特開2021-183865(P2021-183865A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-183865(P2021-183865A)
(43)【公開日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】ロックナット
(51)【国際特許分類】
   F16B 39/12 20060101AFI20211105BHJP
   F16B 39/24 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   F16B39/12 A
   F16B39/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-105664(P2020-105664)
(22)【出願日】2020年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】512109312
【氏名又は名称】田中 昌枝
(71)【出願人】
【識別番号】506296673
【氏名又は名称】田中 文吉
(72)【発明者】
【氏名】田中 文吉
【テーマコード(参考)】
3J034
【Fターム(参考)】
3J034BA03
3J034BA12
3J034EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるロックナットを提供する。
【解決手段】本発明のロックナット1は、多角形部11と、多角形部11に突出された筒状部12と、多角形部11と筒状部12とを軸方向に貫通する第一螺子部13と、前記筒状部12の外周に形成された第二螺子部14とを備える第一ナット10と、前記筒状部12の第二螺子部14に羅合される第三螺子部21を備える第二ナット20と、を具備するロックナットにおいて、前記第一ナット10の筒状部11をテーパ状に形成するとともに、前記第二ナット20の第三螺子部21を第二螺子部14に螺合するテーパ状に形成したことを特徴とする。また、前記第一ナット10の筒状部12に切欠部15を形成した。また他実施例として、前記第一ナット10と第二ナット20との間に菊座金40を介在させた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形部と、多角形部に突出された筒状部と、多角形部と筒状部とを軸方向に貫通する第一螺子部と、前記筒状部の外周に形成された第二螺子部とを備える第一ナットと、前記筒状部の第二螺子部に羅合される第三螺子部を備える第二ナットと、を具備するロックナットにおいて、前記第一ナットの筒状部をテーパ状に形成するとともに、前記第二ナットの第三螺子部を第二螺子部に螺合するテーパ状に形成したことを特徴とするロックナット。
【請求項2】
前記第一ナットの筒状部に切欠部を形成した請求項1記載のロックナット。
【請求項3】
前記切欠部の少なくとも1箇所は、多角形部まで連通されている請求項2記載のロックナット。
【請求項4】
前記第一ナットと第二ナットとの間に菊座金を介在させた請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のロックナット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構造で且つ操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるロックナットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二つ以上の部材を結合するには、ボルトとナットが使用される。この際、部材の貫通孔にボルトを挿入させ、ボルトの先端よりナットを螺着させてナットを締め付ける結合させる。
【0003】
しかし、時間が経につれて、振動の発生や部材の変形によりナットが緩み、締付効力が低下するという問題が発生する。そのため、定期的に検査を行いナットの締付作業を実施しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
それらの課題を解決する従来技術として、的確な締め付けトルクでもってナットの締め付けを容易に且つ確実に行うことができ、かつ、締め付け後はいたずら等により容易に取り外すことのできないようにする取り外し防止機能を有するナット、並びに、緩み止め特殊ダブルナットがある(例えば特許文献1参照)。
上掲特許文献1の取り外し防止機能を有するナット、並びに、緩み止め特殊ダブルナットは、ネジ孔が軸方向に貫通して軸中央部に形成されたナット本体と、該ナット本体の軸方向上部に設けられた回転工具係合部と、ナット本体と回転工具係合部とを連結する連結部とを備えて一体成形され、回転工具係合部の軸中央部にネジ孔の径よりも大きな径を有する空洞を形成し、回転工具係合部に係合した回転工具により所定トルクを超える締め付けトルクで回転工具係合部を締結したときに連結部が破断して、これによりナット本体から回転工具係合部が分離されてなることを特徴とするものである。
【特許文献1】特開2007−40344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上掲特許文献1の取り外し防止機能を有するナット、並びに、緩み止め特殊ダブルナットは、部品点数が多くなりコスト高に繋がるとともに、作業効率も低下するという問題が生じた。また、保管時においては、別々の部材を分解した状態で保管管理しなければならないという欠点があった。
【0006】
そこで本発明は上記の点に鑑み、簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるロックナットを提供することにある。
【解決を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のロックナットは、多角形部と、多角形部に突出された筒状部と、多角形部と筒状部とを軸方向に貫通する第一螺子部と、前記筒状部の外周に形成された第二螺子部とを備える第一ナットと、前記筒状部の第二螺子部に羅合される第三螺子部を備える第二ナットと、を具備するロックナットにおいて、前記第一ナットの筒状部をテーパ状に形成するとともに、前記第二ナットの第三螺子部を第二螺子部に螺合するテーパ状に形成したことを特徴とする。
【0008】
また、前記第一ナットの筒状部に切欠部を形成した。
【0009】
また切欠部の少なくとも1箇所は、多角形部まで連通されている。
【0010】
さらに、前記第一ナットと第二ナットとの間に菊座金を介在させた。
【発明の効果】
【0011】
第一ナットの筒状部をテーパ状に形成するとともに、前第二ナットの第三螺子部を第二螺子部に螺合するテーパ状に形成したことにより、ボルトに第一ナットを螺着させ、さらに第一ナットの筒状部に第二ナットの開孔部に螺合させることにより、第一ナットの突状部が第二ナットのテーパ部により締め付けられ、ボルトにロックされた状態で締結することができる。
【0012】
また第一ナットの筒状部に切欠部を形成することで、チャック式ナットのように、第一ナットと第二ナットの締め付け強度を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明におけるロックナットの斜視図である。
図2】前記ロックナットの平面図である。
図3】ボルトに第一ナットを装着させた状態である。
図4】第一ナットに第二ナットを装着させた状態である。
図5】(a)は菊座金の正面図、(b)は菊座金の平面図である。
図6】菊座金を装着した状態の使用例である。
図7】他の実施例、多角形部まで連通されている切欠部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のロックナットにおける実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のロックナットは、簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることを特徴とする。
【0015】
図1および図2に示すロックナット1は、多角形部11と、多角形部11に突出された筒状部12と、多角形部11と筒状部12とを軸方向に貫通する第一螺子部13と、前記筒状部12の外周に形成された第二螺子部14とを備える第一ナット10と、前記筒状部12の第二螺子部14に羅合される第三螺子部21を備える第二ナット30とを具備する。
【0016】
図1の(b)および図2の(b)に示す第一ナット10は、頭部の多角形部11と、多角形部11の底面に配設された筒状部12とで形成されている。また前記多角形部11と筒状部12との中央部分には、軸方向に貫通する第一螺子部13が螺刻されている。なお、前記第一螺子部13は、図1の(a)および図2の(a)に示すボルト30の螺子部31が螺合されるものである。
【0017】
前記筒状部12は、多角形部11の底面に配設され、内周に第一螺子部13が、外周には第二螺子部14が螺刻されている。また特に前記筒状部12は、平面視において、やや先細のテーパ形状を呈している。さらに前記筒状部12には、切欠部15が形成されている。かかる切欠部15は、筒状部12の鉛直方向に複数設けられている。なお、多角形部11と筒状部12との間には、座金が配設される湾曲状の凹部16が形成されている。
【0018】
図1の(c)および図2の(c)に示す前記第二ナット20は、第一ナット10の筒状部12の第二螺子部14に螺合されるもので、全体が多角形状を呈しており、中央部分には第三螺子部21が形成されている。また特に、第三螺子部21は、第二螺子部14に螺合するようにテーパ状に形成されている。
【0019】
また他の好適例として、図7に示すように、切欠部15の少なくとも1箇所を、多角形部11まで連通されている状態に形成することが好ましい。切欠部15を多角形部11まで連通されている状態に形成することにより、締付強度の向上をさらに高めることができる。
【0020】
また他の好適例として、前記第一ナット10と第二ナット20との間に菊座金40を介在させた。図5の(a),(b)に示す菊座金40は、円形状の本体部41と、本体部41の内周に形成された内爪42と、本体部41の外周に形成された外爪43とで形成されている。
【0021】
そのため、図6に示すように、前記菊座金40を前記第一ナット10と第二ナット20との間に介在させ、内爪42を切欠部15に配設させ、外爪43を第二ナット20側に折曲することで、前記第一ナット10と第二ナット20の緩みをより効果的に防ぐことができる。
【0022】
次に、本発明のロックナットの使用方法を図3および図4に基づいて説明する。
図3は、ボルト30を部材2に装着させ、第一ナット10の第一螺子部13をボルト30の螺子部31に螺合させ、第一ナット10にて部材2を固定する。
【0023】
次に、図4に示すように、第二ナット20の第三螺子部21を、第一ナット10の第二螺子部14に螺合させる。この際、第二螺子部14と第三螺子部21はテーパ状を呈しているので、締付効果が向上する。また第二ナット20を締め付けることにより、切欠部15が両側面から締め付けられ、第一ナット10と第二ナット20締付強度が一層向上し、経時によるナットの緩みを効率よく防ぐことができる。
【0024】
上述の構成により、本発明のロックナットは、第一ナット10の筒状部12をテーパ状に形成するとともに、前第二ナット20の第三螺子部21を第二螺子部14に螺合できるテーパ状に形成したことにより、ボルト30の螺子部31に第一ナット10を螺合させ、さらに第一ナット10の筒状部12に、第二ナット20の第三螺子部21を螺合させることにより、第一ナット10と第二ナット20が効率よく締め付けられ、ナット同士の緩みを防止することができる。
【0025】
また第一ナット10の筒状部12に切欠部15を形成することで、チャック式ナットのように、第一ナット10と第二ナット20の締め付け強度を一層高めることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ロックナット
2 部材
10 第一ナット
11 多角形部
12 筒状部
13 第一螺子部
14 第二螺子部
15 切欠部
16 凹部
20 第二ナット
21 第三螺子部
30 ボルト
31 螺子部
40 菊座金
41 本体部
42 内爪
43 外爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7