特開2021-185252(P2021-185252A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-185252(P2021-185252A)
(43)【公開日】2021年12月9日
(54)【発明の名称】ポリオレフィン系樹脂成形体
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/00 20060101AFI20211112BHJP
   C08K 5/098 20060101ALI20211112BHJP
【FI】
   C08L23/00
   C08K5/098
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-148253(P2021-148253)
(22)【出願日】2021年9月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000191250
【氏名又は名称】新日本理化株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩崎祥平
(72)【発明者】
【氏名】井上貴博
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BB031
4J002BB051
4J002BB121
4J002BB141
4J002BB171
4J002EG096
4J002FD206
4J002GB01
4J002GG00
4J002GN00
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】
本発明は、優れた剛性や強度等の機械的性能を有する、ポリオレフィン系樹脂成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】
ポリオレフィン系樹脂及び、脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤を、含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とすること。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂及び、
脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、
金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤を、
含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項2】
前記アルキル置換基が、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項3】
前記アルキル置換基が、メチル基又はtert−ブチル基である、請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項4】
前記アルキル置換基の位置が、シクロヘキサン環の3位又は4位である、請求項1〜3の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項5】
前記金属塩が、カルシウム塩又は二ナトリウム塩である、請求項1〜4の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項6】
シクロヘキサン環を介した前記アルキル置換基と、前記金属塩を構成するオキシカルボニル基との立体異性体中、シス異性体のモル比率が、70%以上である、請求項1〜5の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項7】
さらに、分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とする、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【請求項8】
前記分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を形成する金属種が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム又は亜鉛である、請求項7に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価でバランスの良い性能を有し、汎用のプラスチックとして様々な用途で使用されている。また、一般的に結晶性の樹脂の場合、その結晶性を改良することにより、例えば、成形加工性を改善することや得られた成形品の機械的特性や熱的特性、光学的特性を向上することが可能あることが広く知られており、ポリオレフィン系樹脂の場合も同様である。
【0003】
ポリオレフィン系樹脂の結晶性を改良する方法には、樹脂の構造・組成を制御する方法も広く検討されており、実際に実用化されているが、添加剤を配合する方法が、簡易でより実用的な方法として広く用いられている。結晶核剤は、樹脂の結晶性を改良することのできる代表的な添加剤であり、これまでも様々な検討がなされ、タルク等の無機化合物、ジアセタール化合物、リン酸エステルの金属塩、カルボン酸やスルホン酸の金属塩等の有機化合物等の結晶核剤が様々な結晶性の樹脂で検討され、実用化されている。
【0004】
上記結晶核剤のなかでも、カルボン酸の金属塩が優れた核剤効果を有することが古くから知られている。その代表的なものとしては、安息香酸のナトリウム塩やp−tert−ブチル安息香酸のヒドロキシアルミニウム塩等が挙げられ、様々な用途で広く使われてきた(特許文献1、2、非特許文献1、2)。
【0005】
また、最近では、ヘキサヒドロフタル酸や水添ナジック酸のカルシウム塩やナトリウム塩等の脂環式カルボン酸の金属塩が、熱可塑性樹脂の結晶核剤として優れた効果を有することは報告されている(特許文献3〜7)。
【0006】
上記金属塩系の結晶核剤は、通常樹脂に溶解することなく、樹脂中に分散することにより結晶核剤として効果を発揮する。また、樹脂の核形成は結晶核剤との接触面で発生することが知られている。従って、金属塩系等の分散タイプの結晶核剤の効果は、樹脂との接触面が広いほど、即ち結晶核剤の粒子が細かいほど、核剤としての効果が優れている、しかし、金属塩系の結晶核剤の場合、二次凝集性があり、粒子が細かくなると二次凝集して、樹脂中での分散性が悪く、加工条件によっては分散不良となり、十分な性能が得られない傾向があり、その改善が必要であった。
【0007】
これまでにも、その改善のために、様々な検討が行われてきた。例えば、上記脂環式カルボン酸の場合には、ワックスや脂肪酸石鹸、シリコン等の添加剤を併用することにより樹脂中での分散性を改善する方法等が提案されている(特許文献8〜10)。また、上記リン酸エステルの金属塩の場合には、脂肪酸石鹸等の添加剤を併用することにより樹脂中での分散性を改善する方法等が提案されている(特許文献11〜13)。
【0008】
しかし、上記の様な他の添加剤の併用系では、本質的な改善効果は得られず、従って、加工条件によっては、十分な性能が得られていないのが現状である。また、用途によっては、併用する添加剤に制約があり、また、場合によっては結晶核剤を配合する本来の目的である結晶性の改善効果を低下させる懸念があり、その改善が望まれている。
【0009】
また、近年、様々な用途で、コスト削減や軽量化等の目的でプラスチックへの切り替えが進んでおり、なかでもポリオレフィン系樹脂は安価でかつ軽量であることより最も有用な材料として注目されている。その中でも、自動車用途は、最近の環境問題より低燃費化の要求が強く、最もポリオレフィン系樹脂の使用が進んでいる分野である。最近では小型部材にとどまらず、大型部材にもポリオレフィン系樹脂を使われるようになっており、その様な分野では、これまでに知られている結晶核剤による結晶性の改善では必ずしも十分とは言えず、更なる結晶性の改善が望まれている。
【0010】
また、上記金属塩系の核剤の問題として、他の添加剤、例えば、充填剤であるタルクや残存する重合触媒の中和剤であるステアリン酸カルシウム等との相性が悪く、その様な添加剤との併用系では十分な性能を発揮することができないケースが多く、実用化の大きな障害となっている。
【0011】
例えば、上記自動車部材の中でもバンパー等の安全性に係る部材では、優れた剛性や強度等の機械的性能が必要であり、ポリオレフィン系樹脂単独で十分な機械的性能を得ることが難しく、タルク等の充填剤を配合する処方が一般的である。近年、上述の様に軽量化の要求が強く、充填剤の配合量を可能な限り少なくする傾向が一般的となってきている。しかし、充填剤の配合量を少なくすると機械的性能等の性能低下は避けられず、その改善が大きな課題であった。上述の通り、結晶核剤は、ポリオレフィン系樹脂の結晶性や機械的強度を向上することが可能であり、上記の機械的性能等の性能低下を結晶核剤の配合で補うことが検討され、実際に使われている。しかし、従来の結晶核剤の多くは、充填剤との併用系では十分な効果を発揮することが難しく、近年益々厳しくなってきている軽量化の要求に対応することが難しいのが現状である。従って、タルク等の充填剤との併用系で優れた効果を発揮する結晶核剤を用いることにより、優れた剛性や強度等の機械的性能を有する、ポリオレフィン系樹脂成形体の開発が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第3207737号明細書
【特許文献2】米国特許第3207739号明細書
【特許文献3】特表2004−525227号公報
【特許文献4】特表2004−524417号公報
【特許文献5】特表2004−531613号公報
【特許文献6】特表2007−509196号公報
【特許文献7】特開2012−97268号公報
【特許文献8】特表2016−501961号公報
【特許文献9】国際公開第2007/044122号
【特許文献10】国際公開第2008/005143号
【特許文献11】特開2003−313444号公報
【特許文献12】特開2005−120237号公報
【特許文献13】国際公開第2007/039997号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】J.Appl.Poly.Sci.,11,673−685(1967)
【非特許文献2】Polymer,11(5)、253−267(1970)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、優れた剛性や強度等の機械的性能を有する、ポリオレフィン系樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上述の状況に鑑み、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂、及び、特定の構造の脂環式ジカルボン酸の金属塩を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とすることにより、優れた剛性や強度等の機械的性能を有するポリオレフィン系樹脂成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明は、以下の項目のポリオレフィン系樹脂成形体を提供するものである。
【0017】
[項1]
ポリオレフィン系樹脂及び、
脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、
金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤を、
含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
【0018】
[項2]
前記アルキル置換基が、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である、[項1]に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0019】
[項3]
前記アルキル置換基が、メチル基又はtert−ブチル基である、[項2]に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0020】
[項4]
前記アルキル置換基の位置が、シクロヘキサン環の3位又は4位である、[項1]〜[項3]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0021】
[項5]
前記金属塩が、カルシウム塩又は二ナトリウム塩である、[項1]〜[項4]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0022】
[項6]
シクロヘキサン環を介した前記アルキル置換基と、前記金属塩を構成するオキシカルボニル基との立体異性体中、シス異性体のモル比率が、70%以上である、[項1]〜[項5]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0023】
[項7]
さらに、分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を原料とする、[項1]に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【0024】
[項8]
前記分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を形成する金属種が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム又は亜鉛である、[項7]に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、剛性や強度等の機械的性能、透明性等の光学的性能が良好なポリフィン系樹脂成形体が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明に係るポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されることなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等が例示される。より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上、好ましくは70重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示される。
【0027】
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
【0028】
本発明に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01〜200g/10分程度、好ましくは0.05〜100g/10分程度が推奨される。
【0029】
<ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤>
本発明に係るポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤は、脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含む結晶核剤である。
【0030】
[脂環式ジカルボン酸]
本発明に係る脂環式ジカルボン酸は、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸である。上記アルキル置換基は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基又はtert−ブチル基が、結晶化の改善効果の観点より、特に推奨される。
【0031】
上記アルキル置換基の位置は、シクロヘキサン環の3位又は4位であることが好ましく、どちらの位置に置換されていても良い。特に好ましいアルキル置換基の位置は、置換されているアルキル置換基と金属塩を形成する金属種の種類により、適宜選択される。
【0032】
本発明に係る脂環式ジカルボン酸の金属塩の最大の特徴は、上述の通り、ポリオレフィン系樹脂中での分散性に優れ、その結果、加工条件に依存することなく、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤としての本質的な性能である結晶性の改善効果を発揮することである。これは、シクロヘキサン環に置換された上記特定の構造のアルキル基が結晶核剤としての性能、即ち結晶性の改善効果を損なうことなく、ポリオレフィン系樹脂中での分散性を大きく改善する効果を示すことにより、上記特徴を得ることが可能となったものである。一般に、置換された非極性のアルキル基は、同じく非極性のポリマーであるポリオレフィン系樹脂との相溶性を向上させる効果があるが、逆に相溶性が良くなりすぎると結晶性の改善等の核剤としての効果が低下する傾向にあると言われており、本発明の脂環式ジカルボン酸の金属塩においても特定の構造のアルキル基で置換することで、初めてポリオレフィン系樹脂中での分散性と結晶性の改善効果を同時に満足させることが可能となった。
【0033】
[金属塩]
本発明に係る脂環式ジカルボン酸の金属塩を形成する金属種は、実用面や性能面から総合的に判断した場合、カルシウム、アルミニウム、ナトリウム及びリチウムからなる群より選ばれた一種であることが好ましい。これらの中でも、結晶性改善効果の観点より、カルシウム又はナトリウムであることがより好ましい。
【0034】
本発明に係る脂環式ジカルボン酸の金属塩の具体的な態様としては、例えば、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、3−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、3−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、3−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、3−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、3−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウムの塩、3−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、3−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−n−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩、4−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二リチウム塩等が例示され、中でも好ましい態様としては、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩、4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のカルシウム塩等が挙げられる。これらの中でも、脂環式ジカルボン酸の金属塩は、結晶性改善効果の観点より、カルシウム塩又は二ナトリウム塩のものが好ましい。
【0035】
本発明に係る脂環式ジカルボン酸の金属塩には、シクロヘキサン環を介したアルキル置換基と、金属塩を構成するオキシカルボニル基とが同方向を向いているシス異性体と異方向を向いているトランス異性体の2種類の立体異性体が存在する。本発明に係る脂環式ジカルボン酸の金属塩においては、シス異性体、トランス異性体及びその混合物の何れであっても良いが、結晶性改善の効果の観点より、シス異性体がリッチであることが望ましく、例えば、上記立体異性体中、シス異性体のモル比率が、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上であることが推奨される。なお、上記シクロヘキサン環を介したアルキル置換基と、金属塩を構成するオキシカルボニル基との立体異性体において、シス異性体とは、シクロヘキサン環が有するアルキル置換基と、金属塩を構成する2つのオキシカルボニル基とが全て同方向を向いていることを意味する。
【0036】
また、本発明に係る脂環式カルボン酸の金属塩には、金属塩を構成する2つのオキシカルボニル基が同方向を向いているシス異性体と異方向を向いているトランス異性体の2種類の立体異性体が存在するが、本発明においては、本発明の効果を奏する限り、その異性体の構造に依存するものではなく、シス異性体、トランス異性体及びその混合物の何れであっても良いが、結晶性改善の効果の観点より、シス異性体であることが好ましい。
【0037】
本発明に係るポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤は、上記の脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むことを最大の特徴とする。
【0038】
本発明に係るポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤の粒子形状は、分散タイプの結晶核剤であることを考えると、上述の通り、二次凝集により樹脂中での分散性が悪化しない程度に粒子の大きさが小さいほど、樹脂との接触面が広くなり、より少量で、より優れた核剤としての性能を発揮できる可能性がある。従って、核剤性能の観点より、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、100μm以下、好ましくは50μm、より好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下であることが推奨される。また、分散性の観点より、上述の通り、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上であることが推奨される。
【0039】
<ポリオレフィン系樹脂組成物>
本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂、及び、脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤とを含むことを最大の特徴とする。
【0040】
本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂、及び、脂環式ジカルボン酸が、アルキル置換基を有するシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸であり、かつ、金属塩が、カルシウム塩、ヒドロキシアルミニウム塩、二ナトリウム塩又は二リチウム塩である脂環式ジカルボン酸の金属塩を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤とを、必要に応じてその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤を加えて、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合することにより、容易に得ることができる。
【0041】
また、上記ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤に、必要に応じてその他のポリオレフィン系樹脂用の添加剤を配合して、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を調製して、該組成物とポリオレフィン系樹脂とを、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合することによって、得ることもできる。
【0042】
ポリオレフィン系樹脂組成物中の上記ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤の含有量は、結晶核剤としての効果を奏する限り、特に制約はないが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部であることが推奨される。
【0043】
[その他の添加剤]
また、上述の通り、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物には、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤が含まれていてもよい。
【0044】
上記ポリオレフィン系樹脂用添加剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2004年9月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。具体的には、蛍光増白剤(2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca等)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、中和剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。通常、金属塩系の核剤を含むポリオレフィン系樹脂組成物では、滑剤や中和剤として用いられるステアリン酸カルシウム等との併用系では十分な性能を発揮することができないケースが多いが、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物では、ステアリン酸カルシウム等の存在下においても、十分な性能を発揮することができる。
【0045】
これらの添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0001〜100質量部程度、より好ましくは0.001〜50質量部程度で使用されるのが一般的である。
【0046】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾール等の硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等の亜リン酸エステル系酸化防止剤等が例示される。中でも、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、亜リン酸エステル系の酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等が特に推奨される。
【0047】
また、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤のポリオレフィン系樹脂中での分散性等の観点より、その他の添加剤として分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を配合する処方が特に推奨される。
【0048】
上記分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を構成する脂肪酸としては、具体的に、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられる。これらの中でもラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸が推奨され、特にステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸が最も推奨される。
【0049】
また、上記分子中に少なくとも1個の水酸基を有していても良い炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を形成する金属種としては、具体的に、リチウム、マグネシウム、バリウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、ストロンチウム、亜鉛等が挙げられる。これらの中でもリチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛が推奨され、特にリチウム、亜鉛が最も推奨される。
【0050】
<ポリオレフィン系樹脂成形体>
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、上記のポリオレフィン系樹脂組成物を原料とする。本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、上記のポリオレフィン系樹脂組成物を慣用されている成形方法に従って成形することにより得られる。上記成形方法としては、本発明の効果を奏する限り、特に制約はなく、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。
【0051】
かくして得られたポリオレフィン系樹脂成形体は、剛性や強度等の機械的性能、透明性等の光学的性能、耐熱性等の熱的性能が向上するだけでなく、ひけやそりが少なくなり、複雑な形状のポリオレフィン系樹脂成形体も安定して製造可能となり、成形品やシート、フィルムとして、食品容器、食品包材、医療用容器、自動車部材、電気部材、その他(機械部品、日常雑貨)等様々な用途で、非常に有用である。
【0052】
食品容器として、より具体的には、弁当、麺類、サラダ、惣菜、冷凍食品、氷、氷菓、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、ドレッシング、食用油、調味料、蜂蜜、ジャム、清涼飲料水、乳飲料、ヨーグルト、アイスキャンディー等の食品容器、食品容器の蓋類、コンテナ類、レトルト包装用ポリプロピレン系シーラントフィルム、電子レンジ用容器(冷凍保存食品、インスタント食品、乳製品等の固形食品用)が挙げられる。
【0053】
食品包材として、より具体的には、巻取り包装フィルムから製袋・内容物充填・ヒートシール・切断・排出する工程のピロー包装、ガス遮断性の優れた包装フィルムを用いて内容物を真空または減圧密封する工程の真空包装、包装フィルムの加熱成形、内容物の供給、真空、ヒートシール、フィルムをトリミングする工程の深絞り包装、プラスチックフィルムもしくは金属箔又はこれらを多層に合わせた容器(袋)に調理した食品を詰め、ヒートシールにより密封し、加圧加熱殺菌した工程のレトルトパウチ包装、トレー・台紙・エアキャップ・フィルムなどの上に製品を置き、加熱したフィルムを上から被せ、同時に機械の下から空気を抜き、フィルムを製品とトレーなどに密着させて行う包装であるスキンパック、プラスチック等の成型された容器に内容物を充填し、蓋となるフィルムを熱シールして密封する包装であるトップシール、熱を加えることで収縮するフィルムの性質を利用し、容器にそってぴったり収縮させるシュリンク包装が挙げられる。
【0054】
医療用容器としては、より具体的には、血液成分、生理食塩水、電解質、デキストラン製剤、マンニトール製剤、糖類製剤、アミノ酸製剤、脂肪乳剤、目薬、または流動食等の任意の薬液を液体製品として収容する容器、輸液バッグ、シリンジ、プレフィルドシリンジ、プラスチックバイアル、プレススルーパック(PTP)包装が挙げられる。
【0055】
自動車部材としては、例えば、自動車機構部品、自動車外装品及び自動車内装品が挙げられる。
【0056】
自動車機構部品として、より具体的には、アンダーフード部品、エアコンハウジング、ヒーターハウジング、ダクト類、燃料タンクプロテクター、コネクターハウジング、フューエルフィルターハウジング、フューエルフィルターキャップ、クーリングファン、ファンシュラウド、タイミングベルトカバー、オイルタンク、オイルタンクキャップ、ラジエタータンク、アンダーカバー、エンジンカバー、バッテリーケースが挙げられる。
【0057】
自動車外装品としては、より具体的には、バンパー及びバンパービーム、低バンパースチッフナー(Low Bumper Stiffener) 、サイドスポイラー、フロントグリル、フロントフェンダー、リアフェンダー、フロントボディーパネル、リアボディーパネル、ドアパネル、フードパネル、ルーフパネル、トランクパネル、テールゲートパネル、バンパー、サイドモール、マッドガード、ミラーカバー、ホイールアーチプロテクター、リアガーニッシュ、ドアアウターハンドル、ピラーカバー類、ドアミラーボディ、スプラッシュボード、カウルパネル、ホイールキャップ、各種クリップ、各種ファスナー、ランプハウジング、ロッカーパネル、ドアリスト、サイドシル、カウルカバーが挙げられる。
【0058】
自動車内装品としては、より具体的には、インストルメントパネル、ドアトリムパネル、コンソールボックス、グローブボックス、コラムカバー、ロッカーパネル、ドアパネル、ピラートリム類、デフグリル、メーター関係部品(バイザー・ケース類)、カバー類、ルームミラーボデイー、シートバッグ、ヘッドレストガイド、アームレスト、シートヒンジカバー、シートベルト関係、トランクルームカバー・ボックス、パッケージトレイ、リアトレイ、ピラーガーニッシュ、ステアリングホイール、ホーンカバー 、シフトレバー、シフトレバーノブ、ペダル類、スペアタイヤカバーシートプロテクター、空気ダクト、空調ダクト、ルーフサイドダクト、ドアリスト、エアバッグ容器が挙げられる。
【0059】
電気部材としては、電装品・電気機器、二次電池及びその他の電気部材が挙げられる。
【0060】
電装品・電気機器として、より具体的には、電装品や電気機器のハウジング及びカバー、家電製品(テレビ、掃除機、冷蔵庫、クーラー等)の各種部品、インクジェットプリンターのインク周辺部品・部材、フリーザー容器及び箱が挙げられる。
【0061】
二次電池として、より具体的には、二次電池電槽、固体メタノール電池用燃料ケース、シート・フィルム、延伸シート・フィルム、リチウムイオン二次電池用ガスケットシール材、ニッケル水素イオン二次電池用ガスケットシール材、液体フィルター用ポリプロピレンメルトブロー不織布が挙げられる。
【0062】
その他の電気用途として、金属導体又は光ファイバーに被覆して得られる電線・ケーブルの被覆材料、給電用成形基板が挙げられる。
【0063】
その他(機械部品、日常雑貨)として、フィルムコンデンサ(電気自動車用、ハイブリッド自動車用、鉄道車両用、風力発電用、太陽光発電用及び一般家電用)、光源としてLEDランプを使用する住宅照明器具、自動車内部の照明部品などの反射板、シャンプー、リンス、液体石鹸、調髪剤等のトイレタリー溶液用容器、酸性、中性又はアルカリ性の家庭用洗剤、漂白剤等の容器、液体化粧料用容器、アルコール、工業薬品、農薬用薬剤等の容器、浴槽(バスタブ)、便器、便座、便蓋、便器本体ケース、温水洗浄便座材料、トイレットペーパーケース、バケツ、おもちゃ、スーツケース、透明衣装ケース、書類整理用ファイル等の文房具、ヒンジ付きの容器蓋、金属パイプ用断熱材、車両用断熱材、燃料電池配水管、金属メッキ処理して得られる加飾成形品、水冷用タンク、ボイラー外装ケース、水配管、継ぎ手等の成形部品、木質ボードの代替品、より具体的には、床材や壁材、扉材、内装材、外装材、窓枠等の建材、家具、養生板が挙げられる。また、仕切材、断熱材、梱包材、化粧シート、玩具、雑貨、スポーツ用品が挙げられる。さらに具体的には、通函、物流容器、枕木、当て板、敷板、養生板、スペーサー、看板板、棚板、背板、底板、中敷、天井材 、芯材、緩衝材、吸音材、補強板、下地板、畳床、コンテナ、部品治具、運搬用資材、デッキボード、イベント・災害向け部材、コンクリート型枠、ベッド、楽器等が挙げられる。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
【0065】
[結晶核剤]
・結晶核剤(a):4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム塩(シス体:トランス体=85:15)
・結晶核剤(b):4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム塩(シス体:トランス体=99:1)
・結晶核剤(c):4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム塩(シス体:トランス体=94:6)
・結晶核剤(d):3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二ナトリウム塩(シス体:トランス体=88:12)
・結晶核剤(e):4−tert−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム塩(シス体:100%)
・結晶核剤(f):4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の塩基性アルミニウム塩(シス体:トランス体=94:6)
・結晶核剤(g):4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二リチウム塩(シス体:トランス体=94:6)
・結晶核剤(h)4,5−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二ナトリウム塩
・結晶核剤(i)3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二リチウム塩
・結晶核剤(v)4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二カリウム塩(シス体:トランス体=85:15)
・結晶核剤(w)シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム塩(シス体:100%)
・結晶核剤(x):2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム塩((株)ADEKA製、アデカスタブ NA−11)
・結晶核剤(y):p−tert−ブチル安息香酸のヒドロキシアルミニウム塩
・結晶核剤(z):安息香酸のナトリウム塩
【0066】
[ポリオレフィン系樹脂成形体の評価方法]
(1)曇り度(ヘイズ値)
日本電色工業(株)のヘイズメータ(NDH 7000)を用いて、JISK7136(2000)に準じた方法でヘイズ値(%)を測定した。評価試料には、0.5mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
【0067】
(2)曲げ弾性率及び曲げ強さ
万能材料試験機(インストロン社製)を用い、JISK7171(2016)に準じた方法で曲げ弾性率及び曲げ強さを測定した。なお、試験温度は25℃、試験速度は10mm/分とした。
【0068】
[実施例1]
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンホモポリマー(MFR=30g/10分(荷重2160g、温度230℃))100質量部、結晶核剤(a)0.2質量部、及びその他の添加剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGANOX1010」)0.05質量部、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05質量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製 L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)を用いてバレル温度200℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業(株)製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)200℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0069】
[実施例2]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(b)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0070】
[実施例3]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(c)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0071】
[実施例4]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(d)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0072】
[実施例5]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(e)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0073】
[実施例6]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(f)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0074】
[実施例7]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(g)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0075】
[実施例8]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(h)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0076】
[実施例9]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(i)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】
[比較例1]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(v)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0079】
[比較例2]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(w)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0080】
[比較例3]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(x)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0081】
[比較例4]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(y)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0082】
[比較例5]
結晶核剤(a)の代わりに結晶核剤(z)を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0083】
[比較例6]
結晶核剤を配合しないで、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0084】
【表2】
【0085】
[実施例10]
結晶核剤(b)の配合量を、0.2質量部から0.05質量部に変えた以外は、実施例2と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0086】
[実施例11]
結晶核剤(b)の代わりに結晶核剤(e)を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例10と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0087】
[比較例7]
結晶核剤(b)化合物2の代わりに結晶核剤(w)を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0088】
[比較例8]
結晶核剤(b)の代わりに結晶核剤(x)を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0089】
【表3】
【0090】
[実施例12]
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンホモポリマー(MFR=30g/10分(荷重2160g、温度230℃))70質量部、充填剤としてタルク70%マスターバッチ(白石カルシウム(株)製)30質量部、結晶核剤(b)0.1質量部、及びその他の添加剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGANOX1010」)0.05質量部、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05質量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製 L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)を用いてバレル温度200℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)200℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及び曲げ強さを測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0091】
[比較例9]
結晶核剤(b)の代わりに結晶核剤(w)を用いた以外は、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率と曲げ強さを測定し、得られた結果を表4に示した。
【0092】
[比較例10]
結晶核剤(b)の代わりに結晶核剤(x)を用いた以外は、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率と曲げ強さを測定し、得られた結果を表4に示した。
【0093】
[比較例11]
結晶核剤を配合しないで、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例12と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率と曲げ強さを測定し、得られた結果を表4に示した。
【0094】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明により、剛性や強度等の機械的性能、透明性等の光学的性能が良好なポリオレフィン樹脂成形体が得られ、食品容器、食品包材、医療用容器、自動車部材、電気部材、その他(機械部品、日常雑貨)等様々な用途で広く使うことができる。