【解決手段】表示装置10は、第1面側101にLEDチップ201、203、205を含む画素回路110を備え、前記第1面とは反対側の第2面側103に、空間に露出された凹凸120が設けられたアレイ基板100を有する。前記アレイ基板は、前記第2面側に備えられた金属膜を含み、前記金属膜の表面は、前記空間に露出されていてもよい。前記アレイ基板は、絶縁性基板109及び金属膜を含み、前記絶縁性基板は前記第1面側に設けられ、前記金属膜は前記第2面側に設けられ、前記凹凸は、前記絶縁性基板の形状を反映した形状であってもよい。
前記金属膜は、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面を介して、前記画素回路に設けられた配線の一部に接続されている、請求項2、6及び7のいずれか一に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎない。当業者が、発明の主旨を保ちつつ、実施形態の構成を適宜変更することによって容易に想到し得る構成についても、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号の後にアルファベットを付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本発明の各実施の形態において、アレイ基板からLEDチップに向かう方向を上又は上方という。逆に、LEDチップからアレイ基板に向かう方向を下又は下方という。このように、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、例えば、アレイ基板とLEDチップとの上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。また、以下の説明で、例えばアレイ基板上のLEDチップという表現は、上記のようにアレイ基板とLEDチップとの上下関係を説明しているに過ぎず、アレイ基板とLEDチップとの間に他の部材が配置されていてもよい。また、上方又は下方は、複数の層が積層された構造における積層順を意味するものであり、トランジスタの上方の画素電極と表現する場合、平面視でトランジスタと画素電極とが重ならない位置関係であってもよい。一方、トランジスタの鉛直上方の画素電極と表現する場合は、平面視でトランジスタと画素電極とが重なる位置関係を意味する。
【0011】
本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA〜Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0012】
なお、以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0013】
〈第1実施形態〉
[表示装置10の構成]
図1〜3を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10について説明する。なお、
図1〜3では、表示装置10のうちの一部の画素構成について図示されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
図1に示すように表示装置10は、アレイ基板100及びLEDチップ200を有する。アレイ基板100は、第1面101及び第2面103を備えている。第1面101と第2面103とは反対側の面である。本実施形態では、アレイ基板100は絶縁性基板109によって構成されている。つまり、本実施形態では、アレイ基板100を絶縁性基板109と言い換えることができる。アレイ基板100は、第1面101側に導電層114、116を備えている。詳細は後述するが、これらの導電層114、116は画素回路110に設けられた配線の一部である。導電層116は導電層114とLEDチップ200とを接続する接続部材である。つまり、アレイ基板100の第1面101側には画素回路110が設けられている。第2面103には、凹凸120が設けられている。凹凸120は、表示装置10の下方の空間129に露出されている。
【0014】
表示装置10が筐体の内部に配置される場合、凹凸120は表示装置10と筐体との間の空間129に露出される。換言すると、凹凸120は表示装置10と筐体との間の気体に接する。なお、凹凸120の全ての領域が空間129に露出される必要はなく、本実施形態が効果を奏する限りで、凹凸120の少なくとも一部が空間129に露出されていればよい。例えば、凹凸120の下端部に両面テープ又は接着性樹脂が設けられ、これらの接着部材によって表示装置10が筐体に接着されていてもよい。この場合、凹凸120のうち、当該接着部材が接している領域以外の領域は空間129に露出される。ただし、この場合の空間129は、表示装置10、筐体、及び接着部材によって囲まれた空間を指す。なお、アレイ基板100の放熱効率を向上させるために、筐体に貫通孔(空気孔)が設けられていてもよい。
【0015】
本実施形態では、凹凸120がアレイ基板100の第2面103から下方に半円状に突出する突出部によって構成される例を示したが、この構成に限定されない。例えば、凹凸の形状は錐形であってもよく、矩形であってもよい。また、凹凸120は、第2面103からアレイ基板100の内部に向かって形成された溝によって構成されてもよい。当該溝の断面形状は、上記の突出部と同様に半円状であってもよく、錐形であってもよく、矩形であってもよい。
【0016】
凹凸120は、絶縁性基板109のエッチング、切削、成型、レーザ加工などの方法で形成することができる。つまり、凹凸120は、絶縁性基板109の第2面103側を加工することで形成されてもよく、絶縁性基板109の製造時に形成されていてもよい。
【0017】
LEDチップ200は、導電層116の上に設けられている。本実施形態では、LEDチップ200の下部にアノード電極が設けられており、LEDチップ200の上部にカソード電極が設けられている。LEDチップ200のアノード電極は、導電層116に接続されている。なお、図示しないが、LEDチップ200のカソード電極は、カソード電極の上方に設けられた導電層(例えば、後述する導電層420D(
図10参照))に接続される。アノード電極からカソード電極にLEDチップ200内を流れる電流によって、LEDチップ200は発光する。本実施形態では、LEDチップ200は上方に光を放出する。LEDチップ200の側壁には反射部材が設けられている。反射部材は、傾斜面が上方を向くように傾斜しており、LEDチップ200の発光部から横方向に放出された光を上方に反射する。また、導電層114は反射部材としての機能を備えており、LEDチップ200からアレイ基板100側に放出された光を上方に反射する。また、LEDチップ200は上述の構造に限らず側壁に反射部材が形成されていないものであってもよい。さらには、LEDチップ200は下部にアノード電極及びカソード電極が設けられたフリップタイプ(横型)のLEDチップであってもよい。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置を下方から見た模式的な平面図である。LEDチップ200は複数設けられている。例えば、LEDチップ200は、赤色LEDチップ201、緑色LEDチップ203、及び青色LEDチップ205を含む。これらのLEDチップ200は、第1方向D1及び第2方向D2にピッチP1で周期的に配置されている。凹凸120の凸部121は第2方向D2に長手を有しており、凸部121及び凹部123は第1方向D1に交互に並んでいる。凹凸120は、第1方向D1にピッチP2の周期的な形状を有している。ピッチP1はピッチP2とは異なるピッチであり、ピッチP2の整数倍ではないピッチである。ピッチP1とピッチP2とが上記の関係を有することで、両ピッチに起因する干渉を抑制することができる。なお、配置されるLEDチップの色及び色の並びは
図1に示す構成に限定されない。
【0019】
なお、
図2では、凸部121が第2方向D2に長手を有する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、
図3に示すように、凸部121が円状であってもよい。
図3では、円状の凸部121が第1方向D1及び第2方向D2に、ピッチP2で周期的に並べられている。ただし、第1方向D1のピッチと第2方向D2のピッチとが異なっていてもよい。また、凸部121の形状は円状の他に、三角形、四角形、その他の多角形、楕円形、又はリング状(閉じた形状又はループ状)の湾曲形状であってもよい。
【0020】
[表示装置10の各部材の材質]
絶縁性基板109として、ガラス基板、石英基板、又はプラスチック基板(樹脂基板)などの透光性を有する絶縁基板を用いることができる。プラスチック基板として、ポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、又はフッ素樹脂基板などの可撓性を有する基板を用いることができる。また、絶縁性基板109として、ステンレス基板又はアルミニウム基板などの金属基板を用いることができる。また、絶縁性基板109として、シリコン基板、炭化シリコン基板、化合物半導体基板などの半導体基板を用いることができる。また、絶縁性基板109として、後述するように、上記の基板の表面に薄膜が形成されたものを用いることができる。
【0021】
導電層114は、LEDチップ200を実装するための接続部材(導電層116)を形成するためのパッドとして機能する。導電層114として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)及びこれらの合金又は化合物が用いられる。また、導電層114として、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。
【0022】
導電層116は、LEDチップ200を実装するための接続部材として機能する。導電層116として、例えば、銀ペースト、はんだ、又は異方性導電膜(ACF)を用いることができる。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10によると、アレイ基板100の第2面103側に凹凸120が設けられていることで第2面103の表面積が増加するため、LEDチップ200によって発生した熱を効率よく放出することができる。また、放熱のためにヒートシンク(例えば、銅シードや凹凸を有する金属部材)などの放熱機構を表示装置10に取り付けようとすると、表示装置10の厚さ、製造コストが増加するなどの問題があった。しかし、本実施形態に係る表示装置10は、アレイ基板100を加工することで凹凸120を形成することができるため、表示装置10の厚さ、製造コストの増加を抑制することができる。また、表示装置と冷却機構との接着性に起因する問題を回避することができる。
【0024】
〈第2実施形態〉
図4を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aについて説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
図4に示す表示装置10Aは、
図1に示す表示装置10と類似しているが、アレイ基板100Aは、第2面103A側に備えられた金属膜130Aを含む点において、アレイ基板100とは相違する。以下の表示装置10Aの説明において、
図1の表示装置10と同様の特徴については説明を省略し、主に表示装置10との相違点について説明する。
【0025】
[表示装置10Aの構成]
図4に示すように、アレイ基板100Aは絶縁性基板109A及び金属膜130Aを含む。LEDチップ200Aは絶縁性基板109Aの第1面101A側に設けられており、金属膜130Aは第2面103A側に設けられている。アレイ基板100Aの第2面103Aには凹凸120Aが設けられている。具体的には、絶縁性基板109Aによって凹凸形状が構成され、絶縁性基板109Aの凹凸形状の下に金属膜130Aが略均一に形成されることで、凹凸120Aの表面において金属膜130Aが空間129Aに露出されている。つまり、凹凸120Aは、絶縁性基板109Aの第2面103A側の形状を反映した形状である。
【0026】
ここで、略均一に形成されるとは、金属膜130Aを形成する際に、位置によって膜厚が異なるように金属膜130Aを形成する意図はなく金属膜130Aを形成することを意味し、必ずしも全ての位置において金属膜130Aの膜厚が完全に同一であることを意味するものではない。つまり、凸部121Aにおける金属膜130Aの膜厚と凹部123Aにおける金属膜130Aの膜厚とが異なっていてもよい。
【0027】
[表示装置10Aの各部材の材質]
金属膜130Aとして、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Bi、Ag、Cu及びこれらの合金又は化合物が用いられる。また、金属膜130Aとして、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。金属膜130Aの厚さは50nm以上5μm以下又は100nm以上1μm以下である。ただし、製造コストが許容すれば、金属膜130Aの厚さは1μm以上5μm以下であることが好ましい。なお、金属膜130Aとして、絶縁性基板109Aよりも熱伝導性が高い材料が用いられる。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10Aによると、アレイ基板100Aの一部で熱が発生した場合であっても、金属膜130Aを介してその熱を速やかにアレイ基板100Aの第2面103Aの全面に拡散することができる。その結果、第2面103Aの全面で効率よく放熱をすることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果に加え、放熱効率をさらに向上させることができる、という効果を得ることができる。
【0029】
〈第3実施形態〉
図5を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Bについて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
図5に示す表示装置10Bは、
図4に示す表示装置10Aと類似しているが、アレイ基板100Bが、第3面105B側に備えられた金属膜140Bを含む点において、アレイ基板100Aとは相違する。以下の表示装置10Bの説明において、
図4の表示装置10Aと同様の特徴については説明を省略し、主に表示装置10Aとの相違点について説明する。
【0030】
[表示装置10Bの構成]
図5に示すように、アレイ基板100Bは絶縁性基板109B、金属膜130B、及び金属膜140Bを含む。また、アレイ基板100Bの第1面101Bには導電層114B、116Bが備えられている。金属膜140Bは、アレイ基板100Bの第3面105Bに設けられている。第3面105Bは、第1面101Bと第2面103Bとを接続する面である。換言すると、第3面105Bはアレイ基板100Bの側面である。金属膜140Bは、第1面101B側において導電層114B(画素回路110Bに設けられた配線の一部)に接続されており、第2面103B側において金属膜130Bに接続されている。つまり、金属膜130Bは導電層114Bに電気的に接続されている。
【0031】
金属膜140Bは、第3面105Bの全てに設けられていてもよく、第3面105Bの一部に設けられていてもよい。つまり、金属膜140Bは、アレイ基板100Bの周囲の第3面105Bを連続して囲んでいてもよく、第3面105Bに離散的に設けられていてもよい。なお、絶縁性基板109Bに貫通孔が設けられ、金属膜140Bがその貫通孔を介して導電層114Bと金属膜130Bとを接続してもよい。金属膜140Bは、導電層116B又はLEDチップ200Bに接続されていてもよい。
【0032】
金属膜140B及び導電層116Bには、例えばグランド(GND)のように固定された基準電圧が供給されていてもよい。
【0033】
[表示装置10Bの各部材の材質]
金属膜140Bとして、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Bi、Ag、Cu及びこれらの合金又は化合物が用いられる。また、金属膜140Bとして、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。金属膜140Bの厚さは50nm以上5μm以下又は100nm以上1μm以下である。ただし、製造コストが許容すれば、金属膜140Bの厚さは1μm以上5μm以下であることが好ましい。なお、金属膜140Bとして、絶縁性基板109Aよりも熱伝導性が高い材料が用いられる。金属膜140Bとして、金属膜130Bと同じ材料が用いられてもよく、金属膜130Bと異なる材料が用いられてもよい。さらには、金属膜140Bは導電テープや導電ペーストなどのように金属膜として成膜されず、接着・塗布される導電材料であってもよい。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10Bによると、LEDチップ200Bで発生した熱を、金属膜140Bを介して効率よく金属膜130Bに伝達することができる。その結果、第2実施形態と同様の効果に加え、放熱効率をさらに向上させることができる、という効果を得ることができる。また、金属膜140Bに接続された電位をより安定化することができる。また、製造工程中における静電気対策としても有益な効果が得られる。
【0035】
〈第4実施形態〉
図6を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Cについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
図6に示す表示装置10Cは、
図4に示す表示装置10Aと類似しているが、アレイ基板100Cでは、凹凸120Cが不規則に設けられている点において、アレイ基板100Aとは相違する。以下の表示装置10Cの説明において、
図6の表示装置10Aと同様の特徴については説明を省略し、主に表示装置10Aとの相違点について説明する。
【0036】
[表示装置10Cの構成]
図6に示すように、アレイ基板100Cの第2面103Cには凹凸120Cが設けられている。凹凸120Cの凸部121C及び凹部123Cのピッチは不規則である。また、凸部121Cの第2面103Cからの高さ及び凸部121Cの第1方向D1における幅も不規則である。凸部121Cの高さと幅との間には相関があり、高さが大きいと幅も大きく、高さが小さいと幅も小さい。ただし、この構成に限定されない。例えば、凸部121Cの高さが略一定であり、凸部121Cの幅が不規則であってもよく、逆に凸部121Cの幅が略一定であり、凸部121Cの高さが不規則であってもよい。凸部121Cの高さと幅との間に相関がなくてもよい。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10Cによると、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
〈第5実施形態〉
図7〜
図10を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置の全体構成について説明する。なお、以下に示す実施形態では、上記の第1実施形態〜第4実施形態で説明した表示装置の全体構成ついて説明する。
【0039】
[表示装置20Dの概要]
図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置の全体構成を示す平面図である。
図7に示すように、表示装置20Dは、アレイ基板100D、フレキシブルプリント回路基板600D(FPC600D)、及びICチップ700Dを有する。表示装置20Dは表示領域22D、周辺領域24D、及び端子領域26Dに区分される。表示領域22Dは、LEDチップ200Dを含む画素回路110Dがマトリクス状に配置された領域であり、画像を表示する領域である。周辺領域24Dは、表示領域22Dの周囲の領域であり、画素回路110Dを制御するドライバ回路が設けられた領域である。端子領域26Dは、FPC600Dが設けられた領域である。周辺領域24D及び端子領域26Dの外縁のアレイ基板100Dの側面が第3面105Dである。ICチップ700DはFPC600D上に設けられている。ICチップ700Dは各画素回路110Dを駆動させるための信号を供給する。また、上記の例に限らず、例えばICチップ700Dはアレイ基板100Dに実装されるCOG(Chip on glass)構造であってもよい。
【0040】
[表示装置20Dの回路構成]
図8は、本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。
図8に示すように、画素回路110Dが配置された表示領域22Dに対して第2方向D2(列方向)に隣接する位置にはソースドライバ回路520Dが設けられており、表示領域22Dに対して第1方向方向D1(行方向)に隣接する位置にはゲートドライバ回路530Dが設けられている。ソースドライバ回路520D及びゲートドライバ回路530Dは、上記の周辺領域24Dに設けられている。ただし、ソースドライバ回路520D及びゲートドライバ回路530Dが設けられる領域は周辺領域24Dに限定されず、画素回路110Dが設けられた領域の外側であれば、どの領域でもよい。
【0041】
ソースドライバ回路520Dからソース配線521Dが第2方向D2に延びており、第2方向D2に配列された複数の画素回路110Dに接続されている。ゲートドライバ回路530Dからゲート配線531Dが第1方向方向D1に延びており、第1方向方向D1に配列された複数の画素回路110Dに接続されている。
【0042】
端子領域26Dには端子部533Dが設けられている。端子部533Dとソースドライバ回路520Dとは接続配線541Dで接続されている。同様に、端子部533Dとゲートドライバ回路530Dとは接続配線541Dで接続されている。FPC600Dが端子部533Dに接続されることで、FPC600Dが接続された外部機器と表示装置20Dとが接続され、外部機器からの信号によって表示装置20Dに設けられた各画素回路110Dが駆動する。
【0043】
第1実施形態〜第4実施形態に示す表示装置10〜10Cは、第5実施形態に示す表示装置20Dの画素回路110Dの一部に相当する。
【0044】
[表示装置20Dの画素回路110D]
図9は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。
図9に示すように、画素回路110Dは駆動トランジスタ960D、選択トランジスタ970D、保持容量980D、及びLEDチップ200Dなどの素子を含む。選択トランジスタ970Dのソース電極は信号線971Dに接続され、選択トランジスタ970Dのゲート電極はゲート線973Dに接続されている。駆動トランジスタ960Dのソース電極はアノード電源線961Dに接続され、駆動トランジスタ960Dのドレイン電極はLEDチップ200Dのアノードに接続されている。LEDチップ200Dのカソードはカソード電源線963Dに接続されている。駆動トランジスタ960Dのゲート電極は選択トランジスタ970Dのドレイン電極に接続されている。保持容量980Dは駆動トランジスタ960Dのゲート電極及びドレイン電極に接続されている。信号線971Dには、LEDチップ200Dの発光強度を決める階調信号が供給される。ゲート線973Dには、上記の階調信号を書き込む画素行を選択する信号が供給される。
【0045】
[表示装置20Dの断面構造]
図10は、本発明の一実施形態に係る表示装置20Dの画素回路110Dの断面図である。
図10に示すように、表示装置20Dは、トランジスタ300D及び配線部400Dを有する。トランジスタ300D及び配線部400Dによって画素回路110Dが構成されている。
【0046】
トランジスタ300Dは、下地層310Dの上に設けられている。トランジスタ300Dは、半導体層320D、ゲート絶縁層330D、ゲート電極340D、絶縁層350D、及び導電層402D(ソース電極及びドレイン電極)を有する。半導体層320Dは下地層310Dの上に設けられている。ゲート電極340Dは半導体層320Dの上方に設けられている。ゲート絶縁層330Dは半導体層320Dとゲート電極340Dとの間に設けられている。絶縁層350Dはゲート絶縁層330D及びゲート電極340Dの上に設けられている。導電層402Dは、絶縁層350Dの上に設けられており、絶縁層350Dに設けられた開口を介して半導体層320Dに接続されている。
【0047】
配線部400Dは、導電層402D、導電層403D、平坦化層404D、導電層406D、絶縁層408D、導電層410D、導電層411D、平坦化層412D、導電層414D、導電層416D、導電層114D、及び導電層116Dを有する。以下の説明において、LEDチップ200Dのアノードに接続された配線(導電層116D)が設けられた領域を第1領域480Dという。また、LEDチップ200Dのカソードに接続された配線(導電層420D)が設けられた領域を第2領域490Dという。
【0048】
平坦化層404Dは導電層402Dの上に設けられている。平坦化層404Dには、第1領域480Dに導電層402Dの一部を露出する開口422Dが設けられ、第2領域490Dに導電層403Dの一部を露出する開口424Dが設けられている。導電層406Dは、平坦化層404Dの上に設けられ、開口424Dを介して導電層403Dに接続されている。絶縁層408Dは導電層406Dの上に設けられている。絶縁層408Dには、開口422Dに対応する位置に開口が設けられている。なお、導電層406Dには、例えば共通の電源電圧PVDDが供給される。
【0049】
導電層410D及び導電層411Dは絶縁層408Dの上に設けられている。導電層410Dは開口422Dを介して導電層402Dに接続されている。導電層411Dは絶縁層408Dによって導電層406Dから絶縁されている。導電層411Dには、例えば共通の電源電圧PVSS(例えば、接地電圧GND)が供給される。
【0050】
平坦化層412Dは導電層410D及び導電層411Dの各々の上に設けられている。平坦化層412Dには、導電層410Dを露出する開口426D及び導電層411Dを露出する開口428Dが設けられている。導電層114D及び導電層414Dは、平坦化層412Dの上に設けられている。導電層114Dは開口426Dを介して導電層410Dに接続されている。導電層414Dは開口428Dを介して導電層411Dに接続されている。
【0051】
導電層116Dは導電層114Dの上に設けられている。導電層416Dは導電層414Dの上に設けられている。導電層116Dは、LEDチップ200Dを配線部400Dに実装するために用いられる。つまり、導電層116DはLEDチップ200Dと導電層114Dとを接着し、これらを電気的に接続する機能を有する。導電層116Dを接続部材ということができる。導電層116Dは、マイクロディスペンス法、インクジェット法、ピン転写法、マスク蒸着法、マスクスパッタリング法、ACF(Anisotropic Conductive Film)/NCF(Non-Conductive Film)接合法、又は印刷法を用いて形成することができる。導電層416Dも導電層116Dと同様の方法で形成することができる。
【0052】
導電層116D及び導電層416Dの各々の上に、LEDチップ200Dを埋設するように平坦化層418Dが設けられている。平坦化層418Dには、導電層416Dを露出する開口430Dが設けられている。平坦化層418Dの上面はLEDチップ200Dの上面と一致している。なお、LEDチップ200Dの上面が平坦化層418Dから露出されていればよく、平坦化層418Dの上面とLEDチップ200Dの上面とが一致していなくてもよい。平坦化層418Dの上には導電層420Dが設けられている。導電層420Dは、LEDチップ200Dに接続されている。また、導電層420Dは、開口430Dを介して導電層416Dに接続されている。
【0053】
導電層116DはLEDチップ200Dのアノードに接続されており、導電層420DはLEDチップ200Dのカソードに接続されている。ゲート電極340Dにトランジスタ300DをON状態にするON電圧が供給されると、信号線(図示せず)に供給された電圧がトランジスタ300D、導電層410D、114D、116Dを介してLEDチップ200Dのアノードに供給される。LEDチップ200Dのカソードは、導電層420D、416D、414Dを介して導電層411Dに接続されている。
【0054】
[表示装置20Dの各部材の材質]
トランジスタ300D及び配線部400Dを構成する各導電層及びゲート電極340Dとして、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Bi、Ag、Cu及びこれらの合金又は化合物が用いられる。これらの導電層及びゲート電極として、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。なお、配線部400Dを構成する各導電層として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料が用いられてもよい。特に、導電層420Dとして透明導電材料が用いられる。導電層114は、LEDチップ200Dから配線部400Dに向かって放出された光を上方に反射する機能を有する。したがって、導電層114Dとして他の導電層よりも反射率が高い材料が用いられる。
【0055】
トランジスタ300D及び配線部400Dを構成する各絶縁層、ゲート絶縁層330D、及び下地層310Dとして、酸化シリコン(SiO
x)、酸化窒化シリコン(SiO
xN
y)、窒化シリコン(SiN
x)、窒化酸化シリコン(SiN
xO
y)、酸化アルミニウム(AlO
x)、酸化窒化アルミニウム(AlO
xN
y)、窒化酸化アルミニウム(AlN
xO
y)、または窒化アルミニウム(AlN
x)などの無機絶縁材料を用いることができる。ここで、SiO
xN
y及びAlO
xN
yは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、SiN
xO
y及びAlN
xO
yは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、これらの絶縁層は、無機絶縁材料だけでなく、有機絶縁材料を用いることもできる。有機絶縁材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などを用いることができる。上記の絶縁層として、無機絶縁層材料および有機絶縁材料が各々単独で用いられてもよく、これらが積層されてもよい。
【0056】
配線部400Dを構成する各平坦化層は、それぞれの下方に位置する構造物による凹凸の段差を緩和することができる。平坦化層の材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機樹脂を用いることができる。上記の平坦化層として、上記の有機樹脂が単独で用いられてもよく、積層されていてもよい。
【0057】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0058】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。