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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-183867(P2021-183867A)
(43)【公開日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】転がり軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 41/00 20060101AFI20211105BHJP
   F16C 19/52 20060101ALI20211105BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20211105BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   F16C41/00
   F16C19/52
   F16C33/58
   G01L5/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-151992(P2020-151992)
(22)【出願日】2020年9月10日
(31)【優先権主張番号】特願2020-38492(P2020-38492)
(32)【優先日】2020年3月6日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2020-89471(P2020-89471)
(32)【優先日】2020年5月22日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稗田 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】谷 直樹
【テーマコード(参考)】
2F051
3J217
3J701
【Fターム(参考)】
2F051AB10
2F051BA07
3J217JA02
3J217JA14
3J217JA24
3J217JB03
3J217JB06
3J217JB13
3J217JB16
3J217JB89
3J701AA02
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA51
3J701BA53
3J701BA54
3J701BA56
3J701FA21
3J701FA31
(57)【要約】
【課題】 歪みセンサの感度を高く維持しつつ、転がり軸受と歪みセンサとの接合部分の耐久性の低下を抑制することを目的とする。
【解決手段】 転がり軸受装置は、内周面に第1軌道面を有する外輪と、外周面に第2軌道面を有する内輪と、前記第1軌道面及び前記第2軌道面の間に介在する複数の転動体と、を有する転がり軸受と、前記転がり軸受の歪みを検知する歪みセンサと、前記外輪の外周面又は前記内輪の内周面のうち少なくとも一方の周面に、前記歪みセンサを固定する固定部と、を備え、前記固定部は、前記歪みセンサの検知領域と前記周面との間が非固定の状態で、前記歪みセンサのうち前記検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所を、前記周面に固定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に第1軌道面を有する外輪と、外周面に第2軌道面を有する内輪と、前記第1軌道面及び前記第2軌道面の間に介在する複数の転動体と、を有する転がり軸受と、
前記転がり軸受の歪みを検知する歪みセンサと、
前記外輪の外周面又は前記内輪の内周面のうち少なくとも一方の周面に、前記歪みセンサを固定する固定部と、
を備え、
前記固定部は、前記歪みセンサの検知領域と前記周面との間が非固定の状態で、前記歪みセンサのうち前記検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所を、前記周面に固定する、
転がり軸受装置。
【請求項2】
前記歪みセンサは、
前記周面側の第1面又は側面が前記固定部と接する中間部材と、
前記中間部材の前記周面と反対側の第2面に固定される歪みゲージと、
を有する、
請求項1に記載の転がり軸受装置。
【請求項3】
前記歪みセンサは、前記歪みゲージの第2検知領域と前記第2面との間が非固定の状態で、前記歪みゲージのうち前記第2検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所を、前記第2面に固定する第2固定部をさらに有する、
請求項2に記載の転がり軸受装置。
【請求項4】
前記固定部は、前記周面のうち、前記転動体が前記第1軌道面に接する第1点と前記転動体が前記第2軌道面に接する第2点とを通る仮想線と、前記周面と、が交差する仮想交点を挟んで位置する少なくとも2箇所に、前記歪みセンサを固定し、
前記歪みセンサは、前記仮想交点と非固定の状態になっている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の転がり軸受装置。
【請求項5】
前記固定部は、
前記歪みセンサと前記周面とを接合する複数の接合部を有し、
前記接合部は、
前記転がり軸受の周方向又は軸方向のうち一方の方向を長手とし、前記転がり軸受の周方向又は軸方向のうち他方の方向を短手とする形状を有し、
少なくとも2個の前記接合部は、互いに前記他方の方向に間をあけて平行に位置し、
前記歪みセンサは、平行に位置する前記接合部の間において、前記周面と非固定の状態になっている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受装置。
【請求項6】
複数の前記歪みセンサと、
複数の前記歪みセンサをそれぞれ前記周面に固定する複数の前記固定部と、
を備え、
前記複数の前記歪みセンサは、
前記周方向を長手とし、前記軸方向を短手とする形状を有する複数の前記接合部により前記周面に接合される第1歪みセンサと、
前記軸方向を長手とし、前記周方向を短手とする形状を有する複数の前記接合部により前記周面に接合される第2歪みセンサと、
を有する、
請求項5に記載の転がり軸受装置。
【請求項7】
前記中間部材は、前記転がり軸受の軸方向及び周方向の少なくとも一方を含む方向に離れて位置する2個の分割部材を有し、
前記第2固定部は、2個の前記分割部材のそれぞれに、前記歪みゲージを固定する、
請求項3に記載の転がり軸受装置。
【請求項8】
前記中間部材は、前記歪みゲージ又は前記周面と、前記中間部材との熱膨張差による前記中間部材の変形を吸収するための吸収領域を含む、
請求項3に記載の転がり軸受装置。
【請求項9】
前記吸収領域は、前記第1面から前記第2面へと貫通する穴、又は、前記第1面或いは前記第2面に形成されている切り欠きである、
請求項8に記載の転がり軸受装置。
【請求項10】
前記歪みセンサを前記転がり軸受の径方向から平面視したとき、前記吸収領域の少なくとも一部は、前記第2検知領域と重複する位置に形成されている、
請求項8又は請求項9に記載の転がり軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受に歪みセンサを取り付けて、転がり軸受の状態検知を行う技術が知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、外輪の外周面に設けられる溝部に歪みセンサが配置されるセンサ付軸受が開示されている。また、特許文献3には、外方部材に取り付けられるセンサ取付部材と、当該センサ取付部材に貼り付けられる歪みセンサとを有するセンサユニットと、を備えるセンサ付車輪用軸受が開示されている。特許文献3において、歪みセンサは、センサ取付部材に接着により固定される例と、センサ取付部材の表面に印刷と焼成により形成される例とが開示されている(段落0050、図10等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−44312号公報
【特許文献2】特開2007−32705号公報
【特許文献3】特開2007−239848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より高い耐久性を有する接触式のセンサ付の転がり軸受が求められている。しかしながら、転がり軸受に接触式の歪みセンサや温度センサなどを取り付ける場合、その取り付けの方法(例えば、接着や溶接などによる接合)によっては転がり軸受とセンサとの接合領域における耐久性が、転がり軸受の他の領域に比べて低くなる傾向がある。このため、接触式のセンサ付の転がり軸受の場合、センサと転がり軸受との接合領域の耐久性を高くすることが重要となる。
【0005】
特に、前述した接触式のセンサとして歪みセンサを用いる場合、転がり軸受の歪みを感度良く検出するための方法として、転がり軸受のうち荷重が大きく掛かる部分に歪みセンサを接合することが考えられる。しかしながら、このように構成すると転がり軸受と歪みセンサとの接合領域に発生する応力も大きくなるため、接合領域の耐久性が低下して歪みセンサと転がり軸受とを接合する接合部等が破損し、歪みセンサが転がり軸受から分離しやすくなるなどの課題がある。このため、歪みを感度良く検出することと、接合領域の耐久性を高くすることの両方の要求を満たすことが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、歪みセンサの感度を高く維持しつつ、転がり軸受と歪みセンサとの接合部分の耐久性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の転がり軸受装置は、内周面に第1軌道面を有する外輪と、外周面に第2軌道面を有する内輪と、前記第1軌道面及び前記第2軌道面の間に介在する複数の転動体と、を有する転がり軸受と、前記転がり軸受の歪みを検知する歪みセンサと、前記外輪の外周面又は前記内輪の内周面のうち少なくとも一方の周面に、前記歪みセンサを固定する固定部と、を備え、前記固定部は、前記歪みセンサの検知領域と前記周面との間が非固定の状態で、前記歪みセンサのうち前記検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所を、前記周面に固定する、転がり軸受装置である。
【0008】
歪みセンサは、その検知領域を周面のうち歪みがより大きく生じる部分に対向させると、歪みをより感度よく検出することができる。固定部は、当該部分を避けた位置で、歪みセンサの検知領域が周面と対向するように、歪みセンサと周面とを固定するため、歪みセンサと周面とを全面的に固定する場合と比べて、固定部に発生する応力を低減することができる。これにより、固定部の耐久性をより高くすることができる。また、周面が伸張する方向に歪むと、歪みセンサは、検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所の固定部により引っ張られるため、歪みセンサの検知領域に発生する歪みをより大きくすることができる。このため、本発明の転がり軸受装置によれば、歪みセンサの感度を高く維持しつつ、転がり軸受と歪みセンサとの接合部分の耐久性の低下を抑制することができる。
【0009】
(2) 好ましくは、前記歪みセンサは、前記周面側の第1面又は側面が前記固定部と接する中間部材と、前記中間部材の前記周面と反対側の第2面に固定される歪みゲージと、を有する。
【0010】
歪みゲージを転がり軸受の周面に直接接合することが困難な場合であっても、歪みゲージ及び周面の双方と容易に接合することができる中間部材(バッファ部材)を用いることで、歪みゲージを転がり軸受の周面に間接的に接合することができる。
【0011】
(3) 好ましくは、前記歪みセンサは、前記歪みゲージの第2検知領域と前記第2面との間が非固定の状態で、前記歪みゲージのうち前記第2検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所を、前記第2面に固定する第2固定部をさらに有する。
【0012】
このように構成することで、第2固定部は、中間部材から伝わる応力を歪みゲージ側へ逃がすことができる。このため、第2固定部に発生する応力をより低減することができ、第2固定部の耐久性をより高くすることができる。また、中間部材が伸張する方向に歪むと、歪みゲージは、第2検知領域を挟んで位置する少なくとも2箇所の第2固定部により引っ張られるため、第2検知領域に発生する歪みをより大きくすることができる。このため、歪みゲージにおいて歪みをより感度良く検出することができる。
【0013】
(4) 好ましくは、前記固定部は、前記周面のうち、前記転動体が前記第1軌道面に接する第1点と前記転動体が前記第2軌道面に接する第2点とを通る仮想線と、前記周面と、が交差する仮想交点を挟んで位置する少なくとも2箇所に、前記歪みセンサを固定し、前記歪みセンサは、前記仮想交点と非固定の状態になっている。
【0014】
周面のうち仮想交点を含む部分の歪みは、周面の他の部分の歪みよりも大きくなる傾向がある。このため、歪みセンサはより大きく伸張し、歪みセンサにおいて発生する歪みをより大きくすることができる。これにより、歪みセンサにおいて歪みを感度良く検知することができる。
【0015】
(5) 好ましくは、前記固定部は、前記歪みセンサと前記周面とを接合する複数の接合部を有し、前記接合部は、前記転がり軸受の周方向又は軸方向のうち一方の方向を長手とし、前記転がり軸受の周方向又は軸方向のうち他方の方向を短手とする形状を有し、少なくとも2個の前記接合部は、互いに前記他方の方向に間をあけて平行に位置し、前記歪みセンサは、平行に位置する前記接合部の間において、前記周面と非固定の状態になっている。このように構成することで、歪みセンサにおいて、周面に生じる歪みのうち周方向又は軸方向のうち他方に生じる歪みを優先的に検出することができる。
【0016】
(6) 好ましくは、複数の前記歪みセンサと、複数の前記歪みセンサをそれぞれ前記周面に固定する複数の前記固定部と、を備え、前記複数の前記歪みセンサは、前記周方向を長手とし、前記軸方向を短手とする形状を有する複数の前記接合部により前記周面に接合される第1歪みセンサと、前記軸方向を長手とし、前記周方向を短手とする形状を有する複数の前記接合部により前記周面に接合される第2歪みセンサと、を有する。
【0017】
このように構成することで、第1歪みセンサと第2歪みセンサにより、転がり軸受の歪みを軸方向及び周方向の成分に分けて検出することができる。これにより、転がり軸受の状態をより詳細に検出することができる。
【0018】
(7) 好ましくは、前記中間部材は、前記転がり軸受の軸方向及び周方向の少なくとも一方を含む方向に離れて位置する2個の分割部材を有し、前記第2固定部は、2個の前記分割部材のそれぞれに、前記歪みゲージを固定する。
【0019】
このように構成すると、歪みゲージは中間部材が分割されている方向の歪みを優先的に検出する。そして、熱膨張により中間部材の伸縮量が大きくなる方向は、当該分割されている方向とは異なる方向となる場合がある。これにより、中間部材と歪みゲージとの間に熱膨張係数の差がある場合であっても、歪みゲージは中間部材の熱膨張による変形を歪みとして検出しにくくなるため、転がり軸受の歪みをより正確に検出することができる。
【0020】
(8) 好ましくは、前記中間部材は、前記歪みゲージ又は前記周面と、前記中間部材との熱膨張差による前記中間部材の変形を吸収するための吸収領域を含む。中間部材が熱膨張する場合であっても、吸収領域が中間部材の変形を吸収する。この結果、歪みゲージは中間部材の変形を歪みとして検出しにくくなるため、歪みゲージは転がり軸受の歪みをより正確に検出することができる。
【0021】
(9) 好ましくは、前記吸収領域は、前記第1面から前記第2面へと貫通する穴、又は、前記第1面或いは前記第2面に形成されている切り欠きである。このように構成することで、中間部材が熱膨張する場合であっても、穴又は切り欠きが狭まるように中間部材が変形することで、中間部材が径方向に変形することを防止することができる。
【0022】
(10) 好ましくは、前記歪みセンサを前記転がり軸受の径方向から平面視したとき、前記吸収領域の少なくとも一部は、前記第2検知領域と重複する位置に形成されている。このように構成することで、中間部材における熱膨張差による歪みが生じる場合であっても、変形した中間部材が第2検知領域と接触することをより確実に防止することができる。この結果、歪みゲージは転がり軸受の歪みをより正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、歪みセンサの感度を高く維持しつつ、転がり軸受と歪みセンサとの接合部分の耐久性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る転がり軸受装置を軸方向に垂直な平面(YZ平面)における断面で示す断面図である。
図2】仮想線が通るZX平面における転がり軸受装置の断面を部分的に示す断面図である。
図3図2の矢印IIIから見た転がり軸受装置を部分的に示す平面図である。
図4】第1変形例に係る歪み検知部をそれぞれ示す平面図である。
図5】第2変形例に係る転がり軸受装置を軸方向に垂直な平面(YZ平面)における断面で示す断面図である。
図6】第2変形例に係る転がり軸受装置の断面を部分的に示す断面図である。
図7】第2変形例に係る転がり軸受装置を部分的に示す平面図である。
図8】第3変形例に係る歪み検知部をそれぞれ示す平面図である。
図9】第4変形例に係る転がり軸受装置をそれぞれ部分的に示す平面図である。
図10】第5変形例に係る転がり軸受装置をそれぞれ部分的に示す平面図である。
図11】第6変形例に係る転がり軸受装置を部分的に示す断面図である。
図12】第7変形例に係る転がり軸受装置を説明する説明図である。
図13】第8変形例に係る歪み検知部を説明する説明図である。
図14】第9変形例に係る転がり軸受装置を説明する説明図である。
図15】第9変形例に係る歪みセンサを溝部に設置する手順についての説明図である。
図16】第10変形例に係る中間部材を説明する説明図である。
図17】第10変形例に係る中間部材を説明する説明図である。
図18】第10変形例に係る中間部材を説明する説明図である。
図19】第11変形例に係る歪み検知部を説明する説明図である。
図20図19の矢印XXに示す切断線で切断した断面を部分的に示す断面図である。
図21】第11変形例のバリエーションを説明する説明図である。
図22】第11変形例のバリエーションを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態に係る転がり軸受装置を、図面を参照して説明する。各図面には、転がり軸受装置の位置関係を明確にするために、XYZ直交座標系を適宜示す。
【0026】
<転がり軸受装置の構成>
図1は、実施形態に係る転がり軸受装置1を後述の軸方向に垂直な平面(YZ平面)における断面で示す断面図である。図1において、断面として示す部分には、ハッチングを付す。転がり軸受装置1は、転がり軸受2と、歪み検知部3とを備える。転がり軸受2は、外輪21と、内輪22と、複数の転動体23と、転動体23を保持する保持器(図示省略)を有する。図1中には、転がり軸受装置1のうち歪み検知部3を含む部分の拡大図を併せて示している。
【0027】
本開示において、転がり軸受2の中心線C1(以下、「軸受中心線C1」と称する)に沿った方向が、転がり軸受2の軸方向であり、単に「軸方向」と称する。軸方向には、軸受中心線C1に平行な方向(図1中のX方向)も含まれる。図1の紙面側を軸方向の一方側と定義し、図1の奥行き側を軸方向の他方側と定義する。軸受中心線C1に直行する方向が、転がり軸受2の径方向であり、単に「径方向」と称する。軸受中心線C1を中心として転がり軸受2(第1実施形態では内輪11)が回転する方向が、転がり軸受2の周方向であり、単に「周方向」と称する。
【0028】
外輪21は、環状の固定輪であり、内周面21aと外周面21bとを有する。外輪21の外周面21bには、歪み検知部3が取り付けられている。外輪21の外周面21b側はハウジング(図示省略)に固定される。内輪22は、環状の回転輪であり、内周面22aと外周面22bとを有する。内輪22の内周面22a側は回転軸(図示省略)に固定される。複数の転動体23は、外輪21の内周面21aと、内輪22の外周面22bとの間に介在し、内周面21a及び外周面22b上を転動する。
【0029】
外輪21の内周面21aは、肩21a1と、第1軌道面21a2とを有する。肩21a1は、軸方向一方側及び他方側の端部に位置する。第1軌道面21a2は、肩21a1よりも軸方向の内側に位置し、肩21a1よりも径方向外側に凹んでいる。第1軌道面21a2は、複数の転動体23が転がる走路となる。
【0030】
内輪22の外周面22bは、肩22b1と、第2軌道面22b2とを有する。肩22b1は、軸方向一方側及び他方側の端部に位置する。第2軌道面22b2は、肩22b1よりも軸方向の内側に位置し、肩22b1よりも径方向内側に凹んでいる。第2軌道面22b2は、複数の転動体23が転がる走路となる。
【0031】
なお、内輪22の形状は環状に限られず、例えば中実構造を有する内軸(例えば、ハブ軸)であってもよい。また、外輪21が回転輪であり、内輪22が固定輪であってもよい。複数の転動体23は、本実施形態では玉である。なお、複数の転動体23は、「ころ」であってもよい。本実施形態の転がり軸受2は、単列式であるが、複列式であってもよい。
【0032】
また、歪み検知部3は、内輪22の内周面22aに取り付けられていてもよい。外輪21の外周面21b又は内輪22の内周面22aのうち、歪み検知部3が取り付けられている面を、単に「周面」と適宜称する。
【0033】
ある時点において、1つの転動体23が第1軌道面21a2に接する点を「第1点P1」と称する。また、当該時点において、当該転動体23が第2軌道面22b2に接する点を「第2点P2」と称する。第1点P1と、第2点P2とを通る仮想的な線を「仮想線VL1」と称する。仮想線VL1と外周面21b(周面)とが交差する仮想的な交点を「仮想交点P3」と称する。
【0034】
図2は、仮想線VL1が通るZX平面における転がり軸受装置1の断面を部分的に示す断面図である。図3は、図2の矢印IIIから見た転がり軸受装置1を部分的に示す平面図である。図3において、X方向が軸方向に対応し、Y方向が周方向に対応する。
【0035】
図2を参照する。歪み検知部3は、歪みセンサ310と、固定部320とを有する。歪みセンサ310は、転がり軸受2の歪みを検知するセンサであり、例えば半導体(シリコン)を母材とする半導体センサ(歪みゲージ)からなる領域と、当該半導体センサの検出信号を出力するための配線からなる領域と、を含む。半導体センサは、歪みセンサ310の検知領域310a(図3)に設けられる。言い換えると、検知領域310aには、半導体センサが含まれている。本実施形態において、検知領域310aは、歪みセンサ310を径方向外側から平面視したときに、歪みセンサ310の中央部分に位置する。なお、検知領域310aは歪みセンサ310の中央部分から外れた部分に位置してもよい。半導体センサは、軸方向及び周方向の少なくとも一方の方向への変位を検出する。検知領域310aは、図1及び図2に示すように、外周面21bと隙間を空けて離れている。すなわち、検知領域310aは外周面21bに対して「非固定の状態」となっている。
【0036】
なお、検知領域310aを避けた位置により歪みセンサ310を外周面21bに固定していれば、検知領域310aは外周面21bに接していてもよい。この場合、外周面21bが周方向及び径方向の少なくとも一方に歪むと、外周面21bは、検知領域310aの径方向内側の面に摺接しながら伸張又は収縮する。このような状態も、検知領域310aは外周面21bに対して「非固定の状態」であると称する。すなわち、「非固定の状態」には、検知領域310aと外周面21bとが隙間を空けて離れている状態と、隙間を有さないものの検知領域310aと外周面21bとが接合されていない状態とを含む。
【0037】
図3を参照する。固定部320は、外輪21の外周面21bに、歪みセンサ310を固定する。固定部320は、複数の接合部33a、33b、33c、33dを有する。それぞれの接合部33a、33b、33c、33dは、特に区別しない場合、単に「接合部33」と称する。本実施形態において、接合部33は4個であるが、例えば2個又は3個であってもよいし、5個以上であってもよい。本実施形態において、4個の接合部33は、それぞれ円柱形状を有する。
【0038】
接合部33は、歪みセンサ310と外周面21bとを、例えばレーザー溶接により接合している接合部分である。レーザー溶接により接合する場合、接合部33は、外輪21を母材としてもよいし、外輪21とは別途用意する接合材料(例えば金属)を母材としてもよい。また、レーザー溶接により接合する場合、歪みセンサ310を透過し母材に吸収される波長のレーザー光を、径方向の外側から歪みセンサ310を介して外輪21へ照射するように構成してもよい。
【0039】
4個の接合部33は、それぞれ歪みセンサ310の周縁部に設けられる。ここで「周縁部」とは、歪みセンサ310の検知領域310aよりも歪みセンサ310の端に近い部分である。接合部33aと接合部33dは、検知領域310aを挟んで位置する。また、接合部33bと接合部33cは、検知領域310aを挟んで位置する。検知領域310aは、4個の接合部33により形成される四角形の対角線上に位置する。
【0040】
図3のように平面視したとき、仮想交点P3は、検知領域310aの内側に位置する。接合部33aと接合部33dは、仮想交点P3を挟んで位置する。また、接合部33bと接合部33cは、仮想交点P3を挟んで位置する。仮想交点P3は、4個の接合部33により形成される四角形の対角線の交点上に位置する。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る転がり軸受装置1は、内周面21aに第1軌道面を有する外輪21と、外周面22bに第2軌道面を有する内輪22と、第1軌道面及び第2軌道面の間に介在する複数の転動体23と、を有する転がり軸受2と、転がり軸受2の歪みを検知する歪みセンサ310と、外輪21の外周面21b又は内輪22の内周面22aのうち少なくとも一方の周面に、歪みセンサ310を固定する固定部320と、を備え、固定部320は、歪みセンサ310の検知領域310aと周面との間が離れている状態で、歪みセンサ310のうち検知領域310aを挟んで位置する少なくとも2箇所を、周面に固定する。
【0042】
<転がり軸受装置の作用効果>
転がり軸受2に回転軸から荷重がかかると、内輪22及び外輪21が軸方向及び周方向の少なくとも一方へ部分的に伸張する(すなわち、歪む)。ここで、「荷重」は、アキシアル荷重及びスラスト荷重の少なくとも一方を含む。歪み検知部3は、外輪21(又は内輪22)の歪みに伴って、軸方向及び周方向の少なくとも一方へ伸張する。
【0043】
ここで、本実施形態に係る固定部320は、歪みセンサ310のうち検知領域310aを挟んで位置する少なくとも2箇所を、外周面21bに固定する。このため、固定部320自体は、応力により軸方向又は周方向に伸張しにくい。また、固定部320は、外周面21bから伝わる軸方向及び周方向の少なくとも一方へ伸張する力を歪みセンサ310側へ伝えることができる。
【0044】
歪みセンサ310の検知領域310aは、外周面21bのうち歪みがより強く生じる部分に対向させると、歪みをより感度よく検出することができる。固定部320は、当該部分を避けた位置で、歪みセンサ310の検知領域310aが外周面21bと対向するように、歪みセンサ310と外周面21bとを固定する。このため、歪みセンサ310と外周面21bとを全面的に固定する場合と比べて、固定部320に発生する応力を低減することができる。これにより、固定部320の耐久性をより高くすることができる。
【0045】
また、外周面21bが伸張する方向に歪むと、歪みセンサ310は、互いに隣接する複数の接合部33間で引っ張られるため、歪みセンサ310に発生する歪みをより大きくすることができる。特に、互いに隣接する複数の接合部33間には、歪みセンサ310の検知領域310aが位置するため、歪みセンサ310において歪みをより感度良く検出することができる。
【0046】
図2を参照する。回転軸からの荷重は、外輪21のうち転動体23の中心C2の真上に位置する部分に、より大きく負荷される傾向がある。具体的には、第1点P1と、第2点P2とを通る仮想線VL1は、転動体23の中心C2を通る。そして、仮想線VL1と外輪21との仮想交点P3は、転動体23の中心C2の真上に位置する。すなわち、外周面21bのうち仮想交点P3を含む部分の歪みは、外周面21bの他の部分の歪みよりも大きくなる傾向がある。
【0047】
本実施形態に係る転がり軸受装置1において、検知領域310aは、仮想交点P3と径方向に対向している。このため、検知領域310aはより大きく伸張し、歪みセンサ310において発生する歪みをより大きくすることができる。これにより、歪みセンサ310において歪みを感度良く検知することができる。
【0048】
なお、転がり軸受装置1において、内輪22の回転に伴い、複数の転動体23は周方向に移動する。このため、仮想交点P3も時々刻々と周方向に移動する。図3では、ある時点における転がり軸受装置1の状態を示すものであり、実際には仮想交点P3は仮想線LP3のように周方向に延びる線上に位置する。
【0049】
本実施形態において、歪み検知部3は、ある時点における仮想交点P3と周方向に対向する位置に設けられる。また、歪み検知部3は、軸受中心線C1の鉛直方向の真上に設けられる。しかしながら、歪み検知部3が転がり軸受2に設けられる場所は、図3に示す場所に限られず、歪み検知部3は、図3に示す場所から周方向に移動した場所に位置しても良い。
【0050】
<変形例>
以上、本発明の実施形態に係る転がり軸受装置1を説明した。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、種々の変形を行うことができる。以下、本発明の実施形態に係る変形例について、説明する。なお、以下の説明において、実施形態から変更のない部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0051】
<第1変形例>
実施形態に係る固定部320は、4個の接合部33を有し、4個の接合部33は、歪みセンサ310の四隅をそれぞれ外周面21bに接合する。しかしながら、図4に示すように、固定部は、別の形状を有していてもよいし、別の場所に設けられてもよい。
【0052】
図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ第1変形例に係る歪み検知部3a、3b、3cを示す平面図である。歪み検知部3a、3b、3cは、それぞれ固定部321、322、323を有する。図4は、それぞれ図3と同じ方向から転がり軸受装置1を見た平面図である。
【0053】
図4(a)を参照する。固定部321は、2個の接合部33e、33fを有する。接合部33e、33fは、それぞれ転がり軸受2の周方向を長手とし、軸方向を短手とする形状を有する。接合部33e、33fの周方向の長さは、例えば歪みセンサ310の周方向の長さの半分以上である。接合部33e、33fは、互いに軸方向に間をあけて平行に位置する。歪みセンサ310は、接合部33e、33fの間において、外周面21bと離れている。歪みセンサ310の検知領域310a及び仮想交点P3は、接合部33e、33fの間に位置する。
【0054】
接合部33e、33fは、軸方向に対向するため、外周面21bの軸方向に生じる歪みを歪みセンサ310に伝えやすい。このため、歪みセンサ310において、外周面21bに生じる歪みのうち軸方向に生じる歪みを優先的に検出することができる。また、接合部33e、33fは周方向を長手とする形状であるため、例えばレーザー溶接により外周面21bと歪みセンサ310とを容易に接合することができる。
【0055】
図4(b)を参照する。固定部322と固定部321は、接合部33の延びる方向について異なり、その他の点は共通する。固定部322は、2個の接合部33g、33hを有する。接合部33g、33hは、それぞれ転がり軸受2の軸方向を長手とし、周方向を短手とする形状を有する。本変形例に係る固定部322によれば、歪みセンサ310において、外周面21bに生じる歪みのうち周方向に生じる歪みを優先的に検出することができる。
【0056】
図4(c)を参照する。固定部323と固定部320は、接合部33が配置される場所について異なり、その他の点は共通する。固定部323は、4個の接合部33a、33b、33c、33dを有する。固定部320の4個の接合部33は、歪みセンサ310の四隅を接合するが、固定部323の4個の接合部33は、周方向において歪みセンサ310の四隅よりも内側に位置する。特に、4個の接合部33は、周方向においてそれぞれ歪みセンサ310の検知領域310aの周方向の両端と同じ位置、又は当該両端よりも内側に位置する。
【0057】
外周面21bから伝わる歪みは、歪みセンサ310において、複数の接合部33間に生じる。固定部323によれば、歪みセンサ310のうち半導体センサを含む検知領域310aに集中的に歪みを伝えることができるため、歪みセンサ310において歪みをより感度良く検出することができる。
【0058】
<第2変形例>
実施形態に係る歪み検知部3は、検知領域310aに歪みゲージを含む1枚のプレート状の歪みセンサ310を固定部320により直接、外周面21bに固定する。しかしながら、図5図6及び図7に示すように、歪みゲージと外周面21bとの間に、バッファとなる部材(後述の中間部材34)を設けてもよい。
【0059】
図5は、第2変形例に係る転がり軸受装置1aを軸方向に垂直な平面(YZ平面)における断面で示す断面図である。図6は、仮想線VL1が通るZX平面における転がり軸受装置1aの断面を部分的に示す断面図である。図7は、図6の矢印VIIから見た転がり軸受装置1aを部分的に示す平面図である。
【0060】
転がり軸受装置1aは、転がり軸受2と、歪み検知部3dと、を備える。歪み検知部3dは、固定部320と、歪みセンサ311と、を有する。歪みセンサ311は、中間部材34と、チップ35と、中間部材34にチップ35を固定する第2固定部360と、を有する。
【0061】
図6を参照する。中間部材34は、径方向に薄く、軸方向及び周方向に四角形状(例えば、長方形状)を有するプレート状の金属(例えば、銅)である。中間部材34は、軸方向及び周方向に弾性を有する。中間部材34の径方向に位置する2個の面のうち転がり軸受2の周面側の第1面34aの一部は、固定部320と接している。中間部材34の第1面34aと反対側に位置する第2面34bと、仮想線VL1とが交差する仮想的な交点を「仮想交点P4」と称する。
【0062】
チップ35は、検知領域35aに歪みゲージを有する。言い換えると、検知領域35aは、歪みゲージを含む。本実施形態において、検知領域35aは、チップ35を径方向外側から平面視したときに、チップ35の中央部分に位置する。なお、検知領域35aはチップ35の中央部分から外れた部分に位置してもよい。歪みゲージは、軸方向及び周方向の少なくとも一方の方向への変位を、歪みとして検出する。チップ35は、中間部材34の第2面34bに、第2固定部360により固定されている。チップ35の検知領域35a(図7)は、中間部材34の第2面34bと隙間を空けて離れている。すなわち、検知領域35aと第2面34bとは非固定の状態となっている。
【0063】
図7を参照する。第2固定部360は、中間部材34の第2面34bに、チップ35を固定する。第2固定部360は、複数の第2接合部37a、37b、37c、37dを有する。それぞれの第2接合部37a、37b、37c、37dは、特に区別しない場合、単に「第2接合部37」と称する。本変形例において、第2接合部37は4個であるが、例えば2個又は3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0064】
第2接合部37は、チップ35と中間部材34の第2面34bとを、例えばはんだ付けやレーザー溶接により接合している接合部分である。レーザー溶接により接合する場合、第2接合部37は、中間部材34を母材としてもよいし、中間部材34とは別途用意する接合材料(例えば金属)を母材としてもよい。
【0065】
4個の第2接合部37は、それぞれチップ35の周縁部に設けられる。第2接合部37aと第2接合部37dは、検知領域35aを挟んで位置する。また、第2接合部37bと第2接合部37cは、検知領域35aを挟んで位置する。検知領域35aは、4個の第2接合部37により形成される四角形の対角線上に位置する。図7のように平面視したとき、仮想交点P4は、検知領域35aの内側に位置する。仮想交点P4は、4個の第2接合部37により形成される四角形の対角線の交点上に位置する。
【0066】
以上のように、第2変形例に係る転がり軸受装置1aは、転がり軸受2と、転がり軸受2の歪みを検知する歪みセンサ311と、外輪21の外周面21b又は内輪22の内周面22aのうち少なくとも一方の周面に、歪みセンサ311を固定する固定部320と、を備え、歪みセンサ311は、一方側の第1面34aが固定部320と接するプレート状の中間部材34と、中間部材34の他方側の第2面34bに固定される歪みゲージと、を有する。
【0067】
転がり軸受装置1aによれば、歪みゲージを含むチップ35は、中間部材34を介して転がり軸受2の周面に固定される。チップ35を転がり軸受2の周面に直接接合することが困難な場合であっても、チップ35及び周面の双方と容易に接合することができる中間部材34をバッファとして用いることで、チップ35を転がり軸受2の周面に間接的に接合することができる。
【0068】
また、第2固定部360は、固定部320と同様の作用により、中間部材34の第2面34bから伝わる応力をチップ35側へ逃がすことができる。このため、第2固定部360に発生する応力をより低減することができ、第2固定部360の耐久性をより高くすることができる。
【0069】
また、中間部材34の第2面34bが伸張する方向に歪むと、チップ35は、互いに隣接する複数の第2接合部37間で引っ張られるため、チップ35に発生する歪みをより大きくすることができる。特に、互いに隣接する複数の第2接合部37間には、チップ35の検知領域35aが位置するため、チップ35において歪みをより感度良く検出することができる。
【0070】
<第3変形例>
図8(a)、(b)は、それぞれ第3変形例に係る歪み検知部3e、3fを示す平面図である。第3変形例は、第2変形例に係る歪み検知部3dをさらに変形した変形例である。図8は、それぞれ図7と同じ方向から転がり軸受装置1aを見た平面図である。
【0071】
図8(a)を参照する。歪み検知部3eは、歪みセンサ311と、固定部321と、を有する。歪みセンサ311は、第2変形例に係る歪みセンサ311と同じ構成を有し、固定部321は、第1変形例に係る固定部321と同じ構成を有する。すなわち、図8(a)は、第1変形例と第2変形例を組み合わせた変形例である。このように構成することで、チップ35を転がり軸受2の周面に間接的に接合しつつ、歪みセンサ311において、外周面21bに生じる歪みのうち軸方向に生じる歪みを優先的に検出することができる。
【0072】
図8(b)を参照する。歪み検知部3fは、歪みセンサ312と、固定部321と、を有する。歪みセンサ312は、チップ35と、第2固定部361と、を有する。第2固定部361は、2個の第2接合部37e、37fを有する。第2接合部37e、37fは、それぞれ転がり軸受2の周方向を長手とし、軸方向を短手とする形状を有する。本変形例に係る第2固定部361によれば、チップ35において、中間部材34の第2面34bに生じる歪みのうち軸方向に生じる歪みを優先的に検出することができる。
【0073】
<第4変形例>
上記の実施形態では、1個の転がり軸受2に、1個の歪み検知部3を取り付けて、転がり軸受2の歪みを検出する。しかしながら、図9に示すように、1個の転がり軸受2に、複数(例えば、3個)の歪み検知部3、3a、3bを取り付けて、それぞれの歪み検知部3、3a、3bにおいてそれぞれ転がり軸受2の歪みを検出してもよい。
【0074】
図9は、図3と同じ方向から転がり軸受装置1bを見た平面図である。転がり軸受装置1bは、転がり軸受2と、3個の歪み検知部3、3a、3bと、を備える。歪み検知部3は、実施形態に係る歪み検知部3と同じ構成を有する。歪み検知部3a、3bは、第1変形例に係る歪み検知部3a、3bとそれぞれ同じ構成を有する。3個の歪み検知部3、3a、3bは、周方向に並んで配置されている。軸方向において、3個の歪み検知部3、3a、3bはそれぞれ同じ位置に配置されている。
【0075】
以下、歪み検知部3aの歪みセンサ310を「第1歪みセンサ31a」と称し、歪み検知部3bの歪みセンサ310を「第2歪みセンサ31b」と称し、歪み検知部3の歪みセンサ310を「第3歪みセンサ31c」と称する。
【0076】
第1歪みセンサ31aは、周方向を長手とする形状を有する2個の接合部33により周面に固定される。このため、第1歪みセンサ31aは、転がり軸受2の周面における歪みのうち軸方向の歪みを優先的に検知する。第2歪みセンサ31bは、軸方向を長手とする形状を有する2個の接合部33により周面に固定される。このため、第2歪みセンサ31bは、転がり軸受2の周面における歪みのうち周方向の歪みを優先的に検知する。
【0077】
第3歪みセンサ31cは、円柱形状を有する4個の接合部33により四隅を周面に固定される。このため、第3歪みセンサ31cは、転がり軸受2の周面における歪みを軸方向及び周方向のいずれの方向にも等しく検知する。
【0078】
転がり軸受装置1bによれば、第1歪みセンサ31aと第2歪みセンサ31bにより、転がり軸受2の歪みを軸方向及び周方向の成分に分けて検出することができる。これにより、転がり軸受2の状態をより詳細に検出することができる。
【0079】
<第5変形例>
第4変形例では、複数の歪みセンサを1個の転がり軸受に設ける。このような構成において、第2変形例のように中間部材34を有する歪みセンサを設けてもよい。また、1個の中間部材上に複数のチップを搭載するように構成してもよい。図10(a)、(b)は、それぞれ図7と同じ方向から転がり軸受装置1c、1dを見た平面図である。
【0080】
図10(a)を参照する。転がり軸受装置1cは、転がり軸受2と、3個の歪み検知部3e、3f、3gと、を有する。歪み検知部3e、3fは、第3変形例に係る歪み検知部3e、3fとそれぞれ同じ構成を有する。歪み検知部3gは、歪みセンサ313と、固定部321と、を有する。歪みセンサ313は、チップ35と、中間部材34と、チップ35を中間部材34の第2面34bに固定する第2固定部362と、を有する。
【0081】
第2固定部362は、2個の第2接合部37g、37hを有する。第2接合部37g、37hは、それぞれ転がり軸受2の軸方向を長手とし、周方向を短手とする形状を有する。本変形例に係る第2固定部362によれば、チップ35において、中間部材34の第2面34bに生じる歪みのうち周方向に生じる歪みを優先的に検出することができる。
【0082】
図10(b)を参照する。転がり軸受装置1dは、転がり軸受2と、歪み検知部3hと、を備える。歪み検知部3hは、歪みセンサ314と、固定部321と、を有する。歪みセンサ314は、1個の中間部材34cと、3個のチップ35と、3個のチップ35を中間部材34cにそれぞれ固定する3個の第2固定部360、361、362と、を有する。中間部材34cは、複数のチップ35を周方向に並べて配置するため、第2変形例に係る中間部材34よりも周方向に長い形状を有する。
【0083】
<第6変形例>
図11は、第6変形例に係る転がり軸受装置1eのうち、仮想線VL1が通る断面を部分的に示す断面図である。転がり軸受装置1eは、転がり軸受2aと、歪み検知部3と、を備える。転がり軸受2aは、外輪21の外周面21bに溝部24が設けられている点で、実施形態に係る転がり軸受2と相違し、その他の点は共通する。
【0084】
歪み検知部3は、溝部24に取り付けられる。歪み検知部3の径方向外側の面は、外周面21bよりも径方向内側に位置する。すなわち、歪み検知部3は、溝部24に完全に収容され、外周面21bよりも径方向外側に突出しない。このように構成することで、外輪21の外周面21bを図示省略するハウジングへ装着する際に、歪み検知部3は当該ハウジングと衝突しないため、容易に装着を行うことができる。
【0085】
<第7変形例>
図12は、第7変形例に係る転がり軸受装置1fを説明する説明図である。図12(a)は、仮想線VL1が通るZX平面における転がり軸受装置1fの断面を部分的に示す断面図である。図12(a)は、図3と同じ方向から見た転がり軸受装置1fを部分的に示す平面図である。本変形例では、歪み検知部3の検出信号を外部に取り出す構成の一例を説明する。
【0086】
転がり軸受装置1fは、転がり軸受2aと、歪み検知部3と、歪み検知部3の検出信号を転がり軸受装置1fの外部へ出力するケーブル4と、を備える。溝部24は、外周面21bにおいて、周方向に長く設けられている。溝部24は、外周面21bの全面にわたって設けられていてもよいし、外周面21bの一部に設けられていてもよい。
【0087】
ケーブル4は、例えば、フラットケーブルである。ケーブル4の一端4aは、歪みセンサ310の径方向外側の面と接続する。ケーブル4の他端4bは、溝部24のうち外周面21bの軸方向中央部から軸方向他方側(又は軸方向一方側)にわたって設けられている部分を介して、転がり軸受2aの軸方向他方側の端と接続する。歪み検知部3の検出信号は、他端4bから転がり軸受装置1fの外部(例えば、ハウジング)へ出力される。歪み検知部3及びケーブル4は、溝部24に完全に収容され、外周面21bよりも径方向外側に突出しない。
【0088】
<第8変形例>
図13は、第8変形例に係る歪み検知部3iの説明図である。本変形例は、第2変形例をさらに変形した例である。図13(a)は、図3と同じ方向から見た歪み検知部3iを含む平面図である。図13(b)は、図2と同じ平面で切断した歪み検知部3iを含む断面図である。本変形例に係る歪み検知部3iは、歪みセンサ315と、固定部320とを有する。
【0089】
上記の第2変形例において、中間部材34は1枚のプレートである。しかしながら、中間部材34は、チップ35の検知領域35aを挟んでいる状態で、離れて設けられている2個の分割部材341、342であってもよい。本変形例において、歪みセンサ315は、チップ35と、分割部材341、342と、第2固定部360とを有する。
【0090】
分割部材341、342は、それぞれ周方向に長尺な金属板(例えば、銅板、銅箔等)であり、それぞれ軸方向に離れて設けられている。第2固定部360のうち軸方向一方側に位置する第2接合部37b、37dは、チップ35と分割部材342とを接続している。また、第2固定部360のうち軸方向他方側に位置する第2接合部37a、37cは、チップ35と分割部材341とを接続している。すなわち、第2固定部360は、2個の分割部材341、342のそれぞれに、チップ35を固定する。
【0091】
固定部320のうち軸方向一方側に位置する接合部33b、33dは、外輪21の外周面21bと分割部材342とを接続している。また、固定部360のうち軸方向他方側に位置する接合部33a、33cは、外輪21の外周面21bと分割部材341とを接続している。すなわち、固定部320は、外輪21の外周面21bに、2個の分割部材341、342のそれぞれを固定する。
【0092】
ここで、チップ35は主に半導体材料(例えば、シリコン)により構成されており、中間部材34は主に金属材料(例えば、銅)により構成されている。このため、中間部材34とチップ35との間には熱膨張係数の差がある。具体的には、中間部材34は、チップ35よりも大きな熱膨張係数を有する。このため、中間部材34が1枚のプレートにより形成されている場合、歪みを測定する際の温度によってはチップ35が中間部材34の熱膨張による変形を歪みとして検出し、本来の転がり軸受2の歪みよりも大きい歪みを検出してしまうおそれがある。
【0093】
これに対し、本変形例では、中間部材34が、2個の分割部材341、342に分割されている。そして、外輪21の外周面21bが歪むことで伸張(又は収縮)すると、分割部材341、342は互いに分割されている方向(本変形例では、軸方向)に遠ざかる(又は近づく)。このため、チップ35は、中間部材34が分割されている方向の外周面21bの歪みを優先的に検出する。
【0094】
中間部材34は、分割されている方向とは異なる方向(本変形例では、周方向)に長尺な形状を有するため、熱膨張による中間部材34の伸縮量が大きい方向(中間部材34が主に伸縮する方向)は、当該異なる方向となる。これにより、中間部材34とチップ35との間に熱膨張係数の差がある場合であっても、中間部材34をチップ35の検知領域35aを挟んで分割することで、中間部材34が外周面21bの歪みにより移動する方向と、中間部材34が熱膨張により伸縮する方向とを異ならせることができるため、チップ35は中間部材34の熱膨張による変形を歪みとして検出しにくくなる。この結果、チップ35は、転がり軸受2の歪みをより正確に検出することができる。
【0095】
なお、本変形例では、軸方向に分割されている分割部材341、342を例に挙げて説明したが、これに代えて、周方向に分割され、軸方向にそれぞれ長尺な2個の分割部材を用いてもよい。すなわち、分割部材341、342は、転がり軸受2の軸方向及び周方向の少なくとも一方を含む方向に離れて位置していればよい。周方向に分割されている場合、チップ35は、周方向の外周面21bの歪みを優先的に検出し、2個の分割部材はそれぞれ軸方向に主に熱膨張するため、上記と同様にチップ35は転がり軸受2の歪みをより正確に検出することができる。
【0096】
<第9変形例>
図14は、第9変形例に係る転がり軸受装置1gの説明図である。本変形例は、第2変形例を更に変形した例である。第2変形例において、中間部材34は、図5に示すように、外輪21の外周面21bの接線と平行な方向に延びる1枚のプレートにより構成されている。これに対し、本変形例の転がり軸受装置1gに含まれる後述の中間部材343は、外輪21の外周面21bに沿う方向に曲がっている。
【0097】
図14(a)は、図5と同じ平面で切断した転がり軸受装置1gを示す断面図である。図14(b)は、図6と同じ平面で切断した転がり軸受装置1gを示す断面図である。転がり軸受装置1gは、転がり軸受2aと、歪み検知部3jとを備える。転がり軸受2aは、上記の第6変形例に係る転がり軸受2aと同じ構成を有する。具体的には、転がり軸受2aは、外輪21の外周面21bに、溝部24を有する。歪み検知部3jは、溝部24内に収容されている。
【0098】
歪み検知部3jは、歪みセンサ316と、固定部320とを有する。固定部320は、歪みセンサ316を溝部24の底部に固定する。歪みセンサ316は、中間部材343と、チップ35と、中間部材343にチップ35を固定する第2固定部360とを有する。チップ35は歪みを検出する歪みゲージを含む。ここで、チップ35は、歪みゲージの歪み検出方向が軸方向となるように、中間部材343に固定されている。
【0099】
中間部材343は、外輪21の外周面21b側に位置する第1面343aと、外周面21bの反対側(径方向外方)に位置する第2面343bとを有する。第1面343aには、複数(例えば、2本)の溝G1が形成されている。溝G1は、例えば三角形状(くさび形状)を有し、第1面343aの軸方向の全体にわたって直線的に設けられている。
【0100】
図14(a)に示すように、中間部材343は、第1面343aが凹状に、第2面343bが凸状になるように、溝部24の曲率と同じ曲率で曲がっている。換言すれば、中間部材343は、溝部24に沿う方向に曲がっている。
【0101】
溝部24は、外輪21の強度を保つために、なるべく小さく設けられることが好ましい。このため、歪み検知部3jも、溝部24内によりコンパクトに設けられることが好ましい。本変形例では、中間部材343が溝部24に沿う方向に曲げられている状態で、固定部320により溝部24に組み付けられている。このため、歪み検知部3jを溝部24内に、よりコンパクトに設けることができる。この結果、溝部24をより小さく設けることが可能となり、外輪21の強度をより強く保つことができる。
【0102】
さらに、中間部材343は溝部24に沿う方向に曲げられているため、中間部材343は溝部24の歪みをより正確に反映して変形する。このため、歪み検知部3jは、より正確に転がり軸受2aの歪みを検出することができる。
【0103】
図15は、歪みセンサ316を溝部24に設置する手順についての説明図である。はじめに、図15(a)に示すように、第2固定部360により、中間部材343の第2面343bにチップ35を固定する。ここで、図15(b)は、図15(a)の矢印Bから歪みセンサ316を見た底面図である。図15(b)では、中間部材343の第1面343a側が見えており、チップ35及び第2固定部360は中間部材343の裏側に隠れている。図15(b)では、説明のため、チップ35及び第2固定部360を破線により示す。図15(b)に示すように、チップ35及び第2固定部360は、周方向に隣接する複数の溝G1の間に設けられる。
【0104】
次に、図15(c)に示すように、第1面343aが凹状に、第2面343bが凸状になるように、中間部材343を曲げる。このとき、中間部材343を外周面21bの曲率と同じ曲率となるように曲げる。最後に、図14に示すように固定部320により溝部24に歪みセンサ316(具体的には、中間部材343)を固定する。
【0105】
ここで、第2固定部360に大きな応力が発生すると、中間部材343及びチップ35と第2固定部360との接合が弱くなり、歪みセンサ316の寿命が低下する傾向がある。本変形例において、中間部材343の第2面343b側には、複数の溝G1が設けられているため、中間部材343が曲がる際、中間部材343は溝G1が小さくなるように変形する。このように、チップ35が設けられる第2面343bよりも、転がり軸受2aに固定される第1面343a側が積極的に変形することで、チップ35と中間部材343とを固定する第2固定部360に大きな応力が発生することを抑制することができる。この結果、歪みセンサ316の寿命が低下することを抑制しつつ、歪みセンサ316においてより正確に歪みを検出することができる。
【0106】
また、チップ35の歪み検出方向は、軸方向とされている。このため、中間部材343が周方向に曲げられることに起因する中間部材343の変形をチップ35が歪みとして検出することを防止することができる。これにより、歪みセンサ316において、より正確に歪みを検出することができる。
【0107】
<第10変形例>
図16図17及び図18は、それぞれ第9変形例に係る中間部材343を更に変形した中間部材についての説明図である。図16(a)、図17(a)及び図18(a)は、図15(a)と同じ断面により、中間部材344、345、346をそれぞれ示す。中間部材344、345、346は、外輪21の外周面21b側に位置する第1面344a、345a、346aと、外周面21bの反対側(径方向外方)に位置する第2面344b、345b、346bとをそれぞれ有する。
【0108】
図16(b)、図17(b)及び図18(b)は、中間部材344、345、346をそれぞれ第1面344a、345a、346a側から見た底面図である。中間部材344、345、346は、中間部材343と同様に、第1面344a、345a、346a側をそれぞれ凹状にし、第2面344b、345b、346b側をそれぞれ凸状にして、溝部24に沿う方向に曲げられている状態で、固定部320により溝部24に固定される。
【0109】
中間部材344の第1面344aには、3本の溝G2が形成されている。溝G2は、矩形状(直方体形状)を有し、第1面344aの軸方向の全体にわたって直線的に設けられている。このように、第9変形例の溝G1とは異なる形状及び異なる本数の溝であっても、第9変形例と同様の効果を奏する。
【0110】
中間部材345の第1面345aには、1個の溝G3が形成されている。溝G3は、矩形状(直方体形状)を有し、第1面345aの軸方向の全体にわたって直線的に設けられている。溝G3の周方向の長さは、第1面345aの周方向長さの半分以上である。このように、1個の溝G3が設けられる場合であっても、第9変形例と同様の効果を奏する。
【0111】
中間部材346の第1面346aには、6個の溝G4が形成されている。溝G4は、矩形状(直方体形状又は立方体形状)を有し、軸方向に2個ずつ、周方向に3個ずつ設けられている。このように、軸方向の全体にわたって直線的に溝G4が設けられない場合であっても、第9変形例と同様の効果を奏する。
【0112】
<第11変形例>
図19及び図20は、第11変形例に係る歪み検知部3kの説明図である。本変形例は、第2変形例をさらに変形した例である。図19は、図3と同じ方向から見た歪み検知部3kを含む平面図である。図20は、図19の矢印XXに示す切断線で切断した断面を部分的に示す断面図である。本変形例に係る歪み検知部3kは、歪みセンサ317と、固定部324とを有する。
【0113】
歪みセンサ317は、チップ35と、中間部材347と、第2固定部360とを有する。中間部材347は、金属製(例えば銅製)の1枚の薄膜プレートである。図20に示すように、中間部材347は外周面21b側の第1面347aと、外周面21bと反対側の第2面347bと、側面347cとを有する。中間部材347は、軸方向に位置する2つの側面347cを固定部324により外周面21bに固定されている。固定部324は、溶接により形成されており、複数の接合部33i、33jを有する。接合部33i、33jは、溶接ビードであり、中間部材347を形成する金属材料及び外輪21を形成する金属材料を含む。接合部33i、33jは、中間部材347及び外輪21に加え、母材となる金属材料をさらに含んでいてもよい。中間部材347の第1面347aは、外周面21bと非固定の状態で接触している。
【0114】
中間部材347には、第1面347aから第2面347bへと貫通する穴h1が形成されている。図19に示すように歪みセンサ317を径方向から平面視したとき、穴h1の少なくとも一部は、仮想線LP3と重複する位置に形成されている。また、同じく歪みセンサ317を径方向から平面視したとき、穴h1の少なくとも一部は、チップの検知領域35aと重複する位置に形成されている。また、同じく歪みセンサ317を径方向から平面視したとき、穴h1は、第2接合部37a〜37dよりも内側に形成されている。
【0115】
ここで、チップ35は主に半導体材料(例えば、シリコン)により構成されており、上記の第2変形例に係る中間部材34は主に金属材料(例えば、銅)により構成されている。このため、中間部材34とチップ35との間には熱膨張係数の差がある。具体的には、中間部材34は、チップ35よりも大きな熱膨張係数を有する。このため、歪みを測定する際の温度によってはチップ35が中間部材34の熱膨張による変形を歪みとして検出し、本来の転がり軸受2の歪みよりも大きい歪みを検出してしまうおそれがある。特に、中間部材34の中央部分は、周縁部分(側面に近い部分)と比べ熱膨張した金属材料の逃げ場がなく、当該中央部分は径方向外側又は径方向内側に膨らむように変形するおそれがある。中間部材34の中央部分が熱膨張により径方向外側に膨らみ、チップ35と接触すると、チップ35は歪みを誤検知するおそれがある。
【0116】
これに対し、本変形例では、中間部材347に、穴h1が形成されている。このため、中間部材347が熱膨張する場合であっても、穴h1が狭まるように中間部材347が変形することで、中間部材347が径方向に変形することを防止することができる。すなわち、穴h1は、チップ35と中間部材347との熱膨張差による変形を吸収する(逃がす)「吸収領域」として機能する。この結果、チップ35は中間部材347の変形を歪みとして検出しにくくなるため、チップ35は転がり軸受2の歪みをより正確に検出することができる。
【0117】
特に、穴h1の少なくとも一部は、径方向に平面視したときにチップ35の検知領域35aと重複する位置に形成されている。このため、中間部材347が熱膨張により変形する場合であっても、変形した中間部材347が検知領域35aと接触することをより確実に防止することができる。この結果、チップ35は転がり軸受2の歪みをより正確に検出することができる。
【0118】
また、中間部材347に穴h1が形成されているため、穴h1が形成されていない場合と比べて、中間部材347は外周面21bの歪みにより変形しやすくなる。例えば、外周面21bの歪みにより、接合部33iと接合部33jが軸方向に離れる方向に変形する場合、中間部材347は軸方向により伸張しやすくなる。この結果、中間部材347は、外周面21bの歪みをより感度良くチップ35に伝達することができる。
【0119】
<第11変形例のバリエーション>
図21及び図22は、第11変形例に係る中間部材347の穴h1のバリエーションを示す説明図である。図21(a)に示すように、中間部材347には、穴h1に代えて、穴h2が形成されていてもよい。穴h2は、チップ35よりも周方向に長い穴であり、軸方向において第2固定部360よりも内側に形成されている。このように構成することで、中間部材347は外周面21bの歪みにより軸方向に変形しやすくなるため、熱膨張による誤検知を防止しつつ、チップ35に軸方向の歪みをより感度良く伝達することができる。
【0120】
図21(b)に示すように、中間部材347には、穴h1に代えて、穴h3が形成されていてもよい。穴h3は、チップ35よりも軸方向に長い穴であり、周方向において第2固定部360よりも内側に形成されている。このように構成することで、中間部材347は外周面21bの歪みにより周方向に変形しやすくなるため、熱膨張による誤検知を防止しつつ、チップ35に周方向の歪みをより感度良く伝達することができる。
【0121】
図21(c)に示すように、中間部材347には、穴h1に代えて、複数の穴h41、h42、h43、h44が形成されていてもよい。穴h41は、軸方向及び周方向において第2固定部360よりも内側に形成されている穴である。穴h42は、穴h41と軸方向に隣接し、径方向に平面視した際にチップ35から軸方向にはみ出す領域を有する穴である。穴h43は、穴h41と周方向に隣接し、径方向に平面視した際にチップ35から周方向にはみ出す領域を有する穴である。穴h44は、径方向に平面視した際にチップ35と重複しない位置に形成されている穴である。複数の穴h41〜h44は、それぞれチップ35と中間部材347との熱膨張差による変形を吸収する「吸収領域」として機能する。
【0122】
図22に示すように、中間部材347には、穴h1に代えて、切り欠きCt1が形成されていてもよい。切り欠きCt1は、中間部材347の第2面347bから外周面21b側に凹むように形成されている。なお、切り欠きCt1は、中間部材347の第1面347aから径方向外側(外周面21bから遠ざかる側)に凹むように形成されてもよい。すなわち、切り欠きCt1は、第1面347a又は第2面347bに形成されている。中間部材347が熱膨張すると、切り欠きCt1は凹みが浅くなるように変形することで、チップ35と中間部材347との熱膨張差による変形を吸収する。すなわち、切り欠きCt1は「吸収領域」として機能する。
【0123】
上記の穴h1,h2,h3,h41〜h44、及び切り欠きCt1は、チップ35と中間部材347との熱膨張差による中間部材347の変形を吸収するだけでなく、外輪21と中間部材347との熱膨張差による中間部材347の変形をも吸収することができる。
【0124】
<その他>
上記の実施形態及び変形例においては、転がり軸受2、2aがラジアルコンタクトの玉軸受である場合について説明した。しかしながら、転がり軸受2、2aは、アキシアルコンタクトの玉軸受、アンギュラコンタクトのラジアル玉軸受、又はアンギュラコンタクトのスラスト玉軸受であってもよい。いずれの転がり軸受であっても、仮想交点P3は上記の実施形態(ラジアルコンタクトの玉軸受)と同様の方法で決定する。
【0125】
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受装置は、図示する形態に限られず、本発明の範囲内において他の形態であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g:転がり軸受装置
2、2a:転がり軸受 21:外輪 21a:(外輪の)内周面
21b:(外輪の)外周面 21a1:肩 21a2:第1軌道面
22:内輪 22a:(内輪の)内周面
22b:(内輪の)外周面 22b1:肩 22b2:第2軌道面
23:転動体 24:溝部
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3j、3k:歪み検知部
310、311、312、313、314、315、316、317:歪みセンサ
310a:(歪みセンサの)検知領域 31a:第1歪みセンサ
31b:第2歪みセンサ 31c:第3歪みセンサ
320、321、322、323、324:固定部
33、33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33h、33i、33j:接合部
34、34c、343、344、345、346、347:中間部材
34a、344a、345a、346a、347a:第1面
34b、344b、345b、346b、347b:第2面
341、342:分割部材 347c:側面 35:チップ(歪みゲージ)
35a:検知領域 360、361、362:第2固定部
37、37a、37b、37c、37d、37e、37f、37g、37h:第2接合部
4:ケーブル 4a:一端 4b:他端
C1:軸受中心線 C2:(転動体の)中心
P1:第1点 P2:第2点 P3:仮想交点
P4:仮想交点 VL1:仮想線 LP3:仮想線
G1、G2、G3、G4:溝 Ct1:切り欠き
h1、h2、h3、h41、h42、h43、h44:穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22