【解決手段】光学素子駆動装置1は、第1磁界を発生するセンサ用磁石6を有し、運動方向に駆動可能に構成された可動部と、センサ部12を有する固定部と、を有する。センサ部12は、第1磁界と、第1磁界とは異なるバイアス磁界とに基づいて検出を行う。
前記可動部は、コイルを有し、前記第2磁界と、前記コイルが発生する磁界との相互作用により駆動可能に構成されている請求項4〜6のいずれかに記載の光学素子駆動装置。
前記センサ部は、前記可動部の運動方向から見て、前記可動部の後方を支持する後方スプリングと重複しないように配置されている請求項1〜12のいずれかに記載の光学素子駆動装置。
前記センサ部は、その前端が、前記可動部の運動方向への移動を規制するストッパ部の前端よりも前方に位置し、前記可動部の後方を支持する後方スプリングの後端よりも後方に位置するように配置される請求項1〜13のいずれかに記載の光学素子駆動装置。
前記センサ部は、前記センサ部を前記固定部に固定するための固定部材を介して、前記第1磁界発生部と対向している請求項1〜14のいずれかに記載の光学素子駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0028】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る光学素子駆動装置1は、図示しない光学素子(例えば、レンズ)を保持するレンズホルダ5等を運動方向に駆動させるためのものである。レンズホルダ5の運動方向は、Z軸方向に対応し、レンズ(図示略)の光軸方向に等しくなっている。以下では、Z軸方向の上方(正方向側)を前方とし、Z軸方向の下方(負方向側)を後方とする。光学素子駆動装置1の前方はレンズに対して被写体側に対応し、光学素子駆動装置1の後方はレンズに対して撮像素子側に対応する。なお、レンズは、1個のレンズで構成されてもよく、あるいは複数のレンズ群から構成されていてもよい。
【0029】
図中に示す軸Cは、可動部(レンズホルダ5等)の運動軸(駆動軸)であり、Z軸に平行な方向に延びている。光学素子駆動装置1は、レンズホルダ5の運動方向(運動軸Cに沿う方向)から見て略矩形の外周形状を有しており、その中央部に形成された開口部(貫通穴)の内部にはレンズ(図示略)を保持させることが可能となっている。
【0030】
光学素子駆動装置1は、たとえば図示しない固体撮像素子のようなイメージセンサと組み合わせて用いられる。イメージセンサは、レンズホルダ5の後方に配置され、レンズホルダ5が保持するレンズ(図示略)から出射した光を光電変換し、画像を生成する。イメージセンサの配置方法は特に限定されず、ベース部材11に対して直接固定されてもよく、他の部材を介して光学素子駆動装置1に接続されていてもよい。
【0031】
光学素子駆動装置1は、種々の電子機器に内蔵され、例えばオートフォーカス(AF)可能なカメラ付きのスマートフォン、携帯電話機、ノート型パソコン、タブレット型パソコン、携帯型ゲーム機、Webカメラ、車載用カメラなどの携帯端末に備えられる。
【0032】
図3に示すように、光学素子駆動装置1は、ヨーク2と、前方スプリング3と、駆動コイル4と、レンズホルダ5と、センサ用磁石6と、バランス磁石7と、後方スプリング8と、駆動用磁石9と、回路部10と、ベース部材11と、センサ部12とを有する。光学素子駆動装置1は、可動部と固定部とに大別され、可動部は固定部に対して径方向(
図1に示す開口部の径方向)に位置決めされた状態で、運動軸Cに沿って運動方向に駆動可能に構成されている。上記各構成2〜12のうち、前方スプリング3と、駆動コイル4と、レンズホルダ5と、センサ用磁石6と、バランス磁石7と、後方スプリング8とが可動部に設けられ、ヨーク2と、駆動用磁石9と、回路部10と、ベース部材11と、センサ部12とが固定部に設けられる。
【0033】
図5に示すように、ヨーク2は、略四角筒状の外形状を有し、前方から可動部(レンズホルダ5等)を取り囲むように設けられる。ヨーク2は、ヨーク前端部20と、外筒部21と、ヨーク開口部22と、突出片23とを有する。ヨーク前端部20は、ヨーク2の前方に位置し、X−Y平面に平行な板面を有する。光学素子駆動装置1にヨーク2を具備させたときに(
図1参照)、ヨーク前端部20はレンズホルダ5の前方を覆うように配置される。
【0034】
ヨーク開口部22は、ヨーク前端部20の中央部に形成されており、ヨーク開口部22の開口縁部には突出片23が形成されている。突出片23は、ヨーク2の内側(Z軸負方向側)に向かって突出する突出片からなる。本実施形態では、ヨーク開口部22の開口縁部には、一対の突出片23が形成されている。
【0035】
一方の突出片23は、
図1に示す光学素子駆動装置1の4つの角部1a〜1dのうち、角部1aに対応する位置に配置されている。他方の突出片23は、角部1a〜1dのうち、角部1cに対応する位置に配置されている。すなわち、
図5に示すように、他方の突出片23は、ヨーク開口部22を挟んで一方の突出片23とは反対側、あるいは一方の突出片23と対向する位置に配置されており、一対の突出片23の各々は、ヨーク前端部20の対角線(角部1aと角部1cとを結ぶ対角線)上に位置している。
【0036】
図1に示すように、角部1a〜1dのうち、突出片23が形成された2つの角部1a,1cの各々に隣接する角部1bには、センサ部12がベース部材11上に配置されている。すなわち、2つの突出片23の各々は、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ部12と重複する位置には設けられてはいない。換言すれば、レンズホルダ5の運動方向に直交する方向(X−Y平面に平行な方向)から見て、一方の突出片23は、センサ部12を挟んで一方側(紙面向かって左側)に位置するヨーク2の端部に位置し、他方の突出片23は、センサ部12を挟んで他方側(紙面向かって右側)に位置するヨーク2の端部に位置している。
【0037】
図5に示すように、突出片23は、鉤形状を有し、後方に向かって延在している。より詳細には、突出片23は、ヨーク開口部22の径方向内側に向かって所定長だけ突出するとともに、後方に向かって所定長だけ突出している。
図1に示すように、突出片23は、後述するレンズホルダ5の前端部に形成された突出片挿入溝53(
図6A参照)の内部に挿入される。すなわち、一対の突出片23の一方は、センサ部12を挟んで一方側(
図1において、紙面向かって左側)に位置するレンズホルダ5の端部に固定され、一対の突出片23の他方は、センサ部12を挟んで他方側(
図1において、紙面向かって右側)に位置するレンズホルダ5の端部に固定される。突出片挿入溝53の内部に突出片23が挿入されることにより、レンズホルダ5が運動軸Cを回転軸として回転方向に回転することを防止することが可能となっている。
【0038】
図5に示すように、外筒部21は、実質的に四角筒形状の外形状を有する。外筒部21は、ヨーク前端部20の外周縁部に形成され、運動軸Cに沿ってヨーク前端部20から後方に向かって延びている。
図1に示すように、光学素子駆動装置1にヨーク2を具備させたときに、外筒部21はベース部材11の側方を覆うように配置される。これにより、ヨーク前端部20と外筒部21とで可動部の周囲を包囲する(保護する)ことが可能となっている。外筒部21の後端部(開放端部)とベース部材11(後述するベース底部110)とは、樹脂13を介して接合(固定)される。なお、外筒部21とベース部材11との固定位置は図示の位置に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0039】
図6Aおよび
図6Bに示すように、レンズホルダ5は、略中空円筒形状を有する。レンズホルダ5の外周形状は、レンズホルダ5の運動方向から見て、略矩形状となっている。レンズホルダ5は、レンズ(図示略)を保持するための部材であり、ホルダ前端部50と、ホルダ後端部51と、筒状部52と、突出片挿入溝53と、前方ホルダストッパ部54と、後端ホルダストッパ部55と、センサ用磁石挿入溝56と、バランス磁石挿入溝57と、コイル挿入溝58とを有する。
図4に示すように、レンズホルダ5の前方は前方スプリング3に接続され、レンズホルダ5の後方は後方スプリング8に接続される。
【0040】
図6Aおよび
図6Bに示すように、ホルダ前端部50はレンズホルダ5の前方(前端)に位置し、ホルダ後端部51はレンズホルダ5の後方(後端)に位置する。ホルダ前端部50およびホルダ後端部51は、それぞれレンズホルダ5の運動方向から見て略矩形状の外周形状を有する。ホルダ前端部50には、筒状部52の開口部に沿って、複数箇所(図示の例では4か所)にスプリング固定部500が等間隔で形成されている。スプリング固定部500には、後述する前方スプリング3のホルダ固定部34を嵌合させることが可能となっており、これにより前方スプリング3をレンズホルダ5に固定することができる。
【0041】
ホルダ後端部51には、筒状部52の開口部に沿って、複数箇所(図示の例では4か所)にスプリング固定凸部510が等間隔で形成されている。スプリング固定凸部510には、後述する後方スプリング8のホルダ固定部81を嵌合させることが可能となっており、これにより後方スプリング8をレンズホルダ5に固定することができる。
【0042】
筒状部52は、運動軸Cに沿って延在する貫通孔(開口部)を有し、その内周面にはレンズ(図示略)が取り付けられる。
【0043】
突出片挿入溝53は、前述の通り、突出片23(
図5参照)を挿入するための溝であり、ホルダ前端部50に形成されている。図示の例では、ホルダ前端部50には2つの突出片挿入溝53が形成されている。2つの突出片挿入溝53の各々は、ホルダ前端部50のうち、2つの突出片23の各々に対応する位置(
図1に示す角部1aおよび1cに対応する位置)に形成されている。
【0044】
前方ホルダストッパ部54は、ホルダ前端部50の外周縁部に形成されている。より詳細には、前方ホルダストッパ部54は、ホルダ前端部50の外周と筒状部52の開口縁部との間に範囲に形成されている。図示の例では、ホルダ前端部50には4つの前方ホルダストッパ部54が形成されており、4つの前方ホルダストッパ部54の各々は、ホルダ前端部50の外周形状(矩形)を規定する4つの辺の各々に配置されている。各前方ホルダストッパ部54は、筒状部52の開口縁部に沿って、当該開口部を取り囲むように、略等間隔で離間して配置されている。
【0045】
各前方ホルダストッパ部54は、ホルダ前端部50の各辺に沿って所定の長さを有するとともに、運動軸Cに沿う方向に所定の高さ(厚み)を有しており、筒状部52の前端よりも前方に突出している。前方ホルダストッパ部54は、レンズホルダ5の運動方向への移動を規制するために設けられたものであり、前方ホルダストッパ部54がヨーク2のヨーク前端部20(
図5参照)に内側から当接することにより、レンズホルダ5の前方への移動を規制することが可能となっている。
【0046】
後方ホルダストッパ部55は、ホルダ後端部51の外周縁部に形成されている。より詳細には、後方ホルダストッパ部55は、ホルダ後端部51の外周と筒状部52の開口縁部との間に範囲に形成されている。図示の例では、ホルダ後端部51には4つの後方ホルダストッパ部55が形成されており、4つの後方ホルダストッパ部55の各々は、ホルダ後端部51の外周形状(矩形)を規定する4つの辺の各々に配置されている。各後方ホルダストッパ部55は、筒状部52の開口縁部に沿って、当該開口部を取り囲むように、略等間隔で離間して配置されている。
【0047】
各後方ホルダストッパ部55は、ホルダ後端部51の各辺に沿って所定の長さを有するとともに、運動軸Cに沿う方向に所定の高さ(厚み)を有しており、筒状部52の後端よりも後方に突出している。後方ホルダストッパ部55は、レンズホルダ5の運動方向への移動を規制するために設けられたものであり、後方ホルダストッパ部55が後述するベース部材11に形成されたベースストッパ部112(
図7参照)に当接することにより、レンズホルダ5の後方への移動を規制することが可能となっている。
【0048】
センサ用磁石挿入溝56はセンサ用磁石6を収容するために形成された溝であり、バランス磁石挿入溝57はバランス磁石7を収容するために形成された溝である。センサ用磁石挿入溝56は、光学素子駆動装置1の4つの角部1a〜1d(
図1参照)のうち、角部1bに対応する位置に配置されている。また、バランス磁石挿入溝57は、光学素子駆動装置1の4つの角部1a〜1dのうち、角部1dに対応する位置に配置されている。すなわち、バランス磁石挿入溝57は、筒状部52の開口部を挟んでセンサ用磁石挿入溝56とは反対側、あるいはセンサ用磁石挿入溝56と対向する位置に配置されており、センサ用磁石挿入溝56およびバランス磁石挿入溝57は、それぞれホルダ後端部51の対角線(角部1bと角部1dとを結ぶ対角線)上に位置している。
【0049】
コイル挿入溝58は、レンズホルダ5の外周面に形成されており、レンズホルダ5の外周を周回するように形成されている。コイル挿入溝58には、
図3に示す駆動コイル4が挿入され、駆動コイル4をレンズホルダ5に固定することが可能となっている。
【0050】
図7に示すように、ベース部材11は、ベース底部110と、ベース開口部111と、ベースストッパ部112と、柱状部113と、センサ収容凹部114と、スプリング固定凸部115とを有する。ベース底部110は、X−Y平面に平行な板面を有する平板形状からなり、レンズホルダ5の運動方向から見て略矩形状の外周形状を有する。
【0051】
光学素子駆動装置1にベース部材11を具備させたときに(
図1参照)、ベース底部110は、光学素子駆動装置1(固定部)の後端部を構成する。ベース底部110の四隅には、それぞれスプリング固定凸部115が形成されている。スプリング固定凸部115には、後述する後方スプリング8のベース固定部82(
図9参照)を嵌合させることが可能となっており、これにより後方スプリング8をベース部材11に固定することができる。
【0052】
ベース底部110の中央部には、ベース開口部111が形成されている。ベース開口部111には、レンズ(図示略)の一部が、運動方向に沿って移動可能に挿入される。ベース開口部111は、レンズホルダ5の筒状部52の開口部(
図6B参照)に対して、Z軸方向から見て略一致するように配置される。
【0053】
ベースストッパ部112は、ベース底部110の外周縁部に形成されている。より詳細には、ベースストッパ部112は、ベース底部110の外周とベース開口部111の開口縁部との間に範囲に形成されている。図示の例では、ベース底部110には4つのベースストッパ部112が形成されており、4つのベースストッパ部112の各々は、ベース底部110の外周形状(矩形)を規定する4つの辺の各々に配置されている。各ベースストッパ部112は、ベース開口部111の開口縁部に沿って、ベース開口部111を取り囲むように、略等間隔で離間して配置されている。
【0054】
各ベースストッパ部112は、ベース底部110の各辺に沿って所定の長さを有するとともに、レンズホルダ5の運動方向に所定の高さ(厚み)を有しており、前方に突出している。ベースストッパ部112は、レンズホルダ5の運動方向へ移動を規制するために設けられたものであり、ベースストッパ部112がレンズホルダ5の後方ホルダストッパ部55(
図6B参照)に当接することにより、レンズホルダ5の後方への移動を規制することが可能となっている。
【0055】
柱状部113は、ベース底部110の角部に形成されている。図示の例では、ベース底部110には4つの柱状部113が形成されており、4つの柱状部113の各々は、ベース底部110の四隅の各々に配置されている。柱状部113は、略柱状の外形状を有し、レンズホルダ5の運動方向に沿ってベース底部110から前方に向かって突出している。
【0056】
センサ収容凹部114は、後方に向かって凹んだ凹部からなり、その内部には
図3に示すセンサ部12を収容することが可能となっている。図示の例では、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ収容凹部114は略矩形の外形状を有しているが、センサ収容凹部114の外形状は他の多角形状等であってもよい。センサ収容凹部114は、光学素子駆動装置1の角部1a〜1d(
図1参照)のうち、角部1bに対応する位置に形成されている。センサ収容凹部114は、ベース開口部111から径方向外側に離間した位置に形成されており、ベース開口部111の開口縁部と柱状部113との間に位置している。
【0057】
また、センサ収容凹部114は、ベース開口部111の周方向に沿って、角部1bの近傍に配置された一方のベースストッパ部112と他方のベースストッパ部112との間に位置する。また、センサ収容凹部114は、角部1bと角部1dとを結ぶ対角線上に位置する。
【0058】
センサ収容凹部114の深さは、センサ収容凹部114の内部にセンサ部12を設置したときに、センサ部12の前端がセンサ収容凹部114の外側に露出する程度となっている。
【0059】
詳細な図示は省略するが、センサ収容凹部114の内部には固定部材(接着剤等)が充填され、センサ収容凹部114の内部にセンサ部12を収容したときに、センサ部12を固定部材で固定することが可能となっている。なお、センサ収容凹部の側壁に固定部材が強固に固定されるように、センサ収容凹部114の側壁には凹凸が設けられていてもよい。
【0060】
図8に示すように、前方スプリング3は、金属などの導電性材料で構成された板状のバネ(板バネ)からなり、レンズホルダ5の前方(ホルダ前端部50)を支持する。前方スプリング3は、内側リング状部30と、外側リング状部31と、ベース固定部32と、アーム部33と、ホルダ固定部34とを有する。
【0061】
内側リング状部30は、円形からなるリング状の外形状を有し、レンズホルダ5の筒状部52の開口縁部(
図6A参照)に沿って配置される。内側リング状部30の周方向に沿う各部には、複数箇所(図示の例では4か所)において、ホルダ固定部34が形成されている。
図2に示すように、ホルダ固定部34は、レンズホルダ5の筒状部52の開口縁部に沿って形成されたスプリング固定部500に接着剤等の固定部材(図示略)を介して固定される。なお、内側スプリング状部30を固定するための手段は、固定部材に限定されず、嵌合等により固定してもよい。
【0062】
図8に示すように、外側リング状部31は、内側リング状部30よりも径方向外側に位置し、略矩形からなるリング状の外形状を有する。外側リング状部31は、ベース部材11(
図7参照)の外周縁部と同様の形状を有し、ベース部材11の外周に沿って配置される。
【0063】
ベース固定部32は、外側リング状部31の四隅に形成されており、4つのベース固定部32の各々は、ベース部材11の4つの柱状部113(
図7参照)の各々の前面に固定される。
【0064】
アーム部33は、蛇行形状を有し、4つのベース固定部32の各々に対応して、前方スプリング3の角部に設けられている。4つのアーム部33の各々は、内側リング状部30と外側リング状部31との間を接続している。アーム部33は、内側リング状部30と外側リング状部31との間に位置する複数箇所で屈曲しつつ、内側リング状部30から離間するように、外側リング状部31に向けて延在している。アーム部33と内側リング状部30との間には、これらで挟まれたスペースが形成されている。このスペースの後方には、
図2に示すように、突出片挿入溝53が配置されており、突出片挿入溝53は当該スペースの内側に配置されている。
【0065】
アーム部33が弾性変形することにより、前方スプリング3は、内側リング状部30に接続されたレンズホルダ5を、ベース部材11等に対して、運動方向に相対移動自在に保持することが可能になっている。
【0066】
図9に示すように、後方スプリング8は、金属などの導電性材料で構成された板状のバネ(板バネ)からなり、レンズホルダ5の後方(ホルダ後端部51)を支持する。後方スプリング8は、リング状部80と、ホルダ固定部81と、ベース固定部82と、アーム部83とを有する。
【0067】
リング状部80は、円形からなるリング状の外形状を有し、レンズホルダ5の筒状部52の開口縁部(
図6B参照)に沿って配置される。
【0068】
リング状部80の周方向に沿う各部には、複数箇所(図示の例では4か所)において、ホルダ固定部81が略等間隔で形成されている。4つのホルダ固定部81の各々には嵌合孔が形成されており、この嵌合孔にはホルダ後端部51に形成されたスプリング固定凸部510(
図6B参照)を嵌合させることが可能となっている。なお、ホルダ固定部81は、ホルダ後端部51(筒状部52の開口縁部)に接着剤等の固定部材を介して固定されてもよい。
【0069】
ベース固定部82は、後方スプリング8の四隅に配置されており、嵌合孔を有する。ベース固定部82は、ホルダ固定部81に対応して設けられており、アーム部83を介してホルダ固定部81に接続されている。4つのベース固定部82の各々は、ベース部材11のベース底部110の各角部(
図1に示す光学素子駆動装置1の角部1a〜1dの各々に対応する位置)に固定される。より詳細には、4つのベース固定部82の各々は、その嵌合孔にスプリング固定凸部115(
図7参照)が嵌合することにより、ベース底部110に固定される。
【0070】
アーム部83は、蛇行形状を有し、4つのベース固定部82の各々に対応して、後方スプリング8の角部に設けられている。4つのアーム部83の各々は、ホルダ固定部81とベース固定部82との間を接続している。アーム部83は、ホルダ固定部81とベース固定部82との間に位置する複数箇所で屈曲しつつ、リング状部80から離間するように、ベース固定部82に向けて延在している。アーム部83とリング状部80との間には、これらで挟まれたスペースが形成されている。このスペースの後方には、
図10Bに示すように、センサ収容凹部114が配置されており、センサ収容凹部114は当該スペースの内側に配置されている。なお、
図10Bでは、センサ用磁石6、後方スプリング8およびセンサ部12の位置関係について理解を容易にするため、レンズホルダ5等の図示を省略している。
【0071】
アーム部83が前方スプリング3のアーム部33と同様に弾性変形することにより、後方スプリング8は、リング状部80に接続されたレンズホルダ5を、ベース部材11等に対して、運動方向に相対移動自在に保持することが可能になっている。
【0072】
図3に示すように、駆動コイル(フォーカス用コイル)4は、略矩形状からなるリング形状を有し、レンズホルダ5のコイル挿入溝58(
図6A参照)の内部に挿入され、レンズホルダ5の外周面を周回するように固定される。
図2に示すように、駆動コイル4は、駆動用磁石9の内側面に対向して配置され、
図4に示すように、駆動コイル4の外周面と駆動用磁石9の内側面との間には、運動軸Cに直交する方向に所定長の隙間が形成されている。駆動コイル4は、レンズホルダ5に保持されるレンズ(図示略)を、運動方向に駆動するボイスコイルモータを構成する。
【0073】
図2に示すように、駆動コイル4の四隅とベース部材11の各柱状部113との間には、運動軸Cに直交する方向に所定長の隙間が形成されており、これらの隙間には、両者を接続するようにゲル状のダンパー部材14を介在させている。ダンパー部材14を介して、駆動コイル4の四隅は、ベース部材11の各柱状部113に接続されている。
【0074】
ダンパー部材14は、たとえば軟質ゲル材や軟質接着剤などの振動吸収材料などで構成される。ダンパー部材14は、レンズホルダ5が、ベース部材11に対して、運動方向にフォーカス駆動される際のダンパーとして機能し、振動を抑制する効果が期待できる。本実施形態では、ダンパー部材14をレンズホルダ5(より正確には、レンズホルダ5の外周面に固定された駆動コイル4)の4つの角部付近に設けることで、4か所のダンパー部材14を、レンズ(図示略)の中心軸から最も遠い位置に配置することが可能となり、ダンパーとしての機能を最大限に発揮させることができる。
【0075】
図2および
図3に示すように、駆動用磁石9は、第1磁石91と、第2磁石92と、第3磁石93と、第4磁石94とを有する。駆動用磁石9は、第2磁界を発生する第2磁界発生部として機能する。第2磁界は、駆動コイル4に印加されるとともに、バイアス磁界としてセンサ部12に印加される。
【0076】
第1磁石91〜第4磁石94の各々は、複数組の磁極を有する多極磁石(2極以上の磁石であり、本実施形態では2極磁石)であり、略直方体の外形状を有している。第1磁石91〜第4磁石94の各々は、駆動コイル4の径方向の外側に配置され、ベース部材11のベース底部110の外周縁部に接着剤等の固定部材13を介して固定される。また、第1磁石91〜第4磁石94の各々は、ベース底部110の外周形状(矩形)を規定する4つの辺の各々に配置され、ベース底部110の外周縁部を取り囲んでいる。
【0077】
前方スプリング3と、駆動コイル4と、レンズホルダ5と、センサ用磁石6と、バランス磁石7と、後方スプリング8とで構成される可動部は、駆動用磁石9が発生する第2磁界と、駆動コイル4が発生する磁界との相互作用により駆動可能に構成されている。
【0078】
すなわち、駆動コイル4に駆動電流を流すことにより、駆動コイル4と駆動用磁石9との協同作用(VCM作用)により、駆動コイル4には運動軸方向の力が作用する。そのため、ベース部材11に対して、レンズホルダ5をレンズ(図示略)とともに、運動軸方向の前後に移動させることができる。レンズをレンズホルダ5とともに、ベース部材11に対して運動方向に移動させることで、オートフォーカス(AF)動作を行うことができる。
【0079】
図3に示すように、センサ用磁石6は、多極磁石(2極以上の磁石であり、本実施形態では2極磁石)からなり、1または複数の多極磁石(本実施形態では2つの多極磁石)で構成されている。センサ用磁石6は、第1磁界を発生する第1磁界発生部として機能する。なお、第1磁界の強度は、上述した第2磁界の強度とは異なっている。
【0080】
センサ用磁石6は、
図6Bに示すレンズホルダ5のセンサ用磁石挿入溝56の内部に挿入され、レンズホルダ5の内部に埋め込まれる。センサ用磁石6は、レンズホルダ5の運動方向の移動に伴って、駆動用磁石9に対する相対的な位置が変化可能に設けられている。
【0081】
バランス磁石(バランス部材)7は、
図6Bに示すレンズホルダ5のバランス磁石挿入溝57の内部に挿入され、レンズホルダ5の内部に埋め込まれる。バランス磁石7は、センサ用磁石6と同程度の重量を有する。バランス磁石7は、
図6Bに示す筒状部52の開口部(あるいは、図示しないレンズ)を挟んでセンサ用磁石6とは反対側の位置に配置され、レンズホルダ5の対角線(
図1に示す角部1bと角部1dとを結ぶ対角線)上で、バランス磁石7はセンサ用磁石6に対向している。バランス磁石7をセンサ用磁石6が固定されたレンズホルダ5に固定することにより、センサ用磁石6が固定されたレンズホルダ5の一方側(角部1b側)と、バランス磁石7が固定されたレンズホルダ5の他方側(角部1d側)との間のバランスを維持することが可能となっている。
【0082】
図3に示すように、センサ部12は、所定の検出位置(ベース部材11のベース底部110であって、
図1に示す角部1bに対応する位置)において、センサ用磁石6が発生する第1磁界と、駆動用磁石9が発生する第2磁界とに基づいて検出を行う。より詳細には、センサ部12(センサ120)は、上記第1磁界と上記第2磁界との合成磁界を検出し、合成磁界の方向が基準方向に対してなす角度に対応した検出信号を生成する。基準方向は、例えば第1磁石91および第4磁石94の各々が発生する磁界の合成磁界の方向である。
【0083】
本実施形態では、センサ部12と、センサ用磁石6と、駆動用磁石9とにより、可動部(レンズホルダ5等)の相対的な位置を検出する位置検出部が構成され、図示しない制御部によって、センサ120の検出信号の検出値に基づいて、所定の検出位置に対するレンズホルダ5の運動方向の相対位置を特定することが可能となっている。以下、この点について、
図12および
図13を参照しつつ詳述する。なお、
図12では、光学素子駆動装置1を運動軸Cに沿う方向から見た概略図を紙面上方に図示し、光学素子駆動装置1を運動軸Cに直交する方向から見た概略図を紙面下方に図示している。また、図面が煩雑になるのを防止するために、説明に必要な構成のみ模式的に図示している。
【0084】
図12に示すように、センサ用磁石6の相対的な位置が運動軸Cに沿って地点aから地点bに変化すると、
図13に示すように、検出位置(センサ部12の配置位置)における第1磁界M1の方向と第2磁界M2の強度および方向とは変化しないが、検出位置における第1磁界M1の強度はM1aからM1bに変化する。検出位置における第1磁界M1の強度が変化すると、第1磁界M1および第2磁界M2の合成磁界MS(M1+M2)の方向と強度もMSa(M1a+M2)からMSb(M1b+M2)へと変化し、それに伴い、センサ120が生成する検出信号の検出値も変化する。
【0085】
したがって、合成磁界MSが基準方向に対してなす角度は、第1磁界の強度に依存してΘaからΘbへと変化する。また、第1磁界M1の強度は、検出位置とセンサ用磁石6との間の距離に依存して変化する。したがって、合成磁界MSの方向が基準方向に対してなす角度は、検出位置とセンサ用磁石6との間の距離に依存して変化する。したがって、センサ120の検出信号に基づいて、検出位置とセンサ用磁石6との間の距離を求めることができ、これにより、センサ用磁石6の相対位置を検出することができる。そして、センサ用磁石6の相対位置に基づいて、検出位置に対するレンズホルダ5の運動方向の相対位置を特定することが可能となっている。
【0086】
図10Aに示すように、センサ部12は、センサ120と、センサ120を内部に収容するセンサパッケージ121とを有する。センサパッケージ121は、例えば樹脂等で構成され、略直方体からなる外形状を有する。センサパッケージ121の内部にはセンサ120を収容するための空間が形成されている。
【0087】
センサ120は、センサ用磁石6(第1磁界発生部)の変位に応じた角度検出が可能な角度センサである。本実施形態では、センサ120は、TMR(Tunnel Magneto Resistance)センサで構成されている。ただし、センサ120は他のセンサで構成されていてもよく、他のセンサとしては、例えばGMR(Giant Magneto Resistance)センサやAMR(Anisotropic Magneto Resistance)センサ等が例示され、磁気抵抗効果素子を用いたセンサが好ましい。
【0088】
図12に示すように、本実施形態では、センサ部12は、複数の駆動用磁石9(第1磁石91および第4磁石94)の各々で規定される領域内に配置される。より詳細には、センサ部12は、ベース部材11のベース底部110の角部周辺(
図1に示す光学素子駆動装置1の角部1bに対応する位置)において、各々隣接して配置される第1磁石91および第4磁石94の各々の端部(端面付近)で挟まれる領域A1の内側に配置され、第1磁石91および第4磁石94の各々の内側面で挟まれている。なお、第1磁石91のY軸方向の負方向側の端部(端面)と、第4磁石94のX軸方向の負方向側の端部(端面)との間の距離をL1としたときに、領域A1は、第1磁石91と第4磁石94との間に延在する幅L1の領域に対応する。
【0089】
図示の例では、センサ部12と第1磁石91との距離と、センサ部12と第4磁石94との距離とは、略等しくなっているが、異なっていてもよい。
【0090】
また、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、駆動コイル4よりもベース部材11の中心側に配置される。すなわち、センサ部12は、リング形状からなる駆動コイル4の内周面の内側に配置される。センサ部12(センサパッケージ121)は、駆動コイル4の内周面から距離L2の位置に配置されており、図示の例ではL2<L1となっている。距離L2は、好ましくは、0.1〜0.5mm、さらに好ましくは0.25〜0.4mmである。
【0091】
また、
図10Aに示すように、センサ部12は、駆動コイル4の内周面と前方スプリング3の内側リング状部30(あるいは、
図6Aに示すレンズホルダ5の筒状部52)とで囲まれる領域の内部に配置されている。
【0092】
また、センサ部12は、ベース部材11のベース底部110に形成された複数のベースストッパ部112(
図1に示す角部1bにおいて、隣接して配置された2つのベースストッパ部112)の各々で規定される領域内に配置される。より詳細には、
図10Bに示すように、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ部12に隣接して配置される2つのベースストッパ部112の各々の端部(端面付近)により挟まれる領域A2の内側に配置される。なお、センサ部12に隣接して配置された一方のベースストッパ部112と、他方のベースストッパ部112との間の距離をL3としたときに、領域A2は、一方のベースストッパ部112と他方のベースストッパ部112との間に延在する幅L3の領域に対応する。
【0093】
また、第1磁石91上をその長手方向に延在する仮想線(直線)と、第2磁石92上をその長手方向に延在する仮想線(直線)と、第3磁石93上をその長手方向に延在する仮想線(直線)と、第4磁石94上をその長手方向に延在する仮想線(直線)とを想定したときに、センサ部12は、上記各仮想線が交差して構成される仮想的な矩形リングの内側の領域に配置される。
【0094】
また、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、後方スプリング8(アーム部83およびリング状部80)と重複しないように配置されている。より詳細には、センサ部12は、後方スプリング8のリング状部80とアーム部83とで挟まれる領域(リング状部80とアーム部83との間の領域)の内側に配置されている。換言すれば、アーム部83は、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ部12と重複しないよう、センサ部12を避けるように屈曲しつつ、センサ部12の周囲に延在している。
【0095】
なお、
図10Bでは、センサ部12の前方にセンサ用磁石6を図示しているが、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ部12の位置とセンサ用磁石6との位置は概ね一致しており、センサ用磁石6は、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ部12と重複している。そのため、センサ用磁石6は、センサ部12と同様に、領域A1(
図12参照)および領域A2の内側に配置されている。
【0096】
図11に示すように、センサ部12は、センサパッケージ121の前端121aが、ベースストッパ部112の前端よりも前方に位置し、後方スプリング8の後端よりも後方に位置するように配置される。すなわち、センサ部12は、その前端121aが、ベースストッパ部112と後方スプリング8との間の高さHの空間内に位置するように配置される。
【0097】
図12に示すように、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向に沿って、センサ用磁石6と対向する位置に固定されており、センサ用磁石6はセンサ部12の前方に配置されている。なお、センサ用磁石6の配置は図示の例に限定されるものではなく、レンズホルダ5の運動方向から見て、センサ用磁石6は、センサ部12と重複しないように配置されていてもよい。
【0098】
詳細な図示は省略するが、
図10Aにおいて、ベース部材11のセンサ収容凹部114の内部には、センサ部12を固定するための固定部材(例えば、接着剤)が充填されており、当該固定部材によって、センサ部12の外側面全体が覆われている。そのため、
図12において、センサ部12は、実際には固定部材を介してセンサ用磁石6と対向している。
【0099】
図3に示すように、本実施形態では、センサ部12、バランス磁石7、およびヨーク部2に形成された2つの突出片23の各々は、いずれもレンズホルダ5の運動方向から見て重複しない位置に配置されている。すなわち、センサ部12およびバランス磁石7は、それぞれ
図1に示す光学素子駆動装置1の角部1bと角部1dとを結ぶ対角線の一方側および他方側に配置され、2つの突出片23の各々は、上記対角線に直交する対角線の一方側および他方側に配置されている。
【0100】
図14に示すように、回路部10は、配線部100とコネクタ部110とを有し、ベース部材11のベース底部110(
図7参照)の内部に設けられる。配線部100は、金属の良導体で構成され、合計で6本の配線(配線パターン)100a〜100fを有する。
【0101】
配線100a〜100dの各々の一端は、
図10Aに示すセンサ部12のセンサ120に接続され、配線100a〜100dの各々の他端は、コネクタ部110に接続される。配線100a〜100dを介して、センサ120の検出信号を外部回路へと伝達させることが可能となっている。
【0102】
また、配線100eおよび100fの各々の一端は、後方スプリング8(ベース固定部82の周辺部)に接続され、配線100eおよび100fの各々の他端は、コネクタ部110に接続される。詳細な図示は省略するが、後方スプリング8は駆動コイル4に電気的に接続されており、配線100eおよび100fを介して、駆動コイル4に電流を供給することが可能となっている。なお、前方スプリング3には、後方スプリング8とは異なり、電気的導通経路の機能は具備されていない。
【0103】
図1に示すように、コネクタ部110は、光学素子駆動装置1の側面に配置され、ベース部材11の内部から外部へと露出している。コネクタ部110は、光学素子駆動装置1を駆動するための電力や制御信号などを光学素子駆動装置1に対して伝達する外部の基板等に接続される。
【0104】
本実施形態では、センサ部12(センサ120)は、センサ用磁石6から発生する第1磁界と、第1磁界とは異なるバイアス磁界(本実施形態では、駆動用磁石9から発生する第2磁界)とに基づいて検出を行う。このような構成においては、センサ120は、従来とは異なり、第1磁界の強度のみに基づいた検出を行うのではなく、第1磁界とバイアス磁界との相互関係(相関関係)に基づいた検出を行う。この場合、外部環境が変化したとしても、第1磁界およびバイアス磁界のいずれもが変化するため、センサ120の検出信号の検出値に外部環境の変化分が誤差として含まれることを防止することが可能である。したがって、センサ120の検出信号に基づいて、センサ用磁石6の位置を正確に検出し、外部環境の変化にかかわらず、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を正確に検出することができる。
【0105】
また、センサ120は、第1磁界とバイアス磁界(本実施形態では第2磁界)との合成磁界を検出する。そのため、センサ120の検出信号から合成磁界の変化(角度変化)を特定することが可能となり、その変化に基づいて、センサ用磁石6の位置を検出し、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を検出することができる。
【0106】
また、駆動用磁石9から発生する第2磁界は、バイアス磁界としてセンサ部12に印加される。そのため、センサ部12にバイアス磁界を印加するバイアス磁界発生部を別途用意して設けるまでもなく、第2磁界をバイアス磁界として利用し、これをセンサ部12に印加することができる。
【0107】
また、レンズホルダ5は、駆動用磁石9から発生する第2磁界と、駆動コイル4が発生する磁界との相互作用により駆動可能に構成されている。そのため、本実施形態では、ムービングコイル方式の光学素子駆動装置1を構成することができる。
【0108】
また、センサ部12は、センサ用磁石6の変位に応じた角度検出が可能なセンサ120を有する。一般に、磁気検知素子としてホールセンサを用いた場合、所定の検出位置に対するセンサ用磁石6の変位が大きくなるほど、センサ120の検出信号の変化が小さくなり、当該検出信号の検出値のリニアリティを確保することが困難となり得る。一方で、磁気検知素子としてセンサ120を用いた場合、所定の検出位置に対するセンサ用磁石6の変位が大きくなっても、センサ120の検出信号の変化が小さくなり難く、当該検出信号の検出値のリニアリティを十分に確保することが可能である。したがって、この点においても、センサ120の検出信号に基づいて、センサ用磁石6の位置を正確に検出し、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を正確に検出することができる。
【0109】
また、外部環境の変化により、第1磁界およびバイアス磁界(本実施形態では、第2磁界)の強度が変化したとしても、これらの合成磁界の相対的な角度は外部環境の変化にかかわらず一定であるため、外部環境の変化にかかわらず、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を正確に検出することができる。
【0110】
また、センサ部12は、複数の駆動用磁石9(第1磁石91および第4磁石94)で規定される領域内に配置される。この領域内では、複数の駆動用磁石9によって外部からの不要な磁界が遮断されるため、外部磁界の影響を抑えつつ高い検出精度でセンサ120による検出を行うことができる。
【0111】
また、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、駆動コイル4よりもベース部材11の中心側に配置される。そのため、センサ部12が駆動コイル4から離間して配置され、駆動コイル4から発生した磁界がセンサ120で誤って検出されることを防止することができる。また、センサ部12が相対的にベース部材11の径方向内側に配置されるため、装置全体の小型化を図ることができる。
【0112】
また、レンズホルダ5において、レンズ(図示略)を挟んでセンサ用磁石6とは反対側の位置にはバランス磁石7が設けられている。そのため、センサ用磁石6が設けられたレンズホルダ5の一方側と、バランス磁石7が設けられたレンズホルダ5の他方側とでバランスが保たれ、レンズホルダ5の運動方向への移動に支障が生じることを防止することができる。
【0113】
また、ベース部材11には、レンズホルダ5の運動方向への移動を規制する複数のベースストッパ部112の各々が離間して設けられ、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、隣接する各ベースストッパ部112の端部により挟まれる領域内に配置されている。この場合、センサ部12が各ベースストッパ部112から離間した位置に配置されるため、センサ部12に妨げられることなく、各ベースストッパ部112でレンズホルダ5の運動方向への移動を規制することができる。また、上位領域内にセンサ部12を配置することにより、センサ120によるセンサ用磁石6の位置の検出をより正確に行うことが可能となる。
【0114】
また、センサ部12は、レンズホルダ5の運動方向から見て、レンズホルダ5の後方を支持する後方スプリング8と重複しないように配置されている。そのため、レンズホルダ5の運動方向への移動に伴って、後方スプリング8が運動方向に撓んだときに、後方スプリング8がセンサ部12に接触することを防止することが可能となり、レンズホルダ5の運動方向への移動に支障が生じることを回避することができる。
【0115】
また、センサ部12は、その前端が、レンズホルダ5の運動方向への移動を規制するベースストッパ部112の前端よりも前方に位置し、レンズホルダ5の後方を支持する後方スプリング8の後端よりも後方に位置するように配置される。この場合も、上述したように、後方スプリング8がセンサ部12に接触することを防止することが可能であり、レンズホルダ5の運動方向への移動に支障が生じることを回避することができる。
【0116】
また、センサ部12は、センサ部12をベース底部110に固定する固定部材を介して、センサ用磁石6と対向している。センサ部12をセンサ用磁石6と対向する位置に配置することにより、センサ120によって、センサ用磁石6から発生する第1磁界を高い検出精度で検出することができる。また、センサ部12とセンサ用磁石6との間に固定部材の一部が配置されるよう、センサ部12を固定部材を用いてベース底部110に固定することにより、センサ部12の位置ずれを防止することができる。また、FPC(Flexible Printed Circuit)基板を介さずに、直接、ベース底部110にセンサ部12を固定することにより、光学素子駆動装置1の低背化を図るとともに、FPCを省略できる分だけ光学素子駆動装置1の低価格化を図ることができる。
【0117】
また、本実施形態では、レンズホルダ5の運動方向に直交する方向から見て、一方の突出片23はセンサ部12を挟んで一方側に位置するヨーク2の端部に位置し、他方の突出片23はセンサ部12を挟んで他方側に位置するヨーク2の端部に位置する。そのため、各突出片23をレンズホルダ5の突出片挿入溝53に固定したときに、各突出片23を介して、レンズホルダ5が回転方向に移動することを規制することが可能となり、レンズホルダ5が回転方向に位置ずれすることを防止することができる。また、レンズホルダ5がヨーク2に衝突したときに、各突出片23を介して、衝撃を分散させることができる。
【0118】
また、センサ用磁石6は、レンズホルダ5の内部(センサ用磁石挿入溝56)に埋め込まれている。そのため、センサ用磁石6を外部に露出させることなくレンズホルダ5に固定する可能となり、センサ用磁石6を外部からの衝撃等から有効に保護することができる。
【0119】
第2実施形態
図15に示す第2実施形態に係る光学素子駆動装置1Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る光学素子駆動装置1と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
図15において、第1実施形態の光学素子駆動装置1における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、なお、
図15では、光学素子駆動装置1を運動軸Cに沿う方向から見た概略図を紙面上方に図示し、光学素子駆動装置1を運動軸Cに直交する方向から見た概略図を紙面下方に図示している。また、図面が煩雑になるのを防止するために、説明に必要な構成のみ模式的に図示している。
【0120】
図15に示すように、駆動コイル4Aは、可動部(レンズホルダ5A等)の運動方向から見て、八角形状からなるリング形状を有するという点において、第1実施形態における駆動コイル4とは異なる。レンズホルダ5Aは、その外周形状が、レンズホルダ5Aの運動方向から見て、八角形状からなるという点において、第1実施形態におけるレンズホルダ5とは異なる。駆動用磁石9を構成する第1磁石91〜第4磁石94の各々は、レンズホルダ5Aの外形状(略八角形)を規定する8つの各辺のうち、4つの各辺の外側に等間隔で配置されている。
【0121】
センサ部12は、センサ用磁石6と運動方向に沿って対向する位置に固定されており、センサ用磁石6はセンサ部12の前方に配置されている。詳細な図示は省略するが、
図15において、センサ部12は、実際には固定部材(例えば、接着剤)を介してセンサ用磁石6と対向している。
【0122】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、センサ部12は、複数の駆動用磁石9の各々(第1磁石91および第4磁石94)で規定される領域内に配置される。すなわち、センサ部12は、第1磁石91と第4磁石94の各々の内側面によって挟まれるように、第1磁石91と第4磁石94との間に配置されている。したがって、本実施形態においても、上記領域内において、第1磁石91〜第4磁石94によって外部からの不要な磁界を遮断しつつ、外部磁界の影響を受けることなく高い検出精度でセンサ120による検出を行うことができる。なお、センサ部12は、第1磁石91および第4磁石94の各々から等しい距離だけ離れた位置に配置されているが、第1磁石91側あるいは第4磁石94側に偏って配置されていてもよい。
【0123】
第3実施形態
図16Aに示す第3実施形態に係る光学素子駆動装置1Bは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る光学素子駆動装置1と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
図16Aにおいて、第1実施形態の光学素子駆動装置1における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、
図16Aでは、光学素子駆動装置1Bの一部のみを図示している。
【0124】
光学素子駆動装置1Bは、センサ部12Bと、センサ部12Bの内部に設けられたバイアス磁石15とを有する。センサ部12Bは、センサパッケージ121の内部にバイアス磁石15が設けられているという点において、第1実施形態におけるセンサ部12とは異なる。なお、バイアス磁石15は、固定部の一部を構成している。
【0125】
バイアス磁石15は、1または複数(本実施形態では1つ)の多極磁石(本実施形態では2極磁石)からなり、センサ120の周囲(センサ120のセンサ面の近傍)に配置されている。バイアス磁石15は略直方体の外形状を有し、バイアス磁石15の磁極間方向(N極とS極とを結ぶ方向)に直交する方向の長さは、センサ120の長辺の長さよりも短くなっている。なお、バイアス磁石15の磁極間方向は、
図1に示す光学素子駆動装置1の角部1bと角部1dとを結ぶ方向(
図16Aの紙面の上下方向)に対応する。
【0126】
バイアス磁石15は、バイアス磁界を発生するバイアス磁界発生部であり、バイアス磁界をセンサ部12B(センサ120)に印加する。上記各実施形態では、センサ部12には、駆動用磁石9から発生する第2磁界がバイアス磁界として印加されていたが、本実施形態では、バイアス磁石15から発生するバイアス磁界が主に印加される。バイアス磁石15から発生するバイアス磁界の強度は、駆動用磁石9から発生する第2磁界の強度とは異なっており、第2磁界の強度よりも大きい。センサ120は、センサ用磁石6(
図3参照)から発生する第1磁界と、バイアス磁石15からのバイアス磁界とに基づいて検出を行う。すなわち、センサ120は、第1磁界と、バイアス磁石15からのバイアス磁界との合成磁界を検出する。なお、センサ120は、第1磁界と、バイアス磁石15からのバイアス磁界と、駆動用磁石9(第1磁石91および第4磁石94)から発生する第2磁界との合成磁界に基づいて検出を行ってもよい。
【0127】
本実施形態では、バイアス磁界発生部(バイアス磁石15)は、センサ部12Bが有するセンサ120の周囲に設けられている。そのため、センサ120に十分な強度のバイアス磁界を常時印加することが可能となり、センサ120に不要な外部磁界が印加されたとしても、その影響を最小限に抑え、センサ120の検出信号の検出値の信頼性を十分に確保することができる。また、センサ部12の周囲の温度が変化した場合には、センサ120およびバイアス磁石15のいずれにおいても、その温度が変化するため、センサ120の温度特性を良好なものとすることができる。
【0128】
また、本実施形態では、バイアス磁石15がセンサパッケージ121に内蔵されている。そのため、バイアス磁石15をセンサパッケージ121の外部に配置する場合に比べて、センサ部12の小型化を図ることができる。また、センサ部12Bに落下等による外部衝撃が加わったとしても、バイアス磁石15がセンサ120に対して位置ずれすることを防止することができる。また、バイアス磁石15の公差や取付誤差を厳密に考慮する必要がなく、生産時の不安定性を低減するとともに、生産工程を簡略化することができる。
【0129】
また、本実施形態では、センサ120に対して、バイアス磁石15からのバイアス磁界が印加される。そのため、駆動用磁石9の構成上、駆動用磁石9から発生する第2磁界がセンサ120に十分に印加されないような場合があっても、バイアス磁界でこれを代用することが可能であり、第1実施形態における光学素子駆動装置1と同様の作用効果が奏される。
【0130】
すなわち、本実施形態では、センサ用磁石6から発生する第1磁界とバイアス磁石15から発生するバイアス磁界とに基づいて検出を行うため、外部環境が変化したとしても、上記各磁界のいずれもが変化し、センサ120の検出信号の検出値に外部環境の変化分が誤差として含まれることを防止することが可能である。したがって、センサ120の検出信号に基づいて、センサ用磁石6の位置を正確に検出し、外部環境の変化にかかわらず、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を正確に検出することができる。
【0131】
また、外部環境の変化により、第1磁界およびバイアス磁石15からのバイアス磁界の強度が変化したとしても、これらの合成磁界の相対的な角度は外部環境の変化にかかわらず一定であるため、外部環境の変化にかかわらず、ベース部材11等に対するレンズホルダ5等の相対位置を正確に検出することができる。
【0132】
第4実施形態
図17および
図18に示す第4実施形態に係る光学素子駆動装置1Cは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る光学素子駆動装置1と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
図17および
図18において、第1実施形態の光学素子駆動装置1における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、
図17では、駆動用磁石9Cおよびセンサ部12の位置関係について理解を容易にするため、レンズホルダ5等の図示を省略している。また、
図18では、光学素子駆動装置1を運動軸Cに沿う方向から見た概略図を紙面上方に図示し、光学素子駆動装置1を運動軸Cに直交する方向から見た概略図を紙面下方に図示している。また、図面が煩雑になるのを防止するために、説明に必要な構成のみ模式的に図示している。
【0133】
図17に示すように、駆動コイル4Cは、第1コイル41Cと第2コイル42Cとを有する。駆動コイル4C(第1コイル41Cおよび第2コイル42C)は、レンズホルダ5の運動方向から見て、直線形状(長方形状)を有するという点において、第1実施形態における駆動コイル4とは異なる。詳細な図示は省略するが、第1コイル41Cおよび第2コイル42Cは、それぞれ運動軸Cに直交する方向(Y軸方向)から見て、略矩形状からなるリング形状のコイルを構成している。
【0134】
図18に示すように、第1コイル41Cおよび第2コイル42Cは、それぞれレンズホルダ5の外周面に固定されている。第1コイル41Cおよび第2コイル42Cは、それぞれレンズホルダ5の外形状(略四角形)を規定する4つの各辺のうち、Y軸方向に対向する2辺に配置されている。
【0135】
駆動用磁石9Cは、第1磁石91Cと第2磁石92Cとからなる2つの磁石で構成されているという点において、第1実施形態における駆動用磁石9とは異なる。第1磁石91Cおよび第2磁石92Cの各々は、多極磁石(本実施形態では4極磁石)で構成されている。第1磁石91Cおよび第2磁石92Cは、それぞれベース部材11のベース底部110の外形状(略四角形)を規定する4つの各辺のうち、Y軸方向に対向する2辺に配置されている。
【0136】
第1磁石91Cは第1コイル41Cに対応してその外側に設けられており、第1磁石91Cと第1コイル41Cとは対向している。第2磁石92Cは第2コイル42Cに対応してその外側に設けられており、第2磁石92Cと第2コイル42Cとは対向している。
【0137】
センサ部12は、ベース底部110の外形状(略四角形)を規定する4つの各辺のうち、第1磁石91Cおよび第2磁石92Cの各々が配置されている各辺の間に位置する辺の略中央部に配置されている。上記第3実施形態と同様、センサパッケージ121の内部にはバイアス磁石15が設けられ、センサ120に対向して配置されている。
【0138】
センサ部12は、センサ用磁石6と運動方向に沿って対向する位置に固定されており、センサ用磁石6はセンサ部12の前方に配置されている。詳細な図示は省略するが、
図18において、センサ部12は、実際には固定部材(例えば、接着剤)でセンサ収容凹部114の内部に固定されており、固定部材を介してセンサ用磁石6と対向している。
【0139】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、センサ部12は、複数の駆動用磁石9C(第1磁石91Cおよび第2磁石92C)の各々で規定される領域内に配置される。すなわち、センサ部12は、第1磁石91Cと第2磁石92Cの各々の内側面によって挟まれるように、第1磁石91Cと第2磁石92Cとの間に配置されている。したがって、本実施形態においても、上記領域内において、第1磁石91Cおよび第2磁石92Cによって外部からの不要な磁界を遮断しつつ、外部磁界の影響を受けることなく高い検出精度でセンサ120による検出を行うことができる。なお、センサ部12は、第1磁石91Cおよび第2磁石92Cの各々から等しい距離だけ離れた位置に配置されているが、第1磁石91C側あるいは第2磁石92C側に偏って配置されていてもよい。
【0140】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0141】
たとえば、上記第3実施形態では、
図16Aに示すように、バイアス磁石15は、その磁極間方向(N極とS極とを結ぶ方向であり、
図16Aの紙面の上下方向)に直交する方向の長さが、センサ120の長辺の長さよりも短くなるように構成されていたが、
図16Bに示すように、センサ120の長辺の長さよりも長くなるように構成されてもよい。この場合も、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、
図16Aおよび
図16Bにおいて、バイアス磁石15はセンサ120と対向して配置されているが、互いに位置ずれして配置されていてもよい。この点は、後述する
図16Cおよび
図16Dについても同様である。
【0142】
また、上記第3実施形態において、
図16Cに示すように、バイアス磁石15は、センサパッケージ121の外側に設けられていてもよい。図示の例では、バイアス磁石15は、センサ120と対向する位置で、センサパッケージ121に隣接して配置されている。バイアス磁石15は、ベース部11のベース底部110に固定部材(接着剤等)で固定されてもよく、あるいはベース底部110の内部に埋め込まれていてもよい。あるいは、バイアス磁石15は、ベース底部110の裏面に固定されていてもよい。
【0143】
また、ベース底部110に、バイアス磁石15を収容するための収容凹部を設け、この収容凹部にバイアス磁石15を設置し、固定部材で固定してもよい。この場合、当該収容凹部は、センサ収容凹部114と跨る(連続する)ように設けてもよく、あるいはセンサ収容凹部114から離間した位置に設けてもよい。なお、バイアス磁石15は、その磁極間方向に直交する方向の長さが、センサ120の長辺の長さよりも短くなるように構成されてもよい。あるいは、
図16Dに示すように、バイアス磁石15は、その磁極間方向に直交する方向の長さが、センサ120の長辺の長さ(あるいは、センサパッケージ121の長辺の長さ)よりも長くなるように構成されてもよい。
【0144】
上記各実施形態において、光学素子駆動装置1にオートフォーカス機能に加えて、手振れ補正機能を具備させてもよい。
【0145】
上記各実施形態では、ムービングコイル方式の光学素子駆動装置1に対する本発明の適用例について示したが、ムービングマグネット方式の光学素子駆動装置に本発明を適用してもよい。その場合、可動部(レンズホルダ5等)には、駆動コイル4に代えて駆動用磁石9を具備させればよい。
【0146】
上記各実施形態では、光学素子駆動装置1にレンズ(図示略)を具備させたが、レンズ以外の光学素子を具備させてもよい。たとえば、プリズムや液体レンズ等を光学素子として用いることができる。
【0147】
上記各実施形態では、レンズホルダ5にバランス磁石7が具備させていたが、バランス磁石7に代えて、他のバランス部材をレンズホルダ5に具備させてもよい。バランス部材として用いる部材は、所定の重量を有する部材(錘として機能する錘部材)であれば特に限定されるものではない。