ効率は、ゲームイベントの繰り返しの効率を示している。ユーザは、プレイ効率が高いほど、ゲームイベントを速く繰り返すことができるので、当該ゲームイベントをクリアすることによって取得できる素材アイテムや強化アイテムといったクリア報酬を、短期間で多く取得できる。例えば、プレイ効率は、ゲームイベントを1回クリアするまでに必要な時間(例えば、30分等)で表されてもよいし、当該必要な時間の目安となる指標、例えばゲーム媒体の戦力値およびパーティの強さ等のプレイ履歴で表されてもよい。
【0057】
―付与手段―
付与手段238は、ユーザに各種の特典を付与することができる。本実施形態では、付与手段238は、ユーザが対象ゲームにログインした際に特典をユーザに付与するものとする。ログインの際に付与される特典は、ログインボーナスとも称される。なお、付与手段238が特典をユーザに付与するタイミングは、ログインのタイミングに限定されるものではない。
【0058】
本実施形態では、付与手段238により付与される特典は、強化可能ゲーム媒体を強化するために必要なゲームイベントをプレイする回数または時間を低減することを含んでいる。具体的には、特典は、対象ゲームにおいて使用される強化可能なゲーム媒体である強化対象ゲーム媒体の強化の難度を優遇することを含む。強化可能なゲーム媒体は、例えば、プレイヤキャラクタあるいは強化可能な武器アイテム等である。したがって、特典は、プレイヤキャラクタの育成の難度、または強化アイテムの取得の難度を優遇することを含む。
【0059】
例えば、付与手段238は、ゲームイベントのプレイにより強化アイテムを取得できる確率を高めることができる確率向上アイテムを特典としてユーザに付与することができる。強化アイテムは、強化対象ゲーム媒体を強化するために用いられる。また、付与手段238は、所定数の強化アイテムを特典としてユーザに付与することもできる。
【0060】
また、付与手段238は、取得の難度が優遇されるユーザが所有するプレイヤキャラクタのパラメータが、取得の難度が優遇されていないユーザが所有する当該プレイヤキャラクタのパラメータよりも低くなるように、ユーザに特典を付与してもよい。これにより、特典を付与されるユーザが有利になりすぎることが抑制される。ここで、プレイヤキャラクタのパラメータは、プレイヤキャラクタの強さの指標となるパラメータであり、例えば、プレイヤキャラクタのレベルまたは経験値、体力値や攻撃力値などのパラメータの上限を低く設定することで、特典を付与されるユーザが有利になりすぎることが抑制され得る。
【0061】
また、付与手段238は、付与対象ユーザが対象ゲームにログインした場合には、期間特定手段236により特定された非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与することができる。特典は、上述した確率向上アイテムまたは強化アイテム等である。例えば、付与手段238は、非ログイン期間が長いほど、多くの特典(例えば、強化アイテム)を付与対象ユーザに付与することができる。なお、付与手段238は、非ログイン期間に依らない特典をユーザに付与することができる。以下では、非ログイン期間に依らない特典を「通常の特典」とも称する。
【0062】
図2を参照して、付与手段238が付与対象ユーザに付与される非ログイン期間に応じた特典を特定する方法について説明する。図2は、非ログイン期間および付与対象ユーザの強さに応じた特典を表すテーブル223の一例を示す図である。テーブル223では、3つの非ログイン期間の範囲(すなわち、1ヶ月以上3ヶ月未満、3ヶ月以上6ヶ月未満および6ヶ月以上)のそれぞれに、付与対象ユーザの強さに応じた特典が対応付けられている。ここでは、付与条件期間が1ヶ月であり、図2に示す非ログイン期間の範囲に該当するユーザは、付与対象ユーザであるものとする。ここでは、非ログイン期間が3つの範囲に分けられているが、非ログイン期間は2つの範囲に分けられてもよいし、4つ以上の範囲に分けられてもよい。
【0063】
例えば、非ログイン期間が長くなるほど、対応する特典がより豪華(すなわち、ユーザをより優遇する特典)になる。この場合には、付与手段238は、非ログイン期間が長くなるほど豪華な特典を付与対象ユーザに付与することができる。
【0064】
また、テーブル223では、付与対象ユーザの強さが3つのランク(すなわち、Cランク、BランクおよびAランク)に分けられており、3つのランクのそれぞれには、非ログイン期間に応じた特典が対応付けられている。ここで、ユーザの強さは、例えば、プレイヤランク、ユーザが所持しているゲーム媒体の内容、ゲーム媒体の内容に基づき特定されるゲーム媒体の戦力値およびパーティの強さ等により特定される。ユーザの強さは、例えば、効率特定手段237により特定され得る。テーブル223では、付与対象ユーザの強さが3つのランクに分けられているが、付与対象ユーザの強さは2つのランクに分けられてもよいし、4つ以上のランクに分けられてもよい。
【0065】
付与手段238は、テーブル223を参照して、付与対象ユーザの非ログイン期間および強さに対応する特典を付与対象ユーザに付与することができる。例えば、付与対象ユーザの非ログイン期間が4ヶ月であり、その付与対象ユーザの強さがBランクに対応する場合には、付与手段238は、その付与対象ユーザに特典Y2を付与することができる。
【0066】
なお、付与手段238が非ログイン期間に応じた特典を特定する方法は、テーブル223を用いる方法に限られない。例えば、付与手段238は、特典に含まれるアイテム等が非ログイン期間に応じて線形に多くなるように、非ログイン期間に応じた特典を特定してもよい。
【0067】
図3は、付与対象ユーザが特典を取得するために必要な、付与対象ユーザの強さに応じた非ログイン期間を表すテーブル224の一例を示す図である。テーブル224では、付与対象ユーザが特典を取得するために必要な非ログイン期間が、付与対象ユーザの強さを示す3つのランクのそれぞれに対応付けられている。付与対象ユーザの非ログイン期間がテーブル224に示されている非ログイン期間以上である場合には、付与手段238は、テーブル224の非ログイン期間に対応する特典を付与対象ユーザに付与することができる。
【0068】
例えば、付与対象ユーザの非ログイン期間が4ヶ月であり、その付与対象ユーザの強さがBランクに対応する場合には、付与手段238は、特典Xをその付与対象ユーザに付与することができる。また、付与対象ユーザの非ログイン期間が8ヶ月であり、その付与対象ユーザの強さがBランクに対応する場合には、付与手段238は、特典Xおよび特典Yの少なくともいずれかをその付与対象ユーザに付与することができる。
【0069】
また、テーブル224では、付与対象ユーザが特典を取得するための非ログイン期間が、付与対象ユーザの強さに応じて異なる期間となっている。例えば、付与対象ユーザが特典Xを取得するための非ログイン期間(以下、「X期間」と称する。)を参照すると、Cランクの付与対象ユーザのX期間は4ヶ月であるのに対し、Aランクの付与対象ユーザのX期間は2ヶ月である。このように、付与対象ユーザが特典を取得するための非ログイン期間が、付与対象ユーザの強さに応じて異なっているため、付与手段238は、付与対象ユーザの強さに応じて、付与対象ユーザを優遇することができる。
【0070】
なお、図2を参照して説明したテーブル223および図3を参照して説明したテーブル224のそれぞれは、例えば、記憶部22に記憶されていてよい。
【0071】
なお、付与対象ユーザが特典を取得するために必要な非ログイン期間が、付与対象ユーザの強さのランクごとに対応付けられているものとして説明した。これに限らず、付与対象ユーザが特典を取得するために必要な非ログイン期間は、例えば、付与対象ユーザの強さに応じて、線形に変化してもよい。
【0072】
また、付与手段238は、プレイ効率に応じた特典を付与対象ユーザに付与することができる。例えば、付与手段238は、プレイ効率が高いほど、条件の良い特典を付与対象ユーザに付与してもよい。具体的には、ゲームイベントを速くクリアできるユーザ程、条件の良い特典が付与されてよい。例えば、付与手段238は、ユーザが所持しているゲーム媒体の戦力値が高いほど、条件の良い特典をユーザに付与してもよい。一般的には、プレイ効率が高いほど、ユーザは対象ゲームを熱心にプレイしていると推測され、より入手難度の高いアイテム等を入手することがゲームを進行させる目的となる可能性がある。このため、プレイ効率が高いユーザにより条件の良い特典を付与することにより、ユーザが対象ゲームをプレイする意欲を高めることができる。
【0073】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0074】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0075】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0076】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0077】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0078】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報等が格納されている。
【0079】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0080】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562および報知制御手段563として機能する。
【0081】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0082】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ログイン要求、ログアウト要求、ガチャ実行要求およびクエスト実行要求等を、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等を、サーバ装置2から受信する。
【0083】
―ゲーム実行手段−
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0084】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介し介した操作に応じて、対象ゲームにおいてクエストを実行させる。
【0085】
―報知制御手段−
報知制御手段563は、対象ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段563は、ゲーム中には図4の画面sc1をディスプレイ61に表示される。
【0086】
画面sc1は、素材アイテムを使用することにより武器アイテムを作成するための画面である。画面sc1には、作成される武器アイテムを示す武器アイテム画像610と、武器アイテムを作成するために必要な3種類の素材アイテムをそれぞれ示す第1素材アイテム画像620、第2素材アイテム画像622および第3素材アイテム画像624が含まれている。ここでは、30個の第1素材アイテム、20個の第2素材アイテムおよび20個の第3素材アイテム使用することにより、武器アイテムが作成される。ユーザは、作成ボタン630をタッチすることにより、3種類の素材アイテムを使用して、作成された武器アイテムを取得することができる。
【0087】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図5は、サーバ装置2が非ログイン期間に応じた特典をユーザに付与するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
まず、ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づき、サーバ装置2に対象ゲームへのログイン要求を送信する(ステップst101)。次いで、サーバ装置2の照合手段232は、ログイン要求を送信したゲーム装置5のユーザのアカウント認証を行う(ステップst103)。次いで、ログイン管理手段234は、ユーザがログインしたタイミングをログイン履歴に記録する(ステップst105)。
【0089】
次いで、判定手段235は、ユーザのログイン履歴に基づいて、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないか否かを判定する(ステップst107)。ユーザが対象ゲームにログインしていない期間が付与対象条件期間未満であると判定された場合(ステップst107:NO)、ステップst109に進む。一方、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことが判定された場合(ステップst107:YES)、ステップst111に進む。
【0090】
ステップst107においてNOと判定されると、付与手段238は、ユーザに通常の特典を付与する(ステップst109)。一方、ステップst107においてYESと判定されると、期間特定手段236は、非ログイン期間を特定する(ステップst111)。次いで、付与手段238は、非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与する(ステップst113)。
【0091】
ステップst109において付与手段238が通常の特典をユーザに付与するか、ステップst113において付与手段238がユーザに非ログイン期間に応じた特典をユーザに付与すると、図5に示す処理は終了する。
【0092】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ユーザが対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないことを判定する判定手段235と、ユーザが対象ゲームにログインしていない期間である非ログイン期間を特定する期間特定手段236と、対象ゲームに付与条件期間以上ログインしていないユーザである付与対象ユーザが対象ゲームにログインした場合に、期間特定手段236により特定された非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与する付与手段238と、として機能させるものである。
【0093】
<効果>
一定期間以上対象ゲームにログインしていないユーザは、継続的にログインしているユーザと比べて、ゲームの進行において差をつけられている。具体的には、対象ゲームでキャラクタを入手する機会及び入手したキャラクタを育成する機会が失われる。本実施形態によれば、一定期間以上対象ゲームにログインしていないユーザに、非ログイン期間に応じた特典を付与することにより、ゲームの進行における差の少なくとも一部を埋めることができる。この結果、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、所定期間以上対象ゲームをプレイしていないユーザに、最近の対象ゲームのプレイ環境を体感させることができる。
【0095】
[第2実施形態]
第2実施形態では、主に、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と実質的に同一の点については適宜省略する。
【0096】
図6は、第2実施形態に係るサーバ装置が備える制御部24の機能ブロック図である。第2実施形態に係る制御部24は、第1実施形態に係る制御部23が有する機能に加えて、選択提示手段239および選択受付手段240を備える。
【0097】
―選択提示手段―
選択提示手段239は、特典の選択肢をユーザに提示することができる。具体的には、選択提示手段239は、ユーザのゲーム装置5に、特典の選択肢を表す情報を送信することにより、特典の選択肢をユーザに提示することができる。
【0098】
本実施形態では、選択提示手段239は、非ログイン期間に応じた2つの特典の選択肢をユーザに提示することができる。より具体的には、選択提示手段239は、取得対象キャラクタの取得の難度を優遇しつつ、取得の難度が優遇された取得対象キャラクタのパラメータを、取得の難度が優遇されていない取得対象キャラクタのパラメータよりも低くする第1特典と、取得対象キャラクタの取得の難度を優遇せず、取得の難度が優遇されていない取得対象キャラクタのパラメータを優遇する第2特典と、の選択肢を提示することができる。
【0099】
ゲーム装置5は、特典の選択肢を表す情報を受信すると、ディスプレイ61に特典の選択肢を表示することができる。ユーザは、ディスプレイ61をタッチするなどの操作を行うことにより、選択肢から特典を選択することができる。ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づく特典の選択受付要求をサーバ装置2に送信することができる。
【0100】
―選択受付手段―
選択受付手段240は、特典の選択をユーザの操作に基づき受け付けることができる。本実施形態では、選択受付手段240は、ゲーム装置5から送信された特典の選択受付要求に基づき、特典の選択を受け付ける。本実施形態では、選択受付手段240は、上述した第1特典と第2特典とのいずれかの選択をユーザの操作に基づき受け付けることができる。
【0101】
―付与手段―
第2実施形態に係る付与手段238は、選択受付手段240が受け付けた特典の選択に基づき、特典をユーザに付与することができる。本実施形態では、付与手段238は、第1特典または第2特典をユーザに付与することができる。
【0102】
図7は、第2実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れを示す図である。まずステップst201からステップst211の処理が行われるが、ステップst201からステップst211は、図5を参照して説明したステップst101からステップst111の処理と実質的に同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0103】
ステップst211の処理が終了すると、選択提示手段239は、非ログイン期間に応じた2つの特典の選択肢をユーザに提示する(ステップst213)。具体的には、選択提示手段239は、第1特典および第2特典の選択肢を示す情報をゲーム装置5に送信する。
【0104】
次いで、ゲーム装置5は、ディスプレイ61に特典の選択肢を表示する(ステップst215)。具体的には、第1特典および第2特典の選択肢がディスプレイ61に表示される。ユーザは、ディスプレイ61のタッチ操作などにより、第1特典または第2特典を選択することができる。ここでは、第1特典が選択されるものとする。
【0105】
次いで、ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づき、特典の選択受付要求をサーバ装置2に送信する(ステップst217)。ゲーム装置5は、第1特典の選択受付要求をサーバ装置2に送信する。
【0106】
次いで、サーバ装置2の選択受付手段240は、特典の選択を受け付ける(ステップst219)。ここでは、選択受付手段240は、第1特典の選択を受け付ける。
【0107】
次いで、付与手段238は、ステップst219において選択受付手段240が受け付けた特典の選択に基づき、ユーザに特典を付与する(ステップst221)。ここでは、付与手段238は、ステップst219において選択受付手段240により受け付けられた第1特典の選択に基づき、第1特典をユーザに付与する。付与手段238がステップst209において通常の特典をユーザに付与するか、ステップ221において選択された特典をユーザに付与すると、図7に示す処理は終了する。
【0108】
本実施形態によれば、ユーザは2つの特典の選択肢から所望の特典を選択することができるため、ゲームの興趣性がより高められる。
【0109】
[第3実施形態]
第3実施形態では、主に、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と実質的に同一の点は適宜説明を省略する。
【0110】
図8は、第3実施形態に係るサーバ装置が備える制御部25の機能ブロック図である。第3実施形態に係る制御部25は、第1実施形態に係る制御部23が有する機能に加えて、冷遇手段241を備える。
【0111】
―冷遇手段―
冷遇手段241は、付与対象ユーザに非ログイン期間に応じた特典が付与手段238により付与された場合には、対象ゲームに含まれる冷遇対象ゲームイベントにおいて、付与対象ユーザを冷遇することができる。冷遇対象ゲームイベントは、特に限定されないが、第3実施形態ではランキングゲームイベントであるものとして説明する。ランキングイベントは、ユーザ同士で順位を争うゲームイベントである。
【0112】
付与対象ユーザを冷遇することは、付与対象ユーザにとって不利益となる処理を実行することである。例えば、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントにおいて使用されるキャラクタ(使用キャラクタ)のパラメータを冷遇することができる。より具体的には、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントにおける使用キャラクタのパラメータを、通常のパラメータよりも低くすることができる。
【0113】
あるいは、冷遇手段241は、ユーザのランキングイベントにおける順位を冷遇することができる。例えば、非ログイン期間に応じた特典が付与された付与対象ユーザが、冷遇対象ゲームイベントが開催されている期間に、冷遇対象ゲームイベントに参加したとする。このときに、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントのプレイ結果が順位に反映されないようにしてもよいし、付与対象ユーザの順位を通常の順位よりも低くしてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、ランキングイベントに参加したユーザには、順位に応じたランキング報酬を付与され得る。冷遇手段241は、非ログイン期間に応じた特典が付与された付与対象ユーザには、ランキング報酬が付与されないようにしてもよい。或いは、冷遇手段241は、付与対象ユーザに付与されるランキング報酬を冷遇してもよい。例えば、冷遇手段241は、ユーザに付与されるランキング報酬として付与されるアイテムの数を、通常付与されるアイテムの数よりも減らすことができる。
【0115】
また、冷遇手段241は、特定の条件が満たされた場合に、ユーザの冷遇を解除することができる。例えば、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了ことを少なくとも条件として、ユーザの冷遇を解除することができる。本実施形態では、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了すると、ユーザの冷遇を解除することができる。
【0116】
本実施形態では、冷遇対象ゲームイベントにおいて、特定の使用キャラクタの取得の難度を優遇する特典が、付与手段238により付与対象ユーザに付与されるものとする。このとき、冷遇手段241は、その使用キャラクタのパラメータが冷遇することができる。これにより、特定の使用キャラクタが冷遇対象ゲームイベントにおいて有利なキャラクタであったとしても、パラメータが冷遇されているため、付与対象ユーザが有利になりすぎることが抑制される。
【0117】
冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了すると、取得の難度が優遇された使用キャラクタのパラメータの冷遇を解除することができる。これにより、付与対象ユーザは、使用キャラクタのパラメータが冷遇されていない状態で、次回以降のゲームイベントをプレイすることができる。一般的には、ゲームイベントごとに有利なキャラクタが用意されることが多い。このため、パラメータの冷遇が解除された使用キャラクタが冷遇対象ゲームイベントでは有利なキャラクタであったとしても、次回以降のゲームイベントでは使用キャラクタが特別有利にはたらくとは限らない。したがって、使用キャラクタのパラメータの冷遇が解除されたとしても、継続的に対象ゲームをプレイしているユーザに特段の不公平感を与えないものと予測される。
【0118】
図9は、第3実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れを示す図である。まずステップst301からステップst313の処理が行われるが、ステップst301からステップst313は、図5を参照して説明したステップst101からステップst113の処理と実質的に同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0119】
ステップst313において非ログイン期間に応じた特典が付与対象ユーザに付与されると、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントにおいて付与対象ユーザを冷遇する(ステップst315)。
【0120】
冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了したか否かを判定する(ステップst317)。冷遇対象ゲームイベントが終了していないと判定されると(ステップst317:NO)、ステップst317が繰り返し実施される。一方、冷遇対象ゲームイベントが終了したと判定されると(ステップst317:YES)、ステップst319に進む。ステップst317においてYESと判定されると、冷遇手段241は、付与対象ユーザの冷遇を解除する(ステップst319)。
【0121】
ステップst309において付与手段238により通常の特典がユーザに付与されるか、ステップst319において冷遇手段241により冷遇が解除されると、図9に示す処理が終了する。
【0122】
また、本実施形態によれば、付与対象ユーザが一時的に冷遇されるため、付与対象ユーザが有利になりすぎることが抑制される。この結果、継続的に対象ゲームにログインして、ゲームイベントをプレイしているユーザに不公平感が生まれることが抑制される。
【0123】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0124】
付与手段238がユーザに付与する特典は、上記実施形態において説明した例に限定されるものではない。例えば、付与手段238は、強化対象ゲーム媒体の強化に必要なアイテムの数を低減できる権利を特典としてユーザに付与してもよい。上記実施形態では、+5の武器アイテムを作成するためには、+4の武器アイテムが2つ必要であるものとして説明した。付与手段238は、例えば、+5の武器アイテムを作成するために必要な+4の武器アイテムの数を1つに低減する特典をユーザに付与することができる。
【0125】
また、付与手段238は、ユーザが単位時間あたりにゲームイベントを周回可能な回数に基づいて、特典を付与対象ユーザに付与してもよい。より具体的には、付与手段238は、付与対象ユーザのスタミナに応じて特典を付与対象ユーザに付与してもよい。ここで、なお「スタミナ」とは、ゲームイベントを開始してプレイするために消費されるパラメータである。スタミナは、ゲームイベントの進行によらず、現実の時間経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費などのユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、ゲームイベントの進行によるユーザランクアップなど、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0126】
例えば、スタミナの最大値に基づき、1日で回復するスタミナ量が算出される。さらに、1日で回復するスタミナ量に基づき、1日当たりにゲームイベントを周回できる回数が算出される。1日当たりにゲームイベントを周回できる回数にゲームイベントをクリアすることにより各種のアイテムを取得できる確率を掛けることにより、1日当たりに取得できる各種のアイテムの数が算出される。この算出された各種のアイテムの数を1日分のアイテムの数として、付与手段238は、付与対象ユーザに各種のアイテムを付与してよい。具体的には、付与手段238は、非ログイン期間が1ヶ月である場合には3日分のアイテムを付与対象ユーザに付与し、非ログイン期間が3ヶ月である場合には10日分のアイテムを付与対象ユーザに付与してもよい。
【0127】
また、付与手段238は、強化対象ゲーム媒体のパラメータの取得の難度を優遇することを含む特典をユーザに付与することができる。強化対象ゲーム媒体のパラメータは、強化対象ゲーム媒体の強さなどの特性を示すパラメータであり、対象ゲームに含まれるゲームイベントを繰り返しプレイすることにより取得される。強化対象ゲーム媒体のパラメータは、例えば、プレイヤキャラクタの経験値または攻撃力値などである。
【0128】
また、付与手段238は、プレイヤキャラクタの経験値の取得を優遇するアイテムである経験値優遇アイテムをユーザに付与することができる。経験値は、プレイヤキャラクタの強さの指標となるパラメータである。例えば、付与手段238は、経験値優遇アイテムとして、経験値アイテムまたは取得経験値向上アイテムをユーザに付与することができる。経験値アイテムは、プレイヤキャラクタに経験値を取得させるアイテムである。また、取得経験値向上アイテムは、プレイヤキャラクタが取得できる経験値を向上させるアイテムである。プレイヤキャラクタに取得経験値向上アイテムが使用されると、例えば、ユーザは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを倒したときに、通常取得できる経験値よりも高い経験値を取得することができる。
【0129】
上述したように、本実施形態に係る対象ゲームでは、ユーザは、ゲームイベントを繰り返しプレイすることにより、ゲーム媒体およびパラメータを取得することができる。付与手段238は、ゲームイベントの繰り返し回数または繰り返し時間を優遇することを含む特典をユーザに付与することができる。より具体的には、付与手段238は、ゲーム媒体およびパラメータの取得に必要なゲームイベントをプレイする回数または時間を低減するアイテムをユーザに付与することができる。例えば、付与手段238は、上述した経験値アイテムなどをユーザに付与することにより、より短時間でゲーム媒体を育成することが可能になる。
【0130】
また、付与手段238は、非ログイン期間に応じた経験値優遇アイテムを、付与対象ユーザに付与することができる。例えば、付与手段238は、非ログイン期間に応じた数の経験値優遇アイテムを、付与対象ユーザに付与することができる。ここでは、ユーザがゲームイベントをクリアすると、ユーザが有するパーティを構成するキャラクタに所定の経験値が付与されるものとする。スタミナの最大値に基づき、1日に回復するスタミナ量が算出される。また、1日に回復するスタミナ量に基づき、1日にゲームイベントを周回可能な回数が算出される。さらに、算出された周回可能な回数に基づき、1日当たりに取得可能な経験値の量が算出される。
【0131】
また、付与手段238は、1日当たりに取得可能な経験値の量に基づいて、経験値優遇アイテムを付与対象ユーザに付与することができる。具体的には、付与手段238は、非ログイン期間が長いほど、多くの経験値優遇アイテムを付与対象ユーザに付与することができる。例えば、付与手段238は、非ログイン期間が1ヶ月である場合には1週間分の経験値優遇アイテム、非ログイン期間が3ヶ月である場合には3週間分の経験値優遇アイテムを付与対象ユーザに付与することができる。
【0132】
また、付与手段238は、ゲーム媒体の取得の難度を優遇するように、ユーザに特典を付与することができる。具体的には、付与手段238は、ゲーム媒体の取得の難度を優遇するアイテムである取得優遇アイテムをユーザに付与することができる。取得優遇アイテムは、例えば、ガチャにおいて高レア(「Sレアリティ」ともいう。)アイテムが抽選される確率を高めるアイテム、ガチャにおいて高レアアイテムが確実に抽選されるようにするチケット、およびガチャを実施するために必要な通貨(仮想通貨など)を低減(割り引き)することができるアイテムなどである。一般的にレア度が高いアイテムほど、新しく強いアイテムである可能性が高いため、ユーザは、取得難度優遇アイテムを取得することにより、最新の強いアイテムを取得しやすくなる。
【0133】
また、付与手段238は、非ログイン期間に応じた取得優遇アイテムを付与対象ユーザにすることができる。例えば、非ログイン期間に応じた取得優遇アイテムは、ガチャにおいて高レアアイテムが抽選される確率を非ログイン期間に応じた確率に高めるアイテム、非ログイン期間に応じた枚数のチケット、または非ログイン期間に応じたガチャの割り引きを行うアイテムなどであってよい。
【0134】
上記実施形態では、非ログイン期間に応じた特典をいくつか例示したが、非ログイン期間に応じた特典は、上述した例に限定されるものではない。少なくとも本明細書において示した特典は、いずれも非ログイン期間に応じた特典となり得る。
【0135】
上記実施形態では、主に、付与手段238は、休眠期間後に付与対象ユーザがログインした場合には、通常の特典に代えて非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与するものとして説明した。これに限らず、付与手段238は、通常の特典に加えて、非ログイン期間に応じた特典を付与対象ユーザに付与してもよい。
【0136】
また、非ログイン期間に応じて特典が付与されることは、ユーザに予め提示されてもよいし、ユーザに予め提示されていなくてもよい。例えば、非ログイン期間に応じて特典が付与されることがユーザに提示されないことにより、ユーザが意図的に対象ゲームにログインしないことが抑制される。
【0137】
上記第2実施形態では、選択提示手段239は、2つの特典の選択肢を提示するものとして説明したが、選択提示手段239は、3つ以上の特典の選択肢を提示してもよい。この場合には、付与手段238は、3つ以上の選択肢から選ばれた特典をユーザに付与することができる。このとき、2つ以上の特典が選択されていてもよく、付与手段238は、2つ以上の特典をユーザに付与してもよい。
【0138】
第3実施形態では、冷遇手段241が冷遇する方法を例示したが、冷遇手段241がユーザを冷遇する方法は上述した例に限定されるものではない。冷遇手段241は、例えば、ユーザが使用するプレイヤキャラクタにレベルキャップを設けたり、プレイヤキャラクタのスキルの使用を制限したりすることができる。ここで、レベルキャップとは、プレイヤキャラクタのレベルの上限値である。
【0139】
上記第3実施形態では、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了するとユーザの冷遇を解除するものとして説明した。これに限らず、冷遇手段241は、冷遇対象ゲームイベントが終了することに加えて、他の条件が満たされた場合にユーザの冷遇を解除してもよい。
【0140】
前記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0141】
前記実施形態では、ゲームがロールプレイングゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シューティングゲーム、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0142】
例えば、ゲームがカードゲームである場合、プレイヤキャラクタが描写された当該プレイヤキャラクタに対応するカードオブジェクトが、仮想空間上のデッキに設定され、そのカードオブジェクトに対応するプレイヤキャラクタが敵キャラクタと対戦する。
【0143】
前記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0144】
前記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5がゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわちログイン管理手段234、判定手段235、期間特定手段236、効率特定手段237、付与手段238、選択提示手段239、選択受付手段240、冷遇手段241およびゲーム実行手段562などが、サーバ装置単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0145】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置(コンピュータ)
5 ゲーム装置
23,24,25 制御部
234 ログイン管理手段
235 判定手段
236 期間特定手段
237 効率特定手段
238 付与手段
239 選択提示手段
240 選択受付手段
241 冷遇手段
図1
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