【解決手段】ウェアラブルディスプレイシステムを用いた青色光調節のためのシステムおよび方法が、提供される。青色光調節のためのシステムおよび方法の実施形態は、調節されたレベルの青色光に暴露される眼の眼画像を受信するステップと、受信された眼画像と第1の画像の比較によって、瞳孔応答の変化を検出するステップと、瞳孔応答がヒトの個人のバイオメトリック特性に対応することを判定するステップと、瞳孔応答判定に基づいて、バイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にするステップとを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
概要
バイオメトリック情報を眼から抽出するステップは、概して、眼画像内の虹彩のセグメント化のためのプロシージャを含む。虹彩セグメント化は、虹彩境界を特定するステップ、瞳孔および虹彩の辺縁境界を見出すステップ、それらが虹彩を閉塞している場合、上側または下側眼瞼を特定するステップ、睫毛、陰影、または反射の閉塞を検出および除外するステップ等を含む、動作を伴い得る。例えば、眼画像は、顔の画像内に含まれることができる、または眼球周囲領域の画像であってもよい。虹彩セグメント化を実施するために、瞳孔(虹彩の内部境界)および辺縁(虹彩の外部境界)の境界の両方が、識別されることができる。虹彩の本セグメント化に加え、眼瞼(上側または下側)によって閉塞される虹彩の部分が、推定されることができる。本推定は、通常のヒトの活動の間、人の虹彩全体が可視であることが稀であるために実施される。言い換えると、虹彩全体は、概して、眼瞼および睫毛の閉塞から免れない。さらに、仄暗いまたは薄暗い照明環境では、瞳孔は、膨張され、虹彩の面積は、小さくなる。そのような仄暗いまたは薄暗い照明環境では、虹彩の高品質画像を取得し、虹彩の画像内のバイオメトリック特徴を識別することは、困難であり得る。
【0022】
ヒトの眼の瞳孔応答は、特に、眼によって受光される青色光のレベルの変化に敏感である。眼に伝送される青色光のレベルを増加させることによって、瞳孔は、収縮するであろう。瞳孔が収縮されたときに撮影される虹彩画像は、より高い品質である可能性がより高く、これは、虹彩面積が、より大きく、虹彩のより多くのバイオメトリック特徴が、明白となるであろうためである。所与のカメラ解像度に関して、虹彩が拡張され(例えば、青色光の増加レベルに起因して)、瞳孔が収縮されたときに撮影された虹彩画像は、虹彩が収縮された(かつ瞳孔が拡張された)ときに撮影された画像より高い解像度を有し、これは、拡張された虹彩が、虹彩のより大きな面積をカメラに提示するためである。より多くの虹彩特徴が、そのような画像から取得されることができ、より優れた品質の虹彩コードが、そのような画像から生成されることができる。
【0023】
さらに、生存しているヒトの眼の瞳孔は、光レベル、特に、青色光のレベルの変化に対して顕著なバイオメトリック応答を有する。例えば、瞳孔が膨張(光レベルの減少に応答して)または収縮(光レベルの増加に応答して)することが必要とされた回数が、測定可能であるだけではなく、各特定の個人に特有であり得る。光レベル(特に、青色光)を変化させることによって生じる時変瞳孔応答を測定することによって、以下により詳細に説明されるシステムは、特定の個人を識別するだけではなく、また、個人の眼の静止画像または3Dモデル(瞳孔サイズは、固定される)からではなく、眼画像が生存している個人(瞳孔サイズは、具体的方式において変化するであろう)からのものであることを判定することができる。故に、これらのシステムの実施形態は、増加されたセキュリティを提供することができ、これは、それらが、認可されていない人が、認可されたユーザの虹彩の静止画像または3Dモデルを提示することによって、システムを騙して、アクセスの許可を得ようとし得る(すなわち、「なりすまし」)可能性を低減させるためである。個人は、アルコールまたは薬の服用の影響下にあるとき、異なる瞳孔応答を被り得る。これらのシステムの実施形態は、個人の瞳孔応答が(例えば、非アルコールまたは非薬服用状態における個人の瞳孔応答または個人の関連クラス(例えば、ジェンダーアイデンティティ、年齢、性別、民族性、家族性応答、健康、身体能力等)に典型的である通常の瞳孔応答と)異なることを判定するために使用されてもよく、それによって、アルコールまたは薬の服用の影響下にある個人を識別することを補助することができる。
【0024】
(青色光調節を被っている眼の実施例)
図1A−1Bは、可能性として、瞳孔光反射(PLR)または対光瞳孔反射に起因する、青色光調節を被っている眼の実施例を図式的に図示する。
図1Aは、眼瞼110と、虹彩112と、瞳孔114とを伴う、眼102の画像を図示する。
図1Aでは、瞳孔114は、半径r
1119aを有する。瞳孔境界114aが、瞳孔114と虹彩112との間にあって、辺縁境界112aが、虹彩112と強膜113(眼の「白眼」)との間にある。眼瞼110は、上側眼瞼110aと、下側眼瞼110bとを含む。ヒトの眼が、光または暗闇に暴露されると、瞳孔は、生理学的応答、すなわち、瞳孔応答を呈する。瞳孔応答は、収縮および膨張応答の両方を含む。例えば、光への暴露は、瞳孔収縮応答を生じさせ得る(例えば、瞳孔のサイズを縮小させる)。これは、縮瞳と称され得る。対照的に、暗闇環境は、瞳孔膨張応答を生じさせ得る(例えば、瞳孔のサイズを拡大させる)。これは、散瞳と称され得る。サイズの変化は、その変化(例えば、瞳孔または虹彩のサイズの増加またはサイズの減少)を被っている眼102の要素の直径、半径、円周、および/または面積の変化を指し得る。
【0025】
用語「瞳孔応答」は、眼の特徴(例えば、瞳孔または虹彩のサイズ)もしくは2つまたはそれを上回る画像間で計算された眼特徴の変化(例えば、瞳孔または虹彩のサイズの変化)の眼画像からの測定値を指し得る。光を参照するとき、用語「レベル」は、ある範囲の波長の絶対強度または異なる範囲の波長と比較したある範囲の波長の相対強度(例えば、強度の割合、強度の比率)を指し得る。用語「レベル」はまた、光が指向される方向および/または光が指向される導波管を指し得る。例えば、光は、眼のより敏感な面積に指向されるとき、またはより多い割合の色(例えば、ある波長の範囲)がその色に調整された導波管の中に指向されるとき、より高いレベルにあると称され得る。あるレベルの色(例えば、青色)の光は、光の波長または複数の波長を調整し、所与の範囲の波長内により完全にまたは直接的に収まるようにすることによって増加されてもよい。例えば、青色光は、400nm〜525nmの波長を指し得る。しかしながら、青色光のレベルは、波長450nm〜470nmに変化させることによって増加されると言え、これは、470nmが青色範囲内のより「深く」またはより「中心」にあると言えるためである。青色のレベルは、他の可視波長帯域(例えば、緑色光525nm〜600nmおよび赤色光600nm〜750nm)の光の量に対して青色光の量を変化させることによって増加すると言える。1つの範囲の波長は、範囲が部分的に重複する場合でも、別の範囲の波長と異なり得る。
【0026】
ヒトの眼は、瞳孔応答に寄与する、本質的に光に敏感な網膜神経節細胞(ipRGCまたはpRGC)を含む。例えば、そのような細胞は、色素メラノプシンによって吸収された光に応答し、主に、約445nm〜525nmの帯域幅範囲内の光に敏感である。そのような帯域幅範囲は、紫色光色および青色光色を含む。ipRGCは、青色光色帯域の中央における約488nmでピーク感受性を有し得る。ipRGCに関する感度範囲内の任意の光は、青色光と称され得る。
【0027】
ヒトの眼が、光、特に、増加されたレベルの青色光に暴露されると、瞳孔114は、サイズを減少させ得る。例えば、
図1Bは、
図1Aにおける半径r
1119aに対して減少された半径r
2119bを示す。故に、
図1Bは、青色光調節を被っている眼の実施例を図式的に図示する。
図1Aにおける眼102に暴露される光に対して
図1Bにおける増加されたレベルの青色光は、瞳孔114のサイズを収縮させる。そして、虹彩112のサイズおよび面積は、
図1Bでは、
図1Aにおけるそのサイズに対して増加する。したがって、本増加されたレベルの青色光暴露は、眼画像内の虹彩の分解能を向上させ(より大きい虹彩面積が眼イメージングカメラに提示されるため)、より多くの虹彩特徴がより大きい虹彩内で識別され得ることを前提として、向上された虹彩コード生成を可能にし得る。システムおよび方法が、青色光のレベルを調節し、虹彩コード生成を向上させる、個人を識別する、個人のバイオメトリック応答を識別する、またはシステムのなりすましを低減もしくは防止するように本明細書に説明される。例えば、マンセル表色系の観点から、色は、3つのスペクトル属性、すなわち、彩度、明度(または値)、および色相によって表される。
図1A−1Bを用いて本実施例を継続すると、眼102は、
図1Aでは光に暴露され、
図1Bでは、増加された青色光は、増加された「青色度」に対応する増加された彩度(または飽和)値を意味する。
【0028】
眼102に暴露される青色光のレベルを増加させることは、種々の方法において遂行されることができる。例えば、ディスプレイは、早期段階における青色光のレベルに対して青色光のレベルを増加させ得る(例えば、ある時間期間にわたって青色光を点滅させる)。光源の一部または全部は、例えば、青色光を出力しているディスプレイ面積のピクセルの数または量を増加させることによって、短時間期間にわたって、主に青色光を出力してもよい。光源は、青色ピクセルを作動させる、またはその強度を増加させることによって、青色光を出力してもよい。または別の実施例として、光源は、赤色および緑色ピクセルを作動解除する、またはそこからの強度を減少させることによって、青色光の知覚される出力を増加させてもよい。他の変形例または制御もまた、実装され、光源からの青色光のレベルを増加させることができる。表示されるピクセルは、非青色光のレベルに対して増加されたレベルの青色光に偏移されることができる。さらに別の実施例として、青色グラフィックが、ユーザに示されている画像上に表示され、青色光の量を増加させてもよい。例えば、青色蝶(または任意の他の好適なグラフィック)が、ユーザの眼がそれらが青色グラフィックを伴わない画像からであろう場合より多くの青色光を知覚するように、画像上に重畳されてもよい。そのような青色蝶は、ウェアラブルディスプレイシステムのための起動時間に現れてもよい。例えば、ユーザ識別のために、ウェアラブルディスプレイシステムの起動の間、青色光を増加させた状態でウェアラブルディスプレイシステムによって表示される場面(例えば、青色蝶を伴う)を有することは、有利であり得る。本明細書に説明されるように(例えば、以下の「瞳孔応答を用いた個人識別の実施例」に関して)、青色光に対する瞳孔応答(例えば、青色蝶および/または増加した青色の空を伴う場面)が、バイオメトリック識別システムにおいて利用されることができる。青色光のレベル(例えば、青色グラフィックの明るさまたは面積)は、時変瞳孔応答がディスプレイシステムの視認者に誘発されるように、時間に伴って変化してもよい。
【0029】
ディスプレイ内のピクセルは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を表示するサブピクセルによって表されてもよい。故に、青色値、赤色値、および緑色値によって表される表示ピクセルは、例えば、Bサブピクセルの強度を変化させることによって、可変(増加または減少された)量の青色値に偏移されることができる。ウェアラブルディスプレイシステムに結合されるデバイス(例えば、
図4を参照して説明される画像投入デバイス200、202、204、206、208)もまた、例えば、デバイスによって投影された青色を変化させることによって、青色光のレベルを変化させてもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルディスプレイシステムは、装着者の眼の一方または両方に向かって主に青色を投影することができる、別個の光源を含んでもよい。
【0030】
接眼レンズが、頭部搭載型ディスプレイシステム内に含まれることができる。これは、光を1つまたはそれを上回る光源からユーザに画像として伝送するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、接眼レンズは、光学的に透過性であって、光をユーザの環境からユーザに伝送するように構成される。接眼レンズは、光を接眼レンズを通して表示するように構成される、1つまたはそれを上回る光源を含んでもよい。
【0031】
青色光のレベルは、時変方式において増加または減少され、対応する瞳孔応答を個人から誘出することができる。時変光レベルに対する個人の瞳孔応答は、本明細書に説明されるバイオメトリックアプリケーションのために使用されることができる。
【0032】
虹彩の画像は、撮影および規則化されることができる。いくつかの実施形態では、虹彩画像が規則化されると、画像データは、虹彩を個々のセルに分解するために使用されることができる。例えば、ガボール(または類似)フィルタ畳み込み方法が、セル毎の優勢配向を計算するために使用されてもよい。いったん配向が算出されると、ビン化されてもよい。いくつかの実施形態では、4つのビンが、使用され、そこからセル毎に2つのビットシグネチャが、割り当てられることができる。本2ビットシグネチャは、ビンIDと称され得る。
【0033】
いくつかの実装では、1,000個のセル(またはそれを上回る)に関するビンIDが、25,000〜60,000ピクセルまで算出されることができる。いくつかの実施形態では、25,000ピクセルより少ないものが、セルに関するビンIDを算出するために使用される。
【0034】
規則化された画像にわたって拡散される情報の量は、瞳孔の膨張状態に依存し得る。いくつかの実施形態では、規則化された画像は、オリジナル虹彩内のその角度場所が、長方形の長軸(例えば、「水平」または「x」軸)にマッピングされる一方、瞳孔から外側に辺縁境界に向かう半径方向距離が、短軸(例えば、「垂直」または「y」軸)にマッピングされるように、虹彩からマッピングされたピクセルを伴う長方形画像である。瞳孔が著しく膨張されると、規則化された画像上にマッピングするために入力画像内で利用可能なピクセルの数は、瞳孔が収縮されるときをはるかに下回り得る。虹彩の歪曲は、線形ではない場合がある。
【0035】
(青色光調節を使用する例示的ウェアラブルディスプレイシステム)
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、装着可能であることができ、これは、有利には、より没入型の仮想現実(VR)または拡張現実(AR)体験を提供し得、デジタル的に再現された画像またはその一部が、それらが現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式において装着者に提示される。
【0036】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。例えば、導波管のスタックを含有するディスプレイが、ユーザまたは視認者の眼の正面に位置付けられて装着されるように構成されてもよい。導波管のスタックは、複数の導波管を使用し、画像投入デバイス(例えば、1つまたはそれを上回る光ファイバを介して、画像情報を送出する、離散ディスプレイまたは多重化されたディスプレイの出力端)からの光を特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において視認者の眼に指向することによって、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、視認者の眼毎に1つの2つの導波管のスタックが、異なる画像を各眼に提供するために利用されてもよい。一実施例として、拡張現実場面は、AR技術の装着者に人々、木々、背景内の建物、およびコンクリートプラットフォームを特徴とする、実世界公園状設定が見えるようなものであってもよい。これらのアイテムに加え、AR技術の装着者はまた、実世界プラットフォーム上に立っているロボット像と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタとを「見ている」と知覚し得るが、ロボット像およびマルハナバチは、実世界には存在しない。導波管のスタックは、入力画像に対応するライトフィールドを生成するために使用されてもよく、いくつかの実装では、ウェアラブルディスプレイは、ウェアラブルライトフィールドディスプレイを備える。ライトフィールド画像を提供するためのウェアラブルディスプレイデバイスおよび導波管スタックの実施例は、米国特許公開第2015/0016777号(それが含有する全てに関して参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0038】
図2は、VRまたはAR体験を装着者に提示するために使用され得る、ウェアラブルディスプレイシステム100の実施例を図示する。複数の深度平面の仮想または拡張現実体験を提供する、VRおよびARシステムはまた、複合現実(MR)システムまたは体験とも称され得る。ウェアラブルディスプレイシステム100は、青色光調節を実施し、本明細書に説明されるアプリケーションまたは実施形態のいずれかを提供するようにプログラムされてもよい。ディスプレイシステム100は、ディスプレイ62と、そのディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的ならびに電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステム装着者または視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62を装着者60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、ライトフィールドディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音響制御を提供する)。ディスプレイシステム100は、装着者の周囲の環境内の世界を観察する、外向きに面したイメージングシステムを含むことができる(例えば、
図4に示されるイメージングシステム502参照)。外向きに面したイメージングシステム502は、青色光を検出することができる光センサを装備する、カメラを含むことができる。ディスプレイシステム100はまた、内向きに面したイメージングシステムを含むことができ、これは、装着者の眼移動を追跡することができる(例えば、
図4に示されるイメージングシステム500参照)。内向きに面したイメージングシステムは、一方の眼の移動または両方の眼の移動のいずれかを追跡してもよい。ディスプレイ62は、有線導線または無線接続等によって、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットもしくは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ60に(例えば、バックパック式構成において、ベルト結合式構成において)可撤式に取り付けられる等、種々の構成において搭載され得る、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合される68。ローカルデータ処理モジュール70は、1つまたはそれを上回るハードウェアプロセッサ(例えば、プログラマブル電子デバイス、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等を備えることができる)。
【0039】
フレーム64は、フレーム64に取り付けられるかまたは搭載され、装着者の眼の画像を取得する、1つまたはそれを上回るカメラを有することができる。一実施形態では、カメラは、眼が直接イメージングされ得るように、装着者の眼の正面においてフレーム64に搭載されてもよい。他の実施形態では、カメラは、フレーム62のステムに沿って(例えば、装着者の耳の近傍に)搭載されることができる。そのような実施形態では、ディスプレイ62は、光を装着者の眼からカメラに向かって反射させる、材料でコーティングされてもよい。光は、赤外線光であってもよく、これは、虹彩特徴が、赤外線画像において顕著であるためである。
【0040】
ウェアラブルディスプレイシステム100等のウェアラブル頭部搭載型ディスプレイ(HMD)の状況では、カメラは、ユーザのモニタに結合されるカメラよりユーザの眼に近くてもよい。例えば、カメラは、ウェアラブルHMD上に搭載されてもよく、それ自体は、ユーザの頭部上に装着される。眼とそのようなカメラの近接度は、より高い分解能の眼画像をもたらすことができる。故に、コンピュータビジョン技法が、ユーザの眼から、特に、虹彩において(例えば、虹彩特徴)、または虹彩を囲繞する強膜内において(例えば、強膜特徴)、視覚的特徴を抽出することが可能である。例えば、眼の近傍のカメラによって視認されると、眼の虹彩は、詳細な構造を示すであろう。そのような虹彩特徴は、特に、赤外線照明下で観察されるときに顕著であって、バイオメトリック識別のために使用されることができる。これらの虹彩特徴は、ユーザ毎に一意であって、指紋の様式において、ユーザを一意に識別するために使用されることができる。眼特徴は、血管を眼の強膜(虹彩の外側)内に含み得、これもまた、特に、赤色または赤外線光下で視認されるとき、顕著に現れ得る。より高い分解能において視認されるそのような明確に異なる虹彩特徴は、種々の眼姿勢画像のために生成される、より一意または正確な虹彩コードにつながり得る。例えば、本明細書に開示される技法を用いて、青色光調節が、使用され、虹彩コード生成のために眼画像の分解能を実質的に向上させることができる。
【0041】
ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサならびに不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等の非一過性デジタルメモリを備えてもよく、その両方は、データの処理、キャッシング、および記憶を補助するために利用され得る。データは、(a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等の(例えば、フレーム64に動作可能に結合され得る、または別様に装着者60に取り付けられ得る)センサから捕捉されるデータ、および/または(b)場合によっては処理もしくは読出後にディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して取得ならびに/もしくは処理されるデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、通信リンク76、78によって、有線または無線通信リンクを介して等、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。画像捕捉デバイスは、青色光調節プロシージャにおいて使用される眼画像を捕捉するために使用されることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、画像捕捉デバイスによって捕捉されたビデオ情報等のデータおよび/または画像情報を分析ならびに処理するように構成される、1つまたはそれを上回るハードウェアプロセッサ(例えば、サーバ)を備えてもよい。ビデオデータは、ローカル処理およびデータモジュール70内にローカルで、および/または遠隔データリポジトリ74内に記憶されてもよい。本明細書で使用されるように、ビデオは、その通常の意味において使用され、限定ではないが、視覚的画像のシーケンスの記録を含む。ビデオ内の各画像は、時として、画像フレームまたは単にフレームとも称される。ビデオは、オーディオチャネルを伴って、または伴わずにのいずれかにおいて、複数のシーケンシャルフレームを含むことができる。ビデオは、複数のフレームを含むことができ、これは、時間的に順序付けられる。故に、ビデオ内の画像は、眼画像フレームまたは眼画像と称され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、「クラウド」リソース構成におけるインターネットまたは他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュール70において実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0044】
いくつかの実装では、ローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72は、本明細書に説明されるように、眼画像を取得する、または眼画像を処理する実施形態を実施するようにプログラムされる。例えば、ローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72は、それぞれ、
図8、9、および10を参照して説明されるルーチン800、900、または1000の実施形態を実施するようにプログラムされることができる。ローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72は、バイオメトリック抽出において本明細書に開示される青色光調節技法を使用して、例えば、装着者60の識別を識別もしくは認証する、または姿勢を推定する際、例えば、各眼が見ている方向を判定するようにプログラムされることができる。画像捕捉デバイスは、特定のアプリケーションのためのビデオ(例えば、眼追跡アプリケーションのための装着者の眼のビデオ)を捕捉することができる。ビデオは、処理モジュール70、72の一方または両方によって、種々の眼画像処理技法を使用して分析されることができる。本分析を用いて、処理モジュール70、72は、青色光調節を実施してもよい。実施例として、ローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72は、初期眼画像をフレーム64に取り付けられたカメラから受信するようにプログラムされることができる(例えば、ルーチン900または950)。加えて、ローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72は、例えば、検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格するかどうかを判定する(例えば、ルーチン800)、または別の実施例として、ウェアラブルディスプレイシステム100と関連して調節される青色光のレベルに基づいて、瞳孔応答(例えば、瞳孔応答の特定の状態)が個人の特性を識別するかどうかを判定する(例えば、ルーチン900)ようにプログラムされることができる。ある場合には、本明細書に説明される技法の少なくとも一部を遠隔処理モジュール(例えば、「クラウド」内)にオフロードすることは、計算の効率またはス速度を改良し得、例えば、青色光瞳孔応答ルーチン(例えば、ルーチン800)は、遠隔処理モジュールにオフロードされてもよい。または別の実施例として、技法のいくつかの部分、例えば、青色光識別ルーチン(例えば、ルーチン900)等が、遠隔処理モジュールにオフロードされることができる。
【0045】
ビデオ分析の結果(例えば、推定された眼姿勢)は、付加的動作または処理のために、処理モジュール70、72の一方または両方によって使用されることができる。例えば、種々のアプリケーションでは、バイオメトリック識別、眼追跡、認識、またはオブジェクトの分類、姿勢等が、ウェアラブルディスプレイシステム100によって使用されてもよい。例えば、装着者の眼のビデオは、眼画像を取得するために使用されることができ、これは、順に、処理モジュール70、72によって、ディスプレイ62を通して装着者60の眼の虹彩コードを判定するために使用されることができる。ウェアラブルディスプレイシステム100の処理モジュール70、72は、青色光調節の1つまたはそれを上回る実施形態を用いて、本明細書に説明されるビデオまたは画像処理アプリケーションのいずれかを実施するようにプログラムされることができる。
【0046】
ヒト視覚系は、複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、困難である。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)および遠近調節(accommodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを3次元として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(例えば、眼の視線を収束させ、オブジェクト上に固定させるための相互に向かって、またはそこから離れるような瞳の転動運動)は、眼の水晶体の集束(または「遠近調節」)と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の焦点を変化させる、または眼を遠近調節し、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、「遠近調節−輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、自動的に、輻輳・開散運動における合致する変化を同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、遠近調節における合致する変化を誘起するであろう。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な合致を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的および快適なシミュレーションを形成し得る。
【0047】
図3は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図3を参照すると、z−軸上の眼302および304からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼302および304によって遠近調節される。眼302および304は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz−軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有して、深度平面306のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼302および304毎に、画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって、シミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼302および304の視野は、例えば、z−軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態において眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲されてもよいことを理解されたい。理論によって限定されるわけではないが、人間の眼は、典型的には、深度知覚を提供するために、有限数深度平面を解釈し得ると考えられる。その結果、知覚される深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、これらの限定された数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる表現を眼に提供することによって達成され得る。
【0048】
(導波管スタックアセンブリ)
図4は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム100は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム100は、
図2のシステム100に対応してもよく、
図4は、そのシステム100のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ178は、
図2のディスプレイ62の中に統合されてもよい。
【0049】
図4を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズであってもよい。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を伴って、画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、それぞれ、眼304に向かって出力するために、各個別の導波管にわたって入射光を分散させるように構成され得る、導波管182、184、186、188、190の中に画像情報を投入するために利用されてもよい。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力縁の中に投入される。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられる深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼304に向かって指向される、クローン化されたコリメートビームの場全体を出力してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、それぞれ、それぞれの対応する導波管182、184、186、188、190の中に投入するための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、1つまたはそれを上回る光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像情報を画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送出し得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、本明細書のシステムおよび方法に説明されるように、増加されたレベルの青色光を、それぞれ、青色光の調節に対応する、導波管182、184、186、188、190に生成するように構成されてもよい。一実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、短時間期間(例えば、約10ms〜約1000ms)にわたって青色に対応する波長で光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、青色光の1回またはそれを上回る短い点滅が、表示されてもよい。1回またはそれを上回る短い点滅はそれぞれ、約1000ms未満続いてもよい。いくつかの実施形態では、1回またはそれを上回る点滅はそれぞれ、約50ms〜800ms続く。光は、規則的(または不規則的)間隔において「パルシング」されてもよい。各パルスは、約10ms〜500ms続いてもよい。各パルス間の時間も同様に、短くてもよい(例えば、10ms〜500ms、50ms〜800ms)。パルシングの総時間長は、100ms未満、500ms未満、および/または2000ms未満続いてもよい。
【0051】
コントローラ210が、スタックされた導波管アセンブリ178および画像投入デバイス200、202、204、206、208の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体内の命令)を含む。例えば、本明細書に説明される青色光調節技法に関して、コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208によって導波管182、184、186、188、190に提供される青色光のタイミングおよびプロビジョニングを調整してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール71または72(
図2に図示される)の一部であってもよい。
【0052】
導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって、光を各個別の導波管内で伝搬させるように構成されてもよい。導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、主要上部および底部表面と、それらの主要上部と底部表面との間に延在する縁とを伴う、平面であってもよいかまたは別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から、画像情報を眼304に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、光抽出光学要素282、284、286、288、290を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光抽出光学要素はまた、外部結合光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光再指向要素に衝打する場所に出力される。光抽出光学要素(82、284、286、288、290)は、例えば、反射および/または回折光学特徴であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、上部および/または底部主要表面に配置されてもよい、ならびに/もしくは導波管182、184、186、188、190の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、モノリシック材料片であってもよく、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、その材料片の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0053】
図4を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、そのような導波管182の中に投入されるにつれて、コリメートされた光を眼304に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の導波管184は、眼304に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼304に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の導波管184は、眼304に到達する前に、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通して通過させる。第1および第2のレンズ192ならびに194の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光を次の導波管184からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらにより近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、波面曲率の別の増分量を生成するように構成されてもよい。
【0054】
他の導波管層(例えば、導波管188、190)およびレンズ(例えば、レンズ196、198)も同様に、スタック内の最高導波管190を用いて、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出するように構成される。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の光抽出光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(例えば、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、いずれかまたは両方とも、電気活性特徴を使用して、動的であってもよい。
【0055】
ディスプレイシステム100は、世界144の一部をイメージングする、外向きに面したイメージングシステム502(例えば、デジタルカメラ)を含むことができる。世界144の本部分は、視野(FOV)と称され得、イメージングシステム502は、FOVカメラとも称される。視認者による視認またはイメージングのために利用可能な領域全体は、動眼視野(FOR)と称され得る。いくつかのHMD実装では、FORは、HMDの装着者の周囲の立体角の実質的に全てを含んでもよく、これは、装着者が、その頭部および眼を移動させ、装着者を囲繞する(装着者の正面、背面、上方、下方、または側面の)オブジェクトを見ることができるためである。外向きに面したイメージングシステム502から取得される画像は、装着者によって行われるジェスチャ(例えば、手または指ジェスチャ)を追跡する、装着者の正面の世界144内のオブジェクトを検出する等のために使用されることができる。
【0056】
ディスプレイシステム100は、ユーザ入力デバイス504を含むことができ、それによって、ユーザは、コマンドをコントローラ210に入力し、システム100と相互作用することができる。例えば、ユーザ入力デバイス504は、トラックパッド、タッチスクリーン、ジョイスティック、多重自由度(DOF)コントローラ、容量感知デバイス、ゲームコントローラ、キーボード、マウス、指向性パッド(D−パッド)、ワンド、触知デバイス、トーテム(例えば、仮想ユーザ入力デバイスとして機能する)等を含むことができる。ある場合には、ユーザは、指(例えば、親指)を使用して、タッチセンサ式入力デバイスを押下またはスワイプし、入力をシステム100に提供してもよい(例えば、ユーザ入力をシステム100によって提供されるユーザインターフェースに提供するため)。ユーザ入力デバイス504は、システム100の使用の間、ユーザの手によって保持されてもよい。ユーザ入力デバイス504は、ディスプレイシステム100と有線または無線通信することができる。
【0057】
図4を継続して参照すると、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、光をその個別の導波管から再指向させることと、導波管と関連付けられた特定の深度平面のための適切な量の発散またはコリメーションを用いて、本光を出力することとの両方を行うように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、関連付けられた深度平面に応じて異なる量の発散を伴う光を出力する、異なる構成の光抽出光学要素を有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。回折格子等の光抽出光学要素は、2015年6月25日に公開された米国特許公開第2015/0178939号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、空気間隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)。
【0058】
いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンを形成する回折特徴、すなわち、「回折光学要素」(本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみが、DOEの各交差点で眼304に向かって偏向される一方、残りが、全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、比較的に低い回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼304に向かって非常に均一な出射放出パターンとなる。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、微小液滴がホスト媒体中に回折パターンを構成する、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率と実質的に合致するように切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を著しく回折しない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折する)。
【0060】
いくつかの実施形態では、深度平面および/または被写界深度の数ならびに分布は、視認者の眼の瞳孔サイズならびに/もしくは配向に基づいて、動的に変動されてもよい。いくつかの実施形態では、イメージングシステム500(例えば、デジタルカメラ)が、眼304の画像を捕捉し、眼304の瞳孔のサイズおよび/または配向を判定するために使用されてもよい。イメージングシステム500は、装着者60が見ている方向(例えば、眼姿勢)を判定する際に使用するための画像を取得するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、イメージングシステム500は、フレーム64に取り付けられてもよく(
図2に図示されるように)、処理モジュール71および/または72と電気通信してもよく、これは、カメラ50)からの画像情報を処理し、例えば、ユーザ60の眼の瞳孔直径および/または配向もしくは眼姿勢を判定してもよい。いくつかの実施形態では、1つのイメージングシステム500が、眼毎に利用され、各眼の瞳孔サイズおよび/または配向を別個に判定し、それによって、各眼への画像情報の提示がその眼に動的に調整されることを可能にしてもよい。いくつかの他の実施形態では、片眼304のみの瞳孔直径および/または配向(例えば、対の眼あたり単一イメージングシステム500のみを使用して)が、判定され、視認者60の両眼に対して類似すると仮定される。
【0061】
例えば、被写界深度は、視認者の瞳孔サイズと反比例して変化してもよい。その結果、視認者の眼の瞳孔のサイズが減少するにつれて、被写界深度は、その平面の場所が眼の焦点深度を越えるため判別不能である1つの平面が、判別可能となり、瞳孔サイズの低減および被写界深度の相当する増加に伴って、より合焦して現れ得るように増加する。同様に、異なる画像を視認者に提示するために使用される、離間される深度平面の数は、減少された瞳孔サイズに伴って減少されてもよい。例えば、視認者は、一方の深度平面から他方の深度平面への眼の遠近調節を調節せずに、第1の深度平面および第2の深度平面の両方の詳細を1つの瞳孔サイズにおいて明確に知覚することが可能ではない場合がある。しかしながら、これらの2つの深度平面は、同時に、遠近調節を変化させずに、別の瞳孔サイズにおいてユーザに合焦するには十分であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、瞳孔サイズおよび/または配向の判定に基づいて、もしくは特定の瞳孔サイズおよび/または配向を示す電気信号の受信に応じて、画像情報を受信する導波管の数を変動させてもよい。例えば、ユーザの眼が、2つの導波管と関連付けられた2つの深度平面間を区別不能である場合、コントローラ210は、これらの導波管のうちの1つへの画像情報の提供を停止するように構成またはプログラムされてもよい。有利には、これは、システムへの処理負担を低減させ、それによって、システムの応答性を増加させ得る。導波管のためのDOEがオンおよびオフ状態間で切替可能である実施形態では、DOEは、導波管が画像情報を受信するとき、オフ状態に切り替えられてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、出射ビームに視認者の眼の直径未満の直径を有するという条件を満たさせることが望ましくあり得る。しかしながら、本条件を満たすことは、視認者の瞳孔のサイズの変動性に照らして、困難であり得る。いくつかの実施形態では、本条件は、視認者の瞳孔のサイズの判定に応答して出射ビームのサイズを変動させることによって、広範囲の瞳孔サイズにわたって満たされる。例えば、瞳孔サイズが減少するにつれて、出射ビームのサイズもまた、減少し得る。いくつかの実施形態では、出射ビームサイズは、可変開口を使用して変動されてもよい。
【0064】
図5は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を示す。1つの導波管が、図示されるが、導波管アセンブリ178内の他の導波管も、同様に機能してもよく、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力縁382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282に衝突する点において、光の一部が、出射ビーム402として導波管から出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、それらはまた、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度で眼304に伝搬するように再指向されてもよい(例えば、発散出射ビームを形成する)。略平行出射ビームは、光を外部結合し、眼304から長距離(例えば、光学無限遠)において深度平面上に設定されるように現れる画像を形成する光抽出光学要素を伴う、導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の光抽出光学要素のセットは、眼304がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼304に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう、より多く発散する出射ビームパターンを出力してもよい。
【0065】
図6は、導波管装置と、光を導波管装置へまたはそこから光学的に結合するための光学結合器サブシステムと、制御サブシステムとを含む、光学ディスプレイシステム100の別の実施例を示す。光学ディスプレイシステム100は、多焦点立体、画像、またはライトフィールドを生成するために使用されることができる。光学ディスプレイシステムは、1つまたはそれを上回る一次平面導波管1(1つのみのが
図6に示される)と、一次導波管10の少なくともいくつかのそれぞれと関連付けられた1つまたはそれを上回るDOE2とを含むことができる。平面導波管1は、
図4を参照して議論される導波管182、184、186、188、190に類似することができる。光学システムは、分散導波管装置を採用し、光を第1の軸(
図6の図では、垂直またはY−軸)に沿って中継し、第1の軸(例えば、Y−軸)に沿って光の有効射出瞳を拡張させてもよい。分散導波管装置は、例えば、分散平面導波管3と、分散平面導波管3と関連付けられた少なくとも1つのDOE4(二重破線によって図示される)とを含んでもよい。分散平面導波管3は、少なくともいくつかの点において、それと異なる配向を有する一次平面導波管1と類似または同じであってもよい。同様に、少なくとも1つのDOE4は、少なくともいくつかの点において、DOE2と類似または同じであってもよい。例えば、分散平面導波管3および/またはDOE4は、それぞれ、一次平面導波管1ならびに/もしくはDOE2と同一材料から成ってもよい。
図6に示される光学システムは、
図2に示されるウェアラブルディスプレイシステム100の中に統合されることができる。
【0066】
中継され、射出瞳が拡張された光は、分散導波管装置から1つまたはそれを上回る一次平面導波管10の中に光学的に結合される。一次平面導波管1は、好ましくは、第1の軸に直交する、第2の軸(例えば、
図6の図では、水平またはX−軸)に沿って、光を中継する。着目すべきこととして、第2の軸は、第1の軸に対して非直交軸であることができる。一次平面導波管10は、その第2の軸(例えば、X−軸)に沿って、光の有効射出経路を拡張させる。例えば、分散平面導波管3は、光を垂直またはY−軸に沿って中継および拡張させ、光を水平もしくはX−軸に沿って中継および拡張させる、一次平面導波管1にその光を通過させることができる。
【0067】
光学システムは、単一モード光ファイバ9の近位端の中に光学的に結合され得る、1つまたはそれを上回る有色光源(例えば、赤色、緑色、および青色レーザ光)110を含んでもよい。光ファイバ9の遠位端は、圧電材料の中空管8を通して螺合または受容されてもよい。遠位端は、固定されない可撓性カンチレバー7として、管8から突出する。圧電管8は、4つの象限電極(図示せず)と関連付けられることができる。電極は、例えば、管8の外側、外側表面もしくは外側周縁、または直径に鍍着されてもよい。コア電極(図示せず)もまた、管8のコア、中心、内側周縁、または内径に位置する。
【0068】
例えば、ワイヤ10を介して電気的に結合される、駆動電子機器12は、対向する対の電極を駆動し、圧電管8を独立して2つの軸において屈曲させる。光ファイバ7の突出する遠位先端は、機械的共鳴モードを有する。共鳴の周波数は、光ファイバ7の直径、長さ、および材料性質に依存し得る。圧電管8をファイバカンチレバー7の第1の機械的共鳴モードの近傍で振動させることによって、ファイバカンチレバー7は、振動させられ、大偏向を通して掃引し得る。
【0069】
2つの軸において共振振動を刺激することによって、ファイバカンチレバー7の先端は、2次元(2−D)走査を充填する面積内において2軸方向に走査される。光源11の強度をファイバカンチレバー7の走査と同期して変調させることによって、ファイバカンチレバー7から発せられる光は、画像を形成する。そのような設定の説明は、米国特許公開第2014/0003762号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0070】
光学結合器サブシステムのコンポーネントは、走査ファイバカンチレバー7から発せられる光をコリメートする。コリメートされた光は、ミラー付き表面5によって、少なくとも1つの回折光学要素(DOE)4を含有する、狭分散平面導波管3の中に反射される。コリメートされた光は、全内部反射によって分散平面導波管3に沿って(
図6の図に対して)垂直に伝搬し、そうすることによって、DOE4と繰り返し交差する。DOE4は、好ましくは、低回折効率を有する。これは、光の一部(例えば、10%)をDOE4との交差点の各点においてより大きい一次平面導波管1の縁に向かって回折させ、光の一部をTIRを介して分散平面導波管3の長さを辿ってそのオリジナル軌道上で継続させる。
【0071】
DOE4との交差点の各点において、付加的光が、一次導波管1の入口に向かって回折される。入射光を複数の外部結合セットに分割することによって、光の射出瞳は、分散平面導波管3内のDOE4によって垂直に拡張される。分散平面導波管3から外部結合された本垂直に拡張された光は、一次平面導波管1の縁に進入する。
【0072】
一次導波管1に進入する光は、TIRを介して、一次導波管1に沿って(
図6の図に対して)水平に伝搬する。光は、複数の点においてDOE2と交差するにつれて、TIRを介して、一次導波管10の長さの少なくとも一部に沿って水平に伝搬する。DOE2は、有利には、線形回折パターンおよび半径方向対称回折パターンの総和である、位相プロファイルを有し、光の偏向および集束の両方を生成するように設計または構成され得る。DOE2は、有利には、ビームの光の一部のみが、DOE2の各交差点において視認者の眼に向かって偏向される一方、光の残りが、TIRを介して、導波管1を通して伝搬し続けるように、低回折効率(例えば、10%)を有し得る。
【0073】
伝搬する光とDOE2との間の交差点の各点において、光の一部は、一次導波管1の隣接面に向かって回折され、光がTIRから逃散し、一次導波管1の面から発せられることを可能にする。いくつかの実施形態では、DOE2の半径方向対称回折パターンは、加えて、ある焦点レベルを回折された光に付与し、個々のビームの光波面を成形(例えば、曲率を付与する)することと、ビームを設計される焦点レベルに合致する角度に操向することとの両方を行う。
【0074】
故に、これらの異なる経路は、異なる角度におけるDOE2の多重度、焦点レベル、および/または射出瞳において異なる充填パターンをもたらすことによって、光を一次平面導波管1の外部で結合させることができる。射出瞳における異なる充填パターンは、有利には、複数の深度平面を伴うライトフィールドディスプレイを生成するために使用されることができる。導波管アセンブリ内の各層またはスタック内の層のセット(例えば、3層)が、個別の色(例えば、赤色、青色、緑色)を生成するために採用されてもよい。したがって、例えば、3つの隣接する層の第1のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第1の焦点深度において生成するために採用されてもよい。3つの隣接する層の第2のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第2の焦点深度において生成するために採用されてもよい。複数のセットが、種々の焦点深度を伴うフル3Dまたは4Dカラー画像ライトフィールドを生成するために採用されてもよい。
【0075】
(青色光調節に対する瞳孔応答の実施例)
図7は、光調節に対する例示的瞳孔応答を図式的に図示する。青色光調節を被っている眼の実施例に関して上記に説明されるように、瞳孔の構造および膨張に加え、眼の他の生理学的特性も、眼102に暴露される増加されたレベルの光の暴露によって影響され得る。そのような生理学的特性を使用することによって、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、瞳孔応答の変化を検出し、その検出された変化とバイオメトリックアプリケーション閾値を比較することができる。その検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格する場合、ウェアラブルディスプレイシステムは、バイオメトリックアプリケーションのために眼画像またはその検出された瞳孔応答変化を利用してもよい。
【0076】
瞳孔応答(例えば、瞳孔パラメータ、瞳孔パラメータの変化)は、種々の生理学的特性を含むことができ、限定ではないが、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、減少されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、増加されたレベルの光に対する遅延時間、立ち上がり時間に関する立ち上がり曲線、または減衰時間に関する減衰曲線を含む。そのような瞳孔応答は、処理モジュールに結合されるウェアラブルディスプレイシステム(例えば、
図2に示されるウェアラブルディスプレイシステム100または
図4および6におけるディスプレイシステム100)によって測定されることができる。例えば、処理モジュール70、72は、青色光レベルが変化または修正されている時間期間の間、イメージングシステム500(例えば、
図4参照)から取得される眼画像を処理することができる。例えば、イメージングシステム500から取得される眼画像は、瞳孔応答のモデルを形成するために使用されてもよい。モデルは、限定ではないが、瞳孔面積、瞳孔半径、瞳孔円周、瞳孔直径、または瞳孔半径に対する外側虹彩半径を含む、眼画像から導出または測定された任意のパラメータに基づいてもよい。加えて、または代替として、瞳孔応答の生理学的特性は、ウェアラブルディスプレイシステム100に結合される種々の器具によって測定される、または眼画像の処理から導出されてもよい。
図7は、処理モジュール70、72の眼画像分析に基づいて、瞳孔応答を表すパラメータを図式的に図示する。
【0077】
図7は、光調節に対して例示的瞳孔応答を図示する。瞳孔応答曲線109(r(t))は、瞳孔の半径r(t)に関する可変レベルの光106(L)に対する生理学的応答の実施例を図示する。
図7に描写されるように、光レベルは、レベルL
Aからより高いレベルL
A+L
Bに瞬間的に増加し、次いで、レベルL
Aに戻る。瞳孔応答曲線109は、可変レベルの光106に応答し、立ち上がり曲線部分109bおよび減衰曲線部分109dの両方を含む。ヒトの眼102は、光のレベルが増加された後、遅延時間τ
1109aを被り得る。立ち上がり曲線部分109bは、立ち上がり時間τ
D109cにわたる増加されたレベルの光(例えば、L
A+L
B)に対する瞳孔応答を図示する。一実施形態では、増加されたレベルの光は、眼に暴露される青色光の総量における全体的増加に対応し得る。
【0078】
瞳孔は、減少されたレベルの光に対して特定の応答を呈する(例えば、眼102は、光レベルL
A+L
Bがより低いレベルL
Aに変化したことに起因して、より暗い状態に暴露される)。減衰曲線部分109dは、減衰時間τ
C109eにわたる減少されたレベルの光に対する瞳孔応答を図示する。減衰時間遅延109fは、増加されたレベルの光L
A+L
BがレベルL
Aに戻るときと、瞳孔減衰応答が開始するときとの間の経過時間を説明する。明るい状態とより暗い状態との間および/またはより暗い状態とより明るい状態との間の瞳孔応答の絶対レベルの差異は、109gによって説明される。いくつかの実施形態では、
図7に示される種々の値の比率(例えば、109a−109g)は、閾値瞳孔応答に到達したかどうかを判定するために使用されることができる。瞳孔応答と関連付けられた種々の時間が、ウェアラブルディスプレイシステム100に結合される処理モジュール70、72によって実装される、タイマまたはクロックによって測定されてもよい。調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答は、種々の生理学的特性を含むことができ、限定ではないが、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、調節されたレベルの青色光に対する遅延時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の立ち上がり曲線部分の形状、または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の減衰曲線部分の形状を含む。瞳孔応答時間は、典型的には、約100ms〜約500msの範囲内である。瞳孔応答に関する7つのパラメータ(例えば、109a−109g)に関して
図7に図示されるが、瞳孔応答の他の生理学的特性も、測定され、瞳孔応答のパラメータとして含まれてもよい。例えば、瞳孔の最小および最大半径が、瞳孔応答のパラメータとして含まれてもよい。故に、
図7に図示される生理学的パラメータは、例証にすぎず、ヒトの眼に関する実際の瞳孔応答は、上記に説明される実施例と異なってもよい。
【0079】
瞳孔応答の変化が、本明細書に説明される青色光調節ルーチンを実装するウェアラブルディスプレイシステム100によって検出されてもよい。例えば、処理モジュール70、72は、ルーチン800を実装し、眼102に暴露される青色光のレベルを調節し、ウェアラブルディスプレイシステム100から受信された後続調節眼画像と青色光のレベルの調節が生じる前に受信された初期眼画像を比較してもよい。例えば、一実施形態では、瞳孔応答の変化を検出するステップは、調節眼画像の瞳孔半径と初期眼画像の瞳孔半径の比較であってもよい。別の実施形態では、初期眼画像は、ウェアラブルディスプレイシステム100を所有する、またはそれにアクセスする、特定の個人のためにバイオメトリックデータベース内に記憶された基準眼画像であってもよい。
【0080】
システムは、画像捕捉デバイス(例えば、カメラ)を使用して、オブジェクト(例えば、眼)の1つまたはそれを上回る画像を捕捉してもよい。いくつかの実施形態では、第1の画像は、通常照明条件(例えば、眼の中に指向される未修正または未調節レベルの青色光)下で捕捉される一方、第2(または第3、第4等)の画像は、修正された照明条件(例えば、眼の中に指向される増加されたレベルの青色光)下で捕捉される。通常照明条件下で捕捉された画像は、対照画像と称され得、修正された照明条件下で捕捉された画像は、修正画像と称され得る。同様に、通常照明条件は、対照照明条件と称され得る。
【0081】
例えば、調節されたレベルの青色光に基づく変化等の瞳孔応答の検出された変化が、あるバイオメトリックアプリケーションのために利用されてもよい。上記に説明される生理学的特性のいずれかの検出された変化は、向上された虹彩コードが、調節眼画像から生成され得ることを示し得、これは、虹彩のより大きい部分が、瞳孔がより小さいときにイメージングされることができるためである。故に、いくつかのバイオメトリックアプリケーションは、瞳孔応答の検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを要求してもよい。上記からの瞳孔半径の同一実施例を継続すると、検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格するかどうかを判定するステップは、瞳孔半径の差異がバイオメトリックアプリケーション閾値を超えることを判定するステップを含んでもよい。本実施例では、瞳孔半径の差異は、比較される眼画像(例えば、初期眼画像と調節眼画像)の画質係数に関する画質メトリックに対応する。他の画質メトリックも、バイオメトリックアプリケーション閾値の実施例に関して以下に議論されるように、可能性として考えられる。
【0082】
いくつかの実装では、瞳孔応答の標的状態は、調節眼画像が瞳孔応答の変化に関して分析された後、青色光のレベルを徐々に調節する(例えば、青色光のレベルを反復する)ことによって到達される。例えば、瞳孔応答の標的状態は、閾値瞳孔半径(例えば、高品質虹彩画像を取得するために十分に小さい)であってもよい。調節眼画像が、閾値瞳孔半径に合格する瞳孔半径を有していない場合、青色光のレベルは、徐々に調節され、例えば、瞳孔を瞳孔応答の標的状態に向かってさらに収縮させてもよい。本観点から、受信された各調節眼画像は、瞳孔応答の標的状態を最適化するためのシステムへのフィードバックと見なされることができる。
【0083】
加えて、または代替として、フィードバック、例えば、各調節画像は、瞳孔応答を調整するために使用されてもよい。例えば、特定の個人のための瞳孔応答に関するモデルが、眼に暴露される光の可変条件下でいくつかの眼画像を使用して形成されてもよい。いったんモデルが形成されると、本明細書に説明されるシステムおよび方法が、青色光のレベルを増加または減少させ、瞳孔応答を調整し、それによって、標的状態(例えば、平衡状態)を達成するために使用されてもよい。平衡状態は、青色光のレベルを反復的に修正することによって達成されてもよい。平衡状態は、所与の入力(例えば、青色光のレベル)による予測可能応答が達成されるときの状態を指し得る。そのような標的状態は、ディスプレイによって不必要に高レベルの青色光を生成することなしに好適な結果を達成するために有用であり得る。
【0084】
(瞳孔応答のモデル化の実施例)
図1A−1Bおよび7において上記に説明される光または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答は、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人のための個々のバイオメトリックモデルを形成するために使用されてもよい。例えば、処理モジュール70、72は、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人のための個々のバイオメトリックモデルを作成してもよい。本個々のバイオメトリックモデルを作成するために、眼画像から取得された情報が、そのモデルに寄与するために使用されてもよく、限定ではないが、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、減少されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、増加および/または減少されたレベルの光に対する遅延時間、立ち上がり時間に関する立ち上がり曲線、または減衰時間に関する減衰曲線、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、調節されたレベルの青色光に対する遅延時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の立ち上がり曲線部分、または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の減衰曲線部分を含む。故に、個々のバイオメトリックモデルは、通常光条件(例えば、周囲照明条件)下の瞳孔応答と、調節されたレベルの青色光下の瞳孔応答とを含んでもよい。個々のバイオメトリックモデルはまた、通常照明条件下で取得される眼画像等の基準眼画像を含んでもよい。そのような基準眼画像は、調節されたレベルの青色光の間、またはそれに続いて取得される眼画像との比較のために使用されることができる。ウェアラブルデバイス上に存在する光センサを有するカメラ(例えば、外向きに面したイメージングシステム502の一部として)を用いる実施形態では、そのようなカメラは、概して、または具体的に、青色光と関連付けられた波長に関して、周囲光レベルを測定するために使用されてもよい。いくつかのそのような実施形態は、ディスプレイシステムが、周囲青色光のレベルの測定値を有し、青色光のレベルを周囲レベルに対して変化させ、瞳孔応答を視認者に誘発することができるため、有利であり得る。
【0085】
(認知負荷)
加えて、または代替として、個々のバイオメトリックモデルはまた、光のレベル以外の環境条件によって定義された瞳孔応答を含んでもよい。個人の精神状態は、個人の瞳孔応答に影響を及ぼし得る。故に、瞳孔応答の測定が、測定時の個人の精神状態を推測するために使用されることができる。認知負荷は、個人のワーキングメモリ(例えば、情報を保持および処理するために使われるメモリ)内で使用されている精神的努力の総量を指す。認知負荷は、瞳孔応答に影響を及ぼし得る。増加された認知負荷は、瞳孔の膨張を増加させ、経時的瞳孔半径の増加に対応し得る。または別の実施例として、高認知負荷の条件下の瞳孔応答の立ち上がり時間は、通常認知負荷の条件下の立ち上がり時間より短くあり得る。電子ディスプレイ上での実質的鎮静作用場面の暴露は、認知負荷を低減させ得、個人の瞳孔応答の測定可能変化をもたらし得る。故に、認知負荷の変化は、高認知負荷の時間期間(例えば、問題を解いている、アクション場面を鑑賞している)と、ユーザがより低い認知負荷を被っている時間期間(例えば、実質的鎮静作用場面への暴露後)との間の瞳孔応答の変化に関して眼画像を分析することによって測定されてもよい。
【0086】
環境条件によって定義される瞳孔応答のさらに他の実施例として、瞳孔応答は、個人の状態に相関されてもよく、限定ではないが、喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐怖、暴力傾向、興奮、または他の感情を含む。例えば、通常照明条件に対する瞳孔収縮に関するより短い遅延時間は、特定の個人に関しての怒りを示し得る。別の実施例として、瞳孔膨張に関する急上昇曲線は、興奮を示し得る(例えば、別の個人からの)。可変感情状態に関する瞳孔応答は、異なる個人に関して変動し得る。そのような瞳孔応答は、個々のバイオメトリックモデル内に含まれてもよい。
【0087】
個々のバイオメトリックモデルはまた、認知負荷のレベルを判定するために使用されてもよい。上記に説明されるように、瞳孔応答は、「通常」照明条件、例えば、通常瞳孔応答下で個人に関して存在し得る。いったん個人が増加された認知負荷を体験すると(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム上に表示される数学の問題について考えている、または授業の課題の間、ウェアラブルディスプレイシステムを利用しながら考えている)、認知負荷のレベルが、判定されてもよい。例えば、個人の現在の瞳孔応答が、眼のイメージングによって判定されることができる。現在の瞳孔応答は、個人の通常瞳孔応答(例えば、通常認知負荷下および/または通常照明条件下)と比較されることができる。通常瞳孔応答は、ディスプレイシステムによって測定および記憶されることができる。認知負荷を推定するために、通常瞳孔応答が、現在の瞳孔応答から減算され、認知負荷瞳孔応答を生成することができ、これは、個人によって現在被られている認知負荷の量の測定値である。他の妨害因子も、減算または補償されることができる(例えば、通常条件下における光レベルと比較した現在の光レベルの差異)。認知負荷瞳孔応答が多い(少ない)ほど、個人がより大きい(より小さい)認知活動を受けていることを示す傾向にある。認知負荷のレベルは、認知負荷瞳孔応答に基づいて推定されることができる。例えば、認知負荷瞳孔応答に基づいて、認知負荷のレベルを判定するステップは、瞳孔半径と認知負荷スコアとを相関させるステップを含んでもよい。
【0088】
種々の実施形態では、システムは、装着者の眼を監視し、装着者の認知負荷を判定してもよい。本監視は、特定の時間に(例えば、装着者が学習しているとき)、または認知負荷測定アプリケーションのユーザアクティブ化に応じて、継続的に生じ得る。装着者の認知負荷は、分析のために、記憶され、装着者(または装着者によって認可される人物)によってアクセスされることができる。例えば、教師が、学習中の生徒の認知負荷を精査し、生徒が効率的に学習しているかまたはぼんやりしているかを判定してもよい。他の実施形態では、システムは、装着者の近傍において個人の眼をイメージングすることができる、外向きに面したカメラを含んでもよい。それらの個人の眼画像は、分析され、認知負荷が、推定されることができる。システムは、装着者に、他の個人の認知負荷を示すグラフィックを表示してもよい。例えば、教師が、教室内の生徒を視認し、認知負荷の推定値を取得可能であってもよく、これは、授業中に注意を払っている生徒を示す傾向にあるであろう。
【0089】
いったん構築されると、個々のバイオメトリックモデルは、バイオメトリックデータベース内に記憶されてもよい。例えば、処理モジュール70、72は、セキュア通信チャネル(例えば、チャネルは、暗号化される)を介して、バイオメトリックデータベースをホストするサーバと通信してもよい。バイオメトリックデータベースは、個々のバイオメトリックモデルをその具体的個人に対応するデータ記録として記憶してもよい。このように、バイオメトリックデータベースは、種々のウェアラブルディスプレイシステム100から取得される、いくつかのバイオメトリックモデルを記憶してもよい。加えて、または代替として、個々のバイオメトリックモデルは、ローカルに記憶されてもよい(例えば、処理モジュール70)。そのような場合では、ローカルに記憶された個々のバイオメトリックモデルは、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人の識別のために使用されてもよい。例えば、ウェアラブルディスプレイシステム100は、ローカルに記憶された個々のバイオメトリックモデルに合致する個人に対してのみ、アクセスまたは部分的アクセスを可能にしてもよい。
【0090】
(瞳孔応答を用いた個人識別の実施例)
図1A−1Bおよび7において上記に説明される光または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答は、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人を識別するために使用されてもよい。いったんそのウェアラブルディスプレイシステムを利用する個人が、識別されると、システムは、関連付けられた瞳孔応答に基づいて、あるバイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にしてもよい。例えば、処理モジュール70、72は、瞳孔応答が、単独で、または他のバイオメトリックもしくは非バイオメトリック要因と併せて、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人を識別することを判定してもよい。本判定を行う処理モジュール70、72の一実施例にすぎないが、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用するユーザから取得される眼画像は、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線の立ち上がり時間に関して分析される。その分析は、特定の個人に関する記憶されたバイオメトリック記録と比較され、立ち上がり時間が記憶されたバイオメトリック記録の立ち上がり時間に対応するかどうかを判定する。いったん立ち上がり曲線が記憶されたバイオメトリック記録の立ち上がり曲線に対応することが判定されると、処理モジュール70、72は、あるバイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にしてもよい。
【0091】
例証として、ヒト個人を識別する一実装では、5つまたはそれを上回るバイオメトリック特性が、瞳孔応答が具体的ヒト個人を識別することを判定するために使用されてもよい。それらの5つのバイオメトリックまたはより多くの特性は、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、減少されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、増加および/または減少されたレベルの光に対する遅延時間、最大瞳孔半径、および/または最小瞳孔半径を含んでもよい。個人が、これらの5つのバイオメトリック特性を有する個々のバイオメトリックモデル(例えば、ローカル処理モジュール70内に記録として記憶される)と関連付けられたウェアラブルディスプレイシステム100を利用しようとすると、眼画像が、取得され、これらの5つのバイオメトリック特性を判定する一方、ウェアラブルディスプレイシステムの一部である任意のバイオメトリックアプリケーションへのさらなるアクセスを防止する。例えば、青色光のレベルが、眼画像が取得される間、調節されてもよい。いったん瞳孔応答がこの個人に関して判定されると、各バイオメトリック特性は、例えば、上記に説明されるように、画質メトリックとバイオメトリックアプリケーション閾値を比較することによって、記憶された特性と比較され、バイオメトリックアプリケーションへのアクセスが可能にされるべきかどうかを判定してもよい。いくつかの実装では、説明される5つまたはそれを上回るバイオメトリック特性等のバイオメトリック特性のセットは、バイオメトリックベクトルと称され得る。加えて、または代替として、いくつかの実装は、拡張バイオメトリックベクトルを取得してもよく、これは、眼毎のバイオメトリック特性のセットを含む。そのようなバイオメトリック測定(例えば、バイオメトリックベクトル)は、ユーザの識別を照合するために、他のバイオメトリックまたは非バイオメトリックメトリックと併せて利用されてもよい。
【0092】
具体的ヒト個人に対応するバイオメトリック特性を記憶するいくつかの利点は、ウェアラブルディスプレイシステムのセキュリティを改良することを含み得る。例えば、認可されていない個人が、実際の認可されているユーザのバイオメトリック特性を模倣することによって(なりすましとしても知られる)、ディスプレイシステムおよび/またはシステムアプリケーションへのアクセスを得ようとし得る。例えば、ウェアラブルディスプレイシステムへの不正アクセスを達成しようとする認可されていない個人が、ディスプレイシステムに、認可されているユーザの虹彩の写真(または3Dモデル)を提示し得る。1つのシステムアプリケーションは、画像がユーザから異なる距離に現れるかのように画像をユーザのためにディスプレイ上に投影させてもよい。他の実施例は、ユーザが、インターネット、ソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)、システム設定、システムセキュリティ特徴等と関わることを可能にする、ソフトウェアを含んでもよい。ディスプレイシステムは、虹彩写真またはモデルをイメージングし、認可されていない個人へのアクセスを許可するように騙され得る。ウェアラブルディスプレイのセキュリティを改良する別の実施例として、ウェアラブルディスプレイシステムのための起動ルーチンは、瞳孔応答を刺激する場面を組み込んでもよい。例えば、ウェアラブルディスプレイシステムを始動させる起動ルーチンの一部として、ディスプレイは、空がだんだん青色になる日の出の画像を投影することができる。そのような場面は、ウェアラブルディスプレイが、装着者の瞳孔応答を測定し(例えば、空のブルーイングに応答して)、測定された応答を使用して、装着者を識別する、または装着者が生存している個人であることを判定し得るように(例えば、なりすまし防止)、システムを装着している個人の瞳孔応答を刺激またはトリガすることができる。そのような「日の出」シナリオは、起動に限定されず、識別または他のバイオメトリックアプリケーションが所望される他の時間にも使用されることができる。さらに、日の出の画像は、非限定的実施例であって、他の場合には、他のタイプの画像(例えば、時変のブルーイングを用いて)が、使用されることができる。しかしながら、本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用して、そのようななりすましは、低減され得る。瞳孔応答は、固定画像または3Dモデルではなく、生存しているヒト個人のみが再現し得る、具体的生理学的応答およびパラメータを識別する。さらに、瞳孔応答は、1人のヒト個人に固有であって、ヒト指紋と同様に、他者によって複製されることができない。故に、具体的生存しているヒト個人の識別は、上記に説明される個々のバイオメトリックモデルを構築するために取得される情報等、その眼およびその応答と関連付けられた対応するバイオメトリック特性に関する瞳孔応答の判定によって促進され得る。
【0093】
処理モジュール70、72はまた、瞳孔応答が具体的個人または具体的タイプの個人に対応することを判定してもよい。バイオメトリックアプリケーションへのアクセスは、識別された個人のタイプに基づいて、許可または拒否されてもよい。種々のタイプの個人が、その個別の瞳孔応答によって識別されてもよい。一実装では、アクセスは、いくつかのバイオメトリック特性に合致するが、その他に合致しない、ヒトの眼に対して拒否されてもよい。例えば、死亡しているヒトの眼が、瞳孔応答に基づいて、生存しているヒトの眼と区別されてもよい。例証として、死亡しているヒトからの眼は、可変光レベルに対していかなる瞳孔応答も表示しないであろう一方、生存しているヒトにおける眼は、瞳孔応答を表示するであろう。瞳孔応答によって識別され得る、個人のタイプの付加的実施例として、瞳孔応答は、個人の種々の生理学的状態を示すことができ、限定ではないが、意識不明のヒト個人、睡眠中の個人、疲労した個人、酩酊した個人、老齢個人、負傷個人、ストレスまたは他の感情を受けている個人、または反射または認知能力を損なわせる物質の影響下にある個人を含む。実施例として、金融バイオメトリックアプリケーションへのアクセスは、その瞳孔応答によって識別されるように、酩酊した個人に許可され得ない。
【0094】
瞳孔応答はまた、医療診断の実施等、個人の他の生理学的状態の測定に寄与するために使用されてもよい。例えば、調節されたレベルの青色光に暴露される眼に関する長い遅延時間は、ある眼疾患またはヒトの病気を示し得る。故に、臨床医は、瞳孔応答から識別された1つまたはそれを上回るバイオメトリック特性を使用して、ウェアラブルディスプレイシステム100を利用する個人の医療診断を補助してもよい。
【0095】
(青色光瞳孔応答ルーチンの実施例)
図8は、青色光瞳孔応答ルーチンの実施例を図式的に図示する。ルーチン800は、バイオメトリックアプリケーションのために検出された瞳孔応答を利用する際、青色光のレベルを調節するステップと、瞳孔応答の変化を検出するステップと、瞳孔応答の検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格するかどうかを判定するステップとのための例示的フローを描写する。例えば、ルーチン800は、処理モジュール70、72を介して、ウェアラブルディスプレイシステム100によって実装されることができる。
【0096】
ルーチン800は、ブロック804から開始する。ブロック808では、初期眼画像が、受信される。眼画像は、限定ではないが、画像捕捉デバイス、頭部搭載型ディスプレイシステム、サーバ、非一過性コンピュータ可読媒体、またはクライアントコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)を含む、種々のソースから受信されることができる。いくつかの実装では、初期眼画像を受信するステップは、随意のステップである。初期眼画像は、バイオメトリック記録等のバイオメトリックデータベース内に記憶される基準眼画像等の基準画像であってもよい。
【0097】
ルーチン800を継続すると、ブロック812では、眼102に暴露される青色光のレベルが、調節される。例えば、ウェアラブルディスプレイシステム100のディスプレイが、より青色が表示されるように調節されてもよい。例証として、ディスプレイのある面積は、別の非青色ピクセルから青色ピクセルに変換されることができる。青色光のレベルを調節する他の方法も、青色光調節を被っている眼の実施例に関して上記に説明されるように、可能性として考えられる。本青色光調節の間、または青色光調節に続いて、付加的眼画像が、受信されてもよい。本実装では、ブロック816において、調節眼画像が、受信される。すなわち、青色光調節の間、またはそれに続いて受信された眼画像が、例えば、画像捕捉デバイスを介して、ウェアラブルディスプレイシステム100によって受信される。例えば、調節眼画像が、ブロック808において、初期眼画像を受信するステップに関して上記に説明されるように、受信されてもよい。
【0098】
ブロック820では、瞳孔応答の変化が、検出される。青色光調節に対する瞳孔応答の実施例に関して上記に説明されるように、瞳孔応答の変化は、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間等の種々の生理学的応答を分析することによって検出されてもよい。例えば、瞳孔応答の変化は、初期眼画像と調節眼画像を比較することによって検出されてもよい。いったん瞳孔応答の変化が、検出されると、ルーチン800のフローは、決定ブロック824に進む。決定ブロック824では、検出された変化は、バイオメトリックアプリケーション閾値と比較され、検出された変化がその閾値に合格するかどうかを判定する。青色光調節に対する瞳孔応答の実施例に関して上記に説明されるように、瞳孔応答の検出された変化を表す種々の画質メトリックが、可能性として考えられる。加えて、個別の画質メトリックに対応する種々のバイオメトリックアプリケーション閾値も、可能性として考えられる。検出された変化を表す画質メトリックがバイオメトリックアプリケーション閾値に合格しない場合、フローは、ブロック812に戻り、そこで、青色光のレベルがさらに調節されてもよい。しかしながら、検出された変化を表す画質メトリックがバイオメトリックアプリケーション閾値に合格する場合、フローは、ブロック828に進む。
【0099】
ブロック828では、検出された変化を表す画質メトリックまたは調節眼画像を含む受信された眼画像が、バイオメトリックアプリケーションのために利用されてもよい。例えば、一実施形態では、瞳孔応答の検出された変化は、個人がヒトであるかどうかを識別するために使用されてもよい。さらに別の実施例として、瞳孔応答のバイオメトリック特性が、具体的ヒト個人を識別するために利用されてもよい。さらに他の実施形態では、受信された眼画像が、関連付けられた眼に関する眼姿勢または虹彩コードを判定するために利用されてもよい。バイオメトリック特性は、例えば、個人が酩酊している、部分的もしくは完全に覚醒している、部分的または重い認知負荷下にある、精神または意識に変化をきたす物質の影響下にある、および/または意識不明であるかどうか等、個人の状態を含んでもよい。その後、ブロック828において、ルーチン800は、終了する。
【0100】
種々の実施形態では、ルーチン800は、ディスプレイシステム100の実施形態等のディスプレイシステムのハードウェアプロセッサ(例えば、処理モジュール70、72またはコントローラ210)によって実施されてもよい。他の実施形態では、コンピュータ実行可能命令を伴う遠隔コンピューティングデバイスが、頭部搭載型ディスプレイシステムに、ルーチン800を実施させることができる。例えば、遠隔コンピューティングデバイスは、ブロック820において瞳孔応答の変化を検出させられ得る一方、ローカル処理モジュール70は、ルーチン800における他のステップを実施させられてもよい。
【0101】
(青色光識別ルーチンの実施例)
図9は、青色光識別ルーチンの実施例を図式的に図示する。ルーチン900は、青色光のレベルを調節するステップと、瞳孔応答の変化を検出するステップと、瞳孔応答のバイオメトリック特性が個人を識別するかどうかを判定するステップと、瞳孔応答識別に基づいて、バイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にするステップとのための例示的フローを描写する。例えば、ルーチン900は、処理モジュール70、72を介して、ウェアラブルディスプレイシステム100によって実装されることができる。
【0102】
ルーチン900は、ブロック904から開始する。ブロック908では、眼102に暴露される青色光のレベルが、調節される。例えば、ウェアラブルディスプレイシステム100のディスプレイが、より青色が表示されるように調節されてもよい。例証として、ディスプレイのある面積は、別の非青色ピクセルから青色ピクセルに変換されることができる。青色光のレベルを調節する他の方法も、青色光調節を被っている眼の実施例に関して上記に説明されるように、可能性として考えられる。本青色光調節の間、および/または青色光調節に続いて、眼画像が、受信される。
【0103】
本実装では、ブロック912において、眼画像が、受信される。例えば、眼画像は、限定ではないが、画像捕捉デバイス、頭部搭載型ディスプレイシステム、サーバ、非一過性コンピュータ可読媒体、またはクライアントコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)を含む、種々のソースから受信されることができる。随意に、いくつかの眼画像が、ある時間期間にわたって受信されてもよい。例えば、時間期間は、青色光が徐々に増加される期間に対応してもよい。別の実施例として、時間期間は、青色光調節に続く有限期間に対応してもよい。
【0104】
ブロック916では、瞳孔応答の変化が、検出される。青色光調節に対する瞳孔応答の実施例に関して上記に説明されるように、瞳孔応答の変化は、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間等の種々の生理学的応答を分析することによって検出されてもよい。例えば、瞳孔応答の変化は、受信された眼画像と基準眼画像を比較することによって検出されてもよい。一実施形態では、受信された眼画像は、いくつかの基準眼画像と比較され、ある時間期間にわたって瞳孔応答の変化を検出してもよい。いったん瞳孔応答の変化が、検出されると、ルーチン900のフローは、決定ブロック920に進む。決定ブロック920では、瞳孔応答の検出された変化または瞳孔応答自体が、個人のバイオメトリック特性と比較される。例えば、瞳孔応答の検出された変化は、バイオメトリックデータベース内に記録として記憶されるいくつかのバイオメトリックモデルと比較されてもよい。瞳孔応答を用いた個人識別の実施例に関して上記に説明されるように、種々の個人識別が、可能性として考えられ、限定ではないが、ヒト個人の識別、個人のタイプおよび/またはクラスの識別、および瞳孔応答と関連付けられたあるバイオメトリック特性の識別を含む。瞳孔応答が、個人のバイオメトリック特性に対応する場合、フローは、ブロック908に戻り、そこで、青色光のレベルがさらに調節されてもよい。しかしながら、瞳孔応答が、ヒト個人のバイオメトリック特性に対応しない場合、フローは、ブロック920に進む。
【0105】
ブロック924では、バイオメトリック特性を具体的個人に対応させる、瞳孔応答判定は、バイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にしてもよい。例えば、一実施形態では、ヒト個人の識別は、ウェアラブルディスプレイシステム100と関連付けられた全てのバイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にする。さらに別の実施例として、酩酊した個人の識別は、非金融バイオメトリックアプリケーションへのアクセスのみを可能にする。その後、ブロック924において、ルーチン900は、終了する。
【0106】
種々の実施形態では、ルーチン900は、ディスプレイシステム100の実施形態等のディスプレイシステムのハードウェアプロセッサ(例えば、処理モジュール70、72またはコントローラ210)によって実施されてもよい。他の実施形態では、コンピュータ実行可能命令を伴う遠隔コンピューティングデバイスが、頭部搭載型ディスプレイシステムに、ルーチン900を実施させることができる。例えば、遠隔コンピューティングデバイスは、ブロック916において瞳孔応答の変化を検出させられ得る一方、ローカル処理モジュール70は、ルーチン900における他のステップを実施させられてもよい。
【0107】
(青色光瞳孔応答ルーチンの付加的実施例)
図10は、青色光瞳孔応答ルーチンの実施例を図式的に図示する。ルーチン1000は、青色光のレベルを調節するステップと、瞳孔応答を測定するステップと、バイオメトリックアプリケーションを実施するステップとのための例示的フローを描写する。例えば、ルーチン1000は、処理モジュール70、72を介して、ウェアラブルディスプレイシステム100によって実装されることができる。
【0108】
ルーチン1000は、ブロック1004から開始する。ブロック1008では、眼102に暴露される青色光のレベルが、調節される。例えば、ウェアラブルディスプレイシステム100のディスプレイが、より青色が表示されるように調節されてもよい。例証として、ディスプレイのある面積は、別の非青色ピクセルから青色ピクセルに変換されることができる。青色光のレベルを調節する他の方法も、青色光調節を被っている眼の実施例に関して上記に説明されるように、可能性として考えられる。いくつかの実装では、ブロック1008において、眼画像が、ある時間期間の間、受信される。例えば、時間期間は、青色光調節の期間に対応してもよい。別の実施例として、時間期間は、青色光調節に続く有限期間に対応してもよい。眼画像は、限定ではないが、画像捕捉デバイス、頭部搭載型ディスプレイシステム、サーバ、非一過性コンピュータ可読媒体、またはクライアントコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)を含む、種々のソースから受信されることができる。
【0109】
ブロック1012では、瞳孔応答が、測定される。青色光調節に対する瞳孔応答および青色光調節を被っている眼の実施例に関して上記に説明されるように、瞳孔応答は、増加されたレベルの光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間または瞳孔の最大半径等、種々の生理学的応答を検出することによって測定されてもよい。いったん測定されると、ルーチン1000のフローは、決定ブロック1016に進む。いくつかの実装では、測定された瞳孔応答は、バイオメトリックアプリケーション閾値との比較またはバイオメトリック特性の識別のために、画質メトリックによって表されてもよい。いくつかの実装では、ブロック1012は、随意のステップである。
【0110】
ブロック1016では、バイオメトリックアプリケーションが、実施される。例えば、ウェアラブルディスプレイシステム100のローカル処理モジュール70は、青色光調節の間に取得される眼画像を利用する虹彩コード生成ルーチンを実装してもよい。さらに別の実施例として、処理モジュール70は、青色光調節の間に取得される眼画像を利用するバイオメトリック識別ルーチンを実施してもよい。バイオメトリックアプリケーションの実施例として、限定ではないが、虹彩コードを生成するステップ、認知応答を判定するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムへのアクセスを認可するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムの装着者を識別するステップ、判定された瞳孔応答と関連付けられた個人と関連付けられた情報を表示するステップ、または頭部搭載型ディスプレイシステムの装着者の生理学的状態を判定するステップが挙げられる。例えば、本明細書に説明される青色光調節技法を使用することによって、ディスプレイシステムは、装着者がディスプレイシステムを使用することが認可された個人であることを識別し、(例えば、ディスプレイによって、またはオーディオデバイスによって)メッセージ(例えば、「Welcome, Adrian」)を提示することが可能であり得る。装着者が、デバイスを使用することが認可されていない個人であると判定される場合、システムは、異なるメッセージ(例えば、「You are not authorized to use the display」、またはユーザが識別されるが、認可されていない場合、「Andrew, this is Adrian’s display」)を提示してもよい。その後、ブロック1020において、ルーチン1000は、終了する。
【0111】
種々の実施形態では、ルーチン1000は、ディスプレイシステム100の実施形態等のディスプレイシステムのハードウェアプロセッサ(例えば、処理モジュール70、72またはコントローラ210)によって実施されてもよい。他の実施形態では、コンピュータ実行可能命令を伴う遠隔コンピューティングデバイスが、頭部搭載型ディスプレイシステムに、ルーチン1000を実施させることができる。例えば、遠隔コンピューティングデバイスは、ブロック1008において青色光のレベルを調節させられ得る一方、ローカル処理モジュール70は、ブロック1016においてバイオメトリックアプリケーションを実施させられてもよい。
【0112】
(バイオメトリックアプリケーション閾値の実施例)
本明細書に説明されるように、眼への青色光のレベルを増加させることによって、瞳孔は、収縮し、虹彩の面積は、増加し、これは、虹彩のより良好なイメージングを可能にする。青色光のレベルは、種々のバイオメトリックアプリケーション(例えば、虹彩コード)のための高品質虹彩画像を取得するために、眼画像がバイオメトリックアプリケーション品質閾値に合格する通過まで、眼画像が撮影されるにつれて変化されてもよい。
【0113】
バイオメトリックアプリケーション閾値(Q)は、眼画像のための画質メトリックの具体的品質レベルと関係を共有してもよい。眼画像は、画像と関連付けられた種々の品質係数を有することができ、限定ではないが、分解能(例えば、虹彩分解能)、焦点、焦点ぼけ、鮮鋭度、ぼけ、非閉塞ピクセルまたは閉塞ピクセル(例えば、睫毛または眼瞼によって閉塞される)、グレア、閃光(例えば、自然または人工源からの角膜反射)、雑音、ダイナミックレンジ、階調再現、輝度、コントラスト(例えば、ガンマ)、色正確度、色飽和、白色度、歪曲、口径食、露光正確度、側方色収差、レンズフレア、アーチファクト(例えば、RAW変換の間等のソフトウェア処理アーチファクト)、および色モアレを含む。これらの画質係数のうちの1つまたはそれを上回るものは、品質係数の測定値と関連付けられた画質メトリックを有してもよい。いくつかの眼画像に関する画質メトリックが、処理モジュール70、72において算出または処理されることができる。一実施例にすぎないが、処理モジュール70、72は、調節眼画像(例えば、青色光のレベルの調節後に取得される眼画像)と関連付けられた画質メトリックを判定することができる。故に、関係は、ある品質メトリックと少なくとも2つの眼画像によって表される瞳孔応答(例えば、標準または対照眼画像を使用した較正によって)との間で判定されることができる。例えば、1つまたはそれを上回る画質メトリックは、関連付けられたバイオメトリックアプリケーション閾値Qを有することができる。いくつかの実施形態では、基準眼画像は、使用され、バイオメトリックアプリケーション閾値Qを判定してもよい。
【0114】
例証として、眼画像の分解能(例えば、品質メトリック)は、虹彩の分解能の観点から表されることができ、虹彩の分解能は、ピクセル内の距離として表される。多くの用途では、虹彩詳細を捕捉するために、虹彩の半径方向分解能は、約70ピクセルを上回り、80〜200ピクセルの範囲内であってもよい。例えば、バイオメトリックアプリケーション閾値は、虹彩の半径に関して130ピクセルであることができる。一実施形態では、130ピクセルの本バイオメトリックアプリケーション閾値は、基準眼画像から判定されることができる。例えば、閾値は、虹彩の観察される(測定された)半径のある割合として設定されてもよい。本実施例を継続すると、虹彩の半径が110ピクセルである初期眼画像は、虹彩の半径に関して130ピクセルの本バイオメトリックアプリケーション閾値と比較されることができる。そのような画像は、閾値に合格せず、したがって、バイオメトリックアプリケーションにおいて利用されない、または眼画像処理において利用されないであろう。しかしながら、調節眼画像(例えば、増加されたレベルの青色光を用いて調節される)が、150ピクセルである虹彩の半径を有する場合(例えば、瞳孔の収縮に起因して)、調節眼画像は、バイオメトリックアプリケーション閾値に合格し得、バイオメトリックアプリケーションにおいて利用される、または眼画像処理において利用されてもよい。例えば、調節眼画像は、虹彩コードを生成するために使用されることができる。いくつかの実装では、画質メトリックは、眼瞼間で可視である、虹彩のパーセンテージであることができる。例えば、50%より低いパーセンテージは、眼が瞬目中である、またはユーザが完全機能認知状態ではない(例えば、ユーザが、眠い、意識不明、薬を服用中、酩酊、認知負荷下にある)ことを示し得る。したがって、画像は、画質メトリックが画質閾値(例えば、60%、70%、75%、80%、90%、またはより高い)に合格する場合、選択されることができる。これらの実施例を用いて図示されるように、任意の眼画像が、眼の画像の品質を反映する、画質メトリック(例えば、実数値数)qを算出するために使用されることができる。
【0115】
故に、バイオメトリックアプリケーション閾値の利用により、任意の眼画像が、算出された画質メトリックとともに、瞳孔応答の変化(例えば、2つの眼画像を比較する)または瞳孔応答の状態(例えば、個人の識別特性に関する単一眼画像を分析する)を検出するために使用されることができる。多くの場合、qは、より高い品質の画像に関してより高くなり(例えば、非閉塞ピクセルに関するqは、非閉塞ピクセルの量が増加するにつれて増加し得る)、高品質画像は、バイオメトリックアプリケーション閾値Qに合格する(それを上回って増加する)q値を有するものを含む。他の場合では、qは、より高い品質の画像に関してより低くなり(例えば、閉塞ピクセルに関するqは、閉塞ピクセルの量が減少するにつれて減少し得る)、高品質画像は、バイオメトリックアプリケーション閾値Qに合格する(それを下回って減少する)q値を有するものを含む。
【0116】
いくつかの実装では、眼画像に関する品質メトリックは、画像に関して計算される複数の成分品質メトリックの組み合わせであってもよい。例えば、眼画像に関する品質メトリックは、種々の成分品質メトリックの加重和であることができる。そのような品質メトリックは、有利には、異なるタイプの画質(例えば、非閉塞ピクセルの量、分解能、および焦点)を画質の単一の全体的測定値に定量化し得る。
【0117】
ある場合には、パースペクティブ補正が、眼画像に適用されることができる(例えば、イメージングカメラと眼との間のパースペクティブの効果を低減させるため)。例えば、眼画像は、眼がある角度からではなくまっすぐに視認されているように見えるようにパースペクティブ補正されることができる。パースペクティブ補正は、眼の画像の品質を改良することができ、ある場合には、品質メトリックは、パースペクティブ補正された眼画像から計算される。
【0118】
これらの実施例から分かるように、バイオメトリックアプリケーション閾値は、調節眼画像の画質とバイオメトリックアプリケーションにおけるその眼画像の後続利用を関連させることができる。例えば、バイオメトリックアプリケーション閾値に合格する調節眼画像は、バイオメトリックアプリケーションにおいて利用されてもよい一方、バイオメトリックアプリケーション閾値に合格しない調節眼画像は、利用されないであろう。例えば、バイオメトリックアプリケーション閾値を合格した調節眼画像を用いて、調節眼画像は、バイオメトリックアプリケーションにおいて利用されてもよく、例えば、バイオメトリックデータ操作を眼画像のセット上で実施し、バイオメトリック情報を取得する。または別の実施例として、バイオメトリックアプリケーションは、調節眼画像に基づいて、姿勢推定または虹彩コード生成を実施してもよい。任意のそのようなバイオメトリックアプリケーション技法は、本明細書に説明される技法およびシステムと併用されることができる。例えば、
図8において上記に説明されるように、ルーチン800は、そのような眼画像を処理し、それらがバイオメトリックアプリケーション閾値に合格するかどうかと、そのような画像をバイオメトリックアプリケーション(例えば、個人の識別)において利用するべきかどうかとを判定するための例示的フローを描写する。
【0119】
(例示的実施形態)
本明細書に説明される青色光調節技法は、電子ディスプレイまたは任意のウェアラブルディスプレイシステムに適用されることができる。青色光調節技法は、眼の画像を処理するための単一プロセスおよび/または方法論として併せて見なされ得る。
【0120】
故に、少なくとも以下の実施形態が、検討される。
【0121】
(1)眼の画像を撮影する、カメラを備える、装置。カメラは、デジタルカメラであることができる。本装置はさらに、青色光のレベルを調節するために協働する、ディスプレイと、処理システムとを備える。
【0122】
(2)(a)ディスプレイの増加した大面積が、青色ピクセルに変換される、または(b)(2)ディスプレイの全てのピクセルが、その既存の色から青色に向かって偏移される、(1)に記載の実施形態。
【0123】
(2)(a)および(2)(b)が、連続して、または同時の組み合わせの一部として、実施されることができる、技法。
【0124】
(3)処理システムは、ユーザの瞳孔膨張状態を明示的に制御する手段として、青色光を制御する、(1)または(2)のいずれかに記載の実施形態。
【0125】
(4)処理システムは、瞳孔膨張状態が測定されるにつれてフィードバック制御を含み(例えば、虹彩コード抽出のために使用されている、同一カメラからの画像を分析することによって)、標的平衡状態が達成されるまで、青色光レベルを調節する、(1)−(3)のいずれかに記載の実施形態。例えば、眼画像は、虹彩コード抽出のために利用可能なカメラから分析されてもよい。
【0126】
(5)処理システムは、高度な信頼度が虹彩コード構造内に必要とされることを識別する、(1)−(4)のいずれかに記載の実施形態。例えば、高度な信頼度は、バイオメトリックシステムにおけるオリジナル登録のため、または金融取引が行われているときに必要とされ得る。すなわち、バイオメトリックシステムにおけるオリジナル登録またはそのような金融取引のための信頼度は、信頼度閾値に合格する。
【0127】
(6)処理システムは、ユーザの識別を照合する手段として、瞳孔応答または最大膨張状態(または両方)を測定する、(1)−(5)のいずれかに記載の実施形態。
【0128】
(7)処理システムは、(a)最大および最小膨張半径、瞳孔応答遅延、および光レベルが上昇または下降されるとき、瞳孔の順応曲線を特性評価する2つのパラメータを含む、5つのパラメータの測定に関して、瞳孔応答を測定し、(b)生存しているヒトが虹彩識別システムの対象であることを照合する手段として、5つのパラメータがヒト対象の可能性の範囲内であることを照合する、(1)−(6)のいずれかに記載の実施形態。
【0129】
(8)処理システムは、識別の手段として、5つのパラメータを使用する、(1)−(7)のいずれかに記載の実施形態。
【0130】
(9)処理システムは、照明の変化後、時間の関数としてそれが適合するにつれた瞳孔の挙動を含む、瞳孔の挙動をモデル化する、(1)−(8)のいずれかに記載の実施形態。
【0131】
(10)処理システムは、瞳孔の挙動に関するモデルのパラメータを識別する、(1)−(9)のいずれかに記載の実施形態。
【0132】
(11)処理システムは、ヒト個人の眼毎に、瞳孔の挙動に関してモデルの識別されたパラメータを計算する、(1)−(10)のいずれかに記載の実施形態。
【0133】
(12)処理システムは、生存している人物と死亡している人物を区別する手段として、瞳孔光反射(例えば、瞳孔応答)を使用する、(1)−(11)のいずれかに記載の実施形態。
【0134】
(13)処理システムは、意識不明、睡眠中、疲労した、酩酊している、または別様に、反射もしくは認知能力を損なわせる物質の影響下にある人物を識別する手段として、瞳孔光反射(例えば、瞳孔応答)を使用する、(1)−(12)のいずれかに記載の実施形態。
【0135】
付加的側面
第1の側面では、可変レベルの青色光をユーザの眼に投影するように構成される、頭部搭載型ディスプレイシステムが、開示される。ディスプレイシステムは、ユーザの頭部上に装着可能であるように構成される、フレームと、少なくとも青色光をユーザの眼の中に投影し、非青色光の強度に対する青色光の強度を修正するように構成される、ディスプレイと、ディスプレイが光を非青色光に対する青色光の強度の第1の比率で眼の中に投影する間、眼の第1の画像を捕捉するように構成され、ディスプレイが第1の比率と異なる非青色光に対する青色光の強度の第2の比率を眼の中に投影する間、眼の第2の画像を捕捉するように構成される、カメラと、カメラからの画像を分析し、基準画像と検査画像との間の瞳孔パラメータの変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定することと、少なくとも部分的に、判定された変化に基づいて、ディスプレイに、非青色光に対する青色光の強度の比率を修正するように命令することと、第2の画像と第1の画像との間の瞳孔パラメータの変化がヒト個人のバイオメトリック特性に合致することを判定することと、ヒト個人の識別を判定することとを行うようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える。
【0136】
第2の側面では、ディスプレイは、走査ファイバプロジェクタを備える、側面1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0137】
第3の側面では、ハードウェアプロセッサは、個人の識別がシステムアプリケーションを使用することが認可された個人の識別に合致しない場合、システムアプリケーションへのアクセスを制限するようにプログラムされる、側面1または側面2に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0138】
第4の側面では、システムアプリケーションは、複数の深度にあるかのように画像を表示するステップを含む、側面3に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0139】
第5の側面では、ディスプレイは、光の強度を約445nm〜525nmの波長範囲内に修正するように構成される、側面1−4のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0140】
第6の側面では、ディスプレイは、10msより長い時間にわたって青色光を点滅させることによって、非青色光に対する青色光の強度の第2の比率を増加させるように構成される、側面1−5のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0141】
第7の側面では、ディスプレイは、光を2つまたはそれを上回る色で投影するように構成される、側面1−6のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0142】
第8の側面では、ディスプレイは、ユーザから複数の深度にあるかのようにコンテンツを表示するように構成される、側面1−7のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0143】
第9の側面では、ディスプレイは、複数のスタックされた導波管を備える、側面1−8のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0144】
第10の側面では、非青色光に対する青色光の強度を修正するようにディスプレイに命令するために、ハードウェアプロセッサは、画像投入デバイスに、複数のスタックされた導波管の対応するスタックされた導波管の中に投入される青色光の割合を増加させるように命令するようにプログラムされる、側面1−9のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0145】
第11の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、個々のバイオメトリックモデルを形成するように構成され、該バイオメトリックモデルは、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率に対する瞳孔応答の第1の立ち上がり時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率に対する瞳孔応答の第1の減衰時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率に対する瞳孔応答の第1の遅延時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率に対する瞳孔応答の第1の立ち上がり曲線、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率に対する瞳孔応答の第1の減衰曲線、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の第2の立ち上がり時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の第2の減衰時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の第2の遅延時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の第2の立ち上がり曲線、または非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の第2の減衰曲線のうちの少なくとも1つを備える、側面1−10のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0146】
第12の側面では、ハードウェアプロセッサは、瞳孔パラメータの変化に基づいて、認知負荷スコアを計算するようにプログラムされる、側面1−11のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0147】
第13の側面では、瞳孔パラメータの変化は、増加された瞳孔半径を含む、側面1−12のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0148】
第14の側面では、ハードウェアプロセッサは、頭部搭載型ディスプレイシステムを装着している個人の瞳孔パラメータの現在の変化を判定することと、瞳孔パラメータの現在の変化と個人のバイオメトリックモデルの瞳孔パラメータのモデル化された変化とを相関させ、認知負荷瞳孔応答を生成することであって、モデル化された変化は、通常認知負荷下における瞳孔パラメータの変化を含む、ことと、認知負荷瞳孔応答に基づいて、認知負荷のレベルを判定することとを行うようにプログラムされる、側面1−13のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0149】
第15の側面では、コンピューティングハードウェアに結合されるカメラを備える、ウェアラブルディスプレイシステムを使用して、ヒト個人を識別するための方法であって、ウェアラブルディスプレイシステムは、光を眼の中に指向するように構成される、導波管のスタックを備える、方法が、開示される。本方法は、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率を備える基準光を眼の中に指向するステップと、カメラを使用して、基準光が眼の中に指向される間、眼の第1の画像を捕捉するステップと、第1の比率と異なる非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率を備える修正された光を眼の中に指向するステップと、カメラを使用して、修正された光が眼の中に指向される間、眼の第2の画像を捕捉するステップと、第1の画像と第2の画像との間の眼の瞳孔パラメータの変化を検出するステップと、瞳孔パラメータの検出された変化がヒト個人のバイオメトリック特性に合致することを判定するステップと、ヒト個人を識別するステップとを含む。
【0150】
第16の側面では、瞳孔パラメータの検出された変化に基づいて、システムアプリケーションへのアクセスを可能にするステップをさらに含む、側面15に記載の方法。
【0151】
第17の側面では、瞳孔パラメータの検出された変化に基づいて、システムアプリケーションへのアクセスを可能にするステップは、認知負荷を判定するステップ、眼姿勢を推定するステップ、虹彩コードを生成するステップ、または感情応答を判定するステップのうちの少なくとも1つを含む、側面16または側面15に記載の方法。
【0152】
第18の側面では、瞳孔パラメータは、瞳孔の最大半径、瞳孔の最小半径、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の立ち上がり時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の減衰時間、または非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の遅延時間のうちの少なくとも1つを含む、側面15−17のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
第19の側面では、瞳孔パラメータの検出された変化が、意識不明のヒト個人、睡眠中の個人、疲労した個人、酩酊した個人、または認知能力を損なわせる物質の影響下にある個人のうちの少なくとも1つの瞳孔パラメータの変化に合致することを判定するステップをさらに含む、側面15−18のいずれか1項に記載の方法。
【0154】
第20の側面では、第2の画像から測定された画質メトリックが画質閾値を超えることを判定するステップをさらに含み、画質メトリックは、眼の一部と眼瞼との間の距離を含む、側面15−19のいずれか1項に記載の方法。
【0155】
第21の側面では、可変レベルの青色光をユーザの眼に投影するように構成される、頭部搭載型ディスプレイシステムが、開示される。ディスプレイシステムは、ユーザの頭部上に装着可能であるように構成される、フレームと、少なくとも青色光をユーザの眼の中に投影し、非青色光の強度に対する青色光の強度を修正するように構成される、ディスプレイと、ディスプレイが光を非青色光に対する青色光の強度の第1の比率で眼の中に投影する間、眼の第1の画像を捕捉するように構成され、ディスプレイが第1の比率と異なる非青色光に対する青色光の強度の第2の比率を眼の中に投影する間、眼の第2の画像を捕捉するように構成される、カメラと、カメラからの画像を分析し、第2の画像と第1の画像との間の瞳孔パラメータの変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格するかどうかを判定することと、少なくとも部分的に、判定された変化に基づいて、ディスプレイに、非青色光に対する青色光の強度の比率を修正するように命令することと、第2の画像と第1の画像との間の瞳孔パラメータの変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定することと、判定に応答して、バイオメトリックアプリケーションを実施することとを行うようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える。
【0156】
第22の側面では、ディスプレイは、光の強度を約445nm〜525nmの波長範囲内に修正するように構成される、側面21に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0157】
第23の側面では、ハードウェアプロセッサは、第1の画像の間の青色光を投影するディスプレイのピクセルの数を第2の画像の間の青色光を投影するディスプレイのピクセルの数に対して増加させるようにプログラムされる、側面21または側面22に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0158】
第24の側面では、ディスプレイは、ユーザから複数の深度にあるかのようにコンテンツを表示するように構成される、側面21−23のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0159】
第25の側面では、ディスプレイは、走査ファイバプロジェクタを備える、側面21−24のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0160】
第26の側面では、ディスプレイは、ライトフィールド画像をユーザに提示するように構成される、側面21−25のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0161】
第27の側面では、システムは、複数のスタックされた導波管を備える、側面21−26のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0162】
第28の側面では、非青色光に対する青色光の強度を修正するようにディスプレイに命令するために、ハードウェアプロセッサは、画像投入デバイスに、複数のスタックされた導波管の対応するスタックされた導波管の中に投入される青色光の比率を増加させるように命令するようにプログラムされる、側面21−27のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0163】
第29の側面では、瞳孔パラメータは、瞳孔の最大半径、瞳孔の最小半径、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の立ち上がり時間、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の減衰時間、または非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の遅延時間のうちの少なくとも1つを含む、側面21−28のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0164】
第30の側面では、瞳孔パラメータは、瞳孔の円周を備える、側面21−29のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0165】
第31の側面では、瞳孔パラメータの変化は、非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の立ち上がり時間に関する立ち上がり曲線または非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率に対する瞳孔応答の減衰時間に関する減衰曲線のうちの少なくとも1つを備える、側面21−30のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0166】
第32の側面では、バイオメトリックアプリケーションは、虹彩コードを生成するステップ、認知応答を判定するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムへのアクセスを認可するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムのユーザを識別するステップ、判定された瞳孔応答と関連付けられた個人と関連付けられた情報を表示するステップ、または頭部搭載型ディスプレイシステムのユーザの生理学的状態を判定するステップのうちの少なくとも1つを含む、側面21−31のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0167】
第33の側面では、ハードウェアプロセッサは、頭部搭載型ディスプレイシステムのためのソフトウェアの起動の間、青色光の強度が変化する画像を提示するようにプログラムされる、側面21−32のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0168】
第34の側面では、ハードウェアプロセッサは、ソフトウェアの起動の間、瞳孔パラメータの変化を測定し、バイオメトリック識別アクションを実施するようにプログラムされる、側面33に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0169】
第35の側面では、バイオメトリック識別アクションを実施するステップは、ディスプレイシステムのユーザを識別するステップ、ディスプレイシステムのユーザが生存している個人であることを判定するステップ、ディスプレイシステムのユーザがディスプレイシステムを使用することが認可されていることを判定するステップ、または瞳孔パラメータの測定された変化を有する個人と関連付けられた情報を表示するステップのうちの少なくとも1つを含む、側面34に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0170】
第36の側面では、コンピューティングハードウェアに結合されるカメラを備える、ウェアラブルディスプレイシステムを使用して、ヒト個人を識別するための方法であって、ウェアラブルディスプレイシステムは、光を眼の中に指向するように構成される、導波管のスタックを備える、方法が、開示される。本方法は、非青色光の強度に対する青色光の強度の第1の比率を備える基準光を眼の中に指向するステップと、カメラを使用して、基準光が眼の中に指向されている間、眼の第1の画像を捕捉するステップと、第1の比率と異なる非青色光の強度に対する青色光の強度の第2の比率を備える修正された光を眼の中に指向するステップと、カメラを使用して、修正された光が眼の中に指向されている間、眼の第2の画像を捕捉するステップと、第2の画像と第1の画像との間の眼の瞳孔パラメータの変化を検出するステップと、瞳孔パラメータの検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定するステップと、バイオメトリックアプリケーションを実施するステップとを含む。
【0171】
第37の側面では、修正された光を眼の中に指向するステップは、基準光に対する青色光の強度を増加させるステップを含む、側面36に記載の方法。
【0172】
第38の側面では、青色光の強度を増加させるステップは、10msより長い時間にわたって青色光を点滅させるステップを含む、側面36または側面37に記載の方法。
【0173】
第39の側面では、第2の画像と第1の画像との間の眼の瞳孔パラメータの変化を検出するステップは、第1の画像の瞳孔半径と第2の画像の瞳孔半径を比較するステップを含み、瞳孔パラメータの検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定するステップは、瞳孔半径の差異がバイオメトリックアプリケーション閾値を超えることを判定するステップを含む、側面36−38のいずれか1項に記載の方法。
【0174】
第40の側面では、第1の画像から測定された画質メトリックが画質閾値を超えることを判定するステップをさらに含み、画質メトリックは、眼の一部と眼瞼との間の距離を備える、側面36−40のいずれか1項に記載の方法。
【0175】
第41の側面では、眼に暴露される青色光のレベルを調節するための方法が、開示される。本方法は、コンピューティングハードウェアの制御下で、画像捕捉デバイスによって取得される初期眼画像を受信するステップと、初期眼画像と関連付けられた眼に暴露される青色光のレベルを調節するステップと、調節されたレベルの青色光に暴露される眼の調節眼画像を受信するステップと、初期眼画像に対する調節眼画像の瞳孔応答の変化を検出するステップと、瞳孔応答の検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定するステップと、バイオメトリックアプリケーションを実施するステップとを含む。
【0176】
第42の側面では、眼に暴露される青色光のレベルを調節するステップは、青色光のレベルを増加させるステップを含む、側面41に記載の方法。
【0177】
第43の側面では、青色光のレベルを増加させるステップは、ある時間期間にわたって青色光を点滅させるステップ、ある時間期間にわたって青色光をパルシングするステップ、青色ピクセルに対するディスプレイの面積を増加させるステップ、ディスプレイの表示されるピクセルを増加された青色値に偏移させるステップ、またはディスプレイ内の青色ピクセルの量を増加させるステップのうちの少なくとも1つに対応する、側面41または側面42に記載の方法。
【0178】
第44の側面では、初期眼画像に対して調節眼画像の瞳孔応答の変化を検出するステップは、調節眼画像の瞳孔半径と初期眼画像の瞳孔半径を比較するステップを含む、側面41−43のいずれか1項に記載の方法。
【0179】
第45の側面では、瞳孔応答の検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定するステップは、瞳孔半径の差異がバイオメトリックアプリケーション閾値を超えることを判定するステップを含み、バイオメトリックアプリケーション閾値は、瞳孔半径の差異と画質メトリックを関連付ける、側面44に記載の方法。
【0180】
第46の側面では、画質メトリックは、眼瞬目、グレア、焦点ぼけ、分解能、閉塞ピクセル、非閉塞ピクセル、雑音、アーチファクト、またはぼけのうちの1つまたはそれを上回るものに関連する測定値を含む、側面41−45のいずれか1項に記載の方法。
【0181】
第47の側面では、バイオメトリックアプリケーションを実施するステップは、認知負荷を判定するステップまたは感情応答を判定するステップを含む、側面41−46のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
第48の側面では、バイオメトリックアプリケーションを実施するステップは、眼姿勢を推定するステップまたは虹彩コードを生成するステップを含む、側面41−47のいずれか1項に記載の方法。
【0183】
第49の側面では、青色光のレベルを調節するステップは、眼の標的平衡状態に到達するまで、フィードバックループにおいて実施される、側面41−48のいずれか1項に記載の方法。
【0184】
第50の側面では、側面41−49のいずれか1項に記載の方法を実施するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサ。
【0185】
第51の側面では、バイオメトリックアプリケーションを実施するためのウェアラブルディスプレイシステムが、開示される。ウェアラブルディスプレイシステムは、側面50に記載のハードウェアプロセッサと、ウェアラブルディスプレイシステムの装着者の眼画像をハードウェアプロセッサに伝送するように構成される、画像デバイスとを備える。
【0186】
第52の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、側面41−49のいずれか1項に記載の方法を実施し、眼に暴露される青色光のレベルを調節するようにプログラムされる、側面51に記載のウェアラブルディスプレイシステム。
【0187】
第53の側面では、ディスプレイと、眼の画像を捕捉するように構成される、画像捕捉デバイスと、青色光のレベルを調節し、バイオメトリックアプリケーションを実施するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0188】
第54の側面では、青色光のレベルを調節するステップは、光を445nm〜525nmの波長範囲内に調節するステップを含む、側面53に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0189】
第55の側面では、青色光のレベルを調節するために、ハードウェアプロセッサは、ディスプレイのピクセルを調節し、他の色値に対してピクセルの青色値を増加させるようにプログラムされる、側面53または側面54に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0190】
第56の側面では、ディスプレイは、複数の深度平面を装着者に提示するように構成される、側面53−55のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0191】
第57の側面では、ディスプレイは、ライトフィールド画像を装着者に提示するように構成される、側面53−56のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0192】
第58の側面では、ディスプレイは、複数のスタックされた導波管を備える、側面53−57のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0193】
第59の側面では、青色光のレベルを調節するために、ハードウェアプロセッサは、画像投入デバイスを調節し、複数のスタックされた導波管の対応するスタックされた導波管の中に投入される青色光のレベルを増加させるようにプログラムされる、側面53−58のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0194】
第60の側面では、ハードウェアプロセッサは、調節されたレベルの青色光に暴露される眼の瞳孔応答を測定するようにプログラムされる、側面53−59のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0195】
第61の側面では、瞳孔応答は、瞳孔の最大半径、瞳孔の最小半径、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の減衰時間、または調節されたレベルの青色光に対する遅延時間を備える、側面53−60のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0196】
第62の側面では、瞳孔応答は、瞳孔の円周を備える、側面53−61のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0197】
第63の側面では、瞳孔応答は、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の立ち上がり時間に関する立ち上がり曲線または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の減衰時間に関する減衰曲線を含む、側面53−62のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0198】
第64の側面では、バイオメトリックアプリケーションは、虹彩コードを生成するステップ、認知応答を判定するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムへのアクセスを認可するステップ、頭部搭載型ディスプレイシステムの装着者を識別するステップ、判定された瞳孔応答と関連付けられた個人と関連付けられた情報を表示するステップ、または頭部搭載型ディスプレイシステムの装着者の生理学的状態を判定するステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、側面53−63のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0199】
第65の側面では、ハードウェアプロセッサは、頭部搭載型ディスプレイシステムのための起動の間、起動の間の青色光のレベルを変化させる画像を提示するようにプログラムされる、側面53−64のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0200】
第66の側面では、ハードウェアプロセッサは、起動の間、瞳孔応答を測定し、バイオメトリック識別アクションを実施するようにプログラムされる、側面65に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0201】
第67の側面では、バイオメトリック識別アクションは、ディスプレイシステムの装着者の識別、ディスプレイシステムの装着者が生存している個人であることの判定、ディスプレイシステムの装着者がディスプレイシステムを使用することが認可されていることの判定、または測定された瞳孔応答を有する個人と関連付けられた情報の表示を含む、側面66に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0202】
第68の側面では、ヒト個人を識別するための方法が、開示される。本方法は、コンピューティングハードウェアの制御下で、青色光のレベルを調節するステップと、調節されたレベルの青色光に暴露される眼の眼画像を受信するステップと、受信された眼画像と基準画像の比較によって、瞳孔応答の変化を検出するステップと、瞳孔応答がヒト個人のバイオメトリック特性に対応することを判定するステップと、瞳孔応答判定に基づいて、バイオメトリックアプリケーションへのアクセスを可能にするステップとを含む。
【0203】
第69の側面では、調節されたレベルの青色光に暴露される眼の瞳孔応答を測定するステップをさらに含む、側面68に記載の方法。
【0204】
第70の側面では、測定された瞳孔応答は、瞳孔の最大半径、瞳孔の最小半径、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、または調節されたレベルの青色光に対する遅延時間を含む、側面68または側面69に記載の方法。
【0205】
第71の側面では、瞳孔応答曲線は、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の立ち上がり時間に関する立ち上がり曲線または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答の減衰時間に関する減衰曲線を含む、側面68−70のいずれか1項に記載の方法。
【0206】
第72の側面では、ヒト個人のバイオメトリック特性は、バイオメトリックデータベース内の個人の特性に対応する、側面68−71のいずれか1項に記載の方法。
【0207】
第73の側面では、瞳孔応答がヒト個人のバイオメトリック特性に対応することを判定するステップは、瞳孔応答が生存しているヒト個人に対応することを判定するステップを含む、側面68−72のいずれか1項に記載の方法。
【0208】
第74の側面では、瞳孔応答が、意識不明のヒト個人、睡眠中の個人、疲労した個人、酩酊した個人、反射または認知能力を損なわせる物質の影響下にある個人、または対応するレベルの認知負荷を被っている個人に対応するかどうかを判定するステップをさらに含む、側面68−73のいずれか1項に記載の方法。
【0209】
第75の側面では、バイオメトリックデータベースは、複数の個人データ記録を備え、各個人データ記録は、個人と関連付けられた少なくとも1つのバイオメトリック特性を含む、側面68−74のいずれか1項に記載の方法。
【0210】
第76の側面では、瞳孔の最大半径、瞳孔の最小半径、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する減衰時間、または調節されたレベルの青色光に対する遅延時間のうちの少なくとも1つを含む、個々のバイオメトリックモデルを形成するステップをさらに含む、側面68−75のいずれか1項に記載の方法。
【0211】
第77の側面では、眼に暴露される青色光のレベルを調節するステップは、青色光のレベルを増加させるステップを含む、側面68−76のいずれか1項に記載の方法。
【0212】
第78の側面では、青色光のレベルを増加させるステップは、ある時間期間にわたって青色光を点滅させるステップ、ある時間期間にわたって青色光をパルシングするステップ、青色ピクセルに対するディスプレイの面積を増加させるステップ、ディスプレイの表示されるピクセルを増加された青色値に偏移させるステップ、またはディスプレイ内の青色ピクセルの量を増加させるステップのうちの少なくとも1つに対応する、側面68−77のいずれか1項に記載の方法。
【0213】
第79の側面では、初期眼画像に対して調節眼画像の瞳孔応答の変化を検出するステップは、調節眼画像の虹彩半径と初期眼画像の虹彩半径を比較するステップを含む、側面68−78のいずれか1項に記載の方法。
【0214】
第80の側面では、瞳孔応答の検出された変化がバイオメトリックアプリケーション閾値に合格することを判定するステップは、虹彩半径の差異がバイオメトリックアプリケーション閾値を超えることを判定することを含み、バイオメトリックアプリケーション閾値は、虹彩半径の差異と画質メトリックを関連付ける、側面68−79のいずれか1項に記載の方法。
【0215】
第81の側面では、画質メトリックは、眼瞬目、グレア、焦点ぼけ、分解能、閉塞ピクセル、非閉塞ピクセル、雑音、アーチファクト、またはぼけのうちの1つまたはそれを上回るものに関連する測定値を含む、側面68−80のいずれか1項に記載の方法。
【0216】
第82の側面では、バイオメトリックアプリケーションを可能にするステップは、認知負荷を判定するステップまたは感情応答を判定するステップを含む、側面68−81のいずれか1項に記載の方法。
【0217】
第83の側面では、バイオメトリックアプリケーションを可能にするステップは、眼姿勢を推定するステップまたは虹彩コードを生成するステップを含む、側面68−82のいずれか1項に記載の方法。
【0218】
第84の側面では、本方法は、虹彩識別システムによって実施される、側面68−83のいずれか1項に記載の方法。
【0219】
第85の側面では、側面68−84のいずれか1項に記載の方法を実施するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサ。
【0220】
第86の側面では、バイオメトリックアプリケーションを実施するためのウェアラブルディスプレイシステムであって、側面85に記載のハードウェアプロセッサと、ウェアラブルディスプレイシステムの装着者の眼画像をハードウェアプロセッサに伝送するように構成される、画像デバイスとを備える、ウェアラブルディスプレイシステム。
【0221】
第87の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、側面68−83のいずれか1項に記載の方法を実施し、眼に暴露される青色光のレベルを調節するようにプログラムされる、側面86に記載のウェアラブルディスプレイシステム。
【0222】
第88の側面では、ディスプレイと、眼の画像を捕捉するように構成される、画像捕捉デバイスと、青色光のレベルを調節し、バイオメトリックアプリケーションを実施するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0223】
第89の側面では、青色光のレベルを調節するために、ハードウェアプロセッサは、光を445nm〜525nmの波長範囲内に調節するようにプログラムされる、側面88に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0224】
第90の側面では、青色光のレベルを調節するために、ハードウェアプロセッサは、ディスプレイのピクセルを調節し、ピクセルの青色値を増加させるようにプログラムされる、側面88または側面89に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0225】
第91の側面では、ディスプレイは、複数の深度平面を装着者に提示するように構成される、側面88−90のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0226】
第92の側面では、ディスプレイは、ライトフィールド画像を装着者に提示するように構成される、側面88−91のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0227】
第93の側面では、ディスプレイは、複数のスタックされた導波管を備える、側面88−92のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0228】
第94の側面では、青色光のレベルを調節するために、ハードウェアプロセッサは、画像投入デバイスを調節し、複数のスタックされた導波管の対応するスタックされた導波管の中に投入される青色光のレベルを増加させるようにプログラムされる、側面88−93のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0229】
第95の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、眼画像を通常光条件下で取得し、眼画像を調節されたレベルの青色光下で取得するようにプログラムされる、側面88−94のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0230】
第96の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、増加されたレベルの通常光条件に対する瞳孔応答曲線に関する第1の立ち上がり時間、減少されたレベルの通常光条件に対する瞳孔応答曲線に関する第1の減衰時間、増加されたレベルの通常光条件に対する第1の遅延時間、第1の立ち上がり時間に関する第1の立ち上がり曲線、第1の減衰時間に関する第1の減衰曲線、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する第2の立ち上がり時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線に関する第2の減衰時間、調節されたレベルの青色光に対する第2の遅延時間、調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の第2の立ち上がり曲線部分、または調節されたレベルの青色光に対する瞳孔応答曲線の第2の減衰曲線部分のうちの少なくとも1つを含む、個々のバイオメトリックモデルを形成するようにプログラムされる、側面88−95のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0231】
第97の側面では、ハードウェアプロセッサは、認知負荷を被っている間、頭部搭載型ディスプレイシステムを利用している個人に関する眼画像を取得するようにプログラムされる、側面88−96のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0232】
第98の側面では、ハードウェアプロセッサは、認知負荷を被っている間、頭部搭載型ディスプレイを利用している個人に関する瞳孔応答の変化を検出するようにプログラムされる、側面97に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0233】
第99の側面では、ハードウェアプロセッサは、瞳孔応答の検出された変化と認知負荷スコアとを相関させるようにプログラムされる、側面97−98のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0234】
第100の側面では、瞳孔応答の検出された変化は、通常照明条件下の瞳孔半径に対して増加された瞳孔半径に対応する、側面99に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0235】
第101の側面では、ハードウェアプロセッサは、頭部搭載型ディスプレイシステムを利用している個人の現在の瞳孔応答を判定することと、現在の瞳孔応答と個々のバイオメトリックモデルとを相関させ、認知負荷瞳孔応答を生成することであって、個々のバイオメトリックモデルは、通常認知負荷下の瞳孔応答を含む、ことと、認知負荷瞳孔応答に基づいて、認知負荷のレベルを判定することとを行うようにプログラムされる、側面97−100のうちのいずれか1項に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0236】
(結論)
本明細書に説明される、ならびに/または添付される図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つまたはそれを上回る物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/もしくは電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全もしくは部分的に自動化され得る。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされ得る、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、または解釈されるプログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0237】
さらに、本開示の機能性のある実装は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つもしくはそれを上回る物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量もしくは複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0238】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、無作為アクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性もしくは不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログもしくはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一もしくは多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットもしくはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的もしくは別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0239】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、もしくは機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理もしくは算術)またはステップを実装するための1つもしくはそれを上回る実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、追加される、削除される、修正される、または別様に本明細書に提供される例証的実施例から変更されることができる。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムもしくはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、任意の特定のシーケンスに限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行に、またはある他の様式で実施されることができる。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそれから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証を目的とし、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。多くの実装のバリエーションが、可能である。
【0240】
本プロセス、方法、およびシステムは、ネットワーク(または分散)コンピューティング環境において実装され得る。ネットワーク環境は、企業全体コンピュータネットワーク、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、クラウドコンピューティングネットワーク、クラウドソースコンピューティングネットワーク、インターネット、およびワールドワイドウェブを含む。ネットワークは、有線もしくは無線ネットワークまたは任意の他のタイプの通信ネットワークであり得る。
【0241】
本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されない。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。本開示に説明される実装の種々の修正が、当業者に容易に明白であり得、本明細書に定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用され得る。したがって、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0242】
別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装における組み合わせにおいて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実装において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたはそれを上回る特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせのバリエーションを対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要もしくは必須ではない。
【0243】
とりわけ、「〜できる(can)」、「〜し得る(could)」、「〜し得る(might)」、「〜し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/もしくはステップが、1つもしくはそれを上回る実施形態に対していかようにも要求されること、または1つもしくはそれを上回る実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/もしくはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、もしくは実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「〜を備える」、「〜を含む」、「〜を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つまたはそれを上回る」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。
【0244】
本明細書で使用されるように、項目のリスト「〜のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。ある実施例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在するように要求することを示唆することを意図されない。
【0245】
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、もしくは連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つまたはそれを上回る例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つまたはそれを上回る付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。