【解決手段】油圧昇降装置を上昇位置または下降位置のいずれかに切り換えることが可能なトラクタの昇降操作装置40であって、レバー回動軸52を中心として回動操作可能であり、回動操作されることで油圧昇降装置を上昇位置または下降位置のいずれか一方に切り換えることが可能な昇降レバー50と、押し込み操作可能であり、押し込み操作されることで油圧昇降装置を上昇位置または下降位置のいずれか他方に切り換えることが可能な解除ボタン80と、を具備する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0031】
以下では、
図1を用いて本発明の一実施形態に係る昇降操作装置40を具備するトラクタ1の全体構成について説明する。
【0032】
F149
トラクタ1は、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、油圧昇降装置5、前輪6、後輪7、ボンネット8、マフラ9、キャビン10及び作業灯11等を具備する。
【0033】
機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて配置される。機体フレーム2の後部には、エンジン3が固定される。エンジン3の後方には、トランスミッションケース4が配置される。トランスミッションケース4の後部には、油圧昇降装置5が設けられる。油圧昇降装置5には、各種の作業装置(例えば、ロータリ耕耘装置12等)を装着することができる。
【0034】
また、機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪6に支持される。トランスミッションケース4は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪7に支持される。
【0035】
また、エンジン3は、ボンネット8に覆われる。ボンネット8の左側方には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ9が配置される。ボンネット8の後方には、キャビン10が設けられる。キャビン10の内部には、各種の操作具及びペダル等が配置される。キャビン10の上部には、作業灯11等が配置される。
【0036】
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪6に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪7に伝達可能とされる。こうして、エンジン3の動力によって前輪6及び後輪7を回転駆動させ、トラクタ1は走行することができる。
【0037】
F138
また、エンジン3の動力は、変速装置で変速された後、PTO軸に伝達可能とされる。当該PTO軸には、ロータリ耕耘装置12が連結されている。ロータリ耕耘装置12は、トラクタ1の後部に配置され、主として伝動ケース12a、ロータリ軸12b及び複数の爪12cを具備する。伝動ケース12aは、PTO軸からの動力をロータリ軸12bに伝達することで、ロータリ軸12bを回転させる。これにより、ロータリ耕耘装置12は、複数の爪12cを回転させて圃場等を耕すことができる。また、ロータリ耕耘装置12は、油圧昇降装置5によって昇降可能に構成される。
【0038】
次に、
図2から
図5を用いてキャビン10内の構成について説明する。
【0039】
キャビン10内には、ステアリングホイール21、座席22、主変速レバー23、副変速レバー24、ドラフトレバー25、ポジションレバー26及びコンソールカバー27等が設けられる。
【0040】
図2に示すステアリングホイール21は、前輪6の切れ角を調節するためのものである。座席22は、運転者が着座するためのものである。座席22は、ステアリングホイール21の後方に配置される。
【0041】
図2及び
図3に示す主変速レバー23は、トラクタ1の走行速度の変更を行うためのものである。主変速レバー23は、座席22の右方に配置される。
【0042】
副変速レバー24は、変速装置を変速操作するためのものである。副変速レバー24は、座席22の右方、かつ、主変速レバー23の左後方に配置される。
【0043】
ドラフトレバー25は、作業装置の牽引負荷に応じて当該作業装置を自動的に上げ下げし、一定の牽引力を維持するドラフト制御の実行及び停止を切り換えるためのものである。ドラフトレバー25は、副変速レバー24の後方に配置される。
【0044】
ポジションレバー26は、油圧昇降装置5を任意の高さ位置に調整するためのものである。ポジションレバー26は、ドラフトレバー25の右方に配置される。ポジションレバー26を前方または後方へ回動操作することで、油圧昇降装置5を下降または上昇させることができる。また、ポジションレバー26の操作量(操作位置)に応じて、油圧昇降装置5の高さ位置を調整することができる。
【0045】
図3及び
図4に示すように、コンソールカバー27は、各種の操作具が適宜配置されるものである。なお、
図4及び
図5においては、説明の便宜上、コンソールカバー27に配置された操作具のうち、昇降操作装置40以外の操作具(作業灯スイッチ31等)の記載を省略している。コンソールカバー27は、前後に長い略箱状に形成される。
図5に示すように、コンソールカバー27は、貫通孔27aを具備する。
【0046】
貫通孔27aは、コンソールカバー27を左右に貫通する孔である。貫通孔27aは、コンソールカバー27の左側面における前部に形成される。
【0047】
図3及び
図4に示すように、コンソールカバー27は、ポジションレバー26の右方に配置される。コンソールカバー27内には、操作具を支持するブラケットB10(
図8参照)が配置される。
図3に示すように、コンソールカバー27には、操作具として、作業灯スイッチ31・32、ワイパスイッチ33、回転数設定スイッチ34、パワーアシストスイッチ35、ライタ36、PTOレバー37、補助コントロールレバー38・39及び昇降操作装置40等が配置される。
【0048】
作業灯スイッチ31・32は、作業灯11を点灯または消灯させるためのものである。作業灯スイッチ31・32は、コンソールカバー27の前後中途部に配置される。作業灯スイッチ31・32は、前後方向に間隔をあけて2つ配置される。
【0049】
ワイパスイッチ33は、ワイパ(不図示)を操作するためのものである。ワイパスイッチ33は、作業灯スイッチ31・32の前方に配置される。
【0050】
回転数設定スイッチ34は、エンジン3の回転数を予め設定された回転数に設定するためのものである。回転数設定スイッチ34は、ワイパスイッチ33の前方に配置される。
【0051】
パワーアシストスイッチ35は、作業装置等の負荷変動によるエンジン3の回転数の変動を抑えて、車速やPTO軸の回転数を略一定に保つためのものである。パワーアシストスイッチ35は、回転数設定スイッチ34の前方に配置される。
【0052】
ライタ36は、煙草に点火するためのものである。ライタ36は、作業灯スイッチ31・32の右方に配置される。
【0053】
PTOレバー37は、PTO軸への動力の伝達可否を切り換えるためのものである。PTOレバー37は、ライタ36の前方、かつ、回転数設定スイッチ34及びパワーアシストスイッチ35の右方に配置される。
【0054】
補助コントロールレバー38・39は、作業装置への作動油の供給を制御するためのものである。補助コントロールレバー38・39は、コンソールカバー27の前端部(パワーアシストスイッチ35及びPTOレバー37よりも前方)に配置される。補助コントロールレバー38・39は、前後方向に間隔をあけて2つ配置される。
【0055】
昇降操作装置40は、簡易的な操作で油圧昇降装置5を上昇位置または下降位置のいずれかに切り換えるためのものである。上昇位置とは、油圧昇降装置5を所定の位置、具体的には最大限高い位置まで上昇させた位置である。下降位置とは、油圧昇降装置5を所定の位置(ポジションレバー26の操作位置に応じた位置)まで下降させた位置である。昇降操作装置40(より詳細には、昇降レバー50)は、補助コントロールレバー38・39の後方、かつ、パワーアシストスイッチ35及びPTOレバー37の前方に配置される。また、昇降操作装置40は、ポジションレバー26の右方に配置される。
【0056】
上述の如く構成されたトラクタ1では、ポジションレバー26を任意の位置まで前方に回動操作することで、油圧昇降装置5を任意の位置(下降位置)まで下降させ、ロータリ耕耘装置12による耕耘作業を行うことができる。この際、ポジションレバー26の操作位置に応じて下降位置を調整することができ、ひいてはロータリ耕耘装置12の高さ(耕耘深さ)を調整することができる。この状態では、昇降操作装置40を用いて、油圧昇降装置5の下降位置と上昇位置の切り換えを簡単に行うことができる。以下、ポジションレバー26及び昇降操作装置40の構成について説明する。
【0057】
まず、
図4、
図6及び
図7を用いてポジションレバー26の構成について説明する。ポジションレバー26は、前後方向へ回動操作されることで油圧昇降装置5の高さ位置の調整を行う。より詳細には、ポジションレバー26は、前方へ回動操作されることで油圧昇降装置5を下降させることができると共に、後方へ回動操作されることで油圧昇降装置5を上昇させることができる。
【0058】
ここで、油圧昇降装置5は、コントロールバルブ(不図示)を介して供給される作動油によって昇降可能である。コントロールバルブには、内部の油路を切り換えるためのバルブシャフトSが設けられる。バルブシャフトSを適宜回動させることで、油圧昇降装置5を任意に昇降させることができる。本実施形態では、バルブシャフトSが
図7(a)における時計回り方向へ回動されることで、油圧昇降装置5を上昇させることができる。また、バルブシャフトSが反時計回り方向へ回動されることで、油圧昇降装置5を下降させることができる。バルブシャフトSは、コントロールバルブに設けられたバネ(不図示)により、反時計回り方向へ付勢される。バルブシャフトSには、後述する昇降操作装置40のアーム部62が固定される。ポジションレバー26は、回動操作に応じてアーム部62を回動させることでバルブシャフトSを回動させる。以下、具体的に説明する。
【0059】
なお、以下では、
図4、
図6及び
図7に示すように、前方へ回動操作されたポジションレバー26を基準としてポジションレバー26の構成を説明する。また、
図6以降の図面では、説明に不要な部材を適宜省略している。具体的には、
図6及び
図7は、ポジションレバー26及び後述するリンク機構28の説明のため、ドラフトレバー25及びコンソールカバー27等の記載を省略している。また、
図8以降の図面では、昇降操作装置40の説明のため、コンソールカバー27等の記載を省略している。
【0060】
ポジションレバー26は、レバー本体26a、筒部26b及び取付部26cを具備する。
【0061】
レバー本体26aは、運転者によって回動操作される部分である。レバー本体26aは、略板状に形成される。レバー本体26aの前上端部には、運転者が把持するためのグリップが固定される。
【0062】
筒部26bは、略筒状の部分である。筒部26bは、軸線方向を左右方向に向けて配置される。筒部26bには、レバー本体26aの後下端部が固定される。筒部26bは、車体に固定された回動軸Aに回動可能に支持される。
【0063】
取付部26cは、後述するリンク機構28のロッド28aが取り付けられる部分である。取付部26cは、略板状に形成される。取付部26cは、筒部26bの外周に固定され、筒部26bから前下方へ延出する。
【0064】
上述の如く構成されたポジションレバー26には、回動操作をアーム部62に伝達するためのリンク機構28が取り付けられる。以下、リンク機構28の構成について説明する。
【0065】
リンク機構28は、ロッド28a、アーム部28b、プレート28c、軸部28d及び押圧部28eを具備する。
【0066】
ロッド28aは、取付部26cと、略板状に形成されたアーム部28bと、を接続する。プレート28cは、板面を左右方向に向けた略円板状に形成される。プレート28cの外周面には、アーム部28bが固定される。
【0067】
軸部28dは、軸線方向を左右方向に向けて配置され、回動可能に適宜支持される。軸部28dの中途部には、プレート28cが固定される。押圧部28eは、板面を略前後方向へ向けた略板状に形成される。押圧部28eは、軸部28dの左端部に固定される。押圧部28eは、後述する昇降操作装置40のアーム部62に後方から当接される(
図14参照)。
【0068】
ポジションレバー26の回動操作は、上述の如く構成されたリンク機構28を介してアーム部62に伝達される。具体的には、レバー本体26aが回動操作されると、プレート28cには、ロッド28a及びアーム部28bを介して回転力が作用する。これに伴って、プレート28c、軸部28d及び押圧部28eは回動される。押圧部28eは、
図7(a)における時計回り方向へ回動された場合、アーム部62を押圧して回動させる。また、押圧部28eが時計回り方向へ回動された状態から、反対方向(反時計回り方向)へ回動された場合、アーム部62から離間される。このとき、アーム部62は、コントロールバルブに設けられたバネ(不図示)の付勢力により、押圧部28eに追従するように、押圧部28eと同一方向へ回動される。ポジションレバー26は、こうしてアーム部62を回動させることにより、バルブシャフトSを回動させて油圧昇降装置5を昇降させることができる。また、ポジションレバー26は、摩擦力を発生させる摩擦板(不図示)により、任意の位置で保持される。こうして、ポジションレバー26は、油圧昇降装置5の高さ位置を調整することができる。
【0069】
以下では、
図5、
図8から
図14を用いて昇降操作装置40の構成について説明する。上述の如く、昇降操作装置40は、簡易的な操作で油圧昇降装置5を上昇位置または下降位置のいずれかに切り換えるためのものである。
【0070】
ここで、トラクタ1は、圃場等で旋回する前に油圧昇降装置5を上昇させてロータリ耕耘装置12を地面から浮かせ、旋回後に油圧昇降装置5を下降させて元の位置に戻し、ロータリ耕耘装置12で耕耘を行うこととなる。仮に上述したポジションレバー26でこのような油圧昇降装置5の昇降を行う場合、旋回のたびに比較的操作量(ストローク)の大きなポジションレバー26を操作する必要があり、操作が煩雑である。これに対して、昇降操作装置40を用いれば、簡易な操作で油圧昇降装置5を上昇または下降させることができるため、旋回時の操作を楽に行うことができる。以下、昇降操作装置40の構成について具体的に説明する。
【0071】
図8から
図10に示すように、昇降操作装置40は、コンソールカバー27内のブラケットB10に支持されて操作可能に構成される。なお、
図10は、昇降操作装置40を左後方から見た図である。昇降操作装置40は、昇降レバー50、伝達部60、連係部70及び解除ボタン80を具備する。
【0072】
昇降レバー50は、後述するレバー回動軸52を中心として回動操作可能なものである。昇降レバー50は、回動操作により
図13に実線で示す下降操作位置P1と、
図13に二点鎖線で示す上昇操作位置P2と、に切り換えられる。なお、
図13及び後述する
図15(a)は、レバー回動軸52の軸線方向(
図11に示す矢印Y方向)から昇降操作装置40を見た図である。
【0073】
下降操作位置P1は、昇降レバー50が
図13における反時計回り方向へ回動操作された位置である。後述するように、昇降レバー50が下降操作位置P1に切り換えられた場合、油圧昇降装置5を下降位置に切り換えることができる。
【0074】
上昇操作位置P2は、昇降レバー50が
図13における時計回り方向へ回動操作された位置である。後述するように、昇降レバー50が上昇操作位置P2に切り換えられた場合、油圧昇降装置5を上昇位置に切り換えることができる。
【0075】
以下では、昇降レバー50が下降操作位置P1に切り換えられた状態を基準として、昇降レバー50、伝達部60、連係部70及び解除ボタン80の構成を説明する。
図11から
図13に示すように、昇降レバー50は、本体部51及びレバー回動軸52を具備する。なお、
図11に示す矢印Yは、レバー回動軸52の軸線方向を示している。また、第一方向X1は、レバー回動軸52の軸線方向に対して平面視で直交する方向、より詳細には、左後方から右前方へ向かう方向を示している。第二方向X2は、第一方向X1の反対方向を示している。
図12は、第二方向X2から昇降操作装置40を見た図である。
【0076】
本体部51は、後述するレバー回動軸52を中心として回動可能な部分である。本体部51は、揺動部51a、筒部51b及び取付部51cを具備する。
【0077】
揺動部51aは、運転者によって回動操作される部分である。揺動部51aは、軸線方向を上下方向に向けた軸状部材の上部に板状部材が固定されて構成される。揺動部51aの上端部には、運転者が把持するためのグリップが固定される。なお、
図11においては、説明の便宜上、
図12における矢印A2−A2(揺動部51aの中途部)で切断された昇降レバー50を示している。
【0078】
筒部51bは、略筒状の部分である。筒部51bは、軸線方向を水平方向に向けて配置される。より詳細には、筒部51bは、軸線方向を左前方から右後方へ延びる方向(
図11に示す矢印Y方向)に向けて配置される。筒部51bには、揺動部51aの下端部が固定される。筒部51bは、後述するレバー回動軸52に回動可能に支持される。
【0079】
取付部51cは、後述する伝達部60のワイヤー61が取り付けられる部分である。取付部51cは、略板状に形成される。取付部51cは、筒部51bの外周に固定され、筒部51bから略下方へ延出する。昇降レバー50は、ブラケットB10に設けられた略板状の回り止め部B11(
図13参照)に取付部51cが当接されるまで、反時計回り方向に回動することができる。
【0080】
レバー回動軸52は、本体部51を回動可能に支持するためのものである。レバー回動軸52は、軸線方向を筒部51bの軸線方向と同一方向へ向けて配置される。レバー回動軸52は、ブラケットB10に固定される。レバー回動軸52には、筒部51bが外嵌される。こうして、昇降レバー50は、レバー回動軸52を中心に回動操作可能に設けられる。
【0081】
上述の如く構成された昇降レバー50は、コンソールカバー27の上面に配置される(
図5(a)参照)。具体的には、昇降レバー50は、本体部51(揺動部51a)の上部がコンソールカバー27から上方へ延出し、運転者が回動操作可能に設けられる。
【0082】
図8、
図9、
図13及び
図14に示すように、伝達部60は、昇降レバー50の回動操作をバルブシャフトSに伝達するための部分である。伝達部60は、ワイヤー61及びアーム部62を具備する。
【0083】
ワイヤー61は、昇降レバー50と後述するアーム部62とを接続するものである。ワイヤー61は、上端部が昇降レバー50の取付部51cに取り付けられると共に下端部がピン61aを介してアーム部62に取り付けられる。
【0084】
アーム部62は、バルブシャフトSを回動させるためのものである。アーム部62は、ポジションレバー26の軸部28dの左方に配置される(
図7(b)参照)。
図9(b)及び
図14に示すように、アーム部62は、回動部62a及びプレート62bを具備する。なお、
図14、並びに後述する
図15(b)及び
図18においては、説明の便宜上、ポジションレバー26のうち、押圧部28eのみを記載し、プレート28c等の記載を省略している。
【0085】
回動部62aは、略筒状に形成される部分である。回動部62aは、軸線方向を左右方向に向けて配置される。回動部62aは、バルブシャフトSと連結される。回動部62aは、軸心を中心としてバルブシャフトSと一体的に回動可能に設けられる。
【0086】
プレート62bは、板面を左右方向へ向けた略板状に形成される。プレート62bは、後部から前上方へ延びる部分と、後部から前下方へ延びる部分とを有する側面視略V字状に形成される。プレート62bの後部は、回動部62aの右端部に固定される。プレート62bは、押圧部28eと当接される。プレート62bは、長孔62cを具備する。
【0087】
長孔62cは、プレート62bの前下部に形成される。長孔62cは、プレート62bを左右に貫通する。長孔62cは、回動部62aを中心とした側面視略円弧状に形成される。長孔62cには、ワイヤー61のピン61aが挿通される。
【0088】
アーム部62は、コントロールバルブに設けられたバネ(不図示)により
図14における反時計回り方向Z1へ付勢されている。当該付勢力によりワイヤー61が後下方へ引っ張られ、昇降レバー50は、
図13における反時計回り方向へ(下降操作位置P1に向けて)付勢される。
【0089】
図10及び
図11に示す連係部70は、後述する解除ボタン80の操作に伴って昇降レバー50を動作させるための部分である。連係部70は、本体プレート71、連係回動軸72及びバネ73を具備する。
【0090】
本体プレート71は、板面を上下方向に向けた略板状に形成される。本体プレート71は、後部(挿通部71a)から右前方(第一方向X1)へ延びる部分(係合部71c)と、後部から略前方へ延びる部分(連結部71b)と、を有する平面視略V字状に形成される。本体プレート71は、後述する連係回動軸72を介して回動可能にブラケットB10に取り付けられる。本体プレート71は、レバー回動軸52よりも高い位置に配置される。本体プレート71は、挿通部71a、連結部71b及び係合部71cを具備する。
【0091】
挿通部71aは、連係回動軸72が挿通される部分である。連結部71bは、解除ボタン80と連結される部分である。
【0092】
係合部71cは、昇降レバー50と係合する部分である。係合部71cは、許容部71d及び規制部71eを具備する。
【0093】
許容部71dは、昇降レバー50の回動操作を許容する部分である。許容部71dは、係合部71cの端面(横を向いた面)により形成される。許容部71dは、平面視略直線状に形成される。許容部71dは、第一方向X1に対して平面視で傾斜するように形成される。より詳細には、許容部71dは、第一方向X1に向かうにつれて右方へ延出する。許容部71dは、揺動部51aに対して後方から当接される。
【0094】
規制部71eは、昇降レバー50の回動操作を規制する部分である。規制部71eは、係合部71cの端面により形成される。規制部71eは、平面視略直線状に形成される。規制部71eは、許容部71dの左後端部と連続するように形成される。規制部71eは、レバー回動軸52の軸線方向(第二方向X2に対して平面視で直交する方向)と略同一方向へ延びるように形成され、第二方向X2を向くように形成される。規制部71eは、昇降レバー50が上昇操作位置P2に切り換えられた際に揺動部51aと当接される(
図16(b)参照)。
【0095】
連係回動軸72は、本体プレート71を回動可能に支持するものである。連係回動軸72は、軸線方向を上下方向に向けて配置される。連係回動軸72は、ブラケットB10及び本体プレート71の挿通部71aに挿通される。連係回動軸72は、昇降レバー50の左後方(平面視において昇降レバー50が回動操作される方向(第二方向X2)の略延長線上)に配置される。連係回動軸72は、本体プレート71をブラケットB10に取り付けるためのボルトにより構成される。
【0096】
バネ73は、本体プレート71を付勢するものである。バネ73は、ねじりバネによって構成される。バネ73は、連係回動軸72に外嵌される。バネ73の一端部は、ブラケットB10に取り付けられる。バネ73の他端部は、本体プレート71の係合部71cに引っ掛けられる。バネ73は、本体プレート71を
図11において反時計回り方向に付勢する。
【0097】
上述の如く構成された連係部70の本体プレート71は、
図12に示すように、昇降操作装置40を第二方向X2から見た場合に、昇降レバー50の揺動部51aに対して、レバー回動軸52の軸線方向における一側から他側までに(紙面左右に)わたるように配置される。
【0098】
図10及び
図11に示す解除ボタン80は、押し込み操作されることで油圧昇降装置5を下降位置に切り換えるものである。解除ボタン80は、連結部71bの左側に配置される。解除ボタン80は、本体部81及び軸部82を具備する。
【0099】
本体部81は、運転者が押し込み操作するための部分である。本体部81は、操作面81a及び鍔部81bを具備する。操作面81aは、運転者が押し込むための面である。操作面81aは、左方を向けて配置される。
【0100】
鍔部81bは、本体部81の右端部に形成される。鍔部81bは、本体部81の中で最も外径が大きくなるように形成される。
【0101】
軸部82は、本体部81と連結部71bとを接続する軸状の部分である。軸部82は、左右方向へ延びる部分と右端部から上方へ延びる部分とを有する略L字状に形成される。軸部82は、左端部が本体部81に取り付けられると共に、上端部が連結部71bに取り付けられる。軸部82は、左右方向へスライド可能にブラケットB10に支持される。こうして解除ボタン80は、運転者が右方(レバー回動軸52に対して非平行かつ非垂直な方向)へ押し込み操作可能に設けられる。
【0102】
図12に示すように、解除ボタン80は、昇降操作装置40を第二方向X2から見た場合に、昇降レバー50と重複しないように配置される。より詳細には、解除ボタン80は、昇降レバー50の揺動部51aよりも左方(レバー回動軸52の軸線方向における一側方)に配置される。
【0103】
上述の如く構成された解除ボタン80は、
図5に示すように、コンソールカバー27の左側面に配置される。より詳細には、解除ボタン80は、コンソールカバー27の貫通孔27a内に配置され、操作面81aがコンソールカバー27の左側面に露出するように設けられる。操作面81aは、コンソールカバー27の左側面から僅かに突出するように配置される。こうして、操作面81aは、コンソールカバー27の上面に配置された昇降レバー50(揺動部51a)の近くに配置される。鍔部81bは、解除ボタン80が押し込み操作されない場合において、コンソールカバー27の内側面に対して左方から当接される。このように、鍔部81bは、コンソールカバー27から解除ボタン80が抜けるのを防止する抜け止めとしての機能を有する。
【0104】
上述の如く構成された昇降操作装置40は、昇降レバー50が
図13に示す下降操作位置P1から上昇操作位置P2へ切り換えられることで、油圧昇降装置5を上昇位置に切り換えることができる。また、解除ボタン80が押し込み操作されることにより、昇降レバー50が上昇操作位置P2から下降操作位置P1へ切り換えられて油圧昇降装置5を下降位置に切り換えることができる。昇降操作装置40は、昇降レバー50の切換に応じてバルブシャフトSを回動させることで、油圧昇降装置5を昇降させることができる。以下、
図14から
図18を用いて具体的に説明する。
【0105】
なお、
図16及び
図17においては、昇降レバー50のうち、揺動部51aのみを示している。また、以下では、ポジションレバー26が前方に回動操作され、油圧昇降装置5が所定の高さ(下降位置)まで下がった状態を初期状態とする。
【0106】
まず、下降操作位置P1から上昇操作位置P2へ切り換える場合の昇降操作装置40の動作について説明する。
図15(a)及び
図16に示すように、昇降レバー50は、上昇操作位置P2へ切り換えられる場合、レバー回動軸52を中心に
図15(a)における時計回り方向へ回動される。これに伴い揺動部51aは、平面視で第二方向X2へ移動し、本体プレート71の許容部71dに押し付けられる。ここで、許容部71dは、第二方向X2に対して傾斜する平面視略直線状に形成されているため、揺動部51aは許容部71dに対して摺動しながら、当該許容部71d(本体プレート71)を回動させることができる。このように、許容部71dが揺動部51aの移動を阻害することはなく、昇降レバー50の上昇操作位置P2へ向けた回動操作が許容されている。
【0107】
図16(b)に示すように、昇降レバー50が上昇操作位置P2まで回動操作されると、揺動部51a(係合部71cとの当接部分)は、許容部71dよりも第二方向X2側に配置されることとなるため、許容部71dとの当接状態が解除される。すると、本体プレート71は、バネ73の付勢力により
図16(b)における反時計回り方向へ回動され、規制部71eが揺動部51aの第一方向X1側に配置される。
【0108】
上述の如く、昇降レバー50は、コントロールバルブのバネにより
図15(a)における反時計回り方向へ(下降操作位置P1に向けて)付勢されている。このため、
図16(b)に示す状態で昇降レバー50の回動操作が解除されると、揺動部51aは、平面視において第一方向X1へ付勢される。この際、揺動部51aは、規制部71eと当接し、規制部71eを第一方向X1へ押圧する。しかし、当該押圧によって本体プレート71に回転力が作用することはないため、当該本体プレート71は回動しない。こうして、揺動部51aが規制部71eと係合し、昇降レバー50は、上昇操作位置P2で保持される。
【0109】
上述のような上昇操作位置P2への切換において、取付部51cは、
図15(a)における時計回り方向へ所定角度回動される。これに伴って、ワイヤー61が略上方へ引っ張られ、アーム部62のプレート62bは、前上方へ引っ張られる。これにより、アーム部62は、
図15(b)における時計回り方向Z2へ回動される。当該回動によりバルブシャフトSが回動され、油圧昇降装置5は上昇位置に切り換えられる。
【0110】
また、アーム部62は、回動時にリンク機構28の押圧部28eから離間する。こうして、昇降操作装置40は、アーム部62を押圧部28eに対して相対的に回動させ、昇降レバー50の回動操作がポジションレバー26に影響を与えない(操作位置が変動しない)ようにしている。
【0111】
次に、上昇操作位置P2から下降操作位置P1へ切り換える場合の昇降操作装置40の動作について説明する。
図17に示すように、解除ボタン80は、操作面81aが右方へ押し込み操作されると、軸部82を介して連結部71bを右方へ押圧する。これにより、本体プレート71は、バネ73の付勢力に抗して時計回り方向へ回動される。これに伴い規制部71eは、揺動部51aから離間し、揺動部51aとの係合状態が解除される。
【0112】
上述の如く、バルブシャフトSは、コントロールバルブのバネによって付勢されているため、揺動部51aと規制部71eとの係合状態が解除されると
図14に示す反時計回り方向Z1へ回動される。これに伴ってアーム部62は、バルブシャフトSと同一方向へ回動され、ポジションレバー26の押圧部28eと当接する。こうしてバルブシャフトSが所定角度だけ回動され、油圧昇降装置5は、ポジションレバー26で設定された高さ位置(下降位置)に戻される。
【0113】
この際、昇降レバー50は、ワイヤー61を介して取付部51cが後下方へ引っ張られ、
図15(a)における反時計回り方向へ所定角度だけ回動される。こうして、昇降レバー50は、下降操作位置P1で保持される(
図15(a)参照)。
【0114】
以上の如く、本実施形態においては、昇降レバー50により油圧昇降装置5を上昇位置に切り換えると共に、解除ボタン80により油圧昇降装置5を下降位置に切り換えている。このように、上昇位置と下降位置との切換を、異なる2つの操作具によって行うことで、操作具の違いによって油圧昇降装置5を上昇位置または下降位置に切り換える際の操作を容易に区別することができる。これにより、上昇位置及び下降位置の切換操作を明確化して操作性を向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態においては、解除ボタン80を揺動部51aの左方(左右内側方)に配置している。これによって、昇降レバー50の揺動部51a(グリップ)を把持しつつ、親指で解除ボタン80を押圧し易くなる。また、解除ボタン80を右方、すなわちレバー回動軸52の軸線方向に対して非平行かつ非垂直な方向へ押圧する構成としている。当該構成によれば、レバー回動軸52の軸線方向に対して解除ボタン80を押し込む方向が適宜の角度を成すようになる。これによって、揺動部51aを把持した状態で解除ボタン80を押圧し易くなるため、操作性を効果的に向上させることができる。
【0116】
また、本実施形態においては、昇降レバー50がコンソールカバー27の上面に配置され、解除ボタン80がコンソールカバー27の左側面に配置されている。このような構成により、コンソールカバー27に対する配置の違いに基づいて昇降レバー50と解除ボタン80とを区別することができるため、上昇位置及び下降位置の切換操作をより明確化することができる。
【0117】
ここで、ポジションレバー26も昇降操作装置40もバルブシャフトSを回動させて油圧昇降装置5を昇降させている。上述の如く、昇降操作装置40は、アーム部62が押圧部28eに対して相対的に回動することで、昇降レバー50の回動操作がポジションレバー26に影響を与えないようにしている。
【0118】
また、昇降操作装置40は、長孔62cにより、ポジションレバー26の回動操作が昇降レバー50に影響を与えないようにしている。以下、具体的に説明する。
【0119】
上述の如く、ポジションレバー26の回動操作に伴い押圧部28eは回動される。
図14に示す状態において、押圧部28eが時計回り方向Z2へ回動された場合、アーム部62は、押圧部28eに押圧されて回動される。このとき、
図18に示すように、ワイヤー61のピン61aは、アーム部62の長孔62cに対して摺動する。また、押圧部28eが
図18に示す状態から反時計回り方向へ回動された場合、アーム部62は、コントロールバルブのバネの付勢力により、押圧部28eと同一方向へ回動される。このとき、ピン61aは、長孔62cに対して摺動する。
【0120】
このように、アーム部62に長孔62cを設けることで、ポジションレバー26の回動操作によってワイヤー61が引っ張られるのを簡単に防止して、ポジションレバー26の回動操作が昇降レバー50に影響を与えないようにしている。
【0121】
以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1(作業車両)の昇降操作装置40(操作装置)は、油圧昇降装置5を上昇位置または下降位置のいずれかに切り換えることが可能なトラクタ1の昇降操作装置40であって、レバー回動軸52(第一回動軸)を中心として回動操作可能であり、回動操作されることで前記油圧昇降装置5を前記上昇位置または前記下降位置のいずれか一方に切り換えることが可能な昇降レバー50(第一操作具)と、押し込み操作可能であり、押し込み操作されることで前記油圧昇降装置5を前記上昇位置または前記下降位置のいずれか他方に切り換えることが可能な解除ボタン80(第二操作具)と、を具備するものである。
【0122】
このように、油圧昇降装置5の位置の切り換えのための操作を2つの操作具(昇降レバー50及び解除ボタン80)で分担させることで、操作に応じて使用する操作具を明確化することができ、ひいては操作性を向上させることができる。
【0123】
また、前記昇降レバー50は、前記油圧昇降装置5を前記上昇位置に切り換えることが可能な上昇操作位置P2(第一操作位置)と、前記油圧昇降装置5を前記下降位置に切り換えることが可能な下降操作位置P1(第二操作位置)と、に回動操作可能であり、かつ、前記下降操作位置P1に向かって付勢され、前記トラクタ1の昇降操作装置40は、前記昇降レバー50を前記上昇操作位置P2に保持可能であると共に、前記解除ボタン80の操作に基づいて前記昇降レバー50の保持を解除可能な連係部70をさらに具備するものである。
【0124】
このように構成することにより、連係部70によって昇降レバー50と解除ボタン80とを連係させ、昇降レバー50及び解除ボタン80による油圧昇降装置5の操作機構(本実施形態においては伝達部60)の共通化を図ることができる。これによって、昇降操作装置40の簡素化を図ることができる。
【0125】
また、前記連係部70は、前記昇降レバー50と係合することで、前記昇降レバー50の前記上昇操作位置P2から前記下降操作位置P1への回動操作を規制する係合部71cと、前記解除ボタン80と連結される連結部71bと、を具備し、前記解除ボタン80の操作に基づいて連係回動軸72(第二回動軸)を中心として回動することにより、前記昇降レバー50と前記係合部71cとの係合を解除可能である。
【0126】
このように構成することにより、連係部70の回動により昇降レバー50と解除ボタン80とを簡単に連係させることができ、ひいては、昇降操作装置40の簡素化を図ることができる。
【0127】
また、前記係合部71cは、前記昇降レバー50の前記下降操作位置P1から前記上昇操作位置P2への回動操作を許容するものである。
【0128】
このように構成することにより、昇降レバー50の操作性を向上させることができる。すなわち、昇降レバー50の上昇操作位置P2から下降操作位置P1への回動操作を規制する一方、下降操作位置P1から上昇操作位置P2への回動操作は許容できるため、昇降レバー50を上昇操作位置P2へと簡単に回動操作することができる。
【0129】
また、前記連係部70は、前記昇降レバー50の前記レバー回動軸52の軸線方向において、前記昇降レバー50の一側から他側にわたるように配置されるものである。
【0130】
このように構成することにより、連係部70が昇降レバー50に対してレバー回動軸52の軸線方向における一側または他側に大きくはみ出すのを防止することができるため、昇降操作装置40のコンパクト化を図ることができる。
【0131】
また、前記解除ボタン80は、前記昇降レバー50の前記レバー回動軸52の軸線方向において、前記昇降レバー50の一側に配置されるものである。
【0132】
このように構成することにより、回動操作可能な昇降レバー50に対して、押し込み操作可能な解除ボタン80がレバー回動軸52の軸線方向にずれて配置されることとなる。当該構成によれば、例えば昇降レバー50を掴みながら、他の指で解除ボタン80を操作する等、片手で昇降レバー50及び解除ボタン80を操作し易くなり、操作性を向上させることができる。
【0133】
また、前記解除ボタン80は、前記昇降レバー50の前記レバー回動軸52に対して非平行かつ非垂直な方向(右方)に押し込み操作可能である。
【0134】
このように構成することにより、レバー回動軸52の軸線方向に対して解除ボタン80の押し込み操作方向が適度な角度を成すように、解除ボタン80を配置することが可能となる。これによって、片手で昇降レバー50及び解除ボタン80を操作し易くなり、操作性を向上させることができる。
【0135】
また、前記昇降レバー50は、座席22の側方に配置されたコンソールカバー27の上面に配置され、前記解除ボタン80は、前記コンソールカバー27の側面に配置されるものである。
【0136】
このように構成することにより、昇降レバー50及び解除ボタン80がコンソールカバー27の異なる側面(上面及び側面)に配置されることとなる。これによって、上昇位置への切換(昇降レバー50)と下降位置への切換(解除ボタン80)とをより区別し易くなるため、操作性を向上させることができる。
【0137】
また、前記解除ボタン80は、少なくとも一部が前記コンソールカバー27の側面よりも内側に位置するように配置されるものである。
【0138】
このように構成することにより、解除ボタン80がコンソールカバー27の側面からはみ出し難くなるため、解除ボタン80に不意に接触するのを抑制することができる。
【0139】
また、前記昇降レバー50は、左右内側前方から、左右外側後方(
図11に示す矢印Y方向)に向かって延びる前記レバー回動軸52を中心として回動操作可能であり、前記解除ボタン80は、左右方向に押し込み操作可能であるものである。
【0140】
このように構成することにより、座席22に着座した運転者が昇降レバー50及び解除ボタン80を操作し易い配置とすることができるため、操作性を向上させることができる。
【0141】
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車両の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る昇降操作装置40は、本発明に係る操作装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るレバー回動軸52は、本発明に係る第一回動軸の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る昇降レバー50は、本発明に係る第一操作具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る解除ボタン80は、本発明に係る第二操作具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上昇操作位置P2は、本発明に係る第一操作位置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る下降操作位置P1は、本発明に係る第二操作位置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る連係回動軸72は、本発明に係る第二回動軸の実施の一形態である。
【0142】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0143】
例えば、本実施形態に係る作業車両はトラクタ1であるものとしたが、本発明に係る作業車両の種類はこれに限定されるものでない。本発明に係る作業車両は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
【0144】
また、本実施形態においては、油圧昇降装置5の上昇位置への切換を昇降レバー50で行うと共に、油圧昇降装置5の下降位置への切換を解除ボタン80で行うものとしたが、上昇位置及び下降位置の切換と昇降レバー50及び解除ボタン80の操作との関係はこれに限定されるものではなく、任意の関係とすることができる。例えば、油圧昇降装置5の上昇位置への切換を解除ボタン80で行うと共に、油圧昇降装置5の下降位置への切換を昇降レバー50で行ってもよい。
【0145】
また、本実施形態において連係部70は、解除ボタン80の押し込み操作に伴って回動するものとしたが、これに限定されるものではない。連係部70は、例えば、解除ボタン80の押し込み操作に伴ってスライドするものであってもよい。
【0146】
また、本実施形態においては、連係部70により昇降レバー50と解除ボタン80とを連係するものとしたが、これに限定されるものではなく、昇降レバー50と解除ボタン80とが連係しないものであってもよい。この場合、昇降レバー50及び解除ボタン80がそれぞれ別々の伝達部によりバルブシャフトSと接続されていればよい。
【0147】
また、本実施形態において昇降レバー50は、コンソールカバー27の上面に配置されるものとしたが、昇降レバー50が配置される位置はこれに限定されるものではなく、任意の位置に配置することができる。例えば、昇降レバー50は、コンソールカバー27の左側面に配置されていてもよい。
【0148】
また、レバー回動軸52の軸線方向は、本実施形態のような左前方から右後方へ延出する方向(
図11に示す矢印Y方向)に限定されるものではなく、任意の方向とすることができる。
【0149】
また、本実施形態において解除ボタン80は、コンソールカバー27の左側面に配置されるものとしたが、解除ボタン80が配置される位置はこれに限定されるものではなく、任意の位置に配置することができる。例えば、解除ボタン80は、コンソールカバー27の上面に配置されていてもよい。
【0150】
また、本実施形態において解除ボタン80の操作面81aは、コンソールカバー27の左側面から左右外側に僅かに突出するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、操作面81aは、コンソールカバー27の左側面と面一となるように配置されていてもよい。また、操作面81aは、コンソールカバー27の左側面よりも内側に配置されるものであってもよい。このように、操作面81aがコンソールカバー27の左側面から突出しない(全体がコンソールカバー27内に収まる)構成とすることで、操作面81aに不意に接触するのを効果的に防止することができる。
【0151】
また、本実施形態において解除ボタン80は、右方へ押し込み操作可能に設けられたが、解除ボタン80の押し込み方向は、これに限定されるものではなく、任意の方向とすることができる。また、解除ボタン80の押し込み方向は、レバー回動軸52の軸線方向に対して非平行かつ非垂直であるものとしたが、これは一例であり、レバー回動軸52の軸線方向との関係は、これに限定されるものではない。解除ボタン80の押し込み方向は、例えば、レバー回動軸52の軸線方向と平行であっても垂直であってもよい。