特開2021-183323(P2021-183323A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-183323(P2021-183323A)
(43)【公開日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】遊星式3軸ミキサー
(51)【国際特許分類】
   B01F 7/30 20060101AFI20211105BHJP
   B01F 7/32 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   B01F7/30 Z
   B01F7/32
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-81417(P2021-81417)
(22)【出願日】2021年5月13日
(31)【優先権主張番号】109205921
(32)【優先日】2020年5月14日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521205869
【氏名又は名称】弘▲ぎょく▼機械工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】呂,洞明
【テーマコード(参考)】
4G078
【Fターム(参考)】
4G078AA02
4G078AA04
4G078BA05
4G078CA01
4G078CA12
4G078DA16
4G078DA19
4G078DB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】交互に接する際のギャップが小さく、押出し・せん断が容易で効率的に分散する効果を備える遊星式3軸ミキサーを提供する。
【解決手段】ベース2と、公転ユニット3と、3セットの攪拌ユニット4とを含む遊星式3軸ミキサーであり、公転ユニットはベースに設置され、かつ駆動モジュール21に接続されている。攪拌ユニットは、公転ユニットにそれぞれ接続され、上辺部41と下辺部42と側辺部43とをそれぞれ有し、側辺部に側辺角がそれぞれ形成されている。側辺部は、最大内角が120度以下、最小内角が70〜78度の鏡面対称六角形を有する断面形状にするように形成され、さらに、各攪拌ユニットの上辺部は、軸心をそれぞれ有し、かつ軸心の間には軸心距離が形成され、上辺部の長さは軸心距離よりも長い。そして、側辺角の角度の設計により、攪拌ユニットにおいて隣接する側辺部は互いに衝突することなく最小距離で交互に接しながら通過できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モジュールが設けられたベースと、
前記ベースに設置され、前記駆動モジュールに接続された公転ユニットと、
前記公転ユニットに接続され、上辺部と下辺部とをそれぞれ有し、前記上辺部および前記下辺部の両端を、最大内角が120度以下、最小内角が70〜78度の鏡面対称六角形を有する断面形状に形成された側辺部でそれぞれ延在して接続した3セットの攪拌ユニットと、を含み、
前記攪拌ユニットの前記上辺部は、軸心をそれぞれ有し、かつ、前記上辺部の長さは、隣接する前記攪拌ユニットの軸心間の距離よりも長く、
前記攪拌ユニットは、いずれも公転すると同時に各前記軸心をそれぞれ中心として自転し、
前記上辺部と前記下辺部とは、投影面で交わってX字になるように配置され、
前記側辺部は、最大内角が120度以下、最小内角が70〜78度の鏡面対称六角形を有する断面形状にするように形成され、
前記鏡面対称六角形の最大横長さ(L)、最大縦幅(W)、および最小辺長(N)は、次の関係に満たすことを特徴とする遊星式3軸ミキサー。
6:5≦L:W≦7:5(1)
15:5≦L:N≦40:5(2)
【請求項2】
前記ベースは、リフトモジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項3】
前記公転ユニットは、前記攪拌ユニットの軸心にそれぞれ接続された3本の駆動シャフトを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項4】
攪拌ドラムをさらに有し、前記攪拌ドラム内に攪拌タンクが形成され、前記攪拌ユニットが前記攪拌タンク内に収容されている、ことを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項5】
前記攪拌ユニットの側辺部の間に出会うスペースが形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項6】
前記出会うスペースは三角空間である、ことを特徴とする請求項5に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項7】
前記駆動シャフトは、前記公転ユニットを介して前記駆動モジュールに接続されている、ことを特徴とする請求項3に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項8】
前記攪拌ユニットは、フレーム翼またはプロペラ翼であることを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【請求項9】
前記側辺部の鏡面対称六角形の各頂角は、さらに円弧状として形成されることを特徴とする請求項1に記載の遊星式3軸ミキサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミキサーに関し特に、交互に接する際のギャップが小さく、押出し・せん断が容易で効率的に分散する効果を備える遊星式3軸ミキサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミキサーの種類や用途は使用目的によって異なるが、いずれもドラムを備えており、材料を装填した後、スピンドルに取り付けられた攪拌ブレードで攪拌作業を行い、粉末や材料を均一化にしてから利用するよう構成されている。
少量で材料構造もほとんど変化しない場合、汎用ミキサーは十分に使用できるが、技術の進歩に伴い、粉末や材料の更新、および材料の多様性は以前の状況とは異なり、ミキサーの役割に対する要求は高まり、従来のミキサーは一般的な要求しか満たすことができず、より大量でより細かい分散の要求と、どうすれば同じ時間で一貫した品質の製品を作成する方法については、ユーザーにとって突破口を探さなければならない問題であり、そのため、多軸遊星式ミキサーが開発された。
一般的に、従来の遊星式3軸ミキサーは、主に自公転する3本のアームが交えず6本のらせん線が接する自走式タイプと、自公転する2本のアームが交えて1本のアームが交えずに自走式で4本のらせん線が接するタイプとがあり、そのうち、自公転する3本のアームが交えず6本のらせん線が接する自走式タイプの3本のアームは、同じサイズで交えも重なりもせずにそれぞれ運行するようになり、その大角度の刃先は、2本のアームが交えるときに大きな出会う距離を維持する必要があり、そうでないと、衝突が発生しやすく、溶剤類のような材料であると、火花が容易に発生したり、機械的構造が損傷したりする傾向があり、さらに、大きな出会うスペースを維持する必要があるため、原料粒子が通過する隙間が大きく、分散効率が低下する現象が発生し、出会うスペースが大きいほど、攪拌のデッドスポットが多く、攪拌、混合効果が悪化する。
一方、自公転する2本のアームが交えて1本のアームが交えずに自走式で4本のらせん線が接するタイプの2本のアームは同じサイズで交えて、1本のアームは交えずに運行するようになり、その大角度の刃先は、2本のアームは交えるときに大きな出会う距離を維持する必要があり、そうでないと、衝突が発生しやすく、溶剤類のような材料であると、火花が発生したり機械的構造が損傷したりする傾向があり、さらに、大きな出会うスペースを維持する必要があるため、原料粒子が通過する隙間が大きく、分散効率が低下する現象が発生し、出会うスペースが大きいほど、攪拌のデッドスポットが多く、攪拌、混合効果が悪化する。
【0003】
したがって、前記の従来の問題および欠点をどのように解決するかは、本発明の発明者および当業者が緊迫に研究および改善したい方向である。
【発明の概要】
【0004】
そこで、前記の問題を効果的に解決するために、本発明の主な目的は、交互に接する際のギャップが小さく、押出し・せん断が容易で効率的に分散する効果を備える遊星式3軸ミキサーを提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、攪拌デッドスポットの形成を低減し、混練および混合の効果を改善することができる遊星式3軸ミキサーを提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、攪拌時間を短縮することができ、良好な生産品質効果を有する遊星式3軸ミキサーを提供することにある。
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明は、ベースと、公転ユニットと、3セットの攪拌ユニットとを含む遊星式3軸ミキサーを提供している。前記ベースには駆動モジュールが設けられ、前記公転ユニットは、前記ベースに設置し、前記駆動モジュールに接続され、前記駆動モジュールによって駆動される。さらに、各前記攪拌ユニットは、前記公転ユニットに接続され、上辺部と下辺部とをそれぞれ有し、前記上辺部と前記下辺部との間に延在して接続され、側辺角がそれぞれ形成された2つの側辺部をさらに有し、ここで、前記側辺角の角度は70〜78度であり、さらに、前記各攪拌ユニットの上辺部は、軸心をそれぞれ有し、隣接する前記攪拌ユニットの軸心の間には軸心距離が形成され、前記上辺部の長さは前記軸心距離よりも長い。
そして、前記側辺角の角度の設計により、攪拌ユニットにおいて隣接する側辺部を互いに衝突することなく最小距離で交互に接しながら通過できるため、押出し・せん断が容易で、高効率の分散効果が得られる。さらに、上辺部と軸心距離の長さの設計により、最小の出会うスペースを形成することができ、しかも、攪拌ユニットを攪拌タンクのタンク内壁に狭い隙間で回転させることができ、遊星式3軸ミキサーのデッドスポットの形成を減らし、攪拌・混練効果を向上させると同時に、攪拌時間の短縮と良好な生産品質の効果を実現する。
【0008】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記ベースは、リフトモジュールをさらに備える。
【0009】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記公転ユニットは、前記攪拌ユニットの軸心とそれぞれ接続された3本の駆動シャフトを有する。
【0010】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、攪拌ドラムを有し、前記攪拌ドラム内に攪拌タンクが形成され、前記攪拌ユニットが前記攪拌タンク内に収容されている。
【0011】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記攪拌ユニットの側辺部の間に出会うスペースが形成される。
【0012】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記出会うスペースは三角空間である。
【0013】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記駆動シャフトは、前記公転ユニットを介して前記駆動モジュールに接続されている。
【0014】
本発明の遊星式3軸ミキサーの一実施形態によれば、前記攪拌ユニットは、フレーム翼またはプロペラ翼でよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の遊星式3軸ミキサーの組み合わせの概略図である。
図2図2は、本発明の遊星式3軸ミキサーの別の角度から見た組み合わせの概略図である。
図3図3は、本発明の遊星式3軸ミキサーの部分概略図である。
図4図4は、本発明の遊星式3軸ミキサーの部分配置概略図一である。
図5図5は、本発明の遊星式3軸ミキサーの部分配置概略図二である。
図6図6は、本発明の遊星3軸ミキサーの側面及びそのA−Aラインでの断面形状を表す概略図であり、その中で、図6(A)は、A−Aラインを付記する側面の概略図であり;図6(B)は、図6(A)に示めすA−Aラインでの断面形状の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の前記の目的および構成と機能的特徴は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態によって説明される。
【0017】
まず、図1から図3を参照されたい。図1から図3は、本発明の遊星式3軸ミキサーの組み合わせの概略図、別の角度から見た組み合わせの概略図、および部分概略図である。図から分かるように、遊星式3軸ミキサー1は、ベース2と、公転ユニット3と、3セットの攪拌ユニット4とを含む。
【0018】
ベース2には、駆動モジュール21、リフトモジュール22、および攪拌ドラム23を備えている。攪拌ドラム23内に攪拌タンク231が形成され、駆動モジュール21は、駆動モーターである。また、公転ユニット3は、ベース2に組み立てられ、駆動モジュール21に接続され、公転ユニット3は、攪拌ユニット4とそれぞれ組み立てられた3つの駆動シャフト31を有し、攪拌ユニット4は、フレーム翼またはプロペラ翼でよい。
【0019】
3セットの攪拌ユニット4は、公転ユニット3に接続され、攪拌タンク231に収容され、各攪拌ユニット4は、上辺部41および下辺部42を有し、各攪拌ユニット4は、さらに各側辺部43をそれぞれ有し、各側辺部43の上端は、上辺部41の一端に接続するように延在し、側辺部43の底端は、下辺部42の一端に接続するように延在する。
また、他の側辺部43の上端は、上辺部41の他端部に接続するように延在し、他の側辺部43の底端は、下辺部42の他端部に接続するように延在し、各側辺部43は、それぞれ、側辺角431が形成され、側辺角431の角度(θ)は70〜78度である。各攪拌ユニット4の上辺部41は、それぞれ、駆動モジュール21に接続されるとともに駆動シャフト31に組み立てられた軸心44を有する。隣接する攪拌ユニット4の軸心44間に軸心距離が形成され、上辺部41の長さD1は、軸心距離D2よりも大きい。
【0020】
前述の図面と図4および図5も参照されたい。図4および図5は、本発明の遊星式3軸ミキサーの部分配置概略図一および二である。駆動モジュール21は、一方向に回転させるように公転ユニット3を駆動するとともに、他方向に回転させるように攪拌ユニット4を駆動するが、攪拌ユニット4が回転している間、攪拌ユニット4の各側辺部43の側辺角431の角度(θ)70〜78度の設計によって、これらの攪拌部品4の側辺部43が互いに衝突することなく最小距離で交互に接しながら通過するようにすることで、攪拌タンク231内の原料分子の凝集体が通過可能な隙間が小さく、押出し・せん断が容易になり分散効果が高くなる効果を得られる。
また、上辺部41の長さD1を軸心距離D2よりも大きくすることで、各攪拌ユニット4の側辺部間に出会うスペース441を形成し、出会うスペース441は小さな三角形の空間であり、攪拌ユニット4を攪拌タンク231の内壁に狭い隙間で回転させ、遊星式3軸ミキサー1のデッドスポットの形成を減らし、攪拌・混練効果を向上させると同時に、攪拌時間の短縮と良好な生産品質の効果を実現する。
【0021】
また、混練の均一性および攪拌効果の観点から、側辺部は、三辺対称六角形、等角六角形、正六角形、または鏡面対称六角形のうちいずれかに構成されることは好ましい。より好ましくは、図6(A)および図6(B)に示す鏡面対称六角形に形成される。すなわち、側辺部は、最大内角が120度以下、最小内角が70〜78度の鏡面対称六角形の断面形状として構成されている。さらに、図6(B)に示すように、鏡面対称六角形の最大横長さ(L)、最大縦幅(W)、および最小辺長(N)は、次の関係に満たす。
6:5≦L:W≦7:5(1)
15:5≦L:N≦40:5(2)。
【0022】
また、側辺部の構造強度を向上させ、鋭角割れの発生を回避する観点から、側辺部の鏡面対称六角形の各頂角をさらに円弧状として形成している。例えば、図6(B)に示すように、曲率半径r1およびr2で円弧状を形成することが可能である。
また、滞留遅延時間を短縮し、攪拌効果を高める観点から、円弧の曲率半径r1、r2は、最大横長さ(L)の1/12〜1/8の範囲が好ましい。より好ましくは1/11から1/9の範囲である。 一方、r1とr2は同じでも異なっていてもよい。
以上のように、本発明について詳細に説明されたが、以上に説明されたのは本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の請求範囲に従って行われたすべての同等の変更および補正は、本発明の請求範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0023】
1 遊星式3軸ミキサー
2 ベース
3 公転ユニット
4 攪拌ユニット
21 駆動モジュール
22 リフティングモジュール
23 攪拌ドラム
23 1攪拌タンク
31 駆動シャフト
41 上辺部
42 下辺部
43 側辺部
431 側辺角
44 軸心
441 出会うスペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
【外国語明細書】