【課題】容易に製造し、加工し、製剤することのできる、固体形態の(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールまたは薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を特定すること。
【解決手段】本発明は、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物、ならびにその組成物および治療用途に関する。
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つのピークを含むことを特徴とする、請求項1に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、10.5、および10.7度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所にピークを含むことを特徴とする、請求項2に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所にピークを含むことを特徴とする、請求項2に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、10.5、10.7、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所にピークを含むことを特徴とする、請求項3に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所にピークを含むことを特徴とする、請求項2に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
CuK−アルファ放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、5.8、8.9、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所にピークを含むことを特徴とする、請求項6に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
実質的に純粋な形態である、請求項1から15のいずれか一項に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物であって、「実質的に純粋」が、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物が、他のいずれかの物理形態の(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールまたは薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物に比べて、重量/重量で90%以上存在することを意味する、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩1モルあたり1.0〜1.4モル当量の水が存在する、請求項1から16のいずれか一項に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物。
請求項1から17のいずれか一項に記載の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、本発明の実施形態の詳細な説明ならびに本明細書に含まれる実施例および図を参照することで、より容易に理解することができる。本明細書で使用する専門用語は、詳細な実施形態について述べる目的のものに過ぎず、限定する意図はないと理解される。さらに、本明細書において別段詳細に定義しない限り、本明細書で使用する専門用語には、関連業界で公知のとおりのその伝統的な意味が当てられると理解される。
【0024】
一実施形態では、本発明は、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0025】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0026】
一実施形態では、本発明は、CuKアルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、および10.7度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0027】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0028】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0029】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0030】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、8.9、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0031】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、
図1に示すのと本質的に同じであることを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0032】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、表1にあるのと本質的に同じPXRDピークのリストを有することを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0033】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0034】
一実施形態では、本発明は、約40.1、123.5、および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0035】
一実施形態では、本発明は、約40.1、121.3、123.5、および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0036】
一実施形態では、本発明は、約40.1、121.3、123.5、149.3、および151.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0037】
一実施形態では、本発明は、
図2に示すのと本質的に同じ
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0038】
一実施形態では、本発明は、表2にあるのと本質的に同じ
13C−ssNMRスペクトルピークのリストを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0039】
一実施形態では、本発明は、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0040】
一実施形態では、本発明は、約−129.6および−128.4ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0041】
一実施形態では、本発明は、
図3に示すのと本質的に同じ
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0042】
一実施形態では、本発明は、表3にあるのと本質的に同じ
19F−ssNMRスペクトルピークのリストを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0043】
一実施形態では、本発明は、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0044】
一実施形態では、本発明は、約702、1604、および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0045】
一実施形態では、本発明は、
図4に示すのと本質的に同じFTラマンスペクトルを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0046】
一実施形態では、本発明は、表4にあるのと本質的に同じFTラマンスペクトルピークのリストを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0047】
上述した本発明の実施形態はそれぞれ、その実施形態と相反さない、本明細書に記載の他のいずれかの本発明の実施形態と組み合わせることができる。そのような組合せの例を以下に示す。
【0048】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0049】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0050】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0051】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0052】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0053】
一実施形態では、本発明は、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0054】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0055】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0056】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0057】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0058】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0059】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0060】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、および10.7度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0061】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0062】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0063】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、8.9、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)の箇所に特徴的なピークを含むことを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0065】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、
図1に示すのと本質的に同じであることを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0066】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、表1にあるのと本質的に同じPXRDピークのリストを有することを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0067】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0068】
一実施形態では、本発明は、約40.1、123.5、および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、約40.1、121.3、123.5、および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0070】
一実施形態では、本発明は、約40.1、121.3、123.5、149.3、および151.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、
図2に示すのと本質的に同じ
13C−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、表2にあるのと本質的に同じ
13C−ssNMRスペクトルピークのリストを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0074】
一実施形態では、本発明は、約−129.6および−128.4ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0075】
一実施形態では、本発明は、
図3に示すのと本質的に同じ
19F−ssNMRスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、表3にあるのと本質的に同じ
19F−ssNMRスペクトルピークのリストを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0077】
一実施形態では、本発明は、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、約702、1604、および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、
図4に示すのと本質的に同じFTラマンスペクトルを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、表4にあるのと本質的に同じFTラマンスペクトルピークのリストを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0083】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0086】
一実施形態では、本発明は、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0090】
一実施形態では、本発明は、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0091】
一実施形態では、本発明は、CuK−アルファ(波長1.54Å)放射線を使用して測定されたPXRDパターンが、約5.8、10.5、10.7、11.5、および17.5度2−シータ(+/−0.2度2−シータ)から選択される少なくとも3つの特徴的なピークを含むことと、約123.5および149.3ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
13C−ssNMRスペクトルと、約−129.6ppm±0.2ppmの箇所に特徴的なピークを含む
19F−ssNMRスペクトルと、約702および1630cm
−1±2cm
−1の箇所に特徴的なピークを含むFTラマンスペクトルとを特徴とする、実質的に純粋な結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を提供する。
【0092】
本明細書で使用するとき、用語:
・「異常細胞増殖」とは、別段指摘しない限り、正常な調節機序と無関係である細胞増殖を指す(たとえば、接触阻害の喪失)。異常細胞増殖は、良性である(がん性でない)、または悪性である(がん性である)場合がある。本明細書で提供する方法の頻出する実施形態では、異常細胞増殖は、がんである。
【0093】
・「がん」とは、異常細胞増殖によって引き起こされる、いずれかの悪性および/または浸潤性増殖または腫瘍を指す。用語「がん」は、限定はしないが、身体の特定の部位に端を発する原発がん、がんが生じた場所から身体の他の部分に広がってしまった転移がん、寛解後の元の原発がんからの再発、および以前のがんが後のがんとは異なるタイプであるという病歴を有する者におけるその新たな原発がんである、第2の原発がんを包含する。
【0094】
・「約」は、当業者が考えて、容認される、標準誤差内にある値を有することを意味する。
【0095】
・「結晶質」とは、三次元秩序を有する、すなわち、分子または外表面(external face plane)の配置が規則的に繰り返されていることを意味する。諸結晶質形態(多形)は、熱力学的安定性、物理的パラメーター、X線構造および特性、ならびに調製方法の点で相違する場合がある。
【0096】
・「本質的に同じ」とは、特定の方法に典型的な、変動性が考慮に入れられていることを意味する。たとえば、X線回折ピーク位置に関して、用語「本質的に同じ」とは、ピーク位置および強度の典型的な変動性が考慮に入れられていることを意味する。当業者なら、ピーク位置(2θ)が、通常は±0.2°の多少の変動性を示すことは理解されよう。さらに、当業者なら、相対ピーク強度は、装置間の変動性、ならびに結晶化度の程度、好ましい配向、調製試料表面、および当業者公知の他の要素による変動性を示し、定性的な測定値とみなすにとどめるべきであることも理解されよう。同様に、ラマンスペクトル波数(cm
−1)値も、通常は±2cm
−1程度の変動性を示し、
13Cおよび
19F固体NMRスペクトルピーク(ppm)も、通常は±0.2ppmの変動性を示す。
【0097】
・「哺乳動物」とは、ヒトまたは動物対象を指す。ある特定の好ましい実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0098】
・「水和物」とは、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の文脈では、非共有結合性の分子間結合によって結晶格子中に拘束された、化学量論量または非化学量論量の水を有することを意味する。この多形について存在することが観察されている水和物状態は、25℃で10%RH〜90%RHの間において、活性部分1モルあたり水約1.0〜約1.4モル当量の範囲にある化学量論性を含む。例として、これは、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の、単結晶X線回折を使用する分子構造決定(
図5を参照されたい)によって例証され、分子構造決定からは、分析された材料が、(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールの一リン酸塩の水和物であることが示唆される。
図5の構造を生成するのに使用した(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の結晶について、水の化学量論性は、(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩1モルに対して約1.1モルの水である。構造中に低い占有率で水分子(
図5における「O3W」、プロトンは示していない)が存在する。実施例9も参照されたい。
【0099】
・「薬学的に許容できる」「担体」、「希釈剤」、「媒体」、または「賦形剤」とは、特定の活性医薬品と共に含まれて医薬組成物をなすことができ、固体でも液体でもよい、(1種または複数の)材料を指す。典型的な固体賦形剤または担体は、ラクトース、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などである。典型的な液体担体は、シロップ、ラッカセイ油、オリーブ油、水などである。同様に、担体または希釈剤には、当業界で公知の時間遅延または持効性材料、たとえば、単独のモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル、またはこれにワックス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルメタクリレートなどが加えられたものも含めてよい。
【0100】
・「実質的に純粋」とは、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物が、他のいずれかの物理形態の(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールまたは薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物に比べて、重量/重量で90%以上、95%以上、98%以上、または99%以上存在することであると解釈される。
【0101】
・「治療有効量」とは、治療対象である障害の症状の1つまたは複数をある程度解消する、投与される化合物の量を指す。がんの治療に関して、治療有効量は、(1)腫瘍の大きさを縮小する、(2)腫瘍転移を抑制する(すなわち、ある程度緩慢にする、好ましくは阻止する)、(3)腫瘍成長もしくは腫瘍浸潤性をある程度抑制する(すなわち、ある程度緩慢にする、好ましくは阻止する)、および/または(4)がんと関連する1つまたは複数の徴候もしくは症状をある程度軽減する(もしくは好ましくは解消する)効果を有する量を指す。
【0102】
・本明細書で使用する用語「治療する」とは、別段指摘しない限り、このような用語が適用される障害もしくは状態またはそのような障害もしくは状態の1つまたは複数の症状を、後退させ、軽減し、進行を阻害し、または予防する(すなわち、予防的治療)ことを意味する。本明細書で使用する用語「治療」とは、別段指摘しない限り、治療する行為を指し、「治療する」は、直前で定義している。用語「治療する」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療も包含する。特にがんに関して、こうした用語は、ただ単に、がんに罹患した個体の平均余命が延びること、または疾患の症状の1つまたは複数が軽減することを意味する。
【0103】
・用語「2−シータ値」または「2θ」とは、X線回折実験の実験的な構成に基づく、度によるピーク位置を指し、回折パターンにおける一般的な横座標単位である。実験の構成では、反射が回折される場合、入射ビームが、ある特定の格子面に対して角シータ(θ)をなすとき、反射されたビームは、角2−シータ(2θ)にあると記録される必要がある。本明細書における、特定の多形体についての詳細な2θ値への言及は、本明細書に記載するとおりのX線回折実験条件を使用して測定される(度による)2θ値を意味するものであることを理解すべきである。たとえば、本明細書に記載する限り、Cu K−アルファ1(波長1.54Å)を放射線源として使用した。
【0104】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物も、本発明によって提供される。
【0105】
加えて、哺乳動物において異常細胞増殖を治療する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本明細書に記載するとおりの結晶質形態またはその組成物を投与することを含む方法も、本発明によって提供される。
【0106】
さらに、医薬として使用するための、または哺乳動物における異常細胞増殖の治療において使用するための、本明細書に記載するとおりの結晶質形態またはその組成物も、本発明によって提供される。
【0107】
さらにまた、本発明は、哺乳動物における異常細胞増殖の治療において有用な医薬を調製するための、本明細書に記載するとおりの結晶質形態またはその組成物の使用も提供する。
【0108】
異常細胞増殖は、がんである場合がある。本明細書において参照がなされるがんは、肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚もしくは眼内の黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、結腸がん、乳がん、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓もしくは尿管のがん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、または下垂体腺腫である場合がある。
【0109】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、単独で、または薬学的に許容できる1種または複数の担体もしくは賦形剤と共同した製剤として投与することができる。賦形剤の選択は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の性質などの要素に応じて決まるところが大きい。
【0110】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態を製剤化するために溶解させると、結晶格子が存在しなくなることが理解されよう。この状況において、以下では、本明細書に記載するとおりの結晶質形態の活性化合物への言及は、本明細書に記載するとおりの結晶質形態の(治療活性のある)化合物を意味する。
【0111】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態の送達に適する医薬組成物およびその調製は、当業者に容易に明白となる。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)において見ることができ、この開示の全体を参照により本明細書に援用する。
【0112】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、経口的に投与することができる。経口投与は、結晶質形態が消化管に入るように嚥下するものでもよいし、または結晶質形態が口から直接血流に入る頬側もしくは舌下投与を用いてもよい。
【0113】
経口投与に適する製剤には、固体製剤、たとえば、錠剤、微粒子、液体、または粉末を含有するカプセル剤、口中錠(液体充填型を含める)、チュアブル剤(chew)、多重粒子およびナノ粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着性を含める)、腔坐剤、スプレー、ならびに液体製剤が含まれる。
【0114】
液体製剤には、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。このような製剤は、軟または硬カプセルの中に充填剤として使用される場合もあり、通常、担体、たとえば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、たとえばサシェ剤から、固体の復元によって調製される場合もある。
【0115】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載のものなどの急速溶解急速崩壊型剤形において使用してもよい。
【0116】
錠剤剤形について、本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、用量に応じて、剤形の0.5wt(重量)%〜80wt%、より典型的な例では、剤形の0.5wt%〜20wt%を占める場合がある。錠剤は、薬物に加えて、一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1wt%〜25wt%、好ましくは、2wt%〜10wt%を占める。
【0117】
結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、リン酸水素カルシウム二水和物などの希釈剤を含有する場合もある。
【0118】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの流動促進剤も場合により含んでよい。存在するとき、界面活性剤は通常、錠剤の0.2wt%〜5wt%、流動促進剤は通常、錠剤の0.2wt%〜1wt%の量になる。
【0119】
錠剤は、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウムのラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤も含有する。滑沢剤は、一般に、錠剤の0.25wt%〜10wt%、好ましくは、0.5wt%〜3wt%の量で存在する。
【0120】
他の常套的な成分として、酸化防止剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が挙げられる。
【0121】
典型的な錠剤は、約80wt%までの本明細書に記載するとおりの結晶質形態、約10wt%〜約90wt%の結合剤、約0wt%〜約85wt%の希釈剤、約2wt%〜約10wt%の崩壊剤、および約0.25wt%〜約10wt%の滑沢剤を含有する。
【0122】
錠剤ブレンドは、直接またはローラーによって圧縮して錠剤にすることができる。別法として、錠剤ブレンドまたはブレンドの割当て分を、湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押出しにかけた後で打錠してもよい。最終製剤は、1または複数の層を含む場合があり、コーティングされていてもされていなくてもよく、またはカプセル化されていてもよい。
【0123】
錠剤の製剤は、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、Marcel Dekker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980(ISBN 0−8247−6918−X)において詳細に論述されている。
【0124】
経口投与用の固体製剤は、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、およびプログラム放出が含まれる。
【0125】
適切な変更型放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液や、浸透圧粒子および被覆粒子などの適切な他の放出技術の詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)において見ることができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0126】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、血流中、筋肉、または内臓に直接投与してもよい。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適する装置には、(微細針を含めた)有針注射器、無針注射器、および注入技術が含まれる。
【0127】
非経口製剤は、通常は、塩、炭水化物、緩衝剤(好ましくはpH3〜9とする)などの賦形剤を含有しうる水溶液であるが、一部の用途については、非水性滅菌溶液として、または滅菌無パイロジェン水などの適切な媒体と合わせて使用される乾燥形態として、より適切に製剤される場合もある。
【0128】
たとえば凍結乾燥法による、滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者周知の標準の製薬技術を使用して容易に実現することができる。
【0129】
非経口溶液の調製において使用される本明細書に記載するとおりの結晶質形態の溶解性は、溶解性改善剤を混ぜるなどの適切な製剤技術の使用によって、増大させることができる。非経口投与用の製剤は、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、およびプログラム放出が含まれる。したがって、本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、活性化合物の変更型放出をもたらす移植デポー剤として投与される固体、半固体、または揺変性液体として製剤される場合もある。そのような製剤の例としては、薬物でコーティングされたステントやPGLAマイクロスフェアが挙げられる。
【0130】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち皮膚上に(dermally)または経皮的に(transdermally)投与してもよい。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルションが挙げられる。リポソームが使用される場合もある。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよく、たとえば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。他の局所投与手段には、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、超音波導入法、および微細針または無針(たとえば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
【0131】
局所投与用の製剤は、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、およびプログラム放出が含まれる。
【0132】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、通常、乾燥粉末吸入器から、乾燥粉末(単独、またはたとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合型成分粒子として)の形で、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、エアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用し、または使用せずに、鼻腔内に、または吸入によって投与することもできる。鼻腔内の使用について、粉末は、生体接着剤、たとえば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでもよい。
【0133】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または活性物を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を遅らせるのに適する別の薬剤、溶媒としての噴射剤、および任意選択の界面活性剤、たとえば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸を含む、本明細書に記載するとおりの結晶質形態の溶液または懸濁液を含有する。
【0134】
乾燥粉末または懸濁液製剤への使用前に、薬物製品は、吸入による送達に適する大きさ(通常は5ミクロン未満)に微粒子化される。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧均質化、噴霧乾燥などの適切ないずれかの微粉砕法によって実現することができる。
【0135】
吸入器または注入器に入れて使用されるカプセル(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)、ブリスター、およびカートリッジは、本明細書に記載するとおりの結晶質形態と、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤と、l−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能改良剤とからなる粉末混合物を含有するように製剤されるものでよい。ラクトースは、無水、または一水和物の形態である場合があり、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
【0136】
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーへの使用に適する溶液製剤は、1作動あたり1μg〜20mgの本明細書に記載するとおりの結晶質形態を含有するものでよく、作動体積は、1μL〜100μLの間で様々となりうる。典型的な製剤は、本明細書に記載するとおりの結晶質形態、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用することのできる別の溶媒としては、グリコールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0137】
吸入/鼻腔内投与が企図されるこうした本発明の製剤に、メントールやレボメントールなどの適切な着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味剤が加えられる場合もある。
【0138】
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばポリ(DL−乳酸−coグリコール酸)(PGLA)を使用して、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、およびプログラム放出が含まれる。
【0139】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合では、投与量単位は、計量された量を送達する弁によって決定される。本発明に従う単位は、通常、所望の量の本明細書に記載するとおりの結晶質形態を含有する計量された用量または「一吹き」が投与されるように整えられている。全日用量は、単一用量で、またはより普通には、1日を通して分割された用量として投与される場合がある。
【0140】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、たとえば、坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で、直腸または経膣投与することができる。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、適宜種々の代用品を使用してもよい。直腸/経膣投与用の製剤は、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、およびプログラム放出が含まれる。
【0141】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、通常はpH調製された等張性滅菌食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液の液滴の形で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳への投与に適する他の製剤としては、軟膏、生分解性(たとえば、被吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえば、シリコーン)植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびに微粒子系またはベシクル系、たとえば、ニオソームやリポソームが挙げられる。架橋ポリアクリル酸などのポリマー、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、たとえばゲランガムを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と一緒に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達してもよい。
【0142】
眼および耳に投与される製剤は、即時および/または変更型放出がなされるように製剤してもよい。変更型放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的化、またはプログラム放出が含まれる。
【0143】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態は、前述の投与方式のいずれかにおいて使用すべく、溶解性、溶解速度、矯味、生物学的利用能、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子実体と組み合わせることができる。
【0144】
たとえば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般に、ほとんどの剤形および投与経路に有用であることがわかっている。包接および非包接両方の複合体を使用することができる。薬物との直接の錯形成に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤として、すなわち、担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することもできる。こうした目的に最も一般に使用されるのは、アルファ−、ベータ−、およびガンマ−シクロデキストリンであり、WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148においてその例を見ることができる。
【0145】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態の活性化合物の投与量は、治療を受ける対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の素質、および処方を出す医師の裁量に応じて決まる。しかし、有効投与量は、通常、単一または分割用量として、体重1kgあたり1日約0.001〜約100mg、好ましくは、約0.01〜約35mg/kg/日の範囲にある。これは、70kgのヒトでは、約0.07〜約7000mg/日、好ましくは、約0.7〜約2500mg/日の量となる。ある場合では、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルで十分すぎることもあり、他の場合では、さらに多い用量が、通常は、1日を通して投与されるいくつかのより少ない用量に分けられて、有害な副作用を引き起こすことなく使用されることもある。
【0146】
本明細書に記載するとおりの結晶質形態と別の抗がん化合物の組合せを投与することが、たとえば、特定の疾患または状態を治療する目的のために望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本明細書に記載するとおりの結晶質形態の活性化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてもよいことは、本発明の範囲内である。したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本明細書に記載するとおりの結晶質形態を含有する2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割ボトル、分割されたホイルパケットなどの、前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される、馴染みあるブリスターパックである。
【0147】
本発明のキットは、たとえば経口と非経口という異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物の用量を互いに対して漸増するのに特に適する。服薬遵守を助けるために、キットは通常、投与に関する指示を含み、メモリーエイドを添えて提供される場合がある。
【0148】
本発明について、以下の実施例に関連して説明する。本発明の範囲は、以下の実施例の範囲によって限定されないことを理解されたい。
【実施例】
【0149】
(実施例1A)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の合成
反応器に、(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール(6.53g、14.56mmol)に続いて2−プロパノール(9.3mL/g、61mL)を装入した。次いで、周囲温度(約25℃)で水(4.14mL/g、27.0mL)を装入し、得られる溶液を40℃に温めた。リン酸(水中85%wt/wt、1.1mol当量、16.02mmol、1.1mL)の2−プロパノール(3mL/g、19.6mL)溶液を、少なくとも10分かけてゆっくりと装入した。次いで、溶液を70℃に温め、2−プロパノール(8.78mL/g、57.3mL)を付加漏斗で少なくとも10分かけて装入した。この時点で、結晶化が自動的に始まり、混合物を2時間約65℃に保った。次いで、これを4時間かけて約10℃に冷却し、2時間かけて約50℃に温め、2時間約50℃に保ち、最後に、−0.1℃/分の傾斜で10℃に冷却した。約10℃で少なくとも2時間撹拌した後、スラリーを濾過し、ケークを冷2−プロパノール/水 95:5v/v(2mL/g、13.1mL)で洗浄した。次いで、ケークを、減圧下にて少なくとも1時間フィルター上で乾燥させると、表題化合物がオフホワイト色の固体(7.73g、13.7mmol、94%)として得られた。
【0150】
(実施例1B)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物のPXRD分析
Cu放射線源、固定スリット(発散=0.2)、およびLynxeye検出器を備えたBruker D2回折計を使用して実施した粉末回折によって、材料の特徴付けを行った。シータ−シータゴニオメーターにおいて、0.0141度のステップサイズおよび0.5秒のステップ時間を使用して、2−シータ角3.0度から40.0度まで、CuK−アルファ(波長1.54Å)でデータを収集した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ30kVおよび10mAに設定した。試料を、Brukerが提供するアクリル試料保持器に入れて準備し、データ収集の間回転させた(30RPM)。PXRDデータを、Eva Diffractionソフトウェア バージョン4.2.1において読み取り、分析した。2〜25 2−シータの範囲にある強力なすべてのピークについて、手作業でピーク検索を行った。ピーク選択を慎重にチェックして、すべての主要なピークが取り込まれたこと、およびピーク位置がピークの中心点を表すことを確認した。ピークの肩は、ピーク選択から省いた。実施例1Aの結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を、PXRD分析によって特徴付けており、パターンおよび特徴的なピークのリストが、それぞれ
図1および表1(実施例4を参照されたい)と本質的に一致していた。この実施例についてのPXRDパターンは、詳細には、
図6に示している。ピーク一覧は、表5に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
(実施例2)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の医薬製剤
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を含む試作品製剤ブレンドは、錠剤医薬製剤中に一般に使用される従来の賦形剤を使用して調製することができる。錠剤は、通常、0.5〜30%wt/wtの結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物を含有する。微結晶性セルロースおよびリン酸水素カルシウム無水物を錠剤充填剤として使用することができ、デンプングリコール酸ナトリウムを崩壊剤として使用することができる。ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として使用してもよい。
【0153】
典型的な錠剤製剤を表Aに示す。
【0154】
【表2】
【0155】
(実施例3)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の合成
(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール(2.30Kg、1.0当量、5.13mol)を2−プロパノール(9.3L/Kg、21.3L)および水(4.14L/Kg、9.5L)に溶かした周囲溶液を、40℃に温めた。この温溶液に、リン酸(水中85%w/w、0.64Kg、1.1当量)の2−プロパノール(3L/Kg、6.9L)溶液を、ヘッドタンクから、少なくとも10分かけて装入した。リン酸溶液の容器を2−プロパノール(0.5L)ですすぎ、このすすぎ液を反応器に装入した。この時点で、溶液のpHは、3.5〜4.5の範囲内にあった。次いで、得られた溶液を70℃に温め、2−プロパノール(8.78L/Kg、20L)を、ヘッドタンクから、少なくとも45分かけて装入した。この時点で、粒状化が起こり、混合物を2時間約65℃に保った。次いで、これを少なくとも4時間かけて約10℃に冷却し、少なくとも2時間かけて約50℃に温め、少なくとも2時間50℃に保ち、最後に、−0.1℃/分の傾斜で10℃に冷却した。10℃で少なくとも7時間撹拌した後、スラリーをNutsche(商標)フィルターで濾過し、ケークを冷2−プロパノール/水(95:5v/v、4.63L)で洗浄した。次いで、ケークを、減圧下にて少なくとも1時間フィルター上で乾燥させた。その間に、2−プロパノール(2.17L/Kg、5L)および水(2.17L/Kg、5L)を続けて反応器に装入し、混合物を少なくとも30分間80℃で加熱して、反応器の壁に付いた固体の可溶化を助けた。溶液を少なくとも1時間80℃に保ち、次いで、少なくとも30分かけて20℃に冷却した。この時点で、反応器に2−プロパノール(4.35L/Kg、10L)をヘッドタンクから装入した後、湿った固体のケークおよび2−プロパノール(2.17L/Kg、5L)を装入して壁をすすいだ。混合物を、少なくとも30分間50℃で加熱し、少なくとも1時間50℃に保ち、少なくとも2時間かけて10℃に冷却し、少なくとも30分間かけて50℃に加熱し、少なくとも1時間50℃に保ち、少なくとも2時間かけて10℃に冷却し、少なくとも30分間かけて元通り50℃に加熱し、少なくとも2時間50℃に保ち、最後に、少なくとも5時間かけて10℃に冷却した。混合物を少なくとも5時間10℃に保った後、反応器に水(3.04L/Kg、7L)を装入し、混合物を少なくとも45分間75℃で加熱し、少なくとも15分間その温度に保った。次いで、混合物を少なくとも15分間かけて65℃に冷却し、少なくとも1時間65℃に保ち、少なくとも2時間かけて20℃に冷却した。次いで、2−プロパノール(12.17L/Kg、28L)を、ヘッドタンクから少なくとも30分間かけて装入し、撹拌を少なくとも1時間継続し、次いで、混合物を少なくとも2時間50℃で加熱し、少なくとも1時間50℃に保ち、少なくとも5時間かけて10℃に冷却した。10℃で少なくとも5時間撹拌した後、スラリーをNutsche(商標)フィルターで濾過し、ケークを冷2−プロパノール/水(95:5v/v、2.5L)で洗浄した。ケーク洗浄液を使用して反応器をすすいだ。固体を3枚のオーブントレーに載せた。トレーを、周囲温度の密閉された真空オーブンに(加湿乾燥および完全な再水和を可能にするための、オーブンの底部に置かれた、水を張ったトレーと共に)17時間入れておくと、表題化合物(2.60Kg、4.61mol、90%、オフホワイト色の固体)が得られた。
【0156】
(実施例4)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物のPXRD分析
自動試料交換器、シータ−2シータゴニオメーター、電動式ビーム発散スリット、およびPSD Vantec−1検出器を取り付けたBruker−AXS Ltd.D4粉末X線回折計(商標)において、実施例3の方法によって調製した結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の試料を、PXRDによって分析し、データを収集した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ35kVおよび40mAに設定した。データは、CuK−アルファ(波長1.54Å)で、0.018°のステップサイズおよび11.3時間の走査時間を使用し、2.0〜65.0°2θを走査して収集した。粉末を低バックグラウンドSiキャビティー保持器に入れることにより試料を準備した。試料粉末をガラススライドで押し付けて、試料の高さが適正になったことを確認した。Bruker DIFFRACソフトウェア(商標)を使用してデータを収集し、DIFFRAC EVAソフトウェア(バージョン3.1)(商標)によって分析を行った。収集されたPXRDパターンを、Bruker DIFFRAC EVAソフトウェア(商標)にインポートした。手作業で行ったピーク選択をチェックして、25度2−シータ未満のすべてのピークが取り込まれていること、およびすべてのピーク位置が正確に割り当てられていることを確認した。ピーク位置の±0.2°2−シータという典型的な誤差が、これらデータに適用される。この測定に伴う±0.2°2−シータ誤差は、(a)試料調製(たとえば、試料の高さ)、(b)計器、(c)較正、(d)操作者(ピーク位置を決める際に存在する誤差を含める)、および(e)材料の性質(たとえば、好ましい配向および透明性の誤差)を始めとする様々な要素の結果として生じうる。したがって、ピークは、±0.2°2−シータの典型的な関連誤差を有するとみなされる。一覧で2つのピークが重なるとみなされるとき、強度が小さい方のピークをリストから除外した。強度のより大きい近傍ピークに肩として存在するピークも、ピーク一覧から除外した。近傍ピークの位置から0.2°2−シータ未満に肩がある場合もあるが、それらは、近接するピークと識別可能とはみなされない。絶対ピーク位置を得るために、粉末パターンは、基準と対照して並べるべきである。基準は、室温で解明された同じ化合物についての単結晶構造決定からの計算によるPXRDパターン、または内部標準、たとえば、シリカやコランダムとすることができる。
【0157】
実施例3の結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物についてのPXRDパターンは、
図1に示している。特徴的なピーク一覧は、表1に示す。いくらかのピークが、実施例1の表題化合物についての特徴的なピークとして選択されている。実施例1の表題化合物について、表1に示した特徴的なピークの2つが、10.5および10.7°2−シータの箇所に存在することを留意されたい。これらのピーク位置の分離点は、上述のとおりのピーク位置における0.2°2−シータの許容される誤差の境界にあるが、これらのピークは、別々のピークであるとみなされる。
【0158】
【表3】
【0159】
表1におけるデータを、単結晶構造決定から得られた、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の計算によるPXRDパターンについての表1Aに示すデータ(実施例5を参照されたい)と比較すると、試料が結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物であることを示唆する特徴的なピークの良好な相関が示される。
図1における一部のピークの分解の(表1Aと比べた)欠如または減少が見込まれるが、それは、(a)試料調製(たとえば、試料の高さおよび質量)、(b)計器、(c)較正、(d)操作者、および/または(e)材料の性質(たとえば、好ましい配向)と関連する、実験データの固有の不備のせいである場合がある。
【0160】
(実施例5)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の計算によるPXRDパターン
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の計算によるPXRDパターンを、単結晶構造決定から取得した。単結晶を、2−プロパノール/水中で成長させ、この結晶から、実施例9に記載するとおりに結晶構造を解明した。計算によるPXRD粉末パターンは、解明された結晶構造から、Materials Studio 2018ソフトウェアパッケージ(商標)の中のReflex/Powder Diffraction Toolboxを使用して取得した。結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物についての単結晶構造決定は、
図5に示している。単結晶構造決定から得られた、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の計算によるPXRDパターンについてのピークのリストを、表1Aに示す。結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の計算によるPXRDパターンは、この多形についてのPXRDパターンにおいて、もしかすると観察されうる、考えられるすべてのピークを含んでいる。実験によって求められるPXRDパターンにおいて、考えられるピークがすべて検出されるのではないことが見込まれる。これは、(a)試料調製(たとえば、試料の高さおよび質量)、(b)計器、(c)較正、(d)操作者、および(e)材料の性質(たとえば、好ましい配向)と関連する、実験データの固有の不備のせいである場合がある。したがって、計算によるPXRDについてのピーク表は、一般に、実験によるPXRDパターンより多くのピークを有する。
【0161】
【表4】
【0162】
(実施例6)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の固体
13C−NMR(
13C−ssNMR)
実施例3の方法によって調製した結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の試料を、
13C−ssNMRによって分析した。
13C−ssNMRスペクトルは、
図2に示している。ピーク一覧は、表2に示す。
13C−ssNMR分析は、Bruker−BioSpin Avance III HD 400MHz(1H振動数)NMR分光計(商標)において行った。データは、4mm MASプローブで、マジック角回転速度を10kHzとして収集した。温度は20℃に調節した。TOSSスピニングサイドバンド抑制を用いた交差分極(CP)スペクトルを、CP接触時間を1msとし、リサイクルディレイを3秒として記録した。スペクトルを取得する際、約70kHzの位相変調プロトンデカップリング場を適用した。妥当なシグナル対ノイズ比が得られるように走査数を調整し、3600の走査データを収集した。結晶質アダマンタン外部標準を使用し、その低磁場共鳴を38.5ppmに設定している
13C化学シフト尺度を参考にした。Bruker−BioSpin TopSpinバージョン3.2ソフトウェア(商標)を使用して、自動ピーク選出を実施した。一般に、相対強度3%という閾値を使用して、予備的にピークを選択した。自動化されたピーク選出の出力を目視によってチェックして確実性を確かなものにし、必要なら、調整を手作業で行った。本明細書において詳細な
13C−ssNMRピーク値が報告されるとしても、こうしたピーク値には、計器、試料、および試料調製の違いによる幅が存在する。
13C化学シフトx軸値の典型的な変動性は、結晶質固体については、プラスまたはマイナス0.2ppm程度のものである。本明細書で報告する
13C−ssNMRピーク高さは、相対強度である。
13C−ssNMR強度は、実験パラメーターの実際の設定および試料の熱履歴に応じて一様でないことがある。
【0163】
【表5】
【0164】
(実施例7)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の固体
19F−NMR(
19F−ssNMR)
実施例3の方法によって調製した結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の試料を、
19F−ssNMRによって分析した。
19F−ssNMRスペクトルは、
図3に示している。ピーク一覧は、表3に示す。
19F−ssNMR分析は、上で
13C−ssNMR分析について使用したのと同じ分光計を使用して行った。データは、3.2mm MASプローブで、マジック角回転速度を20kHzとして収集した。温度は20℃に調節した。交差分極(CP)スペクトルを、CP接触時間を400μsとし、リサイクルディレイを3秒として記録した。スペクトルを取得する際、約65kHzの位相変調プロトンデカップリング場を適用した。妥当なシグナル対ノイズ比が得られるように走査数を調整し、256の走査データを収集した。トリフルオロ酢酸および水(50/50体積/体積)外部標準を使用し、その共鳴を(CFCl
3を基準として)−76.54ppmに設定している
19F化学シフト尺度を参考にした。Bruker−BioSpin TopSpinバージョン3.2ソフトウェア(商標)を使用して、自動ピーク選出を実施した。一般に、相対強度3%という閾値を使用して、予備的にピークを選択した。自動化されたピーク選出の出力を目視によってチェックして確実性を確かなものにし、必要なら、調整を手作業で行った。本明細書において詳細な
19F−ssNMRピーク値が報告されるとしても、こうしたピーク値には、計器、試料、および試料調製の違いによる幅が存在する。
19F化学シフトx軸値の典型的な変動性は、結晶質固体については、プラスまたはマイナス0.2ppm程度のものである。本明細書で報告する
19F−ssNMRピーク高さは、相対強度である。
19F−ssNMR強度は、実験パラメーターの実際の設定および試料の熱履歴に応じて一様でないことがある。
【0165】
【表6】
【0166】
(実施例8)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物のFTラマン分光法
実施例3の方法によって調製した結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の試料を、FTラマン分光法によって分析した。FTラマンスペクトルは、
図4に示している。ピーク一覧は、表4に示す。ラマンスペクトルは、Bruker Vertex70 FTIR分光計(商標)に取り付けたRAM II FT−ラマンモジュールを使用して収集した。この計器は、1064nm Nd:YAGレーザーと液体窒素で冷却されたゲルマニウム検出器とを備えている。データ取得の前に、白色光源、ポリスチレンおよびナフタレン基準物質を使用して、計器性能および較正検証を行った。切り詰めたNMR管(直径5mm)において試料を準備し、分析した。測定の際に試料回転体(Ventacon)を使用して、データ収集の間にレーザーに曝される材料の体積を最大化した。500mWのレーザー出力を使用して、試料からの後方散乱によるラマンシグナルを最適化し、2cm
−1のスペクトル分解能でデータを収集した。Blackmann−Harris 4項アポダイゼーション関数を適用して、スペクトル収差を最小限に抑えた。スペクトルを3500〜200cm
−1の間で生成し、走査数は、それに応じて調整して、シグナル対ノイズが確実に妥当になるようにした。最も強いピークの強度を1.00に設定することにより、スペクトルを正規化した。次いで、GRAMS/AI v9.2ソフトウェア(Thermo Fisher Scientific)において自動ピーク選出機能を使用し、閾値を0.05に設定して、ピークを特定した。ピーク位置および相対ピーク強度を抽出し、表にしており、そこで、ピークは、強度範囲1.00〜0.75、0.74〜0.50、0.49〜0.25、および0.25未満について、それぞれ、非常に強い(vs)、強い(s)、中程度(m)、および弱い(w)として分類されている。この実験構成でのピーク位置の変動性は、±2cm
−1内である。FT−ラマンと分散ラマンは、類似した技術であるので、計器較正が適切であると仮定すれば、FT−ラマンスペクトルについて本文書で報告するピーク位置は、分散ラマン測定を使用して観察されるであろうピーク位値と一致することが見込まれる。
【0167】
【表7】
【0168】
(実施例9)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物についての単結晶構造決定
データ収集は、Bruker D8 Venture回折計において室温で行った。データ収集は、オメガおよびファイ走査からなるものとした。構造は、次のセルパラメーター:a=15.3572(6)Å、b=8.1080(3)Å、c=19.9014(8)Å、アルファ=90°、ベータ=91.447(2)°、ガンマ=90°を用い、単斜晶空間群P21において、SHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定法によって解明した。引き続いて、完全行列最小二乗法によって構造を精密化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を見出し、精密化した。差フーリエマップから窒素および酸素の上に位置する水素原子を見出し、距離に制約をかけた状態で精密化した。残りの水素原子を計算された位置に置き、その担体原子上に乗るようにした。最終精密化には、すべての水素原子についての等方性変位パラメーターを含めた。図において注目されるとおり、水分子の1つが、水素原子に結合されない状態で示されている。格子は、非対称単位中に2つの水分子、すなわち、完全な占有率を有する1つの水、および占有率がおよそ0.2である1つの水位置を含んでいる。全体として、API対水の比は、およそ1対1.1である。尤度法(Hooft 2008)を使用する絶対構造の分析を、PLATON(Spek 2010)を使用して行った。委ねられた試料が鏡像異性体に関して純粋であると仮定すると、結果から、絶対構造が正確に割り当てられたことが示唆される。最終R指数は、3.9%であった。最終差フーリエによって、見つかっていないまたは置き違えられた電子密度は存在しないことが明らかになった。
図5は、50%の確率で得られた変位パラメーターを用いた、結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物の非対称単位を示す。水分子O3W上の水素は省いている。
【0169】
(参考実施例1)
WO2017/212385の実施例190に記載されているとおりの、塩酸塩としての化合物(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール(ZZZ−16)の調製の再現
【0170】
【化3】
25mLの洋ナシ型丸底フラスコにおいて、ZZZ−15(210mg、0.383mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、0℃で、4MのHClジオキサン溶液(0.766mL、3.06mmol)を加えた。氷浴を取り外し、混合物を室温(23℃)で2時間撹拌した。白色の固体が沈殿し、フラスコの滑り面にこびりついた。LCMSによって、95%を超える変換が示された。透明な液体をピペットで除去し、固体を減圧下で乾燥させた。固体を4mLの水に溶解させ、凍結乾燥法によって70時間凍結乾燥して、ZZZ−16を非晶質のオフホワイト色の固体(184mg、92%)として得た。LCMS [M+1] = 449;
1H NMR (400MHz, D
2O): δ = 8.85 (s, 1H), 7.82 (br. s., 1H), 7.18 -
6.87 (m, 3H), 5.41 - 5.31 (m, 1H), 4.86 - 4.81 (m, 1H), 4.72 - 4.69 (m, 1H),
4.40 (br. s., 2H), 4.36 - 4.33 (m, 1H), 3.53 (t, J=6.0 Hz, 2H), 3.16 - 3.03 (m,
3H), 2.91 (s, 3H), 2.27 - 2.15 (m, 1H)ppm.[WO2017/212385の実施例190において生成されたZZZ−16と同等:LCMS [M+1] 449; 1H NMR (400 MHz, D2O) δ ppm 8.93 (s, 1H), 7.91 (d, J=3.8 Hz, 1H), 7.24 - 6.88 (m, 3H), 5.41
(q, J=9.0 Hz, 1H), 4.87 (br dd, J=2.4, 4.4 Hz, 1H), 4.75 (dd, J=5.0, 8.8 Hz,
1H), 4.45 (s, 2H), 4.39 (br d, J=5.0 Hz, 1H), 3.58 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.19 -
3.07 (m, 3H), 2.99 (s, 3H), 2.35 - 2.24 (m, 1H).]
【0171】
(参考実施例2)
参考実施例1の(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール塩酸塩の元素分析
参考実施例1の生成物は、元素分析に基づき、1モルあたり2モルのHClおよび約1モルのH2Oを含んでいることが示され、元素分析は、Atlantic Microlab,Inc.(ジョージア州Norcross)が行った。試料秤量前に毎日較正されている電子微量てんびん(Perkin−ElmerモデルAD4またはモデルAD6、MettlerモデルMT5、Cahnモデル30、モデル31、モデル33、またはモデル34)において、試料を秤量した。炭素、水素、および窒素分析は、古典的なPreglおよびDumas法の変法に基づく技術を利用する自動分析計において行った。分析装置は、試料分析前に超高純度標準物質で毎日較正されている、Perkin−Elmerモデル2400シリーズII自動分析計またはCarlo Erbaモデル1108分析計とした。計器仕様書には、+/−0.3パーセントの精度が記載されている。試料を秤量し、次いで、ヘリウムキャリヤーガスで陽圧に保たれている自動分析計に導入した。フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素は、Schonigerフラスコ燃焼法に続き、イオンクロマトグラフィーを使用する分析によって行った。試料を希釈し、濾過し、ICに注入した。データを加工して、各ハロゲンのPPMを得、次いで、次の計算:PPM×体積(L)/試料重量(KG)×10000(10000PPM=1%)によって百分率に変換した。元素分析の結果を表6に示す。
【0172】
【表8】
【0173】
この元素分析から、生成物は、(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールの二塩酸塩1.0〜1.28水和物であることが示される。
【0174】
(参考実施例3)
参考実施例1の(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール塩酸塩のPXRD分析
参考実施例1生成物のPXRD分析からは、これが非晶質であることが示される。Rigaku Miniflex600回折計を使用して分析を行った。15mAおよび40kVの出力でCu放射線を使用して、4〜40度の範囲にかけてデータを収集した。PXRDパターンから、非晶質の生成物が得られたことが示唆される。
図7を参照されたい。
【0175】
(比較実施例1)
結晶質(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオール一リン酸塩水和物と比較した、塩酸塩としての(1S,2S,3S,5R)−3−((6−(ジフルオロメチル)−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−イル)オキシ)−5−(4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)シクロペンタン−1,2−ジオールの吸湿性
参考実施例1および実施例3の生成物の吸湿性を、動的蒸気吸着(Dynamic Vapor Sorption)(DVS)を使用して試験した。Surface Measurement Systems Ltd.Dynamic Vapour Sorption Advantage Equipmentを使用し、25℃で10%のRH変化を用い、40%RHで出発し、0%RHから90%RHとして0%RHに戻すのを2回繰り返した。参考実施例1 2HCl塩材料を、漸増する相対湿度に段階的に曝し、試料質量を記録した。0%RHから90%RHへの完全なサイクルを2回実施した。最初の0%RHへの暴露の試料質量(乾燥重量)を基準として質量増加パーセントを算出しており、表7に示す。参考実施例1材料の結晶化度を、DVS実施後にPXRDによって確認し、材料が結晶質の固体に変換されていたことが示された。実施例3リン酸塩水和物についてのDVSデータも同じように生成しており、同様に表7に示す。DVSデータから、2HCl塩は、その質量が70%RHで14.7%増加しており、非常に吸湿性であることが示唆される。また、80%RHでは、こうした条件で生じる固体状態変化と一致して、質量の減少が認められる。これは、DVS実施後のPXRD分析(
図8)によって裏付けられ、2HCL塩が、物理的に安定しておらず、非常に吸湿性であり、RH80%以上のRHに曝されると結晶化することが確認される。2HCl塩とは対照的に、実施例3リン酸塩は、その質量が70%RHで4.57%しか増加しない(一水和物化学量論性は、3.3%に関係する)。水和(1モルの水と同等)は、10%RHで起こり、質量増加は、水分吸着によって引き起こされる構造変化がないことと一致して、10%RHから90%RHまで徐々に進む。
【0176】
【表9】
【0177】
前記事項には、本発明の基本的な態様から逸脱することなく、変更を加えてもよい。本発明について、1つまたは複数の詳細な実施形態に関連して十分に詳しく述べてきたが、当業者なら、本出願において詳細に開示した実施形態には変化を添えることができ、そうした変更形態および改良形態も、本発明の範囲および真意の範囲内にあると認識されよう。