【解決手段】いくつかの実施形態において、この経口剤形は、錠剤であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の剤形および錠剤は、2つの(および2つだけの)医薬品有効成分:テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される経口剤形は、3つの医薬品有効成分:リルピビリン(またはその薬学的に許容され得る塩)、テノホビルアラフェナミド(またはその薬学的に許容され得る塩)およびエムトリシタビン(またはその薬学的に許容され得る塩)を含む。いくつかの実施形態において、経口剤形は、2つの(すなわち、2つだけの)医薬品有効成分:テノホビルアラフェナミド(またはその薬学的に許容され得る塩)およびエムトリシタビン(またはその薬学的に許容され得る塩)からなる。
【0016】
リルピビリン
ジアリールピリミジン誘導体であるリルピビリン(RまたはRPV)は、野生型HIV−1およびNNRTI耐性変異体に対してインビトロ活性を有する強力な非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)である。リルピビリンは、以下の式:
【化1】
を有する(WO2003/016306を参照のこと)。
【0017】
リルピビリンのIUPAC名は、4−{[4−({4−[(E)−2−シアノエテニル]−2,6−ジメチルフェニル}アミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}ベンゾニトリルである。リルピビリンは、現在、EDURANT(登録商標)(25mgのリルピビリンと等価なリルピビリンHCl27.5mg)およびCOMPLERA(登録商標)/EVIPLERA(登録商標)(リルピビリンHCl27.5mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、200mgのエムトリシタビン)の一部として認可されている。
【0018】
本明細書中に開示される固体経口剤形は、リルピビリンを通常、薬学的に許容され得る塩の形態で含む。リルピビリンは、溶媒和または非溶媒和の形態で経口剤形内に存在し得、「リルピビリン」に対する言及は、これらの両方の形態を含む。典型的には、リルピビリンは、下記の式:
【化2】
を有するリルピビリンHClの形態で存在する。
【0019】
ある特定の具体的な実施形態において、25mgのリルピビリンを、例えば、約27.5mgのリルピビリンHClとして含む固体経口剤形が提供される。
【0020】
本明細書中で使用されるとき、リルピビリンの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物(例えば、リルピビリン塩酸塩)に対する具体的な言及が無い場合、いずれの投与量も、例えばミリグラムで表現されるのかまたは重量%で表現されるのかに関係なく、リルピビリン遊離塩基の量、すなわち、
【化3】
の量に対する言及と見なされるべきである。
【0021】
ゆえに、例えば、「25mgのリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物」に対する言及は、25mgのリルピビリン遊離塩基と同じ量のリルピビリンを提供するリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
【0022】
テノホビルアラフェナミド
テノホビルアラフェナミド(TAF)は、下記の式:
【化4】
を有するヌクレオチド逆転写酵素阻害剤である(WO02/08241A2を参照のこと)。
【0023】
テノホビルアラフェナミドのIUPAC名は、(S)−イソプロピル−2−(((S)−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートである。テノホビルアラフェナミドは、{9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]−メトキシ]プロピル]アデニン}とも称される。
【0024】
本発明の固体経口剤形は、テノホビルアラフェナミドを、通常、薬学的に許容され得る塩の形態で含む。テノホビルアラフェナミドは、溶媒和または非溶媒和の形態で経口剤形内に存在し得、「テノホビルアラフェナミド」に対する言及は、これらの両方の形態を含む。特に、テノホビルアラフェナミドは、フマル酸塩(例えば、一フマル酸塩またはヘミフマル酸塩)と関連し得る。典型的には、テノホビルアラフェナミドは、下記の式:
【化5】
を有するテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の形態で存在する(WO2013/025788A1を参照のこと)。
【0025】
本明細書中で使用されるとき、テノホビルアラフェナミドの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に対する具体的な言及が無い場合、いずれの投与量も、例えばミリグラムで表現されるのかまたは重量%で表現されるのかに関係なく、テノホビルアラフェナミドの量、すなわち、
【化6】
の量に対する言及と見なされるべきである。
【0026】
ゆえに、例えば、「25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物」に対する言及は、25mgのテノホビルアラフェナミド遊離塩基と同じ量のテノホビルアラフェナミドを提供するテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
【0027】
本明細書中に提供される固体経口剤形におけるテノホビルアラフェナミドの量は、通常、10mg〜30mgの間、例えば、20mg〜30mgの範囲内、いくつかの場合には、24mg〜28mgの間である。ある特定の実施形態において、固体経口剤形は、10mgのテノホビルアラフェナミドを、例えば、約11mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩として含む。他のある特定の具体的な実施形態において、25mgのテノホビルアラフェナミドを、例えば、約28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩として含む固体経口剤形が提供される。
【0028】
エムトリシタビン
エムトリシタビン(FTC)は、下記の式:
【化7】
を有するヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。
【0029】
エムトリシタビンのIUPAC名は、4−アミノ−5−フルオロ−1−[(2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−1,2−ジヒドロピリミジン−2−オンである。エムトリシタビンは、5−フルオロ−1−[(2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]シトシンとも称される。エムトリシタビンは、現在、EMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン200mg)、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン200mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg)、ATRIPLA(登録商標)(エムトリシタビン200mg、エファビレンツ600mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg)、STRIBILD(登録商標)(エムトリシタビン200mg、コビシスタット150mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、エルビテグラビル(elvitegravir)150mg)およびCOMPLERA(登録商標)/EVIPLERA(登録商標)の一部として認可されている。
【0030】
本明細書中に開示される固体経口剤形は、エムトリシタビンを、必要に応じて薬学的に許容され得る塩として含む。エムトリシタビンは、溶媒和または非溶媒和の形態で経口剤形内に存在し得、「エムトリシタビン」に対する言及は、これらの両方の形態を含む。典型的には、エムトリシタビンは、遊離塩基として存在する。
【0031】
本明細書中で使用されるとき、エムトリシタビンの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に対する具体的な言及が無い場合、いずれの投与量も、例えばミリグラムで表現されるのかまたは重量%で表現されるのかに関係なく、エムトリシタビンの量、すなわち、
【化8】
の量に対する言及と見なされるべきである。
【0032】
ゆえに、例えば、「200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物」に対する言及は、200mgのエムトリシタビン遊離塩基と同じ量のエムトリシタビンを提供するエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
【0033】
本明細書中に提供される固体経口剤形におけるエムトリシタビンの量は、通常、180mg〜220mgの間、例えば、190mg〜210mgの間、いくつかの場合には、195mg〜205mgの間である。ある特定の具体的な実施形態において、200mgのエムトリシタビンを含む固体経口剤形が提供される。
【0034】
固体経口剤形
本発明者らは、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを、薬理学的に有効かつ物理的に許容され得るように意図された単一の安定した剤形で製剤化することに成功した。本発明者らはまた、薬理学的に有効かつ物理的に許容され得ることが意図される単一の安定した剤形としてリルピビリン、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを製剤化することに成功した。本明細書中に開示される固体経口剤形は、ヒト被験体における薬学的使用を対象としている。したがって、それらは、治療的に有効であることに加えて、ヒトへの経口投与にとって適切なサイズおよび重量でなければならない(例えば、約1.5g未満、好ましくは1.0g未満の総重量を有するべきである)。
【0035】
テノホビルアラフェナミドの使用に起因し得る上に記載された臨床上の有用性に加えて、本発明の剤形は、さらなる利点をもたらし得る。ある特定の実施形態において、本発明者らは、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを、約850mg未満、例えば、約750mg未満、約500mg未満または約400mg未満の総重量を有する固体経口剤形に製剤化することが可能であることを明らかにした。第3の活性成分(リルピビリン)を含む他の実施形態において、本発明者らは、それらの3つの活性成分(すなわち、リルピビリン、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド)を、約1.0g未満、例えば、約800mg未満またはさらには約700mg未満の総重量を有する固体経口剤形に製剤化することが可能であることを明らかにした。これは、COMPLERA(登録商標)が約1200mgという総重量を有することを考えれば、有益である。TRUVADA(登録商標)は、約1000mgの総重量を有する。患者が嚥下しづらいより大きな剤形と比べて、比較的小さな剤形(特に錠剤)は、患者の利便性を高めるがゆえに服薬率を高めると予想され得るので、比較的小さな剤形を提供することは、臨床上の利点である。具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、600〜700mgの間の総重量を有する。ある特定の実施形態において、固体経口剤形、特に、第3の活性成分なしにエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含むものは、約300mg〜約700mgの間または約300mg〜約500mgの間の総重量を有する。比較として、TRUVADA(登録商標)は、約500mgの賦形剤を含むのに対して、本開示の剤形は、300mg未満の賦形剤(例えば、250mg未満の賦形剤または200mgの賦形剤またはそれ未満)を含む。例えば、ある特定の実施形態において、開示される固体経口剤形は、100mg〜650mgの間の賦形剤または100mg〜500mgの間の賦形剤を含む。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、100mg〜200mgの間の賦形剤または100mg〜175mgの間の賦形剤または100mg〜150mgの間の賦形剤を含む。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、120mg〜150mgの間の賦形剤を含む。このような実施形態では、それらの剤形は、典型的には、活性成分として、(a)10mgまたは25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み得る。例えば、それらの剤形は、活性成分として、(a)10mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み得る。あるいは、それらの剤形は、活性成分として、(a)25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み得る。ある特定の実施形態において、それらの剤形は、典型的には、活性成分として、(a)11mgまたは28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(b)200mgのエムトリシタビンを含み得る。例えば、それらの剤形は、活性成分として、(a)11mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(b)200mgのエムトリシタビンを含み得る。あるいは、それらの剤形は、活性成分として、(a)28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(b)200mgのエムトリシタビンを含み得る。
【0036】
同様に、第3の活性成分が存在する場合、比較として、COMPLERA(登録商標)は、650mgを超える賦形剤を含むのに対して、本開示の剤形は、600mg未満の賦形剤(例えば、500mg未満の賦形剤または400mg未満の賦形剤)を含み得る。例えば、本明細書中に開示される固体経口剤形は、200〜600mgの間の賦形剤または250mg〜550mgの間の賦形剤または300mg〜500mgの間の賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される固体経口剤形は、350mg〜450mgの間の賦形剤を含む。このような実施形態では、それらの剤形は、典型的には、活性成分として(a)25mgのリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(c)200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み得る。ある特定の実施形態において、それらの剤形は、典型的には、活性成分として(a)27.5mgのリルピビリン塩酸塩(rilpivirine hydrochloride)、(b)28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(c)200mgのエムトリシタビンを含み得る。
【0037】
ある特定の実施形態において、本明細書中に記載される固体経口剤形は、錠剤の形態で存在し得る。特定の実施形態において、それらは、単層錠の形態で存在する。特定の実施形態において、特に、第3の活性成分が組成物中に存在する場合、それらは、多層錠の形態で存在し得る。これは、本発明者らが、多層錠の使用によって、剤形の特性、特に安定性(例えば、テノホビルアラフェナミドの安定性)の最適化が助けられ得ることを見出したからである。本発明者らは、多層錠の使用が、その剤形内の1つまたはそれを超える活性成分の溶解プロファイルに影響することがあり、ゆえにその剤形のインビボ薬物動態に影響を与える可能性があることも発見した。特に、リルピビリンの溶解は、錠剤が単層錠であるかまたは多層錠であるかに応じて変化することが観察された。特定の薬物動態パラメータ、例えば、既存の医薬(または規制手続きの段階が進んだ医薬)と生物学的に同等な薬物動態パラメータを有する錠剤を提供することは、本発明がもたらし得る特定の利点である。生物学的同等性を達成するには、多層錠の使用が必要であり得る。
【0038】
1つの実施形態において、(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤が提供される。1つの実施形態において、錠剤は、単層錠である。1つの実施形態において、錠剤は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない(例えば、錠剤は、1重量%未満のリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む)。1つの実施形態において、錠剤は、ラクトースおよび/またはデンプンを含まない。
【0039】
1つの実施形態において、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(c)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む多層錠が提供される。いくつかの実施形態では、、各層は、(a)、(b)および(c)のうちの少なくとも1つを含む。例えば、錠剤は、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む第1層、(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含む第2層を含み得、(c)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩をさらに含む。このような実施形態では、典型的には、(a)第1層は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2層は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない。1つの実施形態において、(a)第1層は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず(例えば、第1層は、1重量%未満のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩しか含まず)、(b)第2層は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない(例えば、第2層は、1重量%未満のリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む)。
【0040】
特定の実施形態は、第1層が、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含むが、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず(例えば、第1層は、1重量%未満のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩しか含まず)、かつ(b)第2層が、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含むが、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない(例えば、第2層は、1重量%未満のリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む)、錠剤を提供する。特定の実施形態において、本発明は、(a)第1層が、27.5mgのリルピビリン塩酸塩を含むが、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず(例えば、第1層は、1重量%未満のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩しか含まず)、かつ(b)第2層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含むが、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない(例えば、第2層は、1重量%未満のリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む)、錠剤を提供し、ここで、第1層は、約400mg未満(例えば、約300mg)の総重量を有し、第2層は、約450mg未満(例えば、約350mg)の総重量を有する。1つの実施形態において、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含む層は、ラクトースおよび/またはデンプンを含まない。
【0041】
本明細書中に開示される錠剤は、典型的には、即時放出錠剤である。1つの実施形態において、本発明は、500mlの50mMクエン酸ナトリウムpH5.5において、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いて計測したとき、20分で(a)テノホビルアラフェナミドおよび/または(b)エムトリシタビンの少なくとも80%を放出する錠剤を提供する。典型的には、本明細書中に開示される錠剤は、500mlの50mMクエン酸ナトリウムpH5.5において、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いて計測したとき、20分で(a)テノホビルアラフェナミドおよび/または(b)エムトリシタビンの少なくとも90%を放出する。いくつかの実施形態において、1000mlの2%ポリソルベート20含有pH4.5酢酸ナトリウムにおいて、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いて計測したとき、60分でリルピビリンの50%未満を放出する錠剤が提供される。
【0042】
本明細書中に開示される錠剤は、通常、13〜19kP(キロポンド)の範囲内の硬度を有し得、ある特定の具体的な実施形態において、16kPの硬度を有する。硬度は、USP<1217>に従って操作し(例えば、TBH220,ERWEKA GmbH,Heusenstamm Germany硬度計を使用して)、錠剤が破壊するまで一定の負荷速度で錠剤を圧縮するようにアンビルを駆動させることによって、好都合に評価され得る。
【0043】
本発明の錠剤は、通常、<1重量%の摩損度を有し得る。摩損度は、USP<1216>に従って評価され得る。
【0044】
本明細書中に提供される錠剤のコアは、13〜19kPの間の硬度および<1重量%の摩損度を有し得る。
【0045】
錠剤は、典型的には、1種またはそれを超える賦形剤を含み得る。賦形剤は、製剤の他の成分と適合するべきであり、そのレシピエントにとって生理的に無害であるべきである。好適な賦形剤の例は、錠剤製剤化の当業者に周知であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(eds.Rowe,Sheskey & Quinn),6th edition 2009に見られ得る。本明細書中で使用されるとき、用語「賦形剤」は、とりわけ、塩基性化剤、可溶化剤、滑剤、充填剤、結合剤、潤滑剤、希釈剤、保存料、界面活性剤、分散剤などのことを指すと意図されている。この用語は、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤などの作用物質も含む。このような構成要素は、通常、錠剤内に混ぜ合わされた状態で存在し得る。
【0046】
可溶化剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20または80)、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188または207)およびマクロゴールなどのイオン性界面活性物質(イオン性界面活性物質と非イオン性界面活性物質の両方を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤は、ポリソルベート、特にポリソルベート20を含む。ある特定の具体的な実施形態において、本発明の錠剤中のポリソルベート20の量は、約5mg未満(例えば、約1mg未満)または約0.5mg未満である。
【0047】
潤滑剤、滑剤および流動助剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびタルクが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤中の潤滑剤の量は、通常、約0.5〜5重量%の間であり得る。ある特定の具体的な実施形態において、本発明の錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定の実施形態(embdoiments)において、錠剤は、約20mg未満のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0048】
崩壊剤の例としては、デンプン、セルロース、架橋PVP、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
充填剤(増量剤または希釈剤としても知られる)の例としては、デンプン、マルトデキストリン、ポリオール(例えば、ラクトース)およびセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に提供される錠剤は、ラクトースおよび/または微結晶性セルロースを含み得る。ラクトースは、無水または水和の形態(例えば、一水和物)で使用され得、典型的には、噴霧乾燥、流動床造粒またはローラー乾燥によって調製される。ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される錠剤は、約250mg未満のラクトース、特に、約200mg未満のラクトースおよび/または約250mg未満の微結晶性セルロース、特に約200mg未満の微結晶性セルロースを含む。ラクトース一水和物が好ましい。
【0050】
結合剤の例としては、架橋PVP、HPMC、微結晶性セルロース、スクロース、デンプンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書中に提供される錠剤は、コーティングされなくてもよいし、コーティングされてもよい(この場合、錠剤はコーティングを含む)。コーティングされていない錠剤を使用してもよいが、コーティングされた錠剤を提供することがより一般的であり、その場合、従来の非腸溶コーティングが使用され得る。フィルムコーティングは、当該分野で公知であり、多糖材料、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレングリコール)および他の水溶性ポリマーであるがこれらに限定されない親水性ポリマー材料から構成され得る。本発明のフィルムコーティングに含められる水溶性材料は、単一のポリマー材料を含んでもよいが、1種より多いポリマーの混合物を使用して形成されてもよい。コーティングは、白色または有色、例えば、灰色であり得る。好適なコーティングとしては、高分子フィルムコーティング、例えば、ポリビニルアルコールを含むもの、例えば、‘Opadry(登録商標)II’(任意選択の着色剤(例えば、酸化鉄またはインジゴカルミンまたは黄色酸化鉄またはFD&C黄色6号)とともに、部分的に加水分解されたPVA、二酸化チタン、マクロゴール3350およびタルクを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。コーティングの量は、通常、コアの重量の約2〜4%の間であり得、ある特定の具体的な実施形態では約3%であり得る。別段具体的に述べられていない限り、剤形がコーティングされる場合、錠剤の%重量に対する言及は、錠剤全体、すなわちコーティングを含む錠剤に対する%重量を意味していると理解されるべきである。
【0052】
薬物動態
本発明者らは、リルピビリン(特にリルピビリン塩酸塩)、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド(特にテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩)を、標準的な対照物(comparators)と比べたとき、各活性成分に対して生物学的同等性、すなわち、等価な全身曝露量(AUC
inf、C
max)を示すことができる固体経口剤形に製剤化することが可能であることを見出した。特に、いくつかの実施形態において、本発明の錠剤は、EDURANT(登録商標)(リルピビリンHCl、27.5mg)の投与ならびに/またはエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用(E/C/F/TAF)(150/150/200/10mgの遊離塩基に相当する)(後者は、2014年11月にU.S.Food and Drug Administrationに提出された新薬申請の対象であり、2015年11月にGENVOYA(登録商標)として認可された)によってもたらされる血漿中濃度と生物学的に同等な、それら3つのうちの1つまたはそれを超える医薬品有効成分の血漿中濃度(AUC
inf、C
max)を提供する。リルピビリンの溶解は、そのリルピビリンが提供される剤形の特性に応じて変動すると見出されていたので、リルピビリンを現在認可されているリルピビリン単剤製剤であるEDURANT(登録商標)と生物学的同等性にすることは、当初、難題であった。本発明者らの知見および本開示に基づいて、当業者は、そのような生物学的同等性を提供する剤形を提供することができる(例えば下記の実施例を参照のこと)。
【0053】
したがって、1つの実施形態において、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その剤形は、
(a)食後の(fed)ヒト被験体においてインビボでエムトリシタビンを放出することにより、約1250〜約2050ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約7650〜約12050h・ng/mLのAUC
infを提供し、かつ/または
(b)食後のヒト被験体においてインビボでリルピビリンを放出することにより、約90〜約160ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約3050〜約4850h・ng/mLのAUC
infを提供し、かつ/または
(c)食後のヒト被験体においてインビボでテノホビルアラフェナミドを放出することにより、約150〜約260ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約200および340h・ng/mLのAUC
infを提供する。
【0054】
いくつかの実施形態において、固体経口剤形は、特性(a)および(b)を示し得る。他の実施形態において、固体経口剤形は、特性(a)および(c)を示し得る。いくつかの実施形態において、固体経口剤形は、特性(b)および(c)を示し得る。いくつかの実施形態では、固体経口剤形は、特性(a)、(b)および(c)を示し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、
(a)食後のヒト被験体におけるリルピビリンに対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入り、ここで、その参照錠剤は、(i)27.5mgのリルピビリン塩酸塩、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート20、ケイ化微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなるコア、および(ii)ラクトース一水和物、ヒプロメロース2910、二酸化チタンE171、ポリエチレングリコール(マクロゴール3000)およびトリアセチンの混合物からなるフィルムコーティングを有し、かつ/または
(b)食後のヒト被験体におけるエムトリシタビンに対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入り、ここで、その参照錠剤は、(i)150mgのエルビテグラビル、60.8mgのラクトース一水和物、241.5mgの微結晶性セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、11.3mgのラウリル硫酸ナトリウム、65.8mgのクロスカルメロースナトリウム、200mgのエムトリシタビン、11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、288.5mgの二酸化ケイ素担持コビシスタット(cobicistat on silicon dioxide)(150mgのコビシスタットに相当する)、13.5mgのステアリン酸マグネシウムからなるコア、および(ii)31.5mgの、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルク、インジゴカルミンおよび酸化鉄の混合物からなるフィルムコーティング(例えば、Opadry(登録商標)II Green)を有し、かつ/または
(c)食後のヒト被験体におけるテノホビルアラフェナミドに対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入り、ここで、その参照錠剤は、(i)150mgのエルビテグラビル、60.8mgのラクトース一水和物、241.5mgの微結晶性セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、11.3mgのラウリル硫酸ナトリウム、65.8mgのクロスカルメロースナトリウム、200mgのエムトリシタビン、11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、288.5mgの二酸化ケイ素担持コビシスタット(150mgのコビシスタットに相当する)、13.5mgのステアリン酸マグネシウムからなるコア、および(ii)31.5mgの、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルク、インジゴカルミンおよび酸化鉄の混合物からなるフィルムコーティング(例えば、Opadry(登録商標)II Green)を有する、
本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が、提供される。
【0056】
いくつかの実施形態において、固体経口剤形は、特性(a)および(b)を示し得る。他の実施形態において、固体経口剤形は、特性(a)および(c)を示し得る。いくつかの実施形態において、固体経口剤形は、特性(b)および(c)を示し得る。いくつかの実施形態では、固体経口剤形は、特性(a)、(b)および(c)を示し得る。
【0057】
C
max
本明細書で使用される場合、C
maxは、薬物の最高血漿/血清中濃度の実測値である。
【0058】
特定の実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約90〜約160ng/mL、例えば、約120ng/mLのリルピビリンの血漿中C
maxを提供する。
【0059】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約1250〜約2050ng/mL、例えば、約1600ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxを提供する。
【0060】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約150〜約260ng/mL、例えば、約200ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxを提供する。
【0061】
AUC
inf
本明細書で使用される場合、AUC
infは、AUC
0−last+(C
last/λ
z)として計算される、無限時間まで外挿した血漿/血清中濃度対時間曲線下面積である。
【0062】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約3050〜約4850h・ng/mL、例えば、約3850h・ng/mLのリルピビリンの血漿AUC
infを提供する。
【0063】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約7650〜約12050h・ng/mL、例えば、約9600h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
infを提供する。
【0064】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約200および340h・ng/mL、例えば、約260h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
infを提供する。
【0065】
AUC
last
本明細書で使用される場合、AUC
lastは、時間0から定量化できる最後の濃度までの血漿/血清中濃度対時間曲線下面積である。
【0066】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約2950〜約4650h・ng/mL、例えば、約3700h・ng/mLのリルピビリンの血漿AUC
lastを提供する。
【0067】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約7500〜約12000h・ng/mL、例えば、約9400h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
lastを提供する。
【0068】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約200および315h・ng/mL、例えば、約250h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
lastを提供する。
【0069】
C
last
本明細書で使用される場合、C
lastは、薬物の定量化できる最後の血漿/血清中濃度の実測値である。
【0070】
C
max、C
last、AUC
infおよびAUC
lastは、手作業でまたは当該分野で周知のモデリングソフトウェア(例えば、ノンコンパートメントモデルを使用するPharsight WinNonlinパッケージ)を使用することによって推定できる標準的な薬物動態パラメータである。これらの数量を計算するための一般原則は、周知である(例えば、Rowland & Tozer(2010)Clinical Pharmacokinetics and Pharmacodynamics:Concepts and Applications ISBN 978−0781750097またはJambhekar & Breen(2012)Basic Pharmacokinetics ISBN 978−0853699804を参照のこと)。典型的には、それらのパラメータは、少なくとも12人(通常24〜36人の間)の健康な成人の群の平均(例えば、幾何平均または算術平均)として評価され得る。パラメータは、FDA、EMA、MHLWまたはWHOなどの医薬品の規制当局に許容され得る規格および慣例に従って計測されるべきである。それらの値は、錠剤の経口摂取の時点の後に適切な間隔で(例えば、毎時間)または徐々にサンプリング間隔を延ばして(例えば、経口摂取の1、3、5、7、9、11、13、15、20および24時間後に)測定された測定値に基づき得る。それらは、薬物の単回投与後または定常状態において評価され得るが、典型的には単回投与後に評価され得る。
【0071】
本発明者らは、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド(特にテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩)を、標準的な対照物(comparators)と比べたときの、各活性成分に対して生物学的同等性、すなわち、等価な全身曝露量(AUC
inf、C
max)を示すことができる固体経口剤形に製剤化することが可能であることも見出した。特に、いくつかの実施形態において、本発明の錠剤は、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用(E/C/F/TAF)(150/150/200/10mgの遊離塩基に相当する)(後者は、2014年11月にU.S.Food and Drug Administrationに提出された新薬申請の対象である)の投与によってもたらされる血漿中濃度と生物学的に同等な、上記1つまたはそれを超える医薬品有効成分の血漿中濃度(AUC
inf、C
max)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の錠剤は、エルビテグラビル(EVG)150mg錠剤およびコビシスタット(COBI)150mg錠剤と同時投与されるとき、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(E/C/F/TAF)(150/150/200/10mgの遊離塩基に相当する)の固定用量併用の投与によってもたらされる血漿中濃度と生物学的に同等な、上記1つまたはそれを超える医薬品有効成分の血漿中濃度(AUC
inf、C
max)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の錠剤は、Emtriva(登録商標)(エムトリシタビン)200mgカプセル剤およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(TAF)25mg単剤錠剤の同時投与によってもたらされる血漿中濃度と生物学的に同等な、上記1つまたはそれを超える医薬品有効成分の血漿中濃度(AUC
inf、C
max)を提供する。
【0072】
本発明者らの知見および本開示に基づくと、当業者は、そのような生物学的同等性を提供する剤形を提供することができる(例えば下記の実施例を参照のこと)。
【0073】
したがって、1つの実施形態において、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その剤形は、
(a)食後のヒト被験体においてインビボでエムトリシタビンを放出することにより、約1300〜約2100ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約8200〜約13200h・ng/mLのAUC
infを提供し、かつ/または
(b)食後のヒト被験体においてインビボでテノホビルアラフェナミドを放出することにより、約240〜約390ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約280および450h・ng/mLのAUC
infを提供する。
【0074】
1つの実施形態において、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その剤形は、
(a)食後のヒト被験体においてインビボでエムトリシタビンを放出することにより、約1250〜約2050ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約8500〜約13400h・ng/mLのAUC
infを提供し、かつ/または
(b)食後のヒト被験体においてインビボでテノホビルアラフェナミドを放出することにより、約200〜約360ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約300および500h・ng/mLのAUC
infを提供する。
【0075】
1つの実施形態において、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その剤形は、
(a)食後のヒト被験体においてインビボでエムトリシタビンを放出することにより、約1400〜約2300ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約7400〜約11600h・ng/mLのAUC
infを提供し、かつ/または
(b)食後のヒト被験体においてインビボでテノホビルアラフェナミドを放出することにより、約160〜約270ng/mLの血漿中C
maxおよび/または約190および320h・ng/mLのAUC
infを提供する。
【0076】
いくつかの実施形態において、食後のヒト被験体におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入る、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その参照錠剤は、(i)150mgのエルビテグラビル、60.8mgのラクトース一水和物、241.5mgの微結晶性セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、11.3mgのラウリル硫酸ナトリウム、65.8mgのクロスカルメロースナトリウム、200mgのエムトリシタビン、11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、288.5mgの二酸化ケイ素担持コビシスタット(cobicistat on silicon dioxide)(150mgのコビシスタットに相当する)、13.5mgのステアリン酸マグネシウムからなるコア、および(ii)31.5mgの、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルク、インジゴカルミンおよび酸化鉄の混合物からなるフィルムコーティング(例えば、Opadry(登録商標)II Green)を有する。
【0077】
いくつかの実施形態において、エルビテグラビル(EVG)150mg錠剤およびコビシスタット(COBI)150mg錠剤と同時投与されるとき、食後のヒト被験体におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照錠剤の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入る、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その参照錠剤は、(i)150mgのエルビテグラビル、60.8mgのラクトース一水和物、241.5mgの微結晶性セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、11.3mgのラウリル硫酸ナトリウム、65.8mgのクロスカルメロースナトリウム、200mgのエムトリシタビン、11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、288.5mgの二酸化ケイ素担持コビシスタット(150mgのコビシスタットに相当する)、13.5mgのステアリン酸マグネシウムからなるコア、および(ii)31.5mgの、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルク、インジゴカルミンおよび酸化鉄の混合物からなるフィルムコーティング(例えば、Opadry(登録商標)II Green)を有する。
【0078】
いくつかの実施形態において、食後のヒト被験体におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの90%信頼区間が、それぞれ、参照治療の対数変換C
maxおよび対数変換AUC
infの80〜125%の範囲内に完全に入る、本明細書中に記載されるような固体経口剤形(特に錠剤)が提供され、ここで、その参照治療は、(i)25mgのテノホビルアラフェナミド(ヘミフマル酸塩として)、ラクトース一水和物、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウムからなるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤(ここで、この錠剤は、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルクおよび黄酸化鉄でフィルムコーティングされている)および(ii)200mgのエムトリシタビン、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ポビドン、二酸化チタン、ゼラチンおよび青色2号/インジゴカルミンアルミニウムレーキからなるエムトリシタビン硬ゼラチンカプセル剤の投与からなる。
【0079】
C
max
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約1300〜約2100ng/mL、例えば、約1660ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxを提供する。
【0080】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約1250〜約2050ng/mL、例えば、約1600ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxを提供する。
【0081】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約1400〜約2300ng/mL、例えば、約1800ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxを提供する。
【0082】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約240〜約390ng/mL、例えば、約300ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxを提供する。
【0083】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約200〜約360ng/mL、例えば、約280ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxを提供する。
【0084】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約160〜約270ng/mL、例えば、約200ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxを提供する。
【0085】
AUC
inf
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約8200〜約13200h・ng/mL、例えば、約10500h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
infを提供する。
【0086】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約8500〜約13400h・ng/mL、例えば、約9700h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
infを提供する。
【0087】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約7400〜約11600h・ng/mL、例えば、約9300h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
infを提供する。
【0088】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約280〜約450h・ng/mL、例えば、約350h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
infを提供する。
【0089】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約300〜約500h・ng/mL、例えば、約400h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
infを提供する。
【0090】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約190〜約320h・ng/mL、例えば、約250h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
infを提供する。
【0091】
AUC
last
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約8000〜約13000h・ng/mL、例えば、約10200h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
lastを提供する。
【0092】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約7500〜約11800h・ng/mL、例えば、約9400h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
lastを提供する。
【0093】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約7200〜約11400h・ng/mL、例えば、約9000h・ng/mLのエムトリシタビンの血漿AUC
lastを提供する。
【0094】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約260〜約430h・ng/mL、例えば、約340h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
lastを提供する。
【0095】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約280〜約470h・ng/mL、例えば、約370h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
lastを提供する。
【0096】
ある特定の具体的な実施形態において、本発明の固体経口剤形は、食後の患者において、約170〜約310h・ng/mL、例えば、約250h・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿AUC
lastを提供する。
【0097】
C
last
任意の特定の錠剤が、等価なバイオアベイラビリティおよび薬物動態学的生物学的同等性に対する規制要件を満たしているかをどのようにして判定するかは、バイオアベイラビリティおよび生物学的同等性の分野において周知である。例えば、Niazi(2014)Handbook of Bioequivalence Testing,2nd Edition,ISBN 978−1482226379;Guidance for
Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies for Orally Administered Drug Products−General Considerations FDA March 2003;およびGuideline On The Investigation Of Bioequivalence,EMEA 2010 CPMP/EWP/QWP/1401/98 Rev.1/Corr
**を参照のこと。統計的検出力を保証するために、C
max、AUC
lastおよびAUC
inf値を計測する研究は、複数の被験体、例えば、少なくとも12人(通常、24〜36人の間)の健康な成人の群において行われ得る。
【0098】
C
max、AUC
lastおよびAUC
inf値の測定は、必然的に破壊的であるので、これらのパラメータは、問題の剤形(特に錠剤)に対して直接測定されず、同じ製造プロセスによって作製された、同じ構成要素を含む剤形に対して測定される。したがって、あるバッチの剤形(例えば、錠剤)が、特定のプロセスによって作製され得、そしてそれらの錠剤のサンプルに対して、C
max、AUC
lastおよびAUC
infの90%信頼区間が評価され得る。これらの値が、上で述べた要件の80〜125%を満たす場合、問題の製造プロセスによって作製された錠剤が、本発明の錠剤である。
【0099】
安定性
上で述べたように、および下記の実施例に詳細に説明されるように、テノホビルアラフェナミドの安定性は、エムトリシタビンの存在下では悪化する。テノホビルアラフェナミドの分解は、リルピビリンの存在下においてさらに加速する。テノホビルアラフェナミドの既知の分解産物としては、PMPAおよびPMPA無水物が挙げられる。同様に、テノホビルアラフェナミドおよびリルピビリンHClの存在下のエムトリシタビンの安定性は、これらの3つの活性成分を含む組成物を製剤化する際の難題である。エムトリシタビンの既知の分解産物としては、環状FTU−1およびFTUが挙げられる。
【0100】
本発明者らは、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビン、ならびに必要に応じてリルピビリンを含む剤形であるにもかかわらず、本発明の固体経口剤形が安定している、すなわち、許容され得る貯蔵寿命を有することを見出した。したがって、薬学的に許容できない量のテノホビルアラフェナミド分解産物を含まない固体経口剤形が提供される。(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む組成物も提供され、ここで、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて6ヶ月間貯蔵した後、5%未満(例えば、約4.2%未満、例えば、4%未満)である。(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む組成物も提供され、ここで、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.7%または約1.8%)である。(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(b)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む組成物も提供され、ここで、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、開放条件での40℃/75%RHにおいて1ヶ月間貯蔵した後、3%未満(例えば、2%未満)である。好ましい実施形態において、組成物は、錠剤である。別の実施形態において、(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤、および(b)乾燥剤(例えば、シリカゲル)を含むキットが提供される。必要に応じて、組成物は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩をさらに含む。
【0101】
本発明者らは、薬物量研究を行い、テノホビルアラフェナミドの化学的安定性が、所与の組成物内のテノホビルアラフェナミドの割合に応じて変動することを認識した。したがって、いくつかの実施形態において、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含む固体組成物が提供され、ここで、その組成物中のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の割合は、約2.5重量%〜約12重量%である。いくつかの実施形態において、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含む固体組成物が提供され、ここで、その組成物中のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の割合は、約4重量%〜約12重量%である。いくつかの実施形態において、約5重量%〜約15重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、例えば、約7重量%〜約9重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、特に、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む固体組成物が提供される。別の実施形態において、約2〜4重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、例えば、2.5重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む固体組成物が提供される。いくつかの実施形態において、固体組成物は、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3.0重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%または約3.5重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。その組成物は、様々な形態をとり得る。その組成物は、例えば、粉末の形態をとり得る。他の実施形態において、その組成物は、錠剤などの圧縮された剤形である。
【0102】
さらに、テノホビルアラフェナミドは、固体加水分解を起こすので、乾燥剤を含めることによって、許容され得る貯蔵寿命の促進が助けられ得る。したがって、(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤、および(b)乾燥剤を含むキットが提供される。いくつかの実施形態において、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤、および(b)乾燥剤を含むキットが提供される。本発明者らは、ある特定の製剤中のテノホビルアラフェナミドの安定性が、乾燥剤のレベルに依存することを観察した。ゆえに、ある特定の実施形態において、キットは、乾燥剤としてシリカゲルを含む。ある特定の具体的な実施形態において、キットは、乾燥剤として3gのシリカゲルを含む。キットは、必要に応じて、ポリエステルコイル包装材料をさらに含み得る。ある特定の実施形態において、錠剤中のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満、例えば、約1.5%未満または約1%未満である。ある特定の実施形態において、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、40℃/75%RHで3ヶ月間貯蔵した後、2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.7%または約1.8%)である。本発明のキットは、本明細書中に記載される経口剤形を貯蔵するのに適したボトルを含み得る。
【0103】
上に記載されたタイプの多層錠の使用によって、剤形の安定性の最適化も助けられ得る。例えば、(a)25mgのリルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(c)200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤が提供され、ここで、(a)および(b)は、隔離されており、その錠剤は、約1.5g未満の総重量を有する。多層錠は、上記および下記の実施例においてさらに詳細に記載されている。
【0104】
本発明は、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、および(c)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む多層錠を提供する。
【0105】
ある実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む第1層、(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含む第2層を含み、(c)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩をさらに含む。
【0106】
本明細書中に開示される多層錠のある実施形態において、(a)第1層は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2層は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない。
【0107】
本明細書中に開示される多層錠のある実施形態において、(a)第1層は、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を含むが、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まず、(b)第2層は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含むが、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を実質的に含まない。
【0108】
本明細書中に開示される多層錠のある実施形態において、第1層は、エムトリシタビンを実質的に含まない。
【0109】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、25±3mgのリルピビリンを含む。1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、25±3mgのテノホビルアラフェナミドを含む。
【0110】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、27.5±3mgのリルピビリンHClを含む。1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠は、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。
【0111】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される多層錠の第1層は、1種またはそれを超える賦形剤、例えば、1種またはそれを超える希釈剤、崩壊剤、結合剤または潤滑剤を含む。
【0112】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、塩基性化剤を含む。1つの実施形態において、塩基性化剤は、クロスカルメロースナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウム)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウム)、水酸化アルミニウム、ジヒドロアルミニウム、炭酸ナトリウム、水酸化硫酸アルミニウムマグネシウム(aluminum magnesium hydroxide sulfate)、水酸化アルミニウム 炭酸マグネシウム、水酸化アンモニウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ピペラジン、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0113】
1つの実施形態において、本発明の多層錠の第1層は、クロスカルメロースナトリウムおよびポリソルベート20を含む。1つの実施形態において、本発明の多層錠の第1層は、ラクトース一水和物、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート20、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0114】
1つの実施形態において、第1層の約15重量パーセント未満がリルピビリン塩酸塩である錠剤が提供される。1つの実施形態において、第1層の約12.2重量パーセント未満がリルピビリン塩酸塩である錠剤が提供される。1つの実施形態において、第1層の約12重量パーセント未満がリルピビリン塩酸塩である錠剤が提供される。
【0115】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約230mgである、錠剤が提供される。
【0116】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約240mgである、錠剤が提供される。
【0117】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約250mgである、錠剤が提供される。
【0118】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約260mgである、錠剤が提供される。
【0119】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約270mgである、錠剤が提供される。
【0120】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約280mgである、錠剤が提供される。
【0121】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約290mgである、錠剤が提供される。
【0122】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約300mgである、錠剤が提供される。
【0123】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約230mgであり、かつ約325mg未満である、錠剤が提供される。
【0124】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約300mgであり、かつ約325mg未満である、錠剤が提供される。
【0125】
1つの実施形態において、第1層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、第1層の総重量が少なくとも約290mgであり、かつ約310mg未満である、錠剤が提供される。
【0126】
1つの実施形態において、本発明の多層錠の第1層は、300±75mgまたは300±25mgまたは300±10mgまたは300mgの総重量を有する。
【0127】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下を含む。
【表1】
【0128】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下を含む。
【表2】
【0129】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下を含む。
【表3】
【0130】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下からなる。
【表4】
【0131】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下からなる。
【表5】
【0132】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下からなる。
【表6】
【0133】
1つの実施形態において、多層錠の第1層は、以下からなる。
【表7】
【0134】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、1種またはそれを超える賦形剤、例えば、1種またはそれを超える希釈剤、崩壊剤、結合剤または潤滑剤を含む。
【0135】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0136】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0137】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、20〜30mgのクロスカルメロースナトリウムを含む。1つの実施形態において、多層錠の第2層は、80〜90mgの微結晶性ナトリウムを含む。1つの実施形態において、多層錠の第2層は、1〜7mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0138】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、ラクトースを含まない。1つの実施形態において、多層錠の第2層は、デンプンを含まない。1つの実施形態において、多層錠の第2層は、ラクトースもデンプンも含まない。
【0139】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、600mg未満または500mg未満または400mg未満または375mg未満の総重量を有する。1つの実施形態において、多層錠の第2層は、350mg±50mgまたは350mg±25mgまたは350mg±5mgまたは350mgの総重量を有する
【0140】
1つの実施形態において、多層錠の第2層の40重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、多層錠の第2層の50重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。本発明の1つの実施形態において、多層錠の第2層の60重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、多層錠の第2層の64重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。本発明の1つの実施形態において、多層錠の第2層の65重量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0141】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、250mg未満の賦形剤、例えば、200mg未満または150mg未満または130mg未満または120mg未満の賦形剤を含む。
【0142】
1つの実施形態において、多層錠の第2層の少なくとも50重量%が、エムトリシタビンである。本発明の1つの実施形態において、多層錠の第2層の少なくとも55重量%が、エムトリシタビンである。
【0143】
1つの実施形態において、多層錠の第2層の少なくとも5重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、多層錠の第2層の少なくとも7重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、多層錠の第2層の少なくとも8重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0144】
1つの実施形態において、多層錠の第2層の20重量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。1つの実施形態において、多層錠の第2層の10重量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。クロスカルメロースナトリウムの使用は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の安定化に関して特定の利点を提供し得る。例えば、本発明者らは、第2層の約7〜9重量%(例えば、約8重量%)のクロスカルメロースナトリウムの使用が、他の量のクロスカルメロースナトリウム(例えば、6重量%)および/または他の崩壊剤、例えば、ポリビニルピロリドンと比べて、高い安定性を提供し得ることを見出した。
【0145】
1つの実施形態において、多層錠の第2層の40重量%未満が、微結晶性セルロースである。1つの実施形態において、多層錠の第2層の30重量%未満が、微結晶性セルロースである。1つの実施形態において、多層錠の第2層の26重量%未満が、微結晶性セルロースである。
【0146】
1つの実施形態において、第2層の総重量は、第1層の総重量の200%未満である。1つの実施形態において、第2層の総重量は、第1層の総重量の150%未満である。1つの実施形態において、第2層の総重量は、第1層の総重量の130%未満である。1つの実施形態において、第2層の総重量は、第1層の総重量の120%未満である。1つの実施形態において、第2層の総重量は、第1層の総重量の117%未満である。
【0147】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下を含む。
【表8】
【0148】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下を含む。
【表9】
【0149】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下からなる。
【表10】
【0150】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下からなる。
【表11】
【0151】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下からなる。
【表12】
【0152】
1つの実施形態において、多層錠の第2層は、以下からなる。
【表13】
【0153】
本発明の多層錠の1つの実施形態において、第1層は、第2層と接している。
【0154】
1つの実施形態において、多層錠は、第1層と第2層との間に存在して第1層と第2層とを分断する第3層をさらに含む。1つの実施形態において、多層錠の第3層は、ラクトース一水和物もしくは微結晶性セルロースまたはそれらの混合物を含む。
【0155】
1つの実施形態において、多層錠は、フィルムコーティングをさらに含む。1つの実施形態において、フィルムコーティングは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタンおよび黒色酸化鉄を含む。1つの実施形態において、フィルムコーティングは、19.5±10mgのOpadry II 85F17636 Grayからなる。
【0156】
1つの実施形態において、以下からなる第1層:
【表14】
および以下からなる第2層:
【表15】
を含む錠剤が提供される。
【0157】
1つの実施形態において、以下からなる第1層:
【表16】
および以下からなる第2層:
【表17】
を含む錠剤が提供される。
【0158】
1つの実施形態において、以下からなる第1層:
【表18】
および以下からなる第2層:
【表19】
および必要に応じてフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0159】
1つの実施形態において、以下からなる第1層:
【表20】
および以下からなる第2層:
【表21】
および19.5mgのOpadry II 85F17636 Gray(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタンおよび黒色酸化鉄の組み合わせ)からなるフィルムコーティングからなる錠剤が提供される。
【0160】
本発明の別の態様は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む固体経口剤形を提供する。1つの実施形態において、この固体経口剤形は、錠剤である。1つの実施形態において、この固体経口剤形は、コーティングされた錠剤である。1つの実施形態において、このコーティングは、Opadry IIなどのフィルムコーティングである。
【0161】
1つの実施形態において、錠剤は、微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0162】
1つの実施形態において、錠剤は、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0163】
1つの実施形態において、錠剤は、20〜30mgのクロスカルメロースナトリウムを含む。1つの実施形態において、錠剤は、80〜90mgの微結晶性ナトリウムを含む。1つの実施形態において、錠剤は、2〜7mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0164】
1つの実施形態において、錠剤は、ラクトースを含まない。1つの実施形態において、錠剤は、デンプンを含まない。1つの実施形態において、錠剤は、ラクトースもデンプンも含まない。
【0165】
1つの実施形態において、錠剤は、600mg未満または500mg未満または400mg未満または375mg未満の総重量を有する。1つの実施形態において、錠剤は、350mg±50mgまたは350mg±25mgまたは350mg±5mgまたは350mgの総重量を有する。
【0166】
1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤は、600mg未満(例えば、500mg未満、400mg未満または375mg未満)の総重量を有する。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤は、360.5mg±50mg(例えば、360.5mg±25mg、360.5mg±5mgまたは360.5mg)の総重量を有する。
【0167】
1つの実施形態において、錠剤の40重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の50重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、本発明の錠剤の60重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の64重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の65重量%超が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤の65重量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0168】
1つの実施形態において、錠剤の約40重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の約50重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の約50重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、本発明の錠剤の約60重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の約64重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。1つの実施形態において、錠剤の約65重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。
【0169】
1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の40重量%超が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の50重量%超が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、本発明の錠剤の58重量%超が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の60重量%超が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の63重量%超が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。
【0170】
1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約40重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約50重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約50重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、本発明の錠剤の約58重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約60重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約63重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。
【0171】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の50重量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の58重量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の63重量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0172】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約50重量%〜約75重量%が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約58重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、コーティングされ、錠剤の約63重量%〜約70重量%が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0173】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、250mg未満の賦形剤、例えば、200mg未満または150mg未満または130mg未満または120mg未満の賦形剤を含む。
【0174】
本発明の1つの実施形態において、錠剤の少なくとも50重量%が、エムトリシタビンである。本発明の1つの実施形態において、錠剤の少なくとも55重量%が、エムトリシタビンである。
【0175】
本発明の1つの実施形態において、錠剤の約50重量%〜約65重量%が、エムトリシタビンである。本発明の1つの実施形態において、錠剤の約55重量%〜約60重量%が、エムトリシタビンである。
【0176】
1つの実施形態において、錠剤の少なくとも3重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤の少なくとも5重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤の少なくとも7重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤の少なくとも8重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤は、3〜4重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約3%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。別の実施形態において、錠剤は、7〜9重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。
【0177】
1つの実施形態において、錠剤の約3重量%〜約15重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤の約5重量%〜約10重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。1つの実施形態において、錠剤の約7重量%〜約9重量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0178】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、およびb)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.7%または1.8%)である。
【0179】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、a)テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩およびb)エムトリシタビンを含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.7%または1.8%)である。
【0180】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、7〜9重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、約8重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2%未満、例えば、約1.7%である。
【0181】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、7〜9重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2%未満、例えば、約1.7%である。
【0182】
本発明の別の実施形態において、錠剤は、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および少なくとも55重量%のエムトリシタビンを含み、ここで、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2%未満、例えば、約1.7%である。
【0183】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、3〜4重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、約3重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.8%)である。
【0184】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、3〜4重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約3重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.8%)である。
【0185】
本発明の好ましい実施形態において、錠剤は、約3重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および少なくとも55重量%のエムトリシタビンを含み、ここで、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での40℃/75%RHにおいて3ヶ月間貯蔵した後、約2.5%未満(例えば、2%未満、例えば、約1.8%)である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、およびb)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満または1%未満)である。
【0186】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、a)テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩およびb)エムトリシタビンを含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満または1%未満)である。
【0187】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、7〜9重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、約8重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満または1%未満)である。
【0188】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、7〜9重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満または1%未満)である。
【0189】
本発明の別の実施形態において、錠剤は、約8重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および少なくとも55重量%のエムトリシタビンを含み、ここで、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満または1%未満)である。
【0190】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、3〜4重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、約3重量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満、例えば、1.5%未満である。
【0191】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、3〜4重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、好ましくは、約3重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満)である。
【0192】
本発明の好ましい実施形態において、錠剤は、約3重量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および少なくとも55重量%のエムトリシタビンを含み、そのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に由来する分解産物の総量は、閉鎖条件での30℃/75%RHにおいて12ヶ月間貯蔵した後、約2%未満(例えば、1.5%未満)である。
【0193】
本発明の1つの実施形態において、錠剤の20重量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。本発明の1つの実施形態において、錠剤の10重量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。
【0194】
本発明の1つの実施形態において、錠剤の40重量%未満が、微結晶性セルロースである。本発明の1つの実施形態において、錠剤の30重量%未満が、微結晶性セルロースである。本発明の1つの実施形態において、錠剤の26重量%未満が、微結晶性セルロースである。
【0195】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも50%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも50%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0196】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも58%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも58%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0197】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも60%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも60%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0198】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも65%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも65%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0199】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも50%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも50%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0200】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも60%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも60%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0201】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも63%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも63%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0202】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも65%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。本発明の1つの実施形態において、錠剤は、200mgのエムトリシタビンおよび28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含み、ここで、その錠剤の総重量の少なくとも65%は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩であり、賦形剤は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされ、必要に応じて、そのフィルムコーティングは、Opadry(登録商標)IIであり、かつ/またはそのコーティングの量は、錠剤のコアの重量の2〜4%である。本発明の1つの実施形態において、この錠剤の総重量は、350mgである。本発明の1つの実施形態において、この錠剤は、コーティングされ、この錠剤の総重量は、360.5mgである。
【0203】
本発明の別の実施形態において、本明細書中に開示される錠剤は、(a)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤、および(b)乾燥剤(例えば、シリカゲル)を含むキットの一部である。
【0204】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、以下を含む。
【表22】
【0205】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下を含む。
【表23】
【0206】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表24】
および必要に応じてフィルムコーティングからなる。
【0207】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、以下を含む。
【表25】
【0208】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下を含む。
【表26】
【0209】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表27】
および必要に応じてフィルムコーティングからなる。
【0210】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表28】
および必要に応じてフィルムコーティングからなる。
【0211】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表29】
および必要に応じてフィルムコーティング、例えば、Opadry II Gray 85F97517(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、黒色酸化鉄の組み合わせ)を含むフィルムコーティングからなる。
【0212】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表30】
およびOpadry II Gray 85F97517(40.0%w/wの部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、24.74%w/wの二酸化チタン、20.2%w/wのマクロゴール/PEG3350、14.8%w/wのタルクおよび0.26%w/wの黒色酸化鉄を含む)からなるフィルムコーティングからなる。
【0213】
本発明の1つの実施形態において、錠剤は、以下を含む。
【表31】
【0214】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下を含む。
【表32】
【0215】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表33】
および必要に応じてフィルムコーティングからなる。
【0216】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表34】
および必要に応じてフィルムコーティングからなる。
【0217】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表35】
および必要に応じてフィルムコーティング、例えば、Opadry II Blue 85F105057(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、FD&C青色2号の組み合わせ)を含むフィルムコーティングからなる。
【0218】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表36】
および必要に応じてフィルムコーティング、例えば、Opadry II Blue 85F105057(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、FD&C青色2号の組み合わせ)を含むフィルムコーティングからなる。
【0219】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表37】
およびOpadry II Blue 85F105057(40.0%w/wの部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、23.32%w/wの二酸化チタン、20.2%w/wのマクロゴール/PEG3350、14.8%w/wのタルクおよび1.68%w/wのFD&C青色2号/インジゴカルミンアルミニウムレーキを含む)からなるフィルムコーティングからなる。
【0220】
本発明の1つの実施形態において、本発明の錠剤は、以下:
【表38】
およびOpadry II Blue 85F105057(40.0%w/wの部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、23.32%w/wの二酸化チタン、20.2%w/wのマクロゴール/PEG3350、14.8%w/wのタルクおよび1.68%w/wのFD&C青色2号/インジゴカルミンアルミニウムレーキを含む)からなるフィルムコーティングからなる。
【0221】
製造方法
本明細書中に記載される組成物および剤形(特に錠剤)を作製するための方法も提供される。いくつかの実施形態において、その方法は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を賦形剤と調合した後、圧縮する工程を含む。いくつかの実施形態において、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩をまず共調合し、例えば、乾式造粒によって、賦形剤とともに造粒する。この工程は、ある特定の実施形態において、ローラー圧縮および/または粉砕を含む。いくつかの実施形態において、共調合されたエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の造粒物は、ステアリン酸マグネシウムを含むがこれに限定されない粒外賦形剤とさらに組み合わされ、次いで、圧縮される。
【0222】
いくつかの実施形態において、その方法は、(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を第1層として圧縮する工程、および(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を第2層として圧縮する工程を含む。第1層および第2層は、別々に圧縮され得、その後、併せられ得る。しかしながら、より典型的には、第1層が、圧縮によって形成され、その後、第2層が、第1層上に圧縮される。本発明者らは、多層錠を打錠する際の層の順序の選択が、錠剤の特性(例えば、錠剤内の層の接着)に影響を及ぼし得ることを発見した。したがって、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を第1層として、例えば、約300mgの第1層の重量に圧縮し、次いで、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を第2層として、例えば、約350mgの第2層の重量に圧縮することが、第1層の高い圧縮性および流動性を理由に、有益である。これは、リルピビリン含有層が第2層として圧縮されている、Complera(登録商標)/Eviplera(登録商標)を商業的に作製するために使用されるプロセスとは反対である。
【0223】
いくつかの実施形態において、第1層が(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を第1層として圧縮する工程、および(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を第2層として圧縮する工程の方法によって入手可能な錠剤が提供される。他の実施形態において、第2層が(a)リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩を第1層として圧縮する工程、および(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を第2層として圧縮する工程の方法によって入手可能な本発明の錠剤が提供される。
【0224】
典型的には、上記方法は、圧縮後に錠剤コアを、例えば、上に記載されたようなフィルムコーティングでコーティングする工程を含み得る。
【0225】
一般に、打錠方法は、薬学分野で周知である。手法および製剤化は、通常、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)(その全体が参照により本明細書に援用される)に見られる。
【0226】
錠剤は、必要に応じて1種またはそれを超える賦形剤を伴って、圧縮または成形によって作製され得る。圧縮錠は、必要に応じて賦形剤と混合された、自由に流動することができる形態(例えば、粉体または顆粒)の活性成分を好適な機械において圧縮することによって調製され得る。
【0227】
治療的方法
本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV(例えば、HIV−1)を処置するためまたは予防するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV−1またはHIV−2を処置するためまたは予防するために使用され得る。
【0228】
ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV(例えば、HIV−1)を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV−1またはHIV−2を処置するために使用され得る。
【0229】
ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV(例えば、HIV−1)を予防するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形(特に錠剤)は、HIV−1またはHIV−2を予防するために使用され得る。
【0230】
したがって、HIVを有する被験体を処置するための方法が提供され、その方法は、本発明の固体経口剤形(特に錠剤)をその被験体に投与する工程を含む。同様に、そのような処置方法において使用するための本発明の固体経口剤形(特に錠剤)が提供される。本発明は、HIVを処置するための本発明の経口剤形(特に錠剤)を製造する際の、リルピビリンまたはその薬学的に許容され得る塩、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩の使用も提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、HIVを処置するための本発明の経口剤形(特に錠剤)を製造する際の、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0231】
ある特定の実施形態において、HIVに感染しているかまたはそのリスクがあるヒトにおけるHIV感染を処置する方法が提供され、ここで、その方法は、そのヒトに本明細書中に開示される固体経口剤形を投与する工程を含む。同様に、HIVに感染しているかまたはHIVに感染するようになるリスクがあるヒトにおいてHIV感染を予防する方法が提供され、ここで、その方法は、そのヒトに本明細書中に開示される固体経口剤形を投与する工程を含む。
【0232】
別の実施形態では、HIVに感染しているかまたはそのリスクがあるヒトにおけるHIV感染を処置するための本明細書中に開示される固体経口剤形の使用が提供される。同様に、HIVに感染しているかまたはそのリスクがあるヒトにおけるHIV感染を予防するための本明細書中に開示される固体経口剤形の使用が提供される。
【0233】
別の実施形態では、治療において本明細書中に開示される固体経口剤形を使用する方法が提供される。特に、哺乳動物(例えば、ヒト(例えば、男性と性的交渉を持つ男性または男性と性的交渉を持つ性転換女性))においてHIVウイルスの増殖を処置するか、AIDSを処置するかまたはAIDSもしくはARC症状の発症を遅らせる方法が提供され、その方法は、その哺乳動物に本明細書中に開示される固体経口剤形を投与する工程を含む。
【0234】
特定の実施形態において、個体がウイルスに曝露されている場合にHIV感染が定着するのを防ぐためおよび/またはウイルスが永続的な感染を確立させるのを防ぐためおよび/または疾患の症状の出現を防ぐためおよび/またはウイルスが血液中で検出可能なレベルに到達するのを防ぐために、例えば、曝露前予防(PrEP)または曝露後予防(PEP)のために、使用するための、本明細書中に開示される固体経口剤形が提供される。したがって、ある特定の実施形態において、HIV(例えば、HIV−1および/またはHIV−2)を獲得するリスクを低下させるための方法が提供される。例えば、HIV(例えば、HIV−1および/またはHIV−2)を獲得するリスクを低下させるための方法は、本明細書中に開示される固体剤形の投与を含む。ある特定の具体的な実施形態において、HIV(例えば、HIV−1および/またはHIV−2)を獲得するリスクを低下させるための方法は、より安全なセックスの実施と組み合わせた、本明細書中に開示される固体経口剤形の投与を含む。ある特定の実施形態において、HIV(例えば、HIV−1および/またはHIV−2)を獲得するリスクを低下させるための方法は、HIVを獲得するリスクがある個体への投与を含む。HIVを獲得するリスクが高い個体の例としては、HIVの性行為感染のリスクがある個体が挙げられるがこれに限定されない。
【0235】
ある特定の実施形態において、HIVを獲得するリスクの低下は、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%である。ある特定の実施形態において、HIVを獲得するリスクの低下は、少なくとも約75%である。ある特定の実施形態において、HIVを獲得するリスクの低下は、約80%、85%または90%である。
【0236】
別の実施形態では、HIVに感染しているかまたはそのリスクがある人間においてHIV感染を処置するための薬を製造するための本明細書中に開示される固体経口剤形の使用が開示される。同様に、別の実施形態において、HIVに感染しているかまたはそのリスクがある人間においてHIV感染を予防するための薬を製造するための本明細書中に開示される固体経口剤形の使用が開示される。
【0237】
別の実施形態では、本明細書中に開示される固体経口剤形;およびその固体経口剤形がHIVによる感染を処置するために使用され得ることを示すラベルを備える包装材料を含む製造品が開示される。同様に、別の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形;およびその固体経口剤形がHIV感染を予防するために使用され得ることを示すラベルを備える包装材料を含む製造品が開示される。
【0238】
本明細書中に開示される方法は、本明細書中に開示される経口剤形(特に錠剤)を被験体、典型的にはヒトに投与する工程を含み、通常、反復投与、典型的には1日1回の投与を含み得る。処置は、予防的処置または治療的処置であり得る。
【0239】
ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される方法は、1日1回未満の間隔での反復投与を含む。例えば、ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される方法は、1日おき、1週間につき5回、1週間につき4回、1週間につき3回、1週間につき2回または1週間につき1回の本明細書中に開示される経口剤形の投与を含む。
【0240】
ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される方法は、個体をHIVに曝露し得る事象または別途個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の前の投与および/またはその事象の後の投与、例えば、曝露前予防(PrEP)および/または曝露後予防(PEP)としての投与を含む。個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の例としては、HIV陽性のパートナーまたはHIVの状態が不明のパートナーとの肛門性交中のコンドームの不使用;3人を超える性交パートナーとの肛門性交;金銭、贈り物、住まいまたは薬物とアナルセックスとの交換;性行為感染症と診断された状態での男性パートナーとのセックス;およびHIV陽性であると判明しているセックスパートナーとの一貫したコンドームの不使用が挙げられるがこれらに限定されない。
【0241】
ある特定の実施形態において、例えば、PrEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックスまたはHIVウイルスへの他の曝露)の2〜72時間前、2〜48時間前、2〜24時間前または2〜12時間前に投与される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックスまたはHIVウイルスへの他の曝露)の前の72時間、60時間、48時間、24時間、12時間、9時間、6時間、4時間、3時間、2時間または1時間以内に投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の前に投与されるとき、それらは、その事象の前に毎日投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の前に投与されるとき、それらは、その事象の前に1〜3回投与される。
【0242】
ある特定の実施形態において、例えば、PrEPレジメンの一部またはPEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックスまたはHIVウイルスへの他の曝露)の2〜48時間後、2〜36時間後、2〜24時間後または2〜12時間後に投与される。ある特定の実施形態において、例えば、PEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックスまたはHIVウイルスへの他の曝露)の後、7日間、14日間、21日間、28日間、30日間または45日間投与される。
ある特定の実施形態において、例えば、PEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックスまたはHIVウイルスへの他の曝露)の後、30日間投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、12時間、18時間、24時間、36時間または48時間未満に投与される。ある特定の他の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の後、1日間、2日間、3日間 4日間または5日間投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の後に投与されるとき、それらは、その事象の後、毎日投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の後に投与されるとき、それらは、その事象の後、1〜3回投与される。ある特定の実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象の後に投与されるとき、それらは、その事象の後、1回投与される。
【0243】
ある特定の実施形態において、例えば、PrEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の前およびその事象の後に投与される。例えば、ある特定の実施形態において、例えば、PrEPとして投与されるとき、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の2〜72時間前、2〜48時間前、2〜24時間前または2〜12時間前、およびその事象の2〜48時間後、2〜36時間後、2〜24時間後または2〜12時間後に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される1つまたはそれを超える(例えば、1、2または3つの)固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の1〜3日前、およびその事象後の1〜5日間にわたって1日につき1回、投与される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される1つまたはそれを超える(例えば、1、2または3つの)固体経口剤形が、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の2〜24時間前、およびその事象の2〜48時間後に1回またはそれを超えて(例えば、1、2または3回)投与される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される固体経口剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高め得る事象(例えば、セックス)の2〜48時間後に、1回またはそれを超えて(例えば、1、2または3回)、1週間につき1回、1週間につき2回、1週間につき3回、1週間につき4回または1週間につき5回、投与される。1つの実施形態において、本明細書中に開示される経口固体剤形は、個体がHIVを獲得するリスクを高める事象の前に1週間につき2回(1日あたり1つの組成物(すなわち、錠剤))およびその事象の後に1回(1つの組成物)(例えば、曝露の24時間以内、例えば、性交後に1つの錠剤)投与される。
【0244】
通則
ヒト被験体への固体経口剤形の投与に関する用語「食後」は、食後の条件下(中程度の脂肪の食事)でその剤形を経口的に投与すること、例えば、ヒトが約300〜600カロリーおよび約10〜約15グラムの脂肪の標準化食事を消費した約30分以内の投与を意味する。
【0245】
例えば組成物内の所与の構成要素の存在に関する用語「実質的に含まない」は、その組成物の5重量%未満(例えば、その組成物の1重量%未満)がその所与の構成要素であることを意味する。語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まない場合がある。必要ならば、語「実質的に」は、本発明の定義から省略されてもよい。
【0246】
用語「隔離されている」は、錠剤内のある特定の構成要素(例えば、AおよびB)に関して使用されるとき、1つの構成要素(例えば、A)の存在が、それと隔離されている他の構成要素(例えば、B)の貯蔵の安定性に実質的に影響しないように、それらの構成要素が物理的に離れていることを意味する。典型的には、構成要素が、錠剤において隔離されているとき、それらの構成要素は、多層錠における別個の層に存在し得る。例としては、構成要素AおよびBが、多層錠における別個の層に存在し得、ここで、(a)構成要素Aを含む層は、構成要素Bを実質的に含まず、(b)構成要素Bを含む層は、構成要素Aを実質的に含まない。それらの別個の層は、互いに接していてもよいし、例えば、1つまたはそれを超えるさらなる層によって分断されていてもよい。
【0247】
用語「含む(comprise)」およびその変形(例えば、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」)は、「含むがこれらに限定されない」のように、オープンな包括的意味で解釈されるべきである。
【0248】
2つの値に関連する用語「間」は、それらの2つの値を含み、例えば、10mg〜20mgの「間」の範囲は、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20mgを包含する。
【0249】
本明細書中で使用されるとき、用語「約」は、それが修飾している数値の変動を反映すると当業者に理解される。本明細書中で表現される値は、ある範囲の変動を含むと理解される。この変動を反映するために、本明細書中で使用されるいずれの数値も、この変動を組み込んでいる。したがって、本明細書中で使用される数値は、述べられた値、ならびに「約」で修飾される値を包含する。ある特定の実施形態において、数値xに関する用語「約」は、任意選択であり、例えば、x±10%、x±5%またはx±1%を意味する。
【0250】
「%w/w」は、例えば、ある構成要素が存在する層または剤形の、総重量に対するパーセンテージとしての、その構成要素の重量を意味する。例えば、「5%w/wのX」を含む組成物とは、構成要素Xの重量がその組成物の総重量の5%である組成物のことを指す。
【0251】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」または「ある実施形態」に対する言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特色が、本明細書中に提供される少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における句「1つの実施形態において」または「ある実施形態において」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に対して言及しているのではない。さらに、特定の特徴、構造または特色が、1つまたはそれを超える実施形態において、任意の好適な様式で組み合わされてよい。
【0252】
物質に関連する用語「薬学的に許容され得る」とは、合理的なベネフィット/リスク比に見合う、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応などがない使用に対して安全かつ好適であると一般にみなされる物質のことを指す。
【0253】
「薬学的に許容され得る塩」とは、薬学的に許容され得、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する(またはその薬理学的活性を有する形態に変換され得る)、化合物の塩のことを指す。そのような塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)によって形成されるか;または有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸(2−napththalenesulfonic acid)、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸など)によって形成される酸付加塩、および親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンまたはアルミニウムイオンによって置き換えられたとき;または有機塩基(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなど)と配位するときに形成される塩が挙げられる。アンモニウム塩および置換アンモニウム塩または四級化アンモニウム塩もこの定義に含まれる。薬学的に許容され得る塩の代表的な非限定的なリストは、S.M.Bergeら、J.Pharma Sci.,66(1),1−19(1977)およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,R.Hendrickson,ed.,21st edition,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA,(2005),p.732,Table38−5(両方が参照により本明細書に援用される)に見られ得る。
【0254】
本明細書中で使用されるとき、用語「塩」は、共結晶を含む。用語「共結晶」とは、2種またはそれを超える分子構成要素を含む結晶性化合物のことを指し、ここで、例えば、分子構成要素間のプロトンの移動は、部分的または不完全である。したがって、用語「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書中で使用されるとき、本明細書中で定義されるような塩および共結晶を包含する。
【0255】
用語「溶媒和物」は、化合物および1種またはそれを超える薬学的に許容され得る溶媒分子を含む分子錯体を意味する。溶媒分子の例としては、水およびC
1−6アルコール、例えば、エタノールが挙げられる。溶媒和物が水であるとき、用語「水和物」が使用され得る。
【0256】
疾患を「処置する」および疾患の「処置」には、以下:
(1)疾患の発症を予防することまたは疾患を発症するリスクを低下させること、すなわち、疾患に曝露される可能性があるかまたは疾患にかかりやすい可能性があるがまだその疾患の症状を経験していないかまたは示していない被験体において、疾患の臨床症状を発症させないようにすること、
(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の発症を停止するかまたは低減させること、および
(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患またはその臨床症状を後退させること
が含まれる。
【0257】
用語「有効量」とは、所望の生物学的応答または医学的応答を誘発するのに有効であり得る量(ある疾患を処置するために被験体に投与されたとき、その疾患に対するかかる処置をもたらすのに十分な化合物の量を含む)のことを指す。有効量は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置されるべき被験体の年齢、体重などに応じて変動し得る。有効量は、ある範囲の量を含み得る。
【実施例】
【0258】
本発明は、以下の非限定的な例によって例証される。
【0259】
実施例1−エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤
エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩製剤は、最初、錠剤1つあたり200mgという目標エムトリシタビン用量ならびに錠剤1つあたり25mgおよび40mgという目標テノホビルアラフェナミド用量に開発された。抗ウイルス活性を、HIV−1 RNAおよびDAVG11のベースラインの変化によって計測した。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩単剤錠剤と比べたとき、25mgのテノホビルアラフェナミド単剤錠剤および40mgのテノホビルアラフェナミド単剤錠剤において、HIV−1
RNAおよびDAVG11の統計的により大きな減少が観察されたことから、25mgおよび40mgのテノホビルアラフェナミドのさらなる臨床研究が支持された。
【0260】
エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドとして、200mgのエムトリシタビンおよび25mg(錠剤A)または40mg(錠剤B)のエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドを含む、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mgおよびエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/40mgの固定用量併用錠剤製剤が開発され、第1相臨床研究のために製造された。評価されたエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mgおよび200/40mgの固定用量併用錠剤製剤の組成は、以下であった:
【表39】
【0261】
評価されたエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg(錠剤A)および200/40mg(錠剤B)の錠剤を、乾式造粒/錠剤圧縮/フィルムコーティングのプロセスの過程を用いて製造した。テノホビルアラフェナミドが造粒プロセス中に水分に曝露されるのを最小限にするために、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを併せる手段としてローラー圧縮による乾式造粒を選択した。製造プロセス全体は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを粒内賦形剤と共調合(coblending)し、滑らかにした後のローラー圧縮および粉砕からなった。次いで、得られたエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド顆粒を粒外賦形剤と調合し、滑らかにすることにより、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドの最終粉体調合物が得られ、それを450mgのコア錠剤に圧縮し、続いて、Opadry II White 85F18422でフィルムコーティングした。
【0262】
実施例2−エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤の安定性
実施例1の錠剤AおよびBの安定性を、24ヶ月間にわたる25℃/60%RHの長期間の貯蔵条件および6ヶ月間にわたる40℃/75%RHの加速条件において評価した。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する安定性の結果は、いずれの貯蔵条件においてもエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤の強度について、エムトリシタビンの分解が限定的にしか生じなかったことを示した。40℃/75%RHにおける6ヶ月後、錠剤Aについては、4.2%というテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の全不純物生成物が観察され、錠剤Bについては、3.0%というテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の全不純物生成物が観察された。
【0263】
これらの錠剤からのエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の溶解は、変化しなかった。すべての条件で貯蔵された錠剤が、すべての貯蔵時間において、両方の活性な作用物質の≧98%放出を示した(500mlの50mMクエン酸ナトリウムpH5.5において、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いてモニターした)。これらの錠剤の含水率は、安定性研究にわたって1.3〜2.5%の範囲であった。全体的に見て、これらの安定性データは、2gの乾燥剤とともにHDPEボトル内に包装された錠剤Aおよび錠剤Bが、6ヶ月間の加速条件(40℃/75%RH)下および最長24ヶ月間の長期間貯蔵(25℃/60%RH)において、物理的および化学的に安定したままであることを実証している。
【0264】
実施例3−賦形剤変更研究
11種のプロトタイプの単層共乾式造粒(co−dry granulation)エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤製剤をデザインし、製造し、試験することによって、製剤開発研究を行った。これらの製剤を、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の化学的安定性に対する賦形剤の同一性および相対組成の影響について評価した。11種の製剤の組成を以下の表に要約する:
【表40】
【0265】
以下の製剤特質を調べた:
・充填剤のタイプおよび賦形剤のマトリックス組成:微結晶性セルロース、微結晶性セルロースおよびラクトース一水和物、微結晶性セルロースおよびマンニトールまたは微結晶性セルロースおよび無水リン酸水素カルシウム。
・崩壊剤のタイプおよびレベル:クロスカルメロースナトリウムまたはクロスポビドン。・テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物量:エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩200/10mg錠剤における2.49%および3.20%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩濃度、ならびにエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg錠剤における6.23%および8.01%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩濃度。
【0266】
すべてのフィルムコート錠を、2グラムのシリカゲル乾燥剤およびポリエステルコイルとともに、60mLのHDPEボトル内に30個入りとして包装した。HDPEボトルを、アルミニウム面を有するライナーを備えるポリプロピレン(PP)キャップを用いて誘導シールした。化学的安定性を、40℃/75%RHにおいて3ヶ月間にわたってモニターした。試験された5種の製剤(バッチA〜E)の場合、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解産物は、(開始時と比べて)1ヶ月後に0.7〜1.7%および3ヶ月後に2.3〜2.7%増加した。全体的に見て、充填剤系は、加速条件での3ヶ月後にテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の分解に有意に影響しなかった。
【0267】
実施例4−エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤の安定性に対するテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩量(loading)の影響
エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mgおよび200/25mg錠剤におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の安定性に対するテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物量の影響を、2.49%〜8.01%の範囲のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物量を用いて、同時に微結晶性セルロース含有量の調整を行って評価した。エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mg錠剤製剤は、2.49%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩または3.20%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含んだのに対して、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg錠剤製剤は、6.23%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩または8.01%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含んだ。錠剤の総重量を450mgから350mgに減少させることによって、より高い薬物量が達成された。薬物量に応じたテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の化学的安定性を下記の表に要約する:
【表41】
【0268】
2.49%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含むエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mg錠剤は、1および3ヶ月後にそれぞれ、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解産物の0.7%および2.4%の増加を示した。3.20%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含むエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mg錠剤は、1および3ヶ月後にそれぞれ、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解産物の0.3%および1.1%の増加を示した。テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物量を2.49%w/wから3.20%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に増加させると、加速条件下での3ヶ月後にテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解産物が50%減少した。
【0269】
8.01%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含むエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg錠剤は、6.23%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む錠剤よりも良好なテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の化学的安定性を示した。3ヶ月後、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg錠剤におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解産物は、6.23%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩製剤において1.5%、および8.01%w/wのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩製剤において1.1%増加した。テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物量研究の結果に基づいて、3.20%w/wおよび8.01%w/wというテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の含有率をそれぞれ、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mgおよび200/25mg固定用量併用錠剤に対して選択した。
【0270】
図1は、1ヶ月および3ヶ月後(40℃/75%RH)の、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の量に応じた、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩関連の分解産物の増加のプロットを示している。
【0271】
実施例5
賦形剤および薬物量の評価の結果として、2つの製剤(エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/10mg、錠剤C;およびエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド200/25mg、錠剤D)を、さらなる研究において使用するために開発した。これらの製剤の組成を以下の表に示す:
【表42】
【0272】
エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を、微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムと共調合した後、ステアリン酸マグネシウムで滑らかにした。次いで、ローラー圧縮用の事前調合物をローラー圧縮し、振動ミルを用いて粉砕した。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウムで滑らかにし、350mgの錠剤コアに圧縮し、続いてフィルムコーティングした。錠剤CおよびDを調製したプロセスを示している流れ図を
図10に示す。
【0273】
実施例6
テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩は、固体加水分解を起こすので、最初の包装に乾燥剤を含めることは、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤における水分レベルを制御するために含められる。貯蔵中のエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の化学的安定性に対する乾燥剤の量の影響を評価するために、錠剤CおよびDに対して包装材の開発を行った。
【0274】
錠剤CおよびDを、60mLのHDPEボトル内に2または3グラムの乾燥剤およびポリエステルコイルとともに30個包装し、誘導シールでシールした。化学的安定性を、40℃/75%RHで最長6ヶ月間モニターした。
【0275】
加速条件下の6ヶ月後の錠剤Cにおけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩関連の総分解産物は、2gおよび3gの乾燥剤とともに包装されたボトルにおいてそれぞれ3.9%および3.3%であった。比較として、錠剤Dにおけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩関連の総分解産物は、2gおよび3gの乾燥剤を含むボトルにおいてそれぞれ2.3%および2.4%であった。
【0276】
実施例7−エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の生物学的同等性研究
無作為化オープンラベル単一用量2ウェイクロスオーバー研究を、以下のことを明らかにするために行った:
・研究1:エルビテグラビルおよびコビシスタットと同時にF/TAF固定用量併用錠剤(錠剤C)としてまたはE/C/F/TAF固定用量併用錠剤として投与された、エムトリシタビンおよびTAFの生物学的同等性
・研究2:F/TAF固定用量併用錠剤(錠剤D)またはE/C/F/TAF固定用量併用錠剤として投与された、エムトリシタビンおよびTAFの生物学的同等性
・研究3:F/TAF固定用量併用錠剤(錠剤D)、ならびにEmtriva(登録商標)(エムトリシタビン)カプセル剤とTAF単剤錠剤との同時投与からのエムトリシタビンおよびTAFとして投与された、エムトリシタビンおよびTAFの生物学的同等性。
【0277】
処置の期間
被験体を2つの処置順序のうちの1つ(ABまたはBA)に無作為化し、1および7日目(研究1および2)または1および15日目(研究3)に、被験体に単一用量の以下の処置のうちの1つ(AまたはB)を投与した:
【0278】
研究1
処置A:食後の条件下において、単一用量のF/TAF(200/10mg)固定用量併用錠剤(錠剤C)をEVG150mgおよびCOBI150mg錠剤と同時に経口的に投与した。
処置B:食後の条件下において、単一用量のE/C/F/TAF(150/150/200/10mg)固定用量併用錠剤を経口的に投与した。
【0279】
研究2
処置A:食後の条件下において、単一用量のF/TAF(200/25mg)固定用量併用錠剤(錠剤D)を経口的に投与した。
処置B:食後の条件下において、単一用量のE/C/F/TAF(150/150/200/10mg)固定用量併用錠剤を経口的に投与した。
【0280】
研究3
処置A:食後の条件下において、単一用量のF/TAF(200/25mg)固定用量併用錠剤(錠剤D)を経口的に投与した。
処置B:食後の条件下において、単一用量のEmtriva(登録商標)200mgカプセル剤+単一のTAF25mg錠剤を経口的に投与した。
【0281】
研究1および2:各研究において、研究の全期間は、22日間であった。1日目と7日目の投薬の間の6日間のウォッシュアウト期間および14日間の追跡調査期間を設けた。
【0282】
研究3:研究の全期間は、29日間であった。投薬は、1および15日目に行い、14日間の追跡調査期間を設けた。
【0283】
評価の基準
以下の血漿薬物動態パラメータを計算した:C
max、T
max、C
last、t
1/2、AUC
last、AUC
inf、%AUC
exp、V
z/F、CL/F。
【0284】
統計学的方法
研究1および2
薬物動態:血漿中濃度およびPKパラメータを列挙し、記述統計学を用いて、処置群ごとに要約した。さらに、クロスオーバーデザインにとって適切な混合効果モデルを用いるパラメトリック分散分析を、PKパラメータ(AUC
inf、AUC
lastおよびC
max)の自然対数変換に当てはめた。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する各PKパラメータの幾何最小二乗平均(GLSM)比について、両側90%信頼区間(CI)を構築した。E/C/F/TAF固定用量併用におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の構成要素に対する、F/TAF固定用量併用(錠剤C/錠剤D)におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の生物学的同等性は、2つの製剤間の各被検体に対する薬物動態パラメータのGLSM(幾何最小二乗平均)比の90%CIが、80%〜125%という事前に特定した生物学的同等性の境界内に入ると結論づけられた。
【0285】
研究3
薬物動態:血漿中濃度およびPKパラメータを列挙し、記述統計学を用いて、処置群ごとに要約した。さらに、個々の被験体のPKパラメータデータに対する幾何平均、95%信頼区間(CI)ならびに自然対数変換値の平均値および標準偏差(SD)を示した。
【0286】
F/TAFとFTC+TAFとの生物学的同等性を評価するために、PKパラメータ(自然対数変換AUC
inf、AUC
lastおよびC
max)を比較した。混合効果モデルを用いるパラメトリック分散分析を、PKパラメータの自然対数変換値に当てはめた(filled)。目的の対の間のPKパラメータの幾何平均比(GMR)に対する90%CIを提供した。選択されたPKパラメータ(すなわち、AUC
inf、AUC
lastおよびC
max)に対するGMRの90%CIが、80%〜125%という事前に特定した生物学的同等性の境界内に入った場合、それらの製剤は、生物学的に同等であると結論づけられた。
【0287】
結果
研究1
合計100人の患者を無作為化し、それらの患者に少なくとも1用量の試験薬を投与した。98人の患者が、この研究を完了した。
【0288】
EVG150mgおよびCOBI150mgと同時投与されたF/TAF200/10mg(錠剤C)とE/C/F/TAFとの間のエムトリシタビンおよびTAFの薬物動態パラメータの統計的比較を下記の表に示す:
【表43】
【0289】
エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドに対するAUC
last、AUC
infおよびC
maxのGLSM比および対応する90%CIが、生物学的同等性に対して特定された80%〜125%の境界基準内に含まれていた。
【0290】
研究2
合計56人の患者を無作為化し、それらの患者に少なくとも1用量の試験薬を投与した。54人の患者が、この研究を完了した。
【0291】
F/TAF200/25mg(錠剤D)とE/C/F/TAFとの間のエムトリシタビンおよびTAFの薬物動態パラメータの統計的比較を下記の表に示す:
【表44】
【0292】
エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドに対するAUC
last、AUC
infおよびC
maxのGLSM比および対応する90%CIが、生物学的同等性に対して特定された80%〜125%の境界基準内に含まれていた。
研究3
【0293】
合計116人の患者を無作為化し、それらの患者に少なくとも1用量の試験薬を投与し、それらの患者が、この研究を完了した。
【0294】
F/TAF200/25mg(錠剤D)と、TAF25mg錠剤と同時投与されたEmtriva(登録商標)200mgカプセル剤との間のエムトリシタビンおよびTAFの薬物動態パラメータの統計的比較を下記の表に示す:
【表45】
【0295】
エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドに対するAUC
last、AUC
infおよびC
maxのGLSM比および対応する90%CIが、生物学的同等性に対して特定された80%〜125%の境界基準内に含まれていた。
【0296】
結論
これらの研究は、以下を実証する:
・EVGおよびCOBIの単剤錠剤と同時投与されたF/TAF200/10mg(錠剤C)からのエムトリシタビンおよびTAFは、E/C/F/TAFの参照処置からのエムトリシタビンおよびTAFの曝露量と生物学的に同等であった。
・F/TAF200/25mg(錠剤D)からのエムトリシタビンおよびTAFは、E/C/F/TAFの参照処置からのエムトリシタビンおよびTAFの曝露量と生物学的に同等であった。
・F/TAF200/25mg(錠剤D)からのエムトリシタビンおよびTAFは、TAF単剤25mg錠剤と同時投与されたEmtriva(登録商標)カプセル剤200mgの同時投与の参照処置からのエムトリシタビンおよびTAFの曝露量と生物学的に同等であった。
【0297】
実施例8−エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩単層錠
エムトリシタビン、リルピビリンHClおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の単層製剤(錠剤F4)を共乾式造粒によって調製した。
図2は、この製剤の調製を示している流れ図である。この共造粒される製剤の組成を下記の表に示す:
【表46】
【0298】
実施例9−テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の安定性研究
(a)エムトリシタビン、ならびに(b)エムトリシタビンおよびリルピビリンHClの存在下におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の安定性を評価するために研究を行った。これらのデータを
図3AおよびBに示す。
図3Aは、開放条件での40℃/75%RH(すなわち、乾燥剤(dessicant)が存在しない密封されていない容器)におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解を示している。
図3Bは、閉鎖条件での60℃におけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の総分解を示している。これらのデータは、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の分解速度がエムトリシタビンの存在下において高まることおよびエムトリシタビンとリルピビリンHClの両方の存在下においてさらに高まることを示している。
【0299】
実施例10−エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の二層錠
エムトリシタビン、リルピビリンHClおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の二層製剤(錠剤F1)を、実施例15に記載される方法を用いて調製した。
図4は、二層錠の調製を示している流れ図である。その製剤の組成を下記の表に要約する:
【表47】
【0300】
実施例11−溶解研究
錠剤F1およびF4の溶解プロファイルを評価するため、ならびにこれらをCOMPLERA(登録商標)およびEDURANT(登録商標)の溶解プロファイルと比較するために、研究を行った。リルピビリンHClの溶解は、1000mlの2%ポリソルベート20含有pH4.5酢酸ナトリウムにおいて、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いて計測した。結果を
図5に示す。これらのデータは、二層製剤(錠剤F1)が、COMPLERA(登録商標)およびEDURANT(登録商標)に匹敵するリルピビリンHCl溶解を有し、単層製剤(錠剤F4)は、高いリルピビリンHCl溶解を示したことを示す。
【0301】
図6A、BおよびCは、錠剤の硬度(すなわち13、16および19kP)が、それぞれリルピビリンHCl、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の溶解にどのように影響するのかを評価するために二層製剤(F1)においた行われた研究の結果を示している。これらの実験におけるリルピビリンHClの溶解は、1000mlの0.5%ポリソルベート20含有0.01N HClにおいて、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いて計測した。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の溶解は、500mlの50mMクエン酸ナトリウムpH5.5において、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いてモニターした。これらのデータは、すべての錠剤が、選択された錠剤の硬度範囲(13〜19kP)にわたって、許容され得る溶解を示したことを示している。
【0302】
実施例12−エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビルアラフェナミド錠剤製剤
以下の錠剤(錠剤E)を、生物学的同等性研究において使用するために選択した:
【表48】
【0303】
実施例13−安定性研究
錠剤Eの3つのバッチを試験した。結果は、放出基準および安定性基準を満たし、下記の表および
図7に示される:
【表49】
【0304】
リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤のバッチ1、2および3(上記の表)の安定性(テノホビルアラフェナミドの総分解産物に関して評価された)が、
図7において、エムトリシタビン200mg/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩25mg錠剤の安定性(40℃/75%RHで評価された)と比べて示されている。
【0305】
錠剤EからのリルピビリンHCl、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の溶解は、錠剤を様々な温度および湿度の条件下で1、3および6ヶ月間貯蔵した後に変化しなかったことも観察された(
図8A〜Cを参照のこと)。これらの研究におけるリルピビリンHClの溶解は、1000mlの0.5%ポリソルベート20含有0.01N HClにおいて、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いてモニターされた。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の溶解は、500mlの50mMクエン酸ナトリウムpH5.5において、37℃および75rpmのパドル速度でUSP装置IIを用いてモニターされた。
【0306】
しかしながら、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の安定性は、錠剤の最初の含水率に応じた、時間0、1ヶ月後、3ヶ月後および6ヶ月後の40℃/75%RHにおけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(錠剤E製剤)の総分解を示している以下の表に示されるように、錠剤の含水率に対して感受性である
:
【表50】
【0307】
上に記載されたエムトリシタビン錠剤およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤に関して、様々なレベルの乾燥剤とともに包装された錠剤Eのバッチにおけるテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の安定性も調査した。データを下記の表に示す。
【表51】
【0308】
実施例14−リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の生物学的同等性研究
無作為化オープンラベル単剤3ウェイ6シーケンスクロスオーバー研究を、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(E/C/F/TAF)の固定用量併用錠剤またはリルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用錠剤(錠剤E)として投与されたエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の生物学的同等性、ならびにリルピビリンHCl単一錠剤またはリルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用錠剤(錠剤E)として投与されたリルピビリンHClの生物学的同等性を明らかにするために行った。
【0309】
処置の期間
(a)エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビルアラフェナミドの固定用量併用錠剤(200/25/25mg)−錠剤E;(b)EDURANT(登録商標)(錠剤中に27.5mgのリルピビリンHClとして存在する25mgのリルピビリン)または(c)エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド(E/C/F/TAF)(150/150/200/10mg、ここで、テノホビルアラフェナミドは、錠剤中に11.2mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩として存在する)の固定用量併用錠剤という3つの単一用量を、最長53日間の全研究期間中、食後の条件下において経口的に投与した。
【0310】
評価の基準
以下の血漿薬物動態パラメータを計算した:C
max、T
max、C
last、t
1/2、AUC
last、AUC
inf、%AUC
exp、V
z/F、CL/F。
【0311】
統計学的方法
薬物動態:血漿中濃度およびPKパラメータを列挙し、記述統計学を用いて、被検体および処置群ごとに要約した。さらに、クロスオーバーデザインにとって適切な混合効果モデルを用いるパラメトリック分散分析を、PKパラメータ(AUC
inf、AUC
lastおよびC
max)の自然対数変換に当てはめた。エムトリシタビン、リルピビリンHClおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩に対する各PKパラメータの幾何最小二乗平均(GLSM)比について、両側90%信頼区間(CI)を構築した。リルピビリンHClまたはエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用におけるエムトリシタビン、リルピビリンHClおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の構成要素に対する、リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の固定用量併用(錠剤E)におけるエムトリシタビン、リルピビリンHClおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の生物学的同等性は、製剤間の各被検体に対する薬物動態パラメータのGLSM(幾何最小二乗平均)比の90%CIが、80%〜125%という事前に特定した生物学的同等性の境界内に入ると結論付けられた。
【0312】
結果
被験体の素質および人口統計学:
合計96人の被験体を無作為化し、これらの被験体に少なくとも1用量の試験薬を投与した。
薬物動態の結果:血漿中のリルピビリンHCl、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩のPKパラメータであるAUC
last、AUC
infおよびC
maxの統計的比較を下記に示す:
【表52】
【0313】
エムトリシタビン、リルピビリンおよびテノホビルアラフェナミドに対するAUC
last、AUC
infおよびC
maxのGLSM比および対応する90%CIが、生物学的同等性に対して特定された80%〜125%の境界基準内に含まれていた。
【0314】
これらの値は、各活性成分(active)に対して下記に示されるデータに基づいて計算された。
【0315】
エムトリシタビン
以下の表は、エムトリシタビンの薬物動態パラメータの統計の要旨を示している:
【表53】
【0316】
以下の表は、AUC
last、AUC
infおよびC
maxといったエムトリシタビンの薬物動態(pharmcokinetic)パラメータの統計的比較を示している(エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(錠剤E)またはエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩E/C/F/TAFとして投与されたとき):
【表54】
【0317】
リルピビリンHCl
以下の表は、リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(錠剤E)またはリルピビリンHClを投与した後のリルピビリンHClの薬物動態パラメータの要旨を提供している:
【表55】
【0318】
以下の表は、AUC
last、AUC
infおよびC
maxといったリルピビリンHClの薬物動態パラメータの統計的比較を示している(リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(錠剤E)またはリルピビリンHClとして投与されたとき):
【表56】
【0319】
テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩
以下の表は、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の薬物動態パラメータの統計の要旨を示している:
【表57】
【0320】
以下の表は、AUC
last、AUC
infおよびC
maxといったテノホビルアラフェナミドの薬物動態パラメータの統計的比較を示している(エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(錠剤E)またはエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩として投与されたとき):
【表58】
【0321】
これらの研究は、以下を実証する:
1.エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(遊離塩基の重量基準で200/25/25mg)の固定用量併用(錠剤E)のエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(tenofovir alafenamide hemifumate)の構成要素が、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(遊離塩基の重量基準で150/150/200/10mg)の固定用量併用と生物学的に同等である;
2.エムトリシタビン/リルピビリンHCl/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(遊離塩基の重量基準で200/25/25mg)の固定用量併用(錠剤E)のリルピビリンHClの構成要素が、リルピビリンHCl25mg(遊離塩基の重量基準)錠剤(EDURANT(登録商標))と生物学的に同等である。
【0322】
実施例15−製造プロセス
リルピビリンHCl/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤の製造/包装手順は、5つの単位プロセスに分けられる:
1.リルピビリンHCl原薬と粒内賦形剤との混合、流動床造粒、粉砕、および粒外賦形剤との調合により、リルピビリンHClの最終粉体調合物を得る工程;
2.エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の原薬と粒内賦形剤との混合、乾式造粒、粉砕および粒外賦形剤との調合により、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉体調合物を得る工程;
3.錠剤圧縮により、二層錠コアを得る工程;
4.錠剤のフィルムコーティングにより、フィルムコート錠を得る工程;および
5.包装する工程。
【0323】
最終的な薬物製品を作製するための製造プロセス工程を下記に詳述する。
【0324】
リルピビリンHClの最終粉体調合物(分配、調合、湿式造粒、粉砕、最終調合)
1.リルピビリンHClおよび賦形剤(ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。ドラッグコンテントファクター(drug content factor)(DCF)に基づいてリルピビリンHClの重量を補正し、同時にラクトース一水和物の重量を減少させる。
2.精製水、ポリソルベート20およびポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrollidone)を秤量する。完全に溶解するまで混合して、造粒用結合剤液を形成する。
3.リルピビリンHCl、ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウムを流動床造粒機/乾燥機に加え、流動化することにより、構成要素を前もって混合する。
4.粉体床の流動化を維持しつつ、結合剤の溶液の全体積を噴霧する。
5.顆粒を乾燥させる。
6.回転インペラースクリーニングミルを用いて顆粒を粉砕する。
7.乾燥させ粉砕した顆粒、ならびに粒外ラクトース一水和物、微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを加え、ブレンダーにおいて調合する。
8.粒外ステアリン酸マグネシウムを加え、調合する。
【0325】
エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉体調合物(分配、調合、乾式造粒、粉砕、最終調合)
9.エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の原薬ならびに賦形剤(微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の原薬の重量をそれらの対応するDCFに基づいて調整し、同時に微結晶性セルロースの重量を調整する。
10.エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の原薬、微結晶性セルロースならびにクロスカルメロースナトリウムをタンブルブレンダーに混ぜ合わせ、調合する。
11.ステアリン酸マグネシウムの粒内部分をタンブルブレンダーに混ぜ合わせ、調合する。
12.得られた調合物を、ローラーコンパクターを用いて乾式造粒する。
13.ステアリン酸マグネシウムの粒外部分を混ぜ合わせる。
【0326】
打錠
14.16kPの目標硬度(範囲:13〜19kP)を達成するのに適切な主圧縮力で、650mgという目標錠剤総重量を用いて、リルピビリンHClの最終粉体調合物を第1層として、およびエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉体調合物を第2層として、300mgの目標リルピビリンHCl層重量に圧縮する。
【0327】
フィルムコーティング
15.Opadry(登録商標)II Gray 85F17636の懸濁液を調製する。錠剤コアをフィルムコーティングすることにより、3%(範囲2〜4%)の目標錠剤重量増加を達成する。フィルムコート錠を乾燥させた後、冷却し、排出する。
【0328】
打錠の際の層の順序が、圧縮性および流動性に影響を及ぼすことが観察されたので、リルピビリンHClを層1として選択した。
図9は、リルピビリンHClおよびエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終調合物における上部パンチ圧力に応じた錠剤の引張り強さを示している。
【0329】
摩損度を最適化するために選択された16kPという目標を含む13〜19kPという硬度範囲を、摩損度に対する錠剤の硬度の影響を評価するために行われた研究に基づいて、以下の表に報告する:
【表59】
【0330】
実施例16−長期間安定性研究
錠剤CおよびDの長期間安定性を、30℃/75%相対湿度(RH)において12ヶ月間にわたって計測した。それらの研究の結果を以下の表に提供する:
【表60】
【0331】
【表61】
【0332】
これらの結果は、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤(3gの乾燥剤を含む、誘導シールされた60mLのHDPEボトル(30錠/ボトル)に包装された)におけるTAFが、長期間貯蔵条件(30℃/75%RH)下において安定していることを実証している。
【0333】
全ての刊行物、特許および特許出願は、あたかも個々に参考として援用されたかのように、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。本発明を、様々な具体的かつ好ましい実施形態および手法に照らして説明してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲内に留まったまま、多くのバリエーションおよび改変が行われ得ることが理解されるべきである。